JP2005119248A - 油性インク用インクジェット記録シートおよび油性インク用インクジェット記録シートの製造方法 - Google Patents

油性インク用インクジェット記録シートおよび油性インク用インクジェット記録シートの製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】油性インクを用いて印字し、印字後巻き取りで保管する際の、油性インクの溶剤が油性インク用インクジェット記録シートに浸透し、油性インク用インクジェット記録シートが膨潤しボコツキが発生したり、ブロッキングする問題を改善し、且つ印字部の耐水性の優れた記録物が得られる油性インク用インクジェット記録シートを提供することにある。
【解決手段】
支持基材とインク受容層を有するインクジェット記録シートにおいて、インク受容層が染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有し、溶融押出法により形成された少なくとも一層からなる層であることを特徴とする油性インク用インクジェット記録シートである。
【選択図】なし

Description

本発明は、油性インク用インクジェットインクの記録に適した記録シートであり、特に、ブロッキング性に優れ、印字後のボコツキが少なく、インクの乾燥性、耐水性に優れ、製造時の環境汚染を改善し、且つ生産性が改善された熱可塑性樹脂よりなる油性インク用インクジェット記録シートおよび油性インク用インクジェット記録シートの製造方法に関する。
液体インクを微細なノズルから記録体に噴出して画像を形成させるインクジェット記録方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高速記録が可能であること、また、他の印刷装置より安価であること等の理由から端末用プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷などで広く利用されている。
インクジェット記録方式は、最近では、耐水性が求められるラベルや配送伝票、更に屋外掲示用ポスターにまで、その用途は拡大しつつある。しかしながら従来のインクジェットプリンタで使用されるインクは、水及び親水性溶媒に染料を溶解したものであり、屋外用に使用する際には耐水性が悪く画像が流れ出したりする問題があった。
このため近年、染料溶媒、或は顔料分散媒として、芳香族系石油溶媒、脂肪族系石油溶媒、芳香族系炭化水素類、脂肪族系炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類等の油性溶媒を用いた油性インクによりインクジェット記録する、耐水性の優れたインクジェット記録物が得られるインクジェット記録方式が発展してきた。
油性インクによりインクジェット記録するインクジェット記録方式に適合するインクジェット記録シートは、インク受容層が、印字された油性インクを受容層空孔内に保持する形態の多孔質受容層から成るものと、印字された油性インクが受容層樹脂を膨潤させることによって受容層に保持させる形態の膨潤型受容層に分類される。
例えば、油性インクによりインクジェット記録するインクジェット記録方式に適合する多孔質受容層を有する油性インクジェット記録シートとして、基紙の両面に熱可塑性樹脂層が設けられた支持体の上に、シリカやゼオライト、金属酸化物のキセロゲル粉末状にしたもの等から選ばれる多孔性顔料とポリウレタン系エマルジョン樹脂、アクリル系エマルジョン樹脂、ポリエステル系エマルジョン樹脂、ポリスチレン系エマルジョン樹脂、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン樹脂、スチレンブタジエンラテックス等の合成ゴムラテックス等から選ばれる水系エマルジョン樹脂を主成分とする水系分散液を塗工して受容層を形成させた油性インクジェット記録シートがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、油性インクジェット記録シートとして、受容層と支持体を兼ねるポリエステル樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の樹脂と可塑剤を混合した樹脂シートから成る油性インクジェット記録シートが、がある(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この油性インクジェット記録シートの場合、支持体が受容層を兼ね、受容層を塗工乾燥する工程がない為、製造工程が簡略化されており、製造工程コストが低減される利点はあるが、油性インクを用いて印字し、印字後巻き取りで保管すると油性インクの溶剤が油性インクジェット記録シートの裏面まで浸透し、油性インクジェット記録シートが膨潤しボコツキが発生したり、ブロッキングする問題があった。
非多孔質媒体の上に、メラミン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、アクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール等の水性、または水系エマルジョンのバインダー中にポリエチレン、ポリメタクリレートなどの高分子の有機物の微粒子、あるいはガラス粉末、シリカ、酸化チタンなどの無機物から成る粒状物質を分散させた塗工液を塗布乾燥してマット処理化し、更にマット処理された面上に、カルナウバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワックス、アミドワックスなどの合成ワックスおよびそれらの変成品である酸化ワックス等、または、酢酸ビニル、アクリル酸等とエチレンとの共重合体、ポリテルペン、ロジン、エステルカム等の天然樹脂、石油樹脂等の有機溶媒によって溶解または膨潤する樹脂を溶解させた有機溶媒溶液を塗工して受容層を形成させた油性インクジェット記録シートの場合(例えば、特許文献3参照。)