JP2017120173A - 油分離器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心軸O1に直交する断面が円形状の内周面14を有する容器10と、容器10内に油含有冷媒を導入する導入口21を有し、油含有冷媒を内周面14に沿って周回させながら上方から下方に流すべく、容器19の側壁を貫通して設けられた導入管20と、導入口21よりも下方に位置するとともに油が分離したあとの分離後冷媒を容器10から導出する導出口32を有し、導出口32から中心軸O1に沿って上方に延びる冷媒導出管30とを具備し、導入管20の管軸O2を含み、中心軸O1に直交する断面において、管軸O2を挟んだ導入管20の先端部20aが、中心軸O1に平行な第1仮想平面X1上に位置しており、第1仮想平面X1と、第1仮想平面X1に平行で冷媒導出管30の外周面31に接する第2仮想平面X2との離間距離L1が、導入管20の内径D1の0.32倍以上にした。
【選択図】図3
Description
その原因を突き止めるべく鋭意検討したところ、図16に示すように、導入管から導入された冷媒の大部分は容器の内周面を旋回しているが、一部が旋回方向と逆向きに流れていることがわかった。
そして、前記導入管の管軸を含み、前記中心軸に直交する断面において、前記管軸を挟んだ前記導入管の先端部が、前記中心軸に平行な第1仮想平面上に位置しており、前記第1仮想平面と、前記第1仮想平面に平行で前記冷媒導出管の外周面に接する仮想第2平面との離間距離が、前記導入管の内径の0.32倍以上であることを特徴とする。
しかしながら、油分離器を小型化する場合、上述した従来の構成では、冷媒と油とを十分に分離することができないという問題が生じる。
この問題に対して本願発明者が鋭意検討したところ、以下のことが原因であることを見出した。
すなわち、油分離器の小型化を図るべく容器として小さいサイズのものを用いると、冷媒導出管の導出口から容器の内周面までの距離が短くなるため、従来のように冷媒導出管を容器の下方に延ばした構成では、冷媒が容器の内周面を旋回するうちに、その旋回方向が徐々に下向きに変わってしまい、油含有冷媒が冷媒導出管の導出口近傍に到達した時点では遠心力が低下して、分離された油が内周面から離脱して導出口に流れ込んでしまうからである。
これらの構成に関する具体的な実験データは、後述する。
なお、導入管の内径が、容器の内径の0.16倍より小さいと圧力損失が大きく分離効率が低減してしまい、容器の内径の0.44倍より大きいと導入管が容器の中心に近づいて油含有冷媒の旋回が起こり難くなり、分離効率が低減してしまう。
導入管の管軸と容器の内周面との離間距離が上記の範囲内であれば、油含有冷媒を確実に旋回させることができる。
このような構成であれば、導入管の上方で油が滞留しにくくなり、分離効率をより向上させることができる。
このような構成であれば、下側テーパ部に油が流れ込むことで貯留されていた油が飛散したとしても、導出口が下側テーパ部よりも上方に設けられているので、飛散した油が導出口に流れ込みにくくすることができる。
このような構成であれば、後端部が先端部から湾曲して上方に延びているので、導入管内の内周面に沿って流れる油は、後端部の湾曲した部分で遠心力によって下側に偏って流れるようになる。
これにより、油が導入口から容器内の上方に向かって導入されることを防ぐことができ、導入管の上方で油を滞留させにくくすることができる。
このようなものであれば、分離された油を容器の内周面を伝って油通過口から下方に流すことができ、油の飛散をより確実に防ぐことができる。
そこで、本発明に係る油分離器は、圧縮機及びアキュムレータとともにケーシングに収容して室外機を構成するものであって、別の部材に設けられた被取付部に取り付けられる取付部を備えていることが好ましい。
これにより、油分離器の例えば脚部を不要にすることができ、圧縮機やアキュムレータなどの配置自由度が向上し、これらをケーシング内を通過する空気への抵抗となり難い位置に配置することで、室外機の風量が増加して凝縮性能が向上する。その結果、圧縮機の高圧低減効果や入力低減効果を得ることができ、高効率化を図ることができる。
より詳細にこのものは、遠心力を用いて油含有冷媒から油を遠心分離させ、油を分離させたあとの冷媒(以下、分離後冷媒ともいう)を例えば図示しない熱交換器に導出するとともに、分離させた油を再び圧縮機Cに戻すように構成されている。
なお、前記冷媒回路200は、油分離器100と圧縮機Cとを接続するとともに、分離された油を圧縮機Cに戻すための戻し配管Bと、この戻し配管Bに設けられた毛細配管Tとを有しており、分離された油の略全てが毛細配管Tを流れて圧縮機Cに戻るように構成されている。
