JP2017123713A - 回転電機のコイルおよびその製造方法 - Google Patents

回転電機のコイルおよびその製造方法 Download PDF

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妙実 田所
Taemi Tadokoro
妙実 田所
大石 和城
Kazushiro Oishi
和城 大石
圭太 佐々木
Keita Sasaki
圭太 佐々木
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Abstract

【課題】コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度が向上した回転電機のコイルを提供することにある。【解決手段】複数の素線11aを束ねてなる素線束11と、素線束11の外側に設けられる対地絶縁層12と、対地絶縁層12の外側に熱収縮テープを巻回して設けられる層15とを有し、対地絶縁層12は、ドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層13と、セミキュアマイカテープを巻回して設けた副絶縁層14とを有するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機のコイルおよびその製造方法に関する。
回転電機のコイルは、全含浸方式で作製されるものや、ヒートプレス方式で作製されるものがあり、種々開発されている。回転電機のコイルとして、例えば、素線束の外周にドライマイカテープを巻回してなる層を設けたものがある。
下記特許文献1には、基材に熱収縮材料を用いたプリプレグ絶縁テープを巻回して絶縁層を構成した回転電機用プリプレグ絶縁コイルであって、圧縮成型温度におけるテープの平面内で直交する2方向の内の一方と他方がそれぞれ所定の熱収縮率γ1,γ2である熱収縮テープを、熱収縮率γ2の方向を巻回方向としてコイル導体に巻回し、加熱圧縮成型された回転電機用プリプレグ絶縁コイルが開示されている。
特開2001−245449号公報 特許第3115343号公報
しかしながら、上述したドライマイカテープを巻回して設けた層を素線束の外周に設けた回転電機のコイルにあっては、ドライマイカテープを巻回する際、巻き太りが生じ、設計通りのコイル寸法とならない場合があった。
上記特許文献1に開示された回転電機用プリプレグ絶縁コイルにおいては、熱収縮テープ自体が特殊であり、熱収縮テープの巻回が特定方向であることから、コスト高や作業性の低下を招いてしまう可能性があった。
そのため、上述した回転電機のコイルにあっては、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上が望まれていた。
以上のことから、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度が向上した回転電機のコイルおよびその製造方法を提供することを目的としている。
前述した課題を解決する第1の発明に係る回転電機のコイルは、
複数の素線を束ねてなる素線束と、前記素線束の外側に設けられる対地絶縁層と、前記対地絶縁層の外側に熱収縮テープを巻回して設けられる層とを有し、
前記対地絶縁層は、ドライマイカテープを巻回して設けた層と、セミキュアマイカテープを巻回して設けた層とを有する
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第2の発明に係る回転電機のコイルは、第1の発明に係る回転電機のコイルであって、
前記ドライマイカテープを巻回して設けた層は、前記素線束と接している
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第3の発明に係る回転電機のコイルは、第1の発明に係る回転電機のコイルであって、
前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層は、前記素線束と接している
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第4の発明に係る回転電機のコイルは、第1から第3の何れか一つの発明に係る回転電機のコイルであって、
前記ドライマイカテープを巻回して設けた層と前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層は、交互に複数積層されている
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第5の発明に係る回転電機のコイルは、第1から第4の何れか一つの発明に係る回転電機のコイルであって、
前記ドライマイカテープを巻回して設けた層は、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層よりも厚い形状となっている
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第6の発明に係る回転電機のコイルの製造方法は、
複数の素線を束ねて素線束を形成する工程と、前記素線束の外側に対地絶縁層を設ける工程と、前記対地絶縁層の外側に熱収縮テープを巻回してなる層を設ける工程とを有し、
前記対地絶縁層を設ける工程は、前記素線束の外側にドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程と、前記素線束の外側にセミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程とを有する
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第7の発明に係る回転電機のコイルの製造方法は、第6の発明に係る回転電機のコイルの製造方法であって、
前記素線束の外側にドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行った後に、前記素線束の外側に前記セミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行う
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第8の発明に係る回転電機のコイルの製造方法は、第6の発明に係る回転電機のコイルの製造方法であって、
前記素線束の外側にセミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行った後に、前記素線束の外側に前記ドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行う
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第9の発明に係る回転電機のコイルの製造方法は、第6から第8の何れか一つの発明に係る回転電機のコイルの製造方法であって、
