JP2017124378A - 排水処理方法および排水処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光化学反応を用いて排水中の硝酸イオン濃度を低下させる際に、高濃度の硝酸イオンを減少可能とする。【解決手段】少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液に、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を共存させ、水溶液に紫外線を照射する排水処理方法において、水溶液に300nm以上の波長の光を含んだ紫外線を照射する。水溶液は、共存成分として、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有しているものとする。還元剤は、分子中の炭素数が6以下の有機物とする。水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する還元剤のモル比を還元剤の分子中の炭素数1つ当たり1以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、硝酸性窒素を含む窒素含有排水の排水処理方法および排水処理装置に関する。
近年、環境中への窒素の流出と蓄積が世界的に問題となっており、動植物への悪影響が懸念されている。窒素含有排水に含まれるアンモニア性窒素(アンモニムイオン:NH4+)、硝酸性窒素(硝酸イオン:NO3-)、亜硝酸性窒素(亜硝酸イオン:NO2-)は、水質汚濁防止法で排出基準が定められている。これらの窒素化合物は、環境保全の観点から今後、規制強化の可能性があり、窒素化合物を低濃度化する技術が求められている。硝酸性窒素と亜硝酸性窒素からなる硝酸態窒素を除去する手段としては、物理化学的な方法(例えばイオン交換、逆浸透、電気化学的透析、電気還元など)、生物学的な方法、触媒または光触媒を用いた方法、光化学反応を用いた方法が知られている。
例えば特許文献1には、光化学反応を用いた排水処理方法として、排水にギ酸を添加した状態で低圧水銀ランプで254nmおよび185nmの紫外線を照射することで、排水中の硝酸イオン濃度を低下させる方法について記載されている。
特開2013−49000号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光化学反応を用いた排水処理方法は、触媒または光触媒を用いた排水処理方法よりもシステムを簡便にできる一方、排水中の硝酸イオンの減少速度が遅く、さらに高濃度の硝酸イオンを含んだ排水に対応していない。
本発明は上記点に鑑み、光化学反応を用いて排水中の硝酸イオン濃度を低下させる際に、硝酸イオンの減少速度を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の排水処理方法の発明では、少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液に、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を共存させ、前記水溶液に紫外線を照射する排水処理方法であって、水溶液に300nm以上の波長の光を含んだ紫外線を照射することを特徴としている。
本発明によれば、還元剤が添加された水溶液に300nm以上の波長の光を含んだ紫外線を照射することで、低圧水銀ランプで300nmより短い波長の紫外線を照射する場合よりも、硝酸イオンの減少速度を速くすることができる。また、本発明によれば、低圧水銀ランプを用いた場合よりも、高濃度の硝酸イオンを含んだ水溶液を処理することができる。
本発明を適用した第1実施形態の排水処理装置の構成を示す説明図である。 排水の共存成分を示す図表である。 第1実施形態および比較例の排水処理を行った場合の硝酸イオンの濃度変化を示すグラフである。 第1実施形態および比較例の排水処理を行った場合の亜硝酸イオンの濃度変化を示すグラフである。 第1実施形態および比較例の排水処理を行った場合の排水の硝酸イオンの減少速度等を示す図表である。 第2実施形態の排水処理を行った場合の硝酸イオンの濃度変化を示すグラフである。 第2実施形態の排水処理を行った場合の亜硝酸イオンの濃度変化を示すグラフである。 第3実施形態でギ酸の添加量を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示す図表である。 第3実施形態でギ酸の添加量を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示すグラフである。 第4実施形態で還元剤の種類を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示す図表である。 第4実施形態で還元剤の種類を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示すグラフである。 