JP2017124474A - 軌道輪の研磨方法及び補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】メッキが施されている外輪の軌道面を研磨する場合に、加工基準面を設けるために外輪のメッキを一部剥がさなくても済むようにする。
【解決手段】表面にメッキが施されている外輪11は、内周に軌道面11a,11bを有していると共に、径方向外側に延びて設けられているフランジ部52を有している。この軌道面11a,11bを砥石7により研磨するは、先ず、外周面22が真円状である環状の治具21を外輪11に同心状として取り付ける。そして、治具21が取り付けられている外輪11を回転させ、軌道面11a,11bに対して砥石7を径方向内側から押し当てると共に、治具21の外周面22に対してシュー8を径方向外側から接触させて研磨を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、軌道輪の研磨方法及び補助具に関する。
自動車等の車両において、車輪を回転自在に支持するために車輪用軸受装置(ハブユニット)が用いられている。車輪用軸受装置は、車体側の懸架装置に固定される外輪と、車輪が取り付けられるハブ軸と、これら外輪とハブ軸との間に設けられている転動体とを備えている。車輪用軸受装置において防錆効果を高めるために、外輪及びハブ軸にメッキを施すことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−239115号公報
図5に示すように、外輪90の内周面には玉等からなる転動体が転動する軌道面91が形成されており、転動体と良好な接触状態を得るために軌道面91には研磨加工が施される。研磨加工は、軌道面91に砥石99を接触させることで行われるが、そのために、外輪90の外周面の一部を加工基準面92としており、この加工基準面92にシュー(当て金)98を接触させている。これにより、砥石99が外輪90を押す力をシュー98が受けることができ、軌道面91を精度よく研磨することが可能となる。なお、加工基準面92は、外輪90の外周面の一部に対して機械加工(旋削及び研磨)を行うことにより設けられている。
しかし、外輪90にメッキを施した車輪用軸受装置の場合、加工基準面92を外輪90の外周面に設けるためには、その一部に対して機械加工を行うことが必要であり、これにより、外輪90に施したメッキを一部剥がすことになる。加工基準面92では、外輪90の素地が露出するため、発錆の原因(起点)となる。
そこで、本発明では、メッキが施されている軌道輪の軌道面を研磨する方法であって、加工基準面を設けるために軌道輪のメッキを一部剥がさなくても済む研磨方法、及びこの研磨方法で用いられる補助具を提供することを目的とする。
本発明の軌道輪の研磨方法は、内周又は外周に軌道面を有していると共に径方向外側に延びて設けられているフランジ部を有し、かつ、表面にメッキが施されている軌道輪の、当該軌道面を砥石により研磨する方法であって、周面が真円状である環状の治具を前記軌道輪に同心状として取り付ける準備工程と、前記治具が取り付けられている前記軌道輪を当該治具の中心線回りに回転させ、前記軌道面に対して砥石を径方向一方側から押し当てると共に当該治具の前記周面に対してシューを径方向他方側から接触させて研磨を行う加工工程と、を含む。
この軌道輪の研磨方法によれば、治具を軌道輪に同心状として取り付けることで、治具の前記周面を、軌道輪を研磨する際の加工基準面とすることができる。そして、軌道輪の軌道面に対して砥石を径方向一方側から押し当てると共に、治具の前記周面(加工基準面)にシューを径方向他方側から接触させることで、砥石が軌道輪を押す力をシューが受けることができ、軌道面を精度よく研磨することが可能となる。したがって、軌道輪に加工基準面を設ける必要がなくなる。このため、表面にメッキが施されている軌道輪の一部に対して、従来のように機械加工を行って加工基準面を設ける必要がなくなり、軌道輪の一部のメッキが剥がされないで済む。
また、前記準備工程では、前記フランジ部が有する第一穴と、前記治具が有する第二穴とに軸部材を挿し入れて当該フランジ部に当該治具を固定するのが好ましい。
この場合、軌道輪のフランジ部の第一穴と治具の第二穴とに軸部材を挿し入れることで、治具を軌道輪に対して同心状に簡単に取り付けることができる。
また、前記フランジ部の前記第一穴はボルト穴であり、前記軸部材は前記ボルト穴に螺合するボルトであり、前記治具の前記第二穴は前記ボルトを挿通させる貫通穴であり、前記ボルトを前記ボルト穴に螺合させて締め付けることで、前記軌道輪に前記治具を取り付けるのが好ましい。
