A.第1実施形態:
A1.全体構成:
図1は、本発明の一実施形態としての地図表示システム10の構成を示す図である。地図表示システム10は、端末装置としての携帯電話200(スマートフォン200)と、地図切替サーバ100と、地図サーバ150と、を備える。
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、例えば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像の他、文字、記号等を含む概念である。
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
通信部205は、インターネットINTを介して地図切替サーバ100と通信を行い、情報を送受信することができる。時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。主制御部210は、例えば、GPSユニット201から現在時刻を取得できない場合には、時計部209から現在時刻を取得することができる。
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、例えば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図切替サーバ100に送信することができる。そして、主制御部210は、地図切替サーバ100から地図画像データを入手して、その地図画像データが表す地図画像を表示パネル202に表示することができる。
地図切替サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部105とを有している。地図切替サーバ100は、通信部102を使用して、インターネットINTを介して携帯電話200と通信を行うことができる。通信部102は、使用用途に対応する地図を生成する他のサーバである地図サーバ150(後述)とも通信を行うことができる。記憶部105は、地図データベース106と、切替画像データ107と、を記憶している。制御部104は、地図切替サーバ100の各部を制御する。
地図データベース106は、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース106は、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺と対応付けて格納している。制御部104は、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、あらかじめ定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部102を介して携帯電話200に送信する。制御部104は、地図データベース106と携帯電話200から受け取ったデータとに基づいて、「通常地図」を生成することができる。「通常地図」とは、道路や路線に関する情報や、施設に関する情報などを表示する一般的な地図である。
切替画像データ107は、表示パネル202に切替画像KRを表示するためのデータである。切替画像KRは、切替画像データ107に基づいて表示パネル202に表示される画像であり、使用用途の異なる地図の情報を表す画像である。切替画像KRについての詳細は後述する。本実施形態における切替画像データ107は、地図の使用用途を表す文字と、使用用途を表す絵と、を含むデータから構成される。
なお、使用用途の異なる地図とは、例えば、同じ緯度・経度が表示された場合であっても、その地図に表示される情報が異なる地図や、地図に表示される情報が同じでも表示される態様が異なる地図である。使用用途の異なる地図としては、例えば、上述の通常地図や、乗換地図や、目印地図や、観光地図や、終電地図が挙げられる。乗換地図は、地図上に表示される駅までの平均的な所要時間と料金との少なくとも一方が地図上に表示され、移動に必要な情報を容易に確認することが可能な地図である。目印地図は、曲がり角や進行方向の確認の際に必要な、コンビニやファストフードなど、目印になりやすい施設が積極的に表示される地図である。観光地図は、観光名所がアイコン化した形で表現され、地図上のアイコンをクリックすることで、観光名所の詳細情報を確認することが可能な地図である。終電地図は、地図上に表示される駅から目標地点(駅)に到着するための終電時刻が地図上に表示され、終電に乗車するための必要な情報を容易に確認することが可能な地図である。乗換地図と、目印地図と、終電地図と、の詳細については後述する。
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、記憶部155とを有している。地図サーバ150は、上述の使用用途の異なる地図の地図画像データを生成可能なサーバである。地図サーバ150は、通信部152を使用して、インターネットINTを介して地図切替サーバ100と通信を行う。地図サーバ150は、また、携帯電話200や、地図を生成するための情報を有する他のサーバとも通信可能である。制御部154は、地図サーバ150の各部を制御する。なお、図1には、一つの地図サーバ150が示されているが、本実施形態では、地図表示システム10は、複数の地図サーバ150、150a、150b、150c・・・(地図サーバ150a、150b、150cについての詳細は後述)を備えており、それぞれの地図サーバ150、150a、150b、150cは、使用用途の異なる地図の地図画像データを生成することができる。
A2.地図表示処理:
図2は、地図表示システム10により実行される地図表示処理を示すフローチャートである。この処理は、携帯電話200の表示パネル202に、使用用途の異なる地図を切り替えて表示するための処理である。地図表示処理は、携帯電話200のROM213に記憶されているプログラムを、携帯電話200のユーザが指定して実行することで開始される。
地図表示処理が開始されると、携帯電話200の主制御部210は、入力画面を表示パネル202に表示して、タッチパネル206aを介して設定条件及び表示条件の入力を受け付けて、受け付けたこれらの条件と地図表示要求と、を地図切替サーバ100へ送信する(ステップS210)。設定条件とは、表示パネル202に表示させる地図画像の種類を含む条件をいう。表示条件とは、表示パネル202に表示させる地図画像の緯度及び経度と、地図画像の縮尺と、地図画像の方位と、の少なくとも一つを含む条件をいう。携帯電話200は、表示パネル202に表示される、地図画像の中心と、地図画像の緯度・経度(例えば表示パネル202の右角の緯度・経度及び左角の緯度・経度)と、地図画像の縮尺と、地図画像の方位(表示パネル202に表示される地図画像の向き)と、のうち少なくとも一つと、表示パネル202のサイズ(地図画像を表示する領域の大きさ)を判別可能なデータと、を、地図切替サーバ100へ送信する。
図3は、入力画面W1の一例を示す図である。入力画面W1には、入力欄G01と、地図選択欄G02と、が示されている。入力欄G01は、ユーザが施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力する欄である。入力欄G01に入力される情報は、上述の表示条件に含まれる。地図選択欄G02は、表示パネル202に表示させる地図画像の種類を選択するための欄である。主制御部210は、入力欄G01に施設名が入力された場合には、その施設を地図の中心地点に決定して、中心地点と、「通常地図」の表示要求と、を地図切替サーバ100へ送信する。また、主制御部210は、地図選択欄G02から地図画像の種類が選択された場合には、ユーザ(携帯電話200)の現在位置をGPSユニット201を通じて取得して、取得した現在位置を地図の中心地点に決定し、中心地点と、選択された地図の表示要求と、を地図切替サーバ100へ送信する。図4に示す例では、主制御部210は、「秋葉原駅」を地図の中心地点(表示条件)とし、地図画像の種類を「通常地図」(設定条件)とし、地図表示要求とともに、地図切替サーバ100へ送信する。また、主制御部210は、あらかじめ定められた地図の縮尺の情報も、地図切替サーバ100へ送信する。
図2に戻り、地図切替サーバ100の制御部104は、通信部102を介して携帯電話200から送信された地図表示要求と設定条件と表示条件と、を受信すると、地図画像データを生成する(ステップS110)。制御部104は、通常地図の表示要求を受信した場合には、地図データベース106を参照して、表示条件に基づいて表示すべき地図の中心地点を決定して、その中心地点を有する地図画像のデータを生成する。なお、制御部104は、通常地図以外の地図画像の表示要求を受信した場合には、地図画像の種類に基づいて地図サーバ150を選択し、選択された地図サーバ150へ表示条件及び地図画像データの生成要求を送信する。地図サーバ150は、受信した表示条件に基づいて地図画像データを生成し、生成した地図画像データを地図切替サーバ100へ送信する(ステップS150)。制御部104は、このようにして生成した、又は地図サーバ150から取得した地図画像を表すデータを、通信部102を介して携帯電話200へ送信する。また制御部104は、記憶部155から切替画像データ107を読み出して、読み出した切替画像データ107を、通信部102を介して携帯電話200へ送信する。
次に、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、地図画像データと、切替画像データ107と、を受信すると、地図画像と、切替画像と、を表示パネル202に表示する(ステップS220)。
図4は、ステップS220において表示パネル202に表示される画面W2の例を示す図である。図4には、地図画像M2が表示された状態で、切替画像KRが表示されている。本実施形態では、切替画像KRとして、地図画像M2と切り替えて表示可能な地図の種類を表す画像(通常地図K01、乗換地図K02、目印地図K03・・・)が、識別可能に表示されている。図4には、地図画像M2として「通常地図」が表示されており、地図画像M2の中心として「秋葉原駅」が表示されている。
図4に示す地図画像M2には、さらに、拡縮ボタンScと、ピンボタンD01と、現在地ボタンD02と、が含まれている。拡縮ボタンScは、地図画像M2の縮尺を変更するためのボタンである。タッチパネル206aを介して、拡縮ボタンScのうち「+」のボタンが押されると、より狭い範囲が拡大されて表された地図画像が表示される。拡縮ボタンScのうち「−」のボタンが押されると、より広い範囲が表された地図画像が表示される。また、ユーザは、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールさせることができる。ユーザが、タッチパネル206aを操作して、地図の拡縮やスクロールを指示した場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図切替サーバ100に送信される(図2「S1」参照)。そして、地図切替サーバ100において、再度、地図画像データが生成され(ステップS110)、携帯電話200に送信される。また、ユーザによりピンボタンD01が押され、その後、地図上の一点が指定された場合には、携帯電話200の主制御部210は、その指定された場所にピンQ1(付加画像)を表示させる。地図がスクロールされた場合には、ピンQ1は、地図上で指定された地点とともに移動する。
図4に示す切替画像KRの中から、いずれかの地図が選択された場合には、携帯電話200の主制御部210は、表示パネル202に表示させる地図画像M2を、選択された地図に切り替えるために、選択された地図の種類(設定条件)と地図の中心地点(表示条件)と、付加画像と、を地図画像の切替要求とともに地図切替サーバ100へ送信する(図2、ステップS290)。
なお、ユーザが、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールした場合には、地図画像M2の中心地点は、スクロールがされる前の中心地点から変更される。この場合には、主制御部210は、変更された中心地点を、切り替えられる地図画像の中心地点として決定することができる。また、同様に、地図の拡縮が変更された場合には、変更された拡縮を、切り替えられる地図画像の拡縮として決定することができる。すなわち、主制御部210は、表示パネル202に表示された地図画像M2の表示条件を、切り替えられる地図画像に引き継がせることができる。
地図切替サーバ100は、地図画像M2の切替要求と設定条件と表示条件とを受信すると、受信した設定条件及び表示条件に基づいて地図画像M2を生成して、切替画像データ107とともに携帯電話200へ送信する(ステップS110)。携帯電話200は、地図切替サーバ100から受信した地図画像及び切替画像を表示する(ステップS220)。以上のようにして、地図表示システム10は、切替要求がされるたびに、表示パネル202に表示させる地図画像を切り替えていく。
図5は、表示パネル202に表示される画面W3の別の例を示す図である。図5には、図4に示す画面W2において切替画像KRの中から目印地図K03が選択され、通常地図を表す地図画像M2が目印地図を表す地図画像M3に切替られた例を示している。地図画像M3の中心地点は「秋葉原駅」であり、地図画像M3には、地図画像M2の中心地点が引き継がれている。地図画像M3において、アルファベット「X」「Y」「Z」等のマークは、企業のブランドマークであり、コンビニエンスストアや、ガソリンスタンド、ファストフード店のブランドマークである。なお、図5に示した地図画像M3は、地図の特徴を示すものであり、図4に示す地図画像M2と厳密に対応するものではない。ユーザは、例えば図4に示したように「秋葉原駅」周辺の通常地図を表示させた場合において、秋葉原駅周辺で、よりわかりやすい目印を目安に移動したい場合などには、切替画像KRの中から目印地図K03を選択することにより、目印が積極的に表示される地図画像M3を表示パネル202に表示させることができる。また、所定の駅から秋葉原駅までの所要時間や料金を表示させたい場合には、乗換地図K02を選択することにより、秋葉原駅や秋葉原駅の周辺駅までの平均的な所要時間と料金との少なくとも一方を地図上に表示させることができ、ユーザは、移動に必要な情報を容易に確認することができる。このように、地図表示システム10では、使用用途に応じて地図を簡易に切り替えて表示させることができる。
図6は、ステップS220において表示パネル202に表示される画面W4の別の例を示す図である。図6では、地図画像M4として「通常地図」が表示されており、地図画像M4の中心として「秋葉原駅」が表示された例を示している。また、地図画像M4には、ピンQ1が付加されて表示されている。図6に示す画面W4において、切替画像KRの中からいずれかの地図が選択された場合には、主制御部210は、地図画像M4に付加されたピンQ1(付加画像)を、設定条件と表示条件とともに、地図切替サーバ100へ送信する(図2、ステップS290)。地図切替サーバ100は、受信した設定条件と表示条件とに応じて地図画像データを生成又は取得し、生成又は取得した地図画像データに付加画像を重畳させたデータを、携帯電話200へ送信する(ステップS110)。
図7は、切替られた地図画像に付加画像が引き継がれた例を示す図である。図7には、図6に示した地図画像M4が切り替えられた場合に表示パネル202に表示される画面W5の例が示されている。図7では、地図画像M5として「目印地図」が表示されており、地図画像M5の中心として「秋葉原駅」が表示された例を示している。図6に示す地図画像M4から切り替えられた地図画像M5にも、地図画像M4に表示されていたピンQ1が引き継がれて表示されている。そのため、通常地図(地図画像M4)でピンQ1を付した場所を、目印地図(地図画像M5)に表示される目印を参照しつつ訪れることができる。このように、制御部104は、表示パネル202に表示される地図画像M4に付加された画像を、切り替えられた地図画像M5にも引き継いで表示させることもできる。
以上で説明した本実施形態の地図表示システム10によれば、地図画像が表示されている状態で、切替画像が表示されるため、ユーザは、切替画像を選択すれば、使用用途に対応する地図画像を表示させることができる。そのため、使用用途の異なる地図を簡易な操作で切り替えて表示させることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
また、切替画像は、使用用途が識別可能な状態に表示されるので、ユーザは地図の使用用途を把握しやすい。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。
さらに、地図画像が切り替えられた場合には、切り替えられた地図画像に、切り替えられる前の地図画像の表示条件が引き継がれるので、ユーザが、切り替えられた地図画像に、切り替えられる前の地図画像と同様の表示条件を設定する手間を省くことができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、地図画像の緯度及び経度と、地図画像の縮尺と、地図画像の方位と、の少なくとも一つの表示条件が引き継がれるので、表示させた地図画像の経度及び緯度と、地図画像の縮尺と、方位と、の少なくとも一つが同一のまま、地図の使用用途に対応する情報を切り替えることができる。そのため、ユーザは、地図に表示される情報をより把握しやすくなる。
また、切り替えられた地図画像に、切り替えられる前の地図画像で付加された画像が引き継がれるので、ユーザは、切り替えられた地図においても、付加された画像を参照することができる。そのため、ユーザの利便性を向上させることができる。なお、付加された画像は、ピンに限られず、例えば選択された施設のアイコンや、施設の詳細な情報を示す吹き出しなどであってもよい。
A3.第1実施形態の変形例:
A3−1.変形例1:
上記実施形態では、切替画像KRは、地図画像の使用用途が識別可能な状態で、表示パネル202に表示されている。これに対し、切替画像KRは、地図画像の使用用途が識別可能な状態で表示されていなくともよく、表示パネル202に表示される地図画像が変更可能であることを示す態様であればよい。例えば、切替画像KRは、「切替」という文字(ボタン)とし、「切替」ボタンが選択された場合に、携帯電話200が地図の切替要求を地図切替サーバ100へ送信することとしてもよい。
A3−2.変形例2:
上記実施形態では、図4〜図7に示す切替画像KRは、地図の使用用途(種類)を表す文字と、地図の使用用途を表す絵と、から構成されている。これに対し、切替画像KRは、表示パネルに表示される地図画像を縮小化した画像であってもよい。この場合、表示パネル202に表示される地図画像の表示エリアと、切替画像KRとして表示される各使用用途に対応する地図画像(通常地図K01、乗換地図K02、目印地図K03・・・)の表示エリアと、を対応させるようにしてもよい。表示エリアを対応させるには、表示パネル202に表示される地図画像の緯度及び経度、縮尺、方位と、切替画像として表示される各使用用途に対応する地図画像の緯度及び経度、縮尺、方位と、を対応させることになる。このため、携帯電話200の主制御部210は、設定条件として、表示パネル202に表示する地図画像M2の種類、切替画像KRとして表示する各使用用途に対応する地図画像の種類の情報を、地図切替サーバ100に送信してもよい。こうすることにより、例えば、表示パネル202に表示される地図画像の表示エリアをスクロール操作等によって変更した場合には、その変更した地図画像の表示エリアに従って、切替画像KRとして表示される各使用用途に対応する地図画像の表示エリアも、連動して変更される。
A3−3.変形例3:
上記実施形態では、図4〜図7に示す切替画像KRには、図の左側から、通常地図K01、乗換地図K02、目印地図K03・・・の順に地図の種類を示す画像が並んで表示されている。これに対し、切替画像KRには、通常地図K01、乗換地図K02、目印地図K03・・・の順に地図の種類が示されなくともよく、これらの種類を示す画像は入れ替え可能であってもよい。例えば、ユーザがタッチパネル206aを操作し、その操作に応じて主制御部210が地図の種類を示す画像を入れ替えて表示パネル202に表示させてもよい。また、選択された地図の種類を時系列的に主制御部210が記憶することとし、選択された回数の多い順に表示パネル202に表示することとしてもよいし、前回選択された地図の種類を優先的に表示させてもよい。また、切替画像KRは、地図の種類を示す情報が、表示パネル202にタブ形式で表示されてもよいし、ユーザがタッチパネル206aをスワイプすることで表示パネル202に表示されてもよい。
A3−4.変形例4:
上記実施形態では、表示パネル202には、一つの地図画像が表示された状態で、切替画像KRが表示されている。これに対し、表示パネル202には、二つ以上の地図画像が表示されてもよい。
A3−5.変形例5:
上記実施形態では、地図切替サーバ100の制御部104は、表示パネル202に表示された地図画像の表示条件を、選択された切替画像に対応する地図画像に引き継いで、選択された切替画像に対応する地図画像を生成している。これに対し、制御部104は表示条件を引き継がず、例えば、表示パネル202に表示された地図画像の縮尺が変更され、地図が切り替えられた場合に、縮尺が変更される前の表示条件を用いて、選択された切替画像に対応する地図画像を生成してもよい。また、制御部104は、表示パネル202に表示された地図画像にピン(付加画像)が付加された場合には、付加画像を、選択された切替画像KRに対応する地図画像に引き継いで表示しなくともよい。このようにすれば、地図切替サーバ100及び携帯電話200にかかる負荷を軽減することができる。また、付加画像を、切替画像に対応する地図画像に引き継ぐか否かを、ユーザが入力部を介して選択可能であることとしてもよい。また、制御部104は、選択された切替画像KRに対応する地図画像M2に、付加画像を引き継いで表示することとし、引き継がれた付加画像は、ユーザが入力部206を介して例えば付加画像を選択することで地図画像から消去可能であることとしてもよい。このようにすれば、複数のピンや吹き出しが表示された地図画像から地図が切り替えられた場合において、切り替えられた地図画像には所望の付加情報のみを表示させることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
