JP2017116508A - 共焦点変位計 - Google Patents

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Abstract

【課題】イメージセンサの露光周期ごとに、反射率が大きく変化する検出対象物を測定する場合であっても、イメージセンサの飽和を抑制することができる共焦点変位計を提供する。
【解決手段】複数の波長を有する光からなる検出光を生成する投光用光源と、検出光を検出対象物に向けて出射する対物レンズを有し、検出光に軸上色収差を生じさせる共焦点光学系と、検出対象物によって反射された後、共焦点光学系を通過した反射光を分光する分光器と、分光された反射光を受光して受光信号を生成するイメージセンサ26と、受光信号に基づいて、距離に関する受光強度の分布からなる受光波形を取得する受光波形取得手段と、受光波形に基づいて、検出対象物までの距離を求める距離算出手段と、上記反射光の一部を受光してモニタ信号を生成するモニタ用受光素子と、モニタ信号に基づいて、イメージセンサ26の受光量を制御する受光量制御手段とを備える。
【選択図】図8

Description

本発明は、共焦点変位計に係り、さらに詳しくは、共焦点光学系による軸上色収差を利用して検出対象物までの距離を計測する共焦点変位計の改良に関する。
共焦点変位計は、投光用光源の像が結像する結像面からの反射光に受光する光を絞り込むという共焦点原理と、投光用光源の像に光軸方向の色ずれが生じるという軸上色収差の現象とを利用してワークまでの距離を計測する光学式の距離計測装置である(例えば、特許文献1及び2)。例えば、共焦点変位計は、投光用光源、共焦点光学系、分光器及びイメージセンサを備える。
投光用光源は、複数の波長を有する光からなる検出光を生成する。共焦点光学系は、検出光をワークに向けて出射する対物レンズを有し、検出光による投光用光源の像に軸上色収差を生じさせる。分光器は、ワークによって反射された後、共焦点光学系を通過した反射光を分光する。イメージセンサは、分光された反射光を受光して受光信号を生成する複数の受光素子と、受光信号に基づいて、受光量に応じた電荷を蓄積する複数の容量素子とにより構成される。各受光素子は、直線状に配列される。
結像面の位置は、軸上色収差により波長ごとに異なる。このため、イメージセンサにより受光される反射光は、ワーク上に結像して反射された波長成分に絞り込まれる。ワークまでの距離は、受光信号に基づいて、距離に関する受光強度の分布からなる受光波形を取得し、ピーク位置を特定することによって計測される。この距離計測により、ワークの移動量やワークの高さ等を検知することができる。また、1つの受光波形を取得するだけで、透明体の厚さ等を検知することもできる。この様な共焦点変位計によれば、距離計測の際に、ワークの材質、色、傾きによる影響を受け難い。
従来の共焦点変位計は、投光用光源の光量が小さく、測定可能なワークが制限されるという問題があった。例えば、表面の反射率が小さいワークや、表面が鏡面状のワークを斜め方向から検出する場合、投光量が小さければ、十分な受光強度が得られず、信号波形がノイズに埋もれてしまうことから、ピーク位置の特定が困難になる。
特開2013−130580号公報 特開2014−115242号公報 特開2005−322996号公報
上述した通り、従来の共焦点変位計は、投光用光源の光量が小さかった。そこで、投光用光源を高出力化することにより、様々なワークに対応させることが考えられる。しかしながら、投光用光源を高出力化すれば、イメージセンサの容量素子が飽和を起こし易くなるという問題がある。イメージセンサにおける受光量が飽和すれば、正しい受光波形が得られなくなる。
例えば、特許文献3には、容量素子の蓄積電荷を基準値と比較し、蓄積電荷が基準値よりも大きくなれば、容量素子への電荷蓄積を停止させることにより、露光時間を短縮させてイメージセンサの飽和を回避する技術が開示されている。この様な技術を採用すれば、イメージセンサの受光量が自動調整されるため、様々なワークに対応可能としつつ、イメージセンサの飽和を抑制することができる。しかし、従来のイメージセンサの受光量制御は、受光波形に基づくフィードバック制御である。このため、イメージセンサから全受光素子分の蓄積電荷を読み出す必要があり、距離計測の時間間隔が短い場合に、追従できなくなり、飽和の回避が的確に行われないという問題がある。
例えば、高反射率の領域と低反射率の領域とが交互に繰り返し形成された部材を検出対象物とし、部材が高反射率領域及び低反射率領域の配列方向に搬送される場合、露光周期ごとに、反射率が大きく変化することになる。このため、低反射率領域の測定時における受光結果に従って露光時間を長くすれば、次の高反射率領域の測定時に飽和が生じてしまう。
そこで、特許文献3に記載されているように、イメージセンサ内の一部又は全部の受光素子について、蓄積電荷を基準値と比較するための比較器を設け、イメージセンサの露光中に蓄積電荷が基準値を超えれば、直ちに電荷蓄積を停止させることが考えられる。しかし、イメージセンサ内の全部の受光素子に比較器を配置するという構成では、イメージセンサの構造が複雑化し、製造コストが増大してしまう。一方、イメージセンサ内の一部の受光素子にだけ比較器を配置するという構成では、特定の受光素子の受光量に基づいてイメージセンサ全体の飽和が判断されるため、ノイズ成分が飽和し,信号成分は不飽和である場合にもイメージセンサ全体として飽和と判断し、電荷の蓄積を停止するため、信号成分が低い場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、様々な検出対象物に対応可能でありながら、イメージセンサにおける受光量の飽和を抑制することができる共焦点変位計を提供することを目的とする。特に、イメージセンサの露光周期ごとに、反射率が大きく変化するような検出対象物を測定する場合であっても、イメージセンサの飽和を抑制することができる共焦点変位計を提供することを目的とする。また、製造コストを増大させることなく、イメージセンサが飽和した場合であっても、イメージセンサが不飽和の状態に早期に復帰することができる共焦点変位計を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による共焦点変位計は、複数の波長を有する光からなる検出光を生成する投光用光源と、上記検出光を検出対象物に向けて出射する対物レンズを有し、上記検出光に軸上色収差を生じさせる共焦点光学系と、上記検出対象物によって反射された後、上記共焦点光学系を通過した反射光を分光する分光器と、2以上の受光素子を有し、分光された上記反射光を受光して受光信号を生成するイメージセンサと、上記受光信号に基づいて、距離に関する受光強度の分布からなる受光波形を取得する受光波形取得手段と、上記受光波形に基づいて、上記検出対象物までの距離を求める距離算出手段と、上記反射光の一部を受光してモニタ信号を生成するモニタ用受光素子と、上記モニタ信号に基づいて、上記イメージセンサの受光量を制御する受光量制御手段とを備える。
この様な構成によれば、モニタ用受光素子からのモニタ信号に基づいてイメージセンサの受光量を制御するため、様々な検出対象物に対応可能でありながら、イメージセンサにおける受光量の飽和を抑制することができる。特に、イメージセンサから全受光素子分の蓄積電荷を読み出さなくても良いため、受光量制御の追従性が向上し、露光周期ごとに反射率が大きく変化するような検出対象物を測定する場合であっても、イメージセンサの飽和を抑制することができる。
また、イメージセンサとは別個のモニタ用受光素子を用いるため、イメージセンサの複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。さらに、イメージセンサ内の一部の受光素子の受光量に基づいてイメージセンサの受光量を制御する場合に比べ、検出対象物までの距離にかかわらず安定してイメージセンサの飽和を抑制することができる。
本発明の第2の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記分光器が、回折格子であり、上記イメージセンサが、上記回折格子による1次の回折光を受光して上記受光信号を生成し、上記モニタ用受光素子が、上記回折格子による上記1次の回折光以外の回折光を受光して上記モニタ信号を生成するように構成される。
この様な構成によれば、モニタ用受光素子がイメージセンサとは別個の回折光を受光するため、受光波形に影響を与えることなく、イメージセンサの受光量をモニタリングすることができる。また、ビームスプリッタなどの光学部材を用いなくても、反射光の一部を受光することができるため、分光光学系の構造を簡素化することができる。
本発明の第3の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記モニタ用受光素子が、上記回折格子による0次の回折光を受光するように構成される。この様な構成によれば、0次の回折光は他の次数の回折光に比べて光量が多いため、イメージセンサの受光量をモニタリングする際に、ノイズの影響を抑制することができる。また、0次の回折光には、波長成分による拡がりがないため、モニタ用受光素子を小型化することができる。
