JP6151173B2 - 気流発生装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、気流発生装置およびその製造方法に関する。
近年、省エネルギの観点から、流体機器や流体機器システムなどにおける動力を低減する重要性が高まっている。また、動力の低減とともに、流体機器や流体機器システムにおける振動や騒音を抑制することも、安全性確保や作業環境向上の観点から重要である。
現在、流体機器や流体機器システムなどにおける動力を低減する方法として、気流発生装置を用いて、流体機器における空気力学的特性を制御することが検討されている。この気流発生装置は、例えば、流体機器の構成部品の表面に備えられ、構成部品の表面に誘電体バリア放電によって気流を発生させる。また、流体機器における空気力学的特性を制御することで、流体機器や流体機器システムにおける振動や騒音を抑制することもできる。
従来の気流発生装置では、誘電体内に内部電極が埋設され、この内部電極と離間して、誘電体の表面に表面電極が配置されている。内部電極は、例えば、誘電体と誘電体との間に配設され、これらの誘電体を接着することで、誘電体内に埋設された状態となる。
誘電体としては、様々な材料を使用することができるが、気流発生装置が配置される環境、材料の柔軟性や靭性などを考慮して、有機系材料が使用されることがある。特に、屋外で長期間の使用を考慮すると、誘電体としては、屋外での使用実績のあるシリコーン樹脂を使用することが好ましいと考えられている。
特開2008−25434号公報
しかしながら、誘電体としてシリコーン樹脂