JP2017122671A - 電流検出器および電流検出方法 - Google Patents

電流検出器および電流検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017122671A
JP2017122671A JP2016002262A JP2016002262A JP2017122671A JP 2017122671 A JP2017122671 A JP 2017122671A JP 2016002262 A JP2016002262 A JP 2016002262A JP 2016002262 A JP2016002262 A JP 2016002262A JP 2017122671 A JP2017122671 A JP 2017122671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
current
electric circuit
signal
current flowing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016002262A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6669502B2 (ja
Inventor
忠行 松下
Tadayuki Matsushita
忠行 松下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Platforms Ltd
Original Assignee
NEC Platforms Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Platforms Ltd filed Critical NEC Platforms Ltd
Priority to JP2016002262A priority Critical patent/JP6669502B2/ja
Publication of JP2017122671A publication Critical patent/JP2017122671A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6669502B2 publication Critical patent/JP6669502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

【課題】設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる電流検出器を得る。
【解決手段】電流検出器を、磁性体1と、第1のコイル2と、第2のコイル3と、電流補正手段4を備える構成とする。磁性体1は、内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する。第1のコイル2は、磁性体1の空間を通るように形成され、電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる。第2のコイル3は、第1のコイル2と同形であり、第1のコイル2が形成する平面に対し垂直方向から見た位置が第1のコイル2と一致するように、第1のコイル2と平行に形成されている。電流補正手段4は、外部の磁界による誘導起電力によって第2のコイル3を流れる電流を基に、外部の磁界による誘導起電力によって第1のコイル2を流れる電流の影響を抑制する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電路を流れる電流を検出する技術に関するものであり、特に、外部の磁界の影響を抑制して電流を検出する技術に関するものである。
分電盤の主幹電路や分岐電路などの電流量を計測する際に、非接触型の電流センサを用いて電流の計測が行われることがある。電路の電流を検出する非接触型の電流センサは、例えば、電路の内部を通過する電流により発生する磁束を収束する磁性体と、磁性体に巻かれたコイルによって構成されている。そのような構成の電流センサを用いて電路の電流を計測する場合には、電路を流れる電流による電磁誘導によって磁性体に巻かれたコイルに発生する誘導起電力を検出することで、電路を流れる電流の計測が行われる。
分電盤等の内部には、多数の電路や機器が備えられていることが多い。そのため、分電盤等の内部の電路の電流を測定する際に用いる電流センサの大きさはできるだけ抑制されていることが望ましい。分電盤等の内部で各電路を流れる電流を計測するためには、各電路にそれぞれ電流センサの取り付けが行われるが、分岐電路のように電路が密に配置されていると隣接する電路と電流センサが接近する。隣接する電路と電流センサが接近すると、隣接する電路を流れる電流によって誘導ノイズが発生し、計測対象の電路の計測精度が低下する恐れがある。また、隣接する電路を流れる電流による誘導ノイズによって、計測対象の電路には電流が流れていないにも関わらず、電流が検出される恐れがある。
隣接する電路による誘導ノイズを抑えるためには、電流センサを隣接する電路から離す方法も考えられ得るが、分電盤等の内部では設置場所の制約があることも多い。そのため、隣接する電路と接近していても、隣接する電路からの誘導ノイズの影響を受けずに、計測対象の電路に流れる電流を正確に計測できることが望ましく、関連する技術の開発が行われている。そのような、隣接する電路からの誘導ノイズの影響を受けずに、計測対象の電路に流れる電流を正確に計測する技術としては、例えば、特許文献1のような技術が開示されている。
特許文献1は、電路を流れる電流を検出する非接触型の電流検出用コイルに関するものである。特許文献1の電流検出用コイルは、中心部に計測対象の電路が通過する開口部を有する円形の絶縁基板と、絶縁基板の両面に放射状に形成された導電部を備えている。特許文献1の電流検出用コイルでは、基板の表面側と裏面側の導電部が円の中心側と外周側に形成されたスルーホールで接続され、基板の表面側と裏面側の導電部でコイルを形成している。また、特許文献1の電流検出用コイルでは、戻り方向と進み方向の互いに向きが逆となる2つのコイルが形成されるように導電部およびビアが形成されている。特許文献1では、互いに向きが逆な2つのコイルによって外部磁界の影響を打ち消すことができるので、電流の検出精度を向上することができるとしている。
特開2007−155427号公報
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の電流検出センサでは、円状の絶縁基板上の中心部と外周部の間でコイルを形成している。そのため、特許文献1の電流検出センサでは所定の径のコイルを形成するためには円状の基板の径を大きくする必要があるため、計測対象となる電路の円周方向の大きさを十分に抑制することはできない。また、特許文献1の電流検出センサにおいて基板の径が大きくなると、電路の円周方向に電流検出センサを設置する空間が必要となり、電路が密に配置されているときには、電流検出センサを設置できず設置の自由度が低下する。そのため、特許文献1は、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測する技術としては十分ではない。