A3−6.変形例6:
上述の実施形態では、携帯電話200の主制御部210は、入力欄G01に施設名が入力された場合には、その施設を地図の中心地点に決定して、中心地点と、「通常地図」の表示要求と、を地図切替サーバ100へ送信している。また、主制御部210は、地図選択欄G02から地図画像の種類が選択された場合には、ユーザ(携帯電話200)の現在位置をGPSユニット201を通じて取得して、取得した現在位置を地図の中心地点に決定し、中心地点と、選択された地図の表示要求と、を地図切替サーバ100へ送信している。これに対し、入力部206を介して、入力欄G01に施設名が入力され、地図選択欄G02から地図画像の種類が選択された場合には、主制御部210は、その施設を地図の中心地点に決定し、地図の中心地点と、地図選択欄G02から選択された地図の種類と、を地図表示要求とともに地図切替サーバ100へ送信してもよい。
A3−7.変形例7:
上記実施形態では、地図切替サーバ100は、通常地図以外の地図画像の表示要求がされた場合には、設定条件に基づいて地図サーバ150を選択し、選択した地図サーバ150へ地図画像の生成要求と表示条件を送信し、地図サーバ150で生成された地図画像データを取得している(図2)。これに対し、地図切替サーバ100の制御部104は、地図サーバ150の制御部154が実行する機能を実行可能であるとしてもよい。すなわち、地図切替サーバ100において、使用用途の異なる複数の地図を生成してもよい。また、地図切替サーバ100の記憶部105に、地図サーバ150の記憶部155に記憶されているデータを記憶することとしてもよい。この場合には、地図サーバ150は省略されてもよい。
A3−8.変形例8:
上記実施形態では、地図表示システム10は、複数の地図サーバ150、150a、150b、150c・・・(地図サーバ150a、150b、150cについての詳細は後述)を備えており、それぞれの地図サーバ150は、使用用途の異なる地図の地図画像データを生成可能である。これに対し、地図サーバ150の制御部154は、地図サーバ150a、150b、150cの制御部154a、154b、154cのうち少なくとも一つの制御部が実行する機能を実行可能であるとしてもよい。すなわち、地図サーバ150において、使用用途の異なる複数の地図の地図画像データを生成してもよい。
A3−9.変形例9:
上記実施形態においては、地図表示システム10は、携帯電話200と、地図切替サーバ100と、地図サーバ150と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニット201を備える携帯端末に、地図切替サーバ100や地図サーバ150など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。上記実施形態において携帯電話200として例示した携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
すなわち、地図表示装置としての地図表示システム10は、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システム10は、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。地図画像データを生成する機能、画像(地図)を表示する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
A3−10.変形例10:
上記実施形態では、表示パネル202には、地図画像として、通常地図や、乗換地図や、目印地図や、観光地図や、終電地図が切り替えて表示される。これに対し、表示パネル202に表示される地図画像の種類は、これらに限られず、例えば、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したハザードマップ等であってもよい。
以下では、表示パネル202に切り替えて表示される地図の例として、乗換地図と、目印地図と、終電地図と、の詳細と、それぞれの地図を生成する地図表示装置(地図表示システム)と、それぞれの地図の表示方法と、について説明する。
B.乗換地図を表示可能な地図表示システム:
B1.実施形態
B1−1.全体構成:
図8は、乗換地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。乗換地図表示システムは、地図サーバ150aと、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。これらは、以下で説明するように、上述の第1実施形態において説明した機能と同様の機能を果たすことができる。
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
通信部205は、インターネットINTを介して地図サーバ150aおよび時刻表サーバ170と通信を行い、情報を送受信することができる。時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201から現在時刻を取得できない場合には、時計部209から現在時刻を取得することができる。
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図サーバ150aに送信することができる。そして、主制御部210は、地図サーバ150aから地図データを入手して、その地図データが表す地図を表示パネル202に表示することができる。
地図サーバ150aは、通信部152aと、制御部154aと、記憶部155aとを有している。地図サーバ150aは、通信部152aを使用して、インターネットINTを介して携帯電話200や時刻表サーバ170と通信を行うことができる。記憶部155aは、地図データベース156a、所要時間データベース157a、料金データベース158a、および表示駅データベース159aを格納している。制御部154aは、地図サーバ150aの各部を制御する。
地図データベース156aは、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース156aは、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺および位置の情報と対応付けて格納している。制御部154aは、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、予め定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部152aを介して携帯電話200に送信する。
所要時間データベース157aは、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線に含まれる隣接する二つの駅の間の平均的な所要時間、急行を利用した場合の隣接する急行停車駅間の平均的な所要時間、特急を利用した場合の隣接する特急停車駅間の平均的な所要時間などのデータを格納している。制御部154aは、携帯電話200および地図サーバ150aから受け取ったデータに基づいて、所要時間データベース157aを参照し、特定の二つの駅の間の移動に要する時間を計算する。たとえば、制御部154aは、それら二つの駅の間に含まれ特急を利用できる区間の所要時間を合計し、残りの区間中で急行を利用できる区間の所要時間を合計し、さらに残りの区間の所要時間を合計し、さらにそれらの所要時間を合計することによって、その特定の二つの駅の間の移動に要する時間を計算する。所要時間データベース157aに基づいて計算される二つの駅の間の所要時間は、時刻表に基づいて決定されるものではないため、正確な所要時間ではない。
料金データベース158aは、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線の料金表のデータを格納している。制御部154aは、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、料金データベース158aを参照し、特定の二つの駅の間の移動に要する料金を計算し、携帯電話200に送信する。
表示駅データベース159aは、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線とそれらの路線の駅について、地図の縮尺ごとに、(i)その縮尺の乗換地図において路線や駅を表す表示を表示すべきか否かを表すデータ、(ii)表示すべき路線や駅の地図上の位置、および(iii)表示すべき駅や路線を表す画像データを、格納している。ある縮尺の乗換地図の地図データが生成される際、表示駅データベース159aが参照されて、乗換地図において表示されるべき路線および駅が選択され、それらを表す画像データおよび地図上のそれらの表示位置の情報が取得される。乗換地図については、後に説明する。
ある縮尺の地図においては、特急が停車する駅を表す表示は表示され、特急が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。より小さい縮尺の地図(広い領域が表示される地図)においては、急行が停車する駅を表す表示は表示され、急行が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。
表示駅データベース159aにおいて、地図上で駅の表示を表示すべき駅は、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての駅の中からあらかじめ選択されている。このように基準駅からの所要時間と料金とを表示すべき駅を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
表示駅データベース159aにおいて、地図上で路線の表示を表示すべき路線は、ユーザが各路線および駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての路線の中からあらかじめ選択されている。このように表示すべき路線を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係および接続関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、記憶部175とを有している。時刻表サーバ170は、通信部172を使用して、インターネットINTを介して地図サーバ150aと通信を行うことができる。記憶部175は、時刻表データベース176を格納している。制御部174は、時刻表サーバ170の各部を制御する。
時刻表データベース176は、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線の時刻表のデータを格納している。制御部174は、携帯電話200および地図サーバ150aから受け取ったデータに基づいて、時刻表データベース176を参照し、特定の駅の特定の時刻近傍の列車の発車時刻の情報、ならびにその列車の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータを作成し、地図サーバ150aおよび携帯電話200に送信することができる。
B1−2.地図を表示する処理:
図9および図10は、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示するために、携帯電話200と、地図サーバ150aと、時刻表サーバ170と、において行われる処理を示すフローチャートである。図9および図10によって表示パネル202に表示される地図は、地図上に路線と駅とが表示される「乗換地図」である。乗換地図において表示される路線には、通常の地図には表示されない地下鉄の路線やバスの路線を含む。
ステップS210aにおいて、ユーザは、まず、入力部206を操作して、携帯電話200に対して、地図を表示すべき旨の要求を行う。具体的には、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、携帯電話200上で動いている地図表示用アプリケーションソフトウェアに、たとえば、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行う。また、すでに乗換地図以外の地図(たとえば、地下鉄やバスの路線が表示されない通常の地図)を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、地図表示用アプリケーションソフトウェアに対して行うこともできる。
携帯電話200の主制御部210は、ユーザから入力された情報に基づいて、表示すべき地図の中心地点を決定し、乗換地図を生成すべき旨の指示とともに、通信部205を介して、中心地点の情報を地図サーバ150aに送信する。
また、携帯電話200の主制御部210は、表示すべき地図の縮尺の情報も、地図サーバ150aに送信する。中心地点と縮尺の情報を地図サーバ150aに送信する際に、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示していない場合には、主制御部210は、あらかじめ定められた縮尺の情報を、地図サーバ150aに送信する。一方、すでに乗換地図以外の地図を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、ユーザが携帯電話200に行った場合には、主制御部210は、表示している地図の中心地点と縮尺を、地図サーバ150aに送信する。
ステップS110aにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、通信部152aを介して、携帯電話200から送信された情報を受信する。そして、地図サーバ150aの制御部154aは、携帯電話200から受信した情報に基づいて、地図データベース156aと表示駅データベース159aとを参照して、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している乗換地図のデータを生成する。
より具体的には、制御部154aは、携帯電話200から受信した中心地点および縮尺の情報と、画面サイズと、に基づいて、表示すべき地図の範囲を決定し、その範囲を有する地図画像のデータを地図データベース156aから取得する。また、制御部154aは、携帯電話200から受信した縮尺の情報に基づいて、表示駅データベース159aを参照して、乗換地図において表示すべき路線と駅とを決定し、それらを表す画像データを表示駅データベース159aから取得する。
そして、制御部154aは、地図画像と、駅や路線を表す画像とを重畳して、乗換地図のデータを生成する。なお、この時点で生成される「乗換地図」は、後述する基準駅からの所要時間や料金の表示を含まない。その後、地図サーバ150aの制御部154aは、通信部152aを介して、携帯電話200に乗換地図を表す地図データを送信する。
ステップS220aにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、乗換地図を表す地図データを受信し、乗換地図を表示パネル202に表示する。
図11は、図9のステップS220aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される乗換地図の一例M0aを示す図である。この乗換地図においては、図11に示すように、地下鉄を含む複数の路線とそれらの路線に含まれる駅との情報が地図データに含まれる他の情報よりも優先的に重畳表示される。このため、利用者は、表示パネル202に表示された乗換地図を参照することで、表示パネル202に表示された所定のエリアにおける地下鉄を含む路線とその路線に含まれる駅とを地図上で容易に把握することができる。
図11に示された乗換地図M0aにおいて、十字の印でユーザからの情報によって特定された地点PPが示されている。また、乗換地図の表示には、ピンボタンD01、現在地ボタンD02、および拡縮ボタンScが、含まれる。これらのボタンの表示は、携帯電話200の主制御部210によって、地図サーバ150aから受け取った乗換地図上に重畳される。
乗換地図が表示されている状態において、ピンボタンD01が押され、その後、地図上の一点が指定された場合には、その指定点にピンが表示される。地図がスクロールされた場合には、ピンは、地図上で指定された地点とともに移動する。このような処理により、ユーザは、地図上に目印を残しつつ、訪問地を決定することができる。
乗換地図が表示されている状態において、現在地ボタンD02が押された場合には、地図上の現在位置に対応する地点に矢印状の印(D02のアイコン参照)が表示される。なお、表示されている乗換地図の範囲内に現在位置が含まれない場合には、乗換地図の表示範囲は、現在位置を含む範囲に移動する。また、現実の現在位置が移動した場合には、現在位置を表す印は、地図上で現在位置に合致する位置に移動する。このような処理により、ユーザは、現在位置を考慮しつつ、訪問地を決定することができる。
乗換地図には、拡縮ボタンScの表示が含まれている。拡縮ボタンScは、表示されている地図の縮尺を変更するためのボタンである。タッチパネル206aを介して、拡縮ボタンScのうち「+」のボタンが押されると、より狭い範囲が拡大されて表された地図が表示される。拡縮ボタンScのうち「−」のボタンが押されると、より広い範囲が表された地図が表示される。また、ユーザは、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールさせることができる。
図9のステップS220aにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、地図の拡縮やスクロールを指示した場合や、現在地ボタンD02が押されたことに伴って地図のスクロールが必要となる場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150aに送信される(図9の「S1a」参照)。そして、地図サーバ150aにおいて、再度、乗換地図の地図データが生成され(ステップS110a)、携帯電話200に送信される。
ステップS230aにおいて、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、乗換地図上で基準駅を指定する。具体的には、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって指定された乗換地図上の地点に最も近い駅を基準駅に決定する。このような処理を行うことにより、ユーザは、正確に地図上の駅の地点を指定しなくとも、基準駅を指定することができる。主制御部210は、通信部205を介して、基準駅の情報を地図サーバ150aに送信する。
ステップS120aにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、携帯電話200から送信された基準駅の情報を、通信部152aを介して受信する。そして、制御部154aは、基準駅を中心とする所定範囲に含まれる駅の中から、表示駅データベース159aを参照して、駅を抽出し、それらの駅について基準駅からの所要時間と料金とを計算する。
基準駅からの所要時間と料金とが計算される駅を定める「所定範囲」は、乗換地図の表示範囲よりも広い。「所定範囲」は、たとえば、乗換地図の中心地点を中心とし、乗換地図の表示範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲とすることができる。このように、基準駅からの所要時間と料金とが計算される駅を、所定範囲に限定することにより、基準駅からの所要時間と料金の取得に要する負荷を低減し、処理時間を短縮することができる。また、所定範囲を、乗換地図の表示範囲を中心とする範囲に設定することにより、ユーザがスクロールによって携帯電話200の表示パネル202に表示する可能性が高い駅について、基準駅からの所要時間と料金とを計算することができる。
制御部154aは、そのように定められる範囲に基づき、表示駅データベース159aを参照して、基準駅からの所要時間と料金とを計算する駅を決定する。基準駅からの所要時間と料金とを計算する駅は、その時点で携帯電話200の表示パネル202に表示されている乗換地図と同縮尺の乗換地図において、地図上に表示される駅である。このような処理を行うことにより、所定範囲に含まれるすべての駅について所要時間と料金を計算する態様に比べて、処理の負荷を低減し、処理時間を短縮することができる。また、ユーザがスクロールによって携帯電話200の表示パネル202に表示し得る駅について、所要時間と料金とを計算することができる。
制御部154aは、そのようにして決定された駅について、所要時間データベース157aを参照して、基準駅からの所要時間を計算する。また、制御部154aは、料金データベース158aを参照して、それらの各駅について、基準駅からの移動に要する料金を計算する。
制御部154aは、時刻表に基づいて乗換経路等を決定して所要時間を計算するのではなく、あらかじめ平均的な所要時間を格納している所要時間データベース157aに基づいて、所要時間を計算する。このため、多数の駅について、基準駅からの所要時間を短時間に計算することができる。
図9のステップS130aにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、ステップS110aで生成した乗換地図の表示範囲に基づいて、表示駅データベース159aを参照して、基準駅からの所要時間と料金とが計算された駅のうち、携帯電話200の表示パネル202で表示する乗換地図において基準駅からの所要時間と料金とを表示すべき駅を、決定する。
ステップS140aにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、ステップS110aで作成されている乗換地図の上に、基準駅の表示と、ステップS130aで選択された駅についての基準駅からの所要時間と料金とを示す表示と、を表示するための所要時間・料金データを生成する。そして、制御部154aは、通信部152aを介して、所要時間・料金データを携帯電話200に送信する。
