JP2017123625A - 開閉装置、画像形成装置及び複合機 - Google Patents

開閉装置、画像形成装置及び複合機 Download PDF

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【課題】開閉機構の小型化を可能にし、上筐体が開位置から閉位置へ閉じる際、閉位置の手前で速度が低下することによりゆっくり閉位置に到達する開閉装置を提供する。【解決手段】開閉装置は、下筐体21と、上筐体31と、上筐体31と下筐体21との間に設けられ、第1端部62Aが下筐体21に、第2端部62Bが上筐体31にそれぞれ回動可能に連結され、上筐体31が開位置と中間位置との間で回動する場合は第1位置と第2位置との間を伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動し、上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合は第2位置に留まるアーム部材62と、上筐体31とアーム部材62との間に設けられ、上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合は上筐体31とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材63とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、下筐体及び上筐体を回動可能に連結して構成される開閉装置と、この開閉装置を備えた画像形成装置及び複合機とに関する。
従来から、下筐体及び上筐体を回動可能に連結して構成される開閉装置が知られている。このような開閉装置は、プリンタ等の画像形成装置、スキャナ等の画像読取装置、画像形成装置と画像読取装置とを搭載した複合機などに用いられる。
複合機には下筐体に画像形成部、下筐体の上部を覆う上筐体に画像読取部を収容したものがある。下筐体の上面には窪んだ形状の排紙トレイが設けられており、上筐体を下筐体の上方に持ち上げて開くことにより排紙トレイの奥に排紙された小サイズの用紙を取り出し易くしている。このような構成においては、上筐体が閉まる際に生じる衝撃や音を抑えるために、上筐体がゆっくり閉まるようにする必要がある。
また、部品交換やジャム処理等のメンテナンスを容易にするために上筐体を下筐体の上方に持ち上げて開くことができるようにしている複合機もある。
例えば、特許文献1には、装置本体およびスキャナユニットと連結するとともに、スキャナユニットの回動の途中で力の方向が逆方向に変化するダンパユニットを備えた画像読取記録装置が開示されている。この画像読取記録装置にはスキャナユニットが閉じるときに動きを規制するアンチショックユニットが設けられており、スキャナユニットが急激に閉まることを防止している。
特開2007−53736号公報
しかしながら、特許文献1の構成によれば、ダンパユニットを取り付ける場所とアンチショックユニットを取り付ける場所とを別々に確保しなければならないため、開閉機構の小型化が困難であるとともに、アンチショックユニットが開閉操作の邪魔になることもある。一方で、アンチショックユニットを用いなければ開閉機構を小型化できるが、スキャナユニットを閉じる際にスキャナユニットの自重により閉じる速度が徐々に速くなり、閉じたときの衝撃が大きくなる。
本発明は、開閉機構の小型化を可能にするとともに、上筐体が開位置から閉位置へ閉じる際、閉位置の手前で速度が低下することによりゆっくり閉位置に到達する開閉装置を提供することを目的とする。
本発明の開閉装置は、下筐体と、前記下筐体の上部を覆う閉位置と前記下筐体の上部を開放する開位置との間を、前記開位置と前記閉位置とに挟まれた中間位置を経由して回動する上筐体と、前記上筐体と前記下筐体との間に設けられ、第1端部が前記下筐体に、第2端部が前記上筐体にそれぞれ回動可能に連結されるアーム部材であって、前記上筐体が前記開位置と前記中間位置との間で回動する場合は第1位置と第2位置との間を伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動し、前記上筐体が前記中間位置と前記閉位置との間で回動する場合は前記第2位置に留まるアーム部材と、前記上筐体と前記アーム部材との間に設けられ、前記上筐体が前記中間位置と前記閉位置との間で回動する場合は前記上筐体と前記アーム部材とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材とを備えた構成とする。
