JP2017114024A - フレキソ印刷版原版 - Google Patents

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康滋 森原
Koji Morihara
康滋 森原
橋本 英幸
Hideyuki Hashimoto
英幸 橋本
甲樹 松岡
Koki Matsuoka
甲樹 松岡
所 圭輔
Keisuke Tokoro
圭輔 所
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Abstract

【課題】支持体と記録層である弾性体層の間の接着性に優れるとともに可撓性にも優れるフレキソ印刷版原版を提供すること。
【解決手段】
支持体12の面上に接着剤層14と弾性体層16を順に有し、弾性体層16が、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上と、非極性ポリマーと、を含有し、接着剤層14が、下記(a)および(b)の硬化体を含有するフレキソ印刷版原版10とする。
(a)分子量が1000未満であり、溶解度パラメータが11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下である(メタ)アクリレート
(b)分子量が1000以上、もしくは、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上である(メタ)アクリレート
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキソ印刷版原版に関し、さらに詳しくは、レーザ彫刻によって凸版を形成する原版として好適なフレキソ印刷版原版に関するものである。
従来から、印刷版を用いて、包装材やラベル、雑誌等の被刷体に、凸版印刷、凹版印刷、あるいは、平版印刷が行われている。このうち、凸版印刷は、凸版を用いて行われる。この凸版には、材質が柔らかいことから被刷体を選ばず、種々の被刷体に適用可能なフレキソ印刷版がある。
フレキソ印刷版の原版から凸版を形成する方法としては、感光性樹脂層に所定の画像を露光して硬化した部分を浮き彫りにする方法とともに、架橋樹脂層または架橋ゴム層にレーザ彫刻を行って所定の画像を浮き彫りにする方法がある。レーザ彫刻法による凸版形成に用いられるフレキソ印刷版原版としては例えば特許文献1に記載のものなどが挙げられる。特許文献1には、支持体上に所定の光硬化性接着剤を介して樹脂組成物からなる記録層を有するフレキソ印刷版原版が示されている。
特許第5409434号公報
フレキソ印刷版において、支持体と記録層を接着する接着剤には、接着性と可撓性の両方が求められる。しかし、従来の接着剤では、これらを両立させることができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、支持体と記録層である弾性体層の間の接着性に優れるとともに可撓性にも優れるフレキソ印刷版原版を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るフレキソ印刷版原版は、支持体の面上に接着剤層と弾性体層を順に有し、前記弾性体層が、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上と、非極性ポリマーと、を含有し、前記接着剤層が、下記(a)および(b)の硬化体を含有することを要旨とするものである。
(a)分子量が1000未満であり、溶解度パラメータが11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下である(メタ)アクリレート
(b)分子量が1000以上、もしくは、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上である(メタ)アクリレート
前記(a)は、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して炭素数3以上の鎖式炭化水素が結合した(メタ)アクリレートであることが好ましい。前記(a)の分子量は、500以下であることが好ましい。質量比で、前記(a):前記(b)=20:80〜80:20の範囲内であることが好ましい。前記(a)は、2〜4官能の(メタ)アクリレートであることが好ましい。前記(b)は、2官能の(メタ)アクリレートであることが好ましい。前記弾性体層は、パラフィン系可塑剤と、非極性ポリマーとしてのエチレンプロピレンジエンゴムと、を含有することが好ましい。
本発明に係るフレキソ印刷版原版によれば、支持体と弾性体層の間の接着性に優れるとともに可撓性にも優れる。
本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。
次に、本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。図1に示すように、一実施形態に係るフレキソ印刷版原版10は、支持体12と、接着剤層14と、弾性体層16と、を備える。支持体12の面上に、接着剤層14と弾性体層16とがこの順で積層されている。接着剤層14は、支持体12に接して設けられ、弾性体層16は、接着剤層14に接して設けられている。接着剤層14は、支持体12に弾性体層16を接着するものである。