第5実施形態で還元剤を添加するタイミングを変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示すグラフである。 第6実施形態で排水中の共存成分の種類を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示す図表である。 第6実施形態で排水への鉄の添加量を変化させて排水処理を行った場合の硝酸イオン減少率を測定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。本第1実施形態の排水処理装置1には、排水処理部10が設けられている。排水処理部10は、排水を内部に収容可能な容器として構成されている。本第1実施形態の排水は、窒素化合物含有排水であり、窒素化合物として少なくとも硝酸イオン(NO3-)が含まれた水溶液であればよい。さらに排水には、共存成分としてアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有していてもよい。このような共存成分が排水中に含まれている場合には、排水の透光性が低下する。
排水処理部10には、図示を省略しているが、排水が流入する流入口と排水が流出する流出口が設けられている。排水処理部10には、流入口を介して外部から排水が供給される。排水処理部10に流入した排水は、排水処理部10の内部で硝酸イオンの濃度が低減された後、流出口から排出される。排水の供給および排出は、例えばポンプ等の圧送手段を用いて行うことができる。
排水処理部10の排水中には、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤が添加されている。還元剤は、分子中の炭素数が6以下の有機物であることが望ましい。本第1実施形態では、還元剤の一例としてギ酸(HCOOH)を用いている。
排水中の硝酸イオンを確実に還元するために、紫外線を照射する排水処理(すなわち、硝酸イオンの減少処理)を行う前の硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上にすることが望ましい。
また、硝酸イオンの還元反応が進行するのに伴って、還元剤は徐々に減少する。このとき、硝酸イオンより先に還元剤が消費されてしまうと、排水中の硝酸イオンを充分に還元させることができない。このため、紫外線を照射する排水処理の途中においても、硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上に維持することが望ましい。
このためには、排水中の硝酸イオンに対して充分な量の還元剤を予め排水に添加しておくことがより望ましい。本第1実施形態では、紫外線を照射する排水処理を行う前の硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり5程度にしている。還元剤の量が多いほど排水中の硝酸イオンを確実に還元することができるが、必要以上の還元剤は排水処理後に排水中に残存する。このため、排水処理前の硝酸イオンに対する還元剤の量は、還元剤分子中の炭素数1つ当たりに対するモル比を6以下とすることが望ましい。さらに、硝酸イオンに対する還元剤のモル比を還元剤分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内とすることがより望ましい。
また、排水処理の途中に硝酸イオンに対する還元剤のモル比を、還元剤分子中の炭素数1つ当たり1以上に維持するために、排水処理の途中で還元剤を排水に補充するようにしてもよい。排水処理の途中で還元剤を排水に補充する場合には、排水処理の進行中に排水中の還元剤濃度を測定し、還元剤濃度が低下してきたら、排水に還元剤を補充すればよい。あるいは、所定時間経過毎に排水に還元剤を補充するようにしてもよい。
排水処理装置1には、排水処理部10の排水を撹拌するための撹拌装置11が設けられている。撹拌装置11は、排水処理部10の内部に設けられた撹拌子12を磁力によって回転させることで、排水を撹拌することができる。
排水処理装置1には、排水処理部10の排水に紫外線を照射する排水処理を行うための紫外線照射部13が設けられている。本第1実施形態では、紫外線照射部13の一例として100W高圧水銀灯を用いている。
紫外線照射部13から照射される紫外線の波長が300nm以下だと、上述した排水の共存成分に紫外線が吸収され、硝酸イオンの還元反応が充分に行われない。このため、本第1実施形態では、紫外線照射部13から300nmより長い波長の紫外線を照射するようにしている。なお、紫外線照射部13から照射される紫外線には、300nm以下の波長の紫外線も微量含まれている。
また、紫外線照射部13の周囲には、冷却部14が設けられている。冷却部14には冷却水が循環して、紫外線照射部13の熱が排水に影響しないようになっている。ただし、冷却に利用する媒体は、反応に寄与する紫外線を吸収しない媒体であれば水に限定されない。
