JP2017115024A - ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】高い低発熱性、破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れるゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤの提供。【解決手段】ジエン系ゴムと、充填剤と、酸変性ポリエチレンとを含有し、前記酸変性ポリエチレンの密度が0.94〜0.98であり、前記酸変性ポリエチレンの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部である、ゴム組成物及びその製造方法、並びに、ゴム組成物で形成された空気入りタイヤ。【選択図】図1

Description

本発明はゴム組成物、その製造方法及び空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤには、高い強度、燃費を向上させる性能等が望まれている。
例えば、特許文献1には、ジエン系ゴム100重量部に対し、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸で変性した変性重合体を1〜50重量部配合してなるゴム組成物が記載されている。
また、特許文献2には、ゴム成分100重量部に対して、高密度ポリエチレンを2〜75重量部(うち架橋可能部分を有する高密度ポリエチレンを20重量%以上含む)配合し、配合樹脂の融点より高い温度で混練されたゴム組成物が記載されている。また、特許文献2には、架橋可能部分を有する高密度ポリエチレンとしてシラン架橋性ポリマー(三菱化学社製、商品名:リンクロンHF−700N)が記載されている。なお、上記製品はシラン活性基が導入された未架橋ポリエチレンである。
特開平10−87900号公報 特開平10−67886号公報
このようななか、特許文献1を参考にして、ジエン系ゴムと酸変性ポリエチレンとを含有するゴム組成物を調製し評価したところ、このようなゴム組成物は、昨今要求されている100%伸長時のモジュラス(M100)のレベルを満足しない場合があることが明らかとなった。
また、特許文献2を参考にして、ジエン系ゴムと高密度ポリエチレンとを含有するゴム組成物を調製し評価したところ、このようなゴム組成物は、破断伸び、低発熱性に劣る場合があることが明らかとなった。
そこで、本発明は高い低発熱性、破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れるゴム組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、上記ゴム組成物を製造するゴム組成物の製造方法、空気入りタイヤを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、酸変性ポリエチレンの密度が0.94〜0.98g/cm3であり、酸変性ポリエチレンの含有量がジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部であることによって所定の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
1. ジエン系ゴムと、充填剤と、酸変性ポリエチレンとを含有し、
前記酸変性ポリエチレンの密度が0.94〜0.98g/cm3であり、
前記酸変性ポリエチレンの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部である、ゴム組成物。
2. 前記酸変性ポリエチレンが、無水マレイン酸で変性されたポリエチレンである、上記1に記載のゴム組成物。
3. 前記酸変性ポリエチレンの融点が、125〜145℃である、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 前記ジエン系ゴムと、前記充填剤と、前記酸変性ポリエチレンとを、前記酸変性ポリエチレンの融点以上の条件下において、混合することによって、上記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を製造する、ゴム組成物の製造方法。
5. 上記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物で形成される空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、高い低発熱性、破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れる。
また、本発明のゴム組成物の製造方法によれば、上記ゴム組成物を製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは低燃費性、強靭性に優れる。
図1は、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図である。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルを表す。
また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、成分が2種以上の物質を含む場合、上記成分の含有量とは、2種以上の物質の合計の含有量を指す。
本明細書において、100%伸長時のモジュラス(M100)、破断伸び及び低発熱性のうちの少なくとも1つがより優れることを、本発明の効果がより優れるということがある。
[ゴム組成物]
本発明のゴム組成物(本発明の組成物)は、
ジエン系ゴムと、充填剤と、酸変性ポリエチレンとを含有し、
