JP2013143636A - 固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器 - Google Patents

固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】リセットレベルと信号レベルとの差分をとる際の信号処理に要する時間を短縮可能な固体撮像装置、当該固体撮像装置の信号処理方法、及び、当該固体撮像装置を撮像部(画像取込部)として有する電子機器を提供する。
【解決手段】単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部を有する固体撮像装置において、同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の単位画素間で共有して信号処理を行うようにすることで、信号処理に要する時間を短縮する。
【選択図】 図1

Description

本開示は、固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器に関する。
固体撮像装置においては、単位画素の固定パターンノイズを除去するために、選択行の各単位画素から読み出されるリセットレベルと信号レベルとの差分をとる信号処理が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−311487号公報
従来の信号処理では、単位画素毎にリセットレベルと信号レベルとを読み出し、これらリセットレベルと信号レベルとの差分をとるようにしているため、画素数が増加すると、それに伴って信号処理に要する時間が増加し、フレームレートが低下することになる。
そこで、本開示は、リセットレベルと信号レベルとの差分をとる際の信号処理に要する時間を短縮可能な固体撮像装置、当該固体撮像装置の信号処理方法、及び、当該固体撮像装置を撮像部(画像取込部)として有する電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本開示は、
単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部を有する固体撮像装置において、
同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の単位画素間で共有して信号処理を行う
構成を採っている。
本開示の固体撮像装置は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、携帯電話機等の撮像機能を有する携帯情報端末などの電子機器において、その撮像部(画像取込部)として用いることができる。
信号線を通して単位画素から読み出される信号の処理に当たって、同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを複数の単位画素間で共有することで、リセットレベルの読み出しが複数の単位画素に対して1回で済む。これにより、複数の単位画素に対する信号処理に要する時間が、リセットレベルを読み出さない画素の数に相当するリセットレベルの読出し時間分だけ短縮される。
本開示によれば、信号処理に要する時間を、リセットレベルを読み出さない画素の数に相当するリセットレベルの読出し時間分だけ短縮できるため、リセットレベルを複数の単位画素間で共有しない場合に比べて高フレームレート化を図ることができる。
図1は、本開示の実施形態に係る列並列AD変換回路搭載のCMOSイメージセンサのシステム構成を示すブロック図である。 図2は、4画素共有の場合の画素回路の構成の一例を示す回路図である。 図3は、一番目に信号読出しが行われる単位画素に対するAD変換動作について説明するタイミング波形図である。 図4は、一番目に信号読出しが行われる単位画素のリセットレベルの読出し時の動作説明図である。 図5は、一番目に信号読出しが行われる単位画素の信号レベルの読出し時の動作説明図である。 図6は、二番目に信号読出しが行われる単位画素に対するAD変換動作について説明するタイミング波形図である。 図7は、二番目に信号読出しが行われる単位画素の信号レベルの読出し時の動作説明図である。 図8は、三番目に信号読出しが行われる単位画素に対するAD変換動作について説明するタイミング波形図である。 図9は、三番目に信号読出しが行われる単位画素の信号レベルの読出し時の動作説明図である。 図10は、四番目に信号読出しが行われる単位画素に対するAD変換動作について説明するタイミング波形図である。 図11は、四番目に信号読出しが行われる単位画素の信号レベルの読出し時の動作説明図である。 図12は、リセットレベルを複数の単位画素間で共有しない場合(A)と共有する場合(B)とのAD変換に関するイメージ図である。 図13は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
以下、本開示の技術を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)について図面を用いて詳細に説明する。本開示は実施形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は以下の順序で行う。
1.本開示の固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器、全般に関する説明
2.実施形態に係るCMOSイメージセンサ
2−1.システム構成
2−2.4画素共有の画素構成
2−3.カラム処理部の回路動作
3.適用例
4.電子機器(撮像装置の例)
5.本開示の構成
<1.本開示の固体撮像装置、固体撮像装置の信号処理方法、及び、電子機器、全般に関する説明>
本開示の固体撮像装置は、単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部を有する、CMOSイメージセンサに代表される増幅型の固体撮像装置である。この種の固体撮像装置は、単位画素から信号線を通して読み出される信号に対して所定の信号処理を行う信号処理部を備えている。この信号処理部は、画素列毎に設けられて、画素列単位で列並列に信号処理を行うのが好ましい。
信号処理部の所定の信号処理としては、選択行の各単位画素から読み出されるリセットレベルと信号レベルとの差分をとる信号処理を例示することができる。この信号処理部での信号処理、即ち、リセットレベルと信号レベルとの差分をとる処理は、一般的に、CDS(Correlated Double Sampling;相関二重サンプリング)と呼ばれる信号処理である。このCDS処理によって、単位画素の固定パターンノイズを除去することができる。
