JP2017118648A - 掃除機用電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】掃除機用モータとして求められる30,000rpm回転以上の動作で高出力、高効率を達成し、長寿命化も図れる掃除機に好適な電動機を提供する。
【解決手段】回転軸に固定されたロータコア11と、その回転軸に同軸に固定されてブラシと摺接するようにした整流子と、ロータコアの周辺に配置されたステータコアからなる電動機であって、ロータコアおよびステータコアは、それぞれ薄板状の電磁鋼板からなるロータコア要素およびステータコア要素が複数層状に重なって固定された組立体であり、特に、複数のロータコア要素の各々は、各ティース13の先端までを含む直径が略35mm〜40mmの範囲内であって、ティースの長手方向の長さをロータコア要素の半径の1/3以上とし、ロータコア要素およびステータコア要素の厚さが0.3mm未満であって、少なくとも各ロータコア要素の対面する面が接着固定されて、複数のロータコア要素の積層体とした。
【選択図】図3A

Description

本発明は、電動機、特に掃除機に好適な電動機に関する。
近年の掃除機は、従来に増して高い吸引性能を有し、小型軽量で壊れにくく、かつ低コストが求められている。従って、その吸引の基本要素である電動機も、高出力で高効率、長寿命が要求されている。
特に、今日の掃除機は、一分間あたりの回転数が30,000rpm(r/m)以上の高速回転が電動機には求められるようになっている。
電動機には、ブラシと整流子を使用したものが広く使用されている。
通常の整流子でも機械的な接触によってブラシが磨耗するが、高速で回転すると摩耗量が増加し、ブラシ寿命が低下する。また、整流のために整流子で切り替える期間が短くなり、整流火花を生じやすくなり、さらにブラシの摩耗量が増加してしまう虞がある。
30,000rpm以上の高速回転でのブラシの磨耗を防止するために、カーボンブラシ等の素材に着目して、長寿命化を図る試みもなされているが、必ずしも十分とはいえない。
また、ブラシの寿命を高めるには、電動機の整流性能を改善し、高速回転による遠心力に対する耐性を強化すれば良いが、整流性能や耐性はモータの寸法等各種パラメータに大きく依存し、容易にはパラメータを特定することもできず、解決することが難しい。
さらに、電動機は、交番磁界を効率的に得るために大きな磁束密度が得られることが必要であると同時に、周波数に応じて生じる鉄損を少なくすることを求められる。鉄損には、渦電流損失やヒステリシス損失、そして残留損失があるが、大きな磁束密度を得ることと、鉄損とを少なくすることを両立させることも容易ではない。
特許文献1では、ブラシの長寿命化を図る従来技術として、電機子の同一スロット内において、回転方向に対して前位のコイルの巻回数を後位のコイルの巻回数より大きく設定してリアクタンス電圧を低減し、整流火花を小さくしてブラシ寿命を向上する方法が記載されているが、構造が複雑で製造方法が煩雑となる。
特許第2765830号公報
従って、整流性能やブラシ磨耗の耐性を高めると同時に、ヒステリシス損等の鉄損を軽減して効率を向上させることが求められている。
本願は、特に掃除機用モータとして求められる30,000rpm回転以上の動作で高出力、高効率を達成し、長寿命化も図れる掃除機に好適な電動機を提供するものである。
本発明は、回転軸に固定され、その回転軸の方向と直交する方向に同軸に広がり、当該回転軸を中心に回転するようにしたロータコアと、その回転軸に同軸に固定されて当該回転軸を中心にして回転してブラシと摺接するようにした整流子と、ロータコアの周辺に配置されたステータコアからなる電動機であって、ロータコアおよびステータコアは、それぞれ薄板状の電磁鋼板からなるロータコア要素およびステータコア要素が複数層状に重なって固定された組立体であり、特に、複数のロータコア要素の各々は、各ティースの先端までを含む直径が略35mm〜40mmの範囲内であって、前記ティースの長手方向の長さを前記ロータコア要素の半径の1/3以上とし、前記ロータコア要素およびステータコア要素の厚さが0.3mm未満であって、少なくとも各ロータコア要素の対面する面が接着固定されて複数のロータコア要素の積層体とした、ことを特徴とするものである。
さらに本発明は、ロータコアとステータコアを構成する電磁鋼板は、同じ素材を使用し、厚さが略0.25mmであり、より好ましくは、W15/50で2.30w/kg以下、W10/400で14.0w/kg以下とし、磁束密度B50(T)を1.62以上である。
さらに本発明の電動機は、ロータコアのスロット数が10以上、より好ましくは22とする。