本発明の第4の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記イメージセンサ及び上記モニタ用受光素子が、上記回折格子を透過した回折光を受光するように構成される。この様な構成によれば、回折格子によって反射された回折光を受光させる場合に比べ、回折格子の位置ずれが受光波形に与える影響を抑制することができる。
本発明の第5の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記分光器に入射する上記反射光の一部を上記モニタ用受光素子に向けて反射するビームスプリッタを備えて構成される。この様な構成によれば、分光前の光を受光させるため、モニタ用受光素子を大型化することなく、イメージセンサの受光量をモニタリングすることができる。
本発明の第6の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記受光量制御手段が、上記受光素子による露光時間を調整することにより、上記イメージセンサの受光量を制御するように構成される。この様な構成によれば、露光時間の自動調整によってイメージセンサの飽和を抑制することができる。
本発明の第7の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記イメージセンサが、上記受光信号に基づいて、受光量に応じた電荷を蓄積する2以上の容量素子を有し、上記受光波形取得手段が、2以上の上記容量素子から蓄積電荷を順次に読み出すことにより、上記受光波形を取得し、上記受光量制御手段が、上記モニタ用受光素子の受光量が判定閾値以上になった場合に、上記容量素子への電荷蓄積を停止させるように構成される。この様な構成によれば、イメージセンサの露光中にモニタ用受光素子の受光量が判定閾値を上回った場合に、直ちに容量素子への電荷蓄積を停止させることができる。
本発明の第8の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記受光量制御手段が上記モニタ用受光素子の受光量を取得する際のサンプリング周期は、上記イメージセンサの露光周期よりも短いように構成される。この様な構成によれば、サンプリング周期程度の応答遅れしか生じさせずに、イメージセンサの飽和を回避することができる。
本発明の第9の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、前記モニタ用受光素子で得られたモニタ信号をもとに、上記モニタ信号が得られた測定周期またはそれ以降の周期におけるイメージセンサにおける受光量を制御するために、投光用光源、イメージセンサまたは受光波形取得手段の少なくともいずれかを制御するための受光量制御パラメータを算出するように構成される。
本発明の第10の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記モニタ信号が、モニタ用受光素子で受光した受光信号の瞬時値あるいは上記イメージセンサの露光周期の間の積算値であるように構成される。
本発明の第11の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記受光量制御手段が、上記モニタ用受光素子で受光したモニタ信号または、前記イメージセンサで受光した受光波形と、飽和条件とを比較し、飽和条件を超えたと判定したときに、上記モニタ信号にもとづき、上記イメージセンサの受光量を制御するように構成される。
本発明の第12の態様による共焦点変位計は、上記構成に加え、上記受光量制御手段が、受光量を大きくするよう制御するときは、受光量を小さくするよう制御するときに比べて、受光量の変動が小さくなるよう受光量の制御を行うように構成される。
本発明によれば、モニタ用受光素子からのモニタ信号に基づいてイメージセンサの受光量を制御するため、様々な検出対象物に対応可能でありながら、イメージセンサが飽和した場合であっても、イメージセンサが不飽和の状態に早期に復帰することができる共焦点変位計を提供することができる。また、イメージセンサとは別個のモニタ用受光素子を用いるため、イメージセンサの複雑化及び製造コストの増大を抑制することが可能な共焦点変位計を提供することができる。
本発明の実施の形態による共焦点変位計1の一構成例を示したシステム図である。 図1のヘッドユニット10の構成例を模式的に示した断面図である。 図1のコントローラ20の構成例を示したブロック図である。 図3の投光用光源ユニット21の構成例を示した図である。 図3のイメージセンサ26の構成例を示した図である。 図3の測定制御部27の動作の一例を示した図であり、ワークWの反射率を異ならせた場合の受光波形5及び6が示されている。 図3の測定制御部27の動作の一例を示した図であり、受光信号のゲインを異ならせた場合の受光波形5及び6が示されている。 図3の測定制御部27の構成例を示したブロック図である。 図8の受光量制御部108の構成例を示したブロック図である。 図9の受光量制御部108における距離計測時の動作の一例を示したタイミングチャートである。 コントローラ20の他の構成例を示した図であり、光ファイバケーブル2を分岐させて反射光の一部をモニタ用受光素子29に受光させる場合が示されている。 コントローラ20の他の構成例を示した図であり、ビームスプリッタ43によりモニタ用受光素子29に向けて反射光の一部を反射させる場合が示されている。 投光用光源ユニット21の他の構成例を模式的に示した断面図である。 ヘッドユニット10の他の構成例を示した断面図である。 コントローラ20の他の構成例を示した図であり、プリズム45を分光器として用いる場合が示されている。 コントローラ20のその他の構成例を示した図であり、透過型の分光光学系が示されている。 共焦点変位計1のその他の構成例を示した図である。 共焦点変位計1における受光量制御の一例を示したフローチャートである。 共焦点変位計1における受光量制御の一例を示したフローチャートである。 受光波形及び信号波形を示した図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。本明細書では、便宜上、検出光DLの光軸の方向を上下方向として説明するが、本発明による共焦点変位計1やヘッドユニット10の使用時における姿勢を限定するものではない。
<共焦点変位計1>
図1は、本発明の実施の形態による共焦点変位計1の一構成例を示したシステム図である。この共焦点変位計1は、光ファイバケーブル2、ヘッドユニット10及びコントローラ20により構成され、ヘッドユニット10から検出光DLを出射した際のワークWからの反射光を受光してワークWまでの距離を計測する光学式の距離計測装置である。
ワークWは、検出対象物である。このワークWは、反射率の高い高反射率領域HAと反射率の低い低反射率領域LAとが交互に繰り返し形成されたシート状部材であり、搬送装置により、左方向を搬送方向CDとして移動する。例えば、ワークWには、ガラス板を基材として、ガラス板の表面にクロムなどの金属膜がスリット状に形成されている。
ヘッドユニット10及びコントローラ20は、検出光DLを伝送する光ファイバケーブル2を介して接続されている。コントローラ20には、PC(パーソナルコンピュータ)3が接続されている。PC3は、コントローラ20に対して測定条件等の設定を行い、コントローラ20から計測結果等を取得して画面表示する。
ヘッドユニット10は、白色光からなる検出光DLをワークWに向けて出射し、ワークWからの反射光が入射する投受光部ユニットである。光ファイバケーブル2は、検出光DLを伝送する伝送媒体であり、長尺方向に延びる細線状のコアと、コアを取り囲むクラッドとにより構成される。コントローラ20は、投受光を制御し、ワークWからの反射光に基づいて、ワークWまでの距離を算出する制御ユニットである。
光ファイバケーブル2を介して検出光DL及び反射光をコントローラ20及びヘッドユニット10間で伝送させるため、ヘッドユニット10を小型化することができる。また、ヘッドユニット10は、コントローラ20から離れた場所であっても、容易に設置することができる。
<ヘッドユニット10>
図2は、図1のヘッドユニット10の構成例を模式的に示した断面図であり、ヘッドユニット10を鉛直面により切断した場合の切断面が示されている。このヘッドユニット10は、ファイバ端2a、コリメートレンズ13及び対物レンズ14により構成される共焦点光学系11と、共焦点光学系11を収容する筐体12とを備える。筐体12は、有蓋円筒形状の鏡筒である。
