JP2017119743A - 食器洗い機用洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
Description
食器洗い機では、洗浄及び濯ぎの際、数リットルの温水がノズルから強く噴き出されながら循環する。また、食器洗い機による洗浄には、一般に、専用の洗浄剤(食器洗い機用洗浄剤)が用いられる。
特許文献2には、陰イオン界面活性剤と、キレート剤と、酵素と、プロピレングリコール等とを含有する食器洗い機用洗浄剤が開示されている。
特許文献1、2に記載の洗浄剤では、皮膜形成や結晶析出を抑制することは検討されていない。
[1] (A)成分:界面活性剤と、(B)成分:キレート剤と、(D)成分:水と、を含有する食器洗い機用洗浄剤であって、(B)成分の含有量が、食器洗い機用洗浄剤の総質量に対して酸型換算で10質量%以上であり、カリウムイオンを含む、食器洗い機用洗浄剤。
[2] (C)成分:ポリオールをさらに含有し、かつ、(C)成分/(B)成分で表される質量比が0.02〜0.6である、[1]に記載の食器洗い機用洗浄剤。
[3] カリウムイオンの含有量が、食器洗い機用洗浄剤の総質量に対して4〜23質量%である、[1]または[2]に記載の食器洗い機用洗浄剤。
[4] カリウムイオン/総アルカリ金属イオンで表される質量比が、0.4〜1である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の食器洗い機用洗浄剤。
[5] (A)成分は、下記一般式(a−1)で表される化合物(A1)と、陰イオン界面活性剤(A2)とを含む、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の食器洗い機用洗浄剤。
[7] 酸性増粘多糖類をさらに含有する、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の食器洗い機用洗浄剤。
[8] 酵素をさらに含有する、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の食器洗い機用洗浄剤。
[9] 25℃におけるpHが6〜8である、[8]に記載の食器洗い機用洗浄剤。
本発明の食器洗い機用洗浄剤(以下、単に「洗浄剤」ともいう。)は、以下に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、および(E)成分を含有する。また、本発明の洗浄剤は、カリウムイオンを含む。
(A)成分は、界面活性剤である。洗浄剤が(A)成分を含有することで、高い洗浄力(特に油汚れに対する洗浄力)を発揮する。
(A)成分としては特に限定されないが、食器洗い機用洗浄剤に通常用いられる低泡性の界面活性剤を使用することが好ましく、界面活性剤を単独、あるいは2種以上併用して用いることができる。中でも、低泡性であり、油汚れに対する洗浄力がより高まる点から、下記一般式(a−1)で表される化合物(A1)であるアルキルアミドアミン(以下、「(A1)成分」ということもある。)と、陰イオン界面活性剤(A2)(以下、「(A2)成分」ということもある。)とを併用することが好ましい。
R1におけるアルキル基およびアルケニル基の炭素数はそれぞれ11〜21であり、泡立ちを抑える抑泡効果や油汚れに対する洗浄力がより高まることから、好ましくは炭素数が13〜21であり、より好ましくは炭素数が15〜21であり、特に好ましくは炭素数が15〜19である。
R1としては、炭素数13〜21の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。
R2におけるヒドロキシアルキル基中のヒドロキシ基の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
R2としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
R3におけるアルキレン基の炭素数は1〜4であり、好ましくは炭素数が1〜3であり、より好ましくは炭素数が2または3であり、特に好ましくは炭素数が3である。
R4およびR5におけるアルキル基の炭素数はそれぞれ1〜4であり、好ましくは炭素数が1〜3であり、より好ましくは炭素数が1または2であり、特に好ましくは炭素数が1である。
R4およびR5としては、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、互いに同一であることが好ましい。
これらの中でも、抑泡効果がより得られやすいことから、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミドが好ましい。
これら(A1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
スルホン酸塩タイプとしては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸などが挙げられる。
硫酸エステル塩タイプとしては、アルキル硫酸エステル塩、アルケニル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩などが挙げられる。
カルボン酸塩タイプとしては、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤などが挙げられる。
リン酸エステル塩タイプとしては、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩などが挙げられる。
これらの中でも、油汚れに対する洗浄力が良好であり、低泡性を確保しやすく、皮膜形成や結晶析出の抑制効果が得られやすいことから、スルホン酸塩タイプが好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩およびジアルキルスルホコハク酸塩が特に好ましい。
これら(A2)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、キレート剤である。洗浄剤が(B)成分を含有することで、ガラスコップ等の曇り汚れに対する洗浄力や、茶渋汚れに対する洗浄力が高まる。
(B)成分の分子量は800以下が好ましい。分子量が800以下であれば、他の成分との相溶性がよく、多くの量の(B)成分を容易に配合できる。加えて、ハンドリング性に優れると共に、皮膜形成をより抑制できる。
(B)成分を構成する塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
これら(B)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において「酸型換算」とは、(B)成分を酸型として計算することを意味する。例えば、洗浄剤が(B)成分としてクエン酸塩やL−グルタミン酸二酢酸塩を含有する場合、これらに対応する酸(すなわち、クエン酸やL−グルタミン酸二酢酸)としての含有量を計算する。
(C)成分は、ポリオールである。洗浄剤が(C)成分を含有することで、後述するカリウムイオンの存在下、(B)成分との相乗効果により、茶渋汚れに対する洗浄力がより高まると共に、皮膜形成をより抑制できる。
HO−(CH2CH2O)s−(CH2CHCH3O)t−H ・・・(c−1)
R6−O−(CH2CH2O)p−(CH2CHCH3O)q−H ・・・(c−2)
tは0以上であり、1〜3が好ましい。
s+tは1以上であり、1〜6が好ましい。
pは0以上であり、0〜3が好ましい。
qは0以上であり、0〜3が好ましい。
p+qは1以上であり、1〜5が好ましい。
単糖類の誘導体としては、例えば、上述した単糖類と炭素数1〜5のアルコールとのエーテルなどが挙げられる。
これら(C)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分は、水である。
(D)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、75質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、55質量%以下がさらに好ましい。特に、(D)成分の含有量が65質量%以下であれば、洗浄剤をコンパクト化できる。加えて、油汚れや茶渋汚れに対する洗浄力もより向上する。
(D)成分の含有量の下限値については特に制限されないが、洗浄剤の総質量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。
(カリウムイオン)
本発明の洗浄剤は、カリウムイオンを含む。洗浄剤がカリウムイオンを含むことで、茶渋汚れに対する洗浄力が向上する。加えて、皮膜形成を抑制できる。
なお、上述したように、(C)成分は茶渋汚れに対する洗浄力と皮膜形成の抑制に寄与する成分であるが、(B)成分を酸型換算で10質量%以上含有する洗浄剤において、カリウムイオンを含まない場合、(C)成分を配合させると、皮膜形成の抑制効果が低下する傾向にある。
しかし、本発明の洗浄剤はカリウムイオンを含むので、(C)成分を配合させても皮膜形成の抑制効果を良好に維持できる。
本発明の洗浄剤は、カリウムイオン以外のアルカリ金属イオンを含んでいてもよい。カリウムイオン以外のアルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオンなどが挙げられる。
ナトリウムイオンの供給源となるものとしては、(A2)成分や(B)成分がナトリウム塩の場合、その対イオンが挙げられる。また、ナトリウムを含む化合物をナトリウムイオンの供給源として用いてもよい。すなわち、ナトリウムイオンの供給源となるものとしては、ナトリウム塩である(A2)成分、ナトリウム塩である(B)成分、およびナトリウムを含む化合物(ただし、ナトリウム塩である(A2)成分とナトリウム塩である(B)成分を除く。)から選択される少なくとも1種が好ましい。