ステップS240aにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、所要時間・料金データを受信し、表示パネル202に表示している乗換地図(図11参照)の上に、基準駅の表示と、乗換地図上に表示された各駅についての基準駅からの所要時間と料金とを示す表示と、を重畳して表示する。これにより、携帯電話200の主制御部210は、図12に示すように、図11に示す乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示することになる。
図12は、図9のステップS240aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される乗換地図の一例M1aを示す図である。図12の乗換地図M1aにおいて、基準駅を表す表示は、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「東京」という文字の表示Ds0と、旗の印と「出発駅」という文字の表示を含む表示Dt0と、からなる。なお、乗換地図の表示において「出発駅」とは、基準駅を意味する。
また、図12の乗換地図M1aにおいて、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「神田」という文字の表示Ds1が、図9のステップS130aで選択された駅の表示として、表示される。「¥170」という料金の表示および「約2分」という所要時間の表示を含む表示Dt1が、駅を表す表示Ds1と対応づけて表示される。また、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「有楽町」という文字の表示Ds2が、図9のステップS130aで選択された駅の表示として、表示される。「¥150a」という料金の表示、および「約2分」という所要時間の表示を含む表示Dt2が、駅を表す表示Ds2と対応づけて表示される。同様に、乗換地図M1a内の表示Ds3〜Ds6は、図9のステップS130aで選択された駅の表示である。表示Dt3〜Dt6は、それらの駅に対応づけられた料金および所要時間の表示である。
このような処理を行うことにより、ユーザは、基準駅(ここでは東京駅)を起点として、どの程度の時間および料金で周辺の地点に移動できるのかを考慮しつつ、基準駅周辺において訪問すべき地点を選択し、また、訪問経路および訪問順序を決定することができる。
図9のステップS240aにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、乗換地図のスクロールを指示した場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150aに送信される(図9の「S2a」参照)。そして、ステップS130aにおいて、地図サーバ150aが、再度、乗換地図の地図データを生成し、乗換地図の地図データに基づいて、基準駅からの所要時間と料金とを表示すべき駅を決定する。そして、ステップS140a以下の処理が行われる。
ステップS120aにおいて、携帯電話200の表示パネル202で表示されている乗換地図の範囲を超える範囲(ここでは、縦横とも9倍の矩形の範囲)について、基準駅からの所要時間と料金が計算されている。このため、その範囲内で地図のスクロールが行われた場合には、基準駅からの所要時間と料金を計算することなく、迅速に、乗換地図の生成および表示を行うことができる。
なお、図9において図示を省略したが、ステップS240aにおいて、ステップS120aで料金および所要時間を計算した駅の範囲を超えるスクロールが行われた場合や、乗換地図の拡縮が指示された場合には、処理は、ステップS240aからステップS120aに移行し、再度、ステップS120a以下の処理が行われる。
図10のステップS250aにおいて、乗換地図(図12参照)を見たユーザは、乗換地図内に表示された駅の中から目的駅を決定し、タッチパネル206aを操作して、乗換地図上で目的駅を指定する。目的駅の指定方法は、基準駅の指定方法と同様である。目的駅が指定されると、基準駅を出発する時刻を入力する領域である時刻入力部が、表示パネル202上に表示される(図示省略)。
ステップS260aにおいて、ユーザは、時刻入力部に、基準駅を出発する時刻を入力する。携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、目的駅の情報と、基準駅を出発する時刻の情報を、地図サーバ150aに送信する。
ステップS150aaにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、通信部152aを介して、時刻表サーバ170に、目的駅の情報と、基準駅の情報と、基準駅を出発する時刻の情報とを、送信する。そして、制御部154aは、基準駅を出発する車両の発車時刻、目的駅における車両の到着時刻を含む乗換スケジュールを、時刻表サーバ170に、問い合わせる。
ステップS310aにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、目的駅の情報と、基準駅の情報と、基準駅を出発する時刻の情報と、に基づいて、時刻表データベース176を参照し、乗換スケジュールを決定する。乗換スケジュールには、基準駅を出発する車両の発車時刻、および目的駅における車両の到着時刻が含まれる。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150aに、乗換スケジュールのデータを送信する。
ステップS160aにおいて、地図サーバ150aの制御部154aは、乗換スケジュールに含まれる、基準駅と、目的駅と、基準駅を出発する車両の発車時刻と、目的駅に到着する車両の到着時刻と、を含む表示であって、目的駅の表示と対応づけて表示されるべき表示を含む乗換スケジュールの表示用データを生成する。生成されるスケジュール表示用データは、同時に、詳細な乗換スケジュールの提示を指示するための「乗換案内」ボタンと、目的駅を新たに基準駅に指定するための「出発駅に設定」ボタンとの表示を含む。制御部154aは、通信部152aを介して、生成したスケジュール表示用データを、携帯電話200に送信する。
ステップS270aにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、スケジュール表示用データを受信する。そして、スケジュール表示用データに基づいて、基準駅と、目的駅と、基準駅を出発する車両の発車時刻と、目的駅に到着する車両の到着時刻と、を含む表示が、目的駅の表示と対応づけて表示された乗換地図を、表示パネル202に表示する。
図13は、ステップS270aにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される乗換地図の一例M2aを示す図である。図13の乗換地図M2aにおいて、乗換スケジュールを含む表示Dt10は、基準駅を表す「出発:東京」という表示と、目的駅を表す「到着:神田」という表示と、基準駅を出発する車両の発車時刻である「15:30」という表示と、目的駅に到着する車両の到着時刻である「15:32」という表示と、を含む。さらに、表示Dt10は、詳細な乗換スケジュールを示すことを指示するための「乗換案内」ボタンと、目的駅を基準駅に指定するための「出発駅に設定」ボタンと、を含む。
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめておおまかな所要時間および料金に基づいて訪問地を検討しつつ(図12参照)、個別に訪問地の候補とした地点の近傍の駅については、実際の時刻表に基づいて、正確な出発時間および到着時間を知ることができる(図13参照)。
図10のステップS270aにおいて、「出発駅に設定」ボタンが押された場合には、処理は、図9のステップS230aに進む(図10および図9の「Na」参照)。ステップS230aにおいて、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって新たに指定された、それまでの処理における目的駅を、基準駅に決定する。そして、主制御部210は、通信部205を介して、基準駅の情報を地図サーバ150aに送信する。以下の処理は、すでに説明したとおりである。
このような処理を行うことにより、ユーザは、それまでの目的駅を起点(基準駅)として、次の訪問地を、地図全体をながめつつ、おおまかな所要時間および料金に基づいて、検討することができる。その結果、連続して複数の訪問地をまわるスケジュールを検討することができる。
ステップS270aにおいて、「乗換案内」ボタンが押された場合には、図9および図10の処理を終了し、処理は、乗換案内処理に移行する。乗換案内処理においては、時刻表サーバ170の時刻表データベース176に基づいて、基準駅を出発する車両の発車時刻、目的駅における車両の到着時刻、乗換駅、乗換駅を出発する車両の発車時刻、各駅における車両の到着ホームの番号などが、携帯電話200の表示パネル202表示される。乗換案内処理の詳細な説明は省略する。
B2.実施形態B1の変形態様:
図14は、実施形態B1の変形態様において、図9のステップS240aで表示される乗換地図M3aを示す図である。この態様においては、乗換地図における基準駅の表示が実施形態B1とは異なる。実施形態B1の変形態様の他の点は、実施形態B1と同じである。
この態様においては、基準駅の表示Dt20は、旗の印を含むが、「出発駅」という文字表示(図12参照)を伴わない。基準駅の以外の駅の表示Ds21〜Ds33、ならびに、料金および所要時間の表示Dt21〜Dt33の態様は、実施形態B1と同様である。
図12に示した乗換地図M1aの表示画面の例では、表示範囲に、互いに乗り入れをしない複数の路線が存在する。そして、それらの路線は分岐しない。図12に示した乗換地図M1aにおいては、それらの路線の駅について駅の表示Ds1〜Ds6、料金および所要時間の表示Dt1〜Dt6が表示されている。しかし、実施形態B1においても、実施形態B1の変形態様においても、乗換地図に含まれる範囲に分岐する路線が存在する場合には、図9のステップS240aにおいて、分岐の各枝について、それらの路線に含まれる駅の表示、ならびに料金および所要時間の表示がなされる(図14のDs21〜Ds33,Dt21〜Dt33参照)。なお、「分岐する路線の各枝」は、基準となる駅(基準駅)から遠ざかる方向に延びつつ路線が分岐している場合、分岐から先に伸びる各枝を意味する。
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図上の様々な地点を訪問地の候補として検討することができる。
B3.変形例:
B3−1.変形例1:
上記実施形態B1においては、図9のステップS210aにおいて、ユーザは、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例や、すでに表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例について説明した。しかし、ユーザは、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、乗換地図を表示すべき旨の指示を入力した後、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、その施設を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行うこともできる。すなわち、ユーザは、中心位置を特定することができる情報の入力とともに、地図の表示を指示すればよい。
B3−2.変形例2:
上記実施形態B1においては、ユーザが入力した情報に基づいて所要時間や料金を含まない乗換地図が表示された後、ユーザは、乗換地図上で基準駅を指定する(図9のS220a,S230a参照)。そして、その指定した基準駅からの所要時間や料金を含む乗換地図を表示している(図9のS240a参照)。しかし、所要時間や料金を含まない乗換地図を事前に表示せずに、最初から所要時間や料金を含む乗換地図が生成され表示される態様とすることもできる。この場合、携帯電話200の主制御部210は、乗換地図上での基準駅が携帯電話200において予め決定されているか否かを判断し、基準駅が予め決定されている場合には、その予め決定されている基準駅の情報を、通信部205を介して地図サーバ150aに送信することになる(図9のステップS230a参照)。また、乗換地図上での基準駅が予め決定されていない場合は、携帯電話200に予めデフォルトとして設定されている地域の代表駅を、乗換地図上での基準駅として決定し、その決定した基準駅の情報を、通信部205を介して地図サーバ150aに送信することになる(図9のステップS230a参照)。
基準駅が携帯電話200において予め決定されている場合としては、例えば、以下の例が挙げられる。GPSユニット201の機能が有効に設定されており、GPSユニット201により現在位置情報を取得した場合に、その現在位置情報の地点に最も近い駅を基準駅に決定する。また、ユーザが携帯電話200を操作して自宅最寄駅、会社最寄駅等の出発駅を予めユーザIDに対応付けて登録しておき、その出発駅を基準駅として使用する設定がされている場合に、その出発駅を基準駅に決定する。これにより、乗換地図上での基準駅を予め決定することができる。
また、乗換地図上での基準駅が予め決定されておらず、携帯電話200に予め設定されているデフォルトの駅を、乗換地図上での基準駅として決定する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。東京、京都、名古屋、大阪等の主要なエリア毎にデフォルトの代表駅を設定しておく。そして、携帯電話200の主制御部210は、表示パネル202に表示された乗換地図のエリアに対応するデフォルトの代表駅を乗換地図上での基準駅として決定する。これにより、表示パネル202に表示された乗換地図のエリアに応じたデフォルトの代表駅を基準駅として決定することができる。なお、携帯電話200の主制御部210は、決定した基準駅の情報を表示パネル202に表示したりする。これにより、ユーザは、どの駅が基準駅として決定されたかを容易に把握することができる。
B3−3.変形例3:
上記実施形態B1においては、基準駅からの所要時間と料金とが計算される駅を定める「所定範囲」(図9のステップS120a参照)は、表示している乗換地図の中心地点を中心とし、その地図の範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲である。しかし、基準駅からの所要時間と料金とが計算される駅を定める「所定範囲」は、表示している地図の範囲に対して縦横ともN倍(Nは2以上の整数)の大きさを有する矩形の範囲や、表示している地図の中心地点を中心とする所定の大きさの半径を有する円形状の範囲など、他の範囲とすることもできる。
B3−4.変形例4:
上記実施形態B1では、基準駅と目的駅との間の移動に要する料金は、地図サーバ150aが保有する料金データベース158aに基づいて計算される(図8、および図9のステップS120a参照)。しかし、基準駅と目的駅との間の移動に要する料金は、地図サーバ150aまたは携帯電話200が、時刻表サーバ170に問い合わせることによって、最終的に携帯電話200に送信されるものとすることもできる。
B3−5.変形例5:
上記実施形態B1においては、縮尺に応じてあらかじめ定められた表示すべき駅の情報を格納する表示駅データベース159aと、出力部としての携帯電話200の表示パネル202に表示している地図の縮尺と、に基づいて決定された駅について、駅を表す画像と、所要時間および料金と、が表示される(図8および図9のステップS130a参照)。しかし、駅を表す画像と、所要時間と料金との少なくとも一方と、が表示される駅は、他の方法で決定されることもできる。
たとえば、各駅の表示の優先度を格納する優先度データベース159aa(図8参照)を備え、優先度データベース159aaに基づいて、優先度の高いものから選択された、あらかじめ定められた数(たとえば、1つの乗換地図において7個)以下の数の駅について、駅を表す画像と、所要時間と前記料金との少なくとも一方と、を表示する態様としてもよい。
基準駅周辺のすべての駅について、駅を表す表示や、所要時間および到着時刻の表示が地図上に表示されると、地図の大部分がそれらの表示で隠されてしまい、各駅の地図上の位置が把握できなくなってしまう可能性がある。しかし、上記の態様とすれば、そのような事態を防止することができる。なお、「あらかじめ定められた数」は、5個、8個など任意の数とすることができ、出力部の地図を表示する部分の大きさおよび描画密度に応じて定めることができる。
また、乗換地図の範囲に含まれるすべての駅について、駅を表す画像と、所要時間と前記料金との少なくとも一方と、を表示する態様としてもよい。
B3−6.変形例6:
なお、乗換地図においては、特急が停車する駅について、急行が停車する駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示し、急行が停車する駅について、特急も急行も停車しない駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示する態様とすることもできる。
このような態様とすれば、基準駅周辺のすべての駅について、駅を表す画像が表示されることにより、特急が停車する大きい駅の地図上の位置が、特急が停車しない駅の画像のために把握できなくなってしまったり、急行が停車する駅の地図上の位置が、特急も急行も停車しない小さい駅の画像のために把握できなくなってしまったりする事態を防止することができる。
B3−7.変形例7:
上記実施形態B1においては、乗換地図M1a,M3aにおいて、基準駅以外の各駅までの所要時間と料金とは、いずれも表示されている(図12、図14参照)。しかし、乗換地図において駅を表す画像に対応づけて表示される情報は、各駅までの所要時間と料金とのいずれか一方であってもよい。
B3−8.変形例8:
上記実施形態B1においては、地図サーバ150aにおいて、地図上に表示される各種のボタンSc,D01,D02を含む地図の地図データが生成される。しかし、地図上に表示される1以上のボタンは、地図サーバ150aで生成される地図のデータには含まれず、携帯電話200において、地図上に重畳されてもよい。
B3−9.変形例9:
上記実施形態B1においては、鉄道およびその駅を例に本発明についての説明をした。しかし、本発明は、バス路線や定期運行線などの鉄道以外の交通手段にも適用することができる。また、自動車で高速道路や有料道路を利用する場合にも適用することができる。すなわち、あらかじめ定められた地点(鉄道の駅、バスの停留場、インターチェンジなど)の間を、あらかじめ定められた料金で移動する様々な場合について、本発明は適用することができる。
すなわち、本発明の実施形態における「駅」には、鉄道の駅と、路線バスの停留所と、高速道路および有料道路のインターチェンジと、を含む。そして、「基準駅から駅までの移動に要する料金」には、「基準となる鉄道の駅から、鉄道のある駅までの移動に要する料金」と、「基準となる停留所からある停留所までの移動に要するバス料金」と、「基準となるインターチェンジからあるインターチェンジまでの移動に要する高速道路料金」と、を含む。
B3−10.変形例10:
地図サーバ150aの地図データベース156a内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156a内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
B3−11.変形例11:
上記実施形態B1においては、地図表示システムは、その構成要素として、地図サーバ150aと、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、地図サーバ150aや時刻表サーバ170など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、地図サーバ150aと時刻表サーバ170とは、同じサーバであってもよい。上記実施形態B1において携帯電話200として例示した携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
すなわち、地図表示装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
B3−12.変形例12:
上記実施形態B1においては、地図サーバ150aの制御部154aは、ステップS140aにおいて、所要時間・料金データを生成し、携帯電話200に送信している。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240aにおいて、表示パネル202に表示した図11に示す乗換地図上に所要時間・料金データを重畳表示するようにしている。しかし、以下のような態様とすることも可能である。すなわち、地図サーバ150aの制御部154aは、ステップS140aにおいて、ステップS110aで作成されている乗換地図の上に、基準駅の表示と、ステップS130aで選択された駅の表示と、それらの駅についての基準駅からの所要時間と料金とを示す表示と、を表示した新たな乗換地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240aにおいて、地図サーバ150aから受信した地図データを基に、図12に示す乗換地図を表示パネル202に表示する。
