JP2017123533A - 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 - Google Patents

固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2017123533A
JP2017123533A JP2016000874A JP2016000874A JP2017123533A JP 2017123533 A JP2017123533 A JP 2017123533A JP 2016000874 A JP2016000874 A JP 2016000874A JP 2016000874 A JP2016000874 A JP 2016000874A JP 2017123533 A JP2017123533 A JP 2017123533A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
unit
pixels
solid
transistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016000874A
Other languages
English (en)
Inventor
出羽 恭子
Kyoko Dewa
恭子 出羽
鈴木 亮司
Ryoji Suzuki
亮司 鈴木
原田 耕一
Koichi Harada
耕一 原田
光永 知生
Tomoo Mitsunaga
知生 光永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2016000874A priority Critical patent/JP2017123533A/ja
Priority to PCT/JP2016/079657 priority patent/WO2017119166A1/ja
Publication of JP2017123533A publication Critical patent/JP2017123533A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L27/00Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate
    • H01L27/14Devices consisting of a plurality of semiconductor or other solid-state components formed in or on a common substrate including semiconductor components sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation and specially adapted either for the conversion of the energy of such radiation into electrical energy or for the control of electrical energy by such radiation
    • H01L27/144Devices controlled by radiation
    • H01L27/146Imager structures
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/40Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/40Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled
    • H04N25/44Extracting pixel data from image sensors by controlling scanning circuits, e.g. by modifying the number of pixels sampled or to be sampled by partially reading an SSIS array
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/50Control of the SSIS exposure
    • H04N25/53Control of the integration time
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/71Charge-coupled device [CCD] sensors; Charge-transfer registers specially adapted for CCD sensors
    • H04N25/75Circuitry for providing, modifying or processing image signals from the pixel array
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N25/00Circuitry of solid-state image sensors [SSIS]; Control thereof
    • H04N25/70SSIS architectures; Circuits associated therewith
    • H04N25/76Addressed sensors, e.g. MOS or CMOS sensors

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)
  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)

Abstract

【課題】消費電力の低減を図りつつ、全画素を複数に分割した各分割エリアの同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を可能とする。【解決手段】光電変換素子PDから電荷蓄積部FDへ電荷を転送する転送トランジスタTR1及び電荷蓄積部FDをリセットするリセットトランジスタTR2を有する画素構成において、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を、複数のゲートを有するマルチゲート構造とする。あるいは、光電変換素子PDから電荷蓄積部FDへ電荷を転送する転送トランジスタTR1及び電荷蓄積部FDの電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタTR3を有する画素構成において、転送トランジスタTR1及び選択トランジスタTR3を、複数のゲートを有するマルチゲート構造とする。【選択図】図5

Description

本開示は、固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器に関する。
近年、クラウド技術のコンセプトが盛んに議論され、撮像装置や撮像素子といったイメージングデバイスを搭載した電子機器のクラウド端末としての役割が期待されている。そして、近い将来には、様々な電子機器がクラウドと繋がり、これらの電子機器同士、電子機器と使用者、使用者とクラウドとが繋がる社会が実現されると予測されている。それ故、このような社会の流れに鑑み、クラウドを始めとするネットワーク社会で利用するための電子機器に搭載可能なイメージングデバイスの開発が求められている。
ところで、クラウドに様々な電子機器が繋がる場合、膨大な通信量や消費電力の増加等、種々の課題を解決する必要がある。通信分野では通信量を増やす開発が行われているが、通信量の増加には限界があろう。また、無線通信等は、ネットワーク社会の発達に伴い使用者が増えると、直ちに通信量の取り合いとなり、通信帯域の不足が生じる。一方、イメージングデバイスにあっては、画素信号処理の部分での電力消費、通信時における電力消費が課題である。更に、イメージングデバイスによって得られた画像の通信を考えた場合、画像サイズとその通信量(通信レート)も課題とされる。
撮像素子を含む撮像装置全体の消費電力を低減するための撮像素子の駆動方法や信号処理の開発が、鋭意、進められている。具体的には、例えば、固体撮像素子が有する全画素を複数のエリアに分割し、この分割エリアの画素を交互に読み出すことにより、低消費電力化を実現するようにしている(例えば、特許文献1参照)。また、単位素子が行列状に配された素子アレイ部における1行分の単位素子の内の一部の単位素子の情報のみを必要とする素子選択モード時には、必要とされない単位素子に対応する信号処理回路が通常動作モード時よりも低消費電力状態となるようにしている(例えば、特許文献2参照)。
通常、イメージングデバイスによって得られる画像を圧縮して通信することにより、通信時の電力消費量を低減させている。これまで、画像圧縮信号処理については、幾つかの提案がなされている。例えば、撮像素子における露光制御に基づき、全画素(全撮像素子)を読み出すよりも少ない量のデータを得ることができ、しかも、アナログ−デジタル変換後にデータ圧縮のための処理回路が必要とされない信号処理技術が周知である(例えば、非特許文献1参照)。即ち、撮像素子からの画素信号を、マルチプレクサによってランダムに選択し、ランダムに選択されたアナログ−デジタル変換器に入力させるといった手法に基づき、最終的に撮像素子からの画素信号の圧縮を行う。
特開2007−134805号公報 特開2012−165168号公報
Y. Oike and A. Ei. Gamal, A, "CMOS Image Sensor With Per-Column ΣΔ ADC and Programmable Compressed Sensing", Solid-State Circuits, IEEE Journal of Volume 48, Issue 1
しかしながら、上記の特許文献1,2に開示された技術では、全画素を複数に分割した各分割エリアの同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する、所謂、完全なランダム露光の実現が困難であった。その原因は、画素内のトランジスタの構成にある。1つの画素列に対して複数の画素について露光選択できると、露光が空間的及び時間的にランダムとなるために、ランダム露光を行って間引いた信号を復元する際に復元の精度が上がる効果がある。また、上記の非特許文献1には、撮像素子を含む撮像装置全体の消費電力の低減に関しては、何ら、言及されていない。
従って、本開示の目的は、消費電力の低減を図りつつ、全画素を複数に分割した各分割エリアの同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を可能とする固体撮像素子、その駆動方法、及び、当該固体撮像素子を有する電子機器を提供することにある。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る固体撮像素子は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている。また、上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る電子機器は、上記の構成の第1の態様に係る固体撮像素子を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る固体撮像素子は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている。また、上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る電子機器は、上記の構成の第2の態様に係る固体撮像素子を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る固体撮像素子は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている。また、上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る電子機器は、上記の構成の第3の態様に係る固体撮像素子を有する。
上記の目的を達成するための本開示の第1の態様に係る固体撮像素子の駆動方法は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子において、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う。
上記の目的を達成するための本開示の第2の態様に係る固体撮像素子の駆動方法は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
固体撮像素子において、
転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う。
上記の目的を達成するための本開示の第3の態様に係る固体撮像素子の駆動方法は、
光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子において、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う。
本開示の第1の態様〜第3の態様に係る固体撮像素子、その駆動方法、あるいは、電子機器にあっては、画素を構成する特定の画素トランジスタがマルチゲート構造であることで、そのマルチゲートを適宜駆動することによって、各画素をランダムに選択することが可能となる。これにより、各画素に対して露光を空間的及び時間的にランダムに行うことができるために、同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
尚、ここに記載された効果に必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、これに限定されるものではなく、また付加的な効果があってもよい。
図1は、本開示の第1実施形態に係る固体撮像素子の概念図である。 図2は、第1実施形態に係る固体撮像素子における画素アレイ部の概念図である。 図3は、第1実施形態に係る固体撮像素子における1つの画素ユニット等の概念図である。 図4は、シングルスロープ型アナログ−デジタル変換器の構成の一例を示すブロック図である。 図5Aは、実施例1に係る画素の内部回路の構成を示す回路図であり、図5Bは、実施例1に係る画素の内部回路の他の構成を示す回路図である。 図6Aは、ゲートが1つのMOSFETの素子構造の断面図であり、図6Bは、ゲートが2つのマルチゲート構造のMOSFETの素子構造の断面図である。 図7は、実施例1の固体撮像素子において1つの画素ユニットが4×4個の画素から成る場合の例を示す図である。 図8は、実施例1の固体撮像素子における画素信号の読出し動作のタイミングチャートである。 図9A、図9Bは、サンプリング関数と、画素ユニットの出力値と、固体撮像素子の出力データフォーマットの関係について説明する図である。 図10は、サンプリング関数によって任意に選択された4画素を順次読み出すための画素制御の手順を示す図である。 図11Aは、実施例2に係る画素の内部回路の構成を示す回路図であり、図11Bは、実施例2の固体撮像素子において1つの画素ユニットが4×4個の画素から成る場合の例を示す図である。 図12は、実施例2の固体撮像素子における画素信号の読出し動作のタイミングチャートである。 図13Aは、実施例3に係る画素の内部回路の構成を示す回路図であり、図13Bは、実施例3に係る画素における露光時及び電荷転送時の各部のポテンシャルの遷移の様子を示すポテンシャル図である。 図14は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における垂直同期による1周期の動作例を示すタイミングチャートである。 図15は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における水平同期の場合の図14の期間(1)の動作例を示すタイミングチャートである。 図16は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における水平同期の場合の図14の期間(2)の動作例を示すタイミングチャートである。 図17は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における水平同期の場合の図14の期間(3)の動作例を示すタイミングチャートである。 図18は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における水平同期の場合の図14の期間(4)の動作例を示すタイミングチャートである。 図19は、実施例3に係る画素を有する固体撮像素子における水平同期の場合の図14の期間(5)の動作例を示すタイミングチャートである。 図20は、本開示の第2実施形態に係る固体撮像素子の概念図である。 図21A及び図21Bは、実施例4に係るイメージセンサチップ及びロジック回路チップの平面構造及び断面構造を示す図である。 図22A及び図22Bは、実施例5に係るイメージセンサチップ及びロジック回路チップの平面構造及び断面構造を示す図である。 図23Aは、実施例5に係るロジック回路チップにおける画素メモリユニットの構成を示すブロック図であり、図23Bは、画素メモリユニットを構成する画素メモリの構成を示す回路図である。 図24Aは、実施例1に係る画素を実施例5の固体撮像素子に用いる場合の画素構成を示す回路図であり、図24Bは、実施例1に係る画素を実施例6の固体撮像素子に用いる場合の画素構成を示す回路図である。 図25Aは、1つの画素列に対してアナログ−デジタル変換器を2つ有する場合の概略構成図であり、図25Bは、1つの画素列に対してアナログ−デジタル変換器を1つ有する場合の概略構成図であり、図25Cは、1つの画素行に対してアナログ−デジタル変換器を1つ有する場合の概略構成図である。 図26は、変形例2に係る画素の内部回路の構成を示す回路図である。 図27A及び図27Bは、変形例3に係る画素11の内部回路の構成を示す回路図である。 図28は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示の技術は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値などは例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の第1の態様〜第3の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明