支持体12は、その上に積層される弾性体層16などの層を支持する。支持体12としては、特に限定されるものではないが、例えば樹脂製フィルムが挙げられる。樹脂製フィルムとしては、寸法安定性に優れることから、PETフィルムなどのポリエステルフィルムが挙げられる。支持体12の厚さは、特に限定されるものではないが、その上に積層される弾性体層16などの層を支持するのに十分な強度が得られるなどの観点から、例えば50〜300μmの範囲内とすればよい。また、支持体12の表面には、活性基を付与する表面処理(プラズマ処理、UV処理、EB処理、コロナ処理など)を行ってもよい。
弾性体層16は、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上と、非極性ポリマーと、を含有する。非極性ポリマーは、弾性体層16のベースゴムである。非極性ポリマーは、極性基を有していないポリマーである。極性基としては、クロロ基、ニトリル基、カルボキシル基、エポキシ基などが挙げられる。一方、極性基を有する極性ゴムとしては、ヒドリンゴム、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、アクリルゴム(アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合体、ACM)、クロロプレンゴム(CR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)などが挙げられる。
非極性ポリマーとしては、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、これらの部分水添物などが挙げられる。ポリブタジエン(BR)としては、1,2−ポリブタジエン(1,2−BR)、1,4−ポリブタジエン(1,4−BR)が挙げられる。1,2−ポリブタジエンは、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンである。非極性ポリマーは、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、耐インキ性に優れる(インキによる膨潤が抑えられる)ことから、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ポリブタジエン(BR)、ブチルゴム(IIR)の1種または2種以上を含むことが好ましい。特に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を含むことが好ましい。非極性ポリマーとしてエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を含む場合には、その含有量は、非極性ポリマーを含むポリマー全体に対し、50〜100質量%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、75〜95質量%の範囲内である。
パラフィン系可塑剤やナフテン系可塑剤は、軟化や加工などの目的でゴム材料に配合されるオイルであるとともに、パラフィン系可塑剤やナフテン系可塑剤は、(a)成分を硬化後の弾性体層16へ浸み込み易くすることができ、これによって光硬化時の接着強度が向上すると推察される。
パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうちの1以上の含有量は、特に限定されるものではないが、加工性や取り扱い性などの観点から、非極性ポリマー100質量部に対し1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは5〜50の範囲内である。
弾性体層16は、レーザ彫刻を容易にするためのエネルギー吸収体として、赤外線吸収物質を含有しているとよい。赤外線吸収物質としては、カーボンブラック、グラファイト、合成グラファイト、フラーレン等のカーボンなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。ファーネスブラックとしては、オイルファーネス、ガスファーネス、ガスブラックなどが挙げられる。赤外線吸収物質の含有量は、特に限定されるものではないが、非極性ポリマー100質量部に対し5〜40質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは10〜25質量部の範囲内である。
レーザ彫刻を行う場合、赤外線吸収物質は、粒子径がレーザ光のスポット径サイズよりも小さいものとするとよい。これにより、赤外線吸収物質の周囲に存在する有機物の燃焼幅をレーザ光のスポット径サイズにできる。また、粒子径を小さくすることで、レーザエネルギーの吸収ロスを小さくし、レーザエネルギー深度を深くまで届くようにできる。このようにして、所望のレリーフ画像に対する凹凸形状の精度を向上させる。したがって、赤外線吸収物質の粒子径は500nm以下にするとよい。赤外線吸収物質の粒子径は、レーザードップラー法(動的・電気泳動光散乱法)により測定することができる。この測定には、例えば大塚電子社製「ELSZ−1000ZS」などを用いることができる。粒子径は、算術平均径で示される。
弾性体層16の厚みは、特に限定されるものではないが、生産性の観点から0.5〜5mmの範囲内であることが好ましい。
接着剤層14は、接着剤成分を含有する。接着剤成分としては、(メタ)アクリレートが用いられる。(メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを表す。接着剤層は、下記(a)および(b)の硬化体を含有する。
(a)分子量が1000未満であり、溶解度パラメータが11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下である(メタ)アクリレート
