JP2017119272A - 高分子凝集剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 脱水ケーキの含水率が低くなるフロックを形成する高分子凝集剤を提供する。【解決手段】 下記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマーを含有する不飽和モノマーを構成単量体とする水溶性(共)重合体(A)と、ポリアミン塩(B)とを含有してなり、該ポリアミン塩が炭素数2〜20のポリアミンとプロトン酸との塩であって、該水溶性(共)重合体の重量に基づく該ポリアミン塩の含有量が0.5〜10%である高分子凝集剤;該高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ固液分離することを特徴とする汚泥または廃水の処理方法。CH2=C(CH3)−CO−X−Q−N+R1R2R3・Z-(1)【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子凝集剤に関する。さらに詳しくは、汚泥または廃水処理用等で脱水性に優れた高分子凝集剤に関する。
従来、下水等の汚泥処理、廃水処理、あるいは土木現場での泥水処理、浚渫埋め立て時の泥水の沈降分離促進用等の処理剤として、さらには製紙用脱水剤や紙力増強剤等として水溶性高分子からなる高分子凝集剤が広く使用されている。とくに近年、発生する汚泥量等の増加から、脱水処理速度向上のニーズが高まってきていることや、有機性汚泥の性状の難脱水化に伴う、脱水ケーキの焼却処分費用の増大、並びに脱水ケーキをそのまま埋め立て処分する際の埋め立て地の逼迫した状況等から、より強固で、粗大なフロックを形成させ、脱水ケーキの含水率を大幅に低減することができる高分子凝集剤が強く望まれている。より強固で、粗大なフロックを形成させるために、例えば架橋型ポリマー(例えば特許文献1、2参照)が提案されている。
特開2004−255378号公報 特開2001−129311号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の高分子凝集剤は、多少、形成されたフロックは強固になったものの、ケーキの含水率が不十分であり、さらなる脱水ケーキ含水率の低下が望まれていた。
本発明の目的は、脱水ケーキの含水率が低くなるフロックを形成する高分子凝集剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマー(a1)を含有する不飽和モノマーを構成単量体とする水溶性(共)重合体(A)と、ポリアミン塩(B)とを含有してなり、該(B)が炭素数2〜20のポリアミン(b0)とプロトン酸(b2)との塩であって、該(A)の重量に基づく該(B)の含有量が0.5〜10重量%である高分子凝集剤(P)である。

CH2=C(CH3)−CO−X−Q−N+123・Z- (1)

[式中、R1〜R3はH;XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基;Z-はプロトン酸のH+を除く残基を表す。]
本発明の高分子凝集剤(P)は下記の効果を奏する。
(1)粗大かつ強固なフロックを形成する
(2)凝集性能がよく、ろ液量が増大することから、脱水処理速度を向上できる。
(3)脱水ケーキ含水率が低いことから、発生する廃棄物量および焼却処理コストを大幅に削減できる。
[水溶性(共)重合体(A)]
本発明における水溶性(共)重合体(A)は、下記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマー(a1)を含有する不飽和モノマーを構成単量体[以下、構成単位と記載することがある]とする水溶性(共)重合体である。
上記不飽和モノマーには、後述の水溶性不飽和モノマー(a)[水溶性カチオンモノマー(a1)、その他の水溶性不飽和モノマー(a2)]、水不溶性不飽和モノマー(x)等が挙げられる。
ここにおいて、水溶性とは、水に対する溶解度が1g以上/水100g(20℃)であることを意味する。

CH2=C(CH3)−CO−X−Q−N+123・Z- (1)
一般式(1)中、R1〜R3はH、X1はOまたはNH、Qは炭素数1〜4のアルキレン基(メチレン、エチレンおよびプロピレン基等)を表す。アルキレン基の炭素数(以下、Cと略記することがある。)が4を超えると水への溶解性が悪くなる。
-はプロトン酸のH+を除く残基を表す。プロトン酸とはプロトンを与える酸と定義されるもので、該プロトン酸としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)、および有機酸[スルホン酸(メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等)、カルボン酸(シュウ酸、 酢酸、マレイン酸等)、ホスホン酸(メチルホスホン酸、フェニルホスホン酸等)等]が挙げられる。
これらのうち、凝集性能の観点から好ましいのは無機酸および有機酸のうちのスルホン酸、さらに好ましいのは塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、とくに好ましいのは硫酸、メタンスルホン酸である。
[水溶性不飽和モノマー(a)]
水溶性不飽和モノマー(a)には、前記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマー(a1)が含まれる。
(a1)としては、以下の塩[無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩、有機酸(メタンスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸)塩等]、およびこれらの混合物等が挙げられる。
(a11)窒素原子含有メタアクリレートの塩
窒素原子含有メタアクリレートとしては、C5〜8のもの、例えばアミノメチルメタアクリレート、アミノエチルメタアクリレート、アミノプロピルメタアクリレート、アミノブチルメタアクリレート;
(a12)窒素原子含有メタアクリルアミドの塩
窒素原子含有メタアクリルアミドとしては、C5〜8のもの、例えばアミノメチルメタアクリルアミド、アミノエチルメタアクリルアミド、アミノプロピルメタアクリルアミド、アミノブチルメタアクリルアミド。
これらの(a11)、(a12)のうち、凝集性能および共重合性の観点から好ましいのは(a11)、さらに好ましいのはアミノエチルメタアクリレートおよびアミノプロピルメタアクリレートの塩、とくに好ましいのはアミノエチルメタアクリレートの塩である。さらに、これらの塩のうち好ましいのは塩酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、とくに好ましいのは硫酸塩、メタンスルホン酸塩である。
水溶性不飽和モノマー(a)には、前記水溶性カチオンモノマー(a1)以外に、その他の水溶性不飽和モノマー(a2)を含有させることができる。
その他の水溶性不飽和モノマー(a2)としては、下記のカチオン性モノマー(a21)、ノニオン性モノマー(a22)、アニオン性モノマー(a23)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a21)カチオン性モノマー
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸および硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩およびベンジルクロライド塩]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a211)前記(a1)以外の窒素原子含有(メタ)アクリレート