同様に、基準駅と、目的駅と、基準駅を出発する車両の発車時刻と、目的駅に到着する車両の到着時刻と、を含む表示(図13のDt10参照)についても、上記実施形態B1の様に、地図サーバ150aにおいてスケジュール表示用データを生成して、携帯電話200がスケジュール表示用データに基づいて、上記表示を行う態様(図10のS160a,S270a参照)以外に、以下のような態様とすることもできる。すなわち、地図サーバ150aの制御部154aは、ステップS160aにおいて、上記処理で作成されている所要時間と料金の表示を含む乗換地図の上に、基準駅と、目的駅と、基準駅を出発する車両の発車時刻と、目的駅に到着する車両の到着時刻と、を含む表示を表示した新たな乗換地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS270aにおいて、地図サーバ150aから受信した地図データを基に、図13に示す乗換地図を表示パネル202に表示する。
B3−13.変形例13:
上記実施形態B1においては、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、乗換地図上で基準駅を指定している。しかし、以下の方法で基準駅を指定することも可能である。例えば、自宅最寄駅、会社最寄駅等の出発駅を予め携帯電話200に登録しておき、その登録した駅のアイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された登録駅のアイコンがユーザにより選択された場合に、その駅を基準駅として指定する。これにより、表示パネル202上に表示された登録駅のアイコンがユーザにより選択された場合に、その選択された駅を基準駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示することができる。
例えば、自宅最寄駅を登録した場合は、自宅アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された自宅アイコンがユーザにより選択された場合に、自宅最寄駅を基準駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示する。また、会社最寄駅を登録した場合は、会社アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された会社アイコンがユーザにより選択された場合に、会社最寄駅を基準駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示する。これにより、携帯電話200に予め登録した基準駅を基に、乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示するようにすることができる。
B3−14.変形例14:
上記実施形態B1においては、図12に示すように、乗換地図上に表示された各駅に対し、基準駅からの所要時間の情報と、基準駅からの料金の情報と、を表示するようにしている。しかし、定期券を考慮した以下のような態様とすることもできる。すなわち、ユーザが定期券で使用する路線の区間を携帯電話200等に登録する。携帯電話200の主制御部210は、定期券アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された定期券アイコンがユーザにより選択された場合に、定期券で使用する路線の区間の料金を除いた各駅までの料金の情報を表示する。例えば、定期券で使用する路線の区間が『品川駅-東京駅』区間とする。基準駅が品川駅とし、乗換地図上に表示された上野駅までの料金の情報を表示する場合は、品川駅から東京駅までの区間を除き、東京駅から上野駅までの料金の情報を表示する。これにより、定期券で使用する区間の料金を除いた料金の情報を乗換地図上に表示することができる。
B3−15.変形例15:
上記実施形態B1においては、地図サーバ150aは、地図データベース156aから取得した地図画像に対し、表示駅データベース159aから取得した路線や駅を表す画像を重畳して、乗換地図のデータを作成している。しかし、他の方法で乗換地図を表示することもできる。地図データベース156aが保持している地図データは、地図上に表示すべき対象(河や湖、道路、信号、建物、路線、駅など)について、表示の優先度または優先順位を保持している。そして、優先度(優先順位)の高い対象は、優先度が低い対象が地図上に表示されていない状態であっても、地図上に表示され得る。すなわち、地図上には、所定の基準に対して高い優先度を有する対象物が表示され、低い優先度を有する対象物は表示されない。そのような態様において、地図サーバ150aは、地図データベース156aから取得した地図画像に含まれる路線や駅の情報の表示優先順位を高め、地図画像上にその路線や駅の情報を重畳した乗換地図のデータを作成するようにしても良い。これにより、図11に示すように、路線や駅の情報が重畳された乗換地図を携帯電話200の表示パネル202に表示することができる。
C.目印地図を表示可能な地図表示システム:
C1.実施形態C1:
C1−1.全体構成:
図15は、目印地図を表示可能な地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。実施形態C1の目印地図表示システムは、地図サーバ150bと、第1の企業サーバ160と、携帯電話200と、を含む。
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。これらは、以下で説明するように、上述の第1実施形態において説明した機能と同様の機能を果たすことができる。
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
通信部205は、インターネットINTを介して地図サーバ150bおよび第1の企業サーバ160と通信を行い、情報を送受信することができる。
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図サーバ150bに送信することができる。そして、主制御部210は、地図サーバ150bから地図データを入手して、その地図データが表す地図を表示パネル202に表示することができる。
地図サーバ150bは、通信部152bと、制御部154bと、記憶部155bとを有している。地図サーバ150bは、通信部152bを使用して、インターネットINTを介して携帯電話200や第1の企業サーバ160と通信を行うことができる。記憶部155bは、地図データベース156bを格納している。制御部154bは、地図サーバ150bの各部を制御する。
地図データベース156bは、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース156bは、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺および位置の情報と対応付けて格納している。制御部154bは、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、予め定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部152bを介して携帯電話200に送信する。
それぞれの地図画像データの地図においては、サービスを提供する施設(本明細書において「サービス提供施設」と呼ぶ)が存在する場所には、原則として、その業種に応じたマークが表示される。すなわち、サービス提供施設が存在する場所に対応する地図上の場所には、原則として、サービス提供施設の個別のブランドを区別せずに、業種ごとに同一のマークが、表示される。
なお、本明細書において、「サービス提供施設」には、床屋、旅行代理店などの、いわゆるサービスの提供をしている施設と、書店、家電量販店などの物品の販売を行っている施設と、を含む。
地図データベース156bが格納している地図画像データの地図においては、たとえば、飲食店(ファミリーレストラン)が存在する場所には、飲食店を表すナイフとフォークのマークが表示される。ガソリンスタンドが存在する場所には、ガソリンスタンドを表す給油機のマークが表示される。銀行の存在する場所には、上下の輪郭が凸の円弧で構成され左右の輪郭が凹の円弧で構成される銀行の地図記号が表示される。コンビニエンスストアが存在する場所には、コンビニエンスストアの正面の外観を模したマークが表示される。ただし、一部のブランドについては、そのブランドのマークが表示される。地図データベース156bは、6カ月に1度の頻度で更新される。
第1の企業サーバ160は、通信部162と、制御部164と、記憶部165とを有している。第1の企業サーバ160は、通信部162を使用して、インターネットINTを介して地図サーバ150bと通信を行うことができる。記憶部165は、店舗データベース166を格納している。制御部164は、第1の企業サーバ160の各部を制御する。
店舗データベース166は、一般のユーザに、ウェブサイトを介して、その企業が経営する店舗の情報を提供する際に使用されるデータベースである。店舗データベース166は、その企業が経営する店舗の情報、たとえば、その店舗のブランド、場所(緯度、経度)、住所、電話番号、取り扱っているサービスの情報が、店舗ごとに格納されている。また、店舗データベース166は、ブランドごとに、地図上に表示すべきマークのデータも保持している。店舗データベース166は、1週間に1度の頻度で更新される。第1の企業サーバ160の運営母体(企業)は、地図サーバ150bの運営母体(企業)との間で、問い合わせに応じて店舗の情報を提供する旨の契約を締結している。なお、第1の企業サーバ160は、サービス提供施設を運営する企業が所有し運用するサーバであってもよいし、サービス提供施設を運営する企業が他の企業と締結した契約に基づいて提供されるサービスにおいて使用される、サービス提供施設を運営する企業以外の企業が所有するサーバであってもよい。
第2の企業サーバ180は、通信部182と、制御部184と、記憶部185とを有している。第2の企業サーバ180は、通信部182を使用して、インターネットINTを介して他のサーバと通信を行うことができる。記憶部185は、店舗データベース186を格納している。制御部184は、第2の企業サーバ180の各部を制御する。
店舗データベース186も、一般のユーザに、ウェブサイトを介して、その企業が経営する店舗の情報を提供する際に使用されるデータベースである。店舗データベース186は、その企業が経営する店舗の情報、たとえば、その店舗のブランド、場所(緯度、経度)、住所、電話番号、取り扱っているサービスの情報が、店舗ごとに格納されている。また、店舗データベース186は、ブランドごとに、地図上に表示すべきマークのデータも保持している。店舗データベース186は、1週間に1度の頻度で更新される。第2の企業サーバ180の運営母体(企業)は、地図サーバ150bの運営母体(企業)との間で、問い合わせに応じて店舗の情報を提供する旨の契約を締結していない。
C1−2.地図を表示する処理:
図16は、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示するために、携帯電話200と、地図サーバ150bと、第1の企業サーバ160と、において行われる処理を示すフローチャートである。図16の処理で実現される地図表示方法によって表示パネル202に表示される地図は、地図上の各店舗の少なくとも一部について、その店舗の場所に、その店舗のブランドのマークを表示した目印地図である。
ステップS210bにおいて、ユーザは、まず、入力部206を操作して、携帯電話200に対して、地図を表示すべき旨の要求を行う。具体的には、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、携帯電話200上で動いている地図表示用アプリケーションソフトウェアに、たとえば、現在位置を中心とする目印地図を表示すべき旨の指示を行う。また、すでに目印地図以外の地図(たとえば、店舗のブランドのマークが表示されない通常の地図)を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を目印地図で表示すべき旨の指示を、地図表示用アプリケーションソフトウェアに対して行うこともできる。
携帯電話200の主制御部210は、ユーザから入力された情報に基づいて、表示すべき地図の中心地点を決定する。そして、主制御部210は、目印地図を生成すべき旨の指示とともに、通信部205を介して、中心地点の情報を地図サーバ150bに送信する。
また、携帯電話200の主制御部210は、表示すべき地図の縮尺の情報も、地図サーバ150bに送信する。中心地点と縮尺の情報を地図サーバ150bに送信する際に、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示していない場合には、主制御部210は、あらかじめ定められた縮尺の情報を、地図サーバ150bに送信する。一方、すでに目印地図以外の地図を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を目印地図で表示すべき旨の指示を、ユーザが携帯電話200に行った場合には、主制御部210は、表示している地図の中心地点と縮尺を、地図サーバ150bに送信する。
ステップS110bにおいて、地図サーバ150bの制御部154bは、携帯電話200から送信された情報を、通信部152bを介して受信する。そして、地図サーバ150bの制御部154bは、携帯電話200から受信した情報に基づいて、地図データベース156bを参照して、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍の大きさを有する原地図のデータを生成する。なお、この時点で生成される「原地図」は、一部の店舗を除いて、店舗のブランドのマークの表示を含んでいない。
ステップS130bにおいて、地図サーバ150bの制御部154bは、通信部152bを使用して、ステップS110bで生成した原地図が表す領域の情報を第1の企業サーバ160に送信して、その領域内に存在する店舗についての情報を要求する。
ステップS305bにおいて、第1の企業サーバ160の制御部164は、地図サーバ150bから送信された店舗情報の要求を、通信部162を介して受信する。制御部164は、受信した原地図の領域の情報に基づいて、店舗データベース166を参酌し、原地図が表す領域内に存在する店舗について、そのブランド、場所(緯度、経度)、およびそのブランドのマークのデータを含む店舗データを生成する。店舗データは、第1の企業サーバ160と、その店舗を運営する企業の企業名とを、特定することができる情報も含む。そして、第1の企業サーバ160の制御部164は、店舗の位置情報などを含む店舗データを、通信部162を使用して、地図サーバ150bに送信する。地図サーバ150bの制御部154bは、通信部152bを介して、店舗データを受信する。
ステップS140bにおいて、制御部154bは、ステップS110bで生成した原地図データと、店舗データと、を使用して、原地図上の各店舗の場所に、その店舗のブランドのマークを表示した目印地図の地図データを生成する。ここで生成される目印地図のデータは、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍の大きさを有する地図のデータである。「目印地図」とは、サービス提供施設において提示されるサービスや物品のマークであって、サービス提供施設を運営する第1の企業サーバ160から情報の提供を受けて地図上で表示されるマークの表示を含む地図である。
なお、目印地図内で表示されるブランドのマークは、サービス提供施設が提供するサービスと物品の少なくとも一方を表すものとすることができる。地図内で表示されるマークは、実際のサービス提供施設内またはその施設の外観において表示されており、ユーザが移動の際に目印とし得るマークであることが好ましい。
地図上において、第1の企業サーバ160から受信した店舗情報に含まれる店舗の場所に、原地図が有しているサービス提供施設の業種に応じたマークがすでに対応づけられている場合には、地図サーバ150bの制御部154bは、以下の処理を行う。すなわち、制御部154bは、原地図に含まれている業種に応じたマークを、地図から除去し、第1の企業サーバ160から受信した店舗情報に含まれる店舗のブランドのマークを、地図上に配する。
このような処理を行うことにより、目印地図上において、一つの施設に対応づけられて二つのマークが表示される事態を防止することができる。また、第1の企業サーバ160から受信した店舗情報に含まれる店舗のブランドのマークが表示されることから、単なる地図記号などの業種を表すマークに比べてユーザが目印にしやすいマークを、地図上に表示することができる。
なお、ここでは、第1の企業サーバ160から店舗データを取得する処理について説明した。しかし、地図サーバ150bの制御部154bは、店舗情報の提供についての契約を締結している複数の企業のサーバから、同様に店舗情報を取得し、目印地図上の各店舗の場所に、その店舗のブランドのマークを表示することができる。
制御部154bは、生成した目印地図を表す地図データを、通信部152bを介して、携帯電話200に送信する。
ステップS240bにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、目印地図を表す地図データを受信する。そして、主制御部210は、ステップS210bで指定された中心地点と縮尺を有し、表示パネル202の画面サイズに対応する目印地図を、表示パネル202に表示する。
図17は、図16のステップS240bにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される目印地図の一例M1bを示す図である。図18は、携帯電話200の表示パネル202に目印地図M1bと同一範囲の領域を表す原地図(図16のS110b参照)を表示したと仮定した場合の、原地図の一例M0bを示す図である。なお、図17および図18において、丸の中にアルファベットが記載されたマークは、それぞれ特定のブランドのマークであるものとする。また、図18は、原地図におけるマークの表示態様を説明するための地図であるため、厳密に図17の地図の表示態様と対応するわけではない。
図18の原地図M0bにおいて表示されているマークM11i,M12iは、いずれもコンビニエンスストアのマークである。これに対して、図17の目印地図M1bにおいては、対応する場所に、コンビニエンスストアの特定のブランドのマークM11,M12が表示されている。なお、原地図M0bにおいても、一部のコンビニエンスストアが存在する場所については、コンビニエンスストアの特定のブランドのマークが表示されている(図18のM13〜M15参照)。
図18の原地図M0bにおいて表示されているマークM21i,M22i,M23iは、いずれも飲食店のマークである。これに対して、図17の目印地図M1bにおいては、対応する場所に、飲食店の特定のブランドのマークM21、マークM22、マークM23がそれぞれ表示されている。
図18の原地図M0bにおいて表示されているマークM31iは、ガソリンスタンドのマークである。これに対して、図17の目印地図M1bにおいては、対応する場所に、ガソリンスタンドの特定のブランドのマークM31が表示されている。なお、原地図M0bにおいても一部のガソリンスタンドが存在する場所については、ブランドのマークが表示されている(図18のM32参照)。
目印地図において表示されるマークは、それぞれのサービス提供施設において提示されるマークであればよい。そのマークは、それぞれのサービス提供施設において提供されるサービスを表すマークであってもよいし、サービス提供施設において提供される商品を表すマークであってもよい。
このような処理を行うことにより、ユーザは、目印地図を見て、普段からなじみのあるブランドのマークを目印にして、地図に表示された領域を移動したり、散策したりする経路を決めることができる。
また、企業の広告や情報告知のための情報を格納している第1の企業サーバ160の店舗データベース166は、地図サーバ150bの地図データベース156bにくらべて更新頻度が高い。このため、実施形態C1によれば、地図サーバ150bが保有し、地図サーバ150bの運営母体が更新する地図データベース156bのみに基づいて目印地図を作成する態様に比べて、サービス提供施設の開業、廃業などを、少ない時間遅れ、かつ少ないコストで、目印地図に反映させることができる。
図17に示された目印地図M1bにおいて、中央の十字の印でユーザからの情報によって特定された地点が示されている。また、目印地図には、ピンボタンD01、現在地ボタンD02、および拡縮ボタンScが含まれている。これらのボタンの表示は、携帯電話200の主制御部210によって、地図サーバ150bから受け取った目印地図上に重畳される。
目印地図が表示されている状態において、ピンボタンD01が押され、その後、地図上の一点が指定された場合には、その指定点にピンが表示される。地図がスクロールされた場合には、ピンは、地図上で指定された地点とともに移動する。このような処理により、ユーザは、地図上に目印を残しつつ、訪問地を決定することができる。
目印地図が表示されている状態において、現在地ボタンD02が押された場合には、地図上の現在位置に対応する地点に矢印状の印(D02のアイコン参照)が表示される。なお、表示されている目印地図の範囲内に現在位置が含まれない場合には、目印地図の表示範囲は、現在位置を含む範囲に移動する。また、現実の現在位置が移動した場合には、現在位置を表す印は、地図上で現在位置に合致する位置に移動する。このような処理により、ユーザは、現在位置を考慮しつつ、訪問地を決定することができる。
目印地図には、拡縮ボタンScの表示が含まれている(図17参照)。拡縮ボタンScは、目印地図の縮尺を変更するためのボタンである。タッチパネル206aを介して、拡縮ボタンScのうち「+」のボタンが押されると、中心位置を同じくし、より狭い範囲が拡大されて表された地図が表示される。拡縮ボタンScのうち「−」のボタンが押されると、中心位置を同じくし、より広い範囲が表された地図が表示される。また、ユーザは、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールさせることができる。