本発明は、上記の課題を解決するため、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる電流検出器を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の電流検出器は、磁性体と、第1のコイルと、第2のコイルと、電流補正手段を備えている。磁性体は、内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する。第1のコイルは、磁性体の空間を通るように形成され、電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる。第2のコイルは、第1のコイルと同形であり、第1のコイルが形成する平面に対し垂直方向から見た位置が第1のコイルと一致するように、第1のコイルと平行に形成されている。電流補正手段は、外部の磁界による誘導起電力によって第2のコイルを流れる電流を基に、外部の磁界による誘導起電力によって第1のコイルを流れる電流の影響を抑制する。
本発明の電流検出方法は、内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する磁性体の空間を通るように、電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる第1のコイルを形成する。本発明の電流検出方法は、第1のコイルと同形の第2のコイルを、第1のコイルが形成する平面に対し垂直方向から見た位置が第1のコイルと一致するように、第1のコイルと平行に形成する。本発明の電流検出方法は、外部の磁界による誘導起電力によって第2のコイルを流れる電流を基に、外部の磁界による誘導起電力によって第1のコイルを流れる電流の影響を抑制する。
本発明によると、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第2の実施形態の電流センサの構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の電流センサの構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態において、外部の電路を流れる電流によって生じる磁界の例を示した図である。 本発明の第2の実施形態におけるコイルを流れる電流波形の例を示した図である。 本発明と比較した構成におけるコイルを流れる電流波形の例を示した図である。 本発明の第2の実施形態の電流検出システムを電路に取り付けた場合の例を示した図である。 本発明の第3の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第3の実施形態の電流センサの構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態における外部の電路を流れる電流によって生じる磁界の例を示した図である。 本発明の第3の実施形態におけるコイルを流れる電流波形と電流からの変換後の電圧波形の例を示した図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の電流検出器の構成の概要を示したものである。本実施形態の電流検出器は、磁性体1と、第1のコイル2と、第2のコイル3と、電流補正手段4を備えている。磁性体1は、内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する。第1のコイル2は、磁性体1の空間を通るように形成され、電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる。第2のコイル3は、第1のコイル2と同形であり、第1のコイル2が形成する平面に対し垂直方向から見た位置が第1のコイル2と一致するように、第1のコイル2と平行に形成されている。電流補正手段4は、外部の磁界による誘導起電力によって第2のコイル3を流れる電流を基に、外部の磁界による誘導起電力によって第1のコイル2を流れる電流の影響を抑制する。
本実施形態の電流検出器は、計測対象の電路を流れる電流を、電路を流れる電流によって生じる磁界を磁性体1によって収束させ、磁性体1の間を通るように形成された第1のコイル2で検出することができる。また、本実施形態の電流検出器では、第1のコイル2と同じ位置で平行になるように同形の第2のコイル3が形成されている。本実施形態の電流検出器では、第1のコイル2と第2のコイル3が同形で平行に形成されているので、設置するために必要な空間を抑制することができる。
また、本実施形態の電流検出器は、外部の磁界による誘導起電力によって第2のコイル3を流れる電流を基に、外部の磁界による誘導起電力によって第1のコイル2を流れる電流の影響を抑制する電流補正手段4を備えている。そのため、本実施形態の電流検出器を用いることで、計測対象とは異なる他の電路を流れる電流によって生じる外部の磁界の影響を抑制し、第1のコイル2を流れる電流を検出することができる。本実施形態の電流検出器では、外部の磁界の影響を抑制し、第1のコイル2を流れる電流を検出することで電路を流れる電流を計測する際の精度の低下を抑制することができる。その結果、本実施形態の電流検出器は、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の電流検出システムの構成の概要を示したものである。本実施形態の電流検出システムは、電流センサ10と、電流計測器30を備えている。本実施形態の電流検出システムは、電路100に流れる電流を電流センサ10および電流計測器30を用いて計測するシステムである。
電流センサ10の構成について説明する。図3および図4は、本実施形態の電流センサ10の構成の概要を示したものである。図3は、電路100の長軸方向に向かって電流センサ10を見た場合の断面図である。また、図4は、電路100の長軸方向に垂直な方向から電流センサ10を見た場合の図である。
電流センサ10は、コア11と、第1のコイル12と、第2のコイル13と、第1の端子14と、第2の端子15と、接続部16と、接続部17を備えている。本実施形態の電流センサ10は、コア11の間を通っている電路100に流れる電流を、第1の端子14および第2の端子15に接続された電流計測器30で測定する際に用いるセンサである。
コア11は、電路100の周囲を取り囲むように備えられている。すなわち、電路100は、コア11の中心部に形成された空間を通過する。コア11は、磁性体によって形成されている。コア11は、電路100に電流が流れた際に、電路100に周りに発生する磁界を収束させる磁性体である。コア11は、例えば、鉄を用いて形成することができる。コア11は、その他の磁性を有する材料によって形成してもよい。コア11と、第1のコイル12の間は、絶縁材によって絶縁されている。コア11と第2のコイル13の間も絶縁されている。また、本実施形態のコア11は、第1の実施形態の磁性体1に相当する。
第1のコイル12は、電路100に電流が流れた際に、コア11に収束された磁界による電磁誘導によって誘導起電力を発生させるコイルである。本実施形態の電流検出システムは、電路100に電流が流れた際に、誘導起電力によって第1のコイル12に流れる電流を検出することで電路100に流れている電流を計測する。