2.第1実施形態(平置構造の固体撮像素子の例)
2−1.実施例1(画素が3Tr構成の例)
2−2.実施例2(画素が4Tr構成の例)
2−3.実施例3(画素がメモリ部を有する構成の例)
3.第2実施形態(積層構造の固体撮像素子の例)
3−1.実施例4(画素ユニットとAD変換器とを一対一の対応関係で配置する例)
3−2.実施例5(カラムADCの例)
3−3.実施例6(実施例5の変形)
4.変形例
4−1.変形例1(AD変換器の配置例)
4−2.変形例2(実施例2に係る4Tr構成の変形)
4−3.変形例3(実施例1に係る3Tr構成の変形)
5.本開示の電子機器(撮像装置の例)
<本開示の第1の態様〜第3の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器、全般に関する説明>
本開示の第1の態様〜第2の態様に係る固体撮像素子において、画素は、裏面照射型の画素であってもよいし、表面照射型の画素であってもよい。ここで、『裏面照射型の画素』とは、配線層が配される側を表面側とするとき、その反対側、即ち裏面側から入射光を取り込む画素構造をいう。また、『表面照射型の画素』とは、配線層が配される表面側から入射光を取り込む画素構造をいう。
また、固体撮像素子については、所謂、平置構造であってもよいし、所謂、積層構造であってもよい。ここで、『平置構造』とは、画素が2次元マトリクス状に配列されて成る画素アレイ部の周辺回路、即ち、画素アレイ部の各画素を駆動する駆動部や、画素から読み出される信号に対して所定の信号処理を施す信号処理部などを、画素アレイ部と同じ半導体チップ上に配置する構造である。また、『積層構造』とは、信号処理部などを画素アレイ部とは別の半導体チップに搭載し、これらの半導体チップを積層した構造である。
本開示の第1の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部について、転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う構成とすることができる。また、画素制御部について、画素の選択情報を電荷蓄積部の容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う構成とすることができる。
上述した好ましい構成を含む第1の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されている。そして、この画素ユニット毎に、画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器を設ける構成とすることができる。
本開示の第2の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部について、転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う構成とすることができる。また、画素制御部について、画素の選択情報を選択トランジスタのゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う構成とすることができる。
上述した好ましい構成を含む第2の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されている。そして、この画素ユニット毎に、画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器を設ける構成とすることができる。
本開示の第3の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部について、転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う構成とすることができる。また、画素制御部について、画素の選択情報を転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の各ゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う構成とすることができる。
上述した好ましい構成を含む第3の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されている。そして、この画素ユニット毎に、画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器を設ける構成とすることができる。
更に、上述した好ましい構成を含む第3の態様に係る固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器にあっては、第1半導体チップと第2半導体チップとが積層されて成り、画素ユニットが第1半導体チップ側に設けられ、画素のメモリ部が第2半導体チップ側に設けられる構成とすることができる。このとき、アナログ−デジタル変換器について、第2半導体チップ側に、1つの画素ユニットに対して1つ設ける、あるいは、画素ユニットの1つの画素列に対して1つ設ける構成とすることができる。
<第1実施形態に係る固体撮像素子>
第1実施形態は、所謂、平置構造の固体撮像素子及びその駆動方法に関する。本開示の第1実施形態に係る固体撮像素子の概念図を図1に示し、画素アレイ部の概念図を図2に示す。
第1実施形態に係る固体撮像素子は、第1の方向及び第2の方向に画素11が2次元マトリクス状に配列されて成る画素アレイ部12、及び、画素アレイ部12の各画素11から信号を読み出す制御を行う画素制御部13,14,15を備える、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。そして、このCMOSイメージセンサにおいて、画素11を構成する特定の画素トランジスタが、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている(後述する実施例1〜3参照)。
第1実施形態に係る固体撮像素子において、画素11は、第1の方向にK個配列され、第2の方向にL個配列され、合計、K×L個の画素11によって画素ユニット20を構成している。また、画素ユニット20は、第1の方向にI個配列され、第2の方向にJ個配列され、合計、I×J個の画素ユニット20によって画素アレイ部12を構成している。すなわち、画素ユニット20は、画素アレイ部12の全画素11を複数(I×J個)に分割した分割エリア内の画素11の集合である。画素ユニット20i,jは、第(i,j)番目(但し、i=1,2,・・・,Iであり、j=1,2,・・・,Jである)の画素ユニットである。
第1実施形態に係る固体撮像素子は更に、画素アレイ部12の各画素11から読み出される信号(画素信号)を処理する信号処理部16、及び、画素制御部13,14,15に与えるサンプリング関数データを格納するサンプリング関数データ格納部17を備えている。画素制御部13,14,15のうち、画素制御部13,14は、画素アレイ部12の各画素11から画素信号を読み出す制御を行う。
図1及び図2において、第1の方向をX方向とし、第2の方向をY方向とするとき、画素制御部13,14は、X−Yアドレス方式により(X方向及びY方向のアドレッシングにより)、画素アレイ部12内の各画素ユニット20の選択(アドレス(位置)の指定)、及び、画素ユニット20内の各画素11の選択(アドレスの指定)を行う。より具体的には、画素制御部13は、画素ユニット20及び画素11のX方向におけるアドレス指定を担い、画素制御部14は、画素ユニット20及び画素11のY方向におけるアドレス指定を担う。画素制御部15は、画素信号を処理する信号処理部16の制御を行う。
画素制御部13,14は、サンプリング関数データ格納部17から与えられる所定のサンプリング関数データに基づいて、そのサンプリング関数が実現されるように、画素アレイ部12の各画素11を制御する。ここで、『サンプリング関数』とは、各時の信号読出しがどの画素からの読出しを示す行列データもしくは同等の意味を持つフォーマットのデータである。サンプリング関数の詳細及び具体例については後述する。
ここでは、サンプリング関数データ格納部17を固体撮像素子の構成要素として備え、当該サンプリング関数データ格納部17にサンプリング関数データを格納するとしたが、サンプリング関数データを外部から取り込んで画素制御部13,14,15に与えるようにしてもよい。あるいは又、何らかのノイズ源からのランダムなノイズをサンプリング関数データとして用いるようにすることも可能である。
サンプリング関数データ格納部17が画素制御部13,14に与えるサンプリング関数データは、画素アレイ部12の各画素11の露光を、空間的及び時間的に(時間軸上で)ランダムに選択するのに用いられる。そして、画素制御部13,14は、サンプリング関数データに基づくランダム露光を行う際に、画素11内の所定の容量に選択情報を記憶することにより、ランダム露光の対象画素を指定する。そして、画素制御部13,14による制御の下に、画素11内の所定の容量に選択情報が記憶された、ランダム露光の指定対象の画素からランダムに画素信号が信号線23(図3参照)に読み出され、当該信号線23を通して信号処理部16に供給される。
信号処理部16は、画素アレイ部12と同じ半導体チップ18上に搭載されている。信号処理部16で所定の信号処理が施された画素信号は、端子19を介して半導体チップ18外へ出力される。尚、図1では、簡易的には、画素11が2次元マトリクス状に配列された画素アレイ部12に対して信号処理部16が1つ設けられた例を図示しているが、実際には、後述するように、信号処理部16は、1つの画素ユニット20毎に設けられることになる(図3参照)。すなわち、信号処理部16は、画素ユニット20に対応して、I×J個存在する。
ここで、信号処理部16を画素アレイ部12と同じ半導体チップ18上に搭載し、画素制御部13,14,15及びサンプリング関数データ格納部17を半導体チップ18外に設ける構成を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、信号処理部16を半導体チップ18外に設けてもよいし、画素制御部13,14,15及びサンプリング関数データ格納部17を信号処理部16と共に、半導体チップ18上に搭載するようにしてもよい。
第1実施形態に係る固体撮像素子における1つの画素ユニット20等の概念図を図3に示す。ここでは、一例として、1つの画素ユニット20が、第1の方向に4個配列され、第2の方向に4個配列され、合計、4×4個の画素11から成る場合を例示している。すなわち、図3の例では、K=4,L=4である。但し、K,Lの値は、これらの値に限定されるものではない。
画素ユニット20の画素11の配列に対して、画素行毎に行制御線21が配線され、画素列毎に列制御線22と信号線23とが配線されている。行制御線21は、例えば3種類の行制御線211,212,213から成る。行制御線211,212,213は、画素制御部14から出力される制御信号を、画素ユニット20の各画素11に対して画素行毎に伝送する。列制御線22は、画素制御部13から出力される制御信号を、画素ユニット20の各画素11に対して画素列毎に伝送する。信号線23は、画素ユニット20の各画素11から読み出される画素信号を画素列毎に信号処理部16に伝送する。
図3に示すように、信号処理部16は、1つの画素ユニット20毎に設けられている。信号処理部16は、例えば、信号線23の一端に接続された、画素ユニット20の画素列K分(本例の場合、K=4)の列選択スイッチ(SW)24と、各画素列に対して共通に設けられたアナログ−デジタル変換器(以下、『AD変換器』と呼ぶ場合がある)25とから構成されている。
列選択スイッチ24は、画素制御部15によって適宜駆動されることにより、画素11から信号線23に読み出された画素信号をAD変換器(以下、『ADC』と記述する場合がある)25に供給する。画素制御部15は、画素制御部13,14と同様に、サンプリング関数データ格納部17から与えられる所定のサンプリング関数データに基づいて、そのサンプリング関数が実現されるように、列選択スイッチ24を制御する。
AD変換器25は、周知のAD変換器とすることができる。具体的には、AD変換器25として、シングルスロープ型AD変換器、逐次比較型AD変換器、又は、デルタ−シグマ変調型(ΔΣ変調型)AD変換器を例示することができる。また、AD変換器25は、グレイコードカウンタを備えていてもよい。但し、AD変換器25としては、これらに限定されるものではなく、フラッシュ型、ハーフ・フラッシュ型、サブレンシング型、パイプライン型、ビット・パー・ステージ型、マグニチュード・アンプ型等のAD変換器を挙げることもできる。
(シングルスロープ型AD変換器)
ここでは、一例として、周知のシングルスロープ型AD変換器について具体的に説明する。シングルスロープ型AD変換器の構成の一例を図4に示す。AD変換器25は、1つの画素ユニット20毎に設けられている。
シングルスロープ型カラムAD変換器25では、時間が経過するにつれて電圧値が階段状に変化する、所謂、ランプ(RAMP)波形(傾斜状の波形)の参照電圧Vrefが用いられる。ランプ波形の参照電圧Vrefは、参照電圧生成部26で生成される。参照電圧生成部26については、例えば、DAC(デジタル−アナログ変換)回路を用いて構成することができる。
AD変換器25は、例えば、コンパレータ251、カウンタ252、及び、メモリ253等から成る。本例に係るAD変換器25では、カウンタ252として、アップ/ダウンカウンタ(図中、「U/DCNT」と記している)を用いている。
コンパレータ251は、画素アレイ部12の各画素11から画素ユニット20の単位で読み出される画素信号を比較入力とし、参照電圧生成部26から供給されるランプ波の参照電圧Vrefを基準入力とし、両者を比較する。そして、コンパレータ251は、例えば、参照電圧Vrefが画素信号よりも大きいときに出力が第1の状態(例えば、高レベル)になり、参照電圧Vrefが画素信号以下のときに出力が第2の状態(例えば、低レベル)になる。これにより、コンパレータ251の出力信号は、画素信号のレベルの大きさに対応したパルス幅を持つパルス信号となる。
アップ/ダウンカウンタ252には、コンパレータ251に対する参照電圧Vrefの供給開始タイミングと同じタイミングでクロックCKが与えられる。そして、アップ/ダウンカウンタ252は、クロックCKに同期してダウン(DOWN)カウント、又は、アップ(UP)カウントを行うことにより、コンパレータ251の出力パルスのパルス幅の期間、即ち、比較動作の開始から比較動作の終了までの比較期間を計測する。このアップ/ダウンカウンタ252のカウント結果(カウント値)が、アナログの画素信号をデジタル化したデジタル値となり、メモリ253に一時的に格納される。そして、メモリ253からアナログの画素信号をAD変換して得られるデジタル値が適宜読み出される。
画素11が2次元マトリクス状に配列されて成るCMOSイメージセンサでは、一般的に、画素11のリセット動作時のノイズを除去するために、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)によるノイズ除去処理が行わる。画素11からは、例えば、リセットレベルVrst及び信号レベルVsigの順に読み出される。リセットレベルVrstは、画素11の電荷蓄積部(後述するフローティング・ディフュージョンFD)をリセットしたときの当該電荷蓄積部の電位に相当する。信号レベルVsigは、光電変換素子に蓄積された電荷を電荷蓄積部へ転送したときの当該電荷蓄積部の電位に相当する。
