JP2017115276A - 前開きロンパース - Google Patents
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Abstract
Description
詳述すると、第三係止部を留めないことで裾部がスカートのように1つの筒状に形成されるため短肌着や長肌着として利用でき、第三係止部を留めることで裾部がズボンのように二股に分かれるためコンビ肌着やロンパース(ボディスーツ)としても利用でき、第一係止部及び第二係止部の係合位置を変えることで着用者のサイズに合わせて胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さを容易に調節することができるため、1着で様々な形状の乳幼児衣類として使用でき、着用者が成長しても長期間着用することができる前開きロンパースに関する。
短肌着は着丈が着用者の腰くらいまでの短い前開きの肌着である。前開きであるため首が座っていない新生児でも着せ替えが容易で、裾部がスカートのように1つの筒状に形成されているためオムツを換えることが容易であるので、着せ替えやオムツ替えの機会が多い月齢が0−3か月程度の新生児が着用する肌着として用いられることが多い。
長肌着は着丈が着用者の膝から足首辺りまでである長い前開きの肌着であり、寒い時期に用いられることが多い。上記の短肌着の上に着用して使用することもある。短肌着と同様に、前開きであるため首が座っていない新生児でも着せ替えが容易で、裾部がスカートのように1つの筒状に形成されているためオムツを換えることが容易であるので、着せ替えやオムツ替えの機会が多い月齢が0−3か月程度の新生児が着用する肌着として用いられることが多い。
コンビ肌着は着丈が着用者の太腿の付け根から膝辺りまでのものがあり、前身頃及び後身頃の裾中央部が上に凸の形状をしているものが多い。前身頃及び後身頃の裾中央部に設けられた係止部を係止することでズボンのように裾が二股に分かれて足を動かしてもはだけにくくなるため、足を良く動かす月齢3か月以降の乳幼児に着用させることが多い。
ロンパース(ボディスーツ)は着丈が着用者の太腿の付け根辺りまでのものや長肌着と同様に着丈が着用者の膝から足首辺りまであるものが存在する衣服である。前身頃が前開きのものやTシャツのように頭からかぶせて着せるものがある。後身頃の裾中央部が下に凸の形状をしているものも多く、この場合前身頃及び後身頃の裾中央部に設けられた係止部を係止することでズボンのように2つの筒が形成されるため、足を動かしてもはだけにくくなる。よって、足を良く動かす月齢3か月以降の乳幼児に着用させることが多い。
短肌着は着用者の首が座っていなくても前開きなので着せやすく、着丈が短いため様々なウェアの下に着用できる一方、着丈が短いので裾がずり上がりやすく、着用者が成長すると着丈がすぐに合わなくなるため着用できる期間が短い。
長肌着は着丈が長いので保温性に優れ、前開きなので着せやすい一方、着丈が長いので様々なウェアの下に着用することが難しく、着用者が足をよく動かすようになると着せにくく、裾部がめくれてしまう。
コンビ肌着は前身頃及び後身頃の裾中央部に設けられた係止部を係止すればズボンのように裾が二股に分かれ、係止しなければ長肌着としても使用でき、様々なウェアの下に組み合わせやすい一方、係止部を係止しない状態で使用すると裾がもたつくため着用者にとって着心地が悪いものになる。
ロンパース(ボディスーツ)は着用者が足を動かしてもはだけにくく、様々なウェアの下に着用しても腰回りに布地がたまらない一方、オムツを替える際には前身頃及び後身頃の裾中央部に設けられた係止部を毎回外す必要があるため、オムツ替えの機会が多い新生児には不向きである。
上記4つの乳幼児用衣服はそれぞれに長所と短所があるため、これらの肌着の内いくつか又は全てを買い揃えて状況に応じて着せ替える必要があるという問題点を有する。
さらに、着用者の急激な成長によってすぐにサイズが合わなくなり、せっかく数種類の肌着を買い揃えても短期間しか着用できないという問題点がある。
よって、1着で上記4つの衣服の機能を合わせ持つため複数の種類の衣服を買い揃える必要がなく、且つ着用者が成長しても長期間着用可能な肌着が求められている。
特許文献1には、前身頃が中央部から左右に分離されて前開きできるようにした上着の後身頃の下部に、その上着の後身頃と連続して同一布地によりパンツの後股上部を形成し、上記後股上部の下縁部にパンツの縦方向に伸縮可能な布地によって形成した股部を接続し、さらに上記股部の先端に、横方向に伸縮可能な布地によって形成したお腹を覆う前股上部を接続するとともに、上記前股上部の先端部の左右に後身頃の内面左右に設けられた留め具と係合する留め具を設けたことを特徴とする乳幼児用パンツスーツが記載されている。