、及び織物、編物または不織布を含む支持体上に、油性インクに溶媒として含まれているトルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン等の溶媒に溶解しにくいポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリカーボネート樹脂等の水溶性樹脂または水性エマルジョン樹脂から成るインク浸透防止層を形成し、更にインク浸透防止層上に、油性インクの溶媒に対して溶解度が異なるポリウレタン樹脂およびポリエステル樹脂の混合物、ポリウレタン樹脂およびアクリル樹脂の混合物、またはポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリル樹脂の混合物等の2種以上の樹脂を有機溶媒に溶解させた有機溶剤溶液を塗工して受容層を形成させた油性インクジェット記録シートの場合(例えば、特許文献4参照。)、油性インクを用いて印字し、印字後巻き取りで保管すると油性インクの溶剤が油性インクジェット記録シートに浸透し、油性インクジェット記録シートが膨潤しボコツキが発生したり、ブロッキングする問題はないが、マット処理、及び受容層作製時に塗工乾燥工程が必要な為、製造工程が長く、製造コストが高くなる問題があった。
その他、水性インクによりインクジェット記録するインクジェット記録方式に適合する膨潤型受容層を有する水性インクジェット記録シートとして、共押出しで形成された支持体の上に、水性インクで膨潤するインク受容層組成物溶液を塗工して受容層を形成させた水性インクジェット記録シートがある(例えば、特許文献5参照。)。
特開2001−277708号公報 特開平9−164762号公報([0023]) 特開平1−307766号公報 特開2003−089262号公報 特表2000−515442号公報(実施例4)
製造工程を簡略化することで製造コストが低減化され、且つ、油性インクを用いて印字し、印字後巻き取りで保管すると油性インクの溶剤が油性インク用インクジェット記録シートの裏面まで浸透し、油性インク用インクジェット記録シートが膨潤しボコツキが発生したり、ブロッキングする問題が改善され、且つ印字部の耐水性の優れた記録物が得られる油性インク用インクジェット記録シートおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、油性インク用インクジェット記録シートの受容層及び支持基材について鋭意検討した結果、染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する層を少なくとも一層含む受容層、および非染着性熱可塑性を主成分として含有する層を少なくとも一層含む支持基材から成る、少なくとも2層以上の構成層を有する油性インク用インクジェット記録シートであって、該記録シートの構成層の中、少なくとも受容層が染料染着性樹脂を含有する樹脂組成物、或は染料染着性樹脂の溶融押出しで、成形された油性インク用インクジェット記録シートにより達成できることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は、支持基材とインク受容層を有するインクジェット記録シートにおいて、インク受容層が染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有し、溶融押出法により形成された少なくとも一層からなる層であることを特徴とする油性インク用インクジェット記録シートである。
また、支持基材が非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する層を少なくとも一層からなる層である上記油性インク用インクジェット記録シートである。
更に、支持基材とインク受容層が溶融共押出により形成された上記油性インク用インクジェット記録シートである。
該染着性熱可塑性樹脂が、熱可塑性ポリウレタン系樹脂であることを特徴とする上記油性インク用インクジェット記録シートである。
該熱可塑性ポリウレタン系樹脂が分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有することが好ましい。
また、油性インク用インクジェット記録シートの厚みの5〜50%が、インク受容層の厚みである上記の油性インク用インクジェット記録シートである。
更に、支持基材と染着性熱可塑性樹脂のインク受容層を有する油性インク用インクジェット記録シートの製造方法において、非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する支持基材と染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有するインク受容層を溶融共押出により積層形成したことを特徴とする油性インク用インクジェット記録シートの製造方法である。
油性インクとしては、高沸点溶剤および該高沸点溶剤に可溶な染料を含む油性インク、高沸点溶剤、樹脂分散物および該高沸点溶剤に可溶な染料を含む油性インク、色材顔料、高沸点溶剤および該高沸点溶剤に可溶な樹脂組成を含む油性インク、色材顔料、高沸点溶剤および樹脂分散物を含む油性インクから選ばれるインクであることが好ましい。
上記の油性インク用インクジェット記録シートおよび油性インク用インクジェット記録シートの製造方法は、製造コストが低減化され、且つ、油性インクを用いて印字し、印字後巻き取りで保管すると油性インクの溶剤がインクジェット記録シートの裏面まで浸透し、インクジェット記録シートが膨潤しボコツキが発生したり、ブロッキングする問題が改善され、且つ印字部の耐水性の解像性の優れた記録物が得られる油性インク用インクジェット記録シートを得ることが可能になった。
本発明は、支持基材とインク受容層を有するインクジェット記録シートにおいて、インク受容層が染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有し、溶融押出法により形成された少なくとも一層からなる層であることを特徴とする油性インク用インクジェット記録シートである。