リセットレベルVrstを先に読み出す読み出し方式においては、リセットしたときに発生するランダムノイズは電荷蓄積部で保持されているため、信号電荷を加えて読み出された信号レベルVsigには、リセットレベルVrstと同じノイズ量が保持されている。このため、信号レベルVsigからリセットレベルVrstを減算する相関二重サンプリング動作を行うことにより、これらのノイズを除去した信号を得ることが可能となる。
信号処理部16において、AD変換器25によるAD変換の際に、相関二重サンプリング処理が実行される。具体的には、AD変換器25では、コンパレータ251での比較動作の開始から比較動作の終了までの比較期間の計測動作の際に、アップ/ダウンカウンタ252は、例えば、リセットレベルVrstに対してはダウンカウントを行い、信号レベルVsigに対してはアップカウントを行う。このダウンカウント/アップカウントの動作により、信号レベルVsigとリセットレベルVrstとの差分をとることができる。その結果、AD変換器25によるAD変換の際に、相関二重サンプリングによるノイズ除去処理が行われる。
上述したように、第1実施形態に係る固体撮像素子では、画素11を構成する特定の画素トランジスタがマルチゲート構造であることにより、そのマルチゲートに対するX−Yアドレス方式(アドレッシング)による駆動によって、画素アレイ部12の各画素11をランダムに選択することが可能となる。これにより、サンプリング関数に基づく画素制御部13,14による制御の下に、画素アレイ部12の各画素11に対して、露光を空間的及び時間的(時間軸上で)にランダムに行うことができる。その結果、画素アレイ部12内の画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。そして、1つの画素列に対して複数の画素を露光選択できることにより、露光が空間的及び時間的(時間軸上で)にランダムとなり、ランダム露光を行って間引いた信号を復元する際に、復元の精度を向上できることになる。
また、ランダム露光により、1つの画素ユニット20毎に設けられた信号処理部16には、画素信号が時間軸上でランダムに供給されることになる。これにより、全画素の信号が画素行単位で読み出されることで、全てのAD変換器25を作動させるのではなく、一部のAD変換器25を作動させることになるため、全てのAD変換器25を作動させる場合に比べて固体撮像素子の消費電力の低減を図ることができる。
しかも、AD変換器25からの画素信号(デジタル値)の出力が時間軸上でランダムに行われるが故に、全画素から画素信号を読み出す場合に比べてデータ量を少なくできる。また、画素信号を選択するのにマルチプレクサを配設する必要が無いため、回路構成の簡略化、固体撮像素子全体の消費電力のより一層の低減を図ることができる。更に、空間的及び時間的に(時間軸上で)完全なランダムアクセスによって画素選択を行うことによって、1つの画素列に対して複数の画素を選択して露光できるため、ランダム露光を行って間引いた信号を復元するときの画質劣化を大幅に低減できる。
以下に、画素11内の所定の容量に選択情報を記憶し、完全なランダム露光を実現する第1実施形態に係る固体撮像素子における画素11の具体的な実施例について説明する。以下では、画素11が3つのトランジスタ(Tr)から成る3Tr構成の場合を実施例1として、画素11が4Tr構成の場合を実施例2として、画素11が電荷を一時的に蓄積するメモリ部を有する構成の場合を実施例3として説明する。
[実施例1]
実施例1は、第1実施形態に係る固体撮像素子における画素11が3Tr構成の場合の例である。実施例1に係る画素11の内部回路の構成を図5Aに示す。実施例1に係る画素11は、光電変換素子(受光素子)として例えばフォトダイオードPDを有している。画素11は、フォトダイオードPDに加えて、例えば、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、及び、増幅トランジスタTR3を有する構成となっている。すなわち、実施例1に係る画素11は、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、及び、増幅トランジスタTR3の3つのトランジスタ(Tr)から成る3Tr構成となっている。
実施例1では、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、及び、増幅トランジスタTR3の3つのトランジスタとして、例えばN型MOSFETを用いている。但し、ここで例示した3つのトランジスタTR1,TR2,TR3の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限定されるものではない。
上記の3Tr構成の画素11において、MOSFETから成る転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2は、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造となっている。このように、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2がマルチゲート構造であることにより、そのマルチゲートに対するX−Yアドレス方式による駆動によって、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。その詳細については後述する。
ここで、MOSFETの素子構造について説明する。ゲートが1つの通常構造のMOSFETの素子構造の断面図を図6Aに示し、ゲートが2つのマルチゲート構造のMOSFETの素子構造の断面図を図6Bに示す。MOSFETは、半導体基板31の表層部にソース領域Sとドレイン領域Dとが形成され、ソース領域Sとドレイン領域Dとの間のチャネル領域の上方に、ゲート絶縁膜32を介してゲート電極Gが配置された構造となっている。
MOSFETは、ソース領域Sとドレイン領域Dとに同じ性質を持つ半導体、ゲート電極Gの真下にあるチャネル領域にその反対の性質を持つ半導体を配置することで形成される。そして、ソース領域S及びドレイン領域Dの上方に金属のゲート電極Gを設置することにより、ソース領域Sに電流の入口、ドレイン領域Dに出口、ゲート電極Gに電流の流れを制御する水門の機能を持たせている。
ソース領域Sとドレイン領域Dとの間に性質の異なる半導体が挟まれる構造のため、ゲート電極Gに電圧を印加しないと、ソース領域Sとドレイン領域Dとの間が電気的に絶縁される。ゲート電極Gに電圧を印加すると、ゲート電極Gの真下にあるチャネル領域に自由電子が引き寄せられる。このため、ソース領域Sとドレイン領域Dとを結ぶすべての経路で自由電子が豊富な状態となり、電流が流れやすくなる。
マルチゲート構造のMOSFETにあっては、ゲート領域を2つ形成してそれぞれを別の金属電極(ゲート電極)G1,G2から印加する電圧で制御することにより、2つのゲート電極G1,G2の両方に同時に電圧が印加したときに電流が流れやすくなるようになっている。
上述したように、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2は、2つのゲートを有するマルチゲート構造となっている。そして、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2は、列選択信号と行選択信号とによるX−Yアドレス方式(アドレッシング)によって駆動されることにより、各画素11が読出し対象(選択対象)の画素かどうかが制御されるようになっている。
具体的には、転送トランジスタTR1において、一方のゲートには、X方向(第1の方向)の画素転送制御信号Txが列選択信号として画素制御部13から与えられ、他方のゲートには、Y方向(第2の方向)の画素転送制御信号Tyが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素転送制御信号Tx及び画素転送制御信号Tyが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、転送トランジスタTR1が導通状態となる。
リセットトランジスタTR2において、一方のゲートには、X方向の画素リセット制御信号Rxが列選択信号として画素制御部13から与えられ、他方のゲートには、Y方向の画素リセット制御信号Ryが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素リセット制御信号Rx及び画素リセット制御信号Ryが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、リセットトランジスタTR2が導通状態となる。
図3において、同一画素行の各画素11に対して共通に配線される3種類の行制御線21は、画素選択制御信号線211、画素転送制御信号線212、及び、画素リセット制御信号線213である。画素選択制御信号線211は、画素制御部14から適宜出力される画素選択制御信号SELVDDを、増幅トランジスタTR3に対して伝送する。
画素転送制御信号線212は、画素制御部14から適宜出力される画素転送制御信号Tyを、転送トランジスタTR1の他方のゲートに伝送する。画素リセット制御信号線213は、画素制御部14から適宜出力される画素リセット制御信号Ryを、リセットトランジスタTR2の他方のゲートに伝送する。
尚、図3には、画素制御部13から適宜出力される画素転送制御信号Tx及び画素リセット制御信号Rxを、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2の各一方のゲートに伝送する列制御線22については、図面の簡略化のために、1本の制御線として図示している。実際には、列制御線22は、画素転送制御信号Txを伝送する画素転送制御信号と、画素リセット制御信号Rxを伝送する画素リセット制御信号線とから成る。
図5Aにおいて、フォトダイオードPDは、アノード電極が低電位側電源(例えば、グランドGND)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。フォトダイオードPDのカソード電極は、転送トランジスタTR1を介して増幅トランジスタTR3のゲート電極と電気的に接続されている。増幅トランジスタTR3のゲート電極と電気的に繋がった領域は、フローティング・ディフュージョン(浮遊拡散領域/不純物拡散領域)FDである。フローティング・ディフュージョンFDは、電荷蓄積部(電荷検出部)であり、蓄積した電荷を電圧に変換する電荷電圧変換部である。
転送トランジスタTR1は、フォトダイオードPDのカソード電極とフローティング・ディフュージョンFDとの間に接続されている。転送トランジスタTR1は、2つのゲートに、高レベルがアクティブ状態となる画素転送制御信号Tx及び画素転送制御信号Tyが画素制御部13及び画素制御部14から与えられることで導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換され、蓄積された光電荷をフローティング・ディフュージョンFDに転送する。
リセットトランジスタTR2は、ドレインが画素リセット電位RSDに接続され、ソースがフローティング・ディフュージョンFDに接続されている。リセットトランジスタTR2は、2つのゲートに、高レベルがアクティブ状態となる画素リセット制御信号Rx及び画素リセット制御信号Ryが画素制御部13及び画素制御部14から与えられることで導通状態となり、フローティング・ディフュージョンFDの電位を画素リセット電位RSDにリセットする。
増幅トランジスタTR3は、ゲートがフローティング・ディフュージョンFDに接続され、ソースが信号線23に接続されている。本例に係る画素構成は、3Tr構成である。従って、増幅トランジスタTR3は、画素11を選択する機能(選択トランジスタの機能)を持っている。すなわち、増幅トランジスタTR3は、ゲートに印加されるフローティング・ディフュージョンFDの電位がアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)になることで増幅動作が可能な状態、即ち画素選択状態となる。尚、増幅トランジスタTR3は、ソースフォロア動作をしているので、ドレイン電圧の変動は、殆ど出力信号に影響を及ぼさない。従って、電源数や配線数を削減するために、増幅トランジスタTR3のドレイン電位を画素リセット電位RSDと共通化することができる。
また、増幅トランジスタTR3は、フォトダイオードPDでの光電変換によって得られる信号を読み出す読出し回路、具体的には、ソースフォロワ回路の入力部となる。すなわち、増幅トランジスタTR3は、ソースが信号線23に接続されることにより、当該信号線23の一端に接続される電流源(図示せず)とソースフォロワ回路を構成する。そして、増幅トランジスタTR3は、画素選択制御信号SELVDDがアクティブ状態になることにより、フローティング・ディフュージョンFDに蓄積された電荷に応じた信号を増幅し、信号線23に読み出す。
上記の構成の3Tr構成の画素11の場合、後述する4Tr構成の画素に比べて、内部回路を構成する素子数が少なくて済むため、画素11の微細化を図ることができる利点がある。
画素11の内部回路の他の構成を図5Bに示す。この他の構成は、複数の画素11間で内部回路の一部を共有する構成となっている。具体的には、例えば2つの画素11,11間で、リセットトランジスタTR2、フローティング・ディフュージョンFD、及び、増幅トランジスタTR3を共有する。但し、転送トランジスタTR1については、画素11毎に設けられることになる。
この他の構成の場合、内部回路の一部を共有する画素11,11間で、同じ期間にフォトダイオードPDから同時に電荷を読み出すことはできないが、内部回路の一部の共有によって画素11のより微細化を図ることができる。
(圧縮センシング)
上記の構成の実施例1に係る画素11を有する固体撮像素子にあっては、圧縮センシング(Compressive Sensing)による信号読出しを行うことができる。本明細書において、『圧縮センシング』とは、画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す動作である。どの画素を選択するかは、先述したサンプリング関数に定義されており、ランダムに画素11が選択されるようなサンプリング関数があらかじめ用意してある。実施例1の場合、サンプリング関数のデータは、サンプリング関数データ格納部17(図1参照)に格納されている。
画像に相関が無いように画素がランダムに選択されていれば、全ての画素の画素情報を読み出さなくても、周知の再構成信号処理によって、全画素の画素情報を読み出したときの画像情報を復元することが可能であることがわかっている。アーキテクチャにも異存するが、一般に、CMOSイメージセンサは、画素信号を読み出す回数を減らすことによって消費電力を低減することができる。また、ネットワークを介してサーバと接続して用いるシステム構成において、サーバ側で再構成信号処理を行ってよい場合は、圧縮センシングによってデータ量を削減した状態の映像情報を伝送することができるため、ネットワーク帯域の削減にも効果がある。
画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す動作、即ち圧縮センシングによる信号読出しを実現するために、実施例1の固体撮像素子では、選択画素を指定する画素の選択情報を、画素内の容量、図5Aの構成の画素にあっては、フローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに記憶する。具体的には、リセットトランジスタTR2が導通状態になることにより、当該リセットトランジスタTR2を通してリセット電位RSDがフローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報として記憶される。その詳細については後述する。
(画素信号の読出し処理)
上記の構成の固体撮像素子において実行される、圧縮センシングによる信号読出し動作について以下に説明する。ここでは、一例として、図7に示すように、1つの画素ユニット20が、X方向に4個(図2のK=4)配列され、Y方向に4個(図2のL=4)配列され、合計、4×4個の画素11から成る場合を例示している。
1つの画素ユニット20において、第(k,l)番目(但し、k=1,2,3,4であり、l=1,2,3,4である)の画素11k,lは、第k列目の第l行目の画素11である。そして、第1列目の画素列において、画素111,1のアドレスを(1,1)、画素111,2のアドレスを(1,2)、画素111,3のアドレスを(1,3)、画素111,4のアドレスを(1,4)とする。第2列目の画素列において、画素112,1のアドレスを(2,1)、画素112,2のアドレスを(2,2)、画素112,3のアドレスを(2,3)、画素112,4のアドレスを(2,4)とする。第3列目の画素列において、画素113,1のアドレスを(3,1)、画素113,2のアドレスを(3,2)、画素113,3のアドレスを(3,3)、画素113,4のアドレスを(3,4)とする。第4列目の画素列において、画素114,1のアドレスを(4,1)、画素114,2のアドレスを(4,2)、画素114,3のアドレスを(4,3)、画素114,4のアドレスを(4,4)とする。