第1のコイル12は、コア11の中心部の穴を通過するように電線が円状に巻かれたコイルである。本実施形態では、第1のコイル12は、コア11の中心部をN回通過するように巻かれている。Nは、整数である。
第1のコイル12の巻き終わり側の端部は、第1の端子14として電流計測器30と接続される。第1のコイル12の巻き初め側の端部は、第2のコイル13の巻き初め側と接続部17を介して接続されている。本実施形態において第1のコイル12の巻き初め側とは、電線が巻かれて形成されているコイルの厚み方向のうち第2のコイル13側のことをいう。また、本実施形態において第1のコイル12の巻き終わり側とは、電線が巻かれて形成されているコイルの厚み方向のうち第2のコイル13とは反対側のことをいう。また、本実施形態の第1のコイル12は、第1の実施形態の第1のコイル2に相当する。
第2のコイル13は、隣接する電路に電流が流れた際に生じる誘導ノイズを検出するコイルである。第2のコイル13は、第1のコイル12と同一の径の円状に電線が巻かれたコイルである。第2のコイル13は、第1のコイル12の円状の部分と第2のコイル13の円状の部分が互いに平行になるように形成されている。第2のコイル13は、第1のコイル12とは逆向きにN回巻かれた円を形成している。第2のコイル13の円状の部分は、コア11の間を通過しない。
逆向きとは、第1のコイル12および第2のコイル13の円状の部分に平行な平面に対し、垂直方向のいずれか一方から見た場合に、第1のコイル12および第2のコイル13の円状部分の巻かれている方向が互いに逆向きのことをいう。例えば、垂直方向のいずれか一方から見た場合に、第1のコイル12の電線が巻き初め側から巻き終わり側に向かって反時計回りに巻かれているとき、第2のコイル13の電線は、巻き初め側から巻き終わり側に向かって時計回りに巻かれている。本実施形態において第2のコイル13の巻き初め側とは、電線が巻かれて形成されているコイルの厚み方向のうち、第1のコイル12とは反対側のことをいう。また、本実施形態において第2のコイル13の巻き終わり側とは、電線が巻かれて形成されているコイルの厚み方向のうち第1のコイル12側のことをいう。
第2のコイル13の円状部分は、垂直方向から見たときに、第1のコイル12の円状部分の位置と重なるように、第1のコイル12に近接して備えられている。第2のコイル13の巻き初め側の端部は、第2の端子15として電流計測器30と接続される。また、第2のコイル13の巻き終わり側の端部は、第1のコイル12の巻き終わり側と接続部16を介して接続されている。また、本実施形態の第2のコイル13は、第1の実施形態の第2のコイル3に相当する。
本実施形態の第1のコイル12のよび第2のコイル13のコイル部分、すなわち、電線が巻かれた部分は、互いに同形状である。同形状とは、第1のコイル12および第2のコイル13のコイル部分に平行な平面へのそれぞれの正射影の形状が、ほぼ一致することをいう。また、第2のコイル13は、第1のコイル12および第2のコイル13のコイル部分に平行な平面へのそれぞれの正射影が、ほぼ一致するように配置されている。第1のコイル12および第2のコイル13のコイル部分は、正円でもよく、また、楕円形でもよい。また、第1のコイル12および第2のコイル13のコイル部分は、長方形や正方形の形状に巻かれていてもよい。
第1のコイル12と第2のコイル13は、互いにコイルが接触しないように構造材によって支えられていてもよい。そのような構成とする場合には、電路100の磁界が遮蔽されないように構造材が形成される。また、構造材で支える場合には、隣接する電路からの磁界によって第1のコイル12と第2のコイル13に生じる誘導起電力が、第1のコイル12と第2のコイル13において等しくなるように構造材が形成される。
第1の端子14は、第1のコイル12の巻き終わり側の端部に備えられ、電流計測器30と第1のコイル12および第2のコイル13を接続する際の端子として用いられる。また、第1の端子14は、第2のコイル13の巻き終わり側の端部と接続部16を介して電気的に接続されている。
第2の端子15は、第2のコイル13の巻き初め側の端部に備えられ、電流計測器30と第1のコイル12および第2のコイル13を接続する際の端子として用いられる。また、第2の端子15は、第1のコイル12の巻き初め側の端部と接続部17を介して電気的に接続されている。
接続部16は、第2のコイル13の巻き終わり側と、第1の端子14の間を電気的に接続している。すなわち、第1のコイル12の巻き終わり側、第2のコイル13の巻き終わり側および第1の端子14は、電気的に接続されている。
接続部17は、第1のコイル12の巻き初め側と、第2の端子15の間を電気的に接続している。すなわち、第1のコイル12の巻き初め側、第2のコイル13の巻き初め側および第2の端子15は、電気的に接続されている。また、本実施形態の接続部16および接続部17は、第1の実施形態の電流補正手段4に相当する。
第1のコイル12、第2のコイル13、第1の端子14、第2の端子15、接続部16および接続部17は、銅を用いて形成されている。また、本実施形態の第1のコイル12および第2のコイル13のコイルに用いられる電線は、同径の電線が用いられている。第1のコイル12、第2のコイル13、第1の端子14、第2の端子15、接続部16および接続部17は、銅の合金や、他の金属を用いて形成されていてもよい。
電流計測器30は、第1の端子14と第2の端子15の間を流れる電流値を基に、電路100に流れる電流を計測する機能を有する。電流計測器30は、第1の端子14と第2の端子15の間を流れる電流値と、電路100を流れる電流の電流値の関係をあらかじめ保存している。電流計測器30は、第1の端子14と第2の端子15の間を流れる電流を計測し、第1の端子14と第2の端子15の間を流れる電流の電流値を基に電路100を流れる電流の電流値を算出する。電流計測器30が算出した電流値は、表示装置等に出力されて表示される。
本実施形態の電流センサの動作について説明する。図5は、本実施形態の電流検出システムが、計測対象の電路100に取り付けられ、電路100および電流センサ10の近傍に、電流センサ10に隣接する電路200が存在する場合の例を模式的に示したものである。以下では、電路100の近傍に形成されている電路200に、図5の手前から奥に向かって電流が流れている場合を例に説明する。
隣接する電路200に手前から奥に向かって電流が流れている場合に、電路200の周りに右周りの同心円状の磁界が発生する。図5の点線は、電路200の周りの磁界を模式的に示したものである。電路200の周りに磁界が発生すると、第1のコイル12および第2のコイル13の内部を発生した磁束が通過する。
第1のコイル12および第2のコイル13を通過する磁束の数は、2つのコイルが同形状で、互いにコイルの部分の位置が一致するように平行に近接しているため、ほぼ等しい。また、第1のコイル12および第2のコイル13は、互いに逆向きにそれぞれN回巻かれたコイルである。そのため、電路200の磁界による電磁誘導によって第1のコイル12に発生する電流をIとすると、第2のコイル13には、−Iの電流が発生する。