加えて、ステータコア要素は、極部の先端からヨークに向けて延びた直線状の辺を有し、当該延びた辺とロータコアのティース先端面に対応する極部の極面との距離、つまり、両側の極部の先端から極部の中央方向に行くにしたがい極部の幅が増加するようにしている。
ロータコアのコア巻線のスペースを確保して巻線の抵抗を軽減しかつ鉄損とリアクタンスを軽減することで、高高率でブラシの磨耗を低減できる電動機に寄与することができた。特に、ロータコアを構成する所定の厚さ以下に調整した薄板状のロータコア要素間を接着固定することで、掃除機で通常使用する空気流通開口径の範囲で効率を従来のカシメ固定に比べて向上させることが可能となった。
さらに、ステータコアにおいても極部の幅が極部両端から極部に中心に向かって増加させることで、磁束密度に大きな変化が生じないようにして磁界経路に障害を与えることがなく、大きな効率を得ることができた。
本実施の形態に係る電動送風機1の構造図である。 本実施の形態に係る電動送風機1の電磁回転部40の側面図である。 回転軸(中心軸)方向から見たロータコア10の正面図である。 ロータコアの回転軸の垂直方向から見た側面図である。 ステータコアの軸方向からの正面図である。 ステータコアの側面図である。 ロータコアを構成する薄板状のロータコア要素を接着固定して得た電動機と、カシメ固定して得た電動機とを掃除機に組み込んで得られたデータの比較グラフである。
図1は本発明の第1の実施の形態における電動送風機1の概略図を示す。
電動送風機100は、一方がファンケーシング部6、そして他方に電動機ケーシング2が一体となっている。電動機ケーシング2内には軸回転可能に軸受け5によって軸支された回転軸4と、回転軸4に固定されて回転軸4の回転に応じて回転する整流子30およびロータ10と、ロータ10の周囲を取り囲むように電動機ケーシング2内で固定されたステータ20を有している。ファンケーシング部6内には、回転軸4に固定されて回動するようにしたインペラ7を有し、インペラ7を部分的に囲むインペラケーシング8とファンケーシング部6とが一体となっている。
図2は電動機のうちの回転駆動力を発揮するための電動回動部1を示している。整流子30には複数の伝導体の整流子片31を有している。複数の整流子片31は、その回転軸4の軸方向に平行に半径方向外側に放射状に広がっている。少なくとも整流子片31の外側の面は電気的に露出しており、図示しないブラシがその露出した面と摺接するようにしている。ブラシは後に説明するステータ20の界磁巻線と電気的に接続されている。
電気的動作において、ブラシと整流子30との摺接によってロータ10のロータ巻線12に電流が流れ、整流子30の整流作用によってロータ10とステータ20とで発生した磁束の相互作用によって回転トルクが発生し、ステータ20内でロータ10が回転軸4を中心に回転し、その回転力が回転軸4を介してインペラ7を回転させる。尚、整流子片31とブラシの基本的構成は当業者にとって周知な事項であるためにここでは省略する。
整流子30に隣接して回転軸4に設けられたロータ10には後に詳述するように複数のスロットが形成され、その複数のスロットに複数のロータ巻線12となる電線が巻回されている。電動機の回転駆動を行うように電磁的に対応して複数のロータ巻線12と整流子30の接続端子とが電気的に結合されている。
図3Aはロータ10を構成するロータコア11を回転軸4の方向から見た正面図である。ロータコア11は、複数のスロット14とティース13が交互に形成されている。
本例では、22スロットのロータコア11と、例えば少なくとも20セグメント(本例では22セグメント)を構成可能な整流子片からなる整流子30を使用することで、セグメントが軸回転で回転移動することによる整流時、すなわち、ブラシが離間して次コイルに移るときに発生する誘起電圧(リアクタンス電圧)を低減させ、これによって火花の発生を抑えるようにした。この結果として、ブラシの磨耗が低減されて電動機自体の寿命を延ばせることもできる。
さらに、後で説明する所定の電磁的特性を有した薄い電磁鋼板を使用することで、ロータコア11自体が比較的多数、少なくとも10スロット以上であり、この例では22スロットとし、そのスロットの長さも全体のロータコアの径に対して比較的長いスロットすることで、巻線がより容易となり、従来よりも太い巻線を使用することも可能とした。その結果、火花の発生の要因となる巻線抵抗を下げることができた。
ロータコア11をより具体的に説明すると、コアの軸中心部から半径方向の所定の位置にスロット14の底が円周方向に等間隔に形成されている。これによって、軸方向から見て半径方向に略T字状の複数の同形のティース13と、隣り合うティース間のU字形状のスロット14が周方向に沿って放射状に等間隔で形成される。