また別の表現を用いると、本発明の開閉装置は、下筐体と、前記下筐体の上部を覆う閉位置と前記下筐体の上部を開放する開位置との間で回動する上筐体と、第1端部が前記下筐体に、第2端部が前記上筐体にそれぞれ回動可能に連結され、前記上筐体の回動に連動して伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動するアーム部材と、前記下筐体に設けられ、前記上筐体が前記開位置から前記閉位置に向かって所定の角度閉じた位置である接触位置と前記閉位置との間にある場合に、前記アーム部材と接触して前記アーム部材の回動を止める接触部と、前記上筐体と前記アーム部材との間に設けられ、前記上筐体が前記接触位置と前記閉位置との間にある場合に、前記上筐体と前記アーム部材とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材とを備えた構成とする。
上記の構成によれば、付勢部材によって上筐体が中間位置(接触位置)から閉位置に回動する速度を低下させることができる。また、付勢部材を上筐体とアーム部材との間に設けることによって、付勢部材の設置スペースが小さくて済む。
本発明によれば、上筐体が開位置から閉位置へ閉じる際、上筐体は閉位置の手前で速度が低下することによりゆっくり閉位置に到達するので、閉じたときの衝撃が小さくなる。また、付勢部材を上筐体とアーム部材との間に設けることによって付勢部材の設置スペースが小さくなると、開閉装置を小型化することができるとともに、アーム部材から離れた位置に付勢部材を配置する必要がないので、上筐体を開閉する際に邪魔になりにくい。
一実施形態の複合機の斜視図である。 一実施形態の複合機の斜視図である。 一実施形態の複合機の部分側面図である。 一実施形態の複合機の部分側面図である。 一実施形態の複合機の部分側面図である。 図4の状態の複合機の部分斜視図である。 一実施形態のアーム部材の正面図である。 一実施形態の弁の斜視図である。 アーム部材の収縮動作時の弁の状態と空気の流れを説明する図であり、(a)は図7のA−A線断面に相当し、(b)は図7のB−B線断面に相当する。 アーム部材の伸長動作時の弁の状態と空気の流れを説明する図であり、(a)は図7のA−A線断面に相当し、(b)は図7のB−B線断面に相当する。
本発明の開閉装置は、プリンタ等の画像形成装置、スキャナ等の画像読取装置、画像形成装置と画像読取装置とを搭載した複合機などに用いることができる。以下の実施形態では複合機に開閉装置を適用した例について説明する。以下の説明では、図1に示すように複合機が使用可能に設置された状態を基準とし、前後、左右、上下の各方向を定める。
[複合機の全体構成]
図1及び図2は一実施形態の複合機の斜視図である。図1は画像読取ユニットが閉じた状態を示し、図2は画像読取ユニットが開いた状態を示している。複合機1は、画像形成ユニット2と、画像読取ユニット3と、操作パネル4と、連結部5と、開閉機構6とを備え、画像形成ユニット2に対して画像読取ユニット3が連結部5、開閉機構6を介して上下に揺動可能に設けられている。
図1及び図2では開閉機構6の配置のみを示し、その詳細な構成については図3から図10に示す。本明細書において、画像読取ユニット3が画像形成ユニット2の上面を覆って静止しているときの位置を閉位置(図1の状態)、画像読取ユニット3が画像形成ユニット2の上面を開放して静止しているときの位置を開位置(図2の状態)とする。
画像形成ユニット2は略直方体形状の下筐体21を備えている。下筐体21には、用紙を収容する給紙カセットと、給紙カセットから用紙を搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部から下筐体21外へ用紙を搬送する排紙機構とが収容されている(図示せず)。画像形成部の構成には特に限定はなく、電子写真方式、インクジェット方式、サーマルヘッド方式などの構成を用いることができる。
複合機1は、いわゆる胴内排紙タイプと呼ばれる形態を有する。下筐体21の上面は窪んでおり、後側から前側に向かって湾曲しつつ登るように傾斜した排紙トレイ22が形成されている。図1に示すように、画像形成ユニット2の上面前部と画像読取ユニット3の下面前部との間には、用紙取出口23が形成される。そして、画像が形成された用紙は、排紙機構によって後側から前側に向かって排紙トレイ22に排紙される。
画像読取ユニット3は、原稿台に載置された原稿を読み取る画像読取部(図示せず)と、画像読取部を収容する略直方体形状の上筐体31と、原稿カバー32と、ADF(auto document feeder)33とを備えている。
画像読取部は、いわゆるフラットベットタイプと呼ばれる形態を有する。画像読取部は、画像を読み取るイメージセンサと、イメージセンサを駆動する駆動機構とを備えている。イメージセンサとしては、例えば前後方向に複数のフォトダイオードが列設されたライン型のセンサを用いることができる。駆動機構はモータ及び複数のギヤ等で構成され、イメージセンサを左右方向に移動させる。これにより、画像読取部はイメージセンサを移動させながら原稿台に載置された原稿を読み取ることができる。