本実施形態の第1の端子14は、第1のコイル12の巻き終わり部分に形成され、第2のコイル13の巻き終わり部分と接続部16を介して電気的に接続している。また、第2の端子15は、第2のコイル13の巻き初め部分に形成され、第1のコイル12の巻き初め部分と接続部17を介して電気的に接続している。そのため、第1の端子14および第2の端子15では、第1のコイル12および第2のコイル13から正負が逆で絶対値が等しい電流が合波される。よって、電路200の磁界による電磁誘導によって第1のコイル12と第2のコイル13にそれぞれ流れる電流は互いに打ち消し合う。第1のコイル12と第2のコイル13にそれぞれ流れる電流が互いに打ち消し合うため、第1の端子14および第2の端子15において、電路200の磁界が発生しても電流の変化はない。そのため、電路200の磁界による誘導ノイズによる電流の発生を抑えることができる。
本実施形態の電流検出システムでは、第1の端子14および第2の端子15の間の電流を電流計測器30で計測することで、隣接する電路から生じる誘導ノイズの影響を抑えて、電路100を流れる電流を検出することができる。
図6は、隣接する電路に電流が流れている際に、本実施形態の第1のコイル12および第2のコイル13に流れる電流の例を示したものである。図6の例は、電路100には電流が流れていない状態を示している。図6の最上段は、隣接する電路、すなわち、電路200を流れる電流による電磁誘導によって第1のコイル12に流れる電流の例を示している。また、図6の中段は、隣接する電路を流れる電流による電磁誘導によって第2のコイル13に流れる電流の例を示している。図6の下段は、図6の最上段および中段のように第1のコイル12および第2のコイル13に電流が流れている際に、第1の端子14と第2の端子15の間に流れる電流の例を示している。
本実施形態の第1のコイル12および第2のコイル13は、巻き数が同数で、巻き方向が逆の同形状のコイルであり互いに平行に近接しているため、第1のコイル12および第2のコイル13には、正負が逆で電流の絶対値が等しい電流が流れる。そのため、第1のコイル12および第2のコイル13が互いに電気的に接続されている第1の端子14および第2の端子15では、隣接する電路を流れる電流による電磁誘導によって第1のコイル12および第2のコイル13に流れている電流が互いに打ち消し合う。そのような状態では、第1の端子14および第2の端子15の間には、電流が流れない。
図6の下段は、第1のコイル12および第2のコイル13に流れている電流が互いに打ち消し合って、第1の端子14および第2の端子15の間を流れる電流が0になっている例を示している。本実施形態の電流検出システムでは、隣接する電路を流れる電流による電磁誘導によって生じる電流を打ち消した状態で、計測対象の電路100を流れる電流を検出することができる。そのため、本実施形態の電流検出システムでは隣接する電路による誘導ノイズの影響を抑制して計測対象の電路100を流れる電流を検出することができる。
図7は、本実施形態の電流センサ10との比較として、第2のコイル13に相当するコイルが形成されていない構造の電流センサにおいて、コアに巻かれたコイルに流れる電流の例を示したものである。図7の上段は、隣接する電路を流れる電流による電磁誘導によってコアに巻かれたコイルに流れる電流の波形を示している。また、図7の下段は、隣接する電路を流れる電流による電磁誘導によってコアに巻かれたコイルに電流が流れた際に、コイルの端子間に流れる電流の例を示している。図7の例では、本実施形態の第2のコイル13に相当するコイルが無いため、コイルに流れた電流が端子間においてそのまま検出されている。そのため、隣接する電路に流れた電流による誘導ノイズの影響がコイルに生じている。以上、図6および図7に示すように、第2のコイル13に相当するコイルが無い場合には隣接する電路を流れる電流による誘導ノイズが検出されるのに対し、本実施形態の電流センサ10では誘導ノイズは検出されない。そのため、本実施形態の電流センサ10を用いることで隣接する電路の誘導ノイズの影響を抑えて、計測対象の電路100の電流を正確に検出することができる。
図8は、本実施形態の電流センサ10および電流計測器30を、分岐電路101および主幹電路102を備えた分電盤の各電路に取り付けた例を示した図である。図8の例では、3組の電流センサ10および電流計測器30が分岐電路101および主幹電路102に取り付けられている。それぞれの電流センサ10は、電路101または電路102の電流を計測するためのセンサである。図8の例では、電流計測器30を電流センサ10の横方向に図示したが、2本の分岐電路101で形成される面に対して垂直方向に配置してもよい。また、電流センサ10および電流計測器30は、他の基板と重なるように配置されていてもよい。
本実施形態の電流センサ10は、2つのコイルが近接して平行に形成されているため、2つのコイルの平面が図8の2本の分岐電路101で形成される面に対して垂直になるようにコイルを配置することで、隣接する電路の間隔を狭くすることができる。また、実施形態の電流検出システムでは、電流センサ10ごとに電流検出器30を備えているが、複数の電流センサ10から引き出された配線を1つの電流検出器に接続して、それぞれの電流センサ10の電流の計測を行う構成としてもよい。
本実施形態の電流検出システムでは、電路100に設置された電流センサ10の第1のコイル12によって、電路100に流れる電流を検出することができる。また、本実施形態の第1のコイル12は、電線の巻き数が同じで、電線の巻き方向が逆の同形状の第2のコイル13と位置がほぼ一致するように平行に形成されている。本実施形態の第1のコイル12は、第2のコイル13と巻き初めの部分と巻き終わりの部分でそれぞれ電気的に接続されている。そのため、隣接する電路等の外部からの磁場によって第1のコイル12および第2のコイル13にそれぞれ生じる電流は、互いに打ち消し合う。よって、本実施形態の電流検出システムでは、第1のコイル12に流れる電流を検出することで、外部の磁場の影響を抑制して計測対象の電路100に流れる電流を検出することができる。すなわち、本実施形態の電流検出システムでは、外部の磁場の影響を受けずに、計測対象の電路100に流れる電流を検出することができる。
また、本実施形態の電流検出システムの電流センサ10の第1のコイル12および第2のコイル13は、互いに平行に位置がほぼ一致するように形成されている。そのため、外部の磁場の影響を抑制するための第2のコイル13の大きさのために、電流センサ10が大きくなる状態を抑制することができる。よって、本実施形態の電流センサ10は、計測対象の電路100に設置する際の制約が少ない。以上より、本実施形態の電流検出システムは、外部の磁場の影響による誘導ノイズの影響を抑制し、電路100を流れる電流の電流値を正確に計測することができる。また、本実施形態の電流検出システムは、電流センサ10の大きさを抑制することができるので、設置する際の自由度が高い。その結果、本実施形態の電流検出システムは、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図9は本実施形態の電流検出システムの構成の概要を示したものである。本実施形態の電流検出システムは電流センサ20と、電流計測器40を備えている。第2の実施形態の電流検出システムでは、同巻き数の2つのコイルを接続して隣接する電路を流れる電流による誘導起電力によって生じる電流を互いに打ち消していた。本実施形態の電流検出システムは、巻き数が互いに異なる2つのコイルに流れる電流を、別々に検出し誘電ノイズの影響を巻き数に応じて補正して除去することを特徴とする。
