JP2017119644A - 固形粉末化粧料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤として水を使用した湿式充填において、光輝性顔料を多量に含有していても油剤が容易に均一分散して、感触が柔らかく、伸び広がりが良く、滑らかな使用感を有し、化粧持ちが良く、耐衝撃性に優れ、更には強い光沢感のある外観を有する固形粉末化粧料が得られる製造方法の提供。【解決手段】下記成分(A)及び(B)を含む油剤と、下記成分(C)を含む粉体とを混合することによって調製される化粧料基材と、水及び水性有機溶剤から選ばれる揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去する固形粉末化粧料の製造方法。(A) ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーン(B) 成分(A)以外のシリコーン油(C) 光輝性顔料:化粧料基材総量の10質量%以上60質量%以下【選択図】なし

Description

本発明は固形粉末化粧料の製造方法に関する。
固形粉末化粧料の製造方法には、粉体とバインダーとしての油剤を混合したのち圧密成型する乾式法と、粉体と油剤からなる化粧品基材に揮発性溶剤を加えてスラリーとし、容器に充填した後、揮発性溶剤を乾燥除去して化粧料を得る湿式法(湿式充填)がある。湿式法により得られる固形粉末化粧料は、スラリー状態を経ることで、粉体と油剤の均一分散が進み、細やかな粉質と、しっとりとした使用感を有する。湿式法においては、その特長を最大限に発揮させるため、スラリー中では基材である粉体と油剤を均一に分散させることが必要である。このような基材の分散能力に優れた溶剤としては、揮発性炭化水素や低沸点アルコールが知られており、実際の湿式法による固形粉末化粧料を得る際に汎用されている(特許文献1、2)。
しかしながら、揮発性炭化水素や低沸点アルコールは危険物として取り扱われるため、固形粉末化粧料の製造に用いる場合には、特別な保管倉庫を設けて管理した上で使用し、実際の製造においては、引火点を超えないような乾燥条件を設定し、乾燥除去した揮発性溶剤は再び回収して処分するといった作業安全面、環境対応面での留意が必要であった。また、石油を精製して得られる揮発性炭化水素は、将来石油が枯渇した場合には利用不可能となる。
このような背景から、揮発性溶剤として水を使用することが試みられているが、水を使用してスラリーを調製する場合、油剤の均一分散が困難であり、得られる製品は表面から内部までの油剤分散状態が不均一となり、使用する化粧料の部分部分によって、粉取れ量や肌への伸び広がりが異なったり、耐衝撃性が悪くなったりするといった使用上の問題がある。
このような課題を解決するため、分散性の悪い油剤の配合量を抑えて、固形粉末油を含有させたり(特許文献3)、皮膜形成性高分子を含有させたり(特許文献4)することで、耐衝撃性を改善する試みがなされている。また、特定の粉体原料と油剤から成る基材に、更に多価アルコール及び/又は親油性界面活性剤を含有させることにより、基材の分散性を改善する試み(特許文献5)や、ポリエーテル変性シリコーン架橋物を含有させることにより、粉取れや使用感を改善する試み(特許文献6)もなされている。
特開昭64-9909号公報 特開昭62-201809号公報 特開2007-269696号公報 特開2001-72536号公報 特開2010-47528号公報 特開2013-209317公報
しかしながら、特許文献3、4のように、基材中に固形粉末油や皮膜形成性高分子を用いた場合、これら成分に由来して粉っぽく、のびの悪い使用感となる。また、これらの技術によっても、光輝性顔料を多く含む製品においては耐衝撃性を確保することが難しく、その対応として光輝性顔料の含有量を少なくしてしまうと、製品外観の光輝感が著しく低下してしまうという問題がある。
一方、特許文献5のように、固形粉末化粧料基材に多価アルコールを含有させると、化粧塗布膜が水や汗に弱いという新たな問題が発生し、また、特許文献6のように、ポリエーテル変性シリコーン架橋物を任意の粉体、任意の油剤と含有させると、感触が硬くなることがあるといった問題も生じる。
したがって本発明は、溶剤として水を使用した湿式充填において、光輝性顔料を多量に含有していても油剤が容易に均一分散して、感触が柔らかく、伸び広がりが良く、滑らかな使用感を有し、化粧持ちが良く、耐衝撃性に優れ、更には強い光輝感のある外観を有する固形粉末化粧料が得られる製造方法に関する。
本発明者は、上記実状に鑑み、鋭意研究を行った結果、湿式充填において、化粧料基材として、ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン油、並びに特定量の光輝性顔料を用いることにより、前記要求が満たされることを見出した。
本発明は、下記成分(A)及び(B)を含む油剤と、下記成分(C)を含む粉体とを混合することによって調製される化粧料基材と、水及び水性有機溶剤から選ばれる揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去する固形粉末化粧料の製造方法を提供するものである。
(A) ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーン
(B) 成分(A)以外のシリコーン油
(C) 光輝性顔料:化粧料基材総量の10質量%以上60質量%以下
本発明の製造方法によれば、溶剤として水を使用した湿式充填において、光輝性顔料を含有していても油剤が容易に均一分散して、感触が柔らかく、伸び広がりが良く、滑らかな使用感に優れ、化粧持ちが良く、耐衝撃性に優れ、更には強い光沢感のある外観を有する固形粉末化粧料を製造することができる。
〔成分(A):ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーン〕
本発明で用いる成分(A)のポリエーテル変性シリコーン及びポリグリセリン変性シリコーンとしては、直鎖型ポリエーテル変性シリコーン、分岐型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、分岐型ポリグリセリン変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーン等が挙げられる。
具体的には、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等が挙げられる。
