JP2015182406A - フレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版原版 - Google Patents

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英幸 橋本
井上 大輔
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Koki Matsuoka
甲樹 松岡
所 圭輔
Keisuke Tokoro
圭輔 所
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Abstract

【課題】弾性体層を形成する組成物中に赤外線吸収物質の粒子を高分散させることにより精度の高い凹凸形成を可能とするフレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版原版を提供すること。
【解決手段】オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子を分散させて分散液を調製する工程と、前記分散液をポリマーと混練りして赤外線吸収物質の粒子が分散された組成物を調製する工程と、前記組成物を支持体12の面上に成形して弾性体層14を形成する工程と、を有するフレキソ印刷版原版の製造方法とする。また、これにより得られたフレキソ印刷版原版10とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版原版に関し、さらに詳しくは、レーザ彫刻によって凸版を形成する原版として好適なフレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版原版に関するものである。
従来から、印刷版を用いて、包装材やラベル、雑誌等の被刷体に、凸版印刷、凹版印刷、あるいは、平版印刷が行われている。このうち、凸版印刷は、凸版を用いて行われる。この凸版には、材質が柔らかいことから被刷体を選ばず、種々の被刷体に適用可能なフレキソ印刷版がある。
フレキソ印刷版の原版から凸版を形成する方法としては、感光性樹脂層に所定の画像を露光して硬化した部分を浮き彫りにする方法とともに、架橋樹脂層(弾性体層)にレーザ彫刻を行って所定の画像を浮き彫りにする方法がある。レーザ彫刻法による凸版形成に用いられるフレキソ印刷版原版としては例えば特許文献1に記載のものなどが挙げられる。
特表2004−535962号公報
レーザ彫刻としては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、半導体レーザなどがあり、いずれもレーザ焦点位置に存在する物質を、その物質の比熱に応じて発熱させる特長を利用して彫刻(凹凸形成)している。この特長は、レーザの波長により層別され、波長の長い炭酸ガスレーザは、弾性体層の各構成物質をそれぞれの発火点まで発熱させ、燃焼させることにより弾性体層に凹凸を形成させる。一方、YAGレーザや半導体レーザのように波長が短いタイプは、弾性体層中のカーボンブラック(赤外線吸収物質)等を発熱させ、その熱により赤外線吸収物質の周囲に存在する有機物を燃焼させることにより、弾性体層に凹凸を形成する。いずれの場合も、所望のレリーフ画像に対する凹凸形状の精度は、レーザ光のスポット径サイズの再現と深く彫る深度に影響される。赤外線吸収物質の粒子径がレーザ光のスポット径サイズよりも大きいと、赤外線吸収物質の周囲に存在する有機物の燃焼幅がレーザ光のスポット径サイズよりも大きくなり、所望のレリーフ画像に対する凹凸形状の精度が低下する。また、赤外線吸収物質の粒子径が大きくなるほどレーザエネルギーの吸収ロスが大きくなり、レーザエネルギー深度が浅く、所望のレリーフ画像に対する凹凸形状の精度が低下する。したがって、弾性体層中の赤外線吸収物質凝集を抑え、微粒子状での高分散化が求められる。
本発明が解決しようとする課題は、弾性体層を形成する組成物中に赤外線吸収物質を高分散させることにより精度の高い凹凸形成を可能とするフレキソ印刷版原版の製造方法およびフレキソ印刷版原版を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法は、オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子を分散させて分散液を調製する工程と、前記分散液をポリマーと混練りして赤外線吸収物質の粒子が分散された組成物を調製する工程と、前記組成物を支持体の面上に成形して弾性体層を形成する工程と、を有することを要旨とするものである。