前記素線束の外側に前記セミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程と、前記素線束の外側に前記ドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程とを、交互に複数行う
ことを特徴とする。
前述した課題を解決する第10の発明に係る回転電機のコイルの製造方法は、第6から第9の何れか一つの発明に係る回転電機のコイルの製造方法であって、
前記ドライマイカテープを巻回してなる前記層を、前記セミキュアマイカテープを巻回してなる前記層よりも厚くなるように設ける
ことを特徴とする。
本発明によれば、対地絶縁層が、ドライマイカテープを巻回して設けた層と、セミキュアマイカテープを巻回して設けた層とを有することにより、ヒートプレスするだけで、セミキュアマイカテープ内に含まれる溶剤の溶解と、熱収縮テープによる、素線束とドライマイカテープを巻回して設けた層とセミキュアマイカテープを巻回して設けた層とからなる対地絶縁層の寸法収縮を促し、溶解した溶剤がドライマイカテープに吸収されることになる。そのため、回転電機のコイルの寸法精度が向上することになる。これにより、回転電機の固定子のスロットへの回転電機のコイルの挿入を確実に行うことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、ドライマイカテープとセミキュアマイカテープとを併用することで、セミキュアマイカテープ単体を用いる場合と比べて、セミキュアマイカテープの使用量を抑えることができ、材料コストを低減することができる。すなわち、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上を図ることができる。
本発明の第一の実施形態に係る回転電機のコイルの断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る回転電機のコイルの断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る回転電機のコイルの断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る回転電機のコイルの断面図である。
本発明の主な実施形態に係る回転電機のコイルおよびその製造方法について、以下に説明するが、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではない。
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施形態に係る回転電機のコイルおよびその製造方法について、図1に基づいて説明する。
本実施形態に係る回転電機のコイル10は、図1に示すように、素線(平角銅線)11aを2並びで6段に束ねてなる素線束11の外側に対地絶縁層12が形成され、対地絶縁層12の外側に熱収縮テープを巻回してなる層15が形成され、樹脂が含浸処理されたものである。
対地絶縁層12は、ドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層13と、セミキュアマイカテープを巻回して設けた副絶縁層14とを有する。
主絶縁層13は、内周部側が素線束11の外周部側と接し、外周部側が副絶縁層14の内周部側と接している。
副絶縁層14は、内周部側がドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層13の外周部側と接し、外周部側が熱収縮テープを巻回してなる層15の内周部側と接している。
上述した回転電機のコイル10は、素線束11の外周にドライマイカテープを巻回して主絶縁層13を形成し、この主絶縁層13の外周にセミキュアマイカテープを巻回して副絶縁層14を形成し、この副絶縁層14の外周に熱収縮テープを巻回して層15を形成し、これをヒートプレスし、固定子(鉄心)のスロットに挿入した後、エポキシ樹脂(含浸樹脂)を真空加圧含浸処理し、これを乾燥することによって製造される。
したがって、本実施形態によれば、対地絶縁層12が、前記ドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層13と、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた副絶縁層14とを有することにより、ヒートプレスするだけで、副絶縁層14の前記セミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)の溶解と、前記熱収縮テープによる、素線束11と主絶縁層13と副絶縁層14とからなる対地絶縁層12の寸法収縮を促し、溶解したレジンが副絶縁層14と接する主絶縁層13のドライマイカテープに吸収されることになる。そのため、回転電機のコイル10の寸法精度が向上することになる。これにより、回転電機の固定子のスロットへの回転電機のコイル10の挿入を確実に行うことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、ドライマイカテープとセミキュアマイカテープとを併用することで、セミキュアマイカテープ単体を用いる場合と比べて、セミキュアマイカテープの使用量を抑えることができ、材料コストを低減することができる。すなわち、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上を図ることができる。
主絶縁層13は、副絶縁層14よりも厚い形状となっていることが好ましい。これは、主絶縁層13は、副絶縁層14よりも厚くない形状となっていると、ヒートプレスにより、副絶縁層14のセミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)が溶解し、溶解したレジンを主絶縁層13のドライマイカテープで吸収しきれず、溶解したレジンが熱収縮テープ側に出て、寸法精度の低下を招く可能性があるからである。
[第二の実施形態]
本発明の第二の実施形態に係る回転電機のコイルおよびその製造方法について、図2に基づいて説明する。本実施形態では、前記主絶縁層と前記副絶縁層が交互に2層積層したものに変更し、これ以外は、上述した第一の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材を有している。
なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材には同一符号を付記し、その説明を適宜省略する。