これらのうち、優れた使用感の観点から、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマーが好ましい。
これらポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーンは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材総量中における成分(A)の含有量は、優れた使用感及び耐衝撃性の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、優れた化粧持ちの観点から、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。また、化粧料基材総量中における成分(A)の含有量の具体的範囲は、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは3〜8質量%である。
〔成分(B):成分(A)以外のシリコーン油〕
本発明で用いる成分(B)は、成分(A)以外のシリコーン油であり、揮発性シリコーン及び不揮発性シリコーンのいずれを用いることもできる。具体的には、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、ジフェニルジメチコン等が挙げられる。これらのうち、優れた使用感及び化粧持ちの観点から、25℃における粘度が0.5〜1000mm2/s、より好ましくは2〜100mm2/sのジメチコン、ジフェニルジメチコンが好ましい。
化粧品基材中の油剤として、成分(A)とともに成分(B)を用いることにより、油剤全体の水に対する親和性が増し、攪拌混合時の油剤由来の粉体凝集、スラリー調製時の粉体からの油剤の逸脱が更に起こりにくくなる。その結果、油剤由来のしっとりした使用感、及び化粧持ちに優れた固形粉末化粧料を得ることができる。
これら成分(A)以外のシリコーン油は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材総量中における成分(B)の含有量は、優れた使用感及び化粧持ちの観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、また、優れた化粧持ちの観点から、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。また、化粧料基材総量中における成分(B)の含有量の具体的範囲は、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは3〜8質量%である。
〔成分(C):光輝性顔料〕
本発明で用いる成分(C)の光輝性顔料としては、板状粉体の最表層が酸化チタン、酸化鉄及びシリカから選ばれる1種又は2種以上で被覆されたものが好ましいものとして挙げられ、母材である板状粉体としては、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク等が挙げられる。
具体的には、マイカ表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆マイカ、マイカ表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆マイカ、マイカ表面に酸化鉄を被覆した後、更に酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆マイカ、合成マイカ表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆合成マイカ、合成マイカ表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆合成マイカ、合成マイカ表面に酸化鉄を被覆した後、更に酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆合成マイカ、ガラスフレーク表面に酸化チタンを被覆した酸化チタン被覆ガラスフレーク、ガラスフレーク表面に酸化鉄を被覆した酸化鉄被覆ガラスフレーク、ガラスフレーク表面に酸化鉄を被覆した後、更に酸化チタンを被覆した酸化鉄・酸化チタン被覆ガラスフレーク、ガラスフレーク表面に酸化チタンを被覆した後、更にシリカを被覆した酸化チタン・シリカ被覆ガラスフレーク等が例示される。これらのうち、優れた使用感及び光輝感の観点から、合成マイカ又はガラスフレークを母材として用いたものが好ましい。
これら最表層が酸化チタン、酸化鉄及びシリカから選ばれる1種又は2種以上で被覆された光輝性顔料は、最表層に水酸基を持つことになるため、ポリエーテル基又はポリグリセリン基を有する成分(A)に対する親和性が高い。また、成分(B)も成分(A)に対する親和性が高いため、上記光輝性顔料を含む化粧料基材と揮発性溶剤を攪拌混合してスラリーを調製する際にも、粉体からの油剤の逸脱が起こらず、最終的に固形粉末化粧料となった際にも、油剤由来のしっとりとした使用感と、十分な耐衝撃性及び化粧持ち性を有するものとなる。
これら光輝性顔料は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材総量中における成分(C)の含有量は、柔らかい感触及び十分な光輝感が得られる観点から、10質量%以上であって、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、十分な耐衝撃性を得る観点から、60質量%以下であって、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。また、化粧料基材総量中における成分(C)の含有量の具体的範囲は、10〜60質量%であって、好ましくは15〜55質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
〔その他の化粧料基材〕
本発明の製造方法において、前記成分以外の化粧料基材として、通常の化粧料に用いられるものであればいずれものも用いることができ、例えば、成分(C)以外の粉体、成分(A)及び(B)以外の油剤、添加剤などを用いることができる。
・粉体