上記の画素ユニット20の画素配列において実行する、実施例1の固体撮像素子における画素信号の読出し動作のタイミングチャートを図8に示す。図8には、アドレスが(1,2)、(1,3)、(2,1)、(4,1)、(4,4)の各画素111,2,111,3,112,1,114,1,114,4に対して電子シャッタをかけ、アドレスが(1,1)、(2,2)、(3,1)、(4,3)の各画素111,1,112,2,113,1,114,3に対して信号読出しをかける場合のタイミング関係を示している。
図8のタイミングチャートにおいて、t11−t15の期間が電子シャッタの期間となり、t15−t19の期間が行列選択(画素選択)の期間となり、t19−t20の期間がP相の読出し期間となる。また、t20−t24の期間が転送期間となり、t24−t25の期間がD相の読出し期間となり、t25−t26の期間が非選択期間となる。ここで、『P相』とは、フローティング・ディフュージョンFDをリセットしたときのフローティング・ディフュージョンFDの電位に相当するリセットレベルVrstである。また、『D相』とは、フォトダイオードPDで光電変換された電荷をフローティング・ディフュージョンFDへ転送したときのフローティング・ディフュージョンFDの電位に相当する信号レベルVsigである。
・電子シャッタ期間
時刻t11で画素転送制御信号Ty1と画素転送制御信号Tx2と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態(高レベル)になることにより、画素112,1及び画素114,1の転送トランジスタTR1が導通状態となる。同時に、画素リセット制御信号Ry1と画素リセット制御信号Rx2と画素リセット制御信号Rx4とがアクティブ状態になることにより、画素112,1及び画素114,1のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD1が高レベルの状態にある。
これにより、画素112,1及び画素114,1のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して画素リセット電位RSD1に捨てられる(電子シャッタ動作)。フォトダイオードPDの電荷が捨てられた後、画素リセット電位RSD1が低レベルになる。次いで、画素リセット制御信号Ry1と画素リセット制御信号Rx2と画素リセット制御信号Rx4とが非アクティブ状態になることにより、画素112,1及び画素114,1のリセットトランジスタTR2が非導通状態となる。これにより、フローティング・ディフュージョンFDが低電位になる。
次に、時刻t12で画素転送制御信号Ty2と画素転送制御信号Tx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,2の転送トランジスタTR1が導通状態となる。同時に、画素リセット制御信号Ry2と画素リセット制御信号Rx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,2のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD2が高レベルの状態にある。これにより、画素111,2のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して画素リセット電位RSD2に捨てられる。フォトダイオードPDの電荷が捨てられた後の動作は上記の場合と同じである。
次に、時刻t13で画素転送制御信号Ty3と画素転送制御信号Tx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,3の転送トランジスタTR1が導通状態となる。同時に、画素リセット制御信号Ry3と画素リセット制御信号Rx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,3のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD3が高レベルの状態にある。これにより、画素111,3のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して画素リセット電位RSD3に捨てられる。フォトダイオードPDの電荷が捨てられた後の動作は上記の場合と同じである。
次に、時刻t14で画素転送制御信号Ty4と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,4の転送トランジスタTR1が導通状態となる。同時に、画素リセット制御信号Ry4と画素リセット制御信号Rx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,4のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD4が高レベルの状態にある。これにより、画素114,4のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して画素リセット電位RSD4に捨てられる。フォトダイオードPDの電荷が捨てられた後は上記の場合と同じである。
上記の電子シャッタ期間での一連の動作により、電子シャッタをかける画素11を空間的及び時間的にランダムに選択することができる。本実施例では、アドレスが(1,2)、(1,3)、(2,1)、(4,1)、(4,4)の画素111,2,111,3,112,1,114,1,114,4の各フォトダイオードPDの電荷を画素リセット電位RSD1,RSD2,RSD3,RSD4に捨てる電子シャッタ動作が行われる。
・行列選択期間
時刻t15で画素リセット制御信号Ry1と画素リセット制御信号Rx1と画素リセット制御信号Rx3とがアクティブ状態になることにより、画素111,1及び画素113,1の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD1が高レベルの状態にある。これにより、画素リセット電位RSD1の高レベルが、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報として記憶され、画素111,1及び画素113,1が選択画素として指定される。
次に、時刻t16で画素リセット制御信号Ry2と画素リセット制御信号Rx2とがアクティブ状態になることにより、画素112,2の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD2が高レベルの状態にある。これにより、画素リセット電位RSD2の高レベルが、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報として記憶され、画素112,2が選択画素として指定される。
次に、時刻t17で画素リセット制御信号Ry3と画素リセット制御信号Rx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,3の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット電位RSD3が高レベルの状態にある。これにより、画素リセット電位RSD3の高レベルが、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報として記憶され、画素114,3が選択画素として指定される。
時刻t18では、画素リセット制御信号Ry4がアクティブ状態になるものの、画素リセット制御信号Rxのいずれもアクティブ状態にならないため、画素の選択は行われない。
このようにして、画素信号を読み出したい画素のみ、フローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報として高レベルの電位を書き込むことにより、画素信号を読み出したい選択画素の指定(行列選択)が行われる。本例では、画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3の4つの画素が、画素信号を読み出したい画素として選択されたことになる。
・P相期間
19−t20の期間では、画素信号を読み出したい画素として選択された4つの画素、即ち画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3について、フローティング・ディフュージョンFDからのP相(リセットレベルVrst)の読出しが行われる。
・転送期間
時刻t20で転送期間に入り、画素転送制御信号Ty1と画素転送制御信号Tx1と画素転送制御信号Tx3とがアクティブ状態になることにより、画素111,1及び画素113,1の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素111,1及び画素113,1の各フローティング・ディフュージョンFDには高レベルの選択情報が記憶された状態にある。そのため、画素111,1及び画素113,1の各フォトダイオードPDで光電変換され、蓄積された光電荷(ここでは、光電子)が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
次に、時刻t21で画素転送制御信号Ty2と画素転送制御信号Tx2とがアクティブ状態になることにより、画素112,2の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素112,2のフローティング・ディフュージョンFDには高レベルの選択情報が記憶された状態にある。そのため、画素112,2のフォトダイオードPDで光電変換され、蓄積された光電荷が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
次に、時刻t22で画素転送制御信号Ty3と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,3の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素114,3のフローティング・ディフュージョンFDには高レベルの選択情報が記憶された状態にある。そのため、画素114,3のフォトダイオードPDで光電変換され、蓄積された光電荷が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
時刻t23では、画素転送制御信号Ty4がアクティブ状態になるものの、画素転送制御信号Tx1〜Tx4のいずれもアクティブ状態にならないため、フォトダイオードPDからフローティング・ディフュージョンFDへの電荷の転送は行われない。
・D相期間
24−t25の期間では、フォトダイオードPDからフローティング・ディフュージョンFDへの電荷の転送が行われた4つの画素、即ち画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3について、フローティング・ディフュージョンFDからのD相(信号レベルVsig)の読出しが行われる。
・非選択期間
時刻t25で非選択期間に入り、画素リセット制御信号Ry1,Ry2,Ry3,Ry4及び画素リセット制御信号Rx1,Rx2,Rx3,Rx4が全てアクティブ状態になることにより、1つの画素ユニット20内の全ての画素11のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。このとき同時に、画素リセット電位RSD1が低レベルとなる。これにより、1つの画素ユニット20内の全ての画素11において、フローティング・ディフュージョンFDの電位が画素リセット電位RSD1,RSD1,RSD2,RSD3,RSD4にリセットされ、非選択状態となる。
上述したように、実施例1に係る画素11を有する固体撮像素子では、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2がマルチゲート構造であることにより、画素制御部13,14による制御の下に、転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2の各マルチゲートを画素単位で選択的に駆動できる。具体的には、画素ユニット20の各列に対して1行ずつ選択画素を決めていく。フォトダイオードPDからフローティング・ディフュージョンFDへの電荷の転送も1行ずつ行う。P相、D相サンプリングの時間のかかる処理は4行同時に行う。これにより、画素ユニット20の画素11を空間的及び時間的にランダムに選択できるため、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
完全なランダム露光を実現するに当たって、画素制御部13,14は、サンプリング関数データ格納部17から与えられる所定のサンプリング関数に基づいて、選択画素を指定する画素の選択情報を、画素11内の容量、例えばフローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに記憶する。そして、フローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに選択情報が記憶された画素から信号(画素信号)を読み出すようにする。
(サンプリング関数)
画素制御部13,14は、サンプリング関数データ格納部17から与えられる所定のサンプリング関数データに基づいて、そのサンプリング関数が実現されるように、画素アレイ部12の各画素11を制御する。図9A、図9Bを用いて、サンプリング関数と、画素ユニット20の出力値と、固体撮像素子の出力データフォーマットの関係について説明する。
画素制御部13,14によってどの画素が選択されるかは、サンプリング関数データ格納部17に格納されているサンプリング関数に定義されている。サンプリング関数データ格納部17から、あるサンプリング関数が画素制御部13,14にロードされると、それに基づく行、列選択信号及び行、列リセット信号が画素制御部13,14において生成される。
実施例1に係る3Tr構成の画素11にあっては、列選択信号は画素転送制御信号Txであり、行選択信号は画素転送制御信号Tyであり、列リセット信号は画素リセット制御信号Rxであり、行リセット信号は画素リセット制御信号Ryである。
1つの画素ユニット20内にK×L(上記の例では、K=4,L=4)の画素がある場合において、
ある画素ユニットの画素値をx=[x1・・・x16
とし、対するサンプリング関数をA=[a1・・・a16
とし、画素ユニット20の出力値をy
としたとき、それらの関係は図9Bの数式で表される。このようにサンプリング関数の1つの行ベクトルに対応して画素ユニット20の出力値yが1つ決まる。
実施例1に係る画素11を有する固体撮像素子(第1の態様に係る固体撮像素子)は、画素制御部13,14による制御の下に、ある時刻において、全ての画素ユニット20に対して共通のサンプリング関数Aが与えられるようにして、各画素ユニット20からそのときの出力値yを得るように動作する。信号線(信号読出し線)23は画素ユニット20毎に分離しているために、全画素ユニット20で同期した制御を行うことにより、全画素ユニット20から同時に各1個、合計、I×J個の2次元配列状の出力値を得ることができる。
ここで、サンプリング関数は、画素ユニット20内の4×4画素に対する任意係数のリサンプリングフィルタとみなすことができるが、全ての画素ユニット20に共通のサンプリング関数を適用しているので、I×J個の出力値はあたかも画像全体からI×J個の2次元格子点上である共通のリサンプリングを行ったデータを算出した結果でもある。すなわち、I×J個の縮小画像のようなデータが出力されている。
実施例1に係る画素11を有する固体撮像素子は、同様の動作をサンプリング関数を切り替えながら時系列的に連続して実施することができる。このときのサンプリング関数Aは、出力値yの取得回数分だけ行を並べた行列の形式で表現することができる。例えば、式(1)に示すように、各画素ユニット20から4個ずつの出力値を得る場合、サンプリング関数は4行×16列の行列となる。対応する出力値yは、I×Jの2次元配列データが4個[y1,y2,y3,y4]となる。
Figure 2017123533
サンプリング関数の各行ベクトルは、式(1)に示すように、ある1要素だけ1で残りは0であってよい。このときの画素ユニット20の出力値yは、画素ユニット20内の画素の1つを選択して出力したものとなる。例えば、式(1)のサンプリング関数は、4×4画素で1つの画素ユニット20を構成する場合に、その中から任意に選択した4つの画素を順次読み出すようなサンプリング関数の一例である。
式(1)のサンプリング関数によって任意に選択された4画素を順次読み出すための画素制御の手順を図10に示す。
(1)サンプリング関数の第1行ベクトルの1に相当する画素位置が、対応する行、列選択信号によって選択され、当該画素の画素値が信号線23から読み出される。そして、読み出された信号値は、信号処理部16のAD変換器25によって離散化され、出力される(図9の左から一番目)。