CDS処理を行う信号処理部として、信号線を通して単位画素から読み出されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するアナログ−デジタル変換回路(以下、「AD変換回路」と記述する)、所謂、列並列AD変換回路を例示することができる。列並列AD変換回路は、AD変換後の信号に対してリセットレベルと信号レベルとの差分をとる信号処理をデジタル的に列並列に行うことができる。
CDS処理を行う信号処理部として、列並列AD変換回路以外にも、信号線を通して単位画素から読み出されるアナログの画素信号に対して、リセットレベルと信号レベルとの差分をとる信号処理をアナログ的に列並列に行う、所謂、列並列CDS回路を例示することができる。
本開示の固体撮像装置における信号処理部は、同じ信号線に接続される複数の単位画素を組とし、これら複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを複数の単位画素間で共有して信号処理を行うことを特徴とする。このとき、複数の単位画素は、上下に隣接する画素行に各単位画素が属する位置関係、即ち、画素列に沿った方向において互いに隣接した位置関係にあるものとする。
また、信号処理については、好ましくは、リセットレベルと複数の単位画素から読み出される信号レベルとの差分をとる処理とする。ここで、複数の単位画素が互いに隣接した位置関係にあることから、これら複数の単位画素のリセットレベル間のばらつきは少ないものと考えることができる。従って、複数の単位画素間でリセットレベルを共有することができる。
複数の単位画素については、好ましくは、単位画素を構成する回路素子(構成要素)の一部を画素間で共有する画素関係にあることが望ましい。複数の単位画素は、光電変換部と、当該光電変換部で光電変換して得た信号電荷を浮遊拡散領域に転送する転送ゲート部とを有し、好ましくは、浮遊拡散領域の電荷に応じた信号を増幅する増幅トランジスタを、回路素子の一部として画素間で共有する。
単位画素の固定パターンノイズの発生原因の一つとして、例えば、増幅トランジスタの閾値電圧のばらつきを挙げることができる。この増幅トランジスタの閾値電圧のばらつきに起因するノイズが支配的であるとするならば、増幅トランジスタを複数の単位画素間で共有することで、複数の単位画素のリセットレベル間のばらつきが少なく、複数の単位画素間でリセットレベルを共有することができる。
増幅トランジスタ以外にも、浮遊拡散領域をリセットするリセットトランジスタを、複数の単位画素間で共有するようにすることもできる。信号読出しの際に、その読出し対象の単位画素を選択する選択トランジスタを有する画素構成の場合には、当該選択トランジスタについても、複数の単位画素間で共有するようにすることができる。
回路素子の一部を画素間で共有する画素構成を採る場合の複数の単位画素の位置関係については、先程の場合と同様に、画素列に沿った方向において上下に隣接する位置関係であってもよいし、画素行に沿った方向において左右に隣接する位置関係であってもよい。更には、上下左右に隣接する位置関係であってもよく、要は、複数の単位画素が互いに隣接しており、かつ、共通の信号線を通して信号が読み出される関係にあることが重要である。
上述した構成の、本開示の固体撮像装置は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像装置を用いる複写機など電子機器において、その撮像部(画像取込部)として用いることができる。
<2.実施形態に係るCMOSイメージセンサ>
[2−1.システム構成]
図1は、本開示の実施形態に係る列並列AD変換回路搭載のCMOSイメージセンサのシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るCMOSイメージセンサ10は、光電変換部を含む単位画素(以下、単に「画素」と記述する場合もある)20が行列状に2次元配置されて成る画素アレイ部11と、当該画素アレイ部11の各画素20を駆動する駆動系及び信号処理系を有する。
本例にあっては、画素アレイ部11の周辺に配される駆動系として、例えば、垂直駆動部12、読出し電流源部13、参照信号生成部15、水平駆動部16、及び、通信・タイミング制御部17を有する。また、信号処理系として、例えば、カラム処理部14及び出力アンプ18を有する。そして、これら駆動系や信号処理系、即ち、画素アレイ部11の周辺回路は、画素アレイ部11と同じ半導体基板(チップ)19上に集積された構成となっている。
このシステム構成において、通信・タイミング制御部17は、マスタークロックMCKに基づいて、垂直駆動部12、カラム処理部14、参照信号生成部15、及び、水平駆動部16などの動作の基準となるクロック信号や制御信号などを生成する。通信・タイミング制御部17で生成されたクロック信号や制御信号などは、垂直駆動部12、カラム処理部14、参照信号生成部15、及び、水平駆動部16などに対してそれらの駆動信号として与えられる。
画素アレイ部11は、入射光の光量に応じた光電荷を生成し、かつ、蓄積する光電変換部を有する単位画素20が行方向及び列方向に、即ち、行列状に2次元配置された構成となっている。ここで、行方向とは画素行の画素の配列方向(即ち、水平方向/横方向)を言い、列方向とは画素列の画素の配列方向(即ち、垂直方向/縦方向)を言う。単位画素20の画素回路の詳細については後述する。
画素アレイ部11において、m行×n列の画素配列に対して、画素行毎に行制御線31(31-1〜31-m)が行方向に沿って配線され、画素列ごとに垂直信号線32(32-1〜32-n)が列方向に沿って配線されている。行制御線31は、単位画素20から信号を読み出す際の制御を行うための制御信号を伝送する。図1では、行制御線31について1本の配線として示しているが、1本に限られるものではない。行制御線31-1〜31-mの各一端は、垂直駆動部12の各行に対応した各出力端に接続されている。
垂直駆動部12は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、画素アレイ部11の各画素20を例えば行単位で駆動する。すなわち、垂直駆動部12は、当該垂直駆動部12を制御する通信・タイミング制御部17と共に、画素アレイ部11の各画素20を駆動する駆動部を構成している。垂直駆動部12はその具体的な構成については図示を省略するが、一般的に、読出し走査系と掃出し走査系の2つの走査系を有する構成となっている。
垂直駆動部12において、掃出し走査系による掃出し走査によって、読出し行の単位画素20の光電変換部から不要な電荷が掃き出されることによって当該光電変換部がリセットされる。そして、この掃出し走査系によって不要電荷を掃き出す(リセットする)ことによって、所謂、電子シャッタ動作が行われる。ここで、電子シャッタ動作とは、光電変換部の光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことを言う。