ファイバ端2aは、光ファイバケーブル2のヘッドユニット側の端部であり、共焦点光学系11のピンホールとして機能する。具体的には、光ファイバケーブル2のクラッドが光ファイバケーブル2への戻り光を遮光する遮光部材として作用し、コアの端面がピンホールの開口として作用する。戻り光を遮光することにより、共焦点効果が得られる。なお、微小な開口(貫通孔)をピンホールとして有する遮光板をファイバ端2aとコリメートレンズ13との間に配置するような構成であっても良い。
このファイバ端2aは、筐体12の天蓋部から下方に突出させて配置されている。コリメートレンズ13は、ファイバ端2aから出射された検出光DLを平行光に集光する集光レンズである。このコリメートレンズ13は、ファイバ端2aの端面に対向するとともに、ファイバ端2aと光軸を一致させて配置されている。
対物レンズ14は、検出光DLをワークWに向けて出射する集光レンズである。この対物レンズ14は、コリメートレンズ13に対向するとともに、コリメートレンズ13と光軸を一致させて配置されている。コリメートレンズ13及び対物レンズ14は、検出光DLに軸上色収差を生じさせる。軸上色収差は、分散による光軸方向の像の色ずれである。
ヘッドユニット10内の光学系は、図2に示した構成に限られず、図14に示すような構成であっても良い。また、コリメートレンズ13に代えて回折レンズを用いる構成、或いは、回折レンズを対物レンズ14として用いる構成であっても良い。つまり、ヘッドユニット10内の光学系は、ファイバ端2aから出射された多波長成分を有する白色光に対し、ヘッドユニット10内において軸上色収差が与えられ、ヘッドユニット10からワークWに向けて軸上色収差を有する光が放出されるようなものであれば良い。
共焦点光学系11は、共焦点原理を利用して受光する光を絞り込むとともに、検出光DLに軸上色収差を生じさせる。ファイバ端2aから出射し、コリメートレンズ13及び対物レンズ14を透過した検出光DLは、波長に応じて上下方向の異なる位置に結像する。検出光DLに含まれる波長成分のうち、ワークW上に結像した特定の波長成分は、ワークWにより反射され、その反射光が対物レンズ14及びコリメートレンズ13を透過してファイバ端2aの端面上に結像する。一方、特定の波長成分以外の波長成分に対応する反射光は、ファイバ端2aの端面上に結像せず、ファイバ端2aによって遮断される。
例えば、ファイバ端2aのコアの直径は、200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。また、対物レンズ14からワークWまでの距離は、20mm〜70mm程度であり、測定レンジMRは、±1mm〜±20mm程度である。
<コントローラ20>
図3は、図1のコントローラ20の構成例を示したブロック図である。このコントローラ20は、投光用光源ユニット21、スプリッタ22、分光器用レンズ23、分光器24、結像レンズ25、イメージセンサ26、測定制御部27、表示部28及びモニタ用受光素子29により構成される。ファイバ端2b、分光器用レンズ23、分光器24、結像レンズ25及びイメージセンサ26は、反射型の分光光学系を構成する。
投光用光源ユニット21は、2以上の波長成分を含む白色光からなる検出光DLを生成する。スプリッタ22は、投光用光源ユニット21から光ファイバケーブル2を介して入射される検出光DLをヘッドユニット10に向けて伝達する一方、ヘッドユニット10から光ファイバケーブル2を介して入射される反射光を分光光学系に向けて伝達する光学部材である。例えば、スプリッタ22は、光信号を分岐又は分波するファイバカプラである。
ファイバ端2bは、光ファイバケーブル2の分光光学系側の端部である。分光器用レンズ23は、ファイバ端2bから出射された光を集光する集光レンズである。この分光器用レンズ23は、ファイバ端2bの端面に対向するとともに、ファイバ端2bと光軸を一致させて配置されている。例えば、分光器用レンズ23は、ファイバ端2bから出射された光を平行光に集光するコリメートレンズである。
分光器24は、ワークWによって反射された後、共焦点光学系11を通過した反射光を分光する光学部材である。この分光器24は、反射角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する反射型の分光器であり、平板状の回折格子からなる。回折格子は、光の回折現象を利用して入射光を分光する光学部材であり、ワークWからの反射光の入射面又は出射面に微細な格子パターンが形成されている。結像レンズ25は、分光された反射光をイメージセンサ26上に結像させる集光レンズである。
イメージセンサ26は、分光器24により分光され、結像レンズ25を透過した光を受光する撮像素子であり、受光強度に応じた受光信号を生成する2以上の受光素子と、受光信号に基づいて、受光量に応じた電荷を蓄積する2以上の容量素子とを有する。例えば、イメージセンサ26は、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)リニアイメージセンサであり、各受光素子が直線状に配列される。なお、イメージセンサ26には、CCD(電荷結合素子)イメージセンサを用いても良い。
測定制御部27は、イメージセンサ26から蓄積電荷を読み出して受光波形を取得し、ワークWまでの距離を算出して表示部28に測定結果として表示する。また、測定制御部27は、波形データをPC3へ出力する。表示部28は、コントローラ20の筐体に設けられた7セグメント表示器からなり、距離の計測値や判定用閾値などを表示する。
モニタ用受光素子29は、ワークWによって反射された後、共焦点光学系11を通過した反射光の一部を受光してモニタ信号を生成し、測定制御部27へ出力する。例えば、モニタ用受光素子29は、受光強度に応じたモニタ信号を生成する1又は2以上のPD(フォトダイオード)により構成される。測定制御部27は、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいて、イメージセンサ26の受光量を制御する。イメージセンサ26の受光量の制御には、後述するように、イメージセンサ26の露光時間を制御する方法と、投光用光源ユニット21の投光量を制御し受光側の受光量を制御する方法がある。
このコントローラ20では、イメージセンサ26が回折格子(分光器24)による1次の回折光を受光して受光信号を生成し、モニタ用受光素子29が回折格子(分光器24)による0次の回折光を受光してモニタ信号を生成する。
回折格子は、入射光を0次の回折光、±1次の回折光、±2次の回折光、・・・に分割する。0次の回折光は、回折の次数が0の回折光であり、波長に応じた出射方向のずれを生じることなく、干渉によって強め合う光からなる。0次の回折光は、白色光であり、入射光に含まれる全ての波長成分からなるため、単位面積当たりの光量が他の次数の回折光に比べて多い。回折の次数をm=±1,±2,・・・として、m次の回折光は、干渉によって強め合う光の出射方向が波長に応じて異なる。
イメージセンサ26は、この様な回折格子による分光作用を利用するために、1次の回折光4bを受光可能な位置に配置される。これに対し、モニタ用受光素子29は、イメージセンサ26の受光量に影響を与えることなく、ワークWからの反射光をモニタリングするために、0次の回折光4aを受光可能な位置に配置される。
なお、モニタ用受光素子29は、回折格子(分光器24)による1次の回折光以外の回折光を受光可能な位置であれば、イメージセンサ26の受光量に影響を与えることがないことから、−1次の回折光や2次の回折光を受光可能な位置に配置しても良い。
<投光用光源ユニット21>
図4は、図3の投光用光源ユニット21の構成例を示した図であり、図中の(a)には、投光用光源ユニット21の側面が示され、(b)には、投光用光源ユニット21をA−A線により切断した場合の切断面が示されている。この投光用光源ユニット21は、発光素子211、配線基板212、素子ホルダ213、集光レンズ214、レンズホルダ215、フェルール216、フェルール押え217、蛍光体220、枠体221及び反射型フィルタ222により構成される。
発光素子211は、単一波長のレーザ光を生成する蛍光体励起用のレーザ光源である。この発光素子211は、発光部を水平方向の前方に向けた状態で配線基板212に配設されている。例えば、発光素子211は、波長が450nm以下の青色光又は紫外光を生成する。素子ホルダ213は、配線基板212を保持する部材であり、レンズホルダ215に背面側から挿入されている。
集光レンズ214は、発光素子211から出射されたレーザ光を光ファイバケーブル2の投光用光源ユニット側のファイバ端に集光させる光学部材であり、発光素子211に対向させて配置されている。レンズホルダ215は、集光レンズ214を保持する鏡筒であり、集光レンズ214の前方において縮径している。フェルール216は、光ファイバケーブル2の投光用光源ユニット側のファイバ端が組み込まれ、前後方向に延びる円筒状の接続部材である。フェルール押え217は、レンズホルダ215の縮径部に前面側から挿入されたフェルール216を固定するための有底円筒形状の部材であり、円筒部を上記縮径部の外周面に被せた状態でレンズホルダ215に取り付けられている。