電流センサ20の構成について説明する。図10は、本実施形態の電流センサ20の構成の概要を示したものである。電流センサ20は、コア21と、第1のコイル22と、第2のコイル23と、第1の端子24と、第2の端子25と、第3の端子26と、第4の端子27を備えている。
コア21は、第2の実施形態のコア11と同様の構造および機能を有する。コア21は、電路100の周囲を取り囲むように備えられている。コア21は、第2の実施形態と同様の磁性体によって形成されている。また、コア21と、第1のコイル22および第2のコイル23の間はそれぞれ絶縁されている。
第1のコイル22は、電路100に電流が流れた際に、コア21に収束された磁界による電磁誘導によって誘導起電力を発生させるコイルである。第1のコイル22は、電路100に流れる電流を電流計測器40で計測する際に用いられる。
第1のコイル22は、コア21の中心部の穴を通過するように円状に巻かれたコイルである。本実施形態では、第1のコイル22は、コア21の中心部をN回通過するように巻かれている。Nは、整数である。第1のコイル22は、両端に第1の端子24および第2の端子25が形成されている。第1の端子24および第2の端子25は、電流計測器40と接続されている。
第2のコイル23は、隣接する電路に電流が流れた際に生じる誘導ノイズを検出するコイルである。第2のコイル23は、第1のコイル22と同一の径の円状で、第1のコイル22と逆向きに巻かれたコイルである。第2のコイル23は、第1のコイル22の円状の部分と第2のコイル23の円状の部分が互いに平行になるように形成されている。第2のコイル23は、第1のコイル22とは逆向きにN/Y回巻かれた同心円を形成している。Yは、Nの約数である。第2のコイル23の円状に巻かれた部分は、コア21の間を通過しない。
第2のコイル23の円状の部分、すなわち、電線が巻かれたコイル部分は、コイル部分が形成する平面に対して垂直方向から見たときに、第1のコイル22の円状の部分の位置と重なるように、第1のコイル22に近接して備えられている。第2のコイル23は、両端に第3の端子26および第4の端子27が形成されている。第3の端子26および第4の端子27は、電流計測器40と接続されている。
第1のコイル22および第2のコイル23のコイル部分は、正円でもよく、また、楕円形でもよい。また、第1のコイル22および第2のコイル23のコイル部分は、長方形や正方形の形状に巻かれていてもよい。
第1のコイル22と第2のコイル23は、互いにコイルが接触しないように構造材によって支えられていてもよい。そのような構成とする場合には、電路100の磁界が遮蔽されないように構造材が形成される。また、構造材で支える場合には、隣接する電路等からの磁界によって第1のコイル22と第2のコイル23に生じる誘導起電力が、第1のコイル22と第2のコイル23において等しくなるように構造材が形成される。
第1の端子24は、第1のコイル22の巻き終わり側に形成されている。また、第2の端子25は、第1のコイル22の巻き初め側に形成されている。第1のコイル22の巻き初め側と巻き終わり側の方向は、第2の実施形態と同様である。第1の端子24および第2の端子25は、電流計測器40の信号増幅部41に接続されている。
第3の端子26は、第2のコイル23の巻き終わり側に形成されている。また、第4の端子27は、第2のコイル23の巻き初め側に形成されている。第2のコイル23の巻き初め側と巻き終わり側の方向は、第2の実施形態と同様である。第3の端子26および第4の端子27は、電流計測器40の誘導ノイズ増幅部42に接続されている。
第1のコイル22、第2のコイル23、第1の端子24、第2の端子25、第3の端子26および第4の端子27は、銅を用いて形成されている。本実施形態の第1のコイル22および第2のコイル23のコイルを形成する電線は、同径の電線が用いられている。第1のコイル22および第2のコイル23のコイルを形成する電線には、異なる径の電線を用いてもよいが、そのような構成の場合には、電線の径に基づいて信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42の増幅率の設定が行われる。第1のコイル22、第2のコイル23、第1の端子24、第2の端子25、第3の端子26および第4の端子27は、銅の合金や、他の金属を用いて形成されていてもよい。
電流計測器40の構成について説明する。電流計測器40は、信号増幅部41と、誘導ノイズ増幅部42と、信号処理部43を備えている。
信号増幅部41は、第1のコイル22に流れる電流を電圧信号に変換し、電圧を増幅して出力する機能を有する。信号増幅部41は、第1のコイル22の第1の端子24および第2の端子25と接続されている。信号増幅部41は、第1の端子24および第2の端子25の間を流れる電流信号を電圧信号に変換する。信号増幅部41は、電圧信号の電圧を所定の倍数となるように増幅する。本実施形態では、所定の倍数はA倍であるとする。Aは、正の数である。信号増幅部41は、増幅した電圧信号を信号処理部43に出力する。
誘導ノイズ増幅部42は、第2のコイル23に流れる電流を電圧信号に変換し、電圧を増幅して出力する機能を有する。誘導ノイズ増幅部42は、第2のコイル23の第3の端子26および第4の端子27と接続されている。誘導ノイズ増幅部42は、第3の端子26および第4の端子27の間を流れる電流信号を電圧信号に変換する。誘導ノイズ増幅部42は、電圧信号の電圧をA×Y倍となるように増幅する。誘導ノイズ増幅部42は、増幅した電圧信号を信号処理部43に出力する。
信号処理部43は、信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42からそれぞれ入力される電圧信号を基に、電路100を流れる電流値を算出する機能を有する。信号処理部43は、信号増幅部41から入力される電圧信号の電圧値を、誘導ノイズ増幅部42から入力される電圧信号を基に補正する。例えば、信号処理部43は、信号増幅部41から入力される電圧信号の電圧値から誘導ノイズ増幅部42から入力される電圧信号を合波することで電圧値を補正する。信号増幅部41から入力される電圧信号と誘導ノイズ増幅部42から入力される電圧信号を合波することで、出力される電圧信号の振幅は、誘導ノイズに相当する成分を補正した電流値、すなわち、電路100の電流値に対応する。
信号処理部43は、補正した電圧信号の振幅の最大値から電圧値を算出し、電圧値を基に、電路100を流れる電流値を算出する。信号処理部43は、電路100を流れる電流値と、第1のコイル22に生じる電流値および信号増幅部41で変換される電圧信号の電圧値との関係をあらかじめ保存している。信号処理部43は、電路100を流れる電流値を算出すると、算出した電流値のデータを表示装置等に出力する。信号処理部43が算出した電流値のデータは、無線送信等で他の装置に送られてもよい。また、信号処理部43が算出した電流値のデータは、時間データとともに保存されるようにしてもよい。また、信号処理部43が算出した電流値が所定の範囲外となったときに、警報を示す信号が出力されるようにしてもよい。