以下、各部について説明する。
この容器10は、図3及び図4に示すように、中心軸O1に直交する断面が円形状をなす内周面14を有し、この内周面14によって前記分離空間Sを形成したものであり、内周面14を油含有冷媒が旋回しながら上方から下方に向かって流れるように構成されている。
より具体的には、前記導入口21は、容器10の中心軸O1と平行な第1仮想平面X1上に形成されており、冷媒導出管30の外周面31を臨むように、導入管20の管軸O2と直交する面に対して傾いて開口している。
具体的のこのものは、外径が前記容器10の内径よりも小さい等断面形状の円筒管であり、前記容器10内に位置するとともに分離後冷媒が流入する導出口32を有している。
この導出口32は、容器10の上端から所定距離の位置に設けられており、ここでは導出口32よりも下方における容器10の容積が0.6L以下となるようにしている。
また、本実施形態では、前記導出口32が、上述した下側テーパ部13よりも上方、つまり本体部11の下端よりも上方に位置するように設けられており、これにより下側テーパ部13に貯留された油が飛散したとしても、その油が導出口32内に流れ込まないようにしている。
具体的にこのものは、容器10の底壁に形成された図示しない下端開口にガタなく嵌め込まれた等断面形状の円筒管である。
より詳細には、前記離間距離L1は、前記導入管20における導入口側端部の内径D1の0.32倍以上である。
なお、図5に示す実験データは、油分離器100に導入される油流量(冷媒流量に油潤滑率をかけたもの)が多い状態を想定したものであり、実験条件は、冷媒流量が1000kg/h、油潤滑率が1.4%、導入管20の内径D1が17.05mmである。また、図6に示すシミュレーションは、前記離間距離L1を導入管20の内径D1の0.32倍とした条件で行なっている。
この実験データから分かるように、油分離効率は、前記離間距離L1を徐々に増大させていくと、導入管20の内径D1の0.32倍になるまで向上し、0.32倍以上ではほぼ横ばいになる傾向がみられる。
このことは、前記離間距離L1が導入管20の内径D1の0.32倍以上になると、図6に示すように、導入管20から導入された油含有冷媒の略全てが、冷媒導出管30に対して左右片側に流れて、同一方向に旋回するためである。
この実験データから分かるように、油分離効率は、前記高さL2の増大に伴い上昇するが、導入管20の内径D1の3.0倍以上になるとほぼ横ばいになり、4.0倍以上になると徐々に低下する傾向がみられる。
このことは、前記高さL2が導入管20の内径D1の3.0倍よりも小さいと、油含有冷媒から油が分離される前に、冷媒導出管30から冷媒とともに油が導出されるためである。また、前記高さL2が導入管20の内径D1の4.0倍よりも大きいと、導入管20から導入された冷媒が内周面14を旋回するうちに、その旋回方向が徐々に下向きに変わってしまい、油含有冷媒が冷媒導出管30の導出口32近傍に到達した時点では遠心力が低下しており、分離された油が内周面14から離脱して導出口32に流れ込んでしまうからである。
具体的には、導入管20から流入される冷媒が6m/s以上であり、前記離間距離L3が、冷媒導出管30の内径D2の1.0倍以上2.0倍以下の場合に、前記高さL2が、上述したように導入管20の内径D1の3.0倍以上且つ4.0倍以下となるように設定されている。このような構成であれば、油分離器100を小型化しながらも、油分離効率を向上させることができる。
この実験データから分かるように、油分離効率は、前記離間距離L2が冷媒導出管30の内径D2の1.0倍以上になると大きく上昇する傾向がみられる。
このことは、前記離間距離L2が導入管20の内径D1の1.0倍よりも短いと、分離された油が冷媒導出管30の導出口32に流れ込んでしまうからである。
より具体的に説明すると、導入管20の内径D1は9.5mm以上且つ22.4mm以下であり、容器10の中心軸O1を含み、導入管20の管軸O2と直交する断面において、前記管軸O2から、前記管軸O2に対して中心軸O1と反対側の内周面14までの離間距離L4が、10.6mm以上且つ13.2mm以下となるようにしている。
このような構成であれば、導入管20から導入される油含有冷媒を確実に内周面14に沿って旋回させることができ、分離効率を向上させることができる。
この実験データからわかるように、本実施形態に係る油分離器100によれば、導入管20から導入された油含有冷媒の一部が、従来のように旋回方向と逆向きに流れることを防いでいることにより、従来に比べて圧力損失を低減させることができる。
これにより、導入される油含有冷媒の流速を速くした場合であっても圧力損失を抑えることができ、速い流速による大きな遠心力を用いて、油を効率良く分離させることができ、ひいては油分離器100を小型化することが可能となる。