特許文献1記載の乳幼児用パンツスーツは、上着が前開きになっているため着用者の首が座っていなくても着せ替えが容易であり、左右の前身頃が横長の面ファスナーによって係合されているため、着用者の上半身の成長に合わせてサイズを調節できる。さらに、前股上部の留め具を後身頃の内面の上下方向に複数設けられている留め具に選択的に係合させることで着用者の下半身の成長に合わせてサイズを調節できる。
しかし、後身頃の内面に設けられている留め具は上下方向に複数配置されているため、着用者の身長の変化には対応できるものの、着用者の胴囲や腰囲等の下半身の横方向への成長には対応できないという問題点を有する。さらに、特許文献1記載の乳幼児用パンツスーツは裾が二股に分かれるように設計されているため、スカートのように裾が1つの筒状に形成されている上記の短肌着や長肌着として使用することができないため、短肌着や長肌着は別に買い揃える必要があるという問題点を有する。
特許文献2記載の乳児用衣服は、前開きになっているため着用者の首が座っていなくても着せ替えが容易である。
しかし、ボタン等の係止具の係止位置を変えることができる設計になっていないことから、着用者の成長に合わせてサイズを調節できないという問題点を有する。さらに、特許文献2記載の乳児用衣服は裾が二股に分かれるように設計されているため、スカートのように裾が1つの筒状に形成されている上記の短肌着や長肌着として使用することができないため、短肌着や長肌着は別に買い揃える必要があるという問題点を有する。
特許文献3に係るベビー用ボディースーツは、着用者の太腿の成長に対応してサイズを調節できるものの、着用者の胴囲や腰囲の成長には対応できないという問題点を有する。上着部分は前開き構造になっていないため着用者の首が座っていないと着せ替えが難しく、着用者の上半身の成長に合わせてサイズ調節することができないという問題点を有する。さらに、特許文献3記載のベビー用ボディースーツは裾が二股に分かれるように設計されているため、スカートのように裾が1つの筒状に形成されている上記の短肌着や長肌着として使用することができないため、短肌着や長肌着は別に買い揃える必要があるという問題点を有する。
特許文献4記載の幼児用衣類は、前開きになっているため着用者の首が座っていなくても着せ替えが容易である。
しかし、伸縮自在な布地で構成されているため着用者の成長にある程度合わせることができるものの、ボタン等の係止具の係止位置を変えることができる設計になっていないことから、着用者の成長に合わせて大幅にサイズを調節できないという問題点を有する。さらに、特許文献4記載の幼児用衣類は裾が二股に分かれるように設計されているため、スカートのように裾が1つの筒状に形成されている上記の短肌着や長肌着として使用することができないため、短肌着や長肌着は別に買い揃える必要があるという問題点を有する。
より詳しくは前身頃が内側前身頃と外側前身頃からなる前開きの構造であるため着せ替えが容易であり、第三係止部を係合しないことで裾部がスカート状の短肌着や長肌着として、第三係止部を係止することで裾部がズボン状のコンビ肌着やロンパースとしても利用でき、1着で様々な種類の乳幼児衣類として使用でき、第一乃至第三係止部の係合位置を変えることで着用者のサイズに合わせて胸囲、胴囲、腰囲、太腿周りの長さを容易に調節することができるため、着用者の成長に合わせて長期間着用することができる前開きロンパースを提供するものである。
本明細書において、「体中央側」とは着用者の体中央方向の領域を意味する。
本明細書において、「脇側」とは着用者の脇方向の領域を意味する。
本明細書において、「裾部」とは足側の縁の外周に沿って、ある特定の幅を持った帯状の領域を意味する。
本明細書において、「裾中央部」とは裾部の中央付近の領域を意味する。
本明細書において、「側縁部」とは縁に沿って、ある特定の幅を持った帯状の領域を意味する。
該後身頃は該前身頃よりも裾方向に長く形成され、該後身頃の裾中央部が突出しており、該外側前身頃と該後身頃は、外側前身頃の裾部と後身頃の裾中央部に設けられた第三係止部により係合自在であることにより、第三係止部を係止することでズボンのように裾が二股に分かれ、係止しなければスカートのように裾が1つの筒状に形成され、つまり1着で様々な衣服として使用できる。例えば、オムツ替えが多い時期は第三係止部を留めずに使用でき、足をよく動かすようになったら係止部を留めて使用できるため、着用者の成長や状況に合わせて長期間使用できる。