C5〜30のもの、例えばN,N−ジアルキル(アルキル基はC1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノ−エチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ−エチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];なお、本発明において(メタ)アクリレートはメタアクリレートおよびアクリレートを意味する。
(a212)アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C2〜21のもの、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン;
(a213)アミンイミド基を有する化合物
C6〜21のもの、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド。
(a22)ノニオン性モノマー
下記のもの、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a221)(メタ)アクリレート
C4以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定は後述の測定条件でのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]5,000以下のもの、例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ(メタ)アクリレート、モノおよび(ポリ)グリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]、アクリル酸アルキル(アルキル基はC1〜2)エステル[C4〜5のもの、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル];
(a222)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜3)(メタ)アクリルアミド[N−メチルおよびイソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(C1〜2)(メタ)アクリルアミドのアルキレンオキシド(C2〜3、以下AOと略記。)1〜8モル付加物;
(a223)前記(a1)、(a21)および(a222)以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3〜30のもの、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−カルバゾールアルキル(C1〜3)(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルマレイミドのAO2〜10モル付加物。
(a23)アニオン性モノマー
下記のもの、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物が挙げられる。
(a231)不飽和カルボン酸
C3〜30のもの、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(a232)不飽和スルホン酸
脂肪族不飽和スルホン酸(C2〜20、例えばビニルスルホン酸)、芳香族不飽和スルホン酸(C6〜20、例えばスチレンスルホン酸)、スルホ基含有(メタ)アクリレート[C2〜24、例えばスルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(a233)(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(アルキレン基はC1〜3)硫酸エステル
(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン[エチレンオキシド(以下EOと略記)付加モル数2〜50]硫酸エステル等。
本発明におけるMnおよび後述の重量平均分子量(Mw)のGPC測定は次の測定条件に従うものとする。
<GPC測定条件>
GPC機種:HLC−8120GPC、東ソー(株)製
カラム :TSKgel GMHXL2本+TSKgel
Multipore HXL−M、東ソー(株)製
溶媒 :テトラヒドロフラン(THF)
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard
POLYSTYRENE)、東ソー(株)製
上記の水溶性不飽和モノマー(a2)のうち水溶性(共)重合体(A)の共重合性の観点から好ましいのは、(a211)、(a22)、(a231)、(a232)、さらに好ましいのは(a211)、(a222)、(a223)、(a231)、および(a232)のうちスルホ基含有(メタ)アクリレート、スルホ基含有(メタ)アクリルアミド、最も好ましいのは(a211)のうちのN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの塩、(a222)のうちの(メタ)アクリルアミド、(a223)のうちのアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、(a231)のうちの(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸およびこれらのアルカリ金属塩、(a232)のうちの2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩である。また、これらの(a2)は、任意に混合して共重合させることができる。
[水溶性不飽和モノマー(a)以外のその他のモノマー]
水溶性(共)重合体(A)を構成するモノマーとしては、前記水溶性不飽和モノマー(a)以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により水不溶性不飽和モノマー(x)を併用することができる。
水不溶性不飽和モノマー(x)としては、以下の(x1)〜(x5)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(x1)C6〜23の(メタ)アクリレート
脂肪族または脂環式アルコール(C3〜20)の(メタ)アクリレート[プロピル−、ブチル−、ラウリル−、オクタデシル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基(C4〜20)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等];
(x2)[モノアルコキシ(C1〜20)、モノシクロアルコキシ(C3〜12)およびモノフェノキシ]ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールは以下、PPGと略記)[プロピレンオキシド(以下POと略記)付加モル数2〜50]の不飽和カルボン酸モノエステル
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシPPG、ω−エトキシPPG、ω−プロポキシ、ω−ブトキシPPG、ω−シクロヘキソキシPPGおよびω−フェノキシPPGモノ(メタ)アクリレート等]、および2価アルコール(C2〜20)もしくは2価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等;
(x3)C2〜30の不飽和炭化水素
エチレン、ノネン、スチレン、α−メチルスチレン等;
(x4)不飽和アルコール[C2〜4、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(プロピオン酸ビニル等);
(x5)ハロゲン含有モノマー(C2〜30、例えば塩化ビニル)。