前記酸変性ポリエチレンの密度が0.94〜0.98g/cm3であり、
前記酸変性ポリエチレンの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部である、ゴム組成物である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明のゴム組成物に含有される酸変性ポリエチレンは酸で変性されており、充填剤と相互作用して充填剤を効果的に分散させることができるため、本発明のゴム組成物は低発熱性に優れると考えられる。
また、酸変性ポリエチレンの密度は0.94〜0.98g/cm3であるので、上記酸変性ポリエチレンはいわゆる高密度の酸変性ポリエチレンである。また、上記酸変性ポリエチレンとジエン系ゴムとは主鎖が炭化水素であることが共通するため、酸変性ポリエチレンはジエン系ゴムと絡み合うことが可能であり、上記のような絡み合いにより酸変性ポリエチレンがジエン系ゴムに靭性を付与することによって、本発明のゴム組成物は高い破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れると推測される。
以下、本発明の組成物に含有される各成分について詳述する。
<ジエン系ゴム>
本発明のゴム組成物が含有するジエン系ゴムは、主鎖に二重結合を有するものであれば特に限定されない。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、スチレン−イソプレンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム等が挙げられる。
ジエン系ゴムはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム、NR、BRが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴムとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴムが挙げられる。なかでもSBRが好ましい。
ジエン系ゴムの重量平均分子量は特に限定されないが、加工性の観点から、50,000〜3,000,000であることが好ましく、100,000〜2,000,000がより好ましい。なお、ジエン系ゴムの重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定値をもとにした標準ポリスチレン換算値である。
ジエン系ゴムが、天然ゴムと、芳香族ビニル−共役ジエン共重合ゴム及びBRからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む場合、天然ゴムの含有量は、靭性に優れるという観点から、ジエン系ゴムに対して、15〜80質量%であることが好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
<充填剤>
本発明のゴム組成物に含有される充填剤は、特に制限されない。例えば、カーボンブラック及び白色充填剤からなる群から選ばれる少なくとも1種とすることができる。
(カーボンブラック)
充填剤としてのカーボンブラックは特に制限されない。例えば、ゴム組成物に一般的に使用することができるカーボンブラックと同様のものが挙げられる。具体的には例えば、SAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPE、SRF等が挙げられる。なかでも、SAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFが好ましい。
上記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、ゴム組成物の加工性により優れるという観点から、30〜250m2/gであることが好ましく、40〜240m2/gがより好ましい。
ここで、N2SAは、カーボンブラック表面への窒素吸着量をJIS K 6217−2:2001「第2部:比表面積の求め方−窒素吸着法−単点法」にしたがって測定した値である。
カーボンブラックはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(白色充填剤)
充填剤としての白色充填剤は特に制限されない。例えば、ゴム組成物に一般的に使用することができるものと同様のものが挙げられる。具体的には例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、マイカ等が挙げられる。なかでも、シリカが好ましい。
・シリカ
シリカとしては、例えば、湿式シリカ、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
シリカは、シリカの凝集を抑制する観点から、CTAB吸着比表面積が50〜300m2/gであることが好ましく、80〜250m2/gがより好ましい。
ここで、CTAB吸着比表面積は、シリカ表面への臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの吸着量をJIS K6217−3:2001「第3部:比表面積の求め方−CTAB吸着法」にしたがって測定した値である。
白色充填剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
充填剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部がより好ましい。
カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、10〜150質量部が好ましく、30〜120質量部がより好ましい。