本実施形態に係る回転電機のコイル10Aは、図2に示すように、素線束11の外側に対地絶縁層12Aが形成され、対地絶縁層12Aの外側に熱収縮テープを巻回してなる層15が形成され、樹脂が含浸処理されたものであって、対地絶縁層12Aが、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bとを有する。
前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bは、交互に2層積層されている。すなわち、回転電機のコイル10Aにおいては、素線束11と熱収縮テープを巻回してなる層15との間にて、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aと、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aと、前記ドライマイカテープを巻回して設けた外側主絶縁層13Bと、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた外側副絶縁層14Bとが、素線束11側から順番に積層されている。
内側主絶縁層13Aは、内周部側が素線束11の外周部側と接し、外周部側が内側副絶縁層14Aの内周部側と接している。
内側副絶縁層14Aは、内周部側が内側主絶縁層13Aの外周部側と接し、外周部側が外側主絶縁層13Bの内周部側と接している。
外側主絶縁層13Bは、内周部側が内側副絶縁層14Aの外周部側と接し、外周部側が外側副絶縁層14Bの内周部側と接している。
外側副絶縁層14Bは、内周部側が外側主絶縁層13Bの外周部側と接し、外周部側が熱収縮テープを巻回してなる層15の内周部側と接している。
上述した回転電機のコイル10Aは、素線束11の外周にドライマイカテープを巻回して内側主絶縁層13Aを形成し、この内側主絶縁層13Aの外周にセミキュアマイカテープを巻回して内側副絶縁層14Aを形成し、この内側副絶縁層14Aの外周にドライマイカテープを巻回して外側主絶縁層13Bを形成し、この外側主絶縁層13Bの外周にセミキュアマイカテープを巻回して外側副絶縁層14Bを形成し、この外側副絶縁層14Bの外周に熱収縮テープを巻回して層15を形成し、これをヒートプレスし、固定子(鉄心)のスロットに挿入した後、エポキシ樹脂(含浸樹脂)を真空加圧含浸処理し、これを乾燥することによって製造される。
したがって、本実施形態によれば、対地絶縁層12Aが、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bとを有することにより、ヒートプレスするだけで、内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bの前記セミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)の溶解と、前記熱収縮テープによる、素線束11と内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bとからなる対地絶縁層12Aの寸法収縮を促し、溶解したレジンが内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bと接する内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bのドライマイカテープに吸収されることになる。そのため、回転電機のコイル10Aの寸法精度が向上することになる。これにより、回転電機の固定子のスロットへの回転電機のコイル10Aの挿入を確実に行うことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、ドライマイカテープとセミキュアマイカテープとを併用することで、セミキュアマイカテープ単体を用いる場合と比べて、セミキュアマイカテープの使用量を抑えることができ、材料コストを低減することができる。すなわち、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上を図ることができる。
さらに、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bとを交互に2層積層したことにより、回転電機のコイル10Aの絶縁性をより確実なものとすることができる。
内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bは、内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bよりも厚い形状となっていることが好ましい。これは、内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bは、内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bよりも厚くない形状となっていると、ヒートプレスにより、内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bのセミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)が溶解し、溶解したレジンを内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bのドライマイカテープで吸収しきれず、溶解したレジンが熱収縮テープ側に出て、寸法精度の低下を招く可能性があるからである。
[第三の実施形態]
本発明の第三の実施形態に係る回転電機のコイルおよびその製造方法について、図3に基づいて説明する。本実施形態では、前記主絶縁層と前記副絶縁層との積層順を変更し、これ以外は、上述した第一の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材を有する。
なお、本実施形態では、上述した第一の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材には同一符号を付記し、その説明を適宜省略する。
本実施形態に係る回転電機のコイル20は、図3に示すように、素線束11の外側に対地絶縁層22が形成され、対地絶縁層22の外側に熱収縮テープを巻回してなる層15が形成され、樹脂が含浸処理されたものであって、対地絶縁層22が、セミキュアマイカテープを巻回して設けた副絶縁層24と、ドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層23とを有する。
副絶縁層24は、内周部側が素線束11の外周部側と接し、外周部側が主絶縁層23の内周部側と接している。
主絶縁層23は、内周部側が副絶縁層24の外周部側と接し、外周部側が熱収縮テープを巻回してなる層15の内周部側と接している。