次に、本第1実施形態の排水処理装置1を用いて排水処理を行った結果について説明する。排水処理では、0.5Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度が800mg/L、亜硝酸イオン濃度が検出限界以下、アンモニウムイオン濃度が2mg/Lである。排水は共存成分として、図2に示す物質が含有されている。なお、図2におけるTOC(Total Organic Carbon)は、水中の酸化されうる有機物の全量を炭素の量で示した全有機炭素を意味している。
また、排水に還元剤としてギ酸を添加している。ギ酸の添加量は、排水中の硝酸イオンに対するモル比がギ酸分子中の炭素数1つ当たり5となるようにしている。
上述のように、本第1実施形態では、紫外線照射部13に100W高圧水銀ランプを用いているが、比較例として紫外線照射部13に20W低圧水銀ランプを用いて排水処理を行った。低圧水銀ランプから照射される光の波長は、主として185nmおよび254nmであり、300nmより短くなっている。紫外線照射部13で用いるランプの種類が異なることを除いて、本第1実施形態と比較例では同一条件で排水処理を行った。
図3に示すように、高圧水銀ランプを用いた本第1実施形態では、反応時間の経過に伴う硝酸イオン濃度の減少速度が速く、4時間経過後には硝酸イオンが消失している。これに対し、低圧水銀ランプを用いた比較例では、反応時間の経過に伴う硝酸イオン濃度の減少速度が遅く、8時間後においても硝酸イオンが残存している。
図4に示すように、高圧水銀ランプを用いた本第1実施形態では、排水処理開始後に一時的に亜硝酸イオン濃度が上昇しているが、4時間経過後には亜硝酸イオンが消失している。これに対し、低圧水銀ランプを用いた比較例では、排水処理開始後から亜硝酸イオン濃度が上昇し、8時間後においても亜硝酸イオンが残存している。
図5に示すように、100W高圧水銀ランプを用いた本第1実施形態では、硝酸イオンの減少速度が98.4mg/hであったのに対し、20W低圧水銀ランプを用いた比較例では、硝酸イオンの減少速度が8.2mg/hであった。つまり、消費電力当たりの硝酸イオンの減少速度は、本第1実施形態では0.98mg/h・Wであるのに対し、比較例では0.41mg/h・Wであった。
以上説明した本第1実施形態によれば、紫外線照射部13として高圧水銀ランプを用いることで、低圧水銀ランプを用いた比較例よりも、排水中の硝酸イオンの減少速度が速くなるという結果が得られた。また、本第1実施形態の排水処理装置1によれば、亜硝酸イオンも残存しないという結果が得られた。また、本第1実施形態によれば、消費電力当たりの減少速度が比較例より速いという結果が得られた。
また、本第1実施形態では、紫外線照射部13から300nmより長い波長の紫外線を照射するようにしている。これにより、図2に示す共存成分に紫外線が吸収されることを抑制でき、硝酸イオンの濃度を効果的に減少させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第2実施形態の排水処理装置1を用いて排水処理を行った結果を図6、図7を用いてて説明する。本第2実施形態では、紫外線照射部13として450W高圧水銀ランプを用い、10Lの排水を処理した。排水は、硝酸イオン濃度を900mg/Lとした。還元剤としてギ酸を用いた。ギ酸の添加量は、排水中の硝酸イオンに対するモル比がギ酸分子中の炭素数1つ当たり5となるようにした。
図6に示すように、本第2実施形態では、反応時間の経過に伴う硝酸イオン濃度の減少速度が速く、12時間経過後には硝酸イオンが消失している。また、図7に示すように、本第2実施形態では、排水処理開始後に一時的に亜硝酸イオン濃度が上昇しているが、4時間経過後をピークとして亜硝酸イオン濃度が低下し、12時間経過後には亜硝酸イオンが残存していない。
以上説明した本第2実施形態によれば、紫外線照射部13として高圧水銀ランプを用いることで、低圧水銀ランプを用いる場合よりも、硝酸イオンが高濃度であり、かつ、多量の排水を処理することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第3実施形態では、還元剤として排水に添加するギ酸の量を異ならせている。図8、図9は、排水中の硝酸イオンに対するギ酸のモル比を変化させて排水処理を行った場合において、2時間経過後の硝酸イオン減少率を測定した結果を示している。
本第3実施形態の排水処理では、0.5Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度を500mg/Lとした。排水は、NaNO3を水に溶解させて調整したので、排水には図2に示した共存成分が含有されていない。紫外性照射部13として、100W高圧水銀ランプを用いた。