白色充填剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜120質量部が好ましく、30〜120質量部がより好ましい。
充填剤としてカーボンブラック及び白色充填剤を併用する場合、カーボンブラックの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、2〜80質量部がより好ましい。また、この場合、白色充填剤の含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、5〜150質量部であることが好ましく、10〜140質量部がより好ましい。
<酸変性ポリエチレン>
本発明のゴム組成物に含有される酸変性ポリエチレンは、変性基としてカルボキシ基又は酸無水物基を有し、主鎖がポリエチレンである重合体である。また酸変性ポリエチレンの密度は0.94〜0.98g/cm3である。つまり、本発明のゴム組成物に含有される酸変性ポリエチレンはいわゆる高密度の酸変性ポリエチレンである。
酸変性ポリエチレンとしては、例えば、不飽和カルボン酸で変性されたポリエチレンが挙げられる。なかでも、酸変性ポリエチレンは、本発明の効果がより優れ、充填剤の分散に優れる点で、無水マレイン酸で変性されたポリエチレンが好ましい。
(主鎖)
酸変性ポリエチレンが主鎖として有するポリエチレンはエチレンの繰り返し単位を有するものであれば特に制限されない。主鎖はエチレンのホモポリマーであることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
(変性基)
酸変性ポリエチレンが有する変性基はカルボキシ基又は酸無水物基であれば特に制限されない。
変性基は不飽和カルボン酸によって形成されることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、または、これらの各酸の酸無水物などが挙げられる。
これらのうち、無水マレイン酸、マレイン酸、アクリル酸を用いることが好ましい。
変性基としては、例えば、下記式(1)で表される基が挙げられる。
式(1)中、*は結合点を表す。
変性基は主鎖と直接又は有機基を介して結合することができる。有機基は特に制限されない。
酸変性ポリエチレンは、変性基を側鎖に有することが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明において、酸変性ポリエチレンの密度は、0.94〜0.98g/cm3である。酸変性ポリエチレンの密度が上記範囲であることによって、本発明のゴム組成物はM100及び破断伸びに優れる。
酸変性ポリエチレンの密度は、本発明の効果がより優れる点で、0.95〜0.98g/cm3が好ましい。
本発明において、酸変性ポリエチレンの密度は、ASTM D1505に準じて測定することができる。
酸変性ポリエチレンの融点は、本発明の効果がより優れ、加工性に優れる点で、125〜145℃であることが好ましく、125〜140℃がより好ましい。
本発明において、融点は、ASTM D3418に準じて示差走査熱量測定(DSC)により、10℃/minの昇温速度で測定された。
酸変性ポリエチレンはその製造について特に制限されない。酸変性ポリエチレンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、酸変性ポリエチレンの含有量は、ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部である。酸変性ポリエチレンの含有量が上記範囲である場合、M100、破断伸び及び低発熱性に優れる。また加工性に優れる。
酸変性ポリエチレンの含有量は、本発明の効果がより優れ、加工性に優れる点で、ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜20質量部であることが好ましい。
(その他の成分)
本発明のゴム組成物は、目的、効果を損なわない範囲で必要に応じてその他の成分(添加剤)を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、ジエン系ゴム及び酸変性ポリエチレン以外の重合体;シランカップリング剤、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、酸化亜鉛、ステアリン酸のような加硫促進助剤、加硫遅延剤、オイル、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されうるものが挙げられる。添加剤の含有量は適宜選択することができる。
・シランカップリング剤
本発明のゴム組成物は、本発明の効果がより優れるという観点から、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤は特に制限されない。なかでも硫黄原子を有するシランカップリング剤(含硫黄シランカップリング剤)が好ましい態様の1つとして挙げられる。
含硫黄シランカップリング剤は、硫黄原子を有するシランカップリング剤であれば特に制限されない。例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(エボニック・デグサ社製Si69)、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドのようなポリスルフィド系シランカップリング剤;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−[エトキシビス(3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタコサン−1−イルオキシ)シリル]−1−プロパンチオール(エボニック・デグサ社製Si363)のようなメルカプト系シランカップリング剤;3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシランのようなチオカルボキシレート系シランカップリング剤;3−チオシアネートプロピルトリエトキシシランのようなチオシアネート系シランカップリング剤が挙げられる。