カリウムイオンの含有量は、洗浄剤の総質量に対して、4〜23質量%が好ましく、10〜20質量%が好ましい。カリウムイオンの含有量が上記範囲内であれば、茶渋汚れに対する洗浄力がより高まると共に、皮膜形成の抑制効果がより向上する。
また、カリウムイオン/総アルカリ金属イオンで表される質量比は、0.4〜1が好ましく、0.6〜1がより好ましく、0.8〜1がさらに好ましい。カリウムイオン/総アルカリ金属イオンで表される質量比が上記範囲内であれば、皮膜形成の抑制効果がより向上する。
本発明の洗浄剤には、本発明の目的に反しない限り、食器を洗浄するための洗浄剤に通常含まれる成分を任意成分として含むことができる。
任意成分としては、例えば、酸性増粘多糖類、酵素、植物抽出エキス、吸油剤、消泡剤、食器保護剤、増粘剤、着色剤、(C)成分以外の溶剤およびハイドロトロープ剤、酸化防止剤、pH調整剤、香料、漂白剤などが挙げられる。
酸性増粘多糖類としては、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、ペクチン、大豆多糖類、アルギン酸、アラビアガム、カラヤガム、トラガントガム、ヒアルロン酸などが挙げられる。また、酸性増粘多糖類として、グルコースの酸化物であるグルクロン酸、ガラクトースの酸化物であるガラクツロン酸、マンノースの酸化物であるマンヌロン酸等の単糖類酸化物が結合した多糖類を用いてもよい。
これらの中でも、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナンが好ましく、キサンタンガム、ジェランガムがより好ましい。
これら酸性増粘多糖類は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、タンパク質汚れ、デンプン汚れに対する洗浄力が特に高まることから、β−グリコシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼが好ましく、プロテアーゼが特に好ましい。
これら酵素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
洗浄剤の25℃におけるpHは、2〜8が好ましい。特に、洗浄剤が酵素を含む場合、洗浄剤のpHは、6〜8が好ましい。洗浄剤のpHが6〜8であれば、洗浄剤の透明性も良好に維持しつつ、酵素の活性が低下するのを抑制できる。しかも、食器洗い機の金属部分の腐食も抑制できる。
洗浄剤のpHは、硫酸、モノエタノールアミン等のpH調整剤を用いて調整すればよい。また、アルカリ金属イオンの供給源(アルカリ供給源)として、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いる場合、これらはpH調整剤の役割も果たす。
本発明の洗浄剤の製造方法は特に限定されず、例えば(C)成分と(D)成分とアルカリ供給源とを混合した後に、これに(A)成分と(B)成分とを加え、所定のpHに調整する方法が挙げられる。
以上説明した本発明の洗浄剤においては、(A)成分と、特定量の(B)成分と、(D)成分とを含有し、かつカリウムイオンを含むので、コンパクトタイプでありながら、茶渋汚れに対する洗浄力が高く、皮膜形成や結晶析出を抑制できる。
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・A1−1:C18ジメチルアミノプロピルアミド(東邦化学株式会社製、商品名:「カチナールMPAS」、一般式(a−1)中のR1=炭素数15の直鎖状のアルキル基である分子(C16)と、R1=炭素数17の直鎖状のアルキル基である分子(C18)と、の質量比でC16:C18=3:7の混合物。R2=水素原子、R3=プロピレン基((CH2)3)、R4=メチル基、R5=メチル基)。
・A1−2:C14ジメチルアミノプロピルアミド(合成品)、一般式(a−1)中のR1=炭素数13の直鎖状のアルキル基、R2=水素原子、R3=プロピレン基((CH2)3)、R4=メチル基、R5=メチル基。
・A1−3:C18ジエチルアミノエチルアミド(日光ケミカルズ株式会社製、商品名:「NIKKOL アミドアミンSV」、一般式(a−1)中のR1=炭素数15の直鎖状のアルキル基である分子(C16)と、R1=炭素数17の直鎖状のアルキル基である分子(C18)との混合物。R2=水素原子、R3=エチレン基、R4=エチル基、R5=エチル基)。
・A1−4:C12ジメチルアミノプロピルアミド(合成品)、一般式(a−1)中のR1=炭素数11の直鎖状のアルキル基、R2=水素原子、R3=プロピレン基((CH2)3)、R4=メチル基、R5=メチル基。
・A2−1:セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:「HOSTAPUR SAS 30A」、平均分子量328g/mol中にナトリウムを22.99g/mol含有、ナトリウム含有量は純分当たり7質量%)。