上筐体31は、排紙トレイ22の上面を覆うように画像形成ユニット2上に載置される。上筐体31の上面は、原稿台として原稿を載置するためのプラテンガラスによって塞がれている。また、上筐体31の後端部は連結部5によって下筐体21の後端部と回動可能に連結されている。これにより、画像形成ユニット2は閉位置と開位置との間で回動することができる。
原稿カバー32は上筐体31の上面とほぼ同じ大きさの板状部材であり、原稿台を覆うように上筐体31上に載置される。原稿カバー32の後端部はヒンジ(図示せず)によって上筐体31の後端部と回動可能に連結されている。
ADF33は原稿カバー32の上面右部に配置される。ADF33は、原稿供給トレイ331と、原稿供給トレイ331に載置された原稿を搬送し、イメージセンサの上方を通過させて原稿カバー32の上面に排紙する搬送機構(図示せず)とを備えている。これにより、画像形成ユニット2は複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に読み取ることができる。
操作パネル4は上筐体31の前端部に配置される。操作パネル4は、液晶パネル等の表示部と、タッチパネルや操作ボタン等の操作部とを備えている。連結部5は、下筐体21に設けられた軸部5Aと上筐体31に設けられた軸穴部5Bとが嵌合したヒンジであり、画像形成ユニット2の後端部と画像読取ユニット3の後端部とを回動可能に連結する。これにより、画像読取ユニット3の後端部は、画像形成ユニット2に対して回動する際の回動中心を含む回動基端部となる。一方、画像読取ユニット3の前端部は、画像形成ユニット2に対して回動する際に最も回動量が多い回動先端部となる。
開閉機構6は画像形成ユニット2と画像読取ユニット3との間であって、連結部5より前側の右端付近に配置される。開閉機構6は、画像読取ユニット3を開位置から閉位置へ回動させる際、つまり画像形成ユニット2に対して画像読取ユニット3を閉じる際に、画像読取ユニット3の閉まる速度を抑制する部材である。
なお、開閉機構6は画像形成ユニット2と画像読取ユニット3との間であって、連結部5より前側の左端付近に配置してもよい。また、開閉機構6は左右両方に配置してもよい。開閉機構6を片側にだけ配置する場合は、ADF33側に設けることが好ましい。重いADF33側を支持することで画像読取ユニット3を安定して開閉できるからである。
このような構成の複合機1において、ユーザは原稿カバー32の前端部を持ち上げることで原稿カバー32を開き、原稿台に原稿を載置することができる。また、ユーザはADF33の原稿供給トレイ331に原稿を載置することで複数の原稿を自動的に読み取らせることができる。
さらに、ユーザが画像読取ユニット3を持ち上げて開位置に移動させることで用紙取出口23が拡がり、排紙された小サイズの用紙が排紙トレイ22の奥側に載置されていたとしても小サイズの用紙を取り出し易くなる。
[開閉装置の構成]
複合機1は開閉装置を備えている。開閉装置は、画像形成ユニット2の下筐体21と、画像読取ユニット3の上筐体31と、連結部5と、開閉機構6とで構成される。図3から図5は複合機1の部分側面図である。図3は画像読取ユニット3が開位置にある状態、図4は画像読取ユニット3が中間位置にある状態、図5は画像読取ユニット3が閉位置にある状態を示している。図6は図4の状態の複合機1の部分斜視図である。図7はアーム部材の正面図である。図3から図6においては画像形成ユニット2及び画像読取ユニット3を略直方体形状に簡略化し、図3から図5においては上筐体31を仮想線で表し、図6においては上筐体31を省略している。
開閉機構6は、上筐体31の一部である支持部材61と、アーム部材62と、付勢部材63と、接触部64とを備えている。
ここで、上記の中間位置を定義しておく。中間位置とは開位置と前記閉位置とに挟まれた位置である。上筐体31が開位置と中間位置との間で回動する場合、アーム部材62は第1位置と第2位置との間を回動し、上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合、アーム部材62は第2位置に留まる。アーム部材62は接触部64に接触することによって第2位置に留まるので、中間位置は接触位置と言い換えることもできる。接触位置とは上筐体31が開位置から閉位置に向かって所定の角度閉じた位置であり、アーム部材62が接触部64に接触して止まる位置であるとも言える。
支持部材61は上筐体31の下部である下筐体21側に前後方向に延びて配置される。支持部材61は上筐体31と一体であれば、上筐体31と一体成型してもよいし、別部品として上筐体31に組み付けてもよい。支持部材61の後端部61Aには連結部5の軸穴部5Bが設けられる。
