JP2017121103A - 二次電池とナビゲーションシステムを備えたハイブリッド車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などに搭載する二次電池の寿命を、ユーザの運転仕方によらず所定の期間(保証期間等)まで保証することである。【解決手段】車両の走行ルートに関する情報から二次電池の充放電電流計画を作成し、前記充放電計画から前記二次電池の劣化度を算出し、前記劣化度が所定値以上の場合、前記充放電計画を補正する車載システム。【選択図】 図3
Description
電池制御システム
現在、地球環境問題が大きくクローズアップされる中、地球温暖化防止の為に、あらゆる場面で炭酸ガスの排出削減が求められており、炭酸ガスの大きな排出源となっているガソリンエンジンの自動車については、ハイブリッド電気自動車や電機自動車などへの代替が始まっている。
ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)の動力用電源に代表される大型二次電池は、高出力、大容量であることが必要である為、それを構成する蓄電池モジュール内は、複数の電池(以降、セルと言う)を直並列接続して構成される。
また、二次電池であるリチウムイオン電池は、高電圧充電の防止や過放電による性能低下の防止などの適切な二次電池の使いこなしが必要となる。この為、ハイブリッド電気自動車や電気自動車に搭載される蓄電池モジュールには、電池の状態である電圧、電流、温度などを検出する機能を持っている。
これらHEVやEVの実際の車両走行での電池の充放電制御は、電池仕様(最大電圧/電流、SOC範囲など)に基づき制御され、通常、電池劣化は考慮されていない場合が多い。その為、車両の走行の仕方によっては、補償電池寿命を下回る場合もある。
文献1では、電気自動車の電池を充電する場合に、電池劣化を考慮して、必要十分な電力量を必要な出発時刻までに充電するように充電速度及び充電量を最適化した電池制御を行う技術が開示されている。
また、文献2では、目的地までの走行計画に従って走行するナビ強調走行をするハイブリッド自動車の技術の開示がある。
文献1は、電気自動車(EV)対象で、EV停車中で次回走行時までの充電をする際に、電池劣化抑制の制御を実施するが、走行中は電池劣化抑制制御はしない。文献2は、目的地までの走行計画に従って走行するナビ強調走行の距離を長くすることを目的とし、電池劣化の抑制はできない。
本発明の目的は、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などに搭載する二次電池の寿命を、ユーザの運転仕方によらず所定の期間(保証期間等)まで保証することである。
上記課題を解決する手段は、例えば次の通りである。
車両の走行ルートに関する情報から二次電池の充放電電流計画を作成し、前記充放電計画から前記二次電池の劣化度を算出し、前記劣化度が所定値以上の場合、前記充放電計画を補正する車載システム。
本発明の目的により、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などに搭載する二次電池の寿命を、ユーザの運転仕方によらず所定の期間(補償期間等)まで保証することである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施例1)
図1にハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)に搭載される蓄電池モジュールの構成を示す。図1に示すように、複数の二次電池(セル2)はセルコントローラ(以降、CCと言う)3と接続され、CC3は、複数のセルの状態を計測する。また、複数のCC3はバッテリコントローラ(以降、BCと言う)に接続され、BCは、複数のCCから複数のセルの状態を取得する。さらにBCは、取得した複数のセルの状態から充電状態(SOC:State of Charge)や電池劣化状態(SOH:State of Health)を演算し、上位のコントローラなどに演算結果を通知する。
図1にハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)に搭載される蓄電池モジュールの構成を示す。図1に示すように、複数の二次電池(セル2)はセルコントローラ(以降、CCと言う)3と接続され、CC3は、複数のセルの状態を計測する。また、複数のCC3はバッテリコントローラ(以降、BCと言う)に接続され、BCは、複数のCCから複数のセルの状態を取得する。さらにBCは、取得した複数のセルの状態から充電状態(SOC:State of Charge)や電池劣化状態(SOH:State of Health)を演算し、上位のコントローラなどに演算結果を通知する。