(2)サンプリング関数の第2行ベクトルについて、(1)と同様の動作を行う(図9の左から二番目)。
(3)サンプリング関数の第3行ベクトルについて、(1)と同様の動作を行う(図9の右から二番目)。
(4)サンプリング関数の第4行ベクトルについて、(1)と同様の動作を行う(図9の右から一番目)。
[実施例2]
実施例2は、第1実施形態に係る固体撮像素子における画素11が4Tr構成の場合の例である。実施例2に係る画素11の内部回路の構成を図11Aに示す。実施例2に係る画素11は、フォトダイオードPD、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、及び、増幅トランジスタTR3に加えて、選択トランジスタTR4を有する構成となっている。
すなわち、実施例2に係る画素11は、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、増幅トランジスタTR3、及び、選択トランジスタTR4の4つのトランジスタ(Tr)から成る4Tr構成となっている。4Tr構成の画素11では、リセットトランジスタTR2及び増幅トランジスタTR3の各ドレインは、固定電位、例えば高電位側の電源電位VDDに接続されている。選択トランジスタTR4は、増幅トランジスタTR3のソースと信号線23との間に接続されている。
実施例2では、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、増幅トランジスタTR3、及び、選択トランジスタTR4の4つのトランジスタとして、例えばN型MOSFETを用いている。但し、ここで例示した4つのトランジスタTR1,TR2,TR3,TR4の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限定されるものではない。
上述した実施例2に係る4Tr構成の画素11において、MOSFETから成る転送トランジスタTR1は、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造となっている。選択トランジスタTR4は、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがX−Yアドレス可能な構造となっている。そして、列選択信号と行選択信号とによるX−Yアドレス方式による駆動により、各画素11が読出し対象(選択対象)の画素かどうかが制御されるようになっている。
具体的には、転送トランジスタTR1において、一方のゲートには、X方向(第1の方向)の画素転送制御信号Txが列選択信号として画素制御部13から与えられ、他方のゲートには、Y方向(第2の方向)の画素転送制御信号Tyが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素転送制御信号Tx及び画素転送制御信号Tyが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、転送トランジスタTR1が導通状態となる。
選択トランジスタTR4において、ゲートには、X方向の画素選択制御信号Sxが列選択信号として画素制御部13から与えられ、ドレインには、Y方向の画素選択制御信号Syが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素選択制御信号Sx及び画素選択制御信号Syが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、選択トランジスタTR4が導通状態となる。
尚、4Tr構成の画素11の場合、リセットトランジスタTR2を駆動する画素リセット制御信号Rstについては、列選択信号として画素制御部13から与えるようにしてもよいし、行選択信号として画素制御部14から与えるようにしてもよい。
このように、転送トランジスタTR1及び選択トランジスタTR4をマルチゲート構造とし、これらトランジスタTR1,TR4を、X−Yアドレス方式によって駆動することにより、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す動作、即ち、圧縮センシングによる信号読出しを実現するために、4Tr構成の画素11を有する固体撮像素子では、選択画素を指定する画素の選択情報を、選択トランジスタTR4のゲートの寄生容量Cqに記憶するようにしている。
(画素信号の読出し処理)
上記の構成の固体撮像素子(第2の態様に係る固体撮像素子)において実行される、圧縮センシングによる信号読出し動作について以下に説明する。ここでは、一例として、図11Bに示すように、1つの画素ユニット20が、X方向に4個(図2のK=4)配列され、Y方向に4個(図2のL=4)配列され、合計、4×4個の画素11から成る場合を例示している。
この画素ユニット20の画素配列において実行する、実施例2の固体撮像素子における画素信号の読出し動作のタイミングチャートを図12に示す。図12には、アドレスが(1,2)、(1,3)、(2,1)、(4,1)、(4,4)の各画素111,2,111,3,112,1,114,1,114,4に対して電子シャッタをかけ、アドレスが(1,1)、(2,2)、(3,1)、(4,3)の各画素111,1,112,2,113,1,114,3に対して信号読出しをかける場合のタイミング関係を示している。
図12のタイミングチャートにおいて、t11−t15の期間が電子シャッタの期間となり、t15−t19の期間が行列選択(画素選択)の期間となり、t19−t20の期間がP相の読出し期間となる。また、t20−t24の期間が転送期間となり、t24−t25の期間がD相の読出し期間となり、t25−t26の期間が非選択期間となる。
・電子シャッタ期間
時刻t11で画素転送制御信号Ty1と画素転送制御信号Tx2と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態(高レベル)になることにより、画素112,1及び画素114,1の転送トランジスタTR1が導通状態となる。同時に、画素リセット制御信号Rst1〜Rst4がアクティブ状態になることにより、画素ユニット20の全ての画素11のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。これにより、画素112,1及び画素114,1のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して電源電位VDDに捨てられる(電子シャッタ動作)。
次に、時刻t12で画素転送制御信号Ty2と画素転送制御信号Tx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,2の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット制御信号Rst1〜Rst4がアクティブ状態にあることにより、画素112,1及び画素114,1のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して電源電位VDDに捨てられる。
次に、時刻t13で画素転送制御信号Ty3と画素転送制御信号Tx1とがアクティブ状態になることにより、画素111,3の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット制御信号Rst1〜Rst4がアクティブ状態にあることにより、画素111,3のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して電源電位VDDに捨てられる。
次に、時刻t14で画素転送制御信号Ty4と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,4の転送トランジスタTR1が導通状態となる。このとき、画素リセット制御信号Rst1〜Rst4がアクティブ状態にあることにより、画素114,4のフォトダイオードPDの電荷が転送トランジスタTR1及びリセットトランジスタTR2を通して電源電位VDDに捨てられる。
上記の電子シャッタ期間での一連の動作により、電子シャッタをかける画素11を空間的及び時間的にランダムに選択することができる。本実施例では、アドレスが(1,2)、(1,3)、(2,1)、(4,1)、(4,4)の画素111,2,111,3,112,1,114,1,114,4の各フォトダイオードPDの電荷を電源電位VDDに捨てる電子シャッタ動作が行われる。
・行列選択期間
時刻t15では、電子シャッタ期間の後半で非アクティブ状態になった画素リセット制御信号Rst1〜Rst4が再びアクティブ状態となる。このとき同時に、画素選択制御信号Sy1がアクティブ状態になり、この画素選択制御信号Sy1のアクティブ期間内に画素選択制御信号Sx1がアクティブ状態になる。そして、画素選択制御信号Sx1が非アクティブ状態になるタイミングの画素選択制御信号Sy1の高レベルの電位が、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqに選択情報として記憶され、画素111,1が選択画素として指定される。
次に、時刻t16で画素選択制御信号Sy2がアクティブ状態になり、この画素選択制御信号Sy2のアクティブ期間内に画素選択制御信号Sx2がアクティブ状態になる。そして、画素選択制御信号Sx2が非アクティブ状態になるタイミングの画素選択制御信号Sy2の高レベルの電位が、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqに選択情報として記憶され、画素112,2が選択画素として指定される。
次に、時刻t17で画素選択制御信号Sy1がアクティブ状態になり、この画素選択制御信号Sy1のアクティブ期間内に画素選択制御信号Sx3がアクティブ状態になる。そして、画素選択制御信号Sx3が非アクティブ状態になるタイミングの画素選択制御信号Sy1の高レベルの電位が、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqに選択情報として記憶され、画素113,1が選択画素として指定される。
次に、時刻t18で画素選択制御信号Sy3がアクティブ状態になり、この画素選択制御信号Sy3のアクティブ期間内に画素選択制御信号Sx4がアクティブ状態になる。そして、画素選択制御信号Sx4が非アクティブ状態になるタイミングの画素選択制御信号Sy3の高レベルの電位が、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqに選択情報として記憶され、画素114,3が選択画素として指定される。
このようにして、画素信号を読み出したい画素のみ、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqに選択情報として高レベルの電位を書き込むことにより、画素信号を読み出したい選択画素の指定(行列選択)が行われる。本例では、画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3の4つの画素が、画素信号を読み出したい画素として選択されたことになる。その後、時刻t19で画素リセット制御信号Rst1〜Rst4がアクティブ状態から非アクティブ状態に遷移する。
・P相期間
19−t20の期間では、画素信号を読み出したい画素として選択された4つの画素、即ち画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3について、フローティング・ディフュージョンFDからのP相(リセットレベルVrst)の読出しが行われる。
・転送期間
時刻t20で転送期間に入り、画素転送制御信号Ty1と画素転送制御信号Tx1と画素転送制御信号Tx3とがアクティブ状態になることにより、画素111,1及び画素113,1の転送トランジスタTR1が導通状態となる。これにより、画素111,1及び画素113,1の各フォトダイオードPDで光電変換された光電荷が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
次に、時刻t21で画素転送制御信号Ty2と画素転送制御信号Tx2とがアクティブ状態になることにより、画素112,2の転送トランジスタTR1が導通状態となる。これにより、画素112,2のフォトダイオードPDで光電変換された光電荷が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
次に、時刻t22で画素転送制御信号Ty3と画素転送制御信号Tx4とがアクティブ状態になることにより、画素114,3の転送トランジスタTR1が導通状態となる。これにより、画素114,3のフォトダイオードPDで光電変換され、蓄積された光電荷が、転送トランジスタTR1を通してフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。
時刻t23では、画素転送制御信号Ty4がアクティブ状態になるものの、画素転送制御信号Tx1〜Tx4のいずれもアクティブ状態にならないため、フォトダイオードPDからフローティング・ディフュージョンFDへの電荷の転送は行われない。
・D相期間
24−t25の期間では、フォトダイオードPDからフローティング・ディフュージョンFDへの電荷の転送が行われた4つの画素、即ち画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3について、フローティング・ディフュージョンFDからのD相(信号レベルVsig)の読出しが行われる。具体的には、画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3では、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqには、高レベルの電位が選択情報として記憶された状態にある。従って、画素111,1、画素113,1、画素112,2、及び、画素114,3の各選択トランジスタTR4が導通状態にあるため、当該選択トランジスタTR4を通してD相の読出しが行われる。
・非選択期間
時刻t25で非選択期間に入り、画素リセット制御信号Rx1,Rx2,Rx3,Rx4が全てアクティブ状態になることにより、1つの画素ユニット20内の全ての画素11のリセットトランジスタTR2が導通状態となる。これにより、1つの画素ユニット20内の全ての画素11において、フローティング・ディフュージョンFDの電位が電源電位VDDにリセットされ、非選択状態となる。また同時に、画素選択制御信号Sx1〜Sx4が全てアクティブ状態になることにより、選択トランジスタTR4の寄生容量Cqのリセットも行われる。
上述したように、実施例2に係る画素11を有する固体撮像素子では、転送トランジスタTR1及び選択トランジスタTR4がマルチゲート構造であることにより、画素制御部13,14による制御の下に、転送トランジスタTR1及び選択トランジスタTR4の各マルチゲートを画素単位で選択的に駆動できる。これにより、画素ユニット20の画素11を空間的及び時間的にランダムに選択できるため、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
[実施例3]
実施例3は、第1実施形態に係る固体撮像素子における画素11が、グローバルシャッタを実現するために、電荷を一時的に蓄積するメモリ部を有する構成の場合の例である。実施例3に係る画素11の内部回路の構成を図13Aに示す。実施例3に係る画素11は、フォトダイオードPD、転送トランジスタTR1、リセットトランジスタTR2、増幅トランジスタTR3、及び、選択トランジスタTR4に加えて、メモリ部41、転送ゲート部42、及び、電荷排出ゲート部(オーバーフローゲート部)43を有する構成となっている。
実施例3に係る画素11において、メモリ部41は、フォトダイオードPDと転送トランジスタTR1との間において、フォトダイオードPDで光電変換された電荷を一時的に蓄積する。具体的には、メモリ部41において、ゲート制御信号MEM2によって駆動される、転送トランジスタTR1側のゲート部分が電荷の蓄積部となる。そして、ゲート制御信号MEM1によって駆動される、転送ゲート部42側のゲート部分は、転送トランジスタTR1側の蓄積部の電荷とフォトダイオードPDの電荷とを分離する作用をなす。
転送ゲート部42は、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造となっており、列選択信号と行選択信号とによるX−Yアドレス方式によって駆動される。具体的には、転送ゲート部42において、ドレインには、X方向(第1の方向)の画素転送制御信号Sxが列選択信号として画素制御部13から与えられ、ゲートには、Y方向(第2の方向)の画素転送制御信号Syが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素転送制御信号Tx及び画素転送制御信号Tyが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、転送ゲート部42が導通状態となり、フォトダイオードPDで光電変換された電荷をメモリ部41へ転送する。