水溶性(共)重合体(A)を構成するモノマーの合計モル数に基づく前記各モノマーの含有量は、水溶性カチオンモノマー(a1)は、凝集性能の観点から、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、とくに好ましくは95モル%以上;水溶性不飽和モノマー(a2)は、凝集性能および高分子量化の観点から、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、とくに好ましくは5モル%以下;水不溶性不飽和モノマー(x)は、好ましくは5モル%以下、凝集性能および高分子凝集剤の水への溶解性の観点から、さらに好ましくは1モル%以下である。
水溶性(共)重合体(A)は、ラジカル重合開始剤(d)、必要によりラジカル重合用連鎖移動剤(c)を用いて、公知の水溶液重合(例えば、特開昭55−133413号公報に記載の断熱重合、薄膜重合、噴霧重合等)や、公知の逆相懸濁重合(例えば特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報、特開平1−5808号公報に記載のもの)を含む種々の重合法[光重合(例えば特公平6−804公報に記載のもの)、沈澱重合(例えば特開昭61−123610公報に記載のもの)、逆相乳化重合(例えば特開昭58−197398号に記載のもの)等]で、製造することができる。
該重合法のうち、工業上の観点から好ましいのは水溶液重合、逆相懸濁重合、光重合および逆相乳化重合、さらに好ましいのは水溶液重合および逆相乳化重合である。
ラジカル重合開始剤(d)としては、種々のもの、例えばアゾ化合物〔水溶性のもの[アゾビスアミジノプロパン(塩)、アゾビスシアノ吉草酸(塩)等]および油溶性のもの[アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等]〕および過酸化物〔水溶性のもの[過酢酸、t−ブチルパーオキサイド、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等]および油溶性のもの[ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド等]〕が挙げられる。
上記アゾ化合物における塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩およびアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)塩等が挙げられる。
上記過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤〔アスコルビン酸、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]等〕が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
上記ラジカル重合開始剤(d)のうち、得られる水溶性(共)重合体(A)の水不溶解分低減の観点からアゾ化合物が好ましい。
また、(d)の使用量は(A)の最適な分子量を得るとの観点から、(A)を構成するモノマーの全重量に基づいて、好ましい下限は0.001重量%、さらに好ましくは0.005重量%、とくに好ましくは0.01重量%、好ましい上限は1重量%、さらに好ましくは0.5重量%、とくに好ましくは0.1重量%、最も好ましくは0.05重量%である。
ラジカル重合用連鎖移動剤(c)としては特に限定なく、例えば分子内に1つまたは2つ以上の水酸基を有する化合物[分子量32以上かつMn50,000以下、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量100以上かつMn50,000以下)およびポリエチレンポリプロピレングリコール(分子量100以上かつMn50,000以下)]、アンモニア、分子内に1つまたは2つ以上のアミノ基を有する化合物[例えばアミン(C1〜30、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンおよびプロパノールアミン)]、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物(後述)、および(次)亜リン酸化合物〔亜リン酸、次亜リン酸、およびこれらの塩[アルカリ金属(Na、K等)塩等]、並びにこれらの誘導体等〕が挙げられる。
これらのうちで(A)の分子量制御の観点から好ましいのは、分子内に1つまたは2つ以上のチオール基を有する化合物および(次)亜リン酸化合物である。
分子内にチオール基を有する化合物には、以下の(1)、(2)、これらの混合物およびこれらの塩[アルカリ金属(例えばリチウム、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウムおよびカルシウム)塩、アンモニウム塩、アミン(C1〜20)塩および無機酸(例えば塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸)塩]が含まれる。
(1)1価チオール
脂肪族チオール[C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン)、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、システインおよび2−メルカプトエチルアミン]、脂環式チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオールおよびシクロヘキサンチオール)および芳香(脂肪)族チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオールおよびベンジルメルカプタンおよびチオサリチル酸)が挙げられる。
(2)多価チオール
ジチオール[脂肪族(C2〜40)ジチオール(例えばエタンジチオール、ジエチレングリコールジメルカプタン、トリエチレングリコールジメルカプタン、プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール等)、脂環式(C5〜20)ジチオール(例えばシクロペンタンジチオールおよびシクロヘキサンジチオール)および芳香族(C6〜16)ジチオール(例えばベンジルメルカプタン、ビフェニルジチオール)、トリチオール(C3〜20、例えばチオグリセリン)が挙げられる。
ラジカル重合用連鎖移動剤(c)の使用量は、(A)を構成する重合性モノマーの合計重量に基づいて、例えば、15重量%以下、高分子凝集剤の水への溶解性、凝集性能および(A)として最適な分子量を得るとの観点から、好ましい下限は0.0001重量%、さらに好ましくは0.0005重量%、とくに好ましくは0.001重量%、最も好ましくは0.005重量%、好ましい上限は10重量%、さらに好ましくは5重量%、とくに好ましくは3%、最も好ましくは1重量%である。
重合時のモノマー水溶液のpHは、特に限定されないが、重合速度、得られる水溶性重合体の溶解性の観点から、好ましくは0.5〜4、さらに好ましくは1〜3、とくに好ましくは1.5〜2.5である。
また、(A)は予め上記の方法による製造の後、ポリマー変性反応させたものでもよい。ポリマー変性反応としては、例えばアクリルアミド等の加水分解性官能基を分子内に有する水溶性不飽和モノマーを使用した場合に、重合時または重合後に苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)または炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を添加して、モノマーのアミド基を部分的に加水分解(加水分解率は全モノマーの合計モル数に基づいて約1〜60モル%)してカルボキシル基を導入する方法(例えば、特開昭56−16505号公報)、ホルムアルデヒド、ジアルキル(C1〜12)アミンおよびハロゲン化(例えば塩化、臭化およびヨウ化)アルキル(C1〜12)(例えばメチルクロライドおよびエチルクロライド)を加え、マンニッヒ反応によって部分的にカチオン性基を導入する方法、およびアクリロニトリル等のニトリル基と、ビニルホルムアミド等の加水分解により得られるアミノ基との閉環反応により分子内にアミジン環を形成させる方法(例えば特開平5−192513号公報)が挙げられる。
