JP2017122366A - 擁壁用ブロック並びに擁壁及び擁壁の施工方法 - Google Patents

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【課題】施工性に優れた擁壁用ブロック並びに擁壁及びその施工方法を提供する。【解決手段】本発明のブロック11は、載置面に対して垂直方向に擁壁面を形成可能な板状前面部12と、この板状前面部12の背部側に突設した突設部13とを含み、縦横方向に積み上げ可能な擁壁用ブロックであって、突設部13が、板状前面部12と略同一の高さ及び板状前面部12よりも小さい幅を有し、突設部13内に発泡プラスチック14を収容している。【選択図】図2

Description

本発明は、ブロック積擁壁などの擁壁を施工する上で有用な擁壁用ブロック並びに擁壁用ブロックで形成された擁壁及び擁壁の施工方法に関する。
擁壁とは、土砂の崩壊を防ぐために設けられた土を支える構造物であり、土の斜面などの不安定な斜面に用地確保の目的で施工される。擁壁は、その形式がコンクリート擁壁、補強土擁壁、その他の特殊な擁壁に分類され、一般的な擁壁は、コンクリートを主体とするコンクリート擁壁である。コンクリート擁壁の形式は、さらにブロック積擁壁、重力式擁壁(例えば、もたれ式擁壁など)、片持ちばり式擁壁(例えば、L型擁壁など)などに分類される。
前記コンクリート擁壁は、例えば、以下の方法で施工される。まず、地山などの被擁面に沿って、四角錐台状に形成されたコンクリートブロックを順次縦横方向に積み上げ(積み上げ工程)、縦横方向で隣接するコンクリートブロック間に充填材(砂利、コンクリートなど)を充填する(胴込め工程)。
しかし、前記コンクリートブロックのみでは、自立して積み上げることができず、充填材を充填しつつ積み上げる必要があるため施工性が低い。また、コンクリートブロック間に前記充填材を充填しても、コンクリートブロック同士の結合力が弱く、耐震性能などが十分ではない。さらに、前記積み上げ工程及び前記胴込め工程において、コンクリートブロックの位置を正確に調整しなければならず、特殊な技能を必要とし、作業効率が低下する。
特開平7−317085号公報(特許文献1)に記載の擁壁用ブロック構造は、被擁面に沿って積み上げられているコンクリートブロックと、縦方向で隣接する両コンクリートブロック間に介設され、前記両コンクリートブロックに対して面接合する胴込めブロックとを備え、前記コンクリートブロックと胴込めブロックとの接合面に凹凸嵌合部を形成している。前記コンクリートブロックは、長方形状の板状体に形成された表面部分と、この表面部分から被擁面に向かって突出する略二等辺三角錐状に形成された裏面部分とで構成され、この裏面部分は、前記胴込めブロックと嵌合可能な嵌合突起又は嵌合凹部を備えている。前記胴込めブロックは、コンクリートブロックと相似形状を有しており、長方形状の板状体に形成された表面部と、この表面部から前方方向に突出する略二等辺三角錐状に形成された裏面部とを備えている。同文献には、胴込めブロックを樹脂製(発泡スチロール製)とすることも記載されている。同文献のブロック構造は、一方の嵌合突起と他方の嵌合凹部との嵌合により、前記コンクリートブロックと前記胴込めブロックとを、互いに位置決めしつつ積み上げることができる。
しかし、特許文献1のブロック構造では、縦方向で隣接する両コンクリートブロック間に胴込めブロックを介設する工程において、前記コンクリートブロックの表面部分と前記胴込めブロックの表面部の向きを交互にして順次積み上げる必要があり、積み上げ操作が煩雑であり施工性が低い。また、前記コンクリートブロックと前記胴込めブロックとを嵌合させることで両者を結合させており、前記嵌合のみでは、ブロック同士の結合力が十分ではない。さらに、前記コンクリートブロックと前記胴込めブロックとを嵌合させているため、被擁面に対して内側又は外側に湾曲した擁壁を施工できない。
特開平5−33355号公報(特許文献2)に記載の擁壁ブロックは、コンクリート製の平板ブロックと、この平板ブロックの背面側に接着して一体に取り付けられた発泡スチロール製の背面部材とを備えている。この背面部材により、擁壁ブロックを積み上げた後に擁壁ブロックと地盤との間に充填材(例えば、枠石或いは栗石など)を充填する必要がないため、作業に要する労力が軽減し、作業時間を短縮できる。また、発泡スチロールで形成された前記背面部材は、軽量であり水分を含まないため、設計基準そのものが軽減され、物量の低減ひいてはコスト削減が可能である。