本実施形態の電流検出システムの動作について説明する。図11は、本実施形態の電流検出システムの電流センサ20が計測対象の電路100に取り付けられ、電路100の近傍に、電流センサ20に隣接する電路200が存在する場合の例を模式的に示したものである。以下では、電路100の近傍に形成されている電路200に、図10の手前から奥に向かって電流が流れている場合を例に説明する。図11の点線は、電路200に流れる電流によって生じる磁界を模式的に示したものである。
電路200に手前から奥に向かって電流が流れている場合に、電路200の周りに右周りの同心円状の磁界が発生する。電路200の周りに磁界が発生すると、第1のコイル22および第2のコイル23の内部を発生した磁束が通過する。第1のコイル22および第2のコイル23を通過する磁束の数は、2つのコイルが同形状で位置がほぼ一致するように平行に近接したコイルのため、ほぼ等しい。
第1のコイル22および第2のコイル23は、N回およびN/Y回巻かれたコイルである。また、第1のコイル22および第2のコイル23は、互いに逆向きに巻かれたコイルである。そのため、電路200の磁界による電磁誘導によって第1のコイル22に発生する電流をIとすると、第2のコイル23には、−I/Yの電流が発生する。
第1のコイル22に流れる電流は、第1の端子24および第2の端子25に接続されている信号増幅部41に入力される。信号増幅部41は、第1のコイル22を流れる電流を第1の端子24および第2の端子25を介して検出し、電流信号を電圧信号に変換する。信号増幅部41によって変換された電圧信号の最大値は、第1のコイル22を流れる電流値の絶対値に相当する値である。電圧信号に変換すると、信号増幅部41は、電圧信号の電圧値をA倍に増幅して、信号処理部43に出力する。
また、第2のコイル23に流れる電流は、第3の端子26および第4の端子27に接続されている誘導ノイズ増幅部42に入力される。誘導ノイズ増幅部42は、第2のコイル23を流れる電流を第3の端子26および第4の端子27を介して検出し、電流信号を電圧信号に変換する。誘導ノイズ増幅部42によって変換された電圧信号の最大値は、第2のコイル23を流れる電流値の絶対値に相当する値である。電圧信号に変換すると、誘導ノイズ増幅部42は、電圧信号の電圧をA×Y倍に増幅して、信号処理部43に出力する。信号増幅部41において、電圧信号がA倍に増幅され、誘導ノイズ増幅部42において、電圧信号がA×Y倍に増幅されることで、第1のコイル22と第2のコイル23のコイルの巻き数の差が補正される。
信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42からそれぞれ電圧信号が入力されると、信号処理部43は、誘導ノイズ増幅部42から入力された電圧信号を基に、信号増幅部41から入力された電圧信号を補正する。本実施形態では、信号処理部43は、信号増幅部41から入力された電圧信号と誘導ノイズ増幅部42から入力された電圧信号を合波することで補正を行う。
誘導ノイズ増幅部42から入力された電圧信号を基に、信号増幅部41から入力された電圧信号を補正すると、信号処理部43は、補正した電圧信号の最大値を基に、電路100を流れる電流の電流値を算出する。電路100を流れる電流の電流値を算出すると、信号処理部43は、電路100を流れる電流の電流値の情報を表示装置等に出力する。作業者は、表示装置等に表示される電流値の情報を基に、電路100を流れている電流の電流値の情報を得ることができる。
また、信号処理部43は、信号増幅部41と誘導ノイズ増幅部42から入力された電圧信号の差を基に、誘導ノイズの大きさを算出する機能を有していてもよい。誘導ノイズの大きさを算出する機能を有することで、電路100に対する周辺の電路200の影響を推定することが可能になる。
図12は、隣接する電路に電流が流れている際に、本実施形態の第1のコイル22および第2のコイル23に流れる電流、および、電流計測器40で電圧に変換された後の電圧波形の例を示したものである。図12は、計測対象の電路100には電流が流れていない状態を示している。
図12の最上段のグラフは、隣接する電路に流れる電流の誘導起電力によって第1のコイル22に流れる電流の波形を示している。また、図12の上から2番目のグラフは、隣接する電路に流れる電流の誘導起電力によって第2のコイル23に流れる電流の波形を示している。第1のコイル22がN回巻かれたコイルであるのに対し、第2のコイル23は、逆向きにN/Y回巻かれたコイルであるため、第2のコイル23には、第1のコイル22に流れる電流の1/Yの電流が流れている。図12の上から3番目および4番目のグラフは、第1のコイル22および第2のコイル23に流れる電流信号を信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42において電圧信号に変換した後の、電圧の波形を示している。
図12の上から5番目および最下段のグラフは、信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42において電圧信号に変換した電圧信号をそれぞれ増幅した後の電圧の波形を示している。信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42では、コイルの巻き数を補正するように増幅が行われるため、増幅後の電圧波形は図12の上から5番目および最下段のグラフに示す通り位相が逆で振幅が等しい信号を示している。信号処理部43で2つの信号を合波すると、2つの信号が互いに位相が逆で振幅が等しい信号のため、合波後の信号の電圧は0となる。そのため、隣接する電路に流れる電流の誘導起電力によって第1のコイル22および第2のコイル23に流れる電流の影響が打ち消されている。このような状態で、計測対象の電路100に流れる電流を計測することで、本実施形態の電流検出システムでは、隣接する電路を流れる電流によって生じる誘導ノイズの影響を抑制し、計測対象の電路の電流を検出することができる。
また、上記の例では、本実施形態の信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42から電圧信号は、アナログ信号として信号処理部43に出力されている。そのような構成に代えて、信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42または信号処理部43において、アナログ信号からデジタル信号への変換が行われた後に信号の処理および電流値の算出が行われる構成としてもよい。
本実施形態の電流検出システムの電流センサ20は、第2の実施形態の電流センサ10と同様に互いに平行に形成された第1のコイル22および第2のコイル23によって構成されている。また、本実施形態の電流検出システムは、第1のコイル22および第2のコイル23のコイルの巻き数の差を、電流計測器40の信号増幅部41および誘導ノイズ増幅部42において信号を増幅することで補正している。そのため、本実施形態の電流検出システムの電流センサ20は、第2のコイル23の巻き数を減らすことができるのでより小型化を行うことができる。よって、本実施形態の電流検出システムの電流センサ20は、大きさをより抑制しつつ、隣接する電路から生じる磁場等の外部の磁場の影響を抑制することができる。