また、(A)として2種以上の水溶性(共)重合体を用いる場合、予めそれぞれを製造した後に混合してもよいし、一方を予め製造しておき、他方の製造時のモノマーに加えて製造してもよい。
本発明における水溶性共重合体(A)の0.5重量%塩水溶液の粘度(25℃、後述の測定方法による。)は、フロック強度および脱水ケーキの含水率の観点から、好ましくは10〜40mPa・s、さらに好ましくは15〜35mPa・s、とくに好ましくは20〜30mPa・sである。
該粘度は、(A)の製造におけてラジカル重合開始剤(d)の量、連鎖移動剤(f)の量により、適宜調整できる。
本発明における水溶性(共)重合体(A)の0.5重量%水溶性(共)重合体(A)塩水溶液(塩水は4重量%塩化ナトリウム水溶液)の粘度は、以下の方法によって測定される。
(1)測定試料(0.5重量%塩水溶液)の調製
あらかじめ後述の手法により、単離した水溶性(共)重合体(A)2.5g(固形分含量換算したもの)を精秤し、別途500mlのガラス製ビーカーにイオン交換水を約470gとり、上記と同じ撹拌装置で200rpmの速度で撹拌する。試料を加え、全体の重量(試料とイオン交換水の合計重量)が480gとなるようにイオン交換水を加えた後、4時間撹拌する。4時間撹拌した時点で、塩化ナトリウム20gを加え、さらに30分間撹拌し、0.5重量%塩水溶液を調製する。
なお、水溶性(共)重合体(A)の固形分含量は、試料約1.0gをシャーレ(内径105mm、深さ20mm)に秤量(W1)して、循風乾燥機中105±5℃で90分間乾燥させた後の残存重量を(W2)として、次式から算出した値である。

固形分含量(重量%)=(W2)×100/(W1)
(2)粘度の測定
(1)で調製した水溶液の一部を200mlトールビーカーに移し、水浴中で25℃に温度調整し、ローターガードを付けたブルックフィールド粘度計で60rpmでローターを回転し、回転開始から5分後の粘度を測定する。使用するローター番号は機器の測定可能な粘度範囲に従って、付け替える。
水溶性(共)重合体(A)の塩水不溶解分は、好ましくは50g以下、さらに好ましくは30g以下である。
本発明において(A)の塩水不溶解分は、0.5重量%塩水溶液を目開き180μmの金網で濾過した後に、金網上に残る固形分の重量(g)を示し、下記方法で測定される。(1)塩水不溶解分(単位:g)[水への溶解性の評価]
上記、0.5重量%塩水溶液粘度測定用に調製した液(約500g)全量を、あらかじめ空重量(W1)を測った目開き180μmのステンレス製篩上に移し入れ、篩上の残留物を3分間流水(5000cm3/分)で洗浄し、篩に付着した水滴を拭き取り、全体(篩+篩上の固形分)
の重量(W2)を測定し、下記式より不溶解分を算出する。

塩水不溶解分(g)=(W2)−(W1)
[ポリアミン塩(B)]
本発明におけるポリアミン塩(B)は、炭素数2〜20のポリアミン(b0)と後述のプロトン酸(b2)との塩である。
[ポリアミン(b0)]
ポリアミン(b0)としては、炭素数2〜18の脂肪族ポリアミン及び芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)等が挙げられ、 炭素数2〜18の脂肪族ポリアミンとしては、脂肪族ポリアミン、これらのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体、脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミン及び芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンとしては、炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等)及びポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン[ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン及びペンタエチレンヘキサミン等]等が挙げられる。
脂肪族ポリアミンのアルキル(炭素数1〜4)又はヒドロキシアルキル(炭素数2〜4)置換体としては、ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン及びメチルイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。
脂環式又は複素環含有脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ポリアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ポリアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
芳香環含有脂肪族アミン(炭素数8〜15)としては、キシリレンジアミン及びテトラクロロp−キシリレンジアミン等が挙げられる。
芳香族ポリアミン(炭素数6〜20)としては、非置換芳香族ポリアミン、アルキル基(メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミン、電子吸引基(Cl、Br、I及びF等のハロゲン原子;メトキシ基及びエトキシ基等のアルコキシ基;及びニトロ基等)を有する芳香族ポリアミン及び2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン等が使用できる。
非置換芳香族ポリアミンとしては、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンジアミン、2,4’−又は4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン及びこれらの混合物等が挙げられる。
アルキル基(メチル基、エチル基、n−又はイソプロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基)を有する芳香族ポリアミンとしては、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトライソプロピルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジイソプロピル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリアミン(b0)のうち、後述の高分子凝集剤(P)の凝集性能の観点から、好ましいのは脂肪族ポリアミン、さらに好ましいのはポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン、とくに好ましいのは、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンヘキサミンである。
前記プロトン酸(b2)としては、下記の(b21)〜(b26)が挙げられる。
(b21)無機酸
例えばハロゲン化水素(例えば、HF、HCl、HBrおよびHI)、硫酸、硝酸およびリン酸;
(b22)硫酸エステル
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニル硫酸エステル(例えばメチル硫酸、エチル硫酸、プロピル硫酸);