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作または電子シャッタ動作以降に受光した光量に対応するものである。そして、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素20における光電荷の露光期間となる。
読出し電流源部13は、垂直信号線32-1〜32-nの各々と基準ノード(例えば、グランド)との間に接続された電流源131(131-1〜131-n)から成る。これら電流源131-1〜131-nは、単位画素20の後述する増幅トランジスタ24と共に垂直信号線32-1〜32-nを介してソースフォロワ回路を構成する。
カラム処理部14は、例えば、画素アレイ部11の画素列毎、即ち、垂直信号線32-1〜32-n毎に設けられたADC(アナログ−デジタル変換)回路33(33-1〜33-n)を有する。ADC回路33(33-1〜33-n)は、画素アレイ部11の各画素20から画素列毎に出力されるアナログ信号(画素信号)をデジタル信号に変換する。
参照信号生成部15は、時間が経過するにつれてレベル(電圧値)が階段状に漸次変化する、所謂、ランプ(RAMP)波形(傾斜状の波形)の参照信号Vrefを生成する。参照信号生成部15については、例えば、DAC(デジタル−アナログ変換)回路を用いて構成することができる。但し、参照信号生成部15としては、DAC回路を用いた構成のものに限られるものではない。
参照信号生成部15は、通信・タイミング制御部17から与えられる制御信号CS1による制御の下に、当該通信・タイミング制御部17から与えられるクロックCKに基づいてランプ波の参照信号Vrefを生成する。そして、参照信号生成部15は、生成した参照信号Vrefをカラム処理部14のADC回路33-1〜33-nに対して供給する。
ADC回路33-1〜33-nは全て同じ構成となっている。ここでは、n列目のADC回路33-nを例に挙げて説明するものとする。ADC回路33-nは、比較器41、カウンタ部(図中、「CNT」と記している)42、ラッチ部43、減算部44、転送スイッチ45、及び、メモリ部46を有する構成となっている。
比較器41は、画素アレイ部11のn列目の各画素20から出力される画素信号に応じた垂直信号線22-nの信号電圧Voutを比較入力とし、参照信号生成部15から供給されるランプ波の参照信号Vrefを基準入力とし、両入力を比較する。そして、比較器41は、例えば、参照信号Vrefが信号電圧Voutよりも大なるときに出力が第1の状態(例えば、高レベル)になり、参照信号Vrefが信号電圧Vx以下のときに出力が第2の状態(例えば、低レベル)になる。
カウンタ部42には、参照信号生成部15から参照信号Vrefが出力されるタイミングと同じタイミングで、通信・タイミング制御部17からクロックCKが与えられる。カウンタ部42は、例えば通信・タイミング制御部17からカウントイネーブル信号ENが与えられることで、クロックCKに同期してカウント動作を行い、比較器41での比較動作の開始から比較動作の終了までの比較期間を計測する。この比較期間は、垂直信号線22-nの信号電圧Vout(即ち、後述するリセットレベル、信号レベル)の大きさに応じた時間に相当する。
ラッチ部43は、カウンタ部42のカウントデータ(カウント値)をラッチする。減算部44は、カウンタ部42のカウントデータとラッチ部43のラッチデータとの差分をとる。このラッチ部43及び減算部44は、本実施形態の特徴とする部分であり、その詳細については後述する。転送スイッチ45は、通信・タイミング制御部17から与えられる制御信号CS2による制御の下にオン(閉)状態となり、減算部44の減算結果をメモリ部46に転送する。
このようにして、画素アレイ部11の各単位画素20から垂直信号線32-1〜32-nを経由して画素列毎に読み出されるアナログ画素信号について、ADC回路33-1〜33-nにおいて、先ず比較器41で比較動作が行われる。そして、カウンタ42において、比較器41での比較動作の開始から比較動作の終了までの期間に亘ってカウント動作を行うことにより、アナログの画素信号がデジタルの画素信号に変換される。そして、後述するラッチ部43及び減算部44による動作を経て減算部44の減算結果が転送スイッチ45を介してメモリ部46に格納される。
水平駆動部16は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどによって構成され、カラム処理部14におけるADC回路33-1〜33-nの列アドレスや列走査の制御を行う。この水平駆動部16による制御の下に、ADC回路33-1〜33-nの各々でAD変換されたデジタル信号は順に水平出力線34に例えばNビットのデータとして読み出される。
水平出力線34に読み出されたNビットのデータは、出力アンプ18で増幅されて半導体基板19の外部へ出力される。尚、ここでは、Nビットのデータが出力アンプ18で増幅されてそのまま外部へ出力されるとしているが、出力アンプ18の後段に信号処理回路を設けるようにしてもよい。この信号処理回路での信号処理としては、バッファリングだけの処理の場合もあるし、バッファリングの前に黒レベルを調整したり、列毎のばらつきを補正したりするなど、各種のデジタル信号処理を挙げることができる。
本実施形態に係るCMOSイメージセンサ10は、単位画素20の画素回路として、単位画素20を構成する回路素子(構成要素)の一部を複数の単位画素間で共有する構成を採っている。このように、単位画素20の構成要素の一部を複数の単位画素間で共有することで、1画素当たりの光電変換部以外の占有面積を抑制することができるため、画素の微細化を図る上で有利となる。
[2−2.4画素共有の画素構成]
図2は、単位画素20の構成要素の一部を4画素間で共有する、所謂、4画素共有の場合の画素回路の構成の一例を示す回路図である。
本実施形態に係るCMOSイメージセンサ10においては、単位画素(以下、単に「画素」と記述する場合もある)20の構成要素を、4つの単位画素20-1〜20-4間で共有する4画素共有の画素構成となっている。
画素の構成要素(回路素子)の一部を画素間で共有する画素構成を採る場合の4つの単位画素20-1〜20-4の位置関係については、画素列に沿った方向において上下に隣接する位置関係であってもよいし、画素行に沿った方向において左右に隣接する位置関係であってもよい。更には、上下左右に隣接する位置関係であってもよく、要は、4つの単位画素20-1〜20-4が互いに隣接しており、かつ、共通の垂直信号線32を通して信号が読み出される関係にあればよい。