この場合、ボルト穴にメッキが施されていても、治具を取り付けるための前記ボルトにより、余分なメッキを除去することが可能となる。
また、本発明は、内周又は外周に軌道面を有していると共に径方向外側に延びて設けられているフランジ部を有し、かつ、表面にメッキが施されている軌道輪の、当該軌道面を砥石により研磨するために用いられる補助具であって、周面が真円状であると共に前記フランジ部が有する複数の第一穴それぞれの中心を通過する仮想円と直径が同じピッチ円に沿って複数の第二穴が設けられている環状の治具と、前記フランジ部が有する前記第一穴と前記治具が有する前記第二穴とに挿し入れ当該フランジ部に当該治具を取り付けるための軸部材と、を備えている。
この補助具によれば、軸部材を用いて治具を軌道輪に取り付けると、この治具の前記周面を、軌道輪を研磨する際の加工基準面とすることができる。そして、軌道輪の軌道面に対して砥石を径方向一方側から押し当てると共に、治具の前記周面(加工基準面)にシューを径方向他方側から接触させることで、砥石が軌道輪を押す力をシューが受けることができ、軌道面を精度よく研磨することが可能となる。したがって、軌道輪に加工基準面を設ける必要がなくなる。このため、表面にメッキが施されている軌道輪の一部に対して、従来のように機械加工を行って加工基準面を設ける必要がなくなり、軌道輪の一部のメッキが剥がされないで済む。
本発明によれば、メッキが施されている軌道輪の軌道面を研磨する場合において、従来のように軌道輪の一部に対して機械加工を行って加工基準面を設ける必要がなくなり、メッキを剥がさなくても済む。このため、防錆効果の高い軸受が得られる。
車輪用軸受装置の断面図である。 外輪を軸方向から見た正面図である。 研磨方法を説明する図である。 他の形態の研磨方法を説明する図である。 従来の研磨方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔車輪用軸受装置について〕
図1は車輪用軸受装置の断面図である。この車輪用軸受装置(ハブユニット)10は、例えば自動車の車体側の懸架装置に取り付けられ、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置10は、外輪11と、ハブ軸12と、転動体13と、保持器14と、密封装置15,17を備えている。
外輪11は、円筒状の部材であり、例えば高炭素鋼により製造されている。外輪11は、円筒形状である外輪本体51と、この外輪本体51から径方向外側に延びて設けられている固定用のフランジ部52とを有している。図2に示すように、本実施形態では、フランジ部52は、外輪本体51から突出している四つの突出部52a,52b,52c,52dにより構成されており、突出部52a,52b,52c,52dそれぞれに穴(第一穴)54が形成されている。これら穴54は、一つの仮想円(ピッチ円)C1に沿って設けられている。つまり、外輪11のフランジ部52には、周方向に沿って複数の穴54が形成されている。そして、この穴54に、固定用のボルト68(図1参照)が取り付けられる。ボルト68を用いてフランジ部52が車体側部材であるナックル53に固定されることで、外輪11を含む車輪用軸受装置10はナックル53に固定される。
車輪用軸受装置10が車体側に固定された状態で、ハブ軸12が有する後述の車輪取り付け用のフランジ部56側が車両の外側となる。つまり、図1の左側(フランジ部56側)が車両アウタ側となり、図1の右側が車両インナ側となる。また、図1の左右方向が車輪用軸受装置10の軸方向となる。外輪11の内周面には、車両アウタ側の外輪軌道面11aと、車両インナ側の外輪軌道面11bとが形成されている。
ハブ軸12は、軸本体部55と、車輪取り付け用のフランジ部56と、内輪部材57とを有している。これらは、例えば高炭素鋼により製造されている。軸本体部55は軸方向に長い軸部材である。フランジ部56は、軸本体部55の車両アウタ側から径方向外側に延びて設けられており、円環形状を有している。フランジ部56には、穴(第二穴)58が周方向に沿って複数形成されており、この穴58に、車輪取り付け用のボルト69が取り付けられている。フランジ部56には、図外の車輪の他にブレーキロータが取り付けられる。内輪部材57は、環状の部材であり、軸本体部55の車両インナ側に嵌合して固定されている。軸本体部55の車両アウタ側の外周面に軸軌道面12aが形成され、内輪部材57の外周面に内輪軌道面12bが形成されている。