(b23)スルホン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルスルホン酸(例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸);
(b24)リン酸エステル
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルリン酸エステル(例えばメチルリン酸エステル、エチルリン酸エステル、プロピルリン酸エステル);
(b25)ホスホン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルホスホン酸(例えばメチルホスホン酸、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸);
(b26)カルボン酸
例えばC1〜3のアルキルもしくはアルケニルカルボン酸(例えば酢酸、プロピオン酸)。
上記(b2)のうち、(P)の凝集性能の観点から、好ましいのは無機酸、スルホン酸、さらに好ましいのは無機酸、とくに好ましいのは塩酸である。
ポリアミン塩(B)のうち、(P)の凝集性能の観点から、好ましいのはジエチレントリアミン三塩酸塩、トリエチレンテトラミン四塩酸塩、テトラエチレンペンタミン五塩酸塩、ジエチレントリアミン三メタンスルホン酸塩、トリエチレンテトラミン四メタンスルホン酸塩、テトラエチレンペンタミン五メタンスルホン酸塩、さらに好ましいのはトリエチレンテトラミン四塩酸塩である。
[高分子凝集剤(P)]
本発明の高分子凝集剤(P)は、前記水溶性(共)重合体(A)と、前記ポリアミン塩(B)とを含有してなる。
該(A)の重量に基づく該ポリアミン塩(B)の含有量は、0.5〜10重量%、好ましくは0.8〜8.0重量%、さらに好ましくは1.0〜4.0重量%である。0.5%重量未満では脱水ケーキの含水率に劣り、10重量%を超えると凝集性能が劣り、フロックが崩れやすくなる。
ポリアミン塩(B)は、水溶性(共)重合体(A)の製造時(例えば、モノマー水溶液)に含有させても、(A)の製造後に含有させても、いずれの方法でもよい。工業的な観点から好ましいのは(A)の製造時に含有させる方法である。
前記(A)の重量に基づくポリアミン塩(B)の含有量(α)は、例えば以下の方法で求められる。
[1]500mLのガラス製容器に高分子凝集剤(P)5.0gにメチルエチルケトン250gを加えて、マグネティックスターラー[マイティ・スターラーパワータイプHE−16GB、小池精密機器製作所製]を用いて室温で30分間、500rpmの条件で撹拌する。
[2]内容物の全量を加圧ろ過し、ろ過ケーキ(β)、ろ液(γ)を得る。
[3]ろ過ケーキ(β)の全量をステンレス製容器に移す。次に循風乾燥機で100℃、5時間乾燥させて(A)を単離し、(P)中の(A)の重量(Wβ)を精秤する。
[4]ろ液(γ)の全量をステンレス製容器に移す。次に循風乾燥機で100℃、5時間乾燥させて塩(B)を単離し、(P)中の塩(B)の重量(Wγ)を精秤する。
[5]次式により、(A)の重量に基づく塩(B)の含有量(α)を算出する(単位:重量%)。

(α)=(Wγ)×100/(Wβ)
前記(P)には(A)、(B)以外に、必要に応じ、本発明の効果を阻害しない範囲で、高分子凝集剤に好適に用いられる、消泡剤、キレート化剤、pH調整剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤からなる群から選ばれる添加剤を含有させることができる。添加剤を含有させる方法としては特に限定はなく、(A)、(B)とこれらの添加剤を、常温または加熱下、撹拌混合する方法等が挙げられる。
上記添加剤の使用量は、(A)の重量に基づいて、消泡剤は例えば5%以下、好ましくは1〜3%、キレート化剤は例えば30%以下、好ましくは2〜10%、pH調整剤は例えば10%以下、好ましくは1〜5%、界面活性剤およびブロッキング防止剤はそれぞれ例えば5%以下、好ましくは1〜3%、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ例えば5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
なお、(P)中の(A)の含有量は、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、とくに好ましくは80重量%以上である。
本発明の高分子凝集剤(P)は、従来にない特異的な凝集効果を示すことから、下水等の汚泥、工場廃水の処理で生じた有機性汚泥、無機性汚泥の脱水処理用高分子凝集剤として用いることができ、とくに有機性汚泥の脱水処理用として好適に用いられる。
有機性汚泥の場合は、懸濁粒子の大きさが比較的大きく、また水中において懸濁粒子表面がマイナスに帯電しているとの観点から、本発明の高分子凝集剤(P)に用いる水溶性(共)重合体(A)としては、カチオン性水溶性(共)重合体および/または両性水溶性(共)重合体で構成されることが好ましく、本発明の特徴である上記効果をより一層発揮できるとの観点から、さらに好ましいのはカチオン水溶性(共)重合体で構成されるものである。
ここでカチオン性水溶性(共)重合体とは、分子内にカチオン性基を有する水溶性(共)重合体、すなわち水に溶解した際にカチオン性を示す水溶性(共)重合体であり、また両性水溶性(共)重合体とは、分子内にカチオン性基およびアニオン性基を有する水溶性(共)重合体または分子内にカチオン性基を有する水溶性(共)重合体と分子内にアニオン性基を有する水溶性(共)重合体の混合物、すなわち水に溶解した際にカチオン性およびアニオン性を示す水溶性(共)重合体である。これらの水溶性(共)重合体の水中におけるカチオン性またはアニオン性は、コロイド当量値(meq/g)を目安として評価することができる。
即ち、カチオン性水溶性(共)重合体中のカチオン性基当量値はカチオンコロイド当量値として求めることができ、両性水溶性(共)重合体中のカチオン性基当量値およびアニオン性基当量値は、それぞれカチオンコロイド当量値およびアニオンコロイド当量値として求めることができる。
本発明の高分子凝集剤(P)の形態は、粉末状(例えば破砕状、真球状および葡萄房状)、フィルム状、水溶液状、油中水型(w/o)エマルション状および懸濁液状等、公知の任意形態でよい。
本発明の、汚泥または廃水の処理方法は、本発明の高分子凝集剤(P)を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法であれば特に限定されることはない。
上記処理方法のうち、本発明の効果(凝集性能、すなわち高フロック強度、フロックの粗大化、脱水ケーキの低含水率化)発揮の観点から好ましいのは、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ、固液分離を行う方法である。なお、高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加するに際してはこれらは予め水溶液の形態としておくことが均一混合の観点から好ましい。
また、高分子凝集剤(P)を汚泥または廃水に適用する際には、本発明の効果を阻害しない範囲で公知の無機凝結剤や有機凝結剤を1種または2種以上併用してもよい。これらを併用する場合は、
(i)(P)に予め添加しておく方法、
(ii)汚泥または廃水への(P)の添加時に同時に添加する方法、
(iii)無機凝結剤および/または有機凝結剤を、(P)とは別にその添加の前および/または後に順序不同で汚泥または廃水に添加する方法のいずれを採用してもよい。
これらのうち凝集性能の観点から好ましいのは、(iii)のうち(P)の添加の前に無機凝結剤および/または有機凝結剤をまず初めに汚泥または廃水に添加する方法である。
無機凝結剤としては、例えば硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄および消石灰が挙げられる。