図8、図9に示すように、排水中の硝酸イオンに対するギ酸のモル比を変化させることで、硝酸イオン減少率が異なるという結果が得られた。具体的には、ギ酸を添加しない場合(つまり、モル比が0の場合)は減少率は21%であり、モル比が0.5の場合は減少率は23%であり、モル比が1の場合は減少率は41%であり、モル比が3の場合は減少率は60%であり、モル比が4の場合は減少率は66%であり、モル比が5の場合は減少率は68%であり、モル比が6の場合は減少率は63%である。モル比が10の場合は減少率は66%である。
図8、図9に示す結果から、硝酸イオンに対するギ酸のモル比を1以上にすることで、ギ酸を添加しない場合と比べて、硝酸イオン減少率を顕著に高くすることができることが分かる。つまり、硝酸イオンに対するギ酸のモル比をギ酸分子中の炭素数1つ当たり1以上にすることが好ましい。
また、排水中の硝酸イオンに対するギ酸のモル比を5まで増加させた場合には、ギ酸の増加量に比例して硝酸イオン減少率が増大しているのに対し、モル比を6以上とした場合には、硝酸イオン減少率が横ばいに転じている。つまり、排水中の硝酸イオンに対するギ酸のモル比を6以上にしても、硝酸イオン減少率を増大させる効果が低いと考えられる。このため、硝酸イオン減少の効果を最大にし、かつ、排水処理後に必要以上のギ酸が排水中に残存すること、ならびにギ酸のコストを最小限にする観点から、硝酸イオンに対するギ酸のモル比をギ酸分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内とすることがより望ましい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第4実施形態では、排水に添加する還元剤の種類を異ならせている。これらの還元剤は、分子中に含まれる炭素数が異なっている。本第4実施形態では、還元剤として、ギ酸(炭素数1)、エタノール(炭素数2)、グリコール酸(炭素数2)、酒石酸(炭素数3)、クエン酸(炭素数6)、安息香酸(炭素数7)を用いた。
図10、図11は、排水に添加する還元剤を変化させて排水処理を行った場合において、2時間経過後の硝酸イオン減少率を測定した結果を示している。なお、図11では、Aが還元剤なし、Bがギ酸(炭素数1)、Cがエタノール(炭素数2)、Dがグリコール酸(炭素数2)、Eが酒石酸(炭素数4)、Fがクエン酸(炭素数6)、Gが安息香酸(炭素数7)を示している。
本第4実施形態の排水処理では、0.5Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度を500mg/Lとした。排水は、NaNO3を水に溶解させて調整したので、排水には図2に示した共存成分が含有されていない。硝酸イオンに対する還元剤のモル比は、還元剤分子中の炭素数1つ当たり5としている。紫外性照射部13として、100W高圧水銀ランプを用いた。
図10、図11に示すように、還元剤の種類を変化させることで、硝酸イオン減少率が異なるという結果が得られた。具体的には、還元剤を用いない場合の減少率は21%であり、ギ酸(炭素数1)を用いた場合の減少率は68%であり、エタノール(炭素数2)を用いた場合の減少率は61%であり、グリコール酸(炭素数2)を用いた場合の減少率は47%であり、酒石酸(炭素数4)を用いた場合の減少率は53%であり、クエン酸(炭素数6)を用いた場合の減少率は30%であり、安息香酸(炭素数7)を用いた場合の減少率は15%である。
図10、図11に示す結果から、紫外線を照射する排水処理において、排水に還元剤を添加した場合には、還元剤を添加しない場合よりも、硝酸イオン減少率が増大している。また、還元剤における分子中の炭素数に着目すると、炭素数7の還元剤(すなわち安息香酸)は、炭素数1〜6の還元剤(すなわちギ酸、エタノール、クリコール酸、酒石酸、クエン酸)に比較して、硝酸イオン減少率が低くなっている。このため、排水処理に用いる還元剤は、炭素数が6以下の有機物であることが望ましい。さらに、炭素数1または2の還元剤(すなわちギ酸、エタノール)は、硝酸イオン減少率が高くなっていることから、排水処理に用いる還元剤は、炭素数が2以下の有機物であることがより望ましい。炭素数が影響する因子としては、すくなくとも水への溶解度が挙げられる。炭素数が大きいほど疎水性が増すため水への溶解度が小さくなることから、水との混合が困難になる。その結果、反応が阻害される、あるいは反応を促進するために必要な撹拌動力が著しく増大する、等の問題が生じる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第5実施形態では、排水に還元剤を添加するタイミングを変化させて排水処理を行っている。図12は、排水に還元剤が添加された状態で排水処理を開始した場合と、排水に還元剤が添加されていない状態で排水処理を開始し、4時間経過時に排水に還元剤を添加した場合において、硝酸イオン減少率の変化を測定した結果を示している。
本第5実施形態の排水処理では、0.5Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度を500mg/Lとした。排水は、NaNO3を水に溶解させて調整したので、排水には図2に示した共存成分が含有されていない。排水に還元剤としてギ酸を添加した。硝酸イオンに対する還元剤のモル比は、還元剤分子中の炭素数1つ当たり5としている。紫外性照射部13として、100W高圧水銀ランプを用いた。