車両アウタ側の外輪軌道面11aと軸軌道面12aとは径方向に対向し、車両インナ側の外輪軌道面11bと内輪軌道面12bとは径方向に対向し、車両アウタ側及びインナ側それぞれの軌道面間に転動体13である玉が配置されている。転動体(玉)13は二列設けられており、各列の転動体(玉)13は、環状の保持器14によって保持されている。外輪11とハブ軸12との間に転動体13が設けられていることで、ハブ軸12は、外輪11の径方向内側において外輪11と同心状に配置された構成となる。
外輪11の全体にはメッキが施されている。ただし、後に説明する方法によって、外輪11の内周面は、外輪軌道面11a,11bを含めて研磨加工される。このため、外輪11の内周面では、メッキが剥がされ、外輪11の素地が露出した機械加工面(研磨面)となる。外輪11の外周面の全体には、メッキ層18が設けられている。
また、ハブ軸12の全体にもメッキが施されている。ただし、外周面は軸軌道面12a及び内輪軌道面12bを含めて研磨加工がされることから、メッキが剥がされた領域が存在する。
〔研磨方法について〕
以下において説明する軌道輪の研磨方法は、図1に示す外輪11の軌道面11a,11bを含む内周面を研磨する方法である。図3は、この研磨方法を説明する図であり、外輪11、砥石7及び補助具20を示している。砥石7は、研磨対象となる外輪11の外輪軌道面11a,11bを含む内周面形状(仕上がり内周面形状)と一致する形状を有している。砥石7を、回転する外輪11の内周面に接触させ、所定の押し付け力により径方向外側に押し付けることで、外輪11の内周面が研磨される。
補助具20について説明する。この補助具20は、表面にメッキが施されている外輪11の外輪軌道面11a,11bを含む内周面を、砥石7により研磨するために用いられるものである。補助具20は、外輪11に取り付けられる環状の治具21と、この取り付けのために用いられる軸部材とを備えている。なお、本実施形態では、前記軸部材は、ボルト31である。
治具21は、図2に示すように、円環形状を有しており、外周面22が真円状である。この外周面22は、研磨加工されていることで、寸法精度(真円度)が高く、平滑な面となっている。そして、研磨加工の際、この外周面22にシュー(当て金)8を接触させる(図3参照)。この治具21には、複数の穴23が設けられている。これら穴23は、外輪11のフランジ部52が有する複数の穴54それぞれの中心を通過する仮想円C1(図2参照)と直径が同じピッチ円(第二の仮想円)に沿って設けられている。以下、フランジ部52の穴54を第一穴54と呼び、治具21の穴23を第二穴23と呼ぶ。
更に本実施形態では、治具21の第二穴23は、フランジ部52の第一穴54と同数であり、第一穴54と同じ周方向ピッチで形成されている。なお、図2の二点鎖線で示すように、第二穴23は、第一穴54よりも多く形成されていてもよく、この場合、治具21を他の形態の外輪に固定することが可能となり、汎用性を持たせることができる。治具21の第二穴23は、図3に示すように、小径穴部24と大径穴部25とを有しているザグリ穴であり、治具21の厚さ方向に貫通している。
第一穴54はボルト孔からなり、ボルト31がこの第一穴54に螺合する。ボルト31は六角穴付ボルトであり、ヘッド部32は大径穴部25に収容された状態となる。ボルト31は、フランジ部52の第一穴54と、治具21が有する第二穴23とに挿し入れられ、ボルト31を第一穴54に螺合させて締め付けることで、ヘッド部32が治具21の一部を軸方向に挾むことができ、フランジ部52に治具21を取り付ける(固定する)ことができる。
ボルト31の軸部33の基部側には、ねじ山が形成されておらず、平滑な円筒面34となっている。軸部33の先端側にねじ山39が形成されている。第二穴23の小径穴部24の内径と、ボルト31の軸部33の円筒面34の外径とは同じである。これにより、ボルト31を第一穴54に螺合させた状態で、小径穴部24とボルト31の円筒面34とが面で接触することができ、外輪11と治具21とは径方向について移動不能となり、これらは相対的に位置決めされた状態となる。
前記の構成を有する補助具20を用いて外輪11の軌道面11a,11bを含む内周面を砥石7により研磨する方法について説明する。この方法には、準備工程と加工工程とが含まれる。
準備工程では、外輪11のフランジ部52の側面52eに、治具21の側面を接触させた状態とし、ボルト31をフランジ部52の第一穴54に螺合させ、ボルト31を締め付ける。なお、外輪11及び治具21それぞれには周方向に沿って複数の穴54,23が形成されていることから、全ての穴54,23の組みにボルト31を挿通させ、締め付ける。これにより、外周面22が真円状である環状の治具21を、外輪11に同心状として取り付けることができる。