図2は、実施例1のナビゲーションシステムを含む車載システム構成図の例である。
車載システム10は、図1の蓄電モジュールを制御するバッテリECU11と、モータ7および発電機を制御するモータECU12、エンジン14を制御するエンジンECU13、バッテリECU11とモータECU12、エンジンECU13を制御するハイブリッドコントロールユニット15、および、現在から目的地までの経路情報を有するナビゲーションシステム16を有する。
ハイブリッドコントロールユニット15は、ナビゲーションシステム16の情報から、電池が目標の劣化になるように電池の充放電を制御、実行する。
HEVユーザは、走行前にナビゲーションシステムで目的地を設定する。ハイブリッド自動車内のHCU(ハイブリットコントローラユニット)15は、設定された現在地から目的地までの経路を車が走る場合の電池充放電パターンを情報ナビゲーション16(走行時間・距離、勾配など)の情報(走行時間・距離、勾配など)を用いて作成する。その後、作成された電池充放電パターンにより二次電池を充放電した場合に二次電池がどの程度劣化するかを電池モデルを用いて推定する。ここで、電池モデルは、電池充放電パターン(充電時間、放電時間、充電量、放電量等)の情報を変数として二次電池の劣化度を求めることができる式であり、等価回路等から求められるものである。
電池モデルはHCU15内にあり、この電池モデルに充放電電流を入力することで電池性能であるSOC(充電率)やSOH(劣化度)を推定する。SOH(劣化度)は、二次電池の容量減少を示す容量維持率や内部抵抗上昇率で定義される。また、SOH(劣化度)は、充放電電流の大きさや充放電電流の継続時間、中心SOCやSOC変動幅及び保存温度、時間などで劣化状態が変わることがわかっており、以下の式(1)に示す電流(I)、電圧またはSOC(V)、温度(T)、時間(t)のパラメータを持つ関数になる。電池モデルとしては、公知のものを用いることができる。
容量減少 or 抵抗上昇 = f(I, V, T, t)・・式(1)
電池モデルにより推定した結果、劣化度が目標の劣化(寿命)にならない場合は、目標未達の原因を解析し、目標劣化になるように充放電パターンを再作成し、実走行する。これにより、二次電池の寿命を確実に保証する事が可能となる。
電池モデルにより推定した結果、劣化度が目標の劣化(寿命)にならない場合は、目標未達の原因を解析し、目標劣化になるように充放電パターンを再作成し、実走行する。これにより、二次電池の寿命を確実に保証する事が可能となる。
次に、ナビゲーションシステムと協調して二次電池劣化を抑制する方法を図3、〜図7に示す。
図3は、車の出発地から目的地までの標高情報から二次電池の充放電計画を算出した図である。
車載システムは、まず車両の走行ルートに関する情報から二次電池の充放電電流計画を作成する。車両のユーザが、運転席に設けられたナビゲーションにて目的地を設定することで、ナビゲーションシステム16は、現在地から目的地までの地図情報から、距離、標高、等の走行ルートに関する情報をHCU15に送り、HCU15はこの情報に基づいて二次電池2の充放電計画1を作成する。充放電計画は、図3のようにどの程度の電力でどの程度の時間放電するか、どの程度の電力でどの程度充電するかを決める。ここで、充放電計画は、二次電池2ごとに決めてもよく、一定の数の二次電池(組電池)ごとに決めてもよく、また、蓄電池モジュール全体として決めてもよい。
次に、HCU15はこの充放電計画により二次電池を充放電した場合、二次電池がどの程度劣化するか(劣化推定値)を電池モデルを用いて算出する。
図4は、劣化目的と劣化推定値との比較を示す図である。
算出された劣化推定値は、所定値より大きいか所定値以下であるか判断され、所定より大きい(劣化推定値>所定値)場合は、劣化推定値が所定値未満となるような充放電計画2を再設定する。ここで、実施例1において所定値は、劣化目標の劣化度である。劣化目標は、車載の寿命や、二次電池の補償期間等より予め定められた劣化進行の目標値であり、二次電池のEOL(End Of Life)に向けて、使用年数に応じて目標劣化が定められている。二次電池の使用期間から、その使用期間に応じた劣化度が劣化目標として算出され、その劣化度が所定値として設定される。劣化推定値が所定値である目標劣化以下の場合(劣化推定値≦所定値)は、充放電計画1を充放電計画として採用する。劣化推定値が所定値である目標劣化よりも高い場合(劣化推定値>所定値)は、劣化度が目標劣化内に収まるように充放電計画を作成し直す。
図5は、充放電計画を作成し直す図である。
充放電計画を作成し直す際には、充放電電流計画1を分析し、目標劣化以下となる充放電電電流計画2を策定し、再度電池モデルに入力し、二次電池の劣化を推定し、目標劣化以下になることを確認し実走行する。充放電電流計画1の分析では、電池モデルの二次電池劣化推定式のパラメータ(I, V, T, t)の内、影響度が高いパラメータを抽出し、そのパラメータを可変して目標劣化以下になる充放電電電流計画2を策定する。