電荷排出ゲート部43は、1撮像フレーム前の信号が影響を受けないように、リセットトランジスタTR2のルートとは別ルートで、フォトダイオードPDの電荷を電源電位VDDに排出することによってフォトダイオードPDをリセットする。電荷排出ゲート部43は、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造となっている。具体的には、列選択信号と行選択信号とによるX−Yアドレス方式によって駆動される1つのゲートと、電荷排出制御信号(オーバーフローゲート制御信号)OFGによって駆動される1つのゲートとの2つのゲートを有している。X−Yアドレス方式による駆動に当たって、ドレインには、X方向の画素オーバーフロー制御信号Oxが列選択信号として画素制御部13から与えられ、ゲートには、Y方向(第2の方向)の画素オーバーフロー制御信号Oyが行選択信号として画素制御部14から与えられる。
このように、転送ゲート部42及び電荷排出ゲート部43をマルチゲート構造とし、これらゲート部42,43を、X−Yアドレス方式によって駆動することにより、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。そして、圧縮センシングによる信号読出しを実現するために、実施例3に係る画素11では、選択画素を指定する画素の選択情報を、画素内の容量、図13Aの構成の画素にあっては、転送ゲート部42及び電荷排出ゲート部43の各ゲートの寄生容量Cs,Coに記憶するようにしている。
実施例3に係る画素11における露光時及び電荷転送時の、電源電位VDD−電荷排出ゲート部43−フォトダイオードPD−転送ゲート部42−メモリ部41−転送トランジスタTR1−フローティング・ディフュージョンFDのポテンシャルの遷移の様子を図13Bに示す。電荷排出ゲート部43のポテンシャルが、図の上側の実線から下側の実線に遷移する(ポテンシャルが深くなる)ことにより、フォトダイオードPDの電荷が、電荷排出ゲート部43を通して電源電位VDDへ排出される。
また、転送ゲート部42−メモリ部41−転送トランジスタTR1が、図の下側の実線から上側の実線に順に遷移する(ポテンシャルが浅くなる)ことにより、フォトダイオードPDの電荷がフローティング・ディフュージョンFDへ転送される。図13Bのポテンシャル図から明らかなように、メモリ部41のゲート制御信号MEM1,MEM2が印加される各ゲートの下は、電荷の転送方向において例えば2段のポテンシャル段差を有する構造となっている。
実施例3に係る画素11を有する固体撮像素子における垂直同期による1周期の動作例のタイミングチャートを図14に示す。ここでは、一例として、図11Bに示すように、1つの画素ユニット20が、X方向に4個(図2のK=4)配列され、Y方向に4個(図2のL=4)配列され、合計、4×4個の画素11から成る場合を例示している。
図14のタイミングチャートに示すように、実施例3に係る画素11を有する固体撮像素子では、2垂直同期期間(2V)で1フレーム分の読出し動作が行われる。露光開始の制御は、電荷排出ゲート部43によって行われ、露光終了の制御は、転送ゲート部42によって行われる。このように、露光開始の機能と露光終了の機能とを分けた構成とすることにより、複数に分割した各画素ユニット20内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光とグローバルシャッタとを同時に実現できる。
画素の選択は、転送ゲート部42の画素転送制御信号Sx,Sy及び電荷排出ゲート部43の画素オーバーフロー制御信号Ox,OyによるX−Yアドレス方式によって行われる。従って、転送ゲート部42は、画素選択を行う選択トランジスタということもできる。
メモリ部41のゲート制御信号MEM1,MEM2及び電荷排出ゲート部43の電荷排出制御信号OFGは全画素同時に動作し、画素オーバーフロー制御信号Ox,Oyによって選択されている画素のみ電子シャッタがかかる。そして、画素転送制御信号Sx,Syで選択されている画素のみ、フォトダイオードPDで光電変換された電荷が、転送ゲート部42によってメモリ部41のゲート制御信号MEM1のゲート下に読み出される。
メモリ部41では、1垂直同期期間(1V)の最後で、ゲート制御信号MEM1のゲート下からゲート制御信号MEM2のゲート下へ電荷が転送される。そして、次の1垂直同期期間で、メモリ部41のゲート制御信号MEM2のゲート下からフローティング・ディフュージョンFDへ順次電荷の読出し(転送)が行われる。図14の下部に、画素(2,2)の場合を例に挙げて、1垂直同期期間前、今回の垂直同期期間、1垂直同期期間後の動作を示している。露光の1垂直同期期間中に、電荷排出ゲート部43及びメモリ部41を複数回動作状態にすることにより、複数の露光期間に分割することも可能である。
実施例3に係る画素11を有する固体撮像素子(第3の態様に係る固体撮像素子)における水平同期の場合の動作例のタイミングチャートを図15乃至図19に示す。図15は、図14の期間(1)の動作例を示し、図16は、図14の期間(2)の動作例を、図17は、図14の期間(3)の動作例を、図18は、図14の期間(4)の動作例を、図19は、図14の期間(5)の動作例をそれぞれ示している。ここでは、一例として、1つの画素ユニット20が、図11Bに示す4×4個の画素11から成る場合を例示している。
図15乃至図19の各タイミングチャートにおいて、画素転送制御信号TG1〜TG4は、1行目〜4行目の画素の転送トランジスタTR1を駆動する転送制御信号である。画素リセット制御信号Rst1〜Rst4は、1行目〜4行目の画素のリセットトランジスタTR2を駆動するリセット制御信号である。画素選択制御信号Sel1〜Sel4は、1行目〜4行目の画素の選択トランジスタTR4を駆動する選択制御信号である。
上述したように、実施例3に係る画素11は、メモリ部41、転送ゲート部42、及び、電荷排出ゲート部43を有する画素構成となっている。そして、この画素構成の画素11を有する固体撮像素子では、露光開始の制御が電荷排出ゲート部43で行われ、露光終了の制御が転送ゲート部42で行われ、画素の選択が画素転送制御信号Sx,Sy及び画素オーバーフロー制御信号Ox,OyによるX−Yアドレス方式で行われる。これにより、画素ユニット20の画素11を空間的及び時間的にランダムに選択できるため、全画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
<第2実施形態に係る固体撮像素子>
第2実施形態に係る固体撮像素子は、所謂、積層構造の固体撮像素子及びその駆動方法に関する。本開示の第2実施形態に係る固体撮像素子の概念図を図20に示す。
第2実施形態に係る固体撮像素子は、第1半導体チップ(半導体基板)であるイメージセンサチップ51と、第2半導体チップであるロジック回路チップ52とが、例えば、イメージセンサチップ51を上側のチップとし、ロジック回路チップ52を下側のチップとして積層された構造(所謂、積層構造)となっている。
この積層構造の第2実施形態に係る固体撮像素子において、イメージセンサチップ51には、K×L個の画素11を単位とする画素ユニット20(図2参照)が2次元マトリクス状に配列されて成る画素アレイ部12や、画素ユニット20の各画素11を駆動する駆動部などが搭載されている。ここで、駆動部としては、図1の構成を例に挙げると、画素制御部13,14やサンプリング関数データ格納部17などを例示することができる。但し、図20では、画素制御部13,14及びサンプリング関数データ格納部17の図示を省略している。
イメージセンサチップ51の周縁部には、外部との電気的接続を行うためのパッド部53及びパッド部54や、ロジック回路チップ52との間での電気的接続を行うためのビア(VIA)55及びビア56が設けられている。ここでは、画素アレイ部12を挟んで左右両側にパッド部53とパッド部54とを設ける構成を例示したが、左右の一方側にパッド部を設ける構成を採ることも可能である。また、画素アレイ部12を挟んで上下両側にビア55とビア56とを設ける構成を例示したが、上下の一方側にビアを設ける構成を採ることも可能である。
一方、ロジック回路チップ52には、画素ユニット20の各画素11から読み出される信号に対して所定の信号処理を施する信号処理部16や、信号処理部16を制御する画素制御部15等が搭載されている。信号処理部16としては、例えば図3に示すように、画素11から読み出される信号をAD変換するAD変換器25などを有する構成のものを例示することができる。
上述した第2実施形態に係る積層構造の固体撮像素子でも、実施例1、実施例2、あるいは、実施例3に係る画素構成の画素11を用いることにより、第1実施形態に係る平置構造の固体撮像素子と同様に、画素アレイ部12の各画素11に対して、露光を空間的及び時間的にランダムに行うことができる。これにより、画素アレイ部12内の画素11を複数に分割した各画素ユニット20の同じ画素列内で複数の画素を選択して露光する完全なランダム露光を実現できる。
第2実施形態に係る積層構造の固体撮像素子では、画素11の信号をAD変換するAD変換器25を含む信号処理部16を、ロジック回路チップ52側に搭載する構成が採られる。このとき、AD変換器25を、画素ユニット20に対して一対一の対応関係をもって配置する態様や、画素ユニット20の列毎に配置する態様などが考えられる。以下に、第2実施形態に係る固体撮像素子の具体的な実施例(実施例4乃至実施例6)について説明する。
[実施例4]
実施例4は、画素ユニット20に対して一対一の対応関係をもってAD変換器25を配置する例である。実施例4に係るイメージセンサチップ51及びロジック回路チップ52の平面構造を図21Aに示し、その断面構造を図21Bに示す。
イメージセンサチップ51には、例えば4×4個の画素11から成る画素ユニット20が、2次元マトリクス状に配列されている。画素11として、実施例1、実施例2、あるいは、実施例3に係る画素構成のものを用いることができる。この画素ユニット20の2次元マトリクス状の配列に対して、第1実施形態の場合と同様に、画素制御部13,14及びサンプリング関数データ格納部17が設けられている。
一方、ロジック回路チップ52には、画素ユニット20に対して一対一の対応関係をもって、AD変換器25が2次元マトリクス状に配列されて信号処理部16を構成している。すなわち、1つのAD変換器25は、対応する画素ユニット20の4×4個の画素11に対してAD変換処理を行うことになる。
イメージセンサチップ51上の画素ユニット20において、4×4個の画素11の信号線は共通に、1本の配線57で例えばCu−Cu接続されるとともに、ロジック回路チップ52の対応する1つのAD変換器25と電気的に接続されている。すなわち、画素ユニット20毎に1本の配線57でAD変換器25とCu−Cu接続される。これにより、画素ユニット20の4×4個の画素11のうちの任意の1画素の信号を独立に、対応する1つのAD変換器25でAD変換処理を行うことが可能となる。
尚、本実施例では、一例として、下側のロジック回路チップ52にパッド部58を設けるとともに、イメージセンサチップ51のパッド部58の対応する部位に開口部59を形成し、当該開口部59を通してパッド部58へボンディングする構成が採られている。
実施例4に係る固体撮像素子にあっては、画素11として、実施例1、実施例2、あるいは、実施例3に係る画素構成のものを用いることにより、これらの実施例の場合と同様にして、画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す圧縮センシングの処理を行うことができる。
実施例4に係る固体撮像素子では、1つの画素ユニット20の例えば4×4個の画素11の信号を1つのAD変換器25でAD変換処理を行う。この場合、4×4個の画素11から成る画素ユニット20の各画素列に対して1つの画素が選択され、この選択された画素の情報が各時刻毎にAD変換器25でAD変換処理されることになる。このように、各画素列毎に連続的な処理が行われるために、実施例4に係る固体撮像素子の場合、画素内の容量への選択情報の記憶(蓄積)は行わない。
[実施例5]
実施例5は、画素ユニット20に対してAD変換器25を画素ユニット20の画素列毎に配置するカラムADCの例である。実施例5に係るイメージセンサチップ51及びロジック回路チップ52の平面構造を図22Aに示し、その断面構造を図22Bに示す。
イメージセンサチップ51には、例えば4×4個の画素11から成る画素ユニット20が、2次元マトリクス状に配列されている。画素11として、実施例1あるいは実施例2に係る画素構成のものを用いることができる。これにより、実施例1あるいは実施例2の場合と同様にして、画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す圧縮センシングの処理を行うことができる。画素ユニット20の2次元マトリクス状の配列に対して、第1実施形態の場合と同様に、画素制御部13A,14A及びサンプリング関数データ格納部17Aが設けられている。
一方、ロジック回路チップ52には、画素ユニット20に対して一対一の対応関係をもって、画素メモリユニット60が2次元マトリクス状に配列されている。この画素メモリユニット60は、ロジック回路チップ52の各画素11に対応して、2次元マトリクス状に配列された画素メモリから成る。図2に示すように、画素ユニット20がK×L個の画素11から成り、この画素ユニット20が第1の方向(X方向)にI個配列され、第2の方向(Y方向)にJ個配列されるとき、画素メモリユニット60も、K×L個の画素メモリから成り、2次元マトリクス状にI×J個配列される。
実施例5に係るロジック回路チップ52における画素メモリユニット60の構成を図23Aに示し、画素メモリユニット60を構成する画素メモリの構成を図23Bに示す。ここでは、一例として、画素メモリユニット60が例えば4×4個の画素メモリ61から成る場合を示している。画素メモリ61は、実施例3に係る画素構成におけるメモリ部41に相当する。
実施例3に係る固体撮像素子の場合、画素11の各々がメモリ部41を有することにより、画素サイズが大きくなり、イメージセンサチップ51のチップサイズの小型化の妨げの一因となる。これに対して、実施例5に係る固体撮像素子では、メモリ部41に相当する画素メモリ61をロジック回路チップ52側に搭載しているため、メモリ部41が存在しない分だけ画素サイズを小さくできるため、イメージセンサチップ51のチップサイズの小型化を図ることができる。
画素メモリユニット60の画素列毎にAD変換器25が配置されている(カラムADC)。画素メモリユニット60の画素列毎にAD変換器25が配置されているということは、画素ユニット20の画素列毎にAD変換器25が配置されているということである。また、AD変換器25を有効に駆動し、消費電力の低減を図るために、画素メモリユニット60とAD変換器25との間に列選択スイッチ24が設けられている。ここでは、列選択スイッチ24によって消費電力の低減を図る構成を例示したが、列選択スイッチ24を設けずに、必要なAD変換器25の電源をオン/オフ制御するようにしても、消費電力の低減を図ることが可能である。
図23Bに示すように、画素メモリ61は、画素11のP相であるリセットレベルVrstを記憶するP相用メモリ容量Cpと、D相である信号レベルVsigを記憶するD相用メモリ容量Cdとを有している。P相用メモリ容量Cp及びD相用メモリ容量Cdの各一端は接地されている。P相用メモリ容量Cp及びD相用メモリ容量Cdの各他端と画素側の信号線231との間には、P相用選択トランジスタTR41p及びD相用選択トランジスタTR41dが接続されている。また、P相用メモリ容量Cp及びD相用メモリ容量Cdの各他端と信号処理部側の信号線232との間には、P相用選択トランジスタTR42p及びD相用選択トランジスタTR42dが接続されている。
上記の構成の画素メモリ61において、P相用選択トランジスタTR41p及びD相用選択トランジスタTR41dは、複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造となっている。P相用選択トランジスタTR41pは、列選択信号Spxと行選択信号SpyとによるX−Yアドレス方式によって駆動されることにより、信号線231を通して供給されるリセットレベルVrstのP相用メモリ容量Cpへの記憶の制御を行う。そして、P相用選択トランジスタTR42pは、行選択信号Selpyによって駆動されることにより、P相用メモリ容量Cpに保持されているリセットレベルVrstの信号線232への読出し制御を行う。
D相用選択トランジスタTR41dは、列選択信号Sdxと行選択信号SdyとによるX−Yアドレス方式によって駆動されることにより、信号線231を通して供給される信号レベルVsigのD相用メモリ容量Cdへの記憶の制御を行う。そして、D相用選択トランジスタTR42dは、行選択信号Seldyによって駆動されることにより、D相用メモリ容量Cdに保持されている信号レベルVsigの信号線232への読出し制御を行う。