有機凝結剤としては、例えばエピハロヒドリンとアミンとの重縮合体(もしくはその塩酸塩、以下塩酸塩と略記)、エピハロヒドリンとアルキレンジアミンとの重縮合体(塩酸塩)、ポリエチレンイミン(塩酸塩)、アルキレンジハライド−アルキレンポリアミン重縮合体(塩酸塩)、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合体(塩酸塩)、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリビニルピリジン(塩酸塩)、(ジ)メチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライドおよびポリビニルイミダゾリン(塩酸塩)が挙げられる。これらの無機凝結剤および有機凝結剤はそれぞれの1種または2種以上用いても、あるいは両者を併用してもいずれでもよい。
該凝結剤を予め(P)に添加しておく場合の使用量は、(P)の重量(固形分)に基づいて、無機凝結剤は例えば100%以下、凝結性能および凝集性能の観点から好ましくは5〜50%、さらに好ましくは10〜30%、有機凝結剤は例えば20%以下、同様の観点から好ましくは1〜10%、さらに好ましくは2〜5%である。
無機凝結剤および/または有機凝結剤を(P)とは別に汚泥または廃水に添加する場合[上記(iii)の方法]の無機凝結剤および/または有機凝結剤の使用量は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の大きさ、および汚泥または廃水中の固形分含量(以下TSと略記)等によって異なるが、汚泥または廃水中のTSに基づいて、無機凝結剤では、フロック強度の観点から、好ましい下限は0.5重量%、さらに好ましくは1重量%、とくに好ましくは2重量%、脱水ケーキ焼却後のスラッジ低減の観点から、好ましい上限は10重量%、さらに好ましくは8重量%、とくに好ましくは5重量%であり、有機凝結剤では、フロック強度の観点から、好ましい下限は0.01重量%、さらに好ましくは0.05重量%、とくに好ましくは0.1重量%、フロック粒径の観点から、好ましい上限は5重量%、さらに好ましくは3重量%、とくに好ましくは1重量%である。
また、上記方法における高分子凝集剤(P)の汚泥または廃水への添加方法としては、特に限定はなく、(P)をそのまま汚泥または廃水に添加してもよいが、均一混合の観点から好ましいのは(P)を水溶液にした後に汚泥または廃水に添加する方法である。
(P)を水溶液として用いる場合は、その濃度(重量%)は好ましくは0.05〜3%、さらに好ましくは0.1〜1%である。溶解方法、溶解後の希釈方法は特に限定はないが、例えば予め秤りとった水をジャーテスター等の撹拌装置を用いて撹拌しながら、所定量の粉末状の(P)を加え、数時間(約1〜4時間程度)撹拌して溶解させる方法等が採用できる。
上記処理方法において、汚泥または廃水に添加する際の(P)の使用量(固形分)は、汚泥または廃水の種類、懸濁している粒子の含有量および該高分子凝集剤の分子量等によって異なり、とくに限定はされないが、汚泥または廃水中のTSに基づいて、フロック強度の観点から、好ましい下限は0.01重量%、さらに好ましくは0.1重量%、とくに好ましくは1重量%、最も好ましくは1.5重量%、脱水ケーキの含水率低減の観点から、好ましい上限は10重量%、さらに好ましくは8重量%、とくに好ましくは5重量%、最も好ましくは3重量%である。
また上記の処理方法により形成されたフロック状の汚泥の脱水方法(固液分離法)としては、例えば重力沈降、膜ろ過、カラムろ過、加圧浮上、濃縮装置(例えばシックナー)、脱水装置(例えば遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機、キャピラリー脱水機)を用いる方法が挙げられる。これらのうち本発明の高分子凝集剤の特異的な凝集性能である高フロック強度の観点から好ましいのは、脱水装置、とくに遠心脱水機、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機を用いる方法である。
本発明の高分子凝集剤の、汚泥または廃水処理用途以外のその他の用途としては、例えば掘削・泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤等)、原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤および繊維用処理剤が挙げられる。
以下実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は重量部、%は重量%を表す。
水溶性(共)重合体(A)の0.5重量%塩水溶液の粘度、固形分含量は、前記の方法によって測定した。
なお、下水汚泥等中のTS、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
また、本実施例中のフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、ケーキ含水率は以下の方法に従って評価した。
(1)フロック粒径(単位:mm)
ジャーテスター[宮本理研工業(株)製、形式JMD−6HS−A]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付け、下水汚泥等200gを500mlのビーカーに取り、ジャーテスターにセットした。ジャーテスターの回転数を120rpmにし、ゆっくり下水汚泥等を撹拌しながら、所定量の0.2%の高分子凝集剤水溶液を一気に添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを目視にて計測した。
続いて回転数を300rpmにセットし、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め凝集物の大きさを再度目視にて計測した。
(2)ろ液量(単位:mL)
T−1189のナイロン製ろ布[敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、300mlが測れるメスシリンダーをセットし、上記フロック粒径試験後の汚泥を一度に投入して濾過し、ストップウォッチを用いて投入直後から60秒後のろ液量を測定し処理速度を評価した。
(3)ろ布剥離性
(2)のろ布上の濾過物の一部をスパチュラで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(荷重2kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布に付着した脱水ケー
キをスパチュラで剥離させた場合の脱水ケーキのろ布からの剥離性を下記の基準に従って評価した。
◎:非常に剥がれやすい(ろ布付着物ほとんどなし)
○:剥がれやすい (わずかにろ布付着物あり)
△:多少剥がれにくい (ろ布付着物あり、わずかにろ布内部まで付着)
×:剥がれにくい (ろ布内部まで付着)
(4)ケーキ含水率(単位:%)
上記ろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3.0gをシャーレ(内径105cm、深さ20cm)に秤量(W3)して、循風乾燥機中で完全に水分が蒸発するまで(105±5℃で8時間)乾燥させた後、シャーレ内に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出した。

ケーキ含水率(%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
以下において、<高分子凝集剤の製造>の実施例もしくは比較例と、<凝集性能評価>の実施例もしくは比較例は、便宜上同じ番号で表記することとする。
<ポリアミン塩(B)の製造>
<製造例1>