しかし、特許文献2記載の擁壁ブロックは、平板ブロックの背面側に発泡スチロールを接着させているため、長期間に亘り使用すると、接着劣化により、発泡スチロールが平板ブロックから剥離し、平板ブロックが脱落する。そのため、擁壁ブロックは、脆弱であり、擁壁の耐久性及び安定性が劣る。また、背面部材の発泡スチロールが露出しており、有機溶剤が浸透すると溶解されるため、背面部材として機能しなくなる。また、脆弱な擁壁ブロック同士を安定に結合するために、例えば、隣接する背面部材をコ字状の鎹で連結するといった工程が必要となり、施工性が低い。さらに、特許文献2の擁壁ブロックでも被擁面に対して内側又は外側に湾曲した擁壁を施工できない。
特開平7−317085号公報(特許請求の範囲、[0021][0033][0034][0035][0037][0041]) 特開平5−33355号公報(特許請求の範囲、[0011][0014][0015])
従って、本発明の目的は、施工性に優れた擁壁用ブロック並びに擁壁及びその施工方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、単位容積当たりの重量が小さいにもかかわらず、十分な圧縮強度を有する擁壁用ブロック並びに擁壁及びその施工方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、隣接するブロック同士の結合力を強化して、長期間に亘り、擁壁の安定性が維持できる擁壁用ブロック並びに擁壁及びその施工方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、板状前面部から突設部を、前記板状前面部と略同一の高さかつ前記板状前面部よりも小さい幅で突設させ、この突設部内に発泡プラスチックを収容すると、特殊な技能を必要とせず、安定して容易にブロックを縦横方向に積み上げ可能であり、施工性に優れること、単位容積当たりの重量が小さいにもかかわらず、十分な圧縮強度を有すること、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートを打設して硬化でき、ブロック同士の結合力を強化でき、長期間に亘り、擁壁の安定性を維持できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のブロックは、載置状態において、載置面に対して垂直方向に擁壁面を形成可能な板状前面部と、この板状前面部の背部側に突設した突設部とを含み、縦横方向に積み上げ可能な擁壁用ブロックであって、前記突設部が、前記板状前面部と略同一の高さ及び前記板状前面部よりも小さい幅を有し、前記突設部内に発泡プラスチックを収容している。
前記突設部は、略直方体又は略立方体状に形成してもよい。略直方体又は略立方体状に形成すると、縦方向にブロックをより安定に積み上げることができる。
前記突設部は、横方向に隣接するブロック間に打設されて硬化する間詰コンクリートと接合する接合部を有し、この接合部には凹部又は凸部が形成されてもよい。このような凹部又は凸部を形成すると、前記間詰コンクリートと、前記凹部又は凸部とが係合又は嵌合構造を形成し、前記ブロックと前記間詰コンクリートとの結合力をより強化でき、擁壁の安定性をさらに向上できる。
前記板状前面部の少なくとも両側面には、側部方向に向かって凸となる湾曲面を有してもよい。前記両側面に湾曲面を形成すると、この湾曲面を互いに接触させてブロックを配置できるため、被擁面に対して、内側又は外側に湾曲した擁壁を形成できる。
本発明は、複数の前記ブロックが載置面に縦横方向に積み上げられ、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートが打設されて硬化したブロック構造体を備えた擁壁を含む。前記擁壁は、横方向に隣接するブロック間の載置面から鉄筋が延出し、前記ブロック間に間詰コンクリートが打設されて硬化してもよい。前記鉄筋が前記間詰コンクリートと接合することにより、前記載置面と前記ブロック構造体との結合力を強化できるため、例えば、強固なL型(垂直型)のブロック積擁壁を施工できる。
本発明は、複数の前記ブロックを載置面に縦横方向に積み上げ、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートを打設して硬化させる擁壁の施工方法を含む。