これにより、画素メモリ61に一時的に記憶(保持)された画素信号(リセットレベルVrst及び信号レベルVsig)が、画素メモリ61から線順次で信号線232に読み出されることになる。そして、行選択信号Selpy及び行選択信号Seldyによって順に読み出されたリセットレベルVrst及び信号レベルVsigは、信号線232によってAD変換器25に伝送され、AD変換変換処理が行われる。AD変換器25としては、例えば、第1実施形態に係る固体撮像素子で用いたシングルスロープ型AD変換器(図4参照)を用いることができる。これにより、AD変換器25では、AD変換の際に、信号レベルVsigとリセットレベルVrstとの差分をとる相関二重サンプリングによるノイズ除去を行うことができる。
実施例5に係る積層型の固体撮像素子では、例えば4×4個の画素11から成る画素ユニット20に対して、4×4個の画素メモリ61から成る画素メモリユニット60が一対一の対応関係で設けられていることにより、4画素×4画素のうちの任意の1画素の信号を独立にAD変換することが可能である。
実施例4に係る積層型の固体撮像素子の場合には、ある画素の信号を読み出してから、次の画素の信号を読み出すまでに、最低でも、AD変換に必要な時間分の時間ずれが生じる。これに対して、実施例5に係る積層型の固体撮像素子では、画素メモリユニット60の画素列毎にAD変換器25が配置されているために、異なる画素列の2つの画素の信号を並行してAD変換処理を行うことができる。そのため、2つの画素からの信号の読出し間隔は、AD変換に必要な時間に律則されず、事実上、ゼロと見なすことができる。これにより、実施例5に係る積層型の固体撮像素子では、実施例4に係る積層型の固体撮像素子よりも、より完全なランダム駆動を実現することができる。
ところで、画素11として用いる、実施例1に係る画素構成では、リセットトランジスタTR2をマルチゲート構造することにより、選択画素を指定する画素の選択情報を、フローティング・ディフュージョンFDの容量CFDに記憶するようにしている(図5A参照)。これに対して、実施例5に係る積層型の固体撮像素子では、実施例4に係る積層型の固体撮像素子の場合と同様に、AD変換に関して各画素列毎に連続的な処理が行われるために、フローティング・ディフュージョンFDの容量CFDへの選択情報の記憶は行わない。従って、実施例5に係る積層型の固体撮像素子において、画素11として実施例1に係る画素構成のものを用いる場合、リセットトランジスタTR2に関して、マルチゲート構造による選択情報の記憶制御が不要であるため、図24Aに示すように、リセットトランジスタTR2としてシングルゲート構造のものを用いることになる。
[実施例6]
実施例6は、実施例5の変形である。実施例1に係る画素を、実施例6の固体撮像素子に用いる場合の画素構成を図24Bに示す。実施例6に係る画素構成は、図24Bに示す画素構成に、選択トランジスタTR4を追加し、当該選択トランジスタTR4を複数のゲート、例えば2つのゲートを有するマルチゲート構造とした構成となっている。
この画素構成において、選択トランジスタTR4は、列選択信号Sxと行選択信号SyとによるX−Yアドレス方式によって駆動されることにより、1つの画素ユニット20を構成する複数の画素11の信号を順に選択して出力する。このように、1つの画素ユニット20を構成する複数の画素11の信号を、選択トランジスタTR4によって時分割で出力することにより、次のような作用、効果を得ることができる。
すなわち、実施例5に係る積層構造の固体撮像素子では、イメージセンサチップ51側の画素ユニット20と、ロジック回路チップ52側の画素メモリユニット60との間を、画素ユニット20の画素数分の配線で接続する必要があった。これに対して、実施例6に係る積層構造の固体撮像素子では、1つの画素ユニット20からは各画素11の信号が時分割で出力されるため、画素ユニット20と画素メモリユニット60との間における例えばCu−Cu接続による配線は1本で済む。これにより、実施例5の固体撮像素子と同等の同時性を維持しながら、配線本数の大幅な削減によって画素サイズを微細化することが可能となる。
<変形例>
以上、本開示を好ましい実施例に基づき説明したが、本開示はこれらの実施例に限定するものではない。実施例において説明した固体撮像素子の構成、構造、固体撮像素子の駆動方法の構成は例示であり、適宜、変更することができる。以下に、種々の変形例を例示する。
[変形例1]
変形例1は、AD変換器25の配置例である。実施例1に係る3Tr構成の画素の場合や、実施例2に係る4Tr構成の画素の場合は、1つのAD変換器25において、1画素の信号しか同時に処理することができない。これに対して、1つの画素列に対してAD変換器を複数配置するようにすれば、その数と同数の画素から信号を読み出して同時に処理することが可能になる。例えば、図25Aに示すように、画素アレイ部12の上下に2系統のカラムADC25A,25Bを配置し、奇数の画素行と偶数の画素行とで信号線を分けてカラムADC25A,25Bに画素信号を伝送する、あるいは、同色の奇数行と偶数行とで信号線を分けてカラムADC25A,25Bに画素信号を伝送する等の構成が考えられる。
因みに、AD変換器25については、図25Bに示すように、画素列毎にAD変換器25を配置する、所謂カラムADC構成や、図25Cに示すように、画素行毎にAD変換器25を配置する、所謂ローADCの構成とすることができる。カラムADC構成の場合、画素11の信号をカラムADC25に伝送する信号線が垂直信号線(列信号線)となり、ローADC構成の場合、画素11の信号をローADC25Cに伝送する信号線が水平信号線(行信号線)となる。ローADC構成の場合にも、1つの画素行に対してAD変換器を複数(例えば、2つ)配置する構成を採ることも可能である。図25A、図25B、及び、図25Cにおいて、網掛けの画素11は、同じ1水平期間(1H)に信号を読み出す画素を表わしている。
[変形例2]
変形例2は、実施例2に係る4Tr構成の変形である。変形例2に係る画素11の内部回路の構成を図26に示す。変形例2に係る画素11は、図11Aに示す4Tr構成の画素において、選択トランジスタTR4を複数組有する、例えば2組の選択トランジスタTR4_1,TR4_2を有する構成となっている。
2組の選択トランジスタTR4_1,TR4_2において、各一方のゲートには、X方向の画素選択制御信号S1x,S2xが列選択信号として画素制御部13から与えられ、各他方のゲートには、Y方向の画素選択制御信号S1y,S2yが行選択信号として画素制御部14から与えられる。そして、画素選択制御信号S1x,S2x及び画素選択制御信号S1y,S2yが共にアクティブ状態(本例では、高レベルの状態)となることにより、選択トランジスタTR4_1,TR4_2が導通状態となる。
また、画素11をランダムに選択して画素信号を読み出す動作、即ち圧縮センシングによる信号読出しを実現するために、変形例2に係る画素11を有する固体撮像素子では、選択画素を指定する画素の選択情報を、選択トランジスタTR4_1,TR4_2の各ゲートの寄生容量Cq_1,Cq_2に記憶するようにしている。
上記の構成の変形例2に係る画素11を有する固体撮像素子にあっては、画素選択制御信号S1x,S2x及び画素選択制御信号S1y,S2yを、固体撮像素子の外部から与える構成を採ることにより、同じ画素列の画素の信号読出しに関して、制約無しに信号の読出しが可能となる。
[変形例3]
変形例3は、実施例1に係る3Tr構成の変形である。変形例3に係る画素11の内部回路の構成を図27A及び図27Bに示す。
メモリ部41を有する実施例3に係る画素11(図13A参照)では、1水平期間(1H)内の露光時間の同時性を優先するために転送ゲート部42を設け、露光開始の機能と露光終了の機能とを分けた画素構成となっている。実施例1に係る3Tr構成の画素11においても、図27Aに示すように、転送トランジスタTR1とフローティング・ディフュージョンFDとの間に転送ゲート部42を設けることにより、当該転送ゲート部42の作用によって1H内の露光時間の露光時間の同時性を優先することができる。
変形例3に係る画素11については、図27Bに示すように、転送ゲート部42を、フォトダイオードPDと転送トランジスタTR1との間に設ける構成とすることも可能である。また、ここでは、転送ゲート部42の作用によって1H内の露光時間の同時性を優先する技術を、実施例1に係る3Tr構成の画素に適用した場合を例示したが、実施例2に係る4Tr構成の画素に対しても、転送ゲート部42の作用によって1H内の露光時間の同時性を優先する技術を適用することが可能である。
<本開示の電子機器>
上述した第1、第2実施形態に係る固体撮像素子は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像素子を用いる複写機などの電子機器全般において、その撮像部(画像取込部)として用いることができる。尚、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ち、カメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
[撮像装置]
図28は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成を示すブロック図である。図28に示すように、本例に係る撮像装置100は、レンズ群等を含む光学系101、撮像部102、カメラ信号処理部であるDSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108等を有している。そして、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108がバスライン109を介して相互に接続された構成となっている。
光学系101は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像部102の撮像面上に結像する。撮像部102は、光学系101によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。DSP回路103は、一般的なカメラ信号処理、例えば、ホワイトバランス処理、デモザイク処理、ガンマ補正処理などを行う。
フレームメモリ104は、DSP回路103での信号処理の過程で適宜データの格納に用いられる。表示装置105は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置から成り、撮像部102で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置106は、撮像部102で撮像された動画または静止画を、可搬型の半導体メモリや、光ディスク、HDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体に記録する。
操作系107は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置100が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系108は、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、及び、操作系107の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
上記の構成の撮像装置100において、撮像部102として、先述した第1、第2実施形態に係る固体撮像素子を用いることができる。
尚、本開示は、以下のような構成をとることもできる。
[1]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子。
[2]画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
画素制御部は、転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
上記[1]に記載の固体撮像素子。
[3]画素制御部は、画素の選択情報を電荷蓄積部の容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
上記[2]に記載の固体撮像素子。
[4]第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
上記[1]〜[3]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[5]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
固体撮像素子。
[6]画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
画素制御部は、転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
上記[5]に記載の固体撮像素子。
[7]画素制御部は、画素の選択情報を選択トランジスタのゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
上記[6]に記載の固体撮像素子。
[8]第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
上記[5]〜[7]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[9]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子。
[10]画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
画素制御部は、転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
上記[9]に記載の固体撮像素子。
[11]画素制御部は、画素の選択情報を転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の各ゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
上記[10]に記載の固体撮像素子。
[12]第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
上記[9]〜[11]のいずれかに記載の固体撮像素子。
[13]第1半導体チップと第2半導体チップとが積層されて成り、
画素ユニットが第1半導体チップ側に設けられ、画素のメモリ部が第2半導体チップ側に設けられており、
アナログ−デジタル変換器は、第2半導体チップ側に、1つの画素ユニットに対して1つ設けられている、
上記[12]に記載の固体撮像素子。
[14]第1半導体チップと第2半導体チップとが積層されて成り、
画素ユニットが第1半導体チップ側に設けられ、画素のメモリ部が第2半導体チップ側に設けられており、
アナログ−デジタル変換器は、第2半導体チップ側に、画素ユニットの1つの画素列に対して1つ設けられている、
上記[13]に記載の固体撮像素子。
[15]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子において、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
固体撮像素子の駆動方法。
[16]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
固体撮像素子において、
転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
固体撮像素子の駆動方法。
[17]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子において、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
固体撮像素子の駆動方法。
[18]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子を有する電子機器。
[19]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
固体撮像素子を有する電子機器。
[20]光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
固体撮像素子を有する電子機器。
11・・・画素、12・・・画素アレイ部、13,14,15・・・画素制御部、16・・・信号処理部、17・・・サンプリング関数データ格納部、18・・・半導体チップ、20・・・画素ユニット、21(211,212,213)・・・行制御線、22・・・列制御線、23・・・列信号線、24・・・列選択スイッチ、25・・・AD変換器(アナログ−デジタル変換器)、26・・・参照電圧生成部、41・・・メモリ部、42・・・転送ゲート部、43・・・電荷排出ゲート部、51・・・イメージセンサチップ、52・・・ロジック回路チップ、60・・・画素メモリユニット、61・・・画素メモリ、251・・・コンパレータ、252・・・カウンタ、253・・・メモリ、FD・・・フローティング・ディフュージョン、PD・・・フォトダイオード、TR1・・・転送トランジスタ、TR2・・・リセットトランジスタ、TR3・・・増幅トランジスタ、TR3選択トランジスタ、Vsig・・・信号レベル、Vrst・・・リセットレベル