図6に示すように、支持部材61の前端部61Bは二股に形成され、下筐体21側へ略L字型に折れ曲がっている。二股の前端部61Bにはそれぞれ左右方向に貫通し、上筐体31の閉位置において上下方向に長い長穴部61Cが形成されている。また、前端部61Bにおける長穴部61Cの後方には上筐体31の閉位置において上下方向に貫通するボス孔61Dが形成されている。
アーム部材62は伸縮動作しながら制動力を発生する棒状部材である。アーム部材62は上筐体31と下筐体21との間に配置される。アーム部材62の後端部である第1端部62Aは下筐体21の上部に、前端部である第2端部62Bは上筐体31の下部に配置された支持部材61にそれぞれ連結される。具体的には、第1端部62Aに設けられた軸穴部62Cと下筐体21の上部に設けられた軸部21Aとが嵌合し、回動可能に連結される。一方、第2端部62Bは上筐体31側へ略L字型に折れ曲がっており、その先端部に左右に延びる軸部62Dが設けられている。軸部62Dと支持部材61の2つの長穴部61Cとが嵌合し、軸部62Dが長穴部61Cに沿って摺動可能かつ回動可能に連結される。
また、アーム部材62は上筐体31へ向かって突出したボス62Eを有する。ボス62Eは第2端部62Bの近傍に支持部材61のボス孔61Dに対向して形成されている。ボス62Eには付勢部材63が挿通されている。そして、上筐体31の開位置においてはボス62Eの先端部のみがボス孔61Dに挿通され、上筐体31の閉位置においてはボス62Eの基端部までボス孔61Dに挿通される。
アーム部材62としては各種ダンパ等を用いることができ、本実施形態ではエアシリンダを用いている。エアシリンダを用いることで伸縮動作時に制動力を発生するアーム部材62を容易に実現することができる。
アーム部材62としてのエアシリンダは、第2端部62B及びボス62Eを有するシリンダチューブ621と、第1端部62Aを有するピストン622と、弁623とを備えている。シリンダチューブ621は有底円筒状であり、第2端部62Bの一部である底面に内部と外部とを連通する矩形の吸排気口621Aを有する。
ピストン622はシリンダチューブ621に挿通される棒状部材である。ピストン622の先端面とシリンダチューブ621の内壁とで作用空間が形成される。ピストン622がシリンダチューブ621の内壁に対して摺動することによって作用空間の空気が圧縮又は膨張され、制動力が発生する。
弁623はシリンダチューブ621の第2端部62B側の内部、すなわち作用空間に配置される。図8に弁623の斜視図を示す。弁623はゴム等の樹脂で形成することができる。弁623はシリンダチューブ621の内壁と嵌合する円筒状の摺動面623Aを有する。摺動面623Aの一部は対向する平面で切り欠かれて切欠部623Bが形成されている。切欠部623Bによってシリンダチューブ621の内壁との間に摺動方向に連通する空間が形成される。
弁623は摺動面623A及び切欠部623Bの片側を塞ぐ平面部623Cを有する。平面部623Cの中央には吸排気口621Aと連通可能な貫通孔623Dが形成される。平面部623Cには貫通孔623Dと摺動面623Aとの間に2つの係合部623Eが突設される。係合部623Eは平面部623Cから垂直に延びる板状の脚部623Fと、脚部623Fの先端から摺動面623A側に延びる鉤部623Gとを有する。
脚部623Fは吸排気口621Aに挿通可能に配置され、吸排気口621Aの厚みより長く形成される。鉤部623Gは吸排気口621Aの縁部に引っ掛かる長さに形成される。これにより、脚部623Fが吸排気口621Aに挿通されることで弁623の移動を可能とし、鉤部623Gが吸排気口621Aの縁部に引っ掛かることによって弁623がシリンダチューブ621内に抜け落ちることを防止する。
図9はアーム部材62の収縮動作時の弁623の状態と空気の流れを説明する図であり、図10はアーム部材62の伸長動作時の弁623の状態と空気の流れを説明する図である。図9(a)及び図10(a)は図7のA−A線断面に相当し、図9(b)及び図10(b)は図7のB−B線断面に相当する。
上筐体31が閉じる方向に動作するときアーム部材62は収縮動作する。このとき、図9(a)及び(b)に示すように、ピストン622が矢印P1の方向に動作して弁623に近づき作動空間Sの容積が縮小するため、作動空間Sが高圧になる。これにより、作動空間Sの空気は吸排気口621Aに向かって流れ、弁623はシリンダチューブ621の第2端部62B側の内面に密着する。このとき、貫通孔623Dと吸排気口621Aとが連通し、矢印W1からW3に示すように作動空間Sの空気が貫通孔623Dを通って吸排気口621Aから外部へ排気される。