蛍光体220は、発光素子211からのレーザ光によって励起され、レーザ光とは異なる波長の蛍光を発生する発光体である。この蛍光体220は、その外周面が枠体221によって保持され、光ファイバケーブル2のファイバ端の端面に接触させた状態でレンズホルダ215内に配置されている。例えば、蛍光体220は、青色のレーザ光の照射によって黄色の蛍光を発生する。なお、蛍光体220は、2以上の種類の蛍光材料から形成されるものであっても良い。例えば、蛍光体220は、青色のレーザ光の照射により、緑色の蛍光を発生する蛍光材料と、赤色の蛍光を発生する蛍光材料とにより形成される。
反射型フィルタ222は、発光素子211からのレーザ光を透過し、蛍光体220からの光を反射する光学部材であり、枠体221の発光素子側の面を覆うように配置されている。光ファイバケーブル2のファイバ端には、蛍光体220を通過したレーザ光と、蛍光体220から放射された蛍光とが混合した光が検出光DLとして入射される。
投光用光源ユニット21は、光ファイバケーブル2のファイバ端に、発光素子211からのレーザ光と蛍光体220からの蛍光とが混合した光を直接に入射させる構成である。この様なファイバ型光源を用いることにより、ヘッドユニット10及びコントローラ20間の光ファイバケーブル2との接続を簡素化することができる。
<イメージセンサ26>
図5は、図3のイメージセンサ26の構成例を示した図であり、CMOSリニアイメージセンサが示されている。このイメージセンサ26は、多数のピクセルユニットPU,PU,・・・と、これらのピクセルユニットPU,PU,・・・に共通の直流電源Vcc及び出力バッファBFとにより構成される。
ピクセルユニットPU,PU,・・・は、それぞれ画素を構成する画素構成部である。ピクセルユニットPUは、フォトダイオードPD、コンデンサC、トランジスタTR10〜TR30及びバッファBF10により構成される。
フォトダイオードPDは、受光強度に応じた受光信号を生成する受光素子である。コンデンサCは、フォトダイオードPDからの受光信号に基づいて、受光量に応じた電荷を蓄積する容量素子である。トランジスタTR10は、リセット信号によりスイッチングし、オン状態において、PDに直流電源Vccによる逆バイアスを付加するための制御素子である。
トランジスタTR20は、GS(グローバルシャッタ)信号によりスイッチングし、オン状態において、PDからの受光信号によってコンデンサCに電荷を蓄積させる制御素子である。リセット信号及びGS信号は、イメージセンサ26の露光時間を調整するための露光制御信号であり、測定制御部27により生成される。
トランジスタTR30は、アドレス0の読出信号によりスイッチングし、オン状態において、コンデンサCの蓄積電荷に対応する信号を出力するための制御素子である。読出信号は、イメージセンサ26から蓄積電荷を読み出すための制御信号であり、測定制御部27により生成される。コンデンサCの蓄積電荷を示す信号は、バッファBF10及びTR30を介して出力バッファBF2に入力される。
ピクセルユニットPUは、フォトダイオードPD、コンデンサC、トランジスタTR11〜TR31及びバッファBF11により構成され、これらのデバイスは、ピクセルユニットPUの各デバイスと同様に機能する。他のピクセルユニットPU,PU,・・・についても、PU及びPUと同様に構成される。
このイメージセンサ26の距離計測時の動作は、以下の通りである。まず、初期化ステップでは、全てのアドレス0,1,・・・について、読出信号がHレベルに切り替えられ、TR30,TR31,・・・は、いずれもオフ状態になる。また、リセット信号及びGS信号が、いずれもLレベルに切り替えられ、TR10,TR11,・・・は、同時にオフ状態になり、TR20,TR21,・・・は、同時にオン状態になる。このとき、コンデンサC,C,・・・には、Vccの電源電圧に応じた電荷が蓄積される。
次に、露光ステップでは、リセット信号がHレベルに切り替えられ、TR10,TR11,・・・が同時にオン状態に移行すれば、露光を開始し、PD,PD,・・・は、受光強度に応じた受光信号を生成し、コンデンサC,C,・・・は、受光量に応じた電荷蓄積を開始する。次に、GS信号がHレベルに切り替えられ、TR20,TR21,・・・が同時にオフ状態に移行すれば、露光を終了し、コンデンサC,C,・・・に対する電荷蓄積が停止する。
次に、読出ステップでは、アドレス0,1,・・・について、読出信号を順次にLレベルに切り替えることにより、コンデンサC,C,・・・から蓄積電荷が時系列に読み出される。コンデンサC,C,・・・の蓄積電荷は、電圧信号Voutとして測定制御部27へ出力される。距離計測時には、この様な初期化ステップ、露光ステップ及び読出ステップが露光周期ごとに繰り返される。
図6は、図3の測定制御部27の動作の一例を示した図であり、ワークWの反射率を異ならせた場合の受光波形5及び6が示されている。図中の(a)には、ワークWの低反射率領域LAを計測した場合の受光波形5及び6が示されている。図中の(b)には、ワークWの高反射率領域HAを計測した場合の受光波形5及び6が示されている。図には、横軸をピクセル位置とし、縦軸を受光強度として、受光波形5及び6がそれぞれ描画されている。
受光波形5は、イメージセンサ26上のピクセル位置と受光強度との関係を表す特性曲線であり、イメージセンサ26から読み出した蓄積電荷に基づいて作成される。ワークWの低反射率領域LAを計測した場合の受光波形5には、短波長側と長波長側とに鋭いピークが形成され、これらのピーク間には、受光強度が緩やかに変化する1つのピークが形成されている。短波長側のピーク波形は、蛍光体励起用のレーザ光に対応する受光波形である。長波長側のピーク波形は、ワークWからの反射光に対応する信号波形である。短波長側のピーク波形と緩やかに変化するピーク波形とは、ワークW以外の部材からの反射光に対応する受光波形である。
受光波形6は、モニタ用受光素子29上のピクセル位置と受光強度との関係を表す特性曲線であり、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいて作成される。ここでは、モニタ用受光素子29が、2以上のPD(フォトダイオード)が直線状に配列されたCMOSイメージセンサにより構成されるものとしている。ワークWの低反射率領域LAを計測した場合の受光波形6には、1つの鋭いピークが形成されている。
投光用光源にレーザ光源を用い、レーザ光によって励起された蛍光体220が発する蛍光と蛍光体220を透過したレーザ光との混合光を検出光DLとして使用することにより、検出光DLの光量を極めて大きくすることができる。このため、表面の反射率が低い低反射率領域LAを計測する場合であっても、十分な受光強度が得られるため、信号波形がノイズに埋もれることはなく、ピーク位置を正確に特定することができる。
ところが、低反射率領域LAと高反射率領域HAとが交互に繰り返し形成されたワークWを検出対象物とし、ワークWが低反射率領域LA及び高反射率領域HAの配列方向に搬送される場合、低反射率領域LAの測定に合わせて露光時間を設定すれば、次の高反射率領域HAの測定時に受光量の飽和が生じてしまうという問題があった。
ワークWの高反射率領域HAを計測した場合の受光波形5では、受光強度が上限に到達して飽和しており、短波長側のピーク波形のピーク位置や長波長側のピーク波形の特定が困難である。
本実施の形態による共焦点変位計1では、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいてイメージセンサ26の受光量を制御するため、イメージセンサ26の飽和を抑制することができる。特に、イメージセンサ26から全受光素子分の蓄積電荷を読み出さなくても良いため、受光量制御の追従性が向上し、露光周期ごとに反射率が大きく変化するようなワークWを測定する場合であっても、イメージセンサ26の飽和を抑制することができる。
イメージセンサ26の受光量制御は、受光波形6のピーク強度(受光量)を判定閾値DTと比較することによって行われる。例えば、イメージセンサ26の露光中にピーク強度が判定閾値DTを上回れば、容量素子への電荷蓄積を直ちに停止させることによってイメージセンサ26の露光時間が短縮される。一方、イメージセンサ26の露光中にピーク強度が判定閾値DTを上回らなければ、予め定められた露光時間が経過するまで、容量素子への電荷蓄積が継続される。
図7は、図3の測定制御部27の動作の一例を示した図であり、受光信号のゲインを異ならせた場合の受光波形5及び6が示されている。図中の(a)には、受光信号のゲインを小さくした場合が示され、(b)には、受光信号のゲインを大きくした場合が示されている。受光信号を増幅するアンプのゲインを調整することによっても、イメージセンサ26の受光量を制御することができる。