この場合、前記分散液を調製する工程において、前記オイル状媒体中に前記赤外線吸収物質の粒子とともに分散剤を添加して前記オイル状媒体中に前記赤外線吸収物質の粒子を分散させることが好ましい。
そして、本発明に係るフレキソ印刷版原版は、上記のフレキソ印刷版原版の製造方法により得られたことを要旨とするものである。
本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法によれば、弾性体層を形成する組成物中に赤外線吸収物質の粒子を高分散させられるため、精度の高い凹凸形成を可能とする。
そして、分散液を調製する工程において、オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子とともに分散剤を添加することにより、分散液における赤外線吸収物質の粒子の分散状態が長く維持される。このため、精度の高い凹凸形成を可能とするフレキソ印刷版原版を作りやすい。
そして、本発明に係るフレキソ印刷版原版によれば、上記のフレキソ印刷版原版の製造方法により得られたものであるため、精度の高い凹凸形成を可能とする。
本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。
次に、本発明について詳細に説明する。
本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法は、オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子を分散させて分散液を調製する工程と、分散液をポリマーと混練りして赤外線吸収物質の粒子が分散された組成物を調製する工程と、組成物を支持体の面上に成形して弾性体層を形成する工程と、を有する。
分散液の調製工程において、赤外線吸収物質の粒子が分散質であり、オイル状媒体は分散媒である。分散媒としてのオイル状媒体は、組成物を調製する工程におけるポリマーの可塑剤として用いることができるものである。つまり、組成物の構成成分である可塑剤を分散媒として用いている。オイル状媒体を分散媒とすることにより、組成物から分散媒を除去する必要がないという利点がある。
分散液の調製工程において、分散剤を用いてもよいし、分散剤を用いなくてもよい。分散剤を用いると、分散液における赤外線吸収物質の粒子の分散状態が長く維持される利点がある。
分散液の調製工程では、分散媒となるオイル状媒体中に分散質である赤外線吸収物質の粒子と必要に応じて分散剤を添加し、所定の分散方法により分散処理を行う。
分散液の調製工程において、分散方法は特に限定されるものではなく、公知の分散方法を用いることができる。分散方法としては、例えば、ホモジナイザー(高速回転羽根)を用いた方法、ミル分散機を用いた方法、ジェットミル分散機を用いた方法(高圧乳化分散)、超音波分散機を用いた方法、キャビテーションミル分散機を用いた方法などが挙げられる。
分散液の調製工程において、赤外線吸収物質の粒子の添加量は、特に限定されるものではなく、オイル状媒体100質量部に対し1〜80質量部の範囲内などとすればよい。分散剤の添加量は、赤外線吸収物質の粒子の表面積に対する吸着量(吸着層厚さ)で設計される。添加量という視点で見た場合、赤外線吸収物質の粒子100質量部に対し0.1〜100質量部の範囲内で設計される。
分散媒としてのオイル状媒体は、組成物の構成成分となるオイル状媒体であれば特に限定されるものではない。組成物のポリマー成分の種類に応じて適宜定めればよい。オイル状媒体は、組成物のポリマー成分との相溶性に優れるものがよく、このため、組成物のポリマー成分の溶解度パラメータ(SP値)に近い溶解度パラメータ(SP値)を持つオイル状媒体が好ましい。SP値が近いとは、特に限定されるものではないが、例えばその差の絶対値が0.3(cal/cm1/2以下であるとよい。オイル状媒体としては、具体的には、例えば、パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系鉱油、エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エーテルエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、シリコーンオイルなどが挙げられる。
分散質としての赤外線吸収物質は、特に限定されるものではない。レーザエネルギーの吸収性に配慮した各種の赤外線吸収物質を用いることが望ましい。赤外線吸収物質としては、具体的には、例えばカーボンブラック、グラファイト、合成グラファイト、フラーレン等のカーボンなどが挙げられる。そして、カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。ファーネスブラックとしては、オイルファーネス、ガスファーネス、ガスブラックなどが挙げられる。