着用者の胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さに応じた第一乃至第三係止部における係合位置に係合できる、つまり第一乃至第三係止部における係合位置を変えることができるため、着用者の太腿等の足の太さ、胸囲、胴囲及び腰囲に合わせて、本発明の前開きロンパースの胸囲、胴囲、腰囲、太腿周りの長さを調節することができるため、着用者が成長しても長期間着用することができる。
図1は本発明に係る前開きロンパースにおいて、第三係止部を係止していない場合の正面図であり、図2は本発明に係る前開きロンパースにおいて、第三係止部を係止した場合の正面図である。破線部分は、外面から見た時は見えない又は見るのが困難な、内面を表わしている。
前身頃(2)及び後身頃(3)の着丈は特に限定されず、図1及び2が示すような着用者の太腿の付け根辺りまでのものから着用者の足首辺りまでのものまで、様々な着丈が含まれる。
前身頃(2)及び後身頃(3)は一体であって1枚の布から構成される物であっても良く、別体の前身頃(2)及び後身頃(3)が連結されてなるものであっても良い。
内側前身頃の体中央側側縁部(211)に設けられた第一係止部(4)と、外側前身頃の体中央側側縁部(221)に設けられた第二係止部(5)は、布地に不自然なしわやたるみを生じさせないのであれば、内面に設けられても外面に設けられても良い。
このような構成を備えることで本願の前開きロンパースは前開きの構造となるため、首が座っていない着用者であっても着せ替えが容易であるという効果を奏する。
前開きロンパース(1)は図1及び2に示す如く袖があるものであっても、袖がないものであっても良い。袖の長さは特に限定されない。
図1及び2に示す第三係止部(6)は、外側前身頃の裾部(223)に設けられた留め具(61)と、後身頃の裾中央部(31)に設けられた受け止め具(62)からなるスナップである。留め具(61)と受け止め具(62)の位置は逆であってもよく、すなわち留め具(61)が後身頃の裾中央部(31)に設けられ、受け止め具(62)が外側前身頃の裾部(223)に設けられていても良い。
後身頃の裾中央部(31)を外側前身頃の裾部(223)の内面に入れて留められるように、第三係止部(6)は外側前身頃の裾部(223)の内面及び後身頃の裾中央部(31)の外面に配置されるのが好ましい。この構成により第三係止部(6)周辺に不自然なしわや布地のたるみができることなく、正面から見ても後ろから見ても美しい外観を保つことができ、着用者に第三係止部(6)があたることがないため、着心地がよいものになる。
一方、第三係止具の受け止め具(62)は複数であっても良いが、手早く容易に係合できるように1つであることが好ましい。
図1及び2において、係止しやすさ及び着用者の肌にあたっても違和感が少ないとの観点から第三係止部(6)としてスナップを用いているが、例えば面ファスナー、紐、ボタン、ホック等であっても良く、特に限定されない。
次に、前開きロンパース(1)の胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さを調節する方法について説明する。
図3は、本発明に係る前開きロンパース(1)において、第一乃至第三係止部(4、5、6)の係合位置を胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さが比較的短い着用者に合わせた場合の正面図(A)及び第三係止部の拡大図(B)であり、図4は本発明に係る前開きロンパース(1)において、第一乃至第三係止部(4、5、6)の係合位置を胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さが中程度の着用者に合わせた場合の正面図(A)及び第三係止部(6)の拡大図(B)であり、図5は本発明に係る前開きロンパース(1)において、第一乃至第三係止部(4、5、6)の係合位置を胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さが比較的長い着用者に合わせた場合の正面図(A)及び第三係止部の拡大図(B)である。破線部分は、外面から見た時は見えない又は見るのが困難な、内面を表わしている。