(b)分子量が1000以上、もしくは、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上である(メタ)アクリレート
上記(a)の(メタ)アクリレートは、溶解度パラメータ(SP値)が11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下であることにより、弾性体層16の非極性ポリマーとの親和性に優れ、弾性体層16に対する濡れ性に優れると推察される。そして、分子量1000未満と低分子量であることにより、非極性ポリマーを含む弾性体層16の内部によく浸み込むと推察される。弾性体層16の内部に浸み込んだ(a)の(メタ)アクリレートは、弾性体層16の内部で硬化、反応する。これにより、弾性体層16との優れた接着効果が得られる。
上記(a)の(メタ)アクリレートは、弾性体層16の非極性ポリマーとの親和性により優れるなどの観点から、溶解度パラメータ(SP値)は、より好ましくは10.6以下、さらに好ましくは10.4以下である。また、弾性体層16の非極性ポリマーとの親和性により優れるなどの観点から、溶解度パラメータ(SP値)は、より好ましくは9.0以上、さらに好ましくは9.2以上である。上記(a)の(メタ)アクリレートは、非極性ポリマーを含む弾性体層16の内部により浸み込みやすくするなどの観点から、より低分子量であることが好ましい。具体的には、分子量480以下であることが好ましい。さらに好ましくは分子量466以下である。上記(a)の(メタ)アクリレートは、架橋するとともに硬くなりすぎて可撓性が低下するのを抑えるなどの観点から、2〜4官能の(メタ)アクリレートであることが好ましい。上記(a)の(メタ)アクリレートは、弾性体層16の非極性ポリマーとの親和性により優れるなどの観点から、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して炭素数3以上の鎖式炭化水素が結合した(メタ)アクリレートであることが好ましいが、(メタ)アクリロイル基に窒素を介して炭素数3以上の鎖式炭化水素が結合したものを用いても良い。
上記(a)のアクリレートとしては、具体的には、プロパンジオールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、デカンジオールジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどが挙げられる。これらのうちでは、硬化時の可撓性および接着性などの観点から、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、デカンジオールジアクリレートがより好ましい。
上記(a)のメタクリレートとしては、具体的には、プロパンジオールジメタクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ノナンジオールジメタクリレート、デカンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレートなどが挙げられる。これらのうちでは、硬化時の可撓性および接着性などの観点から、ブタンジオールジメタアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、ノナンジオールジメタアクリレート、デカンジオールジアクリレートがより好ましい。
上記(b)の(メタ)アクリレートは、分子量が1000以上と比較的高分子量であることにより、分子間距離が長く、硬化後でも柔軟性が確保される。また、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位は、分子間で水素結合が可能である。この構成単位が2以上であることにより、靱性が向上すると推察される。これらの因子により、可撓性が向上し、接着剤層14に曲げの力が作用したときにも割れが抑えられる。また、上記(b)の(メタ)アクリレートの分子量が1000以上と比較的高分子量であることにより、ラミネート塗工時の塗工性、厚み制御性が良好になる。上記(b)の(メタ)アクリレートの分子量は、より好ましくは1100以上である。上記(b)の(メタ)アクリレートは、架橋するとともに硬くなりすぎて可撓性が低下するのを抑えるなどの観点から、2官能の(メタ)アクリレートであることが好ましい。
(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位としては、エステル基、エーテル基、ウレタン基などが挙げられる。これらのうちでは、硬化時の可撓性などの観点から、エーテル基、ウレタン基などが特に好ましい。
上記(b)の(メタ)アクリレートとしては、具体的には、ポリブタジエン末端アクリレート、ポリブタジエン末端メタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコールメタクリレート、プロピレングリコールアクリレート、プロピレングリコールメタアクリレート、テトラメチレングリコールアクリレート、テトラメチレングリコールメタアクリレートなどが挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうちでは、硬化時の可撓性などの観点から、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル系(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記(a)の(メタ)アクリレートと上記(b)の(メタ)アクリレートの質量比は、(a):(b)=20:80〜80:20の範囲内であることが好ましい。これにより、弾性体層16との優れた接着効果と、接着剤層14の割れ防止効果と、のバランスに優れる。より好ましくは(a):(b)=25:75〜75:25、さらに好ましくは(a):(b)=30:70〜70:30の範囲内である。