上述した回転電機のコイル20は、素線束11の外周にセミキュアマイカテープを巻回して副絶縁層24を形成し、この副絶縁層24の外周にドライマイカテープを巻回して主絶縁層23を形成し、この主絶縁層23の外周に熱収縮テープを巻回して層15を形成し、これをヒートプレスし、固定子(鉄心)のスロットに挿入した後、エポキシ樹脂(含浸樹脂)を真空加圧含浸処理し、これを乾燥することによって製造されている。
したがって、本実施形態によれば、対地絶縁層22が、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた副絶縁層24と、前記ドライマイカテープを巻回して設けた主絶縁層23とを有することにより、ヒートプレスするだけで、副絶縁層24の前記セミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)の溶解と、前記熱収縮テープによる、素線束11と副絶縁層24と主絶縁層23とからなる対地絶縁層22の寸法収縮を促し、溶解したレジンが副絶縁層24と接する主絶縁層23のドライマイカテープに吸収されることになる。そのため、回転電機のコイル20の寸法精度が向上することになる。これにより、回転電機の固定子のスロットへの回転電機のコイル20の挿入を確実に行うことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、ドライマイカテープとセミキュアマイカテープとを併用することで、セミキュアマイカテープ単体を用いる場合と比べて、セミキュアマイカテープの使用量を抑えることができ、材料コストを低減することができる。すなわち、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上を図ることができる。
主絶縁層23は、副絶縁層24よりも厚い形状となっていることが好ましい。これは、主絶縁層23は、副絶縁層24よりも厚くない形状となっていると、ヒートプレスにより、副絶縁層24のセミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)が溶解し、溶解したレジンを主絶縁層23のドライマイカテープで吸収しきれず、溶解したレジンが熱収縮テープ側に出て、寸法精度の低下を招く可能性があるからである。
[第四の実施形態]
本発明の第四の実施形態に係る回転電機のコイルおよびその製造方法について、図4に基づいて説明する。本実施形態では、前記副絶縁層と前記主絶縁層が交互に2層積層したものに変更し、これ以外は、上述した第三の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材を有している。
なお、本実施形態では、上述した第三の実施形態に係る回転電機のコイルと同じ部材には同一符号を付記し、その説明を適宜省略する。
本実施形態に係る回転電機のコイル20Aは、図4に示すように、素線束11の外側に対地絶縁層22Aが形成され、対地絶縁層22Aの外側に熱収縮テープを巻回してなる層15が形成され、樹脂が含浸処理されたものであって、対地絶縁層22Aが、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bとを有する。
前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bは、交互に2層積層されている。すなわち、回転電機のコイル20Aにおいては、素線束11と熱収縮テープを巻回してなる層15との間にて、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aと、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aと、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた外側副絶縁層24Bと前記ドライマイカテープを巻回して設けた外側主絶縁層23Bとが、素線束11側から順番に積層されている。
内側副絶縁層24Aは、内周部側が素線束11の外周部側と接し、外周部側が内側主絶縁層23Aの内周部側と接している。
内側主絶縁層23Aは、内周部側が内側副絶縁層24Aの外周部側と接し、外周部側が外側副絶縁層24Bの内周部側と接している。
外側副絶縁層24Bは、内周部側が内側主絶縁層23Aの外周部側と接し、外周部側が外側主絶縁層23Bの内周部側と接している。
外側主絶縁層23Bは、内周部側が外側副絶縁層24Bの外周部側と接し、外周部側が熱収縮テープを巻回してなる層15の内周部側と接している。
上述した回転電機のコイル20Aは、素線束11の外周にセミキュアマイカテープを巻回して内側副絶縁層24Aを形成し、この内側副絶縁層24Aの外周にドライマイカテープを巻回して内側主絶縁層23Aを形成し、この内側主絶縁層23Aの外周にセミキュアマイカテープを巻回して外側副絶縁層24Bを形成し、この外側副絶縁層24Bの外周に外側主絶縁層23Bを形成し、この外側主絶縁層23Bの外周に熱収縮テープを巻回して層15を形成し、これをヒートプレスし、固定子(鉄心)のスロットに挿入した後、エポキシ樹脂(含浸樹脂)を真空加圧含浸処理し、これを乾燥することによって製造される。
したがって、本実施形態によれば、対地絶縁層22Aが、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bとを有することにより、ヒートプレスするだけで、内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bの前記セミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)の溶解と、前記熱収縮テープによる、素線束11と内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bとからなる対地絶縁層22Aの寸法収縮を促し、溶解したレジンが内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと接する内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bのドライマイカテープに吸収されることになる。そのため、回転電機のコイル20Aの寸法精度が向上することになる。これにより、回転電機の固定子のスロットへの回転電機のコイル10Aの挿入を確実に行うことができ、歩留まりの向上を図ることができる。また、ドライマイカテープとセミキュアマイカテープとを併用することで、セミキュアマイカテープ単体を用いる場合と比べて、セミキュアマイカテープの使用量を抑えることができ、材料コストを低減することができる。すなわち、コスト増を抑制しながらも、作業性や寸法精度の向上を図ることができる。
さらに、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bとを交互に2層積層したことにより、回転電機のコイル20Aの絶縁性をより確実なものとすることができる。