図16のステップS240bにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、地図の拡縮やスクロールを指示した場合や、現在地ボタンD02が押されたことに伴って地図のスクロールが必要となる場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150bに送信される(図16の「Sb」参照)。そして、地図サーバ150bにおいて、再度、原地図の地図データが生成され(ステップS110b)、ステップS130b以下の処理が行われる。
なお、地図のスクロールの量が、表示パネル202の画面サイズの縦横とも3倍の範囲内に収まる場合には、主制御部210は、矢印Sbの処理後に新たな目印地図のデータを地図サーバ150bから受信するのに先立って、すでに保持している目印地図のデータ(表示パネル202の画面サイズの縦横とも3倍の範囲を有する)に基づいて、スクロール後の地図を表示パネル202に表示する。そして、その後、スクロール後の位置に対応する新たな目印地図のデータ(表示パネル202の画面サイズの縦横とも3倍の範囲を有する)を地図サーバ150bから受信する(図16のステップS140b、S240b参照)。
図16のステップS250bにおいて、ユーザがタッチパネル206aを操作して、目印地図上で特定のサービス提供施設のブランドのマークを指定すると、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって指定されたマークが表すサービス提供施設を特定する情報と、携帯電話200の現在位置の情報とを、通信部205を介して、地図サーバ150bに送信する。なお、以下では、ユーザによって指定されたサービス提供施設を「対象店舗」とも呼ぶ。
ステップS150bbにおいて、地図サーバ150bの制御部154bは、通信部152bを介して、対象店舗の情報を受信する。地図サーバ150bの制御部154bは、受信した対象店舗の情報に基づき、地図データベース156bを参照して、携帯電話200の現在位置から対象店舗までの距離を計算する。
また、地図サーバ150bの制御部154bは、受信した対象店舗の情報に基づき、ステップS130bで得た店舗情報を参照して、対象店舗がどの企業に所属しているかを特定する。そして、地図サーバ150bの制御部154bは、通信部152bを介して、その企業の企業サーバ(ここでは、第1の企業サーバ160であるものとする)に、対象店舗を特定することができる情報を送信する。そして、制御部154bは、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報(以下、「詳細情報」とも呼ぶ)を要求する。
ステップS310bにおいて、第1の企業サーバ160の制御部164は、地図サーバ150bから送信された対象店舗の情報と、詳細情報の要求とを、通信部162を介して受信する。制御部164は、受信した対象店舗の情報に基づいて、店舗データベース166を参酌し、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報を抽出する。そして、制御部164は、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報を含む詳細情報のデータを、通信部162を介して、地図サーバ150bに送信する。
ステップS160bにおいて、地図サーバ150bの制御部154bは、通信部152bを介して、詳細情報のデータを受信する。そして、制御部154bは、対象店舗の詳細情報および携帯電話200の現在位置から対象店舗までの距離の表示を含み、対象店舗の表示と対応づけて表示される表示を行うための詳細情報表示用データを生成する。制御部154bは、生成した詳細情報表示用データを、通信部152bを介して携帯電話200に送信する。
ステップS270bにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、詳細情報表示用データを受信する。そして、主制御部210は、あらかじめステップS240bで受信している目印地図の地図データと、受信した詳細情報表示用データと、に基づいて、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報、および現在位置から対象店舗までの距離を含む表示が、対象店舗の表示と対応づけて表示された目印地図を、表示パネル202に表示する。
図19は、図16のステップS250bにおいて対象店舗がユーザによって指定される際に表示パネル202に表示されている目印地図の一例M1rbを示す図である。図16のステップS250bにおいて、ユーザによって、目印地図M1rbの右上部分に表示されているマークM51が指定されたものとする。
図20は、図16のステップS270bにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される目印地図の一例M2bを示す図である。図20の目印地図M2bにおいては、ユーザによって指定された対象店舗のマークM51は、地図の中央に示されている。すなわち、ステップS270bにおいて表示される地図は、ユーザによって指定された対象店舗を中心地点とする地図である。このような処理を行うことにより、ユーザは、対象店舗の周囲の地図を確認することができる。また、対象店舗のマークM51を隠すことなく、地図内において、マークM51の横に、十分な大きさで詳細情報を表示することができる。なお、あらかじめ図16のステップS240bで受信している目印地図の地図データは、表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍の範囲を有する。このため、携帯電話200は、ステップS270bの処理において、改めて地図データを地図サーバ150bから受信することなく、図20の目印地図を表示することができる。
図20の目印地図M2bにおいては、対象店舗の名称の表示としての「なまるうどん+カレー仲御徒町点」、営業時間の表示としての「07:30−22:15」、定休日の表示としての「年中無休」、現在位置から対象店舗までの距離の表示としての「検索地点から0m」を含む表示Di11が表示されている。
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめて地図上の場所に基づいて訪問地を検討しつつ(図19参照)、個別に訪問地の候補としたサービス提供施設については、簡易な手順で、詳細情報および現在位置からの距離を知ることができる。
図16のステップS270bにおいて、目印地図上の他のサービス提供施設のブランドのマークが指定された場合には、処理は、ステップS250bに進む(図16の「Nb」参照)。ステップS250bにおいて、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって新たに指定されたマークが表すサービス提供施設を特定する情報と、携帯電話200の現在位置の情報とを、通信部205を介して、地図サーバ150bに送信する。以下の処理はすでに説明したとおりである。
このような処理を行うことにより、ユーザは、訪問することとしたサービス提供施設を起点として、次の訪問地を、地図全体をながめて、検討することができる。その結果、連続して複数の訪問地をまわるスケジュールを、地図を見ながら検討することができる。
本実施形態における入力部206が、「入力部」に相当する。表示パネル202が「出力部」に相当する。地図サーバ150bおよび第1の企業サーバ160と様々なデータのやり取りを行って、表示パネル202の表示に関する様々な機能を実現する主制御部210が、「制御部」に相当する。
本実施形態における目印地図M1b,M1rb,M2bが、「地図」に相当する。マークM11,M12,M21〜M23,M51が、「マーク」に相当する。
C2.実施形態C2:
実施形態C2において、複合商業施設のマークの表示と、複合商業施設内の店舗のマークの表示と、について説明する。なお、実施形態C2は、特定の処理の内容を説明するために実施形態C1とは別に説明されるものである。このため、実施形態C2のハードウェア構成および全体の処理の内容は、実施形態C1と同じである。
図21は、図16のステップS240bにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される目印地図の一例M1sbを示す図である。目印地図M1sbの中央には、複合商業施設のブランドの一つのマークM61が表示されている。また、複合商業施設の建物の外形形状を表すポリゴンP61が示されている。そして、その複合商業施設内の各店舗のブランドのマークは表示されていない。
この状態で、ユーザが、拡縮ボタンScを使用して、この複合商業施設を中心として地図を拡大表示すべき旨の指示をしたとする(図16の「Sb」参照)。すると、再度、図16のステップS110b〜S140b,S240bの処理が行われ、より縮尺の小さい地図が携帯電話200の表示パネル202に表示される。
図22は、図16のステップS240bにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される目印地図の一例M1tbを示す図である。目印地図M1tbは、目印地図M1sbの中央に示されていた複合商業施設を拡大して示す地図である。目印地図M1sbには、複合商業施設のマークM61(図21参照)は表示されていない。そして、その複合商業施設内の各店舗のブランドのマークである、マークM611と、マークM612と、が、複合商業施設の建物の外形形状を表すポリゴンP61の内部に表示されている。
このように、縮尺に応じて、複合商業施設のブランドのマークM61と、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークM611,M612とを切り換えて表示することにより、規則性なく両方またはいずれか一方のマークを表示する態様に比べて、ユーザが、各マークを把握しやすい地図を提供することができる。
また、一般に、広い範囲を示す大縮尺の地図を表示させる場合には、ユーザは、複合商業施設自体の位置を知りたいと考えていることが多い。これに対して、より狭い範囲が拡大して示される小縮尺の地図を表示させる場合においては、複合商業施設自体の位置はユーザにとって既知であり、ユーザは、複合商業施設自体内の各店舗の位置を知りたいと考えていることが多い。よって、上記のような処理を行うことにより、ユーザに取って利便性の高い地図を提供することができる。
実施形態C2において、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークが、複合商業施設自体のマークよりも優先的に表示される図22のような場合には、複合商業施設の3階以上の階にある店舗のマークは表示されず、複合商業施設の1階または2階にある店舗のマークが表示される。
このような処理を行うことにより、目印地図を見ながら、複合商業施設の周囲に設けられた駐車場における駐車場所を決める場合に、ユーザは、自動車の中から目につく1階または2階の店舗のマークを参考に、駐車場所を決めることができる。
本実施形態におけるマークM61が、「第1種のマーク」に相当する。マークM611,M612が、「第2種のマーク」に相当する。
C3.変形例:
C3−1.変形例1:
上記実施形態C1においては、図16のステップS210bにおいて、ユーザは、現在位置を中心とする目印地図を表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例や、すでに表示している地図と同じ範囲を目印地図で表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例について説明した。しかし、ユーザは、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、目印地図を表示すべき旨の指示を入力した後、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、その施設を中心とする目印地図を表示すべき旨の指示を行うこともできる。すなわち、ユーザは、中心位置を特定することができる情報の入力とともに、地図の表示を指示すればよい。
C3−2.変形例2:
上記実施形態C1においては、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍の大きさを有する目印地図のデータが生成される(図16のステップS110b〜S140b参照)。しかし、生成する目印地図の大きさは、表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも2倍の範囲など、より小さい範囲を有する地図とすることもでき、縦横とも4倍の範囲など、より大きい範囲を有する地図とすることもできる。ただし、中心位置を指定された位置とし、表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍以上の大きさを有する目印地図のデータを生成することにより、地図表示後、表示している地図の端の地点を、画面の他の端に移動させる指示(たとえば、右上角の地点を左下角に移動させる指示)を受けた場合でも、新たに地図データを受信することなく、地図をスクロール表示させることができる。
C3−3.変形例3:
上記実施形態においては、図16のステップS110b〜S140bにおいて、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対して縦横とも3倍の大きさを有する地図のデータを生成する。そして、ステップS270bにおいては、その地図データを使用して、改めて地図データを地図サーバ150bから受信することなく、ユーザによって指定された対象店舗を中心とする地図を表示する(図20参照)。しかし、目印地図のデータの生成は、以下のような処理で行うこともできる。
すなわち、図16のステップS110b〜S140bにおいては、地図サーバ150bは、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズと同程度の大きさを有する地図のデータを生成する。より具体的には、地図サーバ150bは、地図画像の処理を行う際の単位領域(タイル)の集合で構成される地図のデータであって、縦横とも、携帯電話200の表示パネル202の画面の寸法以上である最小の寸法を有する地図のデータを生成する。
図16のステップS150bbにおいては、地図サーバ150bおよび企業サーバは、上記実施形態で説明したS150bbの処理内容に加えて、上記実施形態において図16のステップS110b、S130b、S305b、S140bの処理として説明した処理を行う。その結果、ステップS160bにおいては、地図サーバ150bの制御部154bは、対象店舗を中心とする目印地図のデータとともに、詳細情報表示用データを、携帯電話200に送信する。
ステップS270bにおいて、携帯電話200の主制御部210は、受信した目印地図の地図データおよび詳細情報表示用データに基づいて、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報、および現在位置から対象店舗までの距離を含む表示が、対象店舗の表示と対応づけて表示された目印地図を、表示パネル202に表示する。このような態様とすれば、地図サーバ150bの処理負荷および携帯電話200と地図サーバ150bの間の通信負荷を低減することができる。
C3−4.変形例4:
上記実施形態C2においては、所定の基準よりも小さい縮尺の地図を表示する場合には、複合商業施設のマークは表示されず、その複合商業施設内の各店舗のマークが表示される(図21および図22参照)。しかし、所定の基準よりも小さい縮尺の地図を表示する場合に、複合商業施設のマークと、その複合商業施設内の各店舗のマークの両方を表示する態様とすることもできる。所定の基準よりも小さい縮尺の地図において、複合商業施設のマークと、その複合商業施設内の各店舗のマークを重複させて表示する場合には、複合商業施設内の各店舗のマークを、複合商業施設のマークの上に表示することが好ましい。また、所定の基準よりも大きい縮尺の地図において、複合商業施設のマークと、その複合商業施設内の各店舗のマークが重複させて表示する場合には、複合商業施設のマークを、複合商業施設内の各店舗のマークの上に表示することが好ましい。
また、複合商業施設内の各店舗のマークを表示する際には、複合商業施設内の店舗の位置に対応する地図上の場所に表示することが好ましい。一方、複合商業施設内の店舗のマークを表示する際には、複合商業施設の外周に位置する店舗のマークを、それら外周に位置する店舗よりも複合商業施設の内側に存在する店舗のマークよりも、優先的に表示することも好ましい。このような態様とすれば、ユーザは、目印地図に基づいて、複合商業施設の外から店舗のマークを確認しつつ移動する経路や駐車場所を、決めることができる。
たとえば、以下のような態様も好ましい。所定の第1基準よりも大きい縮尺の(広い範囲を示す)地図を表示する場合には、複合商業施設のマークを、その複合商業施設内の店舗のマークよりも優先的に表示する。第1基準よりも小さい第2の基準よりは大きく、第1基準よりも小さい縮尺の地図を表示する場合には、複合商業施設のマーク内の店舗を、その複合商業施設のマークよりも優先的に表示し、さらに、複合商業施設の外周に位置する店舗のマークを、複合商業施設の内側に存在する店舗のマークよりも優先的に表示する。第2の基準よりも小さい縮尺の(狭い範囲を示す)地図を表示する場合には、複合商業施設のマークの各店舗を、その複合商業施設内のマークよりも優先的に表示し、複合商業施設の外周に位置する店舗のマークと、複合商業施設の内側に存在する店舗のマークとを、表示の優先度において区別せずに表示する。
また、縮尺によらず、複合商業施設内の各店舗のマークを、その複合商業施設のマークよりも優先的に表示させる態様とすることもできる。そして、縮尺によらず、複合商業施設のマークを、複合商業施設内の各店舗のマークよりも優先的に表示させる態様とすることもできる。さらに、所定の基準よりも小さい縮尺の地図を表示する場合に、複合商業施設のマークを、その複合商業施設内の各店舗のマークよりも優先的に表示する態様とすることもできる。
なお、本明細書において、「Bに対してAを優先的に表示する」には、Bを表示せずにAを表示することと、Aを表示すべき領域がBを表示すべき領域と重なる場合に、Bの上にAを重畳させて表示することと、を含む。
また、本明細書において、「複合商業施設を表す第1種のマーク」は、ショッピングモールのマークを含む。また、「複合商業施設を表す第1種のマーク」は、複数のテナントが入居している駅ビルのマークを含む。そして、「複合商業施設内の店舗が提供するサービスと物品の少なくとも一方を表す第2種のマーク」は、複合商業施設内のテナントのマークを含む。
地図表示装置は、マークの表示の優先順位に関して、互いに異なる優先順位を使用する複数の動作モードを備える態様とすることもできる。それらの複数のモードは、表示される地図の縮尺に応じて切り換えられるものであってもよいし、ユーザの指示に応じて切り換えられるものであってもよい。
C3−5.変形例5:
上記実施形態C2においては、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークが、複合商業施設自体のマークよりも優先して表示される場合には、複合商業施設の3階以上の階にある店舗のマークは表示されず、複合商業施設の1階または2階にある店舗のマークが表示される(図22参照)。しかし、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークが、表示される場合において、各階の店舗のマークを区別せずに、地図上に表示される態様とすることもできる。また、複合商業施設の2階以上の階にある店舗のマークよりも、複合商業施設の1階にある店舗のマークが優先的に表示される態様とすることもできる。
C3−6.変形例6:
表示される地図の領域に含まれる建物の建物名や番地の表示に対して、サービス提供施設のマークを優先的に表示する動作モードを有する態様とすることもできる。また、たとえば、目印地図を生成する際に、原地図から建物名や番地の表示を削除して、サービス提供施設のマークを付加して、目印地図を生成する態様とすることもできる。このような態様とすれば、ユーザは、上記の動作モードにおいて、普段なじみのない建物名や番地ではなく、よく知っているマークを目印として、行程を決定することができる。
C3−7.変形例7:
複合商業施設内の各店舗のブランドのマークを表示する場合には(図22のM611,M612参照)、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数に応じてマークの表示サイズを異ならせて表示することもできる。たとえば、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数が、8個の場合には、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数が2個の場合よりも、小さい大きさでマークを表示することが好ましい。すなわち、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数がM個(Mは2以上の整数)である場合には、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数がN個(NはMより小さい正の整数)である場合よりも、小さく表示できることが好ましい。なお、マークの表示サイズは、複合商業施設の形状を示すポリゴン形状内に表示するマークの数が1個でも異なれば、異なるサイズで表示されるものとしてもよいし、所定の数値範囲については、同一の大きさでマークを表示することとしてもよい。
C3−8.変形例8:
上記実施形態C2においては、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークが、複合商業施設自体のマークよりも優先的に表示される図22のような場合には、複合商業施設の1階または2階にある店舗のマークが表示される。しかし、複合商業施設内の各店舗のブランドのマークが、複合商業施設自体のマークよりも優先的に表示される場合において、表示すべき店舗が含まれる階を、ユーザが指定できるようにすることもできる。そのような態様においては、複合商業施設の指定された階の形状を示すポリゴンと、その階に存在する店舗のマークと、を地図上に表示することが好ましい。たとえば、ユーザが5階を選択すると、複合商業施設の5階の形状を示すポリゴン形状と、5階に存在する店舗のマークと、を地図上に表示する。