図3Aを参照すると、ロータコア11の寸法は、Aが略38mm、Bが略24.8mm、Cが略8mm、そして、ティース13の主要な部分の幅が略2.2mmとしている。(A−B)/2で規定されたティース13の高さは略6.6mmであり、少なくともティース13の高さをロータコア要素の半径19mmの1/3以上としている。
軸方向に延びた複数のスロット14内部を通って複数のティース13に電線がコイル状に巻回されてワニス等によって固定されたロータコア11が形成される。
電動機のロータコア11は、薄肉の板状の複数の電磁鋼板を層状に重ねてつくることができる。すでに説明したように、ロータコア11を比較的多いスロット数とし、その長さもロータコアのティース先端で計るロータコア径に対して所定の割合以上として、ロータコア11の全体径の領域に対して比較的広い部位をスロットが占めるようにすることで、巻線径を大きくし、巻線抵抗を下げて効率を向上させることができる。
しかし、ロータコアの全体径をスロットによって侵食されたロータコアの実質的に減少した領域から大きな交番磁界を効率的に得ることが必要である。従って、交番磁界にすばやく対応して高磁束密度となることが必要であり、また、そのスロットに対して周波数特性に応じた鉄損を減少させて十分なモータ特性を得る必要がある。
この鉄損は当業者も知るように、渦電流損失、ヒステリシス損失および残留損失があり、代表的なものは渦電流損失、ヒステリシス損失である。
鉄損の損失を低減させ、交番磁界に応じた高磁束密度を達成するために、厚さを0.3mm以下として、本例では0.25mmの極めて薄い厚さを有する電磁鋼板を使用して図3Aの平面形状に形成し、それを何層も積層したロータコア11の組立体とした。
この薄状電磁鋼板には、表面に発生する渦電流を低減するために、表面に絶縁被膜、例えば、クロムフリーの有機コーティングを設けるようにして、多層からなる厚いロータコアとすることで、渦電流の発生を押さえることとした。
さらに、ヒステリシス損失と交番磁界に応じた電磁特性を発生させて、電動機としての特性を発揮するようにするために、薄状電磁鋼板の鉄損を、W15/50が2.30w/kg以下、W10/400が14.0w/kg以下とし、磁束密度B50(T)を1.62以上とした。
測定は、JISC−2550(2000)に基づくものであり、ここで、W15/50は、周波数50Hzで最大磁束密度1.5Teslaにおける鉄損であり、W10/400は、周波数400Hzで最大磁束密度1.0Teslaにおける鉄損、そして、B50(T)は、磁化力5,000A/mにおける磁束密度を示す。
本例で規定した電磁鋼板は0.25mmの極めて薄い板であるため、ロータコアを本例に特有の形状とすることが容易となる。また、ロータコア自体の重量が軽減されることで、モータの高速回転で加速的に生じる遠心力の負荷によって生じるような機械的部分に与える損傷も低減させることを可能とした。さらに、相対的にロータコア以外の部分の加重を増やすことができるために、巻線等がより太く機械的強度の高い素材や形状のものを採用することができ、高回転駆動によって生じる電線等の破断や損傷も防止することが可能となった。
ロータコアの厚みは、その分増やせば電磁鋼板の量が増えることからそれだけ効率は向上するが、外寸や重量が嵩むこととなる。また、掃除機に使用できる程度に小さい大きさでなければならない。ロータコアの各要素を薄くしてさらにその数を増やして積層し、全体の厚さを21mmとすることで、掃除機に使用できかつ、求める掃除機に性能要求を発揮する電動機を提供することができた。
図4Aは電動機の軸方向から見たステータコア21を示し、図4Bはステータコア21の側面図である。ステータコア21は互いに向かい合う2つの極部23を有し、それぞれが反対の位置で磁束の通り路となるヨーク24に接続されている。互いに向かい合う各々の極部23の間に形成されるスペース26内にロータコア11が軸回転可能に配置される。
極部23の各々は、ロータコア11のティース13の先端面に対応する弓形の極面23bと、ヨーク24と極面23bとを磁気的に連通するように接続するネック部25を有している。ネック部25から極部23の両側にはヨーク24との間で作られた別のスペース27が形成され、そのスペース27を通ってネック部25の周りに界磁巻線22(図1を参照)が十分巻回できるようにしている。整流子30のブラシはステータ20の界磁巻線と電気的に接続されている。