赤外線吸収物質は、粒子径がレーザ光のスポット径サイズよりも小さいものとする。これにより、赤外線吸収物質の周囲に存在する有機物の燃焼幅をレーザ光のスポット径サイズにできる。また、粒子径を小さくすることで、レーザエネルギーの吸収ロスを小さくし、レーザエネルギー深度を深くまで届くようにできる。このようにして、所望のレリーフ画像に対する凹凸形状の精度を向上させる。したがって、赤外線吸収物質の粒子径は500nm以下にするとよい。赤外線吸収物質の粒子径は、レーザードップラー法(動的・電気泳動光散乱法)により測定することができる。この測定には、例えば大塚電子社製「ELSZ−1000ZS」などを用いることができる。粒子径は、算術平均径で示される。
分散剤は、非水系の分散剤であれば特に限定されるものではない。分散剤は、アニオン系、ノニオン系、カチオン系のいずれであってもよい。また、場合によっては分散助剤を配合してもよい。
組成物の調製工程では、分散液の調製工程で得られた分散液をポリマーと混練りする。混練り方法は特に限定されるものではなく、公知の方法であればよい。例えば密閉型二軸混練り機である加圧型ニーダー、バンバリーミキサー、インターナルックスなどを用いて行えばよい。分散液とポリマーの配合割合は、所望の物性に応じて定められる配合割合にしたがって定めればよい。
ポリマーは、レーザ彫刻用のフレキソ印刷版原版のレーザ彫刻される弾性体層の材料として好適なものを用いればよい。このようなポリマー材料としては、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、スチレン−ブタジエンランダム共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、ウレタンゴム(PUR)、フッ素ゴム(デュポンエラストマー社製「バイトン」など)、ポリサルファイドポリマー(東レ社製「チオコール」など)、これらの部分水添物などが挙げられる。これらのうちでは、耐インキ性(インキによる膨潤を抑える)に優れることから、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、ポリブタジエン(BR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)などが好ましい。
組成物の調製工程において、組成物中には、分散液、ポリマー以外に、他の添加剤が含まれてもよい。このような他の添加剤としては、加工助剤、充填材、架橋剤などが挙げられる。加工助剤としては、脂肪酸亜鉛、脂肪酸エステル、オルガノシリコーンなどが挙げられる。充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、クレーなどが挙げられる。架橋剤としては、硫黄、過酸化物、ヒドロシリル化合物、チオウレアなどが挙げられる。
過酸化物は、特に限定されるものではない。熱的安定性と熱的分解性のバランスを考慮して適宜選択すればよい。過酸化物としては、具体的には、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタネート、ビス(3,5,5−トリメチル−1−オキソヘキシル)ペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、tert−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシアセテート、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ-tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。過酸化物の添加量は、特に限定されるものではないが、ポリマー100質量部に対して0.1〜10質量部などであればよい。
組成物の調製工程において、他の添加剤のうち無機充填材は、赤外線吸収物質とともに分散液中に分散された状態でポリマーに混練りしてもよいし、分散液中に分散されていない状態で分散液とともにポリマーに混練りしてもよい。
弾性体層を形成する工程では、組成物の調製工程で得られた組成物を支持体の面上に成形する。成形方法は特に限定されるものではなく、溶融押出などの公知の成形方法により行えばよい。弾性体層を形成する工程では、必要に応じ、ポリマーの架橋処理を行う。以上により、フレキソ印刷版原版が得られる。
本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法によれば、弾性体層を形成する組成物中に赤外線吸収物質の粒子を高分散させられるため、精度の高い凹凸形成を可能とする。そして、分散液の調製工程において、オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子とともに分散剤を添加することにより、分散液における赤外線吸収物質の粒子の分散状態が長く維持される。このため、精度の高い凹凸形成を可能とするフレキソ印刷版原版を作りやすい。