なかでも、ポリスルフィド系シランカップリング剤が好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シランカップリング剤として、上記シランカップリング剤の1種又は2種以上を予め縮合したものを使用してもよい。シランカップリング剤を縮合する方法は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明において、シランカップリング剤の含有量は、本発明の効果がより優れる点で、ジエン系ゴム100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましい。
本発明のゴム組成物はその製造について特に制限されない。例えば、ジエン系ゴム、充填剤、酸変性ポリエチレン及び必要に応じて使用することができる添加剤を混合することによって製造することができる。なかでも好ましい製造方法を本発明のゴム組成物の製造方法として後述する。
本発明のゴム組成物は例えば従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明のゴム組成物は、例えば、空気入りタイヤ用として使用することができる。
[ゴム組成物の製造方法]
本発明のゴム組成物の製造方法は、
ジエン系ゴムと、充填剤と、酸変性ポリエチレンとを、前記酸変性ポリエチレンの融点以上の条件下において、混合することによって、本発明のゴム組成物を製造する、ゴム組成物の製造方法である。本発明のゴム組成物の製造方法において、酸変性ポリエチレンの密度は0.94〜0.98g/cm3である。酸変性ポリエチレンの含有量はジエン系ゴム100質量部に対して2〜30質量部である。
本発明のゴム組成物の製造方法に使用される、ジエン系ゴム、充填剤及び酸変性ポリエチレンは本発明のゴム組成物と同様である。
上記成分の他に更に添加剤を使用してもよい。添加剤も本発明のゴム組成物と同様である。
混合する際の温度(混合温度)は、加工性に優れるという観点から、酸変性ポリエチレンの融点以上であり、酸変性ポリエチレンの融点を超える温度が好ましい。
混合する際の温度(混合温度)は、180℃以下とすることができる。
また、加硫剤、加硫促進剤等のような加硫系成分以外の成分を予め混合し、これに加硫系成分を加えてもよい。
このとき、上記の予め混合する際の混合温度を、上記の混合温度と同様とすることが好ましい態様の1つとして挙げられる。上記の加硫系成分を加えた後混合する際の混合温度は特に制限されない。酸変性ポリエチレンの融点未満であってもよい。
上記予め混合する際の時間は1分以上20分以下とすることができる。
加硫系成分を加えた後混合する時間は1分以上5分以下とすることができる。
上記成分を混合する際に使用される装置は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本明細書において混合は混練を含むものとする。
[空気入りタイヤ]
次に、本発明の空気入りタイヤについて説明する。
本発明の空気入りタイヤは、上述した本発明のゴム組成物で形成される空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤに使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
ゴム組成物を空気入りタイヤを構成する構造部材に使用することができる。
構造部材としては、例えば、タイヤトレッド部、サイドウォール部、ビード部、カーカス層、ベルト層が挙げられる。
なかでも、タイヤトレッド部を本発明のゴム組成物で形成することが好ましく、キャップトレッド及びアンダートレッドからなる群から選ばれる少なくとも1種を本発明のゴム組成物で形成することがより好ましく、キャップトレッドがさらに好ましい。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示す。なお本発明は添付の図面に限定されない。
図1において、空気入りタイヤは、ビード部1、サイドウォール部2及びタイヤトレッド部3を有する。左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7がタイヤ1周に亘って配置されている。ビード部1においては、リム(図示せず。)に接する部分にリムクッション8が配置されている。
本発明の空気入りタイヤは、例えば、従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、例えば、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<ゴム組成物の製造>
下記第1表又は第2表の各成分を各同表に示す組成(質量部)で用いてゴム組成物を製造した。
具体的には、まず、各表に示す成分のうち加硫系成分(硫黄および含硫黄加硫促進剤)を除く成分を、各表に示す混合温度1の条件下で接線式ミキサーで約3分30秒間混練して混合物を得た。次に、上記混合物に加硫系成分を加え、これらを各表に示す混合温度2の条件下でオープンロールで混練し、ゴム組成物を製造した。
<評価>
上記のとおり製造されたゴム組成物を用いて以下の評価を行った。結果を各表に示す。評価結果は、下記第1表では標準例Iの値を100とする指数で表し、下記第2表では標準例IIの値を100とする指数で表した。
(加硫ゴム試験片の調製)