C3−9.変形例9:
図16のステップS250bにおいて、ユーザが対象店舗のブランドのマークを指定した際、その対象店舗が複合商業施設であった場合には、S150bb,S310b,S160bで処理される詳細情報(図20のDi11参照)には、複合商業施設に関する詳細情報に加えて、以下の情報を含めることが好ましい。すなわち、複合商業施設に含まれる各店舗が存在する階と、各店舗の詳細情報とが、含まれることが好ましい。さらに、その複合商業施設の階が運営母体によって複数の領域に区分されている場合には、各店舗が含まれる領域の情報も、S150bb,S310b,S160bで処理される詳細情報に含まれることが好ましい。そして、図16のステップS270bで目印地図を表示する際には、複合商業施設の階のポリゴンを領域ごとに区分して表示し、地図上の各領域にその領域に存在する店舗のマークを表示することが好ましい。このような態様とすれば、ユーザは、目印地図を利用して、複合商業施設内のどの階層のどの位置にどの店舗があるのかを把握できる。
C3−10.変形例10:
上記実施形態では、地図サーバ150bは、第1の企業サーバ160に問い合わせを行い、第1の企業サーバ160から回答を得て、目印地図を作成する(図16のS130b〜S160b参照)。このような処理は、主として、地図サーバ150bの運営母体(企業)と、第1の企業サーバ160の運営母体(企業)との間で、情報提供に関する契約が締結されている場合に可能となる。
しかし、地図サーバ150bは、情報提供に関する契約が締結されていない企業が運営する店舗の情報も、目印地図上に表示することができる。情報提供に関する契約を地図サーバ150bの運営母体と締結していない企業が第2の企業サーバ180を使用して、ウェブサービスを提供している場合を例に説明する。
地図サーバ150bは、クローラを使用し、そのような企業が提供しているウェブ上の店舗情報から情報を収集し、その企業の店舗の情報を格納する独自の店舗データベース156abを、地図サーバ150bの記憶部155b内に構築する。店舗データベース156abに格納されている情報は、第2の企業サーバ180の店舗データベース186が有する情報のうち、ウェブ上で公開されている情報からなる。店舗データベース156abは、その企業が経営する店舗の情報、たとえば、その店舗のブランド、場所(緯度、経度)、住所、電話番号、取り扱っているサービスの情報が、店舗ごとに格納されている。また、店舗データベース156abは、ブランドごとに、地図上に表示すべきマークのデータも保持している。店舗データベース156abは、1週間に1度の頻度で更新される。
このように、公開された情報に基づいてクローラによって構成された店舗データベース156abによっても、地図サーバ150bは、図16のステップS140やS160bにおいて、目印地図を生成することができる。
C3−11.変形例11:
上記実施形態においては、地図サーバ150bの制御部154bは、図16のステップS140bにおいて、目印地図のデータを生成し、携帯電話200に送信している。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240bにおいて、受信した目印地図のデータを使用して、目印地図を表示する。しかし、以下のような態様とすることも可能である。すなわち、地図サーバ150bの制御部154bは、ステップS140bにおいて、ステップS110bで作成されている原地図データと、店舗データとを、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200は、ステップS240bにおいて、原地図データと、店舗データとを、使用して、目印地図のデータを生成して、表示パネル202に表示する(図17参照)。携帯電話200において、目印地図のデータを生成する処理は、実施形態C1のステップS140bにおいて説明した処理と同様である。
また、詳細情報を含む表示(図20のDi11参照)について、上記実施形態の様に、地図サーバ150bにおいて詳細情報表示用データを生成して、携帯電話200が詳細情報表示用データに基づいて、上記表示を行う態様(図16のS160b,S270b参照)以外に、以下のような態様とすることもできる。すなわち、地図サーバ150bの制御部154bは、ステップS160bにおいて、ステップS140bで作成されている目印地図の上に、詳細情報を含む表示を表示した新たな目印地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS270bにおいて、地図サーバ150bから受信した地図データを基に、図20に示す目印地図を表示パネル202に表示する。
C3−12.変形例12:
上記実施形態C1においては、目印地図上でユーザによってサービス提供施設が指定されると、ユーザによって指定されたサービス提供施設を中心地点とする目印地図が表示される(図20参照)。しかし、目印地図上でユーザによってサービス提供施設が指定された場合に、地図の表示範囲を変更せずに、詳細情報が表示される態様とすることもできる。また、ユーザによって指定されたサービス提供施設の場所に対応する地図上の地点と、詳細情報が表示される領域の大きさおよび形状と、に基づいて、地図の中心地点を決定することもできる。
C3−13.変形例13:
上記実施形態C1においては、目印地図上でユーザによってサービス提供施設が指定されると、対象店舗の名称、営業時間、定休日の情報、および現在地からの距離が表示される(図20参照)。しかし、目印地図上でユーザによってサービス提供施設が指定された場合に目印地図上で表示される情報は、他の情報を含んでもよいし、上記の情報の一部を含まないこととしてもよい。たとえば、目印地図上でユーザによってサービス提供施設が指定された場合に目印地図上で表示される表示に、地図の表示以外の処理(たとえば、経路探索や乗換案内)を開始するためのボタンの表示を含んでもよい。
C3−14.変形例14:
各実施形態および各変形例の目印地図を、経路探索の結果を表示する際に探索された経路とともに表示することも好ましい。そのような態様とすれば、ユーザは、探索された経路に沿って移動する際に見えるマークを、地図から知ることができる。その結果、経路を容易に把握することができる。
また、経路探索の結果を地図上で表示する際には、探索された経路とともに、探索された経路を含む所定範囲内についてのみ、各マークを表示することも好ましい。このような態様とすれば、経路を移動する際に見えないマークの表示を省略することにより、把握しやすい地図をユーザに提供することができる。
また、あらかじめ目印地図を作成し、経路探索の際に、ブランドのマークが表示されている施設が存在する交差点において優先的に、右折、左折などの直進以外の進行をするよう、経路探索における条件を指定できるようにすることも好ましい。また、経路中、交差点を直進する部分についても、優先的に、ブランドのマークが表示されている施設が存在する交差点を通過するように、経路探索における条件を指定できるようにすることも好ましい。そのような態様とすることにより、ユーザは、経路沿いのマークを把握しながら目的地まで容易に辿りつくことができる。
C3−15.変形例15:
上記実施形態においては、地図表示システムは、その構成要素として、地図サーバ150bと、第1の企業サーバ160と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、地図サーバ150bや第1の企業サーバ160など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、地図サーバ150bと第1の企業サーバ160とは、同じサーバであってもよい。上記実施形態において携帯電話200として例示した携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
すなわち、地図表示装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
D.終電地図を表示可能な地図表示システム:
D1.実施形態D1:
D1−1.全体構成:
図23は、終電地図を表示可能な地図表示システムのハードウェア構成を示す図である。実施形態D1の終電地図表示システムは、地図サーバ150cと、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。これらは、以下で説明するように、上述の第1実施形態において説明した機能と同様の機能を果たすことができる。
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す位置情報を生成することができる。また、GPSユニット201は、衛星からの電波に基づいて、現在時刻を表す時刻情報を生成することができる。
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。表示パネル202は、表示している画像に応じてパネルの一部に接触されることによりユーザからの指示を受けとることができるタッチパネル206aを備えている。具体的には、表示パネル202は、液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネル206aが重ねられて構成される。ユーザは、たとえば、表示パネル202の表面を指で押したり、表示パネル202の表面に接触した状態で指を動かすことにより、画像の表示を制御するための操作を行うことができる。なお、本明細書において、「画像」とは、狭義の画像のほか、文字、記号等を含む概念である。
音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。
入力部206は、上記タッチパネル206aと、ハードウェアとしてのカーソルキー206bを含む。ユーザは、タッチパネル206aだけでなく、カーソルキー206bの周辺部を押してカーソルを移動させ、カーソルキー206bの中央部を押してONの操作を行うことによっても、携帯電話200に情報を入力することができる。
通信部205は、インターネットINTを介して地図サーバ150cおよび時刻表サーバ170と通信を行い、情報を送受信することができる。時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201から現在時刻を取得できない場合には、時計部209から現在時刻を取得することができる。
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、入力部206を介して携帯電話200に入力された情報に基づいて、携帯電話200の各部を制御することができる。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。
より具体的には、主制御部210は、CPU211でアプリケーションソフトウェアを実行することによって携帯電話200の各部を制御する。主制御部210は、たとえば、GPSユニット201が生成した位置情報を含む所定の形式のデータを、通信部205を介して地図サーバ150cに送信することができる。そして、主制御部210は、地図サーバ150cから地図データを入手して、その地図データが表す地図を表示パネル202に表示することができる。
地図サーバ150cは、通信部152cと、制御部154cと、記憶部155cとを有している。地図サーバ150cは、通信部152cを使用して、インターネットINTを介して携帯電話200や時刻表サーバ170と通信を行うことができる。記憶部155cは、地図データベース156c、および表示駅データベース159cを格納している。制御部154cは、地図サーバ150cの各部を制御する。
地図データベース156cは、携帯電話200において表示パネル202に地図画像を表示するために携帯電話200に送信される地図画像データを格納している。地図データベース156cは、様々な縮尺の地図画像データを、縮尺および位置の情報と対応付けて格納している。制御部154cは、携帯電話200から受け取った地点、縮尺等を表すデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図画像であって、予め定められた大きさの地図画像を表す地図画像データを特定し、通信部152cを介して携帯電話200に送信する。
表示駅データベース159cは、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線とそれらの路線の駅について、地図の縮尺ごとに、(i)その縮尺の乗換地図において路線や駅を表す表示を表示すべきか否かを表すデータ、(ii)表示すべき路線や駅の地図上の位置、および(iii)表示すべき駅や路線を表す画像データを、格納している。ある縮尺の乗換地図の地図データが生成される際、表示駅データベース159cが参照されて、乗換地図において表示されるべき路線および駅が選択され、それらを表す画像データおよび地図上のそれらの表示位置の情報が取得される。乗換地図については、後に説明する。
ある縮尺の地図においては、特急が停車する駅を表す表示は表示され、特急が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。より小さい縮尺の地図(広い領域が表示される地図)においては、急行が停車する駅を表す表示は表示され、急行が停車しない駅を表す表示は表示されないことがある。
表示駅データベース159cにおいて、地図上で駅の表示を表示すべき駅は、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての駅の中からあらかじめ選択されている。このように地図上において表示すべき駅を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
表示駅データベース159cにおいて、地図上で路線の表示を表示すべき路線は、ユーザが各路線および駅の位置関係を地図上で把握しやすいように、縮尺に応じてすべての路線の中からあらかじめ選択されている。このように表示すべき路線を定めることにより、ユーザが各駅の位置関係および接続関係を地図上で把握しやすい乗換地図を表示することができる。
時刻表サーバ170は、通信部172と、制御部174と、記憶部175とを有している。時刻表サーバ170は、通信部172を使用して、インターネットINTを介して地図サーバ150cと通信を行うことができる。記憶部175は、時刻表データベース176を格納している。制御部174は、時刻表サーバ170の各部を制御する。
時刻表データベース176は、様々な鉄道会社、バス会社、船会社などの様々な路線の時刻表のデータを格納している。制御部174は、携帯電話200および地図サーバ150cから受け取ったデータに基づいて、時刻表データベース176を参照し、特定の駅の特定の時刻近傍の車両の発車時刻の情報、ならびにその車両の停車駅、およびその停車駅の停車時刻および発車時刻の情報を含むデータを作成し、地図サーバ150cおよび携帯電話200に送信することができる。なお、本明細書において交通手段としての「車両」には、自動車、列車のほか、船舶、航空機を含む。また、「発車時刻」には、駅におけるバスや列車の出発時刻のほか、船舶や航空機の出発時刻を含む。
D2.地図を表示する処理:
図24および図25は、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示するために、携帯電話200と、地図サーバ150cと、時刻表サーバ170と、において行われる処理を示すフローチャートである。図24および図25によって表示パネル202に表示される地図は、地図上に路線と駅とが表示される「乗換地図」である。乗換地図において表示される路線には、通常の地図には表示されない地下鉄の路線やバスの路線を含む。
なお、「乗換地図」の一種であって、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するための各駅における発車時刻を表示している地図を、本明細書において「帰還地図」とも呼ぶ。また、記載を簡潔にするために、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するためのある駅における発車時刻を、単に「発車時刻」と表記することがある。
ステップS210cにおいて、ユーザは、まず、入力部206を操作して、携帯電話200に対して、地図を表示すべき旨の要求を行う。具体的には、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、携帯電話200上で動いている地図表示用アプリケーションソフトウェアに、たとえば、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行う。また、すでに乗換地図以外の地図(たとえば、地下鉄やバスの路線が表示されない通常の地図)を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、地図表示用アプリケーションソフトウェアに対して行うこともできる。
携帯電話200の主制御部210は、ユーザから入力された情報に基づいて、表示すべき地図の中心地点を決定し、乗換地図を生成すべき旨の指示とともに、通信部205を介して、中心地点の情報を地図サーバ150cに送信する。
また、携帯電話200の主制御部210は、表示すべき地図の縮尺の情報も、地図サーバ150cに送信する。中心地点と縮尺の情報を地図サーバ150cに送信する際に、携帯電話200の表示パネル202に地図を表示していない場合には、主制御部210は、あらかじめ定められた縮尺の情報を、地図サーバ150cに送信する。一方、すでに乗換地図以外の地図を表示パネル202に表示している状態において、表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を、ユーザが携帯電話200に行った場合には、主制御部210は、表示している地図の中心地点と縮尺を、地図サーバ150cに送信する。
ステップS110cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、通信部152cを介して、携帯電話200から送信された情報を受信する。そして、地図サーバ150cの制御部154cは、携帯電話200から受信した情報に基づいて、地図データベース156cと表示駅データベース159cとを参照して、指定された中心地点と縮尺とを有し、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに対応している乗換地図のデータを生成する。なお、携帯電話200の表示パネル202の画面サイズに関する情報は、あらかじめ登録しておいてもよいし、ステップS210cで携帯電話200から受信してもよい。
より具体的には、制御部154cは、携帯電話200から受信した中心地点および縮尺の情報と、画面サイズと、に基づいて、表示すべき地図の範囲を決定し、その範囲を有する地図画像のデータを地図データベース156cから取得する。また、制御部154cは、携帯電話200から受信した縮尺の情報に基づいて、表示駅データベース159cを参照して、乗換地図において表示すべき路線と駅とを決定し、それらを表す画像データを表示駅データベース159cから取得する。
そして、制御部154cは、地図画像と、駅や路線を表す画像とを重畳して、乗換地図のデータを生成する。なお、この時点で生成される「乗換地図」は、後述する各駅における発車時刻などの表示を含まない。その後、地図サーバ150cの制御部154cは、通信部152cを介して、携帯電話200に乗換地図を表す地図データを送信する。
ステップS220cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、乗換地図を表す地図データを受信し、乗換地図を表示パネル202に表示する。
図26は、図24のステップS220cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される乗換地図の一例M0aを示す図である。この乗換地図においては、図26に示すように、地下鉄を含む複数の路線とそれらの路線に含まれる駅との情報が、地図データに含まれる他の情報よりも優先的に重畳表示される。このため、利用者は、表示パネル202に表示された乗換地図を参照することで、表示パネル202に表示された所定のエリアにおける地下鉄を含む路線とその路線に含まれる駅とを地図上で容易に把握することができる。
図26に示された乗換地図M0aにおいて、十字の印でユーザからの情報によって特定された地点PPが示されている。また、乗換地図の表示には、ピンボタンD01、現在地ボタンD02、および拡縮ボタンScが、含まれる。これらのボタンの表示は、携帯電話200の主制御部210によって、地図サーバ150cから受け取った乗換地図上に重畳される。
乗換地図が表示されている状態において、ピンボタンD01が押され、その後、地図上の一点が指定された場合には、その指定点にピンが表示される。地図がスクロールされた場合には、ピンは、地図上で指定された地点とともに移動する。このような処理により、ユーザは、地図上に目印を残しつつ、訪問地を決定することができる。
乗換地図が表示されている状態において、現在地ボタンD02が押された場合には、地図上の現在位置に対応する地点に矢印状の印(D02のアイコン参照)が表示される。なお、表示されている乗換地図の範囲内に現在位置が含まれない場合には、乗換地図の表示範囲は、現在位置を含む範囲に移動する。また、現実の現在位置が移動した場合には、現在位置を表す印は、地図上で現在位置に合致する位置に移動する。このような処理により、ユーザは、現在位置を考慮しつつ、訪問地を決定することができる。
乗換地図には、拡縮ボタンScの表示が含まれている。拡縮ボタンScは、表示されている地図の縮尺を変更するためのボタンである。タッチパネル206aを介して、拡縮ボタンScのうち「+」のボタンが押されると、より狭い範囲が拡大されて表された地図が表示される。拡縮ボタンScのうち「−」のボタンが押されると、より広い範囲が表された地図が表示される。また、ユーザは、地図上の一点を指示し、動かすことにより、地図をスクロールさせることができる。