上記のように二次電池劣化推定式のパラメータ(I,V,T,t)の内、影響度が高いパラメータを抽出する方法としては、例えば以下の通りである。上記4つのパラメータ(I,V,T,t)の内、ひとつのパラメータ電流Iの最大値を10%減して、劣化がどの位抑制されるかを確認する。次に、電流Iの最大値を元に戻した後、今度は電圧Vについて可変して劣化が抑制されるかを確認する。このように、各パラメータを可変して、どのパラメータが劣化抑制に影響があるかを確認する。影響度が高いパラメータを抽出したら、そのパラメータを主に変動させ、充放電電電流計画2を策定する。ここで、影響度が高いパラメータのみを可変してもよいし、その他のパラメータを可変しても良いが影響度が高いパラメータを主に可変させることが効果的である。
図6は作成した充放電電流計画2と電池モデルにより算出した劣化目標と、劣化推定値を比較した図である。
充放電電流計画2と電池モデルにより、劣化推定値を再度算出し、所定値である劣化目標と比較し、劣化推定値が劣化目標以下になることを確認する。劣化推定値が劣化目標以下(劣化推定値≦所定値)になったら、充放電計画2を充放電計画として採用する。劣化推定値>所定値の場合は再度分析の上充放電電流計画を立てる。劣化推定値≦所定値となるまで繰り返す。
図6のように劣化推定値が劣化目標以下(劣化推定値≦所定値)となるように設定する方法としては、上記のように二次電池劣化推定式のパラメータ(I, V, T, t)の内、影響度が高いパラメータを抽出することが好ましいが、トライアンドエラーにより何度も充放電電流計画を立て評価しても構わない。
図7は、図3から図6をフローチャート化したものである。
(実施例2)
実施例2では、実施例1における所定値を、劣化目標未満の値(劣化目標−A)とした。所定値を劣化目標よりも低い値とすることで、二次電池の劣化抑制を優先する制御とすることができる。
実施例2では、実施例1における所定値を、劣化目標未満の値(劣化目標−A)とした。所定値を劣化目標よりも低い値とすることで、二次電池の劣化抑制を優先する制御とすることができる。
「所定値」は、重視する二次電池の性能(劣化抑制重視、燃費重視等)に合わせて適宜設定することができる。
(実施例3)
実施例3では、実施例1に加えて、最終SOC調節工程を加えたものである。一般的に、二次電池(リチウムイオン)は、高い充電状態(SOC)で保存すると劣化(容量減少、抵抗上昇)が促進されることがわかっている。したがって、目的地に着いた際には、二次電池2のSOCは例えば50以下となっていることが好ましい。ナビゲーションシステムを搭載したハイブリッド自動車(HEV)のハイブリッドコントロールユニット(HCU)は、出発地や到着地がわかる為、到着地に近くになったことを検知すると、二次電池を積極的に放電させてSOCを50%以下の低い値に制御することが可能である。
実施例3では、実施例1に加えて、最終SOC調節工程を加えたものである。一般的に、二次電池(リチウムイオン)は、高い充電状態(SOC)で保存すると劣化(容量減少、抵抗上昇)が促進されることがわかっている。したがって、目的地に着いた際には、二次電池2のSOCは例えば50以下となっていることが好ましい。ナビゲーションシステムを搭載したハイブリッド自動車(HEV)のハイブリッドコントロールユニット(HCU)は、出発地や到着地がわかる為、到着地に近くになったことを検知すると、二次電池を積極的に放電させてSOCを50%以下の低い値に制御することが可能である。
これにより、到着地に着いた後、そのままエンジンが切られて、二次電池は保存状態になるが50%以下の低SOCになっている為、二次電池の劣化が抑制される。
車載システム10は、車両の現在地と目的地との関係からSOCの調節の要否を判断し、SOCの調節が必要な場合、SOCを下げる調整を行う。現在地と目的地とが所定の距離以下の場合は、SOCの調節が必要と判断し、車両が目的地に辿りついた時点でのSOCが低い状態(例えばSOC50%以下)となるように充放電電流計画を補正する。この際に、補正された充放電電流計画は、前に作成した(図2または図5)劣化度を考慮した所定値以下となるように設定する。
(実施例4)
実施例4は、実施例1に燃費優先か、電池劣化抑制優先かをユーザが設定することができる機構を有する。燃費優先か、電池劣化抑制優先かによって、劣化目標と、劣化推定値との差の許容の範囲の設定が変わる。例えば、燃費優先の場合、なるべく二次電池を使って走行したいため、劣化推定値を劣化目標のぎりぎりに設定する(例えば、劣化推定値=劣化目標(実施例1))。電池劣化抑制優先の場合は、劣化推定値を劣化目標の所定値Aより下に設定する(所定値=劣化目標−A(実施例2))。こうすることで、劣化を抑える設定とすることができる。