一方、上筐体31が開く方向に動作するときアーム部材62は伸長動作する。このとき、図10(a)及び(b)に示すように、ピストン622が矢印P2の方向に動作して弁623から離間することにより作動空間Sの容積が増大するため、作動空間Sが低圧になる。これにより、吸排気口621Aからシリンダチューブ621内に外気が流れ込み、弁623はシリンダチューブ621の第2端部62B側の内面から離間し、鉤部623Gが吸排気口621Aの縁部に引っ掛かることによって弁623が停止する。
このとき、吸排気口621Aと作動空間Sとは貫通孔623Dを介して連通し、矢印W4からW6に示すように吸排気口621Aから取り込まれた外気が貫通孔623Dを通って作動空間Sに流れ込む。また、吸排気口621Aと作動空間Sとは平面部623C及び切欠部623Bとシリンダチューブ621の内壁との隙間Cを介して連通し、矢印W7及びW8に示すように吸排気口621Aから取り込まれた外気が隙間Cを通って作動空間Sに流れ込む。
その結果、アーム部材62の収縮動作時には弁623がシリンダチューブ621の第2端部62B側に密着することで、貫通孔623Dを通じて吸排気口621Aからは空気が放出されるが切欠部623Bを通じては空気が漏れないので徐々に空気が放出されて制動力が大きくなる。一方、アーム部材62の伸長動作時には貫通孔623D及び切欠部623Bを通じて吸排気口621Aから空気が放出されるので一気に空気が放出されて制動力が小さくなる。このように、収縮動作時の制動力が大きく、伸長動作時の制動力が小さいエアシリンダを弁623を用いた簡単な構成で作製することができる。
そして、複合機1においてアーム部材62は上筐体31の回動に連動して伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動する。すなわち、上筐体31が閉位置から開位置に向けて開動作するときにアーム部材62は伸長動作し、逆に上筐体31が開位置から閉位置に向けて閉動作するときにアーム部材62は収縮動作する。したがって、アーム部材62は開動作時よりも閉動作時の制動力が大きくなる。よって、上筐体31が閉じるときにはゆっくりと動作し、逆に上筐体31を開けるときには軽く開けることができ、使い勝手がよい。
付勢部材63は上筐体とアーム部材62との間に設けられる。付勢部材63は上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合、つまり上筐体31が前記接触位置と閉位置との間にある場合に、上筐体31とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢する部材である。
具体的には、付勢部材63としては圧縮コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね等の各種ばね、ゴム等の各種弾性体を用いることができ、本実施形態では圧縮コイルばねを用いている。圧縮コイルばねを用いることで付勢部材63を簡単な構成で作製することができる。
付勢部材63はボス62Eよりも短く形成される。付勢部材63はボス62Eに挿通された状態で上筐体31とアーム部材62との間に保持される。すなわち、付勢部材63はボス62Eの外周部に挿通され、付勢部材63の上端部がボス孔61Dの下端部に当接し、付勢部材63の下端部がシリンダチューブ621の外周部に当接する。ボス62Eは常にボス孔61Dに挿通された状態にあるので、付勢部材63は抜け落ちることがない。このような構成によって付勢部材63を保持することで付勢部材63の設置スペースが小さくて済み、開閉装置を小型化することができる。また、アーム部材62から離れた位置、例えば下筐体21の上面等に付勢部材63を配置する必要がないので、上筐体31を開閉する際に邪魔になりにくい。
付勢部材63の付勢力の大きさは以下の動作を実現するように設計される。すなわち、上筐体31が開位置にある場合又は上筐体31が開位置から中間位置まで回動する場合、付勢部材63は支持部材61とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢することで、アーム部材62の軸部62Dを支持部材61の長穴部61Cの下端部に位置させる。一方、上筐体31が閉位置にある場合又は上筐体31が中間位置から閉位置まで回動する場合、付勢部材63は支持部材61とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢するが、上筐体31の自重が勝って付勢部材63は収縮する。付勢部材63が収縮すると、アーム部材62の軸部62Dが支持部材61の長穴部61Cの上端部に移動する。
このように、付勢部材63によって上筐体31が中間位置から閉位置に回動する速度を低下させることができる。よって、上筐体31は閉位置の手前で速度が低下することによりゆっくり閉位置に到達するので、閉じたときの衝撃が小さくなる。