また、本実施形態の電流検出システムでは、電流計測器40の誘導ノイズ増幅部42における増幅度の設定値を調整することで、除去する誘導ノイズの量を調整することができる。そのため、本実施形態の電流検出システムは、電流計測器40の誘導ノイズ増幅部42における増幅度を適切に設定することで、除去する誘導ノイズの量を最適化し、電路100を流れる電流の計測の精度を向上することができる。その結果、本実施形態の電流検出システムは、設置の自由度を維持しつつ、外部の磁界の影響を受けずに計測対象の電路に流れる電流を正確に計測することができる。
第2の実施形態では、電流センサの2つのコイルは、コイルの平面に対して垂直方向から見た際に電線が巻かれている向きが互いに逆になるように形成されていた。そのような構成に代えて、電流センサの2つのコイルの電線が巻かれている向きを同方向としてもよい。電線が巻かれている向きを同方向とした場合には、第1のコイルの巻き初め側と第2のコイルの巻き終わり側、第1のコイルの巻き終わり側と第2のコイルの巻き初め側を電気的に接続することで、隣接する電路からの誘導ノイズの影響を抑制することができる。
また、第3の実施形態においても、同様に、電流センサの2つのコイルの電線が巻かれている向きを同方向としてもよい。第3の実施形態において、2つのコイルの電線が巻かれている向きを同方向する場合は、信号増幅回路または誘導ノイズ増幅回路のいずれか一方の出力信号の正負を反転させる構成とすることで、隣接する電路からの誘導ノイズの影響を抑制することができる。2つのコイルの間で、電線の巻かれている方向をそろえることで、2つのコイルの端子間が狭くなる状態を避けることができ、設計や製造が容易になる。
第3の実施形態では、電流センサの2つのコイルのうち、コアの磁性体に巻かれている第1のコイル22の方が、誘導ノイズを抑制するための第2のコイル23よりも電線の巻き数が多い構造の例を示した。そのような構成に代えて、コアの磁性体に巻かれているコイルの方が、誘導ノイズを抑制するためのコイルよりも電線の巻き数が多い構造としてもよい。そのような構成とする場合には、コアに巻かれているコイルの端子間で検出される電流信号から変換された電圧信号の増幅倍率を、巻き数の差に基づいて誘導ノイズ側の倍率よりも高くすることで、誘導ノイズの影響を抑制して電流の計測を行うことができる。
1 磁性体
2 第1のコイル
3 第2のコイル
4 電流補正手段
11 コア
12 第1のコイル
13 第2のコイル
14 第1の端子
15 第2の端子
16 接続部
17 接続部
21 コア
22 第1のコイル
23 第2のコイル
24 第1の端子
25 第2の端子
26 第3の端子
27 第4の端子
30 電流計測器
40 電流計測器
41 信号増幅部
42 誘導ノイズ増幅部
43 信号処理部
100 電路
101 分岐電路
102 主幹電路
200 電路

Claims (10)

  1. 内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する磁性体と、
    前記磁性の前記空間を通るように形成され、前記電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる第1のコイルと、
    前記第1のコイルと同形であり、前記第1のコイルが形成する平面に対し垂直方向から見た位置が前記第1のコイルと一致するように、前記第1のコイルと平行に形成された第2のコイルと、
    外部の磁界による誘導起電力によって前記第2のコイルを流れる電流を基に、前記外部の磁界による誘導起電力によって前記第1のコイルを流れる電流の影響を抑制する電流補正手段と、
    を備えることを特徴とする電流検出器。
  2. 前記第1のコイルと前記第2のコイルは、互いに同じ回数巻かれた電線によって形成され、
    前記電流補正手段は、前記外部の磁界による誘導起電力によって前記第1のコイルおよび前記第2のコイルを流れる電流が互いに相殺されるように、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルを接続する手段であることを特徴とする請求項1に記載の電流検出器。
  3. 前記第1のコイルと前記第2のコイルは、前記第1のコイルと前記第2のコイルに平行な面に対して垂直な方向から見た際に、互いに逆向きに前記電線が巻かれたコイルであり、
    前記電流補正手段は、前記第1のコイルと前記第2のコイルの巻き初め側、および、前記第1のコイルと前記第2のコイルの巻き終わり側をそれぞれ接続する手段であることを特徴とする請求項2に記載の電流検出器。
  4. 前記電流補正手段によって補正された前記第1のコイルを流れる電流を検出し、前記電路を流れる電流値を計測する電流計測手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の電流検出器。
  5. 前記電流補正手段は、前記第2のコイルを流れる電流を基にした第2の信号を基に前記第1のコイルを流れる電流を基にした第1の信号を補正し、
    補正した前記第1の信号を基に、前記電路を流れる電流の電流値を算出する電流検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電流検出器。
  6. 前記第1のコイルと前記第2のコイルを形成する電線の巻き数の差に基づいて、前記第1の信号および前記第2の信号の少なくとも一方を増幅する増幅手段さらに備え、
    前記電流補正手段は、前記増幅手段から出力される前記第2の信号を基に前記第1の信号を補正し、
    前記電流検出手段は、前記電流補正手段によって前記第2の信号を基に補正された前記第1の信号に基づいて、前記電路を流れる電流の前記電流値を算出することを特徴とする請求項5に記載の電流検出器。
  7. 内部に形成された空間を通過する電路の周りの磁束を収束する磁性体の前記空間通るように、前記電路の電流の誘導起電力によって電流が流れる第1のコイルを形成し、
    前記第1のコイルと同形の第2のコイルを、前記第1のコイルが形成する平面に対し垂直方向から見た位置が前記第1のコイルと一致するように、前記第1のコイルと平行に形成し、
    外部の磁界による誘導起電力によって前記第2のコイルを流れる電流を基に、前記外部の磁界による誘導起電力によって前記第1のコイルを流れる電流の影響を抑制することを特徴とする電流検出方法。
  8. 前記第1のコイルと前記第2のコイルを、互いに同じ回数巻かれた電線によって形成し、
    前記外部の磁界による誘導起電力によって前記第1のコイルおよび前記第2のコイルを流れる電流が互いに相殺されるように、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルを接続することを特徴とする請求項7に記載の電流検出方法。
  9. 前記第2のコイルを流れる電流を基にした第2の信号を基に前記第1のコイルを流れる電流を基にした第1の信号を補正し、
    補正した前記第1の信号を基に、前記電路を流れる電流の電流値を算出することを特徴とする請求項7に記載の電流検出方法。
  10. 前記第1のコイルと前記第2のコイルを形成する電線の巻き数の差に基づいて、前記第1の信号および前記第2の信号の少なくとも一方を増幅し、
    増幅後に、前記第2の信号を基に前記第1の信号を補正し、