先ず、単位画素20の基本的な構成について説明する。単位画素20は、光電変換部として、例えばフォトダイオード21を有する。単位画素20は更に、フォトダイオード21に加えて、例えば、転送トランジスタ(転送ゲート部)22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25を回路素子(構成要素)として有する。尚、増幅トランジスタ24のゲート電極と電気的に繋がったノード26は、電荷を電圧に変換する浮遊拡散領域であり、以下、FD(フローティングディフュージョン)部26と呼ぶ。
尚、ここでは、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25として、例えばNチャネル型のMOSトランジスタを用いている。但し、ここで例示した転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25の導電型の組み合わせは一例に過ぎず、これらの組み合わせに限られるものではない。
この基本的な画素構成を採るCMOSイメージセンサ10において、本実施形態では、FD部26以降の構成要素、即ち、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25を4つの単位画素20-1〜20-4間で共有する画素構成を採っている。具体的には、4つの単位画素20-1〜20-4は各々、フォトダイオード21-1〜21-4及び転送トランジスタ22-1〜22-4から成り、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25を画素間で共有する画素構成となっている。
上記の画素構成に対して、先述した行制御線31(31-1〜31-m)として、複数の制御線が同一画素行の各画素に対して共通に配線される。図2では、図面の簡略化のため、複数の制御線については図示を省略している。複数の制御線は、垂直駆動部12の各画素行に対応した出力端に画素行単位で接続されている。垂直駆動部12は、画素アレイ部11の各画素20の駆動に当たって、通信・タイミング制御部17による制御の下に、複数の制御線に対して転送信号TRG1〜TRG2、リセット信号RST、及び、選択信号SELを適宜出力する。
フォトダイオード21-1〜21-4は、アノード電極が負側電源(例えば、グランド)に接続されており、受光した光をその光量に応じた電荷量の光電荷(ここでは、光電子)に光電変換してその光電荷を蓄積する。転送トランジスタ22-1〜22-4は、フォトダイオード21-1〜21-4の各カソード電極とFD部26との間に接続されている。
転送トランジスタ22-1〜22-4の各ゲート電極には、高レベルがアクティブ(以下、「Highアクティブ」と記述する)となる転送信号TRG1〜TRG4が垂直駆動部12から適当なタイミングで与えられる。転送トランジスタ22-1〜22-4は、転送信号TRG1〜TRG4に応答して導通状態となることで、フォトダイオード21-1〜21-4で光電変換され、蓄積された光電荷をFD部26に転送する。
リセットトランジスタ23は、ドレイン電極が電源に、ソース電極がFD部26にそれぞれ接続されている。リセットトランジスタ23のゲート電極には、Highアクティブのリセット信号RSTが垂直駆動部12から適当なタイミングで与えられる。リセットトランジスタ23は、リセット信号RSTに応答して導通状態となり、FD部26の電荷を電源に捨てることによって当該FD部26をリセットする。
増幅トランジスタ24は、ゲート電極がFD部26に、ドレイン電極が電源にそれぞれ接続されている。この増幅トランジスタ24は、フォトダイオード21-1〜21-4での光電変換によって得られる信号を読み出す読出し回路である、先述したソースフォロワ回路の入力部となる。すなわち、増幅トランジスタ24は、ソース電極が選択トランジスタ25を介して垂直信号線32に接続されることで、当該垂直信号線32の一端に接続された電流源131とソースフォロワ回路を構成している。
選択トランジスタ25は、例えば、ドレイン電極が増幅トランジスタ24のソース電極に、ソース電極が垂直信号線32にそれぞれ接続されている。選択トランジスタ25のゲート電極には、Highアクティブの選択信号SELが垂直駆動部12から適当なタイミングで与えられる。選択トランジスタ25は、選択信号SELに応答して導通状態となることで、単位画素20-1〜20-4を選択状態として増幅トランジスタ24で増幅された画素信号を垂直信号線32に出力する。
尚、選択トランジスタ25については、増幅トランジスタ24のドレイン電極と電源との間に接続した回路構成を採ることも可能である。すなわち、選択トランジスタ25は、電源と垂直信号線32との間において、増幅トランジスタ24に対して直列に接続されていることで、単位画素20の選択動作を行うことができる。
また、ここでは、4画素共有の基本的な画素構成として、転送トランジスタ22、リセットトランジスタ23、増幅トランジスタ24、及び、選択トランジスタ25の4つのトランジスタからなる画素構成を例に挙げたが、これに限られるものではない。例えば、選択トランジスタ25を省略し、画素電源の電圧を切り替えることによって画素選択を為す3つのトランジスタからなる画素構成のものなどであってもよい。
[2−3.カラム処理部の回路動作]
次に、上記構成のCMOSイメージセンサ10におけるカラム処理部14の回路動作、具体的には、カラム処理部14におけるAD変換動作について説明する。このAD変換動作は、基本的に、通信・タイミング制御部17による制御の下に実行される。
尚、図2に示した4画素共有の画素構成において、通信・タイミング制御部17による制御の下に、単位画素20-1→単位画素20-2→単位画素20-3→単位画素20-4の順番で信号の読出しが行われるものとする。
また、4つの単位画素20-1〜20-4に対し、各画素に共通のFD部26のリセット動作は、一番目に読み出される単位画素20-1の信号読出し時に1回行われるものとする。そして、このときのリセットレベルを4つの単位画素20-1〜20-4間で共有して信号処理が行われることになる。このリセットレベルには、画素毎にばらつく固定パターンノイズ、特に、増幅トランジスタ24の閾値電圧のばらつきなどに起因するノイズがオフセットとして含まれている。
(一番目のAD変換動作)
先ず、一番目に信号読出しが行われる単位画素20-1に対するAD変換動作について、図3のタイミング波形図、図4及び図5の動作説明図を用いて説明する。
図3のタイミング波形図には、リセット信号RST、転送信号TRG1〜TRG4、垂直信号線32の信号電圧Vout、及び、カウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENのタイミング関係を示している。2番目〜4番目に信号読出しが行われる単位画素20-2〜20-4についても同様とする。