撹拌翼付ガラス製反応槽に35wt%塩化水素水溶液1,000部を仕込んだ後、イオン交換水401.4部加え、撹拌しながら、トリエチレンテトラミン350.9部を240分間かけて滴下した。滴下後、槽内を減圧にし、水を留去した。反応槽からトリエチレンテトラミン四塩酸塩(B−1)(白色固体、水分0.1%)701部を得た。
<製造例2>
製造例1において、35wt%塩化水素水溶液1,000部を70wt%メタンスルホン酸水溶液1,315部に代えた以外は製造例1と同様にして、トリエチレンテトラミン四メタンスルホン酸塩(B−2)(白色固体、水分0.4%)1,277部を得た。
<製造例3>
製造例1において、トリエチレンテトラミン350.9部をジエチレントリアミン326部に代えた以外は製造例1と同様にして、ジエチレントリアミン三塩酸塩(B−3)(白色固体、水分0.2%)677部を得た。
<製造例4>
製造例1において、トリエチレンテトラミン350.9部をテトラエチレンペンタアミン364部に代えた以外は製造例1と同様にして、テトラエチレンペンタミン五塩酸塩(B−4)(白色固体、水分0.2%)716部を得た。
<比較製造例1>
製造法1において、トリエチレンテトラミン350.9部をN−ブチルアミン712部に代えた以外は製造例1と同様にして、ブチルアミン塩酸塩(B’−1)1051部を得た。
<高分子凝集剤の製造>
<実施例1>
アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、製造例1で製造した塩(B−1)9.6部、イオン交換水468部、連鎖移動剤として次亜リン酸ナトリウムの10%水溶液(c−1)の10%水溶液1.2部の混合液を室温(20〜25℃)で調製した。さらに水酸化ナトリウムを用いてモノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら2.0に調整した。
次に、−5℃の恒温冷媒中で溶液温度を5℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。次いで開始剤としてアゾビスアミジノプロパン塩酸塩の10%水溶液1.2部、ペルオキソ二硫酸アンモニウムの1%水溶液1.2部、硫酸鉄(II)の1%水溶液0.6部を加えたモノマー水溶液配合物について、溶液温度5℃で重合を開始させ、重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、ピーク温度に達してから10時間保温し重合を完結させた。なお、重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
その後、得られた含水ゲルを取り出し、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後ジューサーミキサーで粉砕して、水溶性(共)重合体(A−1)を含有してなる高分子凝集剤(P−1)を得た(収率93%、固形分含量93.5%)。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−1)30部、イオン交換水463部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−2)を含有してなる高分子凝集剤(P−2)1380部を得た(固形分含量92.7%)。
<実施例3>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−1)114部、イオン交換水379部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−3)を含有してなる高分子凝集剤(P−3)1390部を得た(固形分含量92.5%)。
<実施例4>
実施例1において、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B−1)38部、イオン交換水455部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−4)を含有してなる高分子凝集剤(P−4)1370部を得た(固形分含量93.0%)。
<実施例5>
実施例1おいて、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B−1)8部、イオン交換水485部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−5)を含有してなる高分子凝集剤(P−5)1365部を得た(固形分含量93.2%)。
<実施例6>
還流脱水配管、温度計、窒素導入管および撹拌機(マックスブレンド翼)を備えた反応槽に、ノルマルパラフィン[商品名「ノルマルパラフィンM」、JX日鉱日石エネルギー(株)製]250部、オレイルアルコールのエチレンオキシド5モル付加物20部、ソルビタンモノオレート18部を加え、均一になるまで混合した。
次に、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩の80%水溶液(a1−2)490部、連鎖移動剤として次亜リン酸ナトリウムの10%水溶液(c−1)0.4部、製造例1で製造した塩(B−1)16部、イオン交換水208部の混合溶液を水酸化ナトリウムでpH2.0に調整し、上記混合物に添加して乳化させた。
撹拌翼を500rpmの回転数にて撹拌しながら、反応槽内を窒素置換(気相酸素濃度100ppm以下)した後、30℃まで昇温した。30℃に到達後、常圧条件下(103kPa)で、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)の0.5%トルエン溶液(d−1)を8部加え、30〜60℃で6時間重合させた。水溶性(共)重合体(A−6)を含有してなる高分子凝集剤(P−6)を得た(収率93%、固形分含量40%)。結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1おいて、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1476部、アクリルアミド(a2−1)39部、(B−1)84部、イオン交換水395部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−7)を含有してなる高分子凝集剤(P−7)1382部を得た(固形分含量93.0%)。
<実施例8>
実施例1おいて、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、(c−1)1.2部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1390部、アクリルアミド(a2−1)175部、(B−1)24部、(c−1)4.8部、イオン交換水400部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−8)を含有してなる高分子凝集剤(P−8)1395部を得た(固形分含量93.8%)。
<実施例9>
実施例1おいて、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、(c−1)1.2部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B−1)26部、(c−1)3.6部、イオン交換水465部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−9)を含有してなる高分子凝集剤(P−9)1390部を得た(固形分含量93.1%)。
<実施例10>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−2)30部、イオン交換水463部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−10)を含有してなる高分子凝集剤(P−10)1376部を得た(固形分含量93.0%)。