・A2−2:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(テイカ株式会社製、商品名:「テイカパワーL121」)。
・A2−3:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩(ライオン株式会社製、商品名:「サンノールLMT−1430」、平均分子量383g/mol中にナトリウムを22.99g/mol含有、ナトリウム含有量は純分当たり6質量%)。
容量3Lの四つ口フラスコ内に、ミリスチン酸メチル(分子量228.4)907.0g(3.97mol)と、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA、分子量102.2)121.6g(1.19mol)とを仕込み、反応容器内を窒素で2回減圧置換した後、185℃へ昇温した。180℃到達時を反応開始として1.5時間熟成した後、DMAPA(分子量102.2)405.7g(3.97mol)を4時間かけて滴下した。滴下終了後、7時間熟成を行い、その後、195℃まで昇温し、過剰のDMAPAを減圧除去(2.4kPa到達後1hr処理)することで、ミリスチン酸(C14)ジメチルアミノプロピルアミド1183gを得た。
ミリスチン酸メチルの代わりに、ラウリン酸メチル用いた他は、A1−2の合成方法と同様にして合成を行い、ラウリン酸(C12)ジメチルアミノプロピルアミド1100 gを得た。
・B−1:クエン酸(扶桑化学工業株式会社製、商品名:「精製クエン酸(無水)」)。
・B−2:ポリアクリル酸(BASFジャパン株式会社製、商品名:「Sokalan CP10 S」、重量平均分子量4000)。
・C−1:プロピレングリコール(株式会社ADEKA製、商品名:「化粧用プロピレングリコール」)。
・C−2:グリセリン(阪本薬品工業株式会社製、商品名:「化粧品用グリセリン」)。
・C−3:ソルビトール(三菱商事フードテック株式会社製、商品名:「ソルビットL−70」)。
・KOH:水酸化カリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)。
・NaOH:水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬特級)。
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
・pH調整剤:硫酸(関東化学株式会社製)、モノエタノールアミン(和光純薬工業株式会社製)の1種以上。
・プロテアーゼ:ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名:「サビナーゼ16XL」。
・アミラーゼ:ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名:「ターマミルウルトラ300L」。
・キサンタンガム:三晶株式会社製、製品名:「KELZAN T」。
・エタノール:発酵エタノール95度(日本アルコール産業株式会社製)。
<洗浄剤の調製>
表1〜4に示す配合組成に従い、以下のようにして洗浄剤を調製した。
1Lビーカー(直径12cm)内に、(C)成分と、キサンタンガムとを投入し、撹拌機(新東科学株式会社製、製品名:「HEIDON FBL1200スリーワンモーター」)に直径7.5cm、幅1.5cm、角度45度の4枚羽パドルを装備したものを用い、ビーカー内の内容物が飛び散らないように、未溶解分(ダマ)がなくなるまで回転数400〜900rpmで撹拌し、高分子水溶液を得た。ついで、アルカリ供給源を添加し、混合液Aを得た。
別途、1Lビーカー(直径12cm)内に、40℃に加温したエタノールを投入し、これに(A)成分と(B)成分とを添加して混合液Bを得た。
混合液Aを前記撹拌機の回転数650rpmで撹拌しながら、混合液Bを加え、混合液Cを得た。混合液Cの25℃におけるpHが7となるようにpH調整剤を用いて調整し、さらに5分間撹拌した。ついで、25℃にて酵素(アミラーゼ、プロテアーゼ)を添加し、前記撹拌機の回転数650rpmで1分間撹拌することにより洗浄剤を得た。
混合液CのpH(25℃)は、25℃に調整した混合液Cを、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名:「HM−30G」)を用いて測定した。測定方法は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
各例の洗浄剤について、以下に示す評価方法によって各評価を行った。結果を表1〜4に示す。
食器洗い機として、自動食器洗い乾燥機(パナソニック株式会社製、機種名:「NP−40SX2」)を用いた。各評価において、洗浄処理は、該自動食器洗い乾燥機に設定されている標準コース(節電モードまたは通常モード)で運転することにより行った。節電モードとは、通常モードと比較して、洗浄工程での水温が15℃低く設定されている。該標準コース(節電モード)の内容を以下に示す。