時刻t11で選択信号SELがアクティブ状態(高レベル状態)になると、単位画素20-1が選択された状態となる。同時に、リセット信号RSTがアクティブ状態になることで、リセットトランジスタ23によるFD部26のリセット動作が行われる。そして、このリセット動作時のFD部26の電圧Vpがリセットレベル(P相)として、図4に破線の矢印で表わすように、増幅トランジスタ24によって増幅され、選択トランジスタ25を介して垂直信号線32に出力される。
次いで、カラム処理部14において、時刻t12でカウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENがアクティブ状態になることで、垂直信号線32の信号電圧Vout、即ち、リセットレベルVpについてのAD変換動作が行われる。具体的には、カウントイネーブル信号ENのアクティブ期間において、参照信号生成部15からランプ波形の参照信号Vrefが比較器41に与えられることで、当該比較器41においてリセットレベルVpと参照信号Vrefとの比較動作が行われる。
参照信号Vrefが比較器41に与えられると同時に、通信・タイミング制御部17からカウンタ部42に対してクロックCKが与えられることで、当該カウンタ部42ではリセットレベルVpの読出し動作時の比較器41での比較時間が計測される。そして、参照信号VrefとリセットレベルVpとが等しくなったときに比較器41の出力が高レベルから低レベルへ反転する。この比較器41の出力の極性反転を受けて、カウンタ部42はカウント動作を停止する。カウントイネーブル信号ENのアクティブ期間、即ち、時刻t12から時刻t13までの期間が、リセットレベルVpをAD変換するP相期間となる。
カウンタ部42がカウント動作を停止したときの最終的なカウント値は、比較器41での比較期間に応じたカウント値、即ち、リセットレベルVpの大きさ(電圧値)に応じたカウント値となる。そして、このときのカウント値、即ち、リセットレベルVpの大きさに応じたカウント値はラッチ部43にラッチされる。
続いて、時刻t14で転送信号TRG1がアクティブ状態になることで、フォトダイオード21-1で光電変換された信号電荷が、図5に一線鎖線の矢印で表わすように、転送トランジスタ22-1によってFD部26に転送される転送動作が行われる。そして、この転送動作時のFD部26の電圧Vdが信号レベル(D相)として、図5に破線の矢印で表わすように、増幅トランジスタ24によって増幅され、選択トランジスタ25を介して垂直信号線32に出力される。このときの信号レベルVdには、リセットレベルVpの成分も含まれている。
次いで、カラム処理部14において、時刻t15でカウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENがアクティブ状態になることで、垂直信号線32の信号電圧Vout、即ち、信号レベルVdについてのAD変換動作が、リセットレベルVpについてのAD変換動作と同様にして行われる。そして、参照信号Vrefと信号レベルVdとが等しくなったときに比較器41の出力が高レベルから低レベルへ反転する。この比較器41の出力の極性反転を受けて、カウンタ部42はカウント動作を停止する。カウントイネーブル信号ENのアクティブ期間、即ち、時刻t15から時刻t16までの期間が、信号レベルVdをAD変換するD相期間となる。
カウンタ部42がカウント動作を停止したときの最終的なカウント値は、比較器41での比較期間に応じたカウント値、即ち、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値となる。この信号レベルVdの大きさに応じたカウント値は減算部44に送られる。減算部44では、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値と、ラッチ部43のラッチデータである、リセットレベルVpの大きさに応じたカウント値との差分をとる減算処理が行われる。
上述した2回の読出し動作によって、一番目に信号読出しが行われる単位画素20-1に対して、リセットレベルVpと信号レベルVdとについてそれぞれ独立にAD変換が行われ、かつ、減算部44での減算処理によってCDS処理が行われる。そして、時刻t17で選択信号SELが非アクティブ状態になることで、一番目に信号読出しが行われる単位画素20-1についての一連の処理、即ち、AD変換処理及びCDS処理が終了する。
(二番目のAD変換動作)
次に、二番目に信号読出しが行われる単位画素20-2に対するAD変換動作について、図6のタイミング波形図及び図7の動作説明図を用いて説明する。
時刻t21で選択信号SELがアクティブ状態になると、単位画素20-2が選択された状態となる。同時に、リセット信号RSTがアクティブ状態になることで、リセットトランジスタ23によるFD部26のリセット動作が行われる。但し、このリセット動作時のFD部26の電圧Vpをリセットレベル(P相)として読み出し、かつ、AD変換する動作は行わない。何故なら、最初に読み出し、かつ、AD変換したリセットレベルVpについては、4つの単位画素20-1〜20-4間で共有するために、ラッチ部43にラッチしているからである。
続いて、時刻t22で転送信号TRG2がアクティブ状態になることで、フォトダイオード21-2で光電変換された信号電荷が、図7に一線鎖線の矢印で表わすように、転送トランジスタ22-2によってFD部26に転送される転送動作が行われる。そして、この転送動作時のFD部26の電圧Vdが信号レベルとして、図7に破線の矢印で表わすように、増幅トランジスタ24によって増幅されて垂直信号線32に出力される。このときの信号レベルVdには、リセットレベルVpの成分も含まれている。
次いで、カラム処理部14において、時刻t23でカウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENがアクティブ状態になることで、信号レベルVdについてのAD変換動作が、先述したリセットレベルVpについてのAD変換動作と同様にして行われる。カウントイネーブル信号ENがアクティブ状態にある時刻t23から時刻t24までの期間が、二番目の信号レベルVdをAD変換するD相期間となる。
カウンタ部42がカウント動作を停止したときの最終的なカウント値は、比較器41での比較期間に応じたカウント値、即ち、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値となる。この信号レベルVdの大きさに応じたカウント値は減算部44に送られる。減算部44では、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値と、ラッチ部43のラッチデータである、一番目のリセットレベルVpの大きさに応じたカウント値との差分をとる減算処理が行われる。
上述した1回の読出し動作によって、二番目に信号読出しが行われる単位画素20-2に対して、信号レベルVdについてAD変換が行われ、かつ、減算部44での減算処理によってCDS処理が行われる。そして、時刻t25で選択信号SELが非アクティブ状態になることで、二番目に信号読出しが行われる単位画素20-2についての一連の処理、即ち、AD変換処理及びCDS処理が終了する。