接触部65はアーム部材62に対向して下筐体21に設けられた突起である。接触部65は上筐体31が開位置から閉位置に向かって所定の角度閉じた位置である接触位置と閉位置との間にある場合に、アーム部材62と接触してアーム部材62の回動を止める部材である。
具体的には、接触部65は下筐体21の上面から上方に突出した円柱状の突起である。上筐体31が閉じる際に中間位置(接触位置)に到達すると、アーム部材62の下面、例えば第2端部62Bの下面が接触部64に接触することによってアーム部材62が第2位置に留まる。
なお、接触部64はアーム部材62の下面に設けてもよい。この場合、上筐体31が閉じる際に中間位置(接触位置)に到達すると、接触部64の下部が下筐体21の上面に接触することによってアーム部材62が第2位置に留まる。
[開閉装置の動作]
次に、画像読取ユニット3が閉じるときの動作、つまり上筐体31が開位置から閉位置へ回動するときの動作について説明する。
上筐体31は開位置で静止している状態(図3の状態)においてユーザにより上面が押さえられると、開位置から閉位置へ向かって回動を開始し、その後は自重によって自動的に閉位置まで回動する。この過程において上筐体31には画像読取ユニット3の自重によるモーメントと、アーム部材62の自重によるモーメントと、アーム部材62の収縮時の制動力とが作用し、それらの合力として実際に回動する力である回動力が生じる。
上筐体31が開位置から中間位置に回動する際、つまり図3から図4の状態に変化する際には画像読取ユニット3及びアーム部材62の自重によるモーメントが徐々に大きくなる。したがって、上筐体31はアーム部材62の収縮時の制動力によってゆっくりと閉じ始め、その速度は徐々に速くなる。
そして、上筐体31が中間位置に到達すると(図4の状態)、アーム部材62の第2端部62Bの下面が接触部64に接触し、アーム部材62の回動が停止する。アーム部材62が停止すると、上筐体31の回動力が付勢部材63に加わり、付勢部材63が収縮する。付勢部材63の収縮により上筐体31の回動力は弱まり、ゆっくりと閉位置に向かって回動を続ける。このとき、支持部材61が下方へ移動することにより長穴部61Cが下方へ移動し、アーム部材62の軸部62Dは相対的に上昇する。そして、長穴部61Cの上端部にアーム部材62の軸部62Dが移動すると、上筐体31は閉位置に到達して停止する(図5の状態)。
このように、上筐体31が閉じる際には、開位置から中間位置までは徐々に速度が速くなり、中間位置から閉位置までは速度が低下してゆっくりと閉じる。上筐体31が閉位置の手前からゆっくり閉位置に到達することにより、閉じたときの衝撃が小さくなる。
次に、画像読取ユニット3が開くときの動作、つまり上筐体31が閉位置から開位置へ回動するときの動作について説明する。
上筐体31は閉位置で静止している状態においてユーザにより持ち上げられると、閉位置から開位置へ向かって回動を開始する。上筐体31が閉位置から中間位置まで回動する際、つまり図5から図4の状態に変化する際にはアーム部材62は停止したままであり、付勢部材63が伸長する。このとき、支持部材61が上方へ移動することにより長穴部61Cが上方へ移動し、アーム部材62の軸部62Dは相対的に下降する。ここでのユーザに掛かる負荷は画像読取ユニット3の自重から付勢部材63の伸長時の付勢力を差し引いた大きさとなる。よって、ユーザは画像読取ユニット3の自重よりも軽い力で上筐体31を開き始めることができる。
そして、上筐体31が中間位置に到達すると(図4の状態)、長穴部61Cの下端部にアーム部材62の軸部62Dが到達し、付勢部材63の付勢力は上筐体31を持ち上げることから軸部62Dを長穴部61Cの下端部に保持することへ作用するようになる。つまり、付勢部材63の付勢力はユーザに掛かる負荷に影響しなくなる。
また、上筐体31が中間位置に到達すると、アーム部材62の第2端部62Bの下面が接触部64から離間し、アーム部材62は回動を開始する。これにより、ユーザに掛かる負荷は画像読取ユニット3の自重によるモーメントと、アーム部材62の自重によるモーメントと、アーム部材62の伸長時の制動力とを合算した大きさとなる。
上筐体31が中間位置から開位置へ回動する際、画像読取ユニット3及びアーム部材62の自重によるモーメントは徐々に小さくなる。一方、アーム部材62の伸長時の制動力は上述したエアシリンダの構成により伸縮時の制動力に比べて小さく、画像読取ユニット3及びアーム部材62の自重によるモーメントに比べて十分に小さい。よって、上筐体31が中間位置から開位置へ回動する際にユーザに掛かる負荷はアーム部材62の伸縮時の制動力の影響をほとんど受けない。その結果、上筐体31を閉位置から開位置へ持ち上げる過程において中間位置で急に重くなることがなく、スムーズに持ち上げることができる。
[実施形態の効果]