例えば、モニタ用受光素子29の受光量が判定閾値DT以上になった場合に、ゲインを小さくする。一方、モニタ用受光素子29の受光量が判定閾値DTを上回らなければ、予め定められたゲインが維持される。この様に受光強度のダイナミックレンジを変化させることにより、周囲環境やワークWが変化した場合であっても、安定した変位計測を行うことができる。
<測定制御部27>
図8は、図3の測定制御部27の構成例を示したブロック図である。この測定制御部27は、受光波形取得部101、基底波形推定部102、信号波形算出部103、距離算出部104、換算式記憶部105、波形データ出力部106、参照範囲受付部107、受光量制御部108及び投光量制御部109により構成される。
受光波形取得部101は、イメージセンサ26から蓄積電荷を順次に読み出すことにより、距離に関する受光強度の分布からなる受光波形5を取得し、基底波形推定部102及び信号波形算出部103へ出力する。イメージセンサ26には、多数の受光素子が直線状に配列されていることから、受光素子ごとの受光量を示す受光強度データが配列方向の位置に関連づけて管理される。受光波形5は、受光素子の配列方向の位置をピクセル位置と呼ぶことにすれば、それぞれがピクセル位置に関連づけられた多数の受光強度データからなる。
基底波形推定部102は、受光波形取得部101により取得された受光波形5の形状に基づいて、その基底波形を推定する。基底波形は、ノイズ成分を示す受光波形であり、ヘッドユニット10の対物レンズ14から出射されなかった検出光DLに対応する。
例えば、基底波形推定部102は、代表点列生成手段、強度差分算出手段、重み係数算出手段及び代表点列更新手段により構成される。代表点列生成手段は、受光波形5を構成する2以上のデータ点DPからなるデータ点列に対し、参照範囲RRを一定距離だけ移動させるごとに、参照範囲RR内のデータ点列にフィッティングする回帰曲線を求めて代表点RPを定めることにより、2以上の代表点RPからなる代表点列を生成する。強度差分算出手段は、データ点DP及び代表点RP間における受光強度の差分を求める。重み係数算出手段は、上記差分に基づいて、重み係数wを求める。代表点列更新手段は、データ点列に重み係数wを割り当て、参照範囲RRを一定距離だけ移動させるごとに、参照範囲RR内のデータ点列に重み付きでフィッティングする回帰曲線を求めて代表点RPを新たに定めることにより、代表点列を更新する。基底波形は、更新後の代表点列により構成される。
信号波形算出部103は、受光波形5及び基底波形に基づいて、信号波形を求め、距離算出部104及び波形データ出力部106へ出力する。信号波形は、対物レンズ14から出射され、ワークWによって反射された検出光DLに対応する受光波形であり、受光波形5及び基底波形の差分から求められる。基底波形推定部102及び信号波形算出部103は、対物レンズ14から出射されなかった検出光DLに対応する基底波形を除去することにより、受光波形5から信号波形を抽出する基底波形除去手段である。
距離算出部104は、信号波形算出部103により求められた信号波形に基づいて、ワークWまでの距離WDを求め、表示部28へ出力する。受光波形上のピクセル位置は、イメージセンサ26上の該当する位置に結像する光の波長に対応し、波長は距離WDに対応することから、距離WDは、信号波形のピーク位置を特定することによって求められる。
例えば、信号波形を構成するデータ点列に対し、受光強度が判定閾値以上のデータ点列が存在すれば、ワークWからの反射光成分に対応すると判断し、当該データ点列において受光強度が最大のデータ点のピクセル位置がピーク位置として特定される。或いは、受光強度が判定閾値以上のデータ点列にフィッティングする曲線を求め、その曲線の最大点のピクセル位置をピーク位置としても良い。
また、距離算出部104は、算出した距離WDを基準値と比較することにより、変位量を求め、表示部28へ出力する。換算式記憶部105には、ピクセル位置、波長及び距離WDを互いに対応づけるための換算式又はテーブルが保持される。
波形データ出力部106は、信号波形算出部103により求められた信号波形を画面表示するための波形データをPC3へ出力する。参照範囲受付部107は、PC3から参照範囲RRを受け付ける。参照範囲RRは、受光波形5を構成するデータ点列を解析する際の処理単位であり、参照範囲RRに基づいて基底波形が推定される。
受光量制御部108は、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいて、イメージセンサ26の受光量を制御する。この受光量制御は、イメージセンサ26内の受光素子による露光時間を調整することによって行われる。例えば、モニタ用受光素子29の受光量が判定閾値DT以上になった場合に、イメージセンサ26内の容量素子への電荷蓄積を停止させることにより、露光時間が短縮される。
投光量制御部109は、イメージセンサ26からの受光信号に基づいて、検出光DLの投光量を制御する。例えば、レーザ光を生成する発光素子211を制御し、レーザ光のパルス時間(パルス幅)を変えることにより、検出光DLの投光量が調整される。上述した様な露光時間調整又は投光量制御により、受光強度は、時間とともに変動するため、基底波形が変化する。基底波形推定部102では、現在の受光波形から基底波形を推定するため、動的に変化する基底波形が自動的に求められる。この様にして求められる基底波形を受光波形から減算することにより、周囲環境やワークWによってダイナミックレンジが変化しても、正しい信号波形を求めることができる。なお、受光信号を増幅するアンプのゲインを調整することによって、受光強度のダイナミックレンジを変化させても良い。
<受光量制御部108>
本実施の形態における受光量制御の方法には、種々の方法がある。あるサンプリング期間中に受光量の制御の必要が生じたときに、当該サンプリング期間中の受光量を制御する方法と、次回以降のサンプリング期間中の受光量を制御する方法である。受光量の制御は、図20に示すようなイメージセンサ26における受光波形のピーク値が、飽和せず、かつピーク値許容ゾーンに入るよう、受光量制御パラメータの制御を行う。
図18(a)は、モニタ用受光素子29で0次光をモニタし、0次光があるしきい値に達したら、イメージセンサ26の露光量を制御すべくイメージセンサ26のシャッタを閉じる方法である。測定開始後、S18a1にあるように、モニタ用受光素子29の受光量がモニタ用受光素子29の飽和条件に達したか否かを判定する。モニタ用受光素子の受光量はある時点での受光量でもよいし、積算の受光量でもよい。
飽和していると判定されたときは、S18a2にあるように、イメージセンサ26で受光波形を取得し、信号波形を取得し(S18a3)、信号波形、変位の表示を行う(A)。
飽和していないと判定されたときは、S18a4にあるようにイメージセンサ26の露光時間が基準に達したかを判定する。たとえば、測定周期Peを基準とすることができる。露光時間が基準に達するまでS18a1に戻り、0次光の受光量と飽和条件との比較を行う。露光時間が基準に達した後、受光波形を取得し(S18a5)、信号波形を取得し(S18a6)、信号波形、変位の表示を行う(A)。
この際、イメージセンサ26における受光波形は、たとえば、図20に示すようになる。受光波形のうち、計測範囲以外にある励起光の部分が飽和しても、計測範囲にあるピクセル位置の受光強度のピークが飽和していなければ、イメージセンサ26における受光強度は飽和していないとすることができる。受光波形から、実際のワークで反射された光信号以外の部分に相当する基底波形を除去することにより、信号波形が得られる。
図18(b)は、イメージセンサ26における受光波形により、飽和判定を行ない、モニタ用受光素子29における0次光の受光量制御パラメータを算出する。
測定開始時に、予め受光量制御パラメータが記憶される。受光量制御パラメータには、受光素子の露光時間、投光素子の発光時間、発光強度、受光素子の信号増幅器におけるゲインなどである。S18b1に示すように、予め定められた受光量制御パラメータで受光素子での受光波形を取得する。次に、受光波形と飽和条件とを比較し、飽和判定を行なう(S18b2)。この飽和条件は、図20に示すような受光波形の計測範囲内において受光強度のしきい値と、その幅をもとに決められる。飽和していると判定されると、モニタ用受光素子29における0次光の値と受光量制御パラメータに基づき受光量制御パラメータを算出する(S18b3)。受光量が飽和しているので、変位計測ができなかった旨の表示を行う(B)。
受光波形が飽和していると判定されると、受光波形のピーク値に基づいて、次の測定周期における受光量制御パラメータを算出する。算出された受光量制御パラメータは、次の測定周期の際に用いられる。この受光量制御パラメータを用いることにより、受光波形が飽和せず、かつピーク値がピーク値許容ゾーンに入るよう可能性が高い条件で、変位計測が行なわれる。
受光波形が不飽和と判定されると、受光波形のピーク値に基づいて、次の測定周期における受光量制御パラメータを算出し(S18b4)、受光波形取得(S18b5)をした後、信号波形、変位の表示を行う(A)。不飽和の場合であっても、不飽和となり、かつ、ピーク共用範囲に収まるよう次の測定周期における受光量の制御するため、受光量制御パラメータを用いることができる。