成分(C)以外の粉体としては、例えば、有機色素顔料、レーキ有機色素顔料、無機有色顔料、白色顔料、体質顔料、金属塩顔料、無機顔料、樹脂粉体、アシル化リジン粉体、金属石鹸粉体等が挙げられる。より具体的には、赤色104号、赤色202号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、黒色401号等の有機色素顔料;黄色4号Alレーキ、青色1号Alレーキ等のレーキ有機色素顔料;黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青、マンガンバイオレット等の無機有色顔料;酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料;タルク、マイカ、合成マイカ、セリサイト、窒化ホウ素等の体質顔料;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩顔料;シリカ、アルミナ等の無機顔料;ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、ナイロンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、セルロースパウダー、ポリフッ化エチレン等の樹脂粉体;ラウロイルリジン等のアシル化リジン粉体;高級脂肪酸金属塩である金属石鹸粉体などが挙げられる。また、これらの粉体は、適宜表面処理されていてもよい。これらの粉体の大きさ、形状等は限定されず、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
化粧料基材総量中における成分(C)を含めた粉体の総含有量は、色彩や光沢を付与するという化粧効果を十分発揮させる観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、また、良好な保形性の観点から、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。また、化粧料基材総量中における粉体の総含有量の具体的範囲は、好ましくは70〜97質量%、より好ましくは75〜96質量%、更に好ましくは80〜95質量%である。
また、前記成分(C)以外の粉体のうち、成分(D)として、合成マイカを含むことが好ましく、化粧料基材総量中における成分(D)の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは7.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12.5質量%以下である。
・油剤
また、成分(A)及び(B)以外の油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればよく、例えば、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、各種エステル油、パーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系油剤等が挙げられる。このような油剤を配合することにより、最終製品のしっとり感や肌へのつきが向上するので好ましい。
これらの油剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。化粧料基材総量中における成分(A)及び(B)を含めた油剤の総含有量は、保形性や、最終製品のしっとり感や肌へのつきなどの効果を十分発揮させるため、好ましくは5質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは7質量%以上であり、また、化粧料表面が固化し、使用感が悪化することを回避するため、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。また、化粧料基材総量中における油剤の総含有量の具体的範囲は、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは6〜25質量%、更に好ましくは7〜20質量%である。
この場合において、化粧料基材に揮発性溶剤を加えてスラリーを調製する際に、油剤同士の凝集が起こらないようにし、耐衝撃性、化粧持ち及び使用感に優れるものとする観点から、成分(A)及び(B)の合計量が、油剤総量中の50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、75質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
・界面活性剤
また、化粧料基材には、成分の均一分散を補助する目的で、界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられているものであればいずれのものも使用でき、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、レシチン等が挙げられる。
・その他の成分
また、化粧料基材中には、製品の性能や品質を向上させるため、通常の化粧料に用いられる成分、例えば、保湿剤、pH調整剤、酸化防止剤、防菌防黴剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分等の各種添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有させることができる。
〔製造方法〕
化粧料基材は、以上の成分を通常の粉末化粧料を製造する装置を使用し、攪拌混合して、調製される。より具体的には、まず、成分(A)及び(B)を含む油剤を混合し、必要に応じて加熱溶解する。一方、成分(C)を含む粉体を均一に混合する。この成分(C)を含む粉体に、成分(A)及び(B)を含む油剤を加えて均一に分散させ、粉砕することにより、化粧料基材が調製される。
このようにして得られる化粧料基材と、水及び水性有機溶剤から選ばれる揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去することにより、固形粉末化粧料を得ることができる。
揮発性溶剤に用いる水性有機溶剤としては、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低沸点アルコールが好ましく、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。揮発性溶剤としては、水単独、あるいは、低沸点アルコールを水に溶解したアルコール水溶液が好ましい。アルコール水溶液中の低沸点アルコール濃度は、50質量%以下であるのが好ましい。通常、水を用いた湿式法による製造方法では、アルコール水溶液中のアルコール濃度が高いほど、スラリー調製時に化粧料基材の分散が良好となり、使用感に優れ、十分な耐衝撃性を持った固形粉末化粧料が得られる。しかし、本発明の製造方法においては、全く低沸点アルコールを使用しなくとも、化粧料基材の分散が良好であり、非常に良好な使用感と、十分な耐衝撃性を有する固形粉末化粧料を得ることができることから、アルコール水溶液中の低沸点アルコール濃度を、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下とすることができる。