上記の実施形態である複合機1によれば、開閉装置は、下筐体21と、下筐体21の上部を覆う閉位置と下筐体21の上部を開放する開位置との間を、開位置と閉位置とに挟まれた中間位置を経由して回動する上筐体31とを備える。また、開閉装置は、上筐体31と下筐体21との間に設けられ、第1端部62Aが下筐体21に、第2端部62Bが上筐体31にそれぞれ回動可能に連結されるアーム部材62であって、上筐体31が開位置と中間位置との間で回動する場合は第1位置と第2位置との間を伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動し、上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合は第2位置に留まるアーム部材62を備える。さらに、開閉装置は、上筐体31とアーム部材62との間に設けられ、上筐体31が中間位置と閉位置との間で回動する場合は上筐体31とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材63を備える。
この構成によれば、付勢部材63によって上筐体31が中間位置から閉位置に回動する速度を低下させることができる。よって、上筐体31は閉位置の手前で速度が低下することによりゆっくり閉位置に到達するので、閉じたときの衝撃が小さくなる。また、付勢部材63を上筐体31とアーム部材62との間に設けることによって、付勢部材63の設置スペースが小さくて済み、開閉装置を小型化することができる。また、アーム部材62から離れた位置に付勢部材63を配置する必要がないので、上筐体31を開閉する際に邪魔になりにくい。
また上述した実施形態を換言すると以下のように表現することもできる。すなわち、開閉装置は、下筐体21と、下筐体21の上部を覆う閉位置と下筐体21の上部を開放する開位置との間で回動する上筐体31とを備える。また、開閉装置は、第1端部62Aが下筐体21に、第2端部62Bが上筐体31にそれぞれ回動可能に連結され、上筐体31の回動に連動して伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動するアーム部材62を備える。また、開閉装置は、下筐体21に設けられ、上筐体31が開位置から閉位置に向かって所定の角度閉じた位置である接触位置と閉位置との間にある場合に、アーム部材62と接触してアーム部材62の回動を止める接触部64を備える。さらに、開閉装置は、上筐体31とアーム部材62との間に設けられ、上筐体31が接触位置と閉位置との間にある場合に、上筐体31とアーム部材62とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材63を備える。
また上記の実施形態である複合機1によれば、アーム部材62は、上筐体31が閉位置から開位置に向けて回動する開動作時の制動力よりも上筐体31が開位置から閉位置に向けて回動する閉動作時の制動力が大きい。
この構成によれば、上筐体31が閉じるときにはゆっくりと動作し、逆に上筐体31を開けるときには軽くスムーズに開けることができ、使い勝手がよくなる。
また上記の実施形態である複合機1によれば、アーム部材62がエアシリンダである。エアシリンダを用いることで伸縮動作時に制動力を発生するアーム部材62を容易に実現することができる。
また上記の実施形態である複合機1によれば、エアシリンダであるアーム部材62は、第2端部62Bに内部と外部とを連通する吸排気口621Aを有するシリンダチューブ621と、シリンダチューブ621に挿通されたピストン622と、シリンダチューブ621の第2端部62B側の内部に配置された弁623とを備える。弁623は、吸排気口621Aと連通可能な貫通孔623Dと、シリンダチューブ621の摺動面との間に摺動方向に連通する空間を形成する切欠部623Bとを有する。そして、弁623は、エアシリンダの収縮動作時にシリンダチューブ621の第2端部62B側の内面に密着し、エアシリンダの伸長動作時にシリンダチューブ621の第2端部62B側の内面から離間する。
この構成によれば、エアシリンダの収縮動作時には弁623がシリンダチューブ621の第2端部62B側に密着することで、貫通孔623Dを通じて吸排気口621Aからは空気が放出されるが切欠部623Bを通じては空気が漏れないので徐々に空気が放出されて制動力が大きくなる。一方、エアシリンダの伸長動作時には貫通孔623D及び切欠部623Bを通じて吸排気口621Aから空気が放出されるので一気に空気が放出されて制動力が小さくなる。このように、収縮動作時の制動力が大きく、伸長動作時の制動力が小さいエアシリンダを弁623を用いた簡単な構成で作製することができる。
また上記の実施形態である複合機1によれば、アーム部材62は上筐体31へ向かって突出したボス62Eを有し、上筐体31はボス62Eを挿通可能なボス孔61Dを有する。また、付勢部材63は圧縮コイルばねであり、圧縮コイルばねはボス62Eに挿通されて上筐体31とアーム部材62との間に保持される。