図18(c)は、イメージセンサ26における受光波形により、飽和判定を行ない、モニタ用受光素子29における0次光の値と、基準に達するまでの時間に基づき、受光量制御パラメータを算出する。
モニタ用受光素子29において、0次光の受光量が基準に達するまでの露光時間、例えば、図10に示す露光時間Teを取得しつつ(S18c1)、予め定められた受光量制御パラメータでイメージセンサ26での受光波形を取得する(S18c2)。次に、受光波形と飽和条件とを比較し、飽和判定を行なう(S18c3)。飽和していると判定されたときは、モニタ用受光素子29における0次光の値と基準に達するまでの露光時間とに基づき、受光量制御パラメータを算出する(S18c4)。受光量が飽和しているので、変位計測ができなかった旨の表示を行う(B)。
受光波形が不飽和と判定されると、受光波形のピーク値に基づいて、次の測定周期における受光量制御パラメータを算出し(S18c5)た後、信号波形、変位の表示を行う(A)。
図19(a)は、モニタ用受光素子29での0次光の受光量に基づき、受光量制御パラメータを算出するものである。
測定開始後、モニタ用受光素子29において、0次光の積算値の取得を行う(S19a1)。あらかじめ設定された受光量制御パラメータを用いて、イメージセンサ26での受光波形を取得する(S19a2)。モニタ用受光素子29における0次光の受光量と飽和条件とを比較し、比較判定を行なう(S19a3)。飽和と判定されると、モニタ用受光素子29における0次光の値と受光量制御パラメータに基づき、次の測定周期に用いる受光量制御パラメータを算出する(S19a4)。不飽和と判定されると、受光波形のピーク値に基づいて、次の測定周期における受光量制御パラメータを算出し(S19a5)、信号波形を取得する(S19a6)。
図19(b)は、モニタ用受光素子29での0次光の値と受光量がある基準に達するまで時間に基づき、受光量制御パラメータを算出するものである。
測定開始後、モニタ用受光素子29において、0次光の受光量が基準に達するまでの露光時間、例えば、図10に示す露光時間Teを取得しつつ(S19b1)、予め定められた受光量制御パラメータでイメージセンサ26での受光波形を取得する(S19b2)。モニタ用受光素子29における0次光の受光量と飽和条件とを比較し、比較判定を行なう(S19b3)。飽和と判定されると、モニタ用受光素子29における0次光の値と基準に達するまでの時間、例えば、図10に示す露光時間Teに基づき、次の測定周期に用いる受光量制御パラメータを算出する(S19b4)。不飽和と判定されると、受光波形のピーク値に基づいて、次の測定周期における受光量制御パラメータを算出し(S19b5)、信号波形を取得する(S19b6)。
このように、イメージセンサ26の受光量が飽和した場合、イメージセンサ26の受光信号からでは、どの程度受光量を減らせば飽和しないかを判断することは難しい。あるサンプリング期間中に受光素子で飽和した場合、受光素子において飽和していないときのモニタ用受光素子29の受光強度と、受光素子で飽和した当該サンプリング期間中のモニタ用受光素子29の受光強度とを比較することで、どの程度受光強度を下げれば、イメージセンサ26で飽和しないかを演算することができる。
図6(b)のように一部でも飽和していれば飽和していると判断してもよいし、受光波形のうち変位計測に用いる範囲のピクセル位置にあるピクセルで飽和しているか否かを判断する。たとえば、励起光成分のみが飽和し、信号成分は不飽和であるときは、飽和していないと判断してもよい。この信号波形が飽和しているか否かは、イメージセンサ26の各画素の受光量に基づき判断される。受光量を大きくする方法としては、投光用光源ユニット21を制御し、投光量を増やし、ワークで反射されイメージセンサ26に入射される光信号の絶対量を増やす方法、イメージセンサ26の露光時間を増やす方法などがある。
なお、この際、当該測定周期における信号波形の最大値がある基準値よりもたかく、飽和領域に近い場合は、ピークを大きくするよう制御しなくてもよい。
信号波形のピークを大きくするよう受光量を制御するのは、当該測定周期において、受光素子のシャッターを閉じるタイミングを遅らせることにより、当該測定周期における信号波形のピークを大きくするよう制御してもよいし、次回以降の測定周期において、投光側または受光側を制御し、信号波形のピークが大きくなるよう制御してもよい。
当該測定周期中に受光量を制御する場合には、当該測定周期の計測データも飽和しないので、有効な変位計測値として用いることができる。次回以降の測定周期の受光量を制御する場合であっても、飽和しない可能性が高い受光量へと適切に制御できるので、数回の測定周期において受光量が飽和してしまうものに比べて、早期に飽和しない範囲の受光量に制御でき、飽和により変位計測できなかった箇所を減らすことができる。
このように、モニタ受光素子29で受光した0次光の受光強度と、必要に応じてその受光するまでの時間を測定することにより、受光量制御パラメータを算出し、イメージセンサ26の受光量をどの程度制御すれば、飽和せず、かつ信号波形のピークが大きくなるように制御することができる。
なお、受光量制御手段は、受光量を大きくするよう制御するときは、受光量を小さくするよう制御するときに比べて、受光量の変動が小さくなるよう受光量の制御を行う。これは、受光量を小さくするとためには、受光波形が確実に飽和しないよう受光量を抑え、受光波形が飽和してしまう測定周期の回数を減らす必要がある。
それに対して、受光量を大きくするときは、現時点での受光量制御パラメータであっても、飽和せずに受光波形を取得できているため、受光量を大きくし過ぎることにより受光波形が飽和してしまい、変位計測が得られない測定周期があらわれるのを減らす必要がある。そのため、受光量制御手段は、受光量を大きくするよう制御するときは、受光量を小さくするよう制御するときに比べて、受光量の変動が小さくなるよう受光量の制御を行い、飽和により受光波形が得られない測定周期を減らすことができる。
図9は、図8の受光量制御部108の構成例を示したブロック図である。この受光量制御部108は、図9(a)に示すように、イメージセンサ26の露光時間を調整するアナログ回路であり、積分回路111、基準レベル生成部112、コンパレータ113、タイマ114及びOR回路115により構成される。図9(b)に示すように積分回路111、基準レベル生成部112、コンパレータ113より構成されてもよい。
積分回路111は、モニタ用受光素子29からのモニタ信号を積分することにより、受光量に応じた電荷を蓄積し、蓄積電荷に応じた電圧信号を出力する電荷蓄積部であり、容量素子からなる。基準レベル生成部112は、判定閾値DTに対応する電圧信号を基準レベルとして生成する。
コンパレータ113は、積分回路111からの電圧信号と基準レベル生成部112からの基準レベルとを比較し、比較結果に応じ、タイマ114の入力とともにOR回路115に入力され、露光制御信号を出力する。コンパレータ113は、積分回路の蓄積電荷が判定閾値DTを超えた場合に、露光終了をイメージセンサ26内の制御素子に指示するべくOR回路115に入力される。
なお、受光量制御部108は、積分回路111、基準レベル生成部112及びコンパレータ113の各機能をデジタル的に処理するような構成であっても良い。この場合、モニタ用受光素子29の受光量をサンプリングする際のサンプリング周期は、イメージセンサ26の露光周期よりも短い。例えば、イメージセンサ26の露光周期が100μs程度であるのに対し、モニタ用受光素子29の受光量のサンプリング周期は、1μs程度であり、100倍以上短い。
図10は、図9の受光量制御部108における距離計測時の動作の一例を示したタイミングチャートであり、モニタ信号、積分回路111の出力及び露光制御信号が示されている。モニタ用受光素子29は、時刻tにおいて露光を開始し、時刻tにおいて露光が終了するまでの間、受光強度に応じた一定の電流値からなるモニタ信号を生成する。
モニタ信号は、時刻tにおいてLレベルから立ち上がり、一定レベルを維持した後、時刻tにおいてLレベルに立ち下がっている。このときの露光時間Te=(t−t)は、予め定められた値Teである。
積分回路111の出力は、時刻tにおいて一定レベルからLレベルに立ち下がり、モニタ信号の信号レベルに応じた一定の傾きで単調に増加した後、時刻tにおいて一定レベルに到達している。露光制御信号は、時刻tにおいてLレベルに立ち下がり、Lレベルを維持した後、時刻tにおいてHレベルに立ち上がっている。モニタ用受光素子29は、露光制御信号の立ち下がりに同期して露光を開始し、露光制御信号の立ち上がりに同期して露光を終了する。
イメージセンサ26内の蓄積電荷の読出は、露光制御信号の立ち上がりに同期して時刻tに開始されている。距離計測では、この様な処理が一定の測定周期Pe=(t−t)ごとに繰り返される。