なお、本発明において、「縦方向」とは、上下方向に相当し、「横方向」とは、左右方向に相当する。
本発明は、前記突設部が、前記板状前面部と略同一の高さを有し、前記突設部内で発泡プラスチックを収容しているため、特殊な技能を必要とせず、安定して容易にブロックを縦方向に積み上げることができ、施工性に優れる。また、単位容積当たりの重量が小さいにもかかわらず、十分な圧縮強度を有する。さらに、前記突設部が、前記板状前面部よりも小さい幅を有するため、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートを打設して硬化でき、ブロック同士の結合力を強化できる。このため、長期間に亘り、擁壁の安定性を維持できる。前記間詰コンクリートとの接合部に凹部又は凸部を形成すると擁壁の安定性がさらに向上する。また、前記板状前面部の少なくとも両側面に、側部方向に向かって凸となる湾曲面を形成すると、この湾曲面を互いに接触させてブロックを配置できるため、被擁面に対して、内側又は外側に湾曲した擁壁を形成できる。
図1は、本発明の擁壁の一例を示す概略背面斜視図である。 図2は、図1の擁壁用ブロックの概略正面斜視図である。 図3は、本発明のブロックの他の一例を示す概略背面斜視図である。 図4は、本発明のブロックのさらに他の一例を示す概略背面斜視図である。 図5は、本発明のブロックのさらに他の一例を示す概略背面斜視図である。 図6は、本発明のブロックのさらに他の一例を示す概略背面斜視図である。 図7は、本発明のブロックのさらに他の一例を示す概略正面斜視図である。 図8は、本発明の擁壁の他の一例を示す概略背面斜視図である。 図9は、本発明の擁壁のさらに他の一例を示す概略背面斜視図である。
以下に、図1及び図2を参照しつつ、本発明の擁壁の一例としてL型(垂直型)のブロック積擁壁を説明する。
図1に示すL型のブロック積擁壁(擁壁)1は、地盤(図示せず)上に形成され、平坦な載置面31を有するコンクリート基礎30と、載置面31に縦横方向に積み上げられた複数の擁壁用のブロック11と、横方向に隣接するブロック11の縦列間に打設されて硬化した間詰コンクリート10とを有するブロック構造体20と、横方向に隣接するブロック11間の載置面31から延出し、硬化した間詰コンクリート10と接合している鉄筋40とを含んでいる。コンクリート基礎30にアンカー(固定)された鉄筋40が間詰コンクリート10と接合することにより、ブロック構造体20がコンクリート基礎30と一体化して安定性を保つ。なお、図1の鉄筋40における点線で示す部分は、コンクリート基礎30及び間詰コンクリート10内にあることを示している。
ブロック11は、載置面31に対して垂直な方向に延びる略正方形の板状体である板状前面部12と、この板状前面部12の背部側に突設して中空略直方体状に形成され、板状前面部12と略同一の高さ及び板状前面部12よりも小さい幅を有する突設部13と、この突設部13の前記中空内部に収容された略直方体状の独立気泡構造の発泡プラスチック14とを含む。板状前面部12の周縁部22は、前方向に向かって突出し、板状前面部12の前面は、化粧面(凹凸面)18が形成されている。ブロック11は、縦横方向に板状前面部12を平行に積み上げ可能な自立構造体であり、板状前面部12及び突設部13は、コンクリートで一体成形されている。
このようなブロック11では、板状前面部12の幅方向の側面15を互いに接触させブロック11を横方向に隣接させると、ブロック11間に間詰コンクリート10が打設可能な空間が形成される。この空間に打設され硬化した間詰コンクリート10は、突設部13の両側面17と接合する。この両側面17の中央域には、略円形状の開口部(凹部)19が形成され、この開口部(凹部)19に間詰めコンクリート10が進入し、凹凸係合又は嵌合構造を形成する。図2のブロック11では、開口部(凹部)19により、突設部13に収容された発泡プラスチック14の一部が露出しているが、この開口部19を間詰コンクリート10の打設によって、少なくとも部分的に塞いでもよいし、完全に塞いでもよい。