接着剤層14の厚みは、特に限定されるものではないが、光透過性および密着性に優れるなどの観点から1〜100μmの範囲内であることが好ましい。
フレキソ印刷版原版10は、例えば支持体12の面上に接着剤層用組成物を塗工し、弾性体層用組成物を成形・架橋し、接着剤層用組成物を介して支持体12の面に弾性体層用組成物の架橋体を貼り合わせ、接着剤層用組成物を硬化することにより、製造することができる。この際、接着剤層用組成物における上記(a)の(メタ)アクリレートが架橋後の弾性体層用組成物に浸み込むことで、接着剤層用組成物を硬化したときに架橋後の弾性体層用組成物の内部で硬化、反応するため、弾性体層16との接着効果が得られる。この接着効果は、弾性体層16が非極性ポリマーとパラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上と、を含有する場合において得られる。弾性体層16がパラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうちの1以上を含有しない場合には、この接着効果は得られない。また、接着剤層用組成物には上記(b)の(メタ)アクリレートが含まれているため、接着剤層14の柔軟性に優れ、接着剤層14の割れが防止される。以上により、支持体12と弾性体層16の間の接着性に優れるとともに可撓性にも優れる。また、接着剤層用組成物には上記(b)の(メタ)アクリレートが含まれているため、接着剤層用組成物の塗工性、厚み制御性が良好になる。
接着剤層用組成物は、上記(a)の(メタ)アクリレート、上記(b)の(メタ)アクリレート、光重合開始剤、必要に応じて配合される添加剤を含有する組成物から構成される。
弾性体層用組成物は、未架橋の非極性ポリマー、架橋剤、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうちの1以上、必要に応じて配合される添加剤を含有する組成物から構成される。
架橋剤は、未架橋の非極性ポリマーを架橋する架橋剤である。架橋剤としては、硫黄、過酸化物、ヒドロシリル化合物、チオウレアなどが挙げられる。これらのうちでは、架橋密度などの観点から、過酸化物が好ましい。
過酸化物は、特に限定されるものではない。熱的安定性と熱的分解性のバランスを考慮して適宜選択すればよい。過酸化物としては、具体的には、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタネート、ビス(3,5,5−トリメチル−1−オキソヘキシル)ペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。過酸化物の含有量は、特に限定されるものではないが、未架橋の非極性ポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部などであればよい。
添加剤としては、加工助剤、充填材、共架橋剤、老化防止剤などが挙げられる。加工助剤としては、脂肪酸亜鉛、脂肪酸エステル、オルガノシリコーンなどが挙げられる。充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、クレーなどが挙げられる。
老化防止剤の種類は特に限定されるものではなく、アミン系、フェノール系、ベンゾイミダゾール系、ジチオカルバミン酸ニッケル系、リン酸系、有機チオ酸系などが挙げられる。貯蔵安定性やブリードなどの観点からポリマー成分100質量部に対し0.1〜5質量部の範囲内であることが好ましい。
得られたフレキソ印刷版原版10は、弾性体層16にレーザ彫刻を行うことによりレリーフ像が形成される。レーザ彫刻後の表面には彫刻カスが付着するため、水等の洗浄液を用いて彫刻カスを洗い流した後、乾燥するなどの処理を行うとよい。これにより、所定のレリーフ像を有するフレキソ印刷版が得られる。
レーザ彫刻の際に用いるレーザとしては、特に限定されるものではなく、公知のレーザを用いることができる。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ、YAGレーザなどが挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<接着剤層用組成物の調製>
表2〜4に記載の配合組成(質量部)となるように各成分を混合することにより、接着剤層用組成物を調製した。接着剤層用組成物の(メタ)アクリレートは表1の通りである。
・光重合開始剤:チバ・ジャパン社製「IRGACURA1173」
Figure 2017114024
<弾性体層用組成物の調製>
表2〜4に記載の配合組成(質量部)となるように各成分を配合し、100℃にてニーダー中で混練することにより弾性体層用組成物を調製した。
弾性体層用組成物の各成分は以下の通りである。
・非極性ポリマー:住友化学社製「エスプレン305」
・パラフィン系可塑剤:出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW−380」
・ナフテン系可塑剤:出光興産社製「ダイアナプロセスオイルNM−300」
・エステル系可塑剤:ADEKA社製「アデカサイザーRS107」
・過酸化物:日油社製「パーブチルP」
<弾性体層の作製>
上記記載の弾性体層組成物の各成分を混練りし、弾性体層用組成物を180℃のプレスで3分間加熱架橋処理を行うことにより弾性体層を作製した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