この例では、時刻tからの露光期間中に、積分回路111の出力が基準レベルを上回り、時刻tにおいて、露光制御信号をHレベルに切り替えることにより、電荷蓄積が停止している。このときの露光時間Te=(t−t)は、Teよりも短い。イメージセンサ26内の蓄積電荷の読出は、露光制御信号の立ち上がりに同期して時刻tに開始されている。
本実施の形態によれば、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいてイメージセンサ26の受光量を制御するため、様々なワークWに対応可能でありながら、イメージセンサ26の飽和を抑制することができる。また、イメージセンサ26とは別個のモニタ用受光素子29を用いるため、イメージセンサ26の複雑化及び製造コストの増大を抑制することができる。さらに、イメージセンサ26内の一部の受光素子の受光量に基づいてイメージセンサ26の受光量を制御する場合に比べ、ワークWまでの距離にかかわらず安定してイメージセンサ26の飽和を抑制することができる。
また、モニタ用受光素子29がイメージセンサ26とは別個の回折光を受光するため、イメージセンサ26による受光波形に影響を与えることなく、イメージセンサ26の受光量をモニタリングすることができる。また、ビームスプリッタなどの光学部材を用いなくても、反射光の一部を受光することができるため、分光光学系の構造を簡素化することができる。特に、0次の回折光4aを受光させることにより、イメージセンサ26の受光量をモニタリングする際に、ノイズの影響を抑制することができる。また、0次の回折光4aには、波長成分による拡がりがないため、モニタ用受光素子29を小型化することができる。
なお、本実施の形態では、モニタ用受光素子29が回折格子(分光器24)によって反射された回折光を受光する場合の例について説明したが、本発明は、ワークWからの反射光の一部をモニタ用受光素子29に受光させるための構成をこれに限定するものではない。例えば、スプリッタ22と分光器24との間で分岐させた光をモニタ用受光素子29に受光させるような構成であっても良い。
図11は、コントローラ20の他の構成例を示した図であり、光ファイバケーブル2を分岐させて反射光の一部をモニタ用受光素子29に受光させる場合が示されている。このコントローラ20では、スプリッタ22とファイバ端2bとの間の光ファイバケーブル2にファイバカプラ41が設けられ、ファイバ端2b及び2cに分岐されている。ファイバ端2b、分光器用レンズ23、分光器24、結像レンズ25及びイメージセンサ26からなる分光光学系の構成は、図3のコントローラ20と同様である。
ファイバカプラ41は、ワークWからの反射光を2つに分割し、一方をファイバ端2bに向けて伝達し、他方をファイバ端2cに向けて伝達する光学部材である。ファイバ端2cから出射された光は、集光レンズ42を介してモニタ用受光素子29に入射される。集光レンズ42は、ファイバ端2cの端面に対向するとともに、ファイバ端2cと光軸を一致させて配置されている。
図12は、コントローラ20の他の構成例を示した図であり、ビームスプリッタ43によりモニタ用受光素子29に向けて反射光の一部を反射させる場合が示されている。このコントローラ20では、分光器用レンズ23と分光器24との間にビームスプリッタ43が設けられている。
ビームスプリッタ43は、入射光の一部を透過させ、他の一部をモニタ用受光素子29に向けて反射する平板状の光学部材である。ファイバ端2bから出射され、分光器用レンズ23を透過した光は、ビームスプリッタ43により、その一部が分光器24に向けて透過する一方、他の一部がモニタ用受光素子29に向けて反射される。ビームスプリッタ43により反射された光は、集光レンズ44を介してモニタ用受光素子29に入射される。この様な構成によれば、分光前の光を受光することにより、モニタ用受光素子29を大型化することなく、イメージセンサ26の受光量をモニタリングすることができる。
また、本実施の形態では、発光素子211と光ファイバケーブル2のファイバ端とが同軸に配置される場合の例について説明したが、本発明は、投光用光源ユニット21の構成をこれに限定するものではない。例えば、投光用光源ユニット21は、発光素子211から出射されたレーザ光を光ファイバケーブル2のファイバ端に向けて反射する反射鏡を備える。
図13は、投光用光源ユニット21の他の構成例を模式的に示した断面図である。この投光用光源ユニット21は、発光素子211、集光レンズ214、フェルール216、蛍光体220、反射鏡231及び集光レンズ232により構成される。
発光素子211から出射されたレーザ光は、集光レンズ214を介して反射鏡231に集光される。蛍光体220は、反射鏡231の反射面に配置され、発光素子211からのレーザ光によって励起され、蛍光を発生する。反射鏡231により反射されたレーザ光と、蛍光体220からの蛍光とが混合した光は、集光レンズ232を介してフェルール216内の光ファイバケーブル2のファイバ端に集光され、光ファイバケーブル2に検出光DLとして入射される。
また、本実施の形態では、ヘッドユニット10の共焦点光学系11が、ファイバ端2a、コリメートレンズ13及び対物レンズ14により構成される場合の例について説明したが、本発明は、共焦点光学系11の構成をこれに限定するものではない。
図14は、ヘッドユニット10の他の構成例を示した断面図である。図中の(a)には、筐体12内に回折レンズ15及び対物レンズ14を備えたヘッドユニット10が示されている。
この回折レンズ15は、レリーフ型の回折レンズであり、光の回折現象を利用して入射光を集光又は拡散させる光学部材であり、検出光DLの入射面又は出射面に微細なレリーフ(起伏)が形成されている。レリーフは、光軸方向の深さが光の波長程度であり、光軸を中心とする複数の円環状のパターンが同軸に配置される。
ヘッドユニット10の共焦点光学系11に回折レンズ15を使用する場合、光学特性をヘッドユニット10とコントローラ20との間で一致させることができるため、分光器24には回折格子を用いることが望ましい。
図中の(b)には、ダブレットレンズ16及び対物レンズ14を備えたヘッドユニット10が示されている。ダブレットレンズ16は、凹レンズと凸レンズとを組み合わせた光学部材である。
ヘッドユニット10の共焦点光学系11にダブレットレンズ16を使用する場合、光学特性をヘッドユニット10とコントローラ20との間で一致させることができるため、分光器24にはプリズムを用いることが望ましい。
図中の(c)には、集光レンズ17及び対物レンズ14を備えたヘッドユニット10が示されている。集光レンズ17は、ファイバ端2aから出射された検出光DLを対物レンズ14に向けて集光する光学部材である。このヘッドユニット10では、ダブレットレンズが対物レンズ14として用いられている。
図中の(d)には、集光レンズ17及び対物レンズ14を備えたヘッドユニット10が示されている。このヘッドユニット10では、回折レンズが対物レンズ14として用いられている。この様な光学部材の組み合わせによっても、共焦点光学系11として検出光DLに軸上色収差を生じさせることができる。例えば、プリズム、径方向に屈折率分布を有する円筒状のレンズを共焦点光学系11として用いることができる。
また、本実施の形態では、回折格子が分光器24として用いられる場合の例について説明したが、本発明は、分光器24をこれに限定するものではない。例えば、ワークWからの反射光をプリズムによって分光させても良い。
図15は、コントローラ20の他の構成例を示した図であり、プリズム45を分光器として用いる場合が示されている。プリズム45は、光の分散現象を利用して入射光を分光する分光器であり、三角柱状の透明部材からなる。このプリズム45は、傾斜面に入射した光の一部を透過させる際に、透過角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する一方、傾斜面に入射した光の他の一部をモニタ用受光素子29に向けて反射する。プリズム45の傾斜面により反射された光は、集光レンズ46を介してモニタ用受光素子29に入射される。
また、本実施の形態では、分光器24が反射型の回折格子である場合の例について説明したが、本発明は、分光器24の構成をこれに限定するものではない。例えば、透過角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する透過型の回折格子を分光器24として用いても良い。
図16は、コントローラ20のその他の構成例を示した図であり、透過型の分光光学系が示されている。この分光光学系は、図3の分光光学系と比較すれば、分光器24が透過型の回折格子である点で異なる。
光ファイバケーブル2のファイバ端2bから出射され、分光器用レンズ23を介して分光器24に入射された光は、透過角度に応じて異なる波長成分に分光される。結像レンズ25は、分光された透過光をイメージセンサ26上に結像させる。