(三番目のAD変換動作)
次に、三番目に信号読出しが行われる単位画素20-3に対するAD変換動作について、図8のタイミング波形図及び図9の動作説明図を用いて説明する。
時刻t31で選択信号SELがアクティブ状態になると、単位画素20-3が選択された状態となる。同時に、リセット信号RSTがアクティブ状態になることで、リセットトランジスタ23によるFD部26のリセット動作が行われる。但し、このリセット動作時のFD部26の電圧Vpについても、二番目のAD変換動作時と同様の理由により、読出し動作及びAD変換動作を行わない。
続いて、時刻t32で転送信号TRG3がアクティブ状態になることで、フォトダイオード21-3で光電変換された信号電荷が、図9に一線鎖線の矢印で表わすように、転送トランジスタ22-3によってFD部26に転送される転送動作が行われる。そして、この転送動作時のFD部26の電圧Vdが信号レベルとして、図9に破線の矢印で表わすように、増幅トランジスタ24によって増幅されて垂直信号線32に出力される。このときの信号レベルVdにも、リセットレベルVpの成分が含まれている。
次いで、カラム処理部14において、時刻t33でカウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENがアクティブ状態になることで、信号レベルVdについてのAD変換動作が、先述したリセットレベルVpについてのAD変換動作と同様にして行われる。カウントイネーブル信号ENがアクティブ状態にある時刻t33から時刻t34までの期間が、三番目の信号レベルVdをAD変換するD相期間となる。
カウンタ部42がカウント動作を停止したときの最終的なカウント値は、比較器41での比較期間に応じたカウント値、即ち、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値となる。この信号レベルVdの大きさに応じたカウント値は減算部44に送られる。減算部44では、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値と、ラッチ部43のラッチデータである、一番目のリセットレベルVpの大きさに応じたカウント値との差分をとる減算処理が行われる。
上述した1回の読出し動作によって、三番目に信号読出しが行われる単位画素20-3に対して、信号レベルVdについてAD変換が行われ、かつ、減算部44での減算処理によってCDS処理が行われる。そして、時刻t35で選択信号SELが非アクティブ状態になることで、三番目に信号読出しが行われる単位画素20-3についての一連の処理、即ち、AD変換処理及びCDS処理が終了する。
(四番目のAD変換動作)
次に、四番目に信号読出しが行われる単位画素20-4に対するAD変換動作について、図10のタイミング波形図及び図11の動作説明図を用いて説明する。
時刻t41で選択信号SELがアクティブ状態になると、単位画素20-4が選択された状態となる。同時に、リセット信号RSTがアクティブ状態になることで、リセットトランジスタ23によるFD部26のリセット動作が行われる。但し、このリセット動作時のFD部26の電圧Vpについても、二番目のAD変換動作時と同様の理由により、読出し動作及びAD変換動作を行わない。
続いて、時刻t42で転送信号TRG4がアクティブ状態になることで、フォトダイオード21-4で光電変換された信号電荷が、図11に一線鎖線の矢印で表わすように、転送トランジスタ22-4によってFD部26に転送される転送動作が行われる。そして、この転送動作時のFD部26の電圧Vdが信号レベルとして、図11に破線の矢印で表わすように、増幅トランジスタ24によって増幅されて垂直信号線32に出力される。このときの信号レベルVdにも、リセットレベルVpの成分が含まれている。
次いで、カラム処理部14において、時刻t43でカウンタ部42に与えられるカウントイネーブル信号ENがアクティブ状態になることで、信号レベルVdについてのAD変換動作が、先述したリセットレベルVpについてのAD変換動作と同様にして行われる。カウントイネーブル信号ENがアクティブ状態にある時刻t43から時刻t44までの期間が、四番目の信号レベルVdをAD変換するD相期間となる。
カウンタ部42がカウント動作を停止したときの最終的なカウント値は、比較器41での比較期間に応じたカウント値、即ち、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値となる。この信号レベルVdの大きさに応じたカウント値は減算部44に送られる。減算部44では、信号レベルVdの大きさに応じたカウント値と、ラッチ部43のラッチデータである、一番目のリセットレベルVpの大きさに応じたカウント値との差分をとる減算処理が行われる。
上述した1回の読出し動作によって、四番目に信号読出しが行われる単位画素20-4に対して、信号レベルVdについてAD変換が行われ、かつ、減算部44での減算処理によってCDS処理が行われる。そして、時刻t45で選択信号SELが非アクティブ状態になることで、四番目に信号読出しが行われる単位画素20-4についての一連の処理、即ち、AD変換処理及びCDS処理が終了する。
以上説明したように、一番目に読み出される単位画素20-1のリセットレベルVpを、同じ垂直信号線32に接続される複数の単位画素20-1〜20-4間で共有することで、複数の単位画素20-1〜20-4においてリセットレベルVpの読出し動作が1回で済む。これにより、複数の単位画素20-1〜20-4に対する信号処理に要する時間、即ち、AD変換時間が、リセットレベルVpを読み出さない画素の数に相当するリセットレベルのAD変換に要する時間分だけ短縮される。
より具体的には、図12に示すように、リセットレベルVpを複数の単位画素20-1〜20-4間で共有しない場合(A)は、複数の単位画素20-1〜20-4からの信号の読出し動作毎にP相についてAD変換動作が行われる。これに対し、リセットレベルVpを複数の単位画素20-1〜20-4間で共有する場合(B)は、一番目の単位画素20-1からの信号の読出し動作のときにだけP相についてAD変換動作が行われることになる。
これにより、P相(リセットレベル)のAD変換に要する時間(AD変換時間)をTとすると、4画素共有の画素構成の場合、複数の単位画素20-1〜20-4に対するAD変換時間を、リセットレベルVpを共有しない場合(A)に比べて3Tの時間だけ短縮することができる。従って、リセットレベルVpを複数の単位画素20-1〜20-4間で共有することにより、共有しない場合に比べて高フレームレート化を図ることができ、その結果、多画素化に対応可能となる。