上記のとおり製造されたゴム組成物を所定の金型中で160℃で15分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を調製した。
・所定伸び引張応力(Se):(モジュラスの指標)
・切断時伸び(EB):(破断伸びの指標)
上記のとおり調製した加硫ゴム試験片からJIS3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、引張速度500mm/分での引張試験をJIS K6251:2010に準拠して行い、100%伸長時における引張応力(100%モジュラス,以下「M100」と略す。))、切断時伸び(EB)[%]を室温にて測定した。
M100の指数が大きいほど応力が大きく、モジュラスが高いことを意味する。
切断時伸びの指数が大きいほど破断伸びに優れることを意味する。
・低発熱性:tanδ(60℃)
上記のとおり調製した加硫ゴム試験片について、粘弾性スペクトロメーター(岩本製作所社製)を用いて、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度60℃の条件で、損失正接tanδ(60℃)を測定した。
tanδ(60℃)の指数が小さいほど、低発熱性に優れることを意味する。
上記第1表及び第2表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
・NR:天然ゴム、NUSIRA SIR20
・SBR:スチレンブタジエンゴム、Nipol 1502(日本ゼオン社製)
・BR:ブタジエンゴム、Nipol BR 1220(日本ゼオン社製)
・酸変性ポリエチレン1:無水マレイン酸変性高密度ポリエチレン(アドマーHE810、三井化学社製)、密度0.96g/cm3、融点130℃
・比較酸変性低密度ポリエチレン:無水マレイン酸変性低密度ポリエチレン(アドマーLF128、三井化学社製)、密度0.9g/cm3、融点110℃
・比較高密度ポリエチレン:高密度ポリエチレン(ノバテックHJ560、三井化学社製)、密度0.96g/cm3、酸変性無、融点135℃
・カーボンブラック:ショウブラックN550(昭和キャボット社製)、N2SA42m2/g
・シリカ:湿式シリカ(ニップシールAQ、CTAB吸着比表面積170m2/g、日本シリカ社製)
・シランカップリング剤:Si69(エボニックデグッサ社製)
・酸化亜鉛:亜鉛華3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤(S−13):N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン(アンチゲン6C、住友化学社製)
・ワックス:大内新興化学社製サンノック
・オイル:エクストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・硫黄:油処理硫黄(軽井沢精錬所社製)
・含硫黄加硫促進剤(CZ):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(サンセラーCM−PO、三新化学工業社製)
第1表に示す結果から明らかなように、酸変性ポリエチレンの密度が所定の範囲を外れる比較例I−1は、M100が低かった。
酸変性されていない高密度ポリエチレンを含有する比較例I−2は、破断伸びが低く、低発熱性に劣った。
酸変性ポリエチレンの含有量が所定の範囲より少ない比較例I−3は、M100が低かった。
酸変性ポリエチレンの含有量が所定の範囲より多い比較例I−4は、加工性が悪く、低発熱性等を評価できなかった。
これに対して、第1表において、本発明のゴム組成物は、高い低発熱性、破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れた。また本発明のゴム組成物は加工性に優れた。
実施例I−1〜3を比較すると、酸変性ポリエチレンの量が多いほど、100%伸長時のモジュラスにより優れた。
第2表に示す結果から明らかなように、酸変性ポリエチレンの密度が所定の範囲を外れる比較例II−1は、M100が低かった。
酸変性されていない高密度ポリエチレンを含有する比較例II−2は、破断伸びが低く、低発熱性に劣った。
これに対して、第2表において、本発明のゴム組成物は、高い低発熱性、破断伸びを維持しつつ、100%伸長時のモジュラスに優れた。また本発明のゴム組成物は加工性に優れた。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムと、充填剤と、酸変性ポリエチレンとを含有し、
    前記酸変性ポリエチレンの密度が0.94〜0.98g/cm3であり、
    前記酸変性ポリエチレンの含有量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対して、2〜30質量部である、ゴム組成物。
  2. 前記酸変性ポリエチレンが、無水マレイン酸で変性されたポリエチレンである、請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記酸変性ポリエチレンの融点が、125〜145℃である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ジエン系ゴムと、前記充填剤と、前記酸変性ポリエチレンとを、前記酸変性ポリエチレンの融点以上の条件下において、混合することによって、請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物を製造する、ゴム組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物で形成される空気入りタイヤ。
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