図24のステップS220cにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、地図の拡縮やスクロールを指示した場合や、現在地ボタンD02が押されたことに伴って地図のスクロールが必要となる場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150cに送信される(図24の「S1c」参照)。そして、地図サーバ150cにおいて、再度、乗換地図の地図データが生成され(ステップS110c)、携帯電話200に送信される。
ステップS230cにおいて、ユーザは、タッチパネル206aを操作して、乗換地図上で到着駅を指定する。具体的には、携帯電話200の主制御部210は、ユーザによって指定された乗換地図上の地点に最も近い駅を到着駅に決定する。このような処理を行うことにより、ユーザは、正確に地図上の駅の地点を指定しなくとも、到着駅を指定することができる。また、ユーザは、たとえば、地図上で、宿泊先のホテルを指定することにより、ホテルの最寄りの駅を、到着駅として指定することができる。
図27は、ステップS220cにおいて表示されている地図上に、ユーザが到着駅として指定したい駅が表示されていない場合の、到着駅の指定方法を示す図である。そのような場合には、ユーザは、地図M0aの上側に表示されている入力窓Wi(図26において図示を省略)に到着駅の駅名を入力し、検索ボタンSBを押す。すると、携帯電話200の主制御部210は、地図サーバ150cに入力された駅名を送信して、地図サーバ150cから、駅の候補の駅名のリストを受信する。このリストにおいては、各駅名は、それぞれの駅が存在する県の名前と対応づけられている。携帯電話200の主制御部210は、候補のリストを表示パネル202に表示する。ユーザは、そのリストの中から目的とする駅を選択して、到着駅を指定する。
また、図24のステップS230cにおいて、ユーザは、携帯電話200の表示パネル202に表示されている自宅ボタンHBを押すことにより、あらかじめ登録されている自宅の最寄り駅を、到着駅として指定することができる。
図24のステップS235cにおいて、主制御部210は、到着駅に到着する時刻を入力する領域である時刻入力部を、表示パネル202上に表示する(図示省略)。時刻入力部の表示は、たとえば、24個の時間の候補(0時〜23時)の表示と、60個の分の候補(00分〜59分)とをそれぞれ回転させて選択し、確定ボタンで確定させる方式の表示とすることができる。ユーザは、それらの表示を介して、到着駅に到着すべき時刻を入力することができる。また、時刻入力部は、「終電検索」ボタンを有する。ユーザは、「終電検索」ボタンを押すことにより、到着駅に到着しうる最終の交通手段を検索すべき旨の指示を入力することができる。携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、到着駅の情報と到着時刻の情報を地図サーバ150cに送信する。なお、「終電検索」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、到着時刻としての午前2時の情報を地図サーバ150cに送信する。
ステップS120cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、携帯電話200から送信された到着駅と到着時刻の情報を、通信部152cを介して受信する。制御部154cは、乗換地図の中心地点を中心とする所定範囲に含まれる駅の中から、表示駅データベース159cを参照して、駅を抽出する。以下、ステップS120cの処理で抽出された駅を「抽出駅」とも表記する。そして、制御部154cは、抽出した各駅における、到着駅に到着時刻までに到着するための車両のうち最後のものの発車時刻を、時刻表サーバ170に問い合わせる。より具体的には、地図サーバ150cの制御部154cは、到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とともに、抽出した駅における発車時刻を問い合わせる。
ステップS120cで抽出される駅を定める「所定範囲」は、乗換地図の表示範囲よりも広い。「所定範囲」は、たとえば、乗換地図の中心地点を中心とし、乗換地図の表示範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲とすることができる。このように、発車時刻が問い合わせられる駅を、所定範囲に限定することにより、発車時刻の決定に要する負荷を低減し、処理時間を短縮することができる。また、所定範囲を、乗換地図の表示範囲を中心とする範囲に設定することにより、ユーザがスクロールによって携帯電話200の表示パネル202に表示する可能性が高い駅について、発車時刻を計算することができる。
ステップS305cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、地図サーバ150cから送信された到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とを、通信部172を介して受信する。制御部174は、到着駅の情報と、到着時刻の情報と、抽出駅の情報とに基づいて、時刻表データベース176を参照し、到着駅に到着時刻までに到着する車両のうち最後のものの発車時刻を、各抽出駅について、決定する。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150cに、各抽出駅における発車時刻のデータを送信する。
ステップS130cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、ステップS110cで生成した乗換地図の表示範囲に基づいて、表示駅データベース159cを参照して、到着駅に到着時刻までに到着するための発車時刻が計算された抽出駅のうち、携帯電話200の表示パネル202で表示する乗換地図において発車時刻を表示すべき駅を、決定する。
ステップS140cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、ステップS110cで作成されている乗換地図の上に、ステップS130cで選択された駅の表示と、それらの駅における発車時刻を示す表示と、を表示するための発車時刻データを生成する。そして、制御部154cは、通信部152cを介して、発車時刻データを携帯電話200に送信する。
ステップS240cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、発車時刻データを受信し、表示パネル202に表示している乗換地図(図26参照)の上に、ステップS130cで抽出された駅の表示と、それらの各駅についての到着駅に到着時刻までに到着するために利用すべき車両の発車時刻を示す表示と、を重畳して表示する。そのように、ユーザが指定した到着駅にユーザが指定した到着時刻までに到着するための各駅における発車時刻を表示している地図を、本明細書において「帰還地図」とも呼ぶ。
図28は、図24のステップS240cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M1cを示す図である。図28は、図24のステップS235cにおいて、「終電検索」ボタンが押された場合に表示される帰還地図の例M1cを示す。図28の帰還地図M1cにおいて、たとえば、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「神田」という文字の表示Dx10が、図24のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:01」という発車時刻の表示を含む表示De10が、駅を表す表示Dx10と対応づけて表示される。また、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「東京」という文字の表示Dx20が、図24のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:03」という発車時刻の表示を含む表示De20が、駅を表す表示Dx20と対応づけて表示される。そして、電車の正面図が表された二つのマーク、ならびに「有楽町」という文字の表示Dx30が、図24のステップS130cで選択された駅の表示として、表示される。「1:05」という発車時刻の表示を含む表示De30が、駅を表す表示Dx30と対応づけて表示される。
同様に、帰還地図M1c内の表示Dx42,Dx44,Dx46は、図24のステップS130cで選択された駅の表示である。表示De42,De44,De46は、それらの駅に対応づけられた発車時刻の表示である。
各駅の発車時刻の表示De10,De20,De30,De42,De44,De46は、いずれも白地に黒い文字で表示されている。なお、図28の帰還地図は、現在時刻から各駅における発車時刻までの時間が十分長い場合の表示態様を示している。
このような処理を行うことにより、ユーザは、到着駅(ここでは品川)に到着時刻までに到着するための各駅における交通手段の発車時刻を考慮しつつ、訪問すべき地点を選択し、また、訪問経路および訪問順序を決定することができる。
図24のステップS240cにおいて、ユーザが、タッチパネル206aを操作して、乗換地図のスクロールを指示した場合には、再度、地図の中心地点の情報や縮尺の情報が、携帯電話200から地図サーバ150cに送信される(図24の「S2c」参照)。そして、ステップS130cにおいて、地図サーバ150cが、再度、乗換地図の地図データを生成し、乗換地図の地図データに基づいて、発車時刻を表示すべき駅を決定する。そして、ステップS140c以下の処理が行われる。
ステップS120cにおいて、携帯電話200の表示パネル202で表示されている乗換地図の範囲を超える範囲(ここでは、縦横とも9倍の矩形の範囲)について、各駅からの発車時刻が計算されている。このため、その範囲内で地図のスクロールが行われた場合には、各駅からの発車時刻を計算することなく、迅速に、帰還地図の生成および表示を行うことができる。
なお、図24において図示を省略したが、ステップS240cにおいて、ステップS120cで発車時刻を計算した駅の範囲を超えるスクロールが行われた場合や、乗換地図の拡縮が指示された場合には、処理は、ステップS240cからステップS120cに移行し、再度、ステップS120c以下の処理が行われる。
図29は、図24のステップS240cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M2cを示す図である。図24のステップS240cにおいては、表示パネル202に表示しているある駅について、時計部209(図22参照)から取得される現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、しきい値(ここでは10分)を下回った場合には、その駅の発車時刻の表示は、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して表示される。より具体的には、発車時刻は、赤地に白い文字で表示される。このような態様とすることにより、ユーザは、各駅について、その駅から交通手段を利用する場合には、その駅に急いで向かう必要があることを知ることができる。
そして、表示パネル202に表示しているある駅について、その駅の発車時刻が時計部209から取得される現在時刻よりも前である場合、すなわち、現在時刻がその駅の発車時刻を経過した場合には、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して、発車時刻が経過し、その結果、利用できる交通手段がなくなった旨が、表示される。より具体的には、黒地に白い文字で「本日終了」と表示される(図29の表示De11,De43,De45,De47参照)。すなわち、白地や赤地で表示される表示に比べて明度の低い黒の地色を使用して、「本日終了」の文字が表示される。このような態様とすることにより、ユーザは、その駅から交通手段を利用してその日のうちに到着駅に到着できないことを知ることができる。このため、その日のうちに到着駅に到着するために、これから向かう駅を変更するなど、他の方法を検討することができる。また、白地や赤地の表示の方が目につきやすいため、ユーザの意識をまだ発車時刻が来ていない駅の表示に向けることができる。
このようなステップS240cにおける帰還地図の表示の更新は、所定時間(ここでは3分)ごとに繰り返し行われる。ただし、帰還地図において表示される更新ボタンBRを押すことにより、ユーザは、ただちに帰還地図の表示を更新させて、現在時刻に応じた表示を行わせることができる。このような態様とすることにより、ユーザは、帰還地図の更新サイクルに拘束されずに、現在時刻に応じた帰還地図を表示させて、内容を確認することができる。したがって、携帯電話200の主制御部210において、「現在時刻として取得された時刻」は、実際には過去に取得された過去の時刻であってもよい。
図25のステップS250cにおいて、帰還地図(図29参照)を見たユーザは、帰還地図内に表示された駅の中から対象駅を決定し、タッチパネル206aを操作して、帰還地図上で対象駅を指定する。対象駅の指定方法は、到着駅の指定方法と同様である。
ステップS265cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、対象駅の情報を地図サーバ150cに送信し、対象駅から到着駅に向かう交通手段の乗換スケジュールを問い合わせる。
ステップS150ccにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、通信部152cを介して、携帯電話200から送信された対象駅の情報を受信する。そして、地図サーバ150cの制御部154cは、通信部152cを介して、時刻表サーバ170に、対象駅の情報と、ステップS120c(図24参照)で受け取っている到着駅の情報および到着駅に到着する時刻の情報とを、送信する。そして、制御部154cは、対象駅を出発する車両の発車時刻、その車両の路線名、到着駅における到着時刻を含む乗換スケジュールを、時刻表サーバ170に、問い合わせる。
ステップS310cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、対象駅の情報と、到着駅の情報と、到着駅に到着する時刻の情報と、に基づいて、時刻表データベース176を参照し、乗換スケジュールを決定する。乗換スケジュールには、対象駅を出発する車両の発車時刻、対象駅を出発する車両の路線名、および到着駅における到着時刻が含まれる。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150cに、乗換スケジュールのデータを送信する。
ステップS160cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、乗換スケジュールに含まれる、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示であって、対象駅の表示と対応づけて表示されるべき表示を含む乗換スケジュールの表示用データを生成する。生成されるスケジュール表示用データは、同時に、詳細な乗換スケジュールの提示を指示するための「詳細」ボタンの表示を含む。制御部154cは、通信部152cを介して、生成したスケジュール表示用データを、携帯電話200に送信する。
ステップS270cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、スケジュール表示用データを受信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、スケジュール表示用データに基づいて、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示が、対象駅の表示と対応づけて表示された帰還地図を、表示パネル202に表示する。
図30は、ステップS270cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M3cを示す図である。図30の帰還地図M3cにおいて、乗換スケジュールを含む表示De210は、対象駅を表す「東京」という表示と、対象駅を出発する車両の発車時刻である「01時03分」という表示と、対象駅を出発する車両の路線である「JR山手線外回り」という表示と、を含む。さらに、表示De210は、詳細な乗換スケジュールを示すことを指示するための「詳細」ボタンBSを含む。
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめて各駅における発車時刻に基づいて訪問地を検討しつつ(図28および図29参照)、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅については、出発時間および利用する路線を知ることができる(図30参照)。
図31は、ステップS270cにおいて、「詳細」ボタンBSが押された場合に、携帯電話200の表示パネル202表示される出力結果を示す図である。図25のステップS270cにおいて、「詳細」ボタンBS(図30参照)が押された場合には、図24および図25の処理を終了し、処理は、乗換案内処理に移行する。乗換案内処理においては、時刻表サーバ170の時刻表データベース176に基づいて、対象駅を出発する車両の発車時刻、到着駅における車両の到着時刻、乗換駅、乗換駅を出発する車両の発車時刻、各駅における車両の到着ホームの番号などが、携帯電話200の表示パネル202表示される。乗換案内処理の詳細な説明は省略する。
このような処理を行うことにより、ユーザは、地図全体をながめて各駅における発車時刻に基づいて訪問地を検討しつつ(図28参照)、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅については、出発時間および利用する路線を知ることができる(図30および図31参照)。
一方、図25のステップS250cにおいて、ユーザが対象駅として指定した駅が、その発車時刻がすでに経過した駅(たとえば、図29における神田)である場合には、携帯電話200の主制御部210は、ステップS265cにおいて、通信部205を介して、対象駅の情報を地図サーバ150cに送信し、翌日、最初に到着駅に到着する交通手段の乗換スケジュールを問い合わせる。
ステップS150ccにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、携帯電話200から送信された対象駅の情報を受信する。そして、地図サーバ150cの制御部154cは、時刻表サーバ170に、対象駅の情報と、ステップS120c(図24参照)で受け取っている到着駅の情報とを、送信する。そして、制御部154cは、翌日、対象駅を出発し、最初に到着駅に到着する車両の発車時刻、その車両の路線名、到着駅における到着時刻を含む乗換スケジュールを、時刻表サーバ170に、問い合わせる。
ステップS310cにおいて、時刻表サーバ170の制御部174は、対象駅の情報と、到着駅の情報と、到着駅に到着する時刻の情報と、に基づいて、時刻表データベース176を参照し、乗換スケジュールを決定する。乗換スケジュールには、対象駅を出発する車両の発車時刻、対象駅を出発する車両の路線名、および到着駅における到着時刻が含まれる。そして、制御部174は、通信部172を介して、地図サーバ150cに、乗換スケジュールのデータを送信する。
ステップS160cにおいて、地図サーバ150cの制御部154cは、乗換スケジュールに含まれる、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、を含む表示であって、対象駅の表示と対応づけて表示されるべき表示を含む乗換スケジュールの表示用データを生成する。生成されるスケジュール表示用データは、同時に、対象駅からの路線の利用によっては当日中には到着駅には到着し得ない旨の表示としての「本日は終了しました」という表示と、「タクシーを呼ぶ」ボタン、「ホテルを探す」ボタン、「漫画喫茶を探す」ボタン、「ファミレスを探す」ボタンを含む。制御部154cは、通信部152cを介して、生成したスケジュール表示用データを、携帯電話200に送信する。
ステップS270cにおいて、携帯電話200の主制御部210は、通信部205を介して、スケジュール表示用データを受信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、スケジュール表示用データに基づいて、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、「本日は終了しました」という表示と、を含む表示が、対象駅の表示と対応づけて表示された帰還地図を、表示パネル202に表示する。
図32は、ステップS270cにおいて携帯電話200の表示パネル202に表示される帰還地図の一例M4cを示す図である。図32の帰還地図M4cにおいて、乗換スケジュールを含む表示De110は、対象駅を表す「神田」という表示と、対象駅からの路線の利用によっては当日中には到着駅には到着し得ない旨の表示としての「本日は終了しました」という表示と、対象駅を出発する車両であって翌日最初に到着駅に到着するための車両の発車時刻である「始発は4:46です」という表示と、を含む。
このような処理を行うことにより、到着駅への帰還経路の出発点の候補として選択した対象駅について、翌日の始発の出発時間を知ることができる(図32参照)。
帰還地図M4cにおいて、表示De210は、「タクシーを呼ぶ」ボタン、「ホテルを探す」ボタン、「漫画喫茶を探す」ボタン、「ファミレスを探す」ボタンを含む。「タクシーを呼ぶ」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、タクシーを呼ぶためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。「ホテルを探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、当日宿泊できるホテルを探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。