準備工程を終えると、その後の加工工程で砥石7による研磨が行われる。すなわち、治具21が取り付けられている外輪11を治具21の中心線Q回りに回転させ、そして、外輪軌道面11a,11bを含む内周面に対して砥石7を径方向内側から押し当てると共に、治具21の真円状である外周面22に対してシュー8を径方向外側から接触させて研磨を行う。
この研磨方法によれば、治具21を外輪11に同心状として取り付けることで、治具21の真円状である外周面22を、外輪11の内周面を研磨する際の加工基準面とすることができる。そして、外輪軌道面11a,11bを含む内周面に対して砥石7を径方向内側から押し当てると共に、治具21の外周面(加工基準面)にシュー8を径方向外側から接触させることで、砥石7が外輪11を押す力をシュー8が受けることができ、外輪軌道面11a,11bを精度よく研磨することが可能となる。
したがって、従来のように外輪11に加工基準面を設ける必要がなくなる。すなわち、従来では、メッキが施されている外輪の外周面に加工基準面を設けるために、外周面の一部を機械加工(研磨)し、メッキを一部剥がしていたが、本実施形態のように、外輪11に固定した治具21の一部を加工基準面とすることで、外輪11の外周面のメッキを剥がす必要が無くなる。この結果、防錆効果の高い車輪用軸受装置(転がり軸受)が得られる。
また、従来では、図5に示すように、外輪90が有する円筒状の外輪本体93の外周面の一部を加工基準面92としている。そして、この加工基準面92を基準として外輪90の内周面の研磨が行われる。しかし、研磨により軌道面91の精度を高くすることができても、外輪90が有するフランジ部94の側面95、つまり、ナックルとの合わせ面の精度(例えば直角度)が低い場合があり、この場合、車体側(ナックル側)の基準に対する軌道面91,91の位置や傾き等にばらつきが生じてしまう。つまり、フランジ部94の側面95の直角度が適切でないと(極端な場合)軌道面91,91が傾いてしまう。
しかし、本実施形態の研磨方法によれば(図3参照)、外輪11が有するフランジ部52の側面52eの精度が低くても、このフランジ部52に固定した治具21の外周面22を加工基準面として、外輪軌道面11a,11bの研磨が行われることから、この外輪11を含む車輪用軸受装置10が車体側のナックルに取り付けられると、車体側(ナックル側)の基準に対する外輪軌道面11a,11bの位置や傾き等の精度に関して、車体側の要求(車両全体としての要求)に応えることが可能となる。つまり、本実施形態では、車体側(ナックル)に外輪11が取り付けられた状態を擬似的に再現して、研磨加工が行われるため、車両取り付け状態で高い精度を確保することが可能となる。
なお、フランジ部52(側面52e)の精度(例えば直角度)が低下する原因の一つとして、外輪11に対して熱処理を行うことで生じるひずみが挙げられる。
また、本実施形態の準備工程では、外輪11のフランジ部52が有する第一穴(ボルト穴)と治具21が有する第二穴23とにボルト31(軸部材)を挿し入れて、フランジ部52に治具21を固定している。この方法によれば、治具21を外輪11に対して同心状に簡単に取り付けることができる。
また、前記のとおり、外輪11のフランジ部52の第一穴54はボルト穴であり、治具21の第二穴23はボルト31を挿通させる貫通穴であり、ボルト31をボルト穴(第一穴54)に螺合させて締め付けることで、外輪11に治具21を取り付けることができる。このため、ボルト穴(第一穴54)にメッキが施されていても、治具21を取り付けるためのボルト31により、このボルト孔(第一穴54)から、余分なメッキを除去することが可能となる。
前記実施形態(図3)では、外輪11のフランジ部52に形成されている第一穴54がボルト穴である場合について説明したが、第一穴54は、ねじ溝が形成されていない平滑な穴であってもよい。この場合、図4に示すように、フランジ部52が有する第一穴54と、治具21が有する第二穴23とに挿し入れる軸部材を、ナット付きの特殊ボルトとすればよい。ナット付きの特殊ボルトは、ボルト35と、このボルト35が螺合するナット部材36とから構成されており、ナット部材36の円筒外周面37が、平滑な第一穴54に嵌合する。そして、ナット部材36は、第一穴54よりも直径が大きい膨出部38を有しており、ナット部材36にボルト35が螺合した状態で、膨出部38がフランジ部52に接触して抜け止めの作用を有する。これにより、前記実施形態(図3)の場合と同様にフランジ部52に治具21を固定することが可能となる。