本発明でいう染着性熱可塑性樹脂とは、油性インクで染着され易い熱可塑性樹脂である。インク受容層の主成分である染着性熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂が例示でき、これらの樹脂の中から少なくとも1種以上の樹脂を用いることができる。中でも印字濃度、印字画像の解像性の面から熱可塑性ポリウレタン系樹脂が好ましく、完全熱可塑性ポリウレタン系樹脂が特に好ましい。分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有する熱可塑性ポリウレタン系樹脂が更に好ましい。
ポリウレタン樹脂について説明すると、ポリウレタン樹脂は一般にはイソシアネートとポリオールの重付加によって製造される。
ポリウレタン樹脂中の構成成分としてのイソシアネートは、特に制限されないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。これらは2種以上併用することもできる。これらのイソシアネートの中でも、脂肪族系イソシアネート及び/又は脂環族系イソシアネートが好ましい。
本発明において、直鎖状のポリウレタン樹脂を用いることが好ましく、このためイソシアネートはジイソシアネートが好ましい。尚、本発明の効果を損なわない範囲で3価以上のイソシアネートを併用することもできる。油性インクによる染着性の観点から、本発明の熱可塑性ポリウレタン系樹脂として使用するポリウレタン樹脂中のイソシアネートの含有量は、5〜35質量%の範囲であることが好ましい。
一方、ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。これらは2種以上併用することもできる。中でも、ポリールとして、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールを用いると、分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有するポリウレタン樹脂を得ることができ好ましい。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、ポリエステルポリオールとしては、低分子量ポリオールとカルボン酸とを脱水縮合反応させることによって得られるポリエステル、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル及びこれらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
なお、低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒジロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらを単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールの他に、本発明のインクジェット受理層樹脂組成物の物性を損なわない範囲内で、これら以外のポリオールを使用することができる。上記以外のポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリブタジエン系等のポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。
本発明は、上記染着性熱可塑性樹脂を溶融押出法により支持基材上に形成して受容層を形成するが、染着熱可塑性樹脂に無機粒子及び/又は有機フィラーを配合すると、記録シートを巻き取りの形態で保管中に発生しやすい、受容層と支持基材の接触面のブロッキングを防止する為に好ましい。例えば、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを受容層の0〜40質量%、好ましくは5〜20質量%含有させることもできる。無機微細粉末及び/又は有機フィラーの含有量が40質量%を超えると、油性インクに対する染着性熱可塑剤樹脂層の膨潤率が低下するため、油性インクによる本発明の染着性熱可塑性樹脂に対する染着性が低下して、好ましくない。
無機微細粉末や有機フィラーの種類は、特に制限されない。無機微細粉末としては、湿式法及び乾式法による非晶質合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、珪藻土、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素等を例示することができる。かかる無機質充填剤として、親油性基を有するシランカップリング剤などの表面処理剤で表面が親油性に成る様に処理された無機質充填剤は、非染着性熱可塑性樹脂中での分散性が良い為、好ましい。
有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィン重合体等を例示することができる。中でも、染着性熱可塑性樹脂の融点よりは高い融点を有するものが好ましい。これら無機微細粉末または有機フィラーは単独または併用して用いることができる。
支持基材としては、特に限定するものではないく、インクジェット記録シートとして知られた公知の支持基材が使用できる。支持基材は非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有することが好ましい。ここでいう非染着性熱可塑性樹脂とは、油性インクで染着されにくい熱可塑性樹脂である。
支持基材の主成分である非染着性熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、イソブチレン/ノルマルブチレン共重合体、ポリエチレングリコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、イソプレン樹脂、イソブチレン樹脂、ブタジエン/メチルメタクリレート共重合体などが挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。中でも、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、ブタジエン/メチルメタクリレート共重合体の中から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましい。これらの中でも、コスト面、耐水性、耐溶剤性の面からプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