<実施例11>
実施例1において、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B−2)46.8部、イオン交換水463部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−11)を含有してなる高分子凝集剤(P−11)1381部を得た(固形分含量92.8%)。
<実施例12>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−3)36部、イオン交換水463部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−12)を含有してなる高分子凝集剤(P−12)1373部を得た(固形分含量93.2%)。
<実施例13>
実施例1において、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B−4)30部、イオン交換水463部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(A−13)を含有してなる高分子凝集剤(P−13)1381部を得た(固形分含量92.8%)。
<比較例1>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−1)132部、イオン交換水361部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(RA−1)を含有してなる高分子凝集剤(RP−1)1388部を得た。(固形分含量93.6%)。
<比較例2>
実施例1において、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、(B−1)3.6部、イオン交換水490部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(RA−2)を含有してなる高分子凝集剤(RP−2)1390部を得た。(固形分含量93.4%)。
<比較例3>
実施例1において、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水468部に代えて、アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩(a1−2)の80%水溶液1500部、(B’−1)17部、イオン交換水477部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(RA−3)を含有してなる高分子凝集剤(RP−3)1386部を得た。(固形分含量93.5%)。
<比較例4>
実施例1において、アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩(a1−1)の80%水溶液1500部、(B−1)9.6部、イオン交換水484部に代えて、N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレートのメチルクライド4級アンモニウム塩(a2−2)の80%水溶液1533部、(B−1)22部、イオン交換水440部とした以外は実施例1と同様にして、水溶性(共)重合体(RA−4)を含有してなる高分子凝集剤(RP−4)1384部を得た。(固形分含量93.4%)。
上記で得られた高分子凝集剤について表1に示す。表1中の記号の内容は下記のとおりである。
(a1−1) :アミノエチルメタアクリレートの硫酸塩の80%水溶液
(a1−2) :アミノエチルメタアクリレートのメタンスルホン酸塩の80%水溶液
(a2−1) :アクリルアミド
(a2−2) :N,N−ジメチルアミノエチルメタアクリレートの
メチルクライド4級アンモニウム塩の78%水溶液
(B−1) :トリエチレンテトラミン四塩酸塩
(B−2) :トリエチレンテトラミン四メタンスルホン酸塩
(B−3) :ジエチレントリアミン三塩酸塩
(B−4) :テトラエチレンペンタミン五塩酸塩
(B’−1) :ブチルアミン塩酸塩
(c−1) :次亜リン酸ナトリウムの10%水溶液
(d−1) :2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)の0.5%トルエン溶液
Figure 2017119272
<凝集性能評価>実施例1〜13、比較例1〜4
高分子凝集剤(P−1)〜(P−13)、(RP−1)〜(RP−4)をそれぞれイオン交換水に溶解して固形分含量が0.2%の水溶液とした。
A下水処理場から採取した混合生汚泥[pH5.7、TS0.8%、繊維分2.6%]
を200部ずつ14個の別々の500mLビーカーに採り、撹拌下で、(P−1)〜(P−13)、(RP−1)〜(RP−4)それぞれの上記水溶液3.2部を各ビーカーに加え、それぞれのビーカーについて前記評価方法(1)に従って混合処理した〔この時の(P−1)〜(P−13)、(RP−1)〜(RP−4)の固形分添加量は0.4%/TS〕。
これらの処理物について前記評価方法(1)〜(4)に従ってフロック粒径、ろ液量、ろ布剥離性、およびケーキ含水率を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2017119272
表1〜2の結果から、本発明の高分子凝集剤(P)は、比較のものに比べて、大粒径の粗大フロックを形成し、高撹拌下(300rpm)でも一旦形成されたフロックが壊れにくく(フロックが強固)、ろ布剥離性、脱水性(ケーキ含水率)のいずれにおいても優れた効果を有することがわかる。
本発明の高分子凝集剤は、従来のものと比較して高い脱水率(すなわち低いケーキ含水率)を示すことから、下水等または工場廃水等の有機性もしくは無機性汚泥または廃水の脱水処理用高分子凝集剤として用いることができ、とくに有機性汚泥の脱水処理用として好適に用いられる。また、その他の用途としては、例えば掘削・泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤(例えば製紙工業用地合形成助剤、濾水歩留向上剤、濾水性向上剤および紙力増強剤)、原油増産用添加剤(原油の二、三次回収用添加剤)、分散剤、スケール防止剤、凝結剤、脱色剤、増粘剤、帯電防止剤および繊維用処理剤が挙げられ、これらのうちとくに掘削・泥水処理用凝集剤、製紙用薬剤および原油増産用添加剤として好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される水溶性カチオンモノマー(a1)を含有する不飽和モノマーを構成単量体とする水溶性(共)重合体(A)と、ポリアミン塩(B)とを含有してなり、該(B)が炭素数2〜20のポリアミン(b0)とプロトン酸(b2)との塩であって、該(A)の重量に基づく該(B)の含有量が0.5〜10重量%である高分子凝集剤(P)。

    CH2=C(CH3)−CO−X−Q−N+123・Z- (1)

    [式中、R1〜R3はH;XはOまたはNH;Qは炭素数1〜4のアルキレン基;Z-はプロトン酸のH+を除く残基を表す。]
  2. 前記(b0)が脂肪族ポリアミンである請求項1記載の高分子凝集剤。
  3. 前記水溶性(共)重合体(A)を構成するモノマーの合計モル数に基づく(a1)の含有量が90〜100モル%である請求項1または2記載の高分子凝集剤。
  4. 前記(A)が、10〜40mPa・sの0.5重量%塩水溶液の粘度(25℃)を有する請求項1〜3のいずれか記載の高分子凝集剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の高分子凝集剤を汚泥または廃水に添加、混合してフロックを形成させ固液分離することを特徴とする汚泥または廃水の処理方法。
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