尚、上記実施形態では、単位画素を構成する回路素子(構成要素)の一部を共有する単位画素の数が4の場合を例に挙げて説明したが、その数は4に限られるものではなく、任意である。
また、上記実施形態では、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを共有する複数の単位画素が、画素の構成要素の一部を共有する複数の単位画素であるとしたが、これに限られるものではない。例えば、画素列に沿った方向において互いに隣接した位置関係にある複数の単位画素であってもよく、要は、同じ信号線(垂直信号線)に接続される複数の単位画素であればよい。
<3.適用例>
上記実施形態では、可視光の光量に応じた信号電荷を物理量として検知する単位画素が行列状に2次元配列されて成るCMOSイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。すなわち、本開示の技術は、単位画素から読み出されるリセットレベル(P相)と信号レベル(D相)との差分をとる信号処理部を有する増幅型の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
また、本開示の技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは、粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置に適用可能である。更には、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の物理量分布検知装置を固体撮像装置とする場合もある。
尚、固体撮像装置はワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と、カメラ信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
<4.電子機器>
本開示は、固体撮像装置への適用に限られるものではなく、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話機などの撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像装置を用いる複写機など、撮像部(画像取込部)に固体撮像装置を用いる電子機器全般に対して適用可能である。尚、電子機器に搭載される上記モジュール状の形態、即ち、カメラモジュールを撮像装置とする場合もある。
[撮像装置]
図13は、本開示の電子機器の一例である撮像装置の構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、本開示の撮像装置100は、レンズ群101等を含む光学系、撮像素子102、カメラ信号処理部であるDSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108等を有している。そして、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、操作系107、及び、電源系108がバスライン109を介して相互に接続された構成となっている。
レンズ群101は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像素子102の撮像面上に結像する。撮像素子102は、レンズ群101によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
表示装置105は、液晶表示装置や有機EL(electro luminescence)表示装置等のパネル型表示装置からなり、撮像素子102で撮像された動画または静止画を表示する。記録装置106は、撮像素子102で撮像された動画または静止画を、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disk)等の記録媒体に記録する。
操作系107は、ユーザによる操作の下に、本撮像装置が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源系108は、DSP回路103、フレームメモリ104、表示装置105、記録装置106、及び、操作系107の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
このような撮像装置100は、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、更には、携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールに適用される。そして、この撮像装置100において、撮像素子102として、先述した実施形態に係るCMOSイメージセンサを用いることができる。
<5.本開示の構成>
尚、本開示は以下のような構成を採ることができる。
(1)単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部と、
同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の単位画素間で共有して信号処理を行う信号処理部とを備える固体撮像装置。
(2)前記信号処理部は、前記リセットレベルと前記複数の単位画素から読み出される信号レベルとの差分をとる信号処理を行う前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)前記信号処理部は、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを保持し、この保持したリセットレベルと二番目以降に読み出される単位画素の信号レベルとの差分をとる前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)前記複数の単位画素は、画素列に沿った方向において互いに隣接した位置関係にある前記(1)から前記(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)前記複数の単位画素は、単位画素を構成する回路素子の一部を画素間で共有する前記(1)から前記(4)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(6)前記複数の単位画素は、光電変換部と、当該光電変換部で光電変換して得た信号電荷を浮遊拡散領域に転送する転送ゲート部とを有し、前記浮遊拡散領域の電荷に応じた信号を増幅する増幅トランジスタを画素間で共有する前記(5)に記載の固体撮像装置。
(7)前記複数の単位画素は、前記浮遊拡散領域をリセットするリセットトランジスタを画素間で共有する前記(6)に記載の固体撮像装置。