イメージセンサ26は、結像レンズ25を介し、分光器24による1次の回折光4bを受光する。一方、モニタ用受光素子29は、集光レンズ47を介し、分光器24による0次の回折光4aを受光する。この様な構成によれば、イメージセンサ26及びモニタ用受光素子29が、分光器24を透過した回折光を受光するため、回折格子によって反射された回折光を受光させる場合に比べ、回折格子の位置ずれが受光波形に与える影響を抑制することができる。
また、本実施の形態では、ヘッドユニット10及びコントローラ20が光ファイバケーブル2を介して接続された共焦点変位計1の例について説明したが、本発明は、共焦点変位計1の構成をこれに限定するものではない。例えば、共焦点変位計1は、光ファイバケーブルを用いることなく、投光用光源から出射された検出光DLを共焦点光学系に誘導し、また、ワークWによって反射され、共焦点光学系を通過した光を直接に分光光学系に誘導するような構成であっても良い。
図17は、共焦点変位計1のその他の構成例を示した図である。この共焦点変位計1は、光ファイバケーブルを備えず、投光用光源31、集光レンズ32,34、ピンホール板33,37、対物レンズ35、ビームスプリッタ36、分光器用レンズ23、分光器24、結像レンズ25、イメージセンサ26及びモニタ用受光素子29により構成される。
投光用光源31は、検出光DLを生成する。集光レンズ32は、投光用光源31から出射された検出光DLをピンホール板33の開口部に集光させる光学部材であり、投光用光源31の発光面に対向させて配置されている。ピンホール板33は、微小な開口を有する平板状の遮光部材である。
集光レンズ34は、ピンホール板33の開口から出射された検出光DLを対物レンズ35に向けて集光する。対物レンズ35は、検出光DLをワークWに向けて出射する。集光レンズ32,34、ピンホール板33及び対物レンズ35は、同軸に配置されている。
ビームスプリッタ36は、ピンホール板33からの光を透過する一方、ワークWによって反射され、対物レンズ35及び集光レンズ34を透過した光をピンホール板37に向けて反射する光学部材である。ピンホール板33,37、集光レンズ34、対物レンズ35及びビームスプリッタ36は、共焦点光学系である。
分光器用レンズ23は、ピンホール板37の開口から出射された光を分光器24に向けて集光する。分光器24は、ワークWによって反射され、共焦点光学系11を通過した光を分光する反射型の回折格子であり、反射角度に応じて異なる波長成分に入射光を分光する。
また、本実施の形態では、受光素子による露光時間を調整することによってイメージセンサ26の受光量が制御される場合の例について説明したが、本発明は、受光量制御の方法をこれに限定するものではない。例えば、モニタ用受光素子29からのモニタ信号に基づいて、検出光DLの光量を調整することにより、イメージセンサ26の受光量を制御するような構成であっても良い。
また、本実施の形態では、レーザ光を発生するレーザ光源が投光用光源として用いられる場合の例について説明した。投光用光源には、LED(発光ダイオード)を用いても良い。また、レーザ光源には、SC(スーパーコンティニューム)光を発生するSC光源を用いても良い。SC光源は、パルスレーザによる非線形光学効果により、連続かつ広帯域なレーザ光を生成する。
また、投光用光源ユニット21は、レーザ光を生成する発光素子211及び蛍光体220に代えて、広い波長帯域の光を出射する光源を含むような構成であっても良い。例えば、投光用光源ユニット21は、白色光を出射するLED(発光ダイオード)又はハロゲンランプを含んでも良い。投光用光源ユニット21は、波長500nm〜700nmの光を出射するが、他の波長帯域の光を出射するような構成であっても良い。例えば、投光用光源ユニット21は、赤外領域の光を出射し、或いは、紫外領域の光を出射するような構成のものであっても良い。
1 共焦点変位計
10 ヘッドユニット
11 共焦点光学系
12 筐体
13 コリメートレンズ
14 対物レンズ
15 回折レンズ
16 ダブレット
20 コントローラ
21 投光用光源ユニット
22 スプリッタ
23 分光器用レンズ
24 分光器
25 結像レンズ
26 イメージセンサ
27 測定制御部
28 表示部
29 モニタ用受光素子
31 投光用光源
32,34 集光レンズ
33,37 ピンホール板
35 対物レンズ
36 ビームスプリッタ
41 ファイバカプラ
43 ビームスプリッタ
45 プリズム
101 受光波形取得部
102 基底波形推定部
103 信号波形算出部
104 距離算出部
105 換算式記憶部
106 波形データ出力部
107 参照範囲受付部
108 受光量制御部
111 積分回路
112 基準レベル生成部
113 コンパレータ
2 光ファイバケーブル
2a〜2c ファイバ端
3 PC
4a 0次の回折光
4b 1次の回折光
5,6 受光波形

Claims (12)

  1. 複数の波長を有する光からなる検出光を生成する投光用光源と、
    上記検出光を検出対象物に向けて出射する対物レンズを有し、上記検出光に軸上色収差を生じさせる共焦点光学系と、
    上記検出対象物によって反射された後、上記共焦点光学系を通過した反射光を分光する分光器と、
    2以上の受光素子を有し、分光された上記反射光を受光して受光信号を生成するイメージセンサと、
    上記受光信号に基づいて、距離に関する受光強度の分布からなる受光波形を取得する受光波形取得手段と、
    上記受光波形に基づいて、上記検出対象物までの距離を求める距離算出手段と、
    上記反射光の一部を受光してモニタ信号を生成するモニタ用受光素子と、
    上記モニタ信号に基づいて、上記イメージセンサの受光量を制御する受光量制御手段とを備えたことを特徴とする共焦点変位計。
  2. 上記分光器は、回折格子であり、
    上記イメージセンサは、上記回折格子による1次の回折光を受光して上記受光信号を生成し、
    上記モニタ用受光素子は、上記回折格子による上記1次の回折光以外の回折光を受光して上記モニタ信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の共焦点変位計。
  3. 上記モニタ用受光素子は、上記回折格子による0次の回折光を受光することを特徴とする請求項2に記載の共焦点変位計。
  4. 上記イメージセンサ及び上記モニタ用受光素子は、上記回折格子を透過した回折光を受光することを特徴とする請求項2又は3に記載の共焦点変位計。
  5. 上記分光器に入射する上記反射光の一部を上記モニタ用受光素子に向けて反射するビームスプリッタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の共焦点変位計。
  6. 上記受光量制御手段は、上記受光素子による露光時間を調整することにより、上記イメージセンサの受光量を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の共焦点変位計。
  7. 上記イメージセンサは、上記受光信号に基づいて、受光量に応じた電荷を蓄積する2以上の容量素子を有し、
    上記受光波形取得手段は、2以上の上記容量素子から蓄積電荷を順次に読み出すことにより、上記受光波形を取得し、
    上記受光量制御手段は、上記モニタ用受光素子の受光量が判定閾値以上になった場合に、上記容量素子への電荷蓄積を停止させることを特徴とする請求項6に記載の共焦点変位計。
  8. 上記受光量制御手段が上記モニタ用受光素子の受光量を取得する際のサンプリング周期は、上記イメージセンサの露光周期よりも短いことを特徴とする請求項7に記載の共焦点変位計。
  9. 前記モニタ用受光素子で得られたモニタ信号をもとに、上記モニタ信号が得られた測定周期またはそれ以降の周期におけるイメージセンサにおける受光量を制御するために、投光用光源、イメージセンサまたは受光波形取得手段の少なくともいずれかを制御するための受光量制御パラメータを算出する請求項1〜8のいずれかに記載の共焦点変位計。
  10. 上記モニタ信号は、モニタ用受光素子で受光した受光信号の瞬時値あるいは上記イメージセンサの露光周期の間の積算値である請求項1〜9のいずれかに記載の共焦点変位計。
  11. 上記受光量制御手段は、上記モニタ用受光素子で受光したモニタ信号または、前記イメージセンサで受光した受光波形と、飽和条件とを比較し、飽和条件を超えたと判定したときに、
    上記モニタ信号にもとづき、上記イメージセンサの受光量を制御する請求項1〜10のいずれかに記載の共焦点変位計。
  12. 上記受光量制御手段は、受光量を大きくするよう制御するときは、受光量を小さくするよう制御するときに比べて、受光量の変動が小さくなるよう受光量の制御を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の共焦点変位計。
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