図2に示す突設部13は、板状前面部12と同じ高さで、縦方向に隣接するブロック11を支持可能な支持部(上面)21を形成し、かつ単位容積あたりの重量を小さくできるため、特殊な技能を要することなく、安定して容易に縦方向にブロック11を積み上げ可能であり、施工性に優れ作業に要する労力を省力化でき、経済性に優れる。また、人力でブロック11の運搬や設置が可能であり、重機が進入できない狭隘な場所であっても施工できるという利点も備える。さらに、突設部13内に独立気泡構造の発泡プラスチック14を収容しているため、単位容積あたりの重量が小さいにもかかわらず、優れた圧縮強度を有し、ブロック11は、JIS A 5371に規定された基準(施工面積1m当たりの質量350kg/m以上、圧縮強度18N/m以上(但し、面の形状面積が0.135mを超え2.236m以下の場合は、21N/m以上))を確保できる。なお、本発明において、「1m当たりの質量350kg/m以上」には、間詰コンクリートの質量も含まれる。また、発泡プラスチック14が、突設部13内に収容されているため、突設部13から発泡プラスチック14が脱離又は剥離することがなく、長期間に亘って、耐久性に優れるとともに、発泡プラスチック14への有機溶剤などの浸透を抑制するという利点を備える。
横方向に隣接するブロック11間に形成される空間に間詰コンクリート10を打設して硬化すると、間詰コンクリート10を介して、横方向に隣接するブロック11同士の結合力を強化できる。さらに間詰コンクリート10が開口部(凹部)19に進入して凹凸係合構造又は嵌合構造を形成するため、ブロック11は、間詰コンクリート10との結合力をより強化でき、擁壁の安定性をさらに向上可能であり、例えば、耐震性能が要求される擁壁用ブロックとして好適に用いられる。また、突設部13の幅を板状前面部12よりも小さくすると、板状前面部12の幅方向を縦方向に向けて自立させて積み上げることができないため、作業者が、ブロック11を誤った向きで積み上げることを防止できるという利点も備える。
図1の擁壁1は、複数のブロック11を、コンクリート基礎30の載置面31に、縦横方向に積み上げ(積み上げ工程)、横方向に隣接するブロック11間に形成される空間に間詰コンクリート10を打設して硬化する(打設工程)ことにより施工される。前記積み上げ工程では、ブロック11の底面(板状前面部12及び突設部13の底面)を、下段のブロック11の上面(板状前面部12及び突設部13の上面(支持部)21)に重ねて積み上げることにより、縦列を形成できる。横方向には、板状前面部12の側面15を互いに重ね合わせてブロック11を隣接させて横列を形成できる。前記打設工程は、横方向に隣接するブロック11間で行ってもよいが、前記縦列を形成すると、間詰コンクリート10が打設可能な空間が縦方向に連通するため、前記打設工程を前記複数の縦列間で行うことができ、作業時間を短縮化できる。
なお、板状前面部12は、載置状態において、載置面31に対して垂直方向に擁壁面を形成可能であれば、特に限定されない。板状前面部12は、さらに縦横方向に隣接する辺が互いに接触可能であれば、安定な擁壁面を形成できるため好ましい。板状前面部12としては、例えば、略正方形又は略長方形などの略四角形、略正六角形などの板状体が例示でき、略正方形又は略長方形の板状体であれば、縦方向に安定して積み上げ易く、施工性の点から好ましい。
板状前面部12の両側面15を含む周面は、図2のブロック11では、平坦面であるが、少なくとも両側面15は、側部方向(幅方向)に向かって凸となる湾曲面を有してもよい。例えば、図3のブロック11Aのように、板状前面部12Aの両側面が、側部方向に向かって凸となる湾曲面15Aである構成でもよい。前記両側面に湾曲面15Aが形成されていれば、この湾曲面を互いに接触させて配置できるため、被擁面に対して内側又は外側に湾曲した擁壁を形成可能であり有利である。
板状前面部12の前面に、化粧面としての凹凸面18を形成する必要はないが、例えば、凹凸面18に代えて、平滑面、凸面、粗面(波型など)、ポーラス面などによる化粧面が形成されてもよい。
突設部13は、板状前面部12の背部側に突設し、板状前面部12の高さと略同一の高さ及び板状前面部12の幅よりも小さい幅を有していればよい。突設部13は、略直方体状に限定されず、例えば、柱体状(例えば、略立方体状、断面略台形の柱体状、断面略多角形(例えば、断面略六角形)などの角柱体状、略円柱体状、略半円柱体状など)、略半円錐台状などの形状に形成されてもよく、持ち運び易さなどの作業性、縦方向に隣接するブロックを安定に当接して支持する点から角柱体状に形成されることが好ましく、略直方体状又は略立方体状に形成されることがより好ましい。