Claims (20)

  1. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
    転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子。
  2. 画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
    画素制御部は、転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  3. 画素制御部は、画素の選択情報を電荷蓄積部の容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
    請求項2に記載の固体撮像素子。
  4. 第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
    画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
    請求項1に記載の固体撮像素子。
  5. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
    転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
    選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
    固体撮像素子。
  6. 画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
    画素制御部は、転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    請求項5に記載の固体撮像素子。
  7. 画素制御部は、画素の選択情報を選択トランジスタのゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
    請求項6に記載の固体撮像素子。
  8. 第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
    画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
    請求項5に記載の固体撮像素子。
  9. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
    転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子。
  10. 画素から信号を読み出す制御を行う画素制御部を備えており、
    画素制御部は、転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    請求項9に記載の固体撮像素子。
  11. 画素制御部は、画素の選択情報を転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の各ゲートの寄生容量に記憶し、選択情報が記憶された画素から信号を読み出す制御を行う、
    請求項10に記載の固体撮像素子。
  12. 第1の方向にK個、第2の方向にL個の、合計、K×L個の画素によって構成された画素ユニットが、第1の方向にI個、第2の方向にJ個配列されており、
    画素の信号をアナログ−デジタル変換するアナログ−デジタル変換器が、画素ユニット毎に設けられている、
    請求項9に記載の固体撮像素子。
  13. 第1半導体チップと第2半導体チップとが積層されて成り、
    画素ユニットが第1半導体チップ側に設けられ、画素のメモリ部が第2半導体チップ側に設けられており、
    アナログ−デジタル変換器は、第2半導体チップ側に、1つの画素ユニットに対して1つ設けられている、
    請求項12に記載の固体撮像素子。
  14. 第1半導体チップと第2半導体チップとが積層されて成り、
    画素ユニットが第1半導体チップ側に設けられ、画素のメモリ部が第2半導体チップ側に設けられており、
    アナログ−デジタル変換器は、第2半導体チップ側に、画素ユニットの1つの画素列に対して1つ設けられている、
    請求項13に記載の固体撮像素子。
  15. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
    転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子において、
    転送トランジスタ及びリセットトランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    固体撮像素子の駆動方法。
  16. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
    転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
    選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
    固体撮像素子において、
    転送トランジスタ及び選択トランジスタの複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    固体撮像素子の駆動方法。
  17. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
    転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子において、
    転送ゲート部及び電荷排出ゲート部の複数のゲートをアドレッシングによって画素単位で選択的に駆動することにより、画素の露光を空間的及び時間的にランダムに行う、
    固体撮像素子の駆動方法。
  18. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部をリセットするリセットトランジスタを有し、
    転送トランジスタ及びリセットトランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子を有する電子機器。
  19. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から電荷蓄積部へ電荷を転送する転送トランジスタ、及び、電荷蓄積部の電荷に基づく画素信号を選択的に出力する選択トランジスタを有し、
    転送トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっており、
    選択トランジスタは、複数のゲートを有するマルチゲート構造、又は、ゲートがアドレッシング可能な構造となっている、
    固体撮像素子を有する電子機器。
  20. 光電変換素子を含む画素が、第1の方向及び第2の方向に2次元マトリクス状に配列されており、
    画素は、光電変換素子から読み出された電荷を一時的に保持するメモリ部、光電変換素子からメモリ部へ電荷を転送する転送ゲート部、及び、光電変換素子の電荷を排出する電荷排出ゲート部を有し、
    転送ゲート部及び電荷排出ゲート部は、複数のゲートを有するマルチゲート構造となっている、
    固体撮像素子を有する電子機器。
JP2016000874A 2016-01-06 2016-01-06 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器 Pending JP2017123533A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016000874A JP2017123533A (ja) 2016-01-06 2016-01-06 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器
PCT/JP2016/079657 WO2017119166A1 (ja) 2016-01-06 2016-10-05 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016000874A JP2017123533A (ja) 2016-01-06 2016-01-06 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017123533A true JP2017123533A (ja) 2017-07-13

Family

ID=59273625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016000874A Pending JP2017123533A (ja) 2016-01-06 2016-01-06 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2017123533A (ja)
WO (1) WO2017119166A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020047994A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 株式会社東芝 固体撮像装置
JP2020102806A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 ブリルニクス インク 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
WO2020162223A1 (ja) * 2019-02-05 2020-08-13 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 受光装置、測距システム及び受光方法
WO2021118971A1 (en) * 2019-12-13 2021-06-17 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Random access sensor
WO2022185731A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09 浜松ホトニクス株式会社 形状測定装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW202015396A (zh) 2018-08-30 2020-04-16 日商索尼半導體解決方案公司 固態攝像裝置
JP7245016B2 (ja) 2018-09-21 2023-03-23 キヤノン株式会社 光電変換装置および撮像システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014060519A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 Sony Corp 固体撮像素子及びその制御方法、並びに電子機器
JP2014063889A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Sony Corp 固体撮像素子および方法、並びに、電子機器
JP2015211259A (ja) * 2014-04-24 2015-11-24 ソニー株式会社 撮像素子、制御方法、並びに、撮像装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020047994A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 株式会社東芝 固体撮像装置
JP7043372B2 (ja) 2018-09-14 2022-03-29 株式会社東芝 固体撮像装置
JP2020102806A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 ブリルニクス インク 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
JP7341659B2 (ja) 2018-12-25 2023-09-11 ブリルニクス シンガポール プライベート リミテッド 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、および電子機器
WO2020162223A1 (ja) * 2019-02-05 2020-08-13 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 受光装置、測距システム及び受光方法
WO2021118971A1 (en) * 2019-12-13 2021-06-17 Perkinelmer Health Sciences, Inc. Random access sensor
US11758257B2 (en) 2019-12-13 2023-09-12 Perkinelmer U.S. Llc Random access sensor with individually addressable transistors
JP7474852B2 (ja) 2019-12-13 2024-04-25 レビティ ヘルス サイエンシーズ, インコーポレイテッド ランダムアクセスセンサ
WO2022185731A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09 浜松ホトニクス株式会社 形状測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017119166A1 (ja) 2017-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11146752B2 (en) Solid-state imaging apparatus, driving method of the solid-state imaging apparatus, and electronic equipment
CN107482027B (zh) 成像设备
WO2017119166A1 (ja) 固体撮像素子、固体撮像素子の駆動方法、及び、電子機器
CN113658967B (zh) 光检测设备
CN105379249B (zh) 成像器件和电子装置
JP5369779B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器
JP5953028B2 (ja) 固体撮像装置、撮像装置、および信号読み出し方法
JP5458582B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器
JP5552858B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器
JP5820627B2 (ja) 固体撮像装置、撮像装置、および信号読み出し方法
JP5257176B2 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法および電子機器
US10658404B2 (en) Solid state imaging device and imaging apparatus with pixel column having multiple output lines
WO2015163170A1 (ja) 撮像素子、制御方法、並びに、撮像装置
JP2011199816A (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器
JP6670451B2 (ja) 固体撮像装置、信号処理方法、及び、電子機器
JP7314061B2 (ja) 撮像装置及び電子機器
WO2018012068A1 (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の駆動方法、及び、電子機器
JP2023171452A (ja) 光検出装置
JP2013143636A (ja) 固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器
JP2011244246A (ja) 固体撮像装置
JP5234100B2 (ja) 固体撮像装置および撮像装置
JP6128776B2 (ja) 固体撮像装置、撮像装置、および信号読み出し方法
JP6053321B2 (ja) 固体撮像装置
JP5835963B2 (ja) 固体撮像装置、撮像装置、および信号読み出し方法
JP2024040400A (ja) 固体撮像素子及び撮像装置