非染着性熱可塑性樹脂中には、油性インク用インクジェット記録シートを不透明化して、印字部の識別を容易とならしめる為に、及び本発明の油性インク用インクジェット記録シートを巻き取りの形態で保管中に、インク受容層と支持基材の接触面のブロッキングを防止する為に、例えば、無機微細粉末及び/又は有機フィラーを0〜65質量%、好ましくは5〜40質量%含有させ、不透明度(JIS−P−8138)を80%以上にすることもできる。
無機微細粉末や有機フィラーの種類は、特に制限されない。無機微細粉末としては、湿式法及び乾式法による非晶質合成シリカ、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、硫酸バリウム、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素を例示することができる。
有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィン重合体等を例示することができる。中でも、非染着性熱可塑性樹脂の融点よりは高い融点を有するものが好ましい。これら無機微細粉末または有機フィラーは単独または併用して用いることができる。
本発明の油性インク用インクジェット記録シートは、支持基材上に、染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有するインク受容層を溶融押出法により形成する。また、染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有するインク受容層と、非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する支持基材を溶融共押出することにより形成することが好ましい。例えば、インク受容層、支持基材に用いる樹脂または樹脂組成物をフィードブロック付きダイまたはマルチマニホールドダイ等の複数の押出機を使用して熱溶融で共押出する方法で製造することができる。この製造方法を用いた場合、比較的に薄い染着性熱可塑性樹脂を含有するインク受容層を形成することが可能であり、量産性が優れる等の利点がある。なお、インク受容層および支持基材の間には両者の接着性が良好となるよう接着層を設けても良い。接着層に用いられる接着剤は、接着性を向上させるものであれば特に限定はなく、公知の樹脂類、接着剤から選択使用できる。
本発明の油性インク用インクジェット記録シートの全体の厚さ及び各層の厚さは特に制限されず、使用目的や用途に応じて適宜選択することができるが、記録シートの全体の厚さは一般的に50μm〜1000μm程度であり、染着性熱可塑性樹脂を含有するインク受容層の厚さは全体の厚さの5〜50%に設定することが好ましい。
以下に本発明の実施例を説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
[実施例1]
共押出シート成形機を使用して、インク受容層用の染着性熱可塑性樹脂としてポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985,日本ポリウレタン工業株式会社製)を、20mmφ押出機を用いて押出温度190℃で、支持基材用の非染着製熱可塑性樹脂としてメルトフローレート(MFR:230℃、2.16kg荷重)0.8g/10分のプロピレン単独重合体(融点約164〜167℃)81質量%、高密度ポリエチレン3質量%、及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16質量%から成る樹脂組成物を40mmφ押出機を用いて押出温度220℃で、共押出成形し、油性インク用インクジェット記録シートを得た。インク受容層の厚さは50μm、記録シート全体の厚さは210μmであった。
[実施例2]
実施例1のポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985)をポリエステル鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP190,日本ポリウレタン工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、油性インク用インクジェット記録シートを成形した。得られた油性インク用インクジェット記録シートのインク受容層の厚さは52μm、記録シート全体の厚さは205μmであった。
[実施例3]
実施例1のポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985)をポリエ−テル鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP395,日本ポリウレタン工業株式会社製)に変えた以外は、実施例1と同様にして、油性インク用インクジェット記録シートを成形した。得られた油性インク用インクジェット記録シートのインク受容層の厚さは50μm、記録シート全体の厚さは205μmであった。
[比較例1]
押出シート成形機を使用して、ポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985,日本ポリウレタン工業株式会社製)を、40mmφ押出機を用いて押出温度190℃で押出成形し、染着性熱可塑性樹脂の1層のみの油性インク用インクジェット記録シート得た。得られた油性インク用インクジェット記録シートの厚さは210μmであった。
[比較例2]