本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法により得られたフレキソ印刷版原版は、支持体と弾性体層とを少なくとも有する。以下に、このような本発明に係るフレキソ印刷版原版の実施形態を、図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るフレキソ印刷版原版の断面図である。図1に示すように、一実施形態に係るフレキソ印刷版原版10は、支持体12と、接着剤層14と、弾性体層16と、を備える。支持体12の面上に、接着剤層14と弾性体層16とがこの順で積層されている。接着剤層14は、支持体12に接して設けられ、弾性体層16は、接着剤層14に接して設けられている。接着剤層14は、支持体12に弾性体層16を接着するものであり、支持体12の面上に弾性体層16を直接形成しても良好に密着するのであれば、接着剤層14はなくてもよい。
支持体12は、その上に積層される弾性体層16などの層を支持する。支持体12としては、特に限定されるものではないが、例えば樹脂製フィルムが挙げられる。樹脂製フィルムとしては、寸法安定性に優れることから、PETフィルムなどのポリエステルフィルムが挙げられる。支持体12の厚さは、特に限定されるものではないが、その上に積層される弾性体層16などの層を支持するのに十分な強度が得られるなどの観点から、例えば50〜300μmの範囲内とすればよい。
接着剤層14は、接着剤成分を含有する。接着剤成分としては、特に限定されるものではないが、支持体12および弾性体層16との密着性に優れるなどから、ポリエステル系接着剤が挙げられる。ポリエステル系接着剤のバインダー樹脂は、ポリエステル樹脂からなる。接着剤層14の厚さは、特に限定されるものではないが、密着性に優れるなどから1〜100μmの範囲内とすればよい。また、支持体12の表面には、活性基を付与する表面処理(プラズマ処理、UV処理、EB処理、コロナ処理など)を行ってもよい。
弾性体層16は、本発明に係るフレキソ印刷版原版の製造方法における組成物の調製工程で得られた組成物を成形したものである。弾性体層16の厚みは、特に限定されるものではないが、生産性の観点から0.5〜5mmの範囲内であることが好ましい。
得られたフレキソ印刷版原版は、弾性体層16にレーザ彫刻を行うことによりレリーフ像が形成される。レーザ彫刻後の表面には彫刻カスが付着するため、水等の洗浄液を用いて彫刻カスを洗い流した後、乾燥するなどの処理を行うとよい。これにより、所定のレリーフ像を有するフレキソ印刷版が得られる。
レーザ彫刻の際に用いるレーザとしては、特に限定されるものではなく、公知のレーザを用いることができる。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、半導体レーザなどが挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(実施例1〜2)
<分散液の調製>
表1に記載の配合組成でカーボンブラック(CB)、分散剤、オイルを配合し、ミル分散機で分散させることにより、オイル中にカーボンブラック(CB)が分散された分散液を調製した。
<弾性体層用組成物の調製>
表1に記載の配合組成(質量部)で分散液、ポリマー、ステアリン酸、炭酸カルシウム、シリカ、過酸化物を配合し、加圧型ニーダー中で混練りすることにより弾性体層用組成物を調製した。
<フレキソ印刷版原版の作製>
支持体として125μm厚のPETフィルムを用いた。この支持体の面上に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにポリエステル樹脂溶解液(東洋紡製「バイロン30SS」、固形分30質量%)を含む接着剤層用塗工液をバーコートで塗工し、120℃で10分間乾燥させることにより、支持体上に接着剤層を形成した。次いで、支持体に形成された接着剤層の面上に90℃で弾性体層用組成物を溶融押出した。次いで、160℃のオーブン中で30分間加熱架橋処理を行うことにより、弾性体層の厚さが2.0mmのフレキソ印刷版原版を作製した。
(実施例3)
分散剤を配合しなかった以外は実施例1〜2と同様にして、分散液の調製、弾性体層用組成物の調製、フレキソ印刷版原版の作製を行った。
(比較例1)
分散液を調製しないで、弾性体層用組成物の調製時に、カーボンブラックおよびオイル状媒体を他の添加剤とともにポリマーに直接配合した以外は実施例1〜2と同様にして、弾性体層用組成物の調製、フレキソ印刷版原版の作製を行った。