前記実施形態では、外輪11の内周側を研磨する方法について説明したが、ハブ軸12の外周面に対しても同様の研磨方法を採用することができる。すなわち、研磨の対象となるワークは、表面にメッキが施されているハブ軸12であり(図1参照)、このハブ軸12は、外周に軸軌道面12a及び内輪軌道面12bを有していると共に、径方向外側に延びて設けられているフランジ部56を有している。
そして、このハブ軸12に対する研磨方法には、準備工程と加工工程とが含まれる。準備工程では、図示しないが、内周面が真円状である環状の治具を、ハブ軸12に同心状として取り付ける。この際、ボルトや、図4で説明したナット付きの特殊ボルトを用いて、ハブ軸12のフランジ部56に治具を取り付けることができる。
そして、加工工程では、治具が取り付けられているハブ軸12を、その治具の中心線回りに回転させ、軸軌道面12a及び内輪軌道面12bに対して砥石を径方向外側から押し当てると共に、治具の外周面に対してシュー(当て金)を、砥石とは反対側において径方向外側から接触させて研磨を行う。なお、前記砥石と前記シューとはハブ軸12に対して180度離れた位置で径方向外側から接触する。例えば砥石が下から上向きに接触する場合、シューは上から下向きに接触する。
この研磨方法によれば、治具をハブ軸12に同心状として取り付けることで、治具の外周面を、ハブ軸12を研磨する際の加工基準面とすることができる。そして、ハブ軸12の軸軌道面12a及び内輪軌道面12bに対して砥石を径方向外側から押し当てると共に、治具の外周面(加工基準面)にシュー(当て金)を径方向外側から接触させることで、砥石がハブ軸12を押す力をシューが受けることができ、軸軌道面12a及び内輪軌道面12bを精度よく研磨することが可能となる。したがって、ハブ軸12に加工基準面を設ける必要がなくなる。このため、表面にメッキが施されているハブ軸12の一部に対して機械加工を行って加工基準面を設ける必要がなくなり、ハブ軸12の一部のメッキが剥がされないで済む。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の補助具、研磨方法は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。図1に示す形態では、転動体13を玉とした場合について説明したが、円すいころ等であってもよい。
7:砥石 8:シュー 10:車輪用軸受装置
11:外輪 11a:外輪軌道面 11b:外輪軌道面
12:ハブ軸 12a:軸軌道面 12b:内輪軌道面
13:転動体 20:補助具 21:治具
22:外周面 23:第二穴 31:ボルト(軸部材)
52:フランジ部 54:第一穴 56:フランジ部
Q:中心線 C1:仮想円

Claims (4)

  1. 内周又は外周に軌道面を有していると共に径方向外側に延びて設けられているフランジ部を有し、かつ、表面にメッキが施されている軌道輪の、当該軌道面を砥石により研磨する方法であって、
    周面が真円状である環状の治具を前記軌道輪に同心状として取り付ける準備工程と、
    前記治具が取り付けられている前記軌道輪を当該治具の中心線回りに回転させ、前記軌道面に対して砥石を径方向一方側から押し当てると共に当該治具の前記周面に対してシューを径方向他方側から接触させて研磨を行う加工工程と、を含む、軌道輪の研磨方法。
  2. 前記準備工程では、前記フランジ部が有する第一穴と、前記治具が有する第二穴とに軸部材を挿し入れて当該フランジ部に当該治具を固定する、請求項1に記載の軌道輪の研磨方法。
  3. 前記フランジ部の前記第一穴はボルト穴であり、前記軸部材は前記ボルト穴に螺合するボルトであり、前記治具の前記第二穴は前記ボルトを挿通させる貫通穴であり、前記ボルトを前記ボルト穴に螺合させて締め付けることで、前記軌道輪に前記治具を取り付ける、請求項2に記載の軌道輪の研磨方法。
  4. 内周又は外周に軌道面を有していると共に径方向外側に延びて設けられているフランジ部を有し、かつ、表面にメッキが施されている軌道輪の、当該軌道面を砥石により研磨するために用いられる補助具であって、
    周面が真円状であると共に前記フランジ部が有する複数の第一穴それぞれの中心を通過する仮想円と直径が同じピッチ円に沿って複数の第二穴が設けられている環状の治具と、
    前記フランジ部が有する前記第一穴と前記治具が有する前記第二穴とに挿し入れ当該フランジ部に当該治具を取り付けるための軸部材と、を備えている補助具。
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