実施例4は、実施例1に燃費優先か、電池劣化抑制優先かをユーザが設定することができる機構を有する。燃費優先か、電池劣化抑制優先かによって、劣化目標と、劣化推定値との差の許容の範囲の設定が変わる。例えば、燃費優先の場合、なるべく二次電池を使って走行したいため、劣化推定値を劣化目標のぎりぎりに設定する(例えば、劣化推定値=劣化目標(実施例1))。電池劣化抑制優先の場合は、劣化推定値を劣化目標の所定値Aより下に設定する(所定値=劣化目標−A(実施例2))。こうすることで、劣化を抑える設定とすることができる。
例えば車内に、現在の電池の劣化状態を表示し、さらに燃費優先か、電池劣化抑制優先かを選択するボタンを車内に付けることによって、ユーザが電池の劣化状態に応じて、燃費優先または電池劣化抑制を選択することが可能となる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
HCUは、ナビゲーションシステムの情報から、電池が目標の劣化になるように電池の充放電を制御、実行する。
これにより、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などに搭載する二次電池の寿命を、保証期間まで保証することがより容易となる。
1・・・・蓄電池モジュール
2・・・・セル
3・・・・セルコントローラ(CC)
4・・・・バッテリコントローラ(BC)
5・・・・リレーボックス
6・・・・ハイブリッドコントローラ
7・・・・モータ
8・・・・インバータ
10・・・・車載システム
11・・・・バッテリECU
12・・・・モータECU
13・・・・エンジンECU
14・・・・エンジン
15・・・・ハイブリッドコントロールユニット
2・・・・セル
3・・・・セルコントローラ(CC)
4・・・・バッテリコントローラ(BC)
5・・・・リレーボックス
6・・・・ハイブリッドコントローラ
7・・・・モータ
8・・・・インバータ
10・・・・車載システム
11・・・・バッテリECU
12・・・・モータECU
13・・・・エンジンECU
14・・・・エンジン
15・・・・ハイブリッドコントロールユニット
Claims (10)
- 車両の走行ルートに関する情報から二次電池の充放電電流計画を作成し、
前記充放電計画から前記二次電池の劣化度を算出し、
前記劣化度が所定値以上の場合、前記充放電計画を補正する車載システム。 - 請求項1において、
前記所定値は、前記二次電池の目標劣化により定められる車載システム。 - 請求項2において、
前記所定値は、前記目標劣化の劣化度である車載システム。 - 請求項2において、
前記所定値は、前記目標劣化の劣化度よりも低い値である車載システム。 - 請求項3または請求項4において、
前記充放電計画から前記二次電池の劣化度を算出する際には、電池モデルを用い、前記電池モデルは、前記二次電池の電流(I)、電圧またはSOC(V)、温度(T)、時間(t)の少なくともいずれかのパラメータを持つ関数である車載システム。 - 請求項5において、
前記走行ルートに関する情報は、前記車両が走行するルートの勾配および距離に関する情報を少なくとも有する車載システム。 - 請求項6において、
前記充放電電流計画は、前記二次電池の充電、及び放電の時間および電力を設定したものである車載システム。 - 請求項7において、
前記劣化度が所定値以上の場合、前記充放電計画の分析をし、前記分析の結果に基づいて前記充放電計画を補正し、
前記分析は、電流(I)、電圧またはSOC(V)、温度(T)、時間(t)が前記二次電池の劣化に与える影響度が高いパラメータを抽出することにより行われる車載システム。 - 請求項8において、
前記二次電池制御システムは、車両の現在地と目的地からSOCの調節の要否を判断し、SOCの調節が必要な場合、SOCを下げる調整を行う車載システム。 - 請求項8において、
前記車両は、前記充放電電流計画を作成する際に燃費優先とするか、電池劣化抑制優先かを設定することができる機構を有する車載システム。
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JP2015255656A JP2017121103A (ja) | 2015-12-28 | 2015-12-28 | 二次電池とナビゲーションシステムを備えたハイブリッド車両制御装置 |
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2015
- 2015-12-28 JP JP2015255656A patent/JP2017121103A/ja active Pending
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