支持部21は、図2では突設部13の上面、すなわち1つの面で形成できるが、縦方向にブロック11を支持できれば、少なくとも1つの線接触、複数の点接触、複数の面接触を利用して支持してもよい。線接触による支持部21は、例えば、軸方向が突設方向(前後方向)に向く略円柱体状(又は略楕円柱体状)で形成された突設部や少なくとも上面(又は上面及び底面)に断面三角形状の1又は複数の山形部が形成された突設部などで形成できる。複数の点接触による支持部21は、例えば、規則的に配置された複数の円錐状が上面に形成された突設部などで形成できる。複数の箇所で面接触可能な支持部21の形態としては、例えば、図2の突設部13の少なくとも上面(底面)の一方の幅方向の中央部に凹溝が前後方向に延びて形成された形態、後述する図6の突設部の形態(幅方向に凹溝が延びる形態)などが挙げられる。支持部21は、隣接するブロックをより安定に支持する点から、1又は複数の面接触可能であるのが好ましく、図2の突設部13のように底面と略同一の大きさの上面で形成されるのがより好ましい。
なお、突接部13は、発泡プラスチック14を内部で収容可能であれば、図2の突設部13のように、発泡プラスチック14を突設部13で囲う形態に限定されず、例えば、成形後の突設部13内に発泡プラスチック14を収容するために、突設部13の適所(例えば、上面など)に発泡プラスチック14を挿入又は装着可能な装着凹部又は装着開口部を形成してもよい。
突設部13は、横方向に隣接するブロック11間に間詰コンクリート10が打設可能な空間を形成できれば、図2の突設部13に限定されず、部分的に幅狭部を有すればよく、例えば、突設部13の両側面17の幅方向の中央部などに縦方向又は横方向に凹溝などを形成してもよい。
両側面(接合部)17には、凹部19は、必ずしも形成する必要はないが、隣接するブロック間の結合力をさらに強化するために有利である。また、両側面(接合部)17に凹部19を形成すると、作業者が凹部19を持ち手として運びやすくなり、作業性が向上するため有利である。凹部19は、間詰コンクリート10と係合又は嵌合構造を形成可能であれば、発泡プラスチック14を露出させて形成する必要はない。また、凹部19は、例えば、両側面(接合部)17の一方の側面に形成してもよく、略円形状若しくは略楕円形状又は略多角形状(例えば四角形状)に形成してもよく、凹部19に代えて突出部(凸部)を形成してもよい。また、両側面(接合部)17に形成される凹部は、開口部(凹部)19に限定されず、例えば、突設部13の角部が縦方向、横方向、高さ方向の任意の方向で切り欠かれ、切り欠き部又は凹溝を形成してもよい。例えば、図4に示すブロック41の突設部43のように、図2の突設部13の上面の背部側のコーナー部が断面略L字状に縦方向に切り欠かれ、接合部47に一対の切り欠き部(凹部)42を形成してもよい。また、図5に示すブロック51の突設部53のように、図2の突設部13の背面のコーナー部が断面略L字状に前後方向に切り欠かれ、接合部57に4つの切り欠き部(凹部)52を形成してもよい。また、図6に示すブロック61の突設部63のように、図2の突設部13の上下面の幅方向の中央域に凹溝62を形成してもよい。なお、図5及び6では、図2の突設部13の上下面に切り欠き部52又は凹溝62が形成された形態を例示しているが、上下面の一方の面のみに切り欠き部又は凹溝を形成してもよい。
発泡プラスチック14は、十分な圧縮強度を有する観点から独立気泡構造を有し、発泡プラスチックの種類は、特に限定されず、例えば、発泡ポリエチレンなどの発泡ポリオレフィン、発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタンなどが例示でき、優れた耐水性を有する観点から、好ましくは発泡ポリスチレンである。また、前記発泡プラスチックは、型内発泡法により成形されてもよく、押出発泡法により成形されてもよい。発泡プラスチックの密度(kg/m)は、特に限定されないが、例えば、12〜30kg/m、好ましくは15〜27kg/m、より好ましくは18〜25kg/mである。本発明において、発泡プラスチック14は、好ましくは18〜25kg/mの高密度発泡スチロールである。なお、発泡プラスチック14の形状は、特に限定されず、突設部13の中空内部に収容するために、突設部13の中空形状に合わせた形状としてもよい。
ブロック11は、例えば、縦方向に隣接するブロック11の位置ずれを防止するために、位置合わせのためのピンを挿入可能なピン挿入孔をブロック11に設けてもよい。例えば、図7に示すブロック11Bのように、板状前面部12の上面及び底面の中央付近にそれぞれ一対のピン挿入孔16が形成された構成であってもよい。