図4Aを参照すると、ステータコア20の寸法は、Aが略49.8mm、Bが略67mm、Cが略48.8mm、Dが略66mmであり、対峙する極部23の極面23間の距離Eは略39mmである。
ネック部25にかけて極部23の周囲を界磁巻線となる電線が多く巻回できるように、ヨーク24は帯状の略四辺形を有し、極部23の両側のスペース27を規定する辺23cから延びた線が交差する角度αが所定の角度、例えば、略62度となるように辺23cが略直線を有している。極部23の極面23bの長さは、スペース26内に軸回転可能に取り付けられたロータコア11のうちの8つのティース13がその極面23bに収まるような長さに設定され、極部23からヨークにかけて十分な磁束密度を発生するようにしている。
極部23のうちヨーク24と接続する中心部分は極部23の極部先端23aの部分と比較して磁束密度が増加する。従って、極部23の磁束密度を一定にするために、極部23の先端部分23aから中心部分に向かって極部23の幅が増加するようにし、これによって磁界線が不均一になることを防止している。
スペース27が大きいほど、許容可能な界磁巻線の最大巻回数が大きくなり、ネック部分が小さいと、それだけ同じ巻回数を巻くのに使用される界磁巻線の全長が短かくなるために費用的にも効果的であり、界磁巻線による抵抗分も小さくなり、かつ重量も低減される。
辺23cから延びた線が交差する上記角度αは、スペース27を大きく取ることと、極部23の極面23bとロータコア11のティース13の先端面とが磁気的に相互作用するティース13の数、および極部23が中央に行くにしたがって磁束密度をなるべく一定するための極部23の中央部分から極部先端23aに至るまでの先細る極部23の幅、とを考慮して決められており、60〜64度の範囲が好ましい。
ステータコア21の軸方向の長さは、その長さ全長にわたってロータコア11と磁気的な相互関係を有するように、ロータコア11の長さと略同じであることが好ましい。従って、本例ではロータコア11の軸方向の長さである21mmに合わせて、ステータコア21の軸方向の長さも21mmとしている。
ステータコアもロータコアと同じ素材を使用し基本的な鉄損特性をロータコアと同じようにすることで、製造管理を効率化することができる。
ステータコアもロータコアと同様に、薄い板状の電磁鋼板からなる同じ形状で同じ厚さのステータコア要素を複数層状に重ねて一体的に組み合わせることで形成することができる。
ステータコア21を構成する薄板の各ステータコア要素とロータコア11を構成する薄板の各ロータコア要素とは、それぞれの薄状電磁鋼板の電磁気的な関係が対応して保たれるように、1つの金型を使用した一回のプレス工程でそれぞれが同時に打ち抜かれるようにしている。
従って、ステータコア要素はロータコア要素と同じ基本的電磁特性、つまり、同じJISC−2550(2000)の測定の基、鉄損が、W15/50を2.30w/kg以下、W10/400を14.0w/kg以下とし、磁束密度B50(T)を1.62以上とした、電磁鋼板からなっている。
ロータコアやステータコアを極めて薄い電磁鋼板としているために、製造過程で行う複数電磁鋼板からなるロータコア要素やステータコア要素の複数層間を固定するカシメ作業では、カシメ強度が不安定になると共に、絶縁皮膜を傷つけることもあり、その結果、渦電流が多くなり流れ損失が増加してしまうという問題が生じてしまうことがわかった。
特に、高速度回転が必要となるロータコアにおいては渦電流の発生が大きく、その影響も顕著となる。そこで、その問題を解決するために、本例では、ロータコアについては、薄い電磁鋼板の複数層間を接着剤で固定することとした。接着剤には、渦電流を考慮して絶縁性の接着剤を使用することが好ましいが、接着剤自体から生じる渦電流の影響が微々であるならば、必ずしも絶縁性の接着剤でなくともよい。一方、ステータコア21は固定子の部分であるために、ロータコアと比較して回転駆動せず、大きな加速度による力を受けることはないために、カシメによってすべてのステータコア要素を結合、固定するようにしても良い。本例ではカシメによって固定できるように、各ロータコア要素にはヨークの4隅にはカシメ用の凹部28が設けられている。
次に、そのロータコアとステータコアを使用した性能試験の結果を、ロータコア要素のみを接着剤で固定した電動機と、ロータコア要素とステータコア要素の両方を従来のカシメ方式で慎重に固定して得られた電動機との性能の比較試験を行った。
下の表1は、厚さ0.25mmのロータコア要素を84枚積層して、隣り合うロータコア要素の対面する面を接着剤で固定したロータコアからなる電動機を複数試験し、その試験結果の平均を示している。ステータコア要素は従来どおりのカシメ方式の固定である。