支持体として125μm厚の東洋紡社製コスモシャインA−4300を用い、この支持体の面上に接着剤層用組成物を厚み70μmで塗工した。次いで、支持体に形成された接着剤層用組成物の面上に作製した弾性体層をハンドラミネートし、接着剤層用組成物を紫外線で硬化させ、フレキソ印刷版原版を作製した。
作製したフレキソ印刷版原版について、接着性および屈曲時の割れ(可撓性)を評価した。評価方法および評価基準を以下に示す。接着剤層用組成物の配合組成、弾性体層用組成物の配合組成および評価結果を表2〜4に示す。
<接着性>
フレキソ印刷版原版を幅2cm×長さ10cmの形状で打ち抜き、短冊サンプルを作製し、長さ方向に対して端部から1cm剥した短冊状サンプルを作製し、日本電産シンポ社製「FGS−TV 100Nタイプ」を用いて垂直方向に剥離した。その時の剥離距離6〜8cmにおける接着強さMin値が3N/cm未満を接着性に劣る「×」、3N/cm以上を接着性に優れる「〇」とした。
<屈曲時の割れ(可撓性)>
フレキソ印刷版原版を幅2cm×長さ10cmの形状で打ち抜き、短冊サンプルを作製し、長さ方向に対して支点から2cmの位置が重なるように屈曲した。屈曲を解放した時に屈曲箇所にヒビもしくは割れが発生しているものを劣る「×」、発生していないものを優れる「〇」とした。
Figure 2017114024
Figure 2017114024
Figure 2017114024
表2から、接着剤層用組成物において、分子量が1000未満であり、溶解度パラメータが11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下である(メタ)アクリレートを含有することで、パラフィン系可塑剤と非極性ポリマーとを含有する弾性体層に対する接着性に優れることがわかる。比較例1、2では、(メタ)アクリレートの分子量が大きすぎるため、弾性体層に対する接着性に劣る。また、比較例2〜4では、(メタ)アクリレートが、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上であるため、弾性体層に対する接着性に劣る。
表3から、弾性体層において、非極性ポリマーに対しパラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上を含むことで、接着性に優れることがわかる。
表4から、分子量が1000以上、もしくは、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上である(メタ)アクリレートを併用することで、屈曲による接着剤層の割れが防止されることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 フレキソ印刷版原版
12 支持体
14 接着剤層
16 弾性体層

Claims (7)

  1. 支持体の面上に接着剤層と弾性体層を順に有し、
    前記弾性体層が、パラフィン系可塑剤、ナフテン系可塑剤のうち1以上と、非極性ポリマーと、を含有し、
    前記接着剤層が、下記(a)および(b)の硬化体を含有することを特徴とするフレキソ印刷版原版。
    (a)分子量が1000未満であり、溶解度パラメータが11.0以下であり、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が1以下である(メタ)アクリレート
    (b)分子量が1000以上、もしくは、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して結合される、O、N、Sを含む構成単位が2以上である(メタ)アクリレート
  2. 前記(a)が、(メタ)アクリロイル基に酸素を介して炭素数3以上の鎖式炭化水素が結合した(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷版原版。
  3. 前記(a)の分子量が、500以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフレキソ印刷版原版。
  4. 質量比で、前記(a):前記(b)=20:80〜80:20の範囲内であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
  5. 前記(a)が、2〜4官能の(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
  6. 前記(b)が、2官能の(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
  7. 前記弾性体層が、パラフィン系可塑剤と、非極性ポリマーとしてのエチレンプロピレンジエンゴムと、を含有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフレキソ印刷版原版。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023189272A1 (ja) * 2022-03-29 2023-10-05 東レ株式会社 印刷物の製造方法および活性エネルギー線硬化型インキ
WO2023223917A1 (ja) * 2022-05-18 2023-11-23 旭化成株式会社 フレキソ印刷原版、フレキソ印刷版の製造方法、フレキソ印刷版、及びフレキソ印刷方法

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