ブロック構造体20の間詰コンクリート10は、コンクリートに限定されず、例えば、セメントモルタルなどで形成してもよい。
擁壁1は、通常、平坦面を有するコンクリート基礎30上に安定に形成される。
鉄筋40を間詰コンクリート10と接合することにより、コンクリート基礎30とブロック構造体20との結合力を強化でき、例えば、図1に示すようなL型のブロック積擁壁1を安定して施工できるため有利である。
本発明の擁壁は、L型のブロック積擁壁に限定されず、例えば、もたれ式のブロック積擁壁であってもよい。すなわち、複数のブロックで形成された擁壁面は、垂直方向に延びていてもよく傾斜していてもよい。例えば、図8に示す擁壁1Aのように、コンクリート基礎30Aが傾斜面31Aを有しており、傾斜面31Aにブロック構造体20が載置される構成であってもよい。ブロック11の板状前面部12は、載置面が傾斜面であっても、傾斜面に対して垂直方向に擁壁面を形成可能である。図8の擁壁1Aは、例えば、ブロック構造体20の背面側が、地山の被擁面(図示せず)に沿って配置されている。図8の擁壁1Aは、前記構成を備え、鉄筋40を備えないこと以外は、図1に示す擁壁1と同一である。
また、本発明の擁壁は、下段のブロックに対して上段のブロックを上下方向に整列させて積み上げてもよく、下段のブロックに対して上段のブロックの位置を横方向にずらした工法いわゆるレンガ積み方式でブロックを積み上げて施工してもよい。例えば、図9に示す擁壁1Bは、上段のブロック11の側端部を下段ブロックの幅方向中央部に位置させて、下段ブロックと上段ブロックとを交互に積み上げること以外は、図8に示す擁壁1Aと同一である。
本発明のブロックは、優れた施工性で、種々の擁壁、例えば、堀削斜面、地山の傾斜面、運河又は河川の護岸などの傾斜面保護のために施工される擁壁や宅地、公園の造成、道路築造の土留などに施工される擁壁などに好適に用いることができる。
1、1A、1B…擁壁
10…間詰コンクリート
11、11A、11B、41、51、61…ブロック
12、12A…板状前面部
13、43、53、63…突設部
14…発泡プラスチック
15、15A…湾曲面(側面)
16…ピン挿入孔
17、47、57、67…両側面(接合部)
18…凹凸面
19…開口部(凹部)
20…ブロック構造体
21…支持部
22…周縁部
30、30A…コンクリート基礎
31、31A…載置面(傾斜面)
40…鉄筋
42、52…切り欠き部(凹部)
62…凹溝(凹部)

Claims (7)

  1. 載置状態において、載置面に対して垂直方向に擁壁面を形成可能な板状前面部と、この板状前面部の背部側に突設した突設部とを含み、縦横方向に積み上げ可能な擁壁用ブロックであって、前記突設部が、前記板状前面部と略同一の高さ及び前記板状前面部よりも小さい幅を有し、前記突設部内に発泡プラスチックを収容しているブロック。
  2. 突設部が、略直方体又は略立方体状に形成されている請求項1記載のブロック。
  3. 突設部が、横方向に隣接するブロック間に打設されて硬化する間詰コンクリートと接合する接合部を有し、この接合部には凹部又は凸部が形成されている請求項1又は2記載のブロック。
  4. 板状前面部の少なくとも両側面が、側部方向に向かって凸となる湾曲面を有する請求項1〜3のいずれかに記載のブロック。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複数のブロックが載置面に縦横方向に積み上げられ、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートが打設されて硬化したブロック構造体を備えた擁壁。
  6. 横方向に隣接するブロック間の載置面から鉄筋が延出し、前記ブロック間に間詰コンクリートが打設されて硬化した請求項5記載の擁壁。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の複数のブロックを載置面に縦横方向に積み上げ、横方向に隣接するブロック間に間詰コンクリートを打設し、硬化させる擁壁の施工方法。
JP2016002657A 2016-01-08 2016-01-08 擁壁用ブロック並びに擁壁及び擁壁の施工方法 Active JP6639240B2 (ja)

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