    前記第2の信号を基に補正された前記第1の信号に基づいて、前記電路を流れる電流の前記電流値を算出することを特徴とする請求項9に記載の電流検出方法。
JP2016002262A 2016-01-08 2016-01-08 電流検出器および電流検出方法 Active JP6669502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016002262A JP6669502B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 電流検出器および電流検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016002262A JP6669502B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 電流検出器および電流検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017122671A true JP2017122671A (ja) 2017-07-13
JP6669502B2 JP6669502B2 (ja) 2020-03-18

Family

ID=59305494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016002262A Active JP6669502B2 (ja) 2016-01-08 2016-01-08 電流検出器および電流検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6669502B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6450044B1 (ja) * 2018-05-09 2019-01-09 音羽電機工業株式会社 サージ電流検出センサ
KR20190120932A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 (주) 텔로팜 토양의 전기 전도도 측정 장치
KR20190122335A (ko) * 2018-04-20 2019-10-30 (주) 텔로팜 전기 전도도 측정용 마이크로 프로브 및 이를 구비한 전기 전도도 측정 장치
KR20190122930A (ko) * 2018-04-23 2019-10-31 (주) 텔로팜 식물 수액의 전기 전도도 및 유속 측정용 마이크로 프로브와, 이를 구비한 측정 장치
EP3605114A1 (en) * 2018-07-31 2020-02-05 Yazaki Corporation Current sensor

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190120932A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 (주) 텔로팜 토양의 전기 전도도 측정 장치
KR102143685B1 (ko) 2018-04-17 2020-08-13 (주) 텔로팜 토양의 전기 전도도 측정 장치
KR20190122335A (ko) * 2018-04-20 2019-10-30 (주) 텔로팜 전기 전도도 측정용 마이크로 프로브 및 이를 구비한 전기 전도도 측정 장치
KR102186469B1 (ko) 2018-04-20 2020-12-04 (주) 텔로팜 전기 전도도 측정용 마이크로 프로브 및 이를 구비한 전기 전도도 측정 장치
KR20190122930A (ko) * 2018-04-23 2019-10-31 (주) 텔로팜 식물 수액의 전기 전도도 및 유속 측정용 마이크로 프로브와, 이를 구비한 측정 장치
KR102186466B1 (ko) 2018-04-23 2020-12-04 (주) 텔로팜 식물 수액의 전기 전도도 및 유속 측정용 마이크로 프로브와, 이를 구비한 측정 장치
JP6450044B1 (ja) * 2018-05-09 2019-01-09 音羽電機工業株式会社 サージ電流検出センサ
EP3605114A1 (en) * 2018-07-31 2020-02-05 Yazaki Corporation Current sensor

Also Published As

Publication number Publication date
JP6669502B2 (ja) 2020-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6669502B2 (ja) 電流検出器および電流検出方法
JP4842562B2 (ja) ロゴスキ型巻線を備え完全回路を形成する部分回路の結合体を含む電流変成器
US10859605B2 (en) Current sensor and a method of manufacturing a current sensor
CN110297119B (zh) 用于测量电流的装置
JP2016001190A (ja) 平面的rfセンサ技術の強化について
CN102985838A (zh) 用于检测磁芯中的磁特征参量的方法和装置
JP2011080970A (ja) 多相電流の検出装置
JP4622839B2 (ja) ロゴスキーコイル、ロゴスキーコイル生産方法、及び、電流計測装置
JP7367100B2 (ja) 磁場勾配センサを備えた電流変換器
JP2009210406A (ja) 電流センサ及び電力量計
EP3726236A3 (en) Current sensor having a flux concentrator for redirecting a magnetic field through two magnetic field sensing elements
JP2007057494A (ja) 交流電流検出用コイル
CN111771250B (zh) 电流互感器
JP5814976B2 (ja) 電流計測装置
JP2011243773A (ja) 零相変流器
JP2005321206A (ja) 電流検出装置
JP2010048755A (ja) 電流センサ、電力量計
JP4877214B2 (ja) 電流センサ
JP5710380B2 (ja) 電流検出装置
JP2006266709A (ja) 碍子漏洩電流測定装置
CN116930589A (zh) 交直流多气隙磁阻电流传感器及电流测量方法
JP2009204415A (ja) 電流センサ及び電力量計
JP4810021B2 (ja) 位置検出装置
JP2020204524A (ja) 電流センサ及び測定装置
JP2016194483A (ja) 電流検知装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191023

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6669502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150