また、表2は、表1と同じロータコア要素を84枚積層し、接着の代わりにカシメ固定したロータコアからなる電動機を複数試験し、その試験結果の平均を示している。
尚、ここで、接着剤は非常に薄い層で形成することができ、84枚を接着剤で積層固定しても、全体の厚さ21mmに対しての厚さへの影響は実質生じないこともこの試験を行う過程で明らかとなった。したがって、ロータコアに対して接着剤を使用し、ステータコアに対してカシメを使用しても厚さへの影響は無視することができるために、ステータコアとロータコアに異なる固定方法を使用しても厚さへの問題は生じることはない。
ORIFICEは、電動機のファンの前にその大きさを調整可能な開口部を設けて空気の流通経路の大きさを調整するようにしたものであり、実際に掃除機で使用される実用範囲に相当するものは、ORIFICE(開口)のd16〜19mm程度である。
また、図5のグラフは、同じ電動機による試験結果から、表1および2のテーブル中に示された結果であるAIR FLOW(単位時間の空気流量)を横軸にとり、縦軸にそのAIR FLOWに応じた複数の特性結果をグラフ化したものである。
表1および表2で示したように、実用範囲に相当する範囲であるORIFICEがd16〜19mの範囲においては、AIR FLOWは、略20〜27(l/s)程度である。その範囲となる効率を図5から見ると、効率(Efficiency)はカシメによる電動機に比べて高い値を示していることがわかる。特に、ORIFICEのd16mmでは、0.5%もの効率の差が生じ、接着固定の方が高くなる。当業者にとって理解しているように、最大効率をパーセント単位換算で下一桁単位で増加させることは至難の業であり、試験結果で得られたようなコンマ数%程度向上させることさえ非常に難しく努力を要するものである。特に、本発明では、その効率の向上が実用範囲で認められたことは、薄状の電磁鋼板を使用した複数層のロータコア要素を接着剤で固定することが非常に有用で大きな効果を奏することが明らかとなった
このように、回転速度が35,000rpmもの高い回転数において実用範囲で今日掃除機に求められる高い吸引性能を高効率で得ることができるようになった。
1 電動機(モータ)
2 電動機ケーシング
4 回転軸(シャフト)
5 軸受け
6 ファン部
7 インペラ
8 インペラケーシング
10 ロータ(回転子、アーマチュア)
11 ロータコア
12 ロータ(電機子)巻線
13 ティース
14 スロット
20 ステータ(固定子)
21 ステータコア
22 界磁(ステータ)巻線
23 極部
23a 極部先端
23b 極面
23c 辺
24 ヨーク
25 ネック部
26 スペース
27 スペース
30 整流子
31 整流子片

Claims (5)

  1. 回転軸に固定され、その回転軸の方向と直交する方向に同軸に広がり、当該回転軸を中心に回転するようにしたロータコアと、前記回転軸に同軸に固定されて当該回転軸を中心にして回転してブラシが摺動するようにした整流子と、前記ロータコアの周辺に配置されたステータコアからなる電動機であって、
    前記ロータコアおよび前記ステータコアは、それぞれ薄板状の電磁鋼板からなるロータコア要素およびステータコア要素が複数層状に重なって固定された組立体であり、
    前記ロータコア要素は、各ティースの先端までを含む直径が略35mm〜40mmの範囲内であって、前記ティースの長手方向の長さを前記ロータコア要素の半径の1/3以上とし、前記ロータコア要素および前記ステータコア要素の厚さが0.3mm未満であり、少なくとも各ロータコア要素の対面する面が接着固定されて複数のロータコア要素の積層体とした、電動機。
  2. 前記各ロータコア要素および各ステータコア要素の厚さは略0.25mmである、請求項1に記載の電動機。
  3. 前記ロータコアと前記ステータコアを構成する電磁鋼板はともに、鉄損がW15/50で2.30w/kg以下、W10/400で14.0w/kg以下とし、磁束密度B50(T)を1.62以上である、請求項1又は2に記載の電動機。
  4. 前記ロータコアのスロット数は10以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の電動機。
  5. 前記ステータコアの極部の先端からヨークに向けて延びた辺は略直線状であり、その辺と前記極部の極面となる極部の幅が極部の先端から極部の中央部分に行くに従って増加するようにした、請求項1乃至4のいずれかに記載の電動機。
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