そこで、従来は、小型の油分離器を用いた場合、冷媒回路に、毛細配管に並列に設けられたバイパス管と、このバイパス管に設けれた電磁弁とを設け、例えば圧縮機の起動時など油含有冷媒に含まれる油量が多いときに、前記電磁弁を開けて油分離器により分離された油を確実に圧縮機に戻せるようにしている。
これに対して、本実施形態の冷媒回路200は、従来よりも径寸法の大きい毛細管を用いることで、分離された油を確実に圧縮機Cに戻せるように構成されており、電磁弁を不要にすることでコストの削減を図っている。
これにより、油分離器100の例えば脚部を不要にすることができ、特に大型容器である圧縮機CやアキュムレータAなどの配置自由度が向上し、上述したように上方から視てケーシング310の中央部に密接して配置させることができる。
その結果、圧縮機CやアキュムレータAは、ケーシング310内を通過する空気への抵抗となり難い位置に配置されることとなり、室外機の風量が増加して凝縮性能が向上し、これにより圧縮機の高圧低減効果や入力低減効果を得ることができ、高効率化を図ることができる。
また、圧縮機C、アキュムレータA、及び油分離器100が密接に配置されるので、これらを接続する配管長を従来よりも大幅に短くすることができ、圧損の低減や低コスト化を図れる。
そのうえ、アキュムレータは稼動中の振動が比較的小さいので、取り付けられた油分離器に伝わる振動も小さく、油分離器に接続される配管に亀裂が生じたり、これらの配管が抜けてしまうこと等を防ぐことができる。
この場合、第1仮想平面X1と第2仮想平面X2との離間距離L1は、導入管20おける先端部の内径D1の0.32倍以上であれば良い。
この油飛散防止プレート50は、下側テーパ部13よりも上方に例えば溶接などにより固定されており、分離された油を上方から下方に通過させる油通過口51が形成された板状のものである。
より具体的にこのものは、外周部が容器10の内周面14に沿った円板状をなすものであり、その外周部を切り欠いて例えば周方向に沿って等間隔に複数の前記油通過口51が形成されている。なお、ここでは、4つの油通過口51が形成されているが、その個数は適宜変更して構わない。
このように、単一の吹出口Hが形成された室外機300の場合、アキュムレータAをケーシング310の側板312に近づけてしまうと、この側板312に沿って設けられたコ字状又はL字状の熱交換器(不図示)へ空気が通りにくくなってしまう。一方、アキュムレータAをケーシング310の中央部に近づけると、ケーシング310の前方(図15における下方)に設けられた圧縮機Cに近づいてしまい、メンテナンス性が低下する。
また、油分離器100とアキュムレータAとを密接させることにより、吹出口から吹き出される空気への抵抗が小さくなり、室外機300の風量を増加させることができる。
なお、アキュムレータAや圧縮機Cの少なくとも一部を、上方から視て天板311の隅部Pで覆われるように、言い換えればケーシング310の角部にアキュムレータAや圧縮機Cを配置して、これらの少なくとも一部が吹出口Hから隠れるようにすることができれば、ケーシング310内を空気が通過し易くなり、室外機300の風量がより増加する。
10・・・容器
13・・・内周面
20・・・導入管
21・・・導入口
30・・・冷媒導出管
31・・・外周面
X1・・・第1仮想平面
X2・・・第2仮想平面
Claims (18)
- 油含有冷媒から油を分離する油分離器であって、
中心軸に直交する断面が円形状の内周面を有する容器と、
前記容器内に前記油含有冷媒を導入する導入口を有し、前記油含有冷媒を前記内周面に沿って周回させながら上方から下方に流すべく、前記容器の側壁を貫通して設けられた導入管と、
前記導入口よりも下方に位置するとともに油が分離したあとの分離後冷媒を前記容器から導出する導出口を有し、前記導出口から前記中心軸に沿って上方に延びる冷媒導出管とを具備し、
前記導入管の管軸を含み、前記中心軸に直交する断面において、前記管軸を挟んだ前記導入管の先端部が、前記中心軸に平行な第1仮想平面上に位置しており、
前記第1仮想平面と、前記第1仮想平面に平行で前記冷媒導出管の外周面に接する第2仮想平面との離間距離が、前記導入管の内径の0.32倍以上であることを特徴とする油分離器。 - 前記第1仮想平面が、前記管軸と直交する面に対して傾いており、
前記導入口が、前記冷媒導出管の外周面を臨むように形成されていることを特徴とする請求項1記載の油分離器。 - 油含有冷媒から油を分離する油分離器であって、
中心軸に直交する断面が円形状の内周面を有する容器と、