比較例1のポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985)をポリエステル鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP190,日本ポリウレタン工業株式会社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして、油性インク用インクジェット記録シートを成形した。得られた油性インク用インクジェット記録シートの厚さは208μmであった。
[比較例3]
比較例1のポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985)をポリエ−テル鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP395,日本ポリウレタン工業株式会社製)に変えた以外は、比較例1と同様にして、油性インク用インクジェット記録シートを成形した。得られた油性インク用インクジェット記録シートの厚さは205μmであった。
[実施例4]
支持基材として、ポリプロピレン樹脂系の合成紙(商品名:ユポFPG−110,ユポ・コーポレーション製,厚さ110μm)の片面に、押出シート成形機を使用して、ポリカーボネート鎖含有のポリウレタン樹脂(商品名:ミラクトランP985,日本ポリウレタン工業株式会社製)を、40mmφ押出機を用いて押出温度190℃で押出積層し、油性インク用インクジェット記録シートを成形した。得られた油性インク用インクジェット記録シートのインク受容層の厚さは40μm、記録シート全体の厚さは150μmであった。
「評価」
得られた油性インク用インクジェット記録シートについて、ブロッキング性、印字後のボコツキ、耐水性、およびインク乾燥性について下記の基準にしたがい評価を行い、その結果を表1に示す。なお、印字は、得られた油性インク用インクジェット記録シートのインク受容層面に、インクジェットプリンタとしてセイコー・アイ・インフォテック社製「インクジェットプロッター IP4010:商品名」を使用し、イエロー、シアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、ライトシアン、ブラックの6色カラー印字を行った。
(1)ブロッキング性
印字していない油性インク用インクジェット記録シート2枚を、インク受容層面と支持基材が重なるように重ね、上から20g/cmの圧力をかけた状態で20℃、65%RHの雰囲気で12時間経過後、ブロッキングの状態を観察した。
○:ブロッキングが認められなかった。
△:ブロッキングが若干認められたが実使用上問題無し。
×:ブロッキングが発生し、使用に耐えられない。
(2)印字後のボコツキ
片面に印字された油性インク用インクジェット記録シート2枚を、印字面と印字していない面を重ね合わせて、24時間室温で放置後記録用紙の状態を目視で評価した。
○:記録シートにボコツキが見られない
△:記録シートにボコツキが少し見られ実用上問題ある
×:記録シートにボコツキが激しく見られ使用に耐えない
(3)耐水性
片面に印字された油性インク用インクジェット記録シートを、24時間室温で水中に浸漬放置後記録用紙の画像の状態を目視で評価した。
○:印字画像の流出がほとんどない
△:印字画像が一部にじみ実用上問題ある
×:印字画像が流出し、にじみも激しく使用に耐えない
(4)インク乾燥性
片面に印字された油性インク用インクジェット記録シート2枚を印字面と印字していない面を重ね合わせて、24時間室温で放置後記録用紙の状態を目視で評価した。
○:記録シートの重ね合わせた裏面へのインクの転移がない
△:記録シートの重ね合わせた裏面へのインクの転移が少し見られる
×:記録シートの重ね合わせた裏面へのインクの転移が発生し、ヘバリ付く
Figure 2005119248
本発明の油性インク用インクジェット記録シートは、耐水性に優れるので、店内や室内の装飾、屋外でのPOP広告用などとして、或いはバスや電車の車体へのラッピング用として利用できる。

Claims (7)

  1. 支持基材とインク受容層を有するインクジェット記録シートにおいて、インク受容層が染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有し、溶融押出法により形成された少なくとも一層からなる層であることを特徴とする油性インク用インクジェット記録シート。
  2. 支持基材が非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する請求項1記載の油性インク用インクジェット記録シート。
  3. 支持基材とインク受容層が溶融共押出により形成された請求項1又は2記載の油性インク用インクジェット記録シート。
  4. 染着性熱可塑性樹脂が熱可塑性ポリウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の油性インク用インクジェット記録シート。
  5. 熱可塑性ポリウレタン系樹脂が分子中にポリカーボネート鎖及び/又はポリエステル鎖を有することを特徴とする請求項4記載の油性インク用インクジェット記録シート。
  6. 油性インク用インクジェット記録シートの厚みの5〜50%が、インク受容層の厚みである請求項1〜5のいずれか一項に記載の油性インク用インクジェット記録シート。
  7. 支持基材と染着性熱可塑性樹脂のインク受容層を有する油性インク用インクジェット記録シートの製造方法において、非染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有する支持基材と染着性熱可塑性樹脂を主成分として含有するインク受容層を溶融共押出により積層形成したことを特徴とする油性インク用インクジェット記録シートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007007547A1 (ja) * 2005-07-13 2007-01-18 Mitsubishi Plastics, Inc. インクジェット記録材料およびそれを用いたディスプレー材料

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