例えば、図3は胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さが比較的短い着用者に合わせた場合の前開きロンパースの正面図(A)及び第三係止部の拡大図(B)である。図3(A)に示す如く、第一係止部(4)の紐は比較的短い長さで結ばれ、第二係止部(5)の面ファスナーは、外側前身頃の体中央側側縁部(221)が内側前身頃の脇側側縁部(212)と最も接近するように係止されている。これにより、前開きロンパース(1)の胸囲、胴囲、腰囲の長さが短くなる。この時、図3(B)に示すように、外側前身頃の裾部(223)に複数設けられた第三係止部の留め具(61)として、外側前身頃の脇側縁部(222)に最も近い留め具(61a)に、第三係止部の受け止め具(62)を係止する。これにより、布地に不自然なしわやたるみが生じることなく着用者の比較的小さいサイズに応じてサイズを調節することができる。
この際、第一係止部(4)をより長い長さで係止したり、第二係止部(5)をより体中央側で係止したりしてしまうと、内側前身頃(2)及び/又は外側前身頃(3)が緩んでしまうため、布地がたるんだり、肌が露出してしまったりと、着用者にとって着心地が悪いものとなる。
さらにこの時、第三係止部の留め具(61)として外側前身頃の体中央側側縁部(221)により近い留め具(61b、61c)を使用してしまうと、第三係止部(6)の位置が体中央よりも第二係止部(5)が設けられた脇側に寄ってしまうため、太腿周りの長さが左右で異なってしまい、着用者にとって着心地が悪いものとなる。
この際、第一係止部(4)をより短い長さで係止すると着用者を締めつけてしまい、より長い長さで係止すると内側前身頃(2)の布地がたるむため着用者にとって着心地が悪い。第二係止部(5)をより体中央側で係止してしまうと、外側前身頃(3)の布地がたるみ、より脇側で係止してしまうと、着用者を締めつけてしまう。
さらにこの時、第三係止部の留め具(61)として留め具(61a)や(61c)を使用してしまうと、第三係止部(6)の位置が体中央部ではなく、着用者の左右いずれかの脇側に寄ってしまうため、太腿周りの長さが左右で異なってしまい、着用者にとって着心地の悪いものとなる。
この際、第一係止部(4)をより短い長さで係止すると着用者を締めつけてしまい、着用者にとって着心地が悪い。第二係止部(5)をより脇側で係止してしまうと、着用者を締めつけてしまう。
さらにこの時、第三係止部の留め具(61)として留め具(61a、61b)を使用してしまうと、第三係止部(6)の位置が体中央部ではなく、外側前身頃の脇側側縁部(222)に寄ってしまうため、太腿周りの長さが左右で異なってしまい、且つ外側前身頃(3)の布地がたるんでしまうため、着用者にとって着心地の悪いものとなる。
2 前身頃
21 内側前身頃
211 内側前身頃の体中央側側縁部
212 内側前身頃の脇側側縁部
22 外側前身頃
221 外側前身頃の体中央側側縁部
222 外側前身頃の脇側側縁部
223 外側前身頃の裾部
3 後身頃
31 後身頃の裾中央部
4 第一係止部
5 第二係止部
6 第三係止部
61 第三係止部の留め具
62 第三係止部の受け止め具
Claims (4)
- 前身頃及び後身頃からなる前開きロンパースであって、
該前身頃は、内側前身頃と外側前身頃からなり、
該内側前身頃の体中央側側縁部と該外側前身頃の脇側側縁部の内面に設けられた第一係止部により、該内側前身頃は固定され、
該内側前身頃の脇側側縁部の外面と該外側前身頃の体中央側側縁部に設けられた第二係止部により、該外側前身頃は固定され、
該後身頃は該前身頃よりも裾方向に長く形成され、該後身頃の裾中央部が突出しており、
該外側前身頃と該後身頃は、外側前身頃の裾部と後身頃の裾中央部に設けられた第三係止部により係合自在であり、
着用者の胸囲、胴囲、腰囲及び太腿周りの長さに応じた第一乃至第三係止部における係合位置に係合できることを特徴とする、前開きロンパース。 - 前記第一係止部が紐であることを特徴とする、請求項1記載の前開きロンパース。
- 前記第二係止部が面ファスナーであることを特徴とする、請求項1又は2記載の前開きロンパース。
- 前記第三係止部が外側前身頃の裾部に設けられた留め具と、後身頃の裾中央部に設けられた受け止め具からなるスナップであって、該留め具が複数設けられていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の前開きロンパース。
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