この構成によれば、付勢部材63を簡単な構成で作製することができ、付勢部材63の設置スペースも小さくて済み、開閉装置を小型化することができる。
1 複合機
21 下筐体
31 上筐体
61D ボス孔
62 アーム部材
62A 第1端部
62B 第2端部
62E ボス
63 付勢部材
64 接触部
621 シリンダチューブ
621A 吸排気口
622 ピストン
623 弁
623B 切欠部
623D 貫通孔

Claims (8)

  1. 下筐体と、
    前記下筐体の上部を覆う閉位置と前記下筐体の上部を開放する開位置との間を、前記開位置と前記閉位置とに挟まれた中間位置を経由して回動する上筐体と、
    前記上筐体と前記下筐体との間に設けられ、第1端部が前記下筐体に、第2端部が前記上筐体にそれぞれ回動可能に連結されるアーム部材であって、
    前記上筐体が前記開位置と前記中間位置との間で回動する場合は第1位置と第2位置との間を伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動し、
    前記上筐体が前記中間位置と前記閉位置との間で回動する場合は前記第2位置に留まるアーム部材と、
    前記上筐体と前記アーム部材との間に設けられ、前記上筐体が前記中間位置と前記閉位置との間で回動する場合は前記上筐体と前記アーム部材とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材とを備えた開閉装置。
  2. 下筐体と、
    前記下筐体の上部を覆う閉位置と前記下筐体の上部を開放する開位置との間で回動する上筐体と、
    第1端部が前記下筐体に、第2端部が前記上筐体にそれぞれ回動可能に連結され、前記上筐体の回動に連動して伸縮動作しながら制動力を発生するとともに回動するアーム部材と、
    前記下筐体に設けられ、前記上筐体が前記開位置から前記閉位置に向かって所定の角度閉じた位置である接触位置と前記閉位置との間にある場合に、前記アーム部材と接触して前記アーム部材の回動を止める接触部と、
    前記上筐体と前記アーム部材との間に設けられ、前記上筐体が前記接触位置と前記閉位置との間にある場合に、前記上筐体と前記アーム部材とを互いが離間する方向へ付勢する付勢部材とを備えた開閉装置。
  3. 前記アーム部材は、前記上筐体が閉位置から開位置に向けて回動する開動作時の制動力よりも前記上筐体が開位置から閉位置に向けて回動する閉動作時の制動力が大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開閉装置。
  4. 前記アーム部材がエアシリンダであることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の開閉装置。
  5. 前記エアシリンダは、
    前記第2端部に内部と外部とを連通する吸排気口を有するシリンダチューブと、
    前記シリンダチューブに挿通されたピストンと、
    前記シリンダチューブの前記第2端部側の内部に配置された弁とを備え、
    前記弁は、
    前記吸排気口と連通可能な貫通孔と、前記シリンダチューブの摺動面との間に摺動方向に連通する空間を形成する切欠部とを有し、
    前記エアシリンダの収縮動作時に前記シリンダチューブの前記第2端部側の内面に密着し、前記エアシリンダの伸長動作時に前記シリンダチューブの前記第2端部側の内面から離間することを特徴とする請求項4に記載の開閉装置。
  6. 前記アーム部材は前記上筐体へ向かって突出したボスを有し、
    前記上筐体は前記ボスを挿通可能なボス孔を有し、
    前記付勢部材は圧縮コイルばねであり、
    前記圧縮コイルばねは前記ボスに挿通されて前記上筐体と前記アーム部材との間に保持されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の開閉装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の開閉装置と、
    前記下筐体に設けられた画像形成部とを備えた画像形成装置。
  8. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の開閉装置と、
    前記下筐体に設けられた画像形成部と、
    前記上筐体に設けられた画像読取部とを備えた複合機。
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Title
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