図12に示すように、排水に還元剤が添加された状態で排水処理を開始した場合には、排水処理開始後から硝酸イオン減少率が急激に上昇し、4時間経過後には硝酸イオン減少率が100%近くになっている。これに対し、排水に還元剤が添加されていない状態で排水処理を開始した場合には、硝酸イオン減少率が緩やかに上昇している。そして、4時間経過時に排水に還元剤を添加した後、硝酸イオン減少率が急激に上昇し、8時間経過後(つまり、還元剤の添加から4時間経過後)には硝酸イオン減少率が100%近くになっている。
図12に示す結果から、排水処理を開始した後に排水に還元剤を添加した場合には、硝酸イオンの減少に要する時間が長くなってしまう。このため、硝酸イオンを含有する排水に紫外線照射部13から紫外線を照射する排水処理を開始するのに先立って、排水に対して還元剤を添加しておくことが望ましい。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第6実施形態では、排水に共存成分として含まれる物質の種類と添加量を変化させている。図13は、遷移金属(鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)、リン酸イオン、硫酸イオンをそれぞれ添加した場合において、2時間経過後の硝酸イオン減少率の変化を測定した結果を示している。図13の添加物名に続く括弧内の数字は、各添加物の添加量(ppm)を示している。図14は、鉄の添加量を変化させた場合において、2時間経過後の硝酸イオン減少率の変化を測定した結果を示している。
本第6実施形態の排水処理では、0.5Lの排水を用いた。排水は、硝酸イオン濃度を500mg/Lとした。排水は、NaNO3を水に溶解させて調整したので、排水には図2に示した共存成分が含有されていない。排水に還元剤としてギ酸を添加した。硝酸イオンに対する還元剤のモル比は、還元剤分子中の炭素数1つ当たり5としている。紫外性照射部13として、100W高圧水銀ランプを用いた。
図13に示すように、排水にいずれの共存成分も添加しなかった場合の硝酸イオン減少率は68%である。
排水に遷移金属を添加した場合の硝酸イオン減少率は次の通りである。鉄を5ppm添加した場合の減少率は92%であり、鉄を10ppm添加した場合の減少率は95%であり、鉄を50ppm添加した場合の減少率は83%であり、鉄を100ppm添加した場合の減少率は71%である。コバルトを10ppm添加した場合の減少率は68%である。ニッケルを10ppm添加した場合の減少率は78%である。銅を10ppm添加した場合の減少率は86%である。亜鉛を10ppm添加した場合の減少率は68%である。
排水にアルカリ土類金属を添加した場合の硝酸イオン減少率は次の通りである。マグネシウムを10ppm添加した場合の減少率は58%であり、マグネシウムを100ppm添加した場合の減少率は62%である。カルシウムを10ppm添加した場合の減少率は92%であり、カルシウムを160ppm添加した場合の減少率は65%である。ストロンチウムを10ppm添加した場合の減少率は80%である。バリウムを10ppm添加した場合の減少率は81%である。
排水にリン酸イオンまたは硫酸イオンを添加した場合の硝酸イオン減少率は次の通りである。リン酸イオンを10ppm添加した場合の減少率は67%であり、リン酸イオンを50ppm添加した場合の減少率は88%である。硫酸イオンを10ppm添加した場合の減少率は68%であり、硫酸イオンを300ppm添加した場合の減少率は80%である。また、鉄を5ppm添加し、かつ、硫酸イオンを300ppm添加した場合の減少率は99%を上回っている。
図13に示す結果から、排水中に、共存成分として鉄、カルシウム、ストロンチウム、リン酸イオンまたは硫酸イオンのいずれかを添加した場合は、排水中に共存成分を添加しなかった場合よりも、硝酸イオン減少率が高くなっている。つまり、紫外線照射部13からの紫外線照射による硝酸イオンの排水処理を行う場合に、排水中に存在する共存成分が硝酸イオンの減少に寄与するものと考えられる。
このため、硝酸イオンを含む排水には、共存成分として、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有していることが望ましい。これらのイオンは、任意の組み合わせで排水中に含まれていてもよい。
また、鉄を5ppm添加し、かつ、硫酸イオンを300ppm添加した場合の硝酸イオン減少率は、それぞれを単独で添加した場合よりも高くなっている。つまり、共存成分の組み合わせて用いたことによる相乗効果によって、硝酸イオン減少率を向上させることができたものと考えられる。