使用した各成分は以下の通りである。
・CB<1>:アセチレンブラック、電気化学工業社製「HS−100」、算術平均粒子径48nm
・CB<2>:ファーネスブラック(SAF)、東海カーボン社製「シースト9」、算術平均粒子径19nm
・CB<3>:ハイカラーファーネスブラック(HCC)、オリオンエンジニアドカーボンズ社製「Color Black FW1」、算術平均粒子径13nm
・CB<4>:ファーネスブラック(HAF)、東海カーボン社製「シーストS」、算術平均粒子径66nm
・分散剤:塩基性高分子型、日本ルーブリゾール社製「ソルスパース13940」
・オイル状媒体<1>:パラフィン系油、出光興産社製「PW32」、溶解度パラメータSP=7.9(cal/cm1/2
・オイル状媒体<2>:ナフテン系油、出光興産社製「NM26」、溶解度パラメータSP=8.1(cal/cm1/2
・EPDM:三井化学社製「三井EPT 9090M」、溶解度パラメータSP=8.0(cal/cm1/2
・ステアリン酸:加工助剤、日本油脂社製
・炭酸カルシウム:白石カルシウム社製「白艶華O」
・シリカ:ニホンアエロジル社製「アエロジルRX300」
・過酸化物<1>:三建化学社製「サンペロックスAHPO 25B」
・過酸化物<2>:三建化学社製「サンペロックスDCP DCP」
・過酸化物<3>:三建化学社製「サンペロックスCY−1・1 3M」
・過酸化物<4>:三建化学社製「サンペロックスTY−1・3 P」
実施例では、調製した分散液について寿命を調べた。また、実施例および比較例では、作製したフレキソ印刷版原版について彫刻性を評価した。また、弾性体層中におけるカーボンブラックの粒度を測定した。測定方法、評価方法、評価基準を以下に示す。配合組成および結果を表1に示す。
<分散液の寿命>
分散液中のカーボンブラック粒子の凝集による分散液の粘度上昇から、分散液の寿命を評価した。分散液の保存期間14日間以上においても分散液の粘度上昇が30%以下である場合を特に良好「◎」とし、分散液の保存期間2〜13日間で分散液の粘度上昇が30%になった場合を良好「○」とし、分散液の保存期間が1日以内に分散液の粘度上昇が30%になった場合を不良「×」とした。なお、分散液の粘度測定は、英弘精機社製B型粘度計を用いて行った。
<彫刻性>
パナソニックデバイスSUNX社製FAYbレーザーマーカー「LP−S502」を用い、弾性体層に、平均出力34W、50mm/sで一本線を1回彫刻し、彫刻した印刷版の白抜き線を線に対し垂直方向に切断してその断面をマイクロスコープで測定した。深度(μm)÷幅(μm)=3.0以上である場合を特に良好「◎」、2.5以上である場合を良好「○」、2.5未満である場合を不良「×」とした。
<CB粒度>
TEM(透過電子顕微鏡)による弾性体層の任意に選択した3個所の断面観察により、弾性体層中に分散しているカーボンブラックの粒子径を直接測定した。
Figure 2015182406
比較例1では、カーボンブラックを分散媒中に分散させないで組成物の調製時にポリマーに直接配合しているため、弾性体層中のカーボンブラックの粒度が大きく、彫刻性に劣っている。これに対し、実施例では、カーボンブラックを分散媒中に分散させ、カーボンブラックを分散液に分散させた状態でポリマーに配合しているため、弾性体層中のカーボンブラックの粒度が小さく、彫刻性に優れている。また、分散液中に分散剤を配合した実施例1〜2は、分散剤を配合していない実施例3よりも分散液の寿命に優れていることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
10 フレキソ印刷版原版
12 支持体
14 接着剤層
16 弾性体層

Claims (3)

  1. オイル状媒体中に赤外線吸収物質の粒子を分散させて分散液を調製する工程と、
    前記分散液をポリマーと混練りして赤外線吸収物質の粒子が分散された組成物を調製する工程と、
    前記組成物を支持体の面上に成形して弾性体層を形成する工程と、
    を有することを特徴とするフレキソ印刷版原版の製造方法。
  2. 前記分散液を調製する工程において、前記オイル状媒体中に前記赤外線吸収物質の粒子とともに分散剤を添加して前記オイル状媒体中に前記赤外線吸収物質の粒子を分散させることを特徴とする請求項1に記載のフレキソ印刷版原版の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のフレキソ印刷版原版の製造方法により得られたフレキソ印刷版原版。

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