前記容器内に前記油含有冷媒を導入する導入口を有し、前記油含有冷媒を前記内周面に沿って周回させながら上方から下方に流すべく、前記容器の側壁を貫通して設けられた導入管と、
前記導入口よりも下方に位置するとともに油が分離したあとの分離後冷媒を前記容器から導出する導出口を有し、前記導出口から前記中心軸に沿って上方に延びる冷媒導出管とを具備し、
前記導出口から前記導入口の中心までの高さが、前記導入管の内径の3.0倍以上且つ4.5倍以下であることを特徴とする油分離器。 - 前記冷媒導出管が前記中心軸と同軸上に設けられており、
前記冷媒導出管の外周面と前記内周面との離間距離が、前記冷媒導出管の内径の1.0倍以上2.0倍以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか一項に記載の油分離器。 - 前記導入管の内径が、前記容器の内径の0.16倍以上且つ0.44倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の油分離器。
- 前記導入管の内径が、9.5mm以上且つ22.4mm以下であり、
前記容器の中心軸を含み、前記導入管の管軸と直交する断面において、前記管軸から、前記管軸に対して前記中心軸と反対側の前記内周面までの離間距離が、10.6mm以上且つ13.2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の油分離器。 - 前記容器が、円筒形状の本体部と、前記本体部の上部に設けられて上方に向かって徐々に縮径する上側テーパ部とを有し、
前記本体部の上端から前記導入管の管軸までの高さ寸法が、前記上側テーパ部の高さ寸法以下であることを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の油分離器。 - 前記容器が、円筒形状の本体部と、前記本体部の下部に設けられて下方に向かって徐々に縮径するとともに分離された油を貯留する下側テーパ部とを有し、
前記冷媒導出管の導出口が、前記下側テーパ部よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか一項に記載の油分離器。 - 前記導入管が、
前記導入口が形成されるとともに、前記容器の側壁を貫通する先端部と、
前記先端部の上流側に設けられるとともに、前記先端部から湾曲して上方に延びる後端部とを有していることを特徴とする請求項1乃至8のうち何れか一項に記載の油分離器。 - 前記容器内の下部に設けられて前記容器内を上下に仕切るとともに、分離した油を上方から下方に通過させる油通過口が形成された油飛散防止プレートをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至9のうち何れか一項に記載の油分離器。
- 前記油飛散防止プレートが、外周部が前記容器の内周面に沿った円板状をなすものであり、
複数の前記油通過口が、前記外周部に形成されていることを特徴とする請求項10記載の油分離器。 - 請求項1乃至11のうち何れか一項に記載の油分離器を具備することを特徴とする冷媒回路。
- 圧縮機及びアキュムレータとともにケーシングに収容されて室外機を構成する油分離器であって、
該油分離器とは別の部材に設けられた被取付部に取り付けられる取付部を備えていることを特徴とする油分離器。 - 前記取付部が前記被取付部に取り付けられた状態において、前記ケーシングの底板から浮いた状態で保持されることを特徴とする請求項13記載の油分離器。
- 前記被取付部が前記アキュムレータに設けられており、前記アキュムレータに着脱可能であることを特徴とする請求項13又は14記載の油分離器
- 請求項13乃至15のうち何れか一項に記載の油分離器を備え、前記ケーシングの天板に形成された一対の吹出口から空気を上方に吹き出す室外機であって、
上方から視て、前記アキュムレータが、前記一対の吹出口の中心線と重なるように配置されていることを特徴とする室外機。 - 請求項13乃至15のうち何れか一項に記載の油分離器を備え、前記ケーシングの天板に形成された一対の吹出口から空気を上方に吹き出す室外機であって、
上方から視て、一対の前記圧縮機が、前記一対の吹出口の中心線を挟むとともに互いに近接して配置されていることを特徴とする室外機。 - 請求項13乃至15のうち何れか一項に記載の油分離器を備え、前記ケーシングの天板に形成された単一の吹出口から空気を上方に吹き出す室外機であって、
前記油分離器が前記アキュムレータに取り付けられて、これらが前記ケーシング内に設けられた熱交換器の位置に応じて配置されていることを特徴とする室外機。
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