該自動食器洗い乾燥機に洗浄剤3〜6g(水道水3Lに対し)を投入した後、約5℃の水道水を庫内に導入して調製される洗浄液を40℃まで2〜3℃/minで昇温しながら20分間洗浄を行い、該洗浄液を排水する。次いで、新たな水道水を導入し、すすぎ(2分間/回)と排水との繰返し3回を行う。排水後、新たな水道水を導入し、70℃まで2〜3℃/minで昇温しながらすすぎ1回(最終すすぎ)20分間を行い、排水後、温風を循環させながら食器等を乾燥する。
なお、各例における洗浄剤の使用量(g/3L)を表1〜4に示す。
紅茶を飲み干した後、温度25℃、相対湿度50%RH条件下で一晩放置した紅茶汚垢の付いたコーヒーカップ(内径70mm、高さ70mm)3個を、前記自動食器洗い乾燥機に装填し、洗浄剤3〜6gを投入して標準コース(節電モード)で洗浄処理を施した。
洗浄処理の後、コーヒーカップの仕上がり具合を観察し、下記の評価基準に基づいて、茶渋汚れに対する洗浄力を評価した。コーヒーカップ3個の評価の平均点が3.0点以上であれば合格とした。
4点:汚れが完全に除去されていた。
3点:若干の汚れが認められたが、洗い直す必要がないレベルであった。
2点:汚れが残っており、洗い直す必要があるレベルであった。
1点:汚れがほとんど除去されずに残っていた。
油汚れとして、牛脂/ラード/バター/サラダ油=3/3/3/1(質量比)の混合油とレトルトカレー(ボンカレーゴールド21辛口)とを用いた。
前記混合油3g及び前記レトルトカレー6gをそれぞれ全体に付着させて汚染したポリプロピレン製弁当箱(縦110mm、横170mm、高さ35mm)を、前記自動食器洗い乾燥機に装填し、洗浄剤3〜6gを投入して標準コース(節電モード)で洗浄処理を施した。
洗浄処理の後、ポリプロピレン製弁当箱の仕上がり具合を観察し、下記の評価基準に基づいて、油汚れに対する洗浄力を評価した。評価点が3点以上であれば合格とした。
4点:油汚れが完全に除去されていた。
3点:若干油汚れが残っていたが、洗い直す必要がないレベルであった。
2点:油汚れが残っており、洗い直す必要があるレベルであった。
1点:油汚れがべっとりと残っていた。
底面の直径3cm、上部の直径4cm、容積20mLの円筒状プラスチックカップ(上部開放)に洗浄剤10gを入れ、25℃、湿度45%の恒温室に0.5時間、1時間、1.5時間、3時間、4時間、16時間放置した後、洗浄剤の表面の状態を目視で観察し以下の判定基準に基づいて評価した。
◎:変化が認められない。
○:表面にわずかに皮膜・析出物が確認されるが、問題なく流動する。
△:表面に皮膜・析出物が確認されるが、流動性を有する
×:固化し、流動しない。
前記自動食器洗い乾燥機に洗浄剤3〜6gを投入し、前記標準コース(通常モード)にて運転を行った。
洗浄開始から水温が50℃に達した時点で運転を止めると同時に扉を開け、その15秒後に庫内の泡立ちを測定した。
その際、庫内の3箇所をランダムに選択し、物さしで該箇所の泡高(mm)をそれぞれ測定し、これらの平均値を求め、下記の評価基準に基づいて低泡性を評価した。泡高が10mm以下であれば合格とした。
4点:泡高が5mm以下である。
3点:泡高が5mm超、10mm以下である。
2点:泡高が10mm超、15mm以下である。
1点:泡高が15mm超であるか、自動食器洗い乾燥機が異常停止した。
また、「C/B」は、(C)成分/(B)成分で表される質量比である。「K/(K+Na」は、カリウムイオン/総アルカリ金属イオンで表される質量比である。
また、(A)成分として、一般式(a−1)中のR1の炭素数が13以上である(A1)成分と、(A2)成分とを併用した実施例1〜19、22〜28は、低泡性であり、油汚れに対する洗浄力にも優れていた。
カリウムイオンを含まない比較例2〜4の洗浄剤は、皮膜が形成したり、結晶が析出したりしやすかった。
Claims (5)
- (A)成分:界面活性剤と、
(B)成分:キレート剤と、
(D)成分:水と、を含有する食器洗い機用洗浄剤であって、
(B)成分の含有量が、食器洗い機用洗浄剤の総質量に対して酸型換算で10質量%以上であり、
カリウムイオンを含む、食器洗い機用洗浄剤。 - (C)成分:ポリオールをさらに含有し、かつ、(C)成分/(B)成分で表される質量比が0.02〜0.6である、請求項1に記載の食器洗い機用洗浄剤。
- カリウムイオンの含有量が、食器洗い機用洗浄剤の総質量に対して4〜23質量%である、請求項1または2に記載の食器洗い機用洗浄剤。
- カリウムイオン/総アルカリ金属イオンで表される質量比が、0.4〜1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食器洗い機用洗浄剤。
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