「漫画喫茶を探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、漫画喫茶を探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。「ファミレスを探す」ボタンが押された場合には、携帯電話200の主制御部210は、インターネットを介して、24時間営業のファミリーレストランを探すためのサービスに接続し、そのサービスを提供するための画面を表示パネル202に表示する。
このような処理を行うことにより、ユーザは、始発までの時間を過ごすために利用しうるサービスを簡単に探すことができる。
本実施形態D1における入力部206が、「入力部」に相当する。表示パネル202が「出力部」に相当する。地図サーバ150cおよび時刻表サーバ170と様々なデータのやり取りを行って、表示パネル202の表示に関する様々な機能を実現する主制御部210が、「制御部」に相当する。
本実施形態D1における表示Dx10,Dx20,Dx30,Dx42,Dx44,Dx46が、「第1種の表示」に相当する。表示De10,De20,De30,De42,De44,De46が、「第2種の表示」に相当する。
D3.変形例:
D3−1.変形例1:
上記実施形態D1においては、図24のステップS210cにおいて、ユーザは、現在位置を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例や、すでに表示している地図と同じ範囲を乗換地図で表示すべき旨の指示を携帯電話200に行う例について説明した。しかし、ユーザは、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、乗換地図を表示すべき旨の指示を入力する際に、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、その施設を中心とする乗換地図を表示すべき旨の指示を行うこともできる。すなわち、ユーザは、中心位置を特定することができる情報の入力とともに、地図の表示を指示すればよい。
D3−2.変形例2:
上記実施形態D1においては、自宅の最寄り駅があらかじめ登録されている。しかし、職場の最寄り駅や宿泊先の駅など、他の駅もあらかじめ登録できる態様とすることもできる。そのような態様においては、登録内容(職場、宿泊先など)に応じたボタンを、乗換地図とともに携帯電話200の表示パネル202に表示し、それらのボタンを押すことにより、到着駅の入力ができるように構成することが好ましい(図24のS230c参照)。このような態様とすることにより、ユーザは、よく使用する駅を簡単な手続で到着駅として指定することができる。
たとえば、自宅最寄駅を登録した場合は、自宅アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された自宅アイコンがユーザにより選択された場合に、自宅最寄駅を到着駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、自宅最寄駅に到着時刻までに到着するための発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示する。また、会社最寄駅を登録した場合は、会社アイコンを携帯電話200の表示パネル202上に表示する。そして、表示パネル202上に表示された会社アイコンがユーザにより選択された場合に、会社最寄駅を到着駅とし、乗換地図上に表示された各駅に対し、会社最寄駅に到着時刻までに到着するための発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示する。これにより、携帯電話200に予め登録した駅を基に、乗換地図上に表示された各駅に対し、発車時刻の情報と、路線の情報と、を表示するようにすることができる。
D3−3.変形例3:
上記実施形態D1においては、到着駅は、ユーザによって指定された地点の最寄りの駅、またはユーザが検索して得られたリストからユーザが指定する駅である。しかし、到着駅や対象駅の指定は、他の方法で行うこともできる。たとえば、ユーザに路線を指定させ、その路線の駅のリストを携帯電話200の表示パネル202に表示して、そのリスト中からユーザに駅を選択させる態様とすることもできる。
また、ユーザが、地図表示用アプリケーションソフトウェアに、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所を入力することにより、到着駅や対象駅の入力を行うこともできる。そのような態様においては、施設名またはその施設の電話番号もしくは住所によって特定される地点の最寄りの駅が、到着駅や対象駅とされる。
D3−4.変形例4:
上記実施形態D1においては、ユーザが入力した情報に基づいて発車時刻を含まない乗換地図が表示された後、ユーザは、乗換地図上で到着駅および到着時刻を指定する(図24のS220c,S230c,S235c参照)。そして、その指定した到着駅に到着時刻までに到着するための発車時刻を含む帰還地図を表示している(図24のS240c参照)。しかし、発車時刻を含まない乗換地図を事前に表示せずに、最初から発車時刻を含む帰還地図が生成され表示される態様とすることもできる。この場合、携帯電話200の主制御部210は、到着駅が携帯電話200において予め決定されているか否かを判断し、到着駅が予め決定されている場合には、その予め決定されている到着駅の情報を、通信部205を介して地図サーバ150cに送信する(図24のステップS235c参照)。
到着駅が携帯電話200において予め決定されている場合としては、例えば、以下の例が挙げられる。GPSユニット201の機能が有効に設定されており、GPSユニット201により現在位置情報を取得した場合に、その現在位置情報の地点に最も近い駅を到着駅に決定する。また、ユーザが携帯電話200を操作して自宅最寄駅、会社最寄駅等の出発駅を予めユーザIDに対応付けて登録しておき、その出発駅を到着駅として使用する設定がされている場合に、その出発駅を到着駅に決定する。このようにして、乗換地図上での到着駅を予め決定することができる。
一方、到着駅が予め決定されていない場合は、表示パネル202上に乗換地図を表示するとともに(図24のステップS220c)、ユーザに到着駅の入力を促す表示を表示パネル202上に表示する。以下の処理は図24のステップS230c以下と同じである。
D3−5.変形例5:
上記実施形態D1においては、発車時刻が計算される駅を定める「所定範囲」(図24のステップS120c参照)は、表示している乗換地図の中心地点を中心とし、その地図の範囲に対して縦横とも9倍の大きさを有する範囲である。しかし、発車時刻が計算される駅を定める「所定範囲」は、表示している地図の範囲に対して縦横ともN倍(Nは2以上の整数)の大きさを有する矩形の範囲や、表示している地図の中心地点を中心とする所定の大きさの半径を有する円形状の範囲など、他の範囲とすることもできる。
D3−6.変形例6:
上記実施形態D1においては、縮尺に応じてあらかじめ定められた表示すべき駅の情報を格納する表示駅データベース159cと、出力部としての携帯電話200の表示パネル202に表示している地図の縮尺と、に基づいて決定された駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、が表示される(図22および図24のステップS130c参照)。しかし、駅を表す画像と、発車時刻と、が表示される駅は、他の方法で決定されることもできる。
たとえば、各駅の表示の優先度を格納する優先度データベース159ac(図22参照)を備え、優先度データベース159acに基づいて、優先度の高いものから選択された、あらかじめ定められた数(たとえば、1つの乗換地図において7個)以下の数の駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、を表示する態様としてもよい。
表示範囲内のすべての駅について、駅を表す表示や、発車時刻の表示が地図上に表示されると、地図の大部分がそれらの表示で隠されてしまい、各駅の地図上の位置が把握できなくなってしまう可能性がある。しかし、上記の態様とすれば、そのような事態を防止することができる。なお、「あらかじめ定められた数」は、5個、8個など任意の数とすることができ、出力部の地図を表示する部分の大きさおよび描画密度に応じて定めることができる。
また、乗換地図の範囲に含まれるすべての駅について、駅を表す画像と、発車時刻と、を表示する態様としてもよい。
D3−7.変形例7:
なお、乗換地図においては、特急が停車する駅について、急行が停車する駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示し、急行が停車する駅について、特急も急行も停車しない駅よりも優先的に、前記第1種の表示を表示する態様とすることもできる。
このような態様とすれば、表示範囲内のすべての駅について、駅を表す画像が表示されることにより、特急が停車する大きい駅の地図上の位置が、特急が停車しない駅の画像のために把握できなくなってしまったり、急行が停車する駅の地図上の位置が、特急も急行も停車しない小さい駅の画像のために把握できなくなってしまったりする事態を防止することができる。
D3−8.変形例8:
図28〜図30および図32に示した帰還地図M1c〜M4cの表示画面の例では、表示範囲に、互いに乗り入れをしない複数の路線が存在する。そして、それらの路線は分岐しない。図28〜図30および図32に示した帰還地図M1c〜M4cにおいては、それらの路線の駅について駅の表示Dx10,Dx20,Dx30,Dx42,Dx44,Dx46、発車時刻の表示De10,De20,De30,De42,De44,De46が表示されている。しかし、帰還地図(乗換地図)に含まれる範囲に分岐する路線が存在する場合には、図24のステップS240cにおいて、分岐の各枝について、それらの路線に含まれる駅の表示、ならびに発車時刻の表示がなされる。なお、「分岐する路線の各枝」は、基準となる駅(到着駅)から遠ざかる方向に延びつつ路線が分岐している場合、分岐から先に伸びる各枝を意味する。このような処理を行うことにより、ユーザは、地図上の様々な地点を訪問地の候補として検討することができる。
D3−9.変形例9:
上記実施形態D1においては、地図サーバ150cにおいて、地図上に表示される各種のボタンSc,D01,D02を含む地図の地図データが生成される。しかし、地図上に表示される1以上のボタンは、地図サーバ150cで生成される地図のデータには含まれず、携帯電話200において、地図上に重畳されてもよい。
D3−10.変形例10:
上記実施形態D1においては、地図サーバ150cの制御部154cは、ステップS140cにおいて、発車時刻データを生成し、携帯電話200に送信している。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240cにおいて、表示パネル202に表示した図26に示す乗換地図上に発車時刻データを重畳した帰還地図を表示するようにしている。しかし、以下のような態様とすることも可能である。すなわち、地図サーバ150cの制御部154cは、ステップS140cにおいて、ステップS110cで作成されている乗換地図の上に、ステップS130cで選択された駅の表示と、それらの駅についての発車時刻とを示す表示と、を表示した帰還地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS240cにおいて、地図サーバ150cから受信した地図データを基に、図28に示す帰還地図を表示パネル202に表示する。
同様に、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示(図30のDe210参照)についても、上記実施形態D1の様に、地図サーバ150cにおいてスケジュール表示用データを生成して、携帯電話200がスケジュール表示用データに基づいて、上記表示を行う態様(図25のS160c,S270c参照)以外に、以下のような態様とすることもできる。すなわち、地図サーバ150cの制御部154cは、ステップS160cにおいて、上記処理で作成されている発車時刻の表示を含む帰還地図の上に、対象駅と、対象駅を出発する車両の発車時刻と、対象駅を出発する車両の路線と、を含む表示を表示した新たな帰還地図の地図データを生成し、携帯電話200に送信する。そして、携帯電話200の主制御部210は、ステップS270cにおいて、地図サーバ150cから受信した地図データを基に、図30に示す帰還地図を表示パネル202に表示する。
D3−11.変形例11:
上記実施形態D1においては、地図サーバ150cは、地図データベース156cから取得した地図画像に対し、表示駅データベース159cから取得した路線や駅を表す画像を重畳して、乗換地図のデータを作成している。しかし、他の方法で乗換地図を表示することもできる。地図データベース156cが保持している地図データは、地図上に表示すべき対象(河や湖、道路、信号、建物、路線、駅など)について、表示の優先度または優先順位を保持している。そして、優先度(優先順位)の高い対象は、優先度が低い対象が地図上に表示されていない状態であっても、地図上に表示され得る。すなわち、地図上には、所定の基準に対して高い優先度を有する対象物が表示され、低い優先度を有する対象物は表示されない。そのような態様において、地図サーバ150cは、地図データベース156cから取得した地図画像に含まれる路線や駅の情報の表示優先順位を高め、地図画像上にその路線や駅の情報を重畳した乗換地図のデータを作成するようにしても良い。これにより、図26に示すように、路線や駅の情報が重畳された乗換地図を携帯電話200の表示パネル202に表示することができる。
D3−12.変形例12:
上記実施形態D1においては、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が前である駅については、すなわち、現在時刻が発車時刻を経過した駅については、発車時刻を表示しない。しかし、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅であっても、発車時刻からの経過時間が基準時間未満である駅については、発車時刻を表示し、その経過時間が基準時間を超えている場合に、発車時刻を表示しない態様とすることもできる。そのような態様とすれば、ユーザは、どの程度、早く行動すればその駅の発車時刻に間に合ったかを知ることができる。
D3−13.変形例13:
上記実施形態D1においては、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、しきい値(一例として10分)を下回った場合には、その駅の発車時刻の表示は、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間がしきい値よりも大きい駅よりも強調して表示される。しかし、各駅の発車時刻の表示は、他の態様で表示することもできる。
たとえば、値が異なるしきい値を2種類以上(たとえば、2種類または3種類)設定し、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が、各しきい値を下回るたびにより強調した表示を行う態様とすることもできる。たとえば、まず、発車時刻の表示を白地で表示し、現在時刻からその駅の発車時刻までの時間が第1のしきい値を下回ったときに、発車時刻の表示を黄色地で表示する。そして、発車時刻までの時間が第1のしきい値より小さい第2のしきい値を下回ったときに、発車時刻の表示を赤地で表示する。このような態様とすれば、現在時刻の経過に応じて、ユーザはどの駅の近傍にいるべきかを容易に判断することができる。
D3−14.変形例14:
上記実施形態D1においては、図28に示すように、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる最後の発車時刻を表示する。しかし、出力部としての表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる複数の発車時刻を表示するようにしても良い。例えば、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、図31に示すような複数の発車時刻の情報を取得し、その取得した情報を基に、携帯電話200の表示パネル202表示される各駅について、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる複数の発車時刻を表示するようにしても良い。この場合であっても、ユーザは、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着するための各駅における交通手段の複数の発車時刻を考慮しつつ、訪問すべき地点を選択し、また、訪問経路および訪問順序を決定することができる。なお、その際、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる最後の発車時刻を表示せず、所定の到着駅に所定の到着時刻までに到着しうる他の発車時刻を表示する態様とすることもできる。
D3−15.変形例15:
上記実施形態D1においては、図24のステップS235cにおいて、「終電検索」ボタンが押された場合を想定して、図29、図30、図32の説明をした。しかし、図24のステップS235cにおいて、到着時刻が指定された場合には、他の態様の表示を行うこともできる。すなわち、図29、図30、図32の「本日終了」の表示De11,De45,De47に代えて、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅の発車時刻の表示よりも明度の低い色を使用して、発車時刻が経過したことを表す表示、たとえば、「発車済み」等の表示をすることもできる。また、現在時刻として取得された時刻より発車時刻が後である駅の発車時刻の表示よりも明度の低い色を使用して、発車時刻を表示することもできる。
また、上記実施形態D1においては、発車時刻が経過した旨の表示には、発車時刻の表示よりも明度の低い黒の地色を使用して、文字が表示される。しかし、発車時刻が経過した旨の表示を、発車時刻の表示と同じ明度で表示することもでき、さらに、発車時刻の表示よりも明度の高い色で表示することもできる。
D3−16.変形例16:
上記実施形態D1においては、鉄道およびその駅を例に本発明についての説明をした。しかし、本発明は、バス路線や定期運行船、航空機などの鉄道以外の交通手段にも適用することができる。すなわち、あらかじめ定められた地点(鉄道の駅、バスの停留所、港、空港など)の間を、あらかじめ定められた時刻表に沿って移動する様々な場合について、本発明は適用することができる。
D3−17.変形例17:
サーバ150cの地図データベース156c内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156c内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
D3−18.変形例18:
上記実施形態D1においては、地図表示システムは、その構成要素として、地図サーバ150cと、時刻表サーバ170と、携帯電話200と、を含む。しかし、ユーザが携帯し、GPSユニットを備える携帯端末に、地図サーバ150cや時刻表サーバ170など、他の構成要素の機能を備える態様とすることもできる。また、地図サーバ150cと時刻表サーバ170とは、同じサーバであってもよい。上記実施形態D1において携帯電話200として例示した携帯端末は、いわゆるフィーチャーフォンやスマートフォンであってもよく、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)や、他のコンピュータなどとすることもできる。すなわち、携帯端末は、ユーザが携帯でき、現在位置を特定することができる装置であればよい。
すなわち、地図表示装置としての地図表示システムは、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、地図表示システムは、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
E.他の変形例
E1.変形例1:
上記で説明した種々の実施形態では、GPSを利用する態様について説明したが、現在位置の情報の生成は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galile oなどのGPS以外の他の衛星測位システム(Satellite Navigation System)、言い換えれば、世界的航法衛星システム(GNSS:Global Navigation System)によってもよい。また、たとえば、移動端末における位置情報の生成は、携帯電話の基地局のみに基づいて、行ってもよい。そのような態様においては、移動端末は、世界的航法衛星システムの受信装置を備えない態様とすることができる。さらに、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、複数の方式、たとえば、衛星測位システムを利用した方式と、携帯電話の基地局を利用する方式を併用する態様とすることもできる。
すなわち、移動端末において位置情報を生成する構成要素は、現在位置の情報を特定できるものであれば、どのような原理に基づくもの、どのような機関が運営するシステムを利用するものであってもよい。
E2.変形例2:
上記で説明した種々の実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアの機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。