内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bは、内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bよりも厚い形状となっていることが好ましい。これは、内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bは、内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bよりも厚くない形状となっていると、ヒートプレスにより、内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bのセミキュアマイカテープ内に含まれるレジン(溶剤)が溶解し、溶解したレジンを内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bのドライマイカテープで吸収しきれず、溶解したレジンが熱収縮テープ側に出て、寸法精度の低下を招く可能性があるからである。
なお、上記では、前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層13Aおよび外側主絶縁層13Bと前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層14Aおよび外側副絶縁層14Bとを交互に2層積層した回転電機のコイル10Aや、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた内側副絶縁層24Aおよび外側副絶縁層24Bと前記ドライマイカテープを巻回して設けた内側主絶縁層23Aおよび外側主絶縁層23Bとを交互に2層積層した回転電機のコイル20Aを用いて説明したが、これら主絶縁層および副絶縁層の積層数は2層に限定されるものではなく、3層以上積層した回転電機のコイルとすることも可能である。このような回転電機のコイルであっても、上述した回転電機のコイル10A,20Aと同様な作用効果を奏する。
10,10A 回転電機のコイル
11 素線束
11a 素線(平角銅線)
12,12A 対地絶縁層
13 主絶縁層(ドライマイカテープ)
13A 内側主絶縁層(ドライマイカテープ)
13B 外側主絶縁層(ドライマイカテープ)
14 副絶縁層(セミキュアマイカテープ)
14A 内側副絶縁層(セミキュアマイカテープ)
14B 外側副絶縁層(セミキュアマイカテープ)
15 層(熱収縮テープ)
20,20A 回転電機のコイル
22,22A 対地絶縁層
23 主絶縁層(ドライマイカテープ)
23A 内側主絶縁層(ドライマイカテープ)
23B 外側主絶縁層(ドライマイカテープ)
24 副絶縁層(セミキュアマイカテープ)
24A 内側副絶縁層(セミキュアマイカテープ)
24B 外側副絶縁層(セミキュアマイカテープ)

Claims (10)

  1. 複数の素線を束ねてなる素線束と、前記素線束の外側に設けられる対地絶縁層と、前記対地絶縁層の外側に熱収縮テープを巻回して設けられる層とを有し、
    前記対地絶縁層は、ドライマイカテープを巻回して設けた層と、セミキュアマイカテープを巻回して設けた層とを有する
    ことを特徴とする回転電機のコイル。
  2. 請求項1に記載された回転電機のコイルであって、
    前記ドライマイカテープを巻回して設けた層は、前記素線束と接している
    ことを特徴とする回転電機のコイル。
  3. 請求項1に記載された回転電機のコイルであって、
    前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層は、前記素線束と接している
    ことを特徴とする回転電機のコイル。
  4. 請求項1から請求項3の何れか一項に記載された回転電機のコイルであって、
    前記ドライマイカテープを巻回して設けた層と前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層は、交互に複数積層されている
    ことを特徴とする回転電機のコイル。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載された回転電機のコイルであって、
    前記ドライマイカテープを巻回して設けた層は、前記セミキュアマイカテープを巻回して設けた層よりも厚い形状となっている
    ことを特徴とする回転電機のコイル。
  6. 複数の素線を束ねて素線束を形成する工程と、前記素線束の外側に対地絶縁層を設ける工程と、前記対地絶縁層の外側に熱収縮テープを巻回してなる層を設ける工程とを有し、
    前記対地絶縁層を設ける工程は、前記素線束の外側にドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程と、前記素線束の外側にセミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程とを有する
    ことを特徴とする回転電機のコイルの製造方法。
  7. 請求項6に記載された回転電機のコイルの製造方法であって、
    前記素線束の外側にドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行った後に、前記素線束の外側に前記セミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行う
    ことを特徴とする回転電機のコイルの製造方法。
  8. 請求項6に記載された回転電機のコイルの製造方法であって、
    前記素線束の外側にセミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行った後に、前記素線束の外側に前記ドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程を行う
    ことを特徴とする回転電機のコイルの製造方法。
  9. 請求項6から請求項8の何れか一項に記載された回転電機のコイルの製造方法であって、
    前記素線束の外側に前記セミキュアマイカテープを巻回してなる層を設ける工程と、前記素線束の外側に前記ドライマイカテープを巻回してなる層を設ける工程とを、交互に複数行う
    ことを特徴とする回転電機のコイルの製造方法。
  10. 請求項6から請求項9の何れか一項に記載された回転電機のコイルの製造方法であって、
    前記ドライマイカテープを巻回してなる前記層を、前記セミキュアマイカテープを巻回してなる前記層よりも厚くなるように設ける
    ことを特徴とする回転電機のコイルの製造方法。
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