図14に示すように、同一の共存成分を排水に添加した場合であっても、添加量によって硝酸イオン減少率が異なる結果が得られた。具体的には、鉄の添加量を5ppm、10ppmと増加させるに伴って硝酸イオンの減少率が高くなり、その後、鉄の添加量を50ppm、100ppmと増加させるに伴って硝酸イオンの減少率が低くなっている。つまり、排水中に存在する共存成分の含有量が硝酸イオンの減少率に影響を与えると考えられる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記各実施形態では、攪拌装置11および撹拌子12によって排水を撹拌するように構成したが、これに限らず、撹拌装置11および撹拌子12の作用効果に準ずる排水の撹拌が可能である他の手段を講じて撹拌してもよく、また、排水を撹拌することなく硝酸イオンの減少処理を行うようにしてもよい。
また、還元剤は、紫外線照射開始前に排水中に予め添加してもよく、紫外線照射開始後に排水中に添加してもよい。つまり、経済性の観点で考慮すると、図12に示したように、排水中に予め還元剤を添加しておくことがより望ましいが、還元剤の添加タイミングによらず添加時点から有効な効果を発揮させるために、要求(例えば、排水の硝酸イオン濃度や低減目標値)やコストに応じて、還元剤の添加タイミングを任意に設定することができる。水溶液中に還元剤を添加した後において、水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する還元剤のモル比が、還元剤の分子中の炭素数1つ当たり1以上であることが望ましく、還元剤の分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内であることがより望ましい。
10 排水処理部
13 紫外線照射部

Claims (11)

  1. 少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液に、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を共存させ、前記水溶液に紫外線を照射する排水処理方法であって、
    前記水溶液に300nm以上の波長の光を含んだ紫外線を照射する排水処理方法。
  2. 前記水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する前記還元剤のモル比が、前記還元剤の分子中の炭素数1つ当たり1以上である請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する前記還元剤のモル比が、前記還元剤の分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内である請求項2に記載の排水処理方法。
  4. 紫外線を照射する過程において、前記水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する前記還元剤のモル比を、前記還元剤の分子中の炭素数1つ当たり1以上に維持することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の排水処理方法。
  5. 前記還元剤は、分子中の炭素数が6以下の有機物である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の排水処理方法。
  6. 前記水溶液は、共存成分として、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有している請求項1ないし5のいずれか1つに記載の排水処理方法。
  7. 少なくとも硝酸イオンを含有する水溶液に、硝酸イオンの還元反応に用いられる還元剤を共存させる排水処理部(10)と、
    前記水溶液に紫外線を照射する紫外線照射部(13)とを備え、
    前記紫外線照射部から照射される紫外線には、300nm以上より長い波長の光が含まれている排水処理装置。
  8. 前記水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する前記還元剤のモル比が、前記還元剤の分子中の炭素数1つ当たり1以上である請求項7に記載の排水処理装置。
  9. 前記水溶液中に含まれる硝酸イオンに対する前記還元剤のモル比が、前記還元剤の分子中の炭素数1つ当たり3〜5の範囲内である請求項8に記載の排水処理装置。
  10. 前記還元剤は、分子中の炭素数が6以下の有機物である請求項7ないし9のいずれか1つに記載の排水処理装置。
  11. 前記水溶液は、共存成分として、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオン、ほう酸イオン、フッ化物イオン、ケイ酸イオン、りん酸イオン、硫酸イオン、塩化物イオンから選択される1種類以上のイオンを含有している請求項7ないし10のいずれか1つに記載の排水処理装置。
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