(8)前記信号処理部は、画素列毎に設けられている前記(1)から前記(7)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(9)前記信号処理部は、前記信号線を通して単位画素から読み出されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するアナログ−デジタル変換回路を有する前記(8)に記載の固体撮像装置。
(10)前記アナログ−デジタル変換回路は、
前記信号線を通して単位画素から読み出されるリセットレベルまたは信号レベルの大きさに応じた時間だけカウント動作を行うカウンタ部と、
一番目に読み出される単位画素のリセットレベルに基づくカウント動作を行ったときの前記カウンタ部のカウントデータをラッチするラッチ部と、
二番目以降に読み出される単位画素の信号レベルに基づくカウント動作を行ったときの前記カウンタ部のカウントデータと前記ラッチ部のラッチデータとの差分をとる減算部と有する前記(9)に記載の固体撮像装置。
(11)前記アナログ−デジタル変換回路は、
レベルが漸次変化する参照信号と前記アナログ信号とを比較する比較器を有し、
前記カウンタ部は、前記比較器の比較結果に基づいてカウント動作を行う前記(10)に記載の固体撮像装置。
(12)単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部を有する固体撮像装置の駆動に当たって、
同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の画素間で共有して信号処理を行う固体撮像装置の信号処理方法。
(13)単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部と、
同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の画素間で共有して信号処理を行う信号処理部と
を備える固体撮像装置を撮像部として有する電子機器。
10・・・CMOSイメージセンサ、11・・・画素アレイ部、12・・・垂直駆動部、13・・・読出し電流源部、14・・・カラム処理部、15・・・参照信号生成部、16・・・水平駆動部、17・・・通信・タイミング制御部、18・・・出力アンプ、19・・・半導体基板(チップ)、20・・・単位画素、21・・・フォトダイオード、22・・・転送トランジスタ(転送ゲート)、23・・・リセットトランジスタ、24・・・増幅トランジスタ、25・・・選択トランジスタ、26・・・FD部(浮遊拡散領域)、31(31-1〜31-m)・・・行制御線、32(32-1〜32-n)・・・垂直信号線、33(33-1〜33-n)・・・ADC(アナログ−デジタル変換)回路、34・・・水平出力線、41・・・比較器、42・・・カウンタ部、43・・・ラッチ部、44・・・減算部、45・・・転送スイッチ、46・・・メモリ部、131(131-1〜131-n)・・・電流源

Claims (13)

  1. 単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部と、
    同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の単位画素間で共有して信号処理を行う信号処理部とを備える固体撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、前記リセットレベルと前記複数の単位画素から読み出される信号レベルとの差分をとる信号処理を行う請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記信号処理部は、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを保持し、この保持したリセットレベルと二番目以降に読み出される単位画素の信号レベルとの差分をとる請求項2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記複数の単位画素は、画素列に沿った方向において互いに隣接した位置関係にある請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記複数の単位画素は、単位画素を構成する回路素子の一部を画素間で共有する請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記複数の単位画素は、光電変換部と、当該光電変換部で光電変換して得た信号電荷を浮遊拡散領域に転送する転送ゲート部とを有し、前記浮遊拡散領域の電荷に応じた信号を増幅する増幅トランジスタを画素間で共有する請求項5に記載の固体撮像装置。
  7. 前記複数の単位画素は、前記浮遊拡散領域をリセットするリセットトランジスタを画素間で共有する請求項6に記載の固体撮像装置。
  8. 前記信号処理部は、画素列毎に設けられている請求項1に記載の固体撮像装置。
  9. 前記信号処理部は、前記信号線を通して単位画素から読み出されるアナログの画素信号をデジタルの画素信号に変換するアナログ−デジタル変換回路を有する請求項8に記載の固体撮像装置。
  10. 前記アナログ−デジタル変換回路は、
    前記信号線を通して単位画素から読み出されるリセットレベルまたは信号レベルの大きさに応じた時間だけカウント動作を行うカウンタ部と、
    一番目に読み出される単位画素のリセットレベルに基づくカウント動作を行ったときの前記カウンタ部のカウントデータをラッチするラッチ部と、
    二番目以降に読み出される単位画素の信号レベルに基づくカウント動作を行ったときの前記カウンタ部のカウントデータと前記ラッチ部のラッチデータとの差分をとる減算部と有する請求項9に記載の固体撮像装置。
  11. 前記アナログ−デジタル変換回路は、
    レベルが漸次変化する参照信号と前記アナログ信号とを比較する比較器を有し、
    前記カウンタ部は、前記比較器の比較結果に基づいてカウント動作を行う請求項10に記載の固体撮像装置。
  12. 単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部を有する固体撮像装置の駆動に当たって、
    同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の画素間で共有して信号処理を行う固体撮像装置の信号処理方法。
  13. 単位画素が行列状に配置され、画素列毎に信号線が配線されて成る画素アレイ部と、
    同じ信号線に接続される複数の単位画素のうち、一番目に読み出される単位画素のリセットレベルを前記複数の画素間で共有して信号処理を行う信号処理部と
    を備える固体撮像装置を撮像部として有する電子機器。
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