本発明において、スラリーの調製に用いる揮発性溶剤の量は、スラリーが充填に適した流動性を有する観点から、化粧料基材100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下である。
化粧料基材と揮発性溶剤を混合してスラリーを調製した後、容器に充填し、加熱乾燥によって揮発性溶剤を除去する。加熱温度は限定されないが、全ての溶剤を乾燥除去するためには、30℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。乾燥装置も限定されないが、熱風循環型乾燥機を用いるのが、化粧料が局所的に高温にさらされることもなく好ましい。
本発明により製造される固形粉末化粧料は、ファンデーション、アイシャドウ、チーク等として適用することができる。なかでもアイシャドウとして使用することが好適である。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。なお、表中の含有量の単位は質量%である。実施例に先立ち、各実施例で採用した評価方法を説明する。
(1)感触(柔らかさ、しっとりさ)、使用感(粉取れ量、伸び広がり)、及び光輝感:
女性パネラー20名により、各固形粉末化粧料を肌に塗布したときの感触(柔らかさ、しっとりさ)、使用感(粉取れ量、伸び広がり)、及び光輝感について官能評価した。結果を以下の基準で示した。
(評価基準)
◎:良いと答えた人数が17人以上
○:良いと答えた人数が12〜16人
△:良いと答えた人数が8〜11人
×:良いと答えた人数が7人以下
(2)化粧持ち:
専門パネラー25名により、各固形粉末化粧料を肌に塗布してから5時間経過した後、化粧持ちについて官能評価した。結果を以下の基準で示した。
(評価基準)
◎:良いと答えた人数が20人以上
○:良いと答えた人数が15〜19人
△:良いと答えた人数が11〜14人
×:良いと答えた人数が10人以下
(3)耐衝撃性:
各固形粉末化粧料を化粧コンパクトに内蔵させ、水平方向で高さ40cmから厚み10mmの塩化ビニル板上に繰り返し落下させ、欠け、割れ、ひび割れ等の異常が生じるまでの回数を評価した。評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎:11回以上
○:7〜10回
△:5〜6回
×:4回以下
実施例1〜10、比較例1〜6
表1に示す組成で固形粉末化粧料を製造し、前記試験を行った。結果を表1に併せて示す。
(固形粉末化粧料の製造方法)
(I):成分1〜7を混合し、70℃まで加熱して溶解する。
(II):成分8〜17を均一に混合する。
(III):(II)に(I)を加えて均一に分散させ、粉砕後、化粧料基材を得た。
(IV):(III)100質量部と溶剤100質量部を混合してスラリーを調製した。
実施例4については、水80質量部とエタノール20質量部をあらかじめ混合して使用した。
(V):アルミ金皿(27mm×27mmの正方形、厚さ4mm)に、(IV)のスラリーを充填、成
型し、成型品を得た。
(VI):成型品は50℃乾燥機内で7時間乾燥した。
Figure 2017119644
*1:KF-6011(信越化学工業社製)
*2:KSG-210(信越化学工業社製)
*3:KSG-710(信越化学工業社製)
*4:FZ-209(東レ・ダウコーニング社製)
*5:KF-96-20CS(信越化学工業社製)
表1の結果から明らかなように、実施例1〜10では、感触、使用感、光輝感、化粧持ち、及び耐衝撃性のいずれも良好であった。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)及び(B)を含む油剤と、下記成分(C)を含む粉体とを混合することによって調製される化粧料基材と、水及び水性有機溶剤から選ばれる揮発性溶剤とを混合してスラリー状とし、容器に充填した後、該溶剤を除去する固形粉末化粧料の製造方法。
    (A) ポリエーテル変性シリコーン及び/又はポリグリセリン変性シリコーン
    (B) 成分(A)以外のシリコーン油
    (C) 光輝性顔料:化粧料基材総量の10質量%以上60質量%以下
  2. 成分(A)が、直鎖型ポリエーテル変性シリコーン、分岐型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、分岐型ポリグリセリン変性シリコーン及び架橋型ポリグリセリン変性シリコーンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  3. 成分(A)が、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー及び(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマーから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  4. 成分(B)が、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン及びジフェニルジメチコンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  5. 成分(C)が、板状粉体の最表層が酸化チタン、酸化鉄及びシリカから選ばれる1種又は2種以上で被覆されたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  6. 更に化粧料基材に、成分(D)合成マイカを化粧料基材総量の5質量%以上20質量%以下含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  7. 揮発性溶液が、水又は低沸点アルコールを水に溶解したアルコール水溶液であり、アルコール水溶液中の低沸点アルコール濃度が、50質量%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
  8. アルコール水溶液中の低沸点アルコール濃度が、25質量%以下である請求項7に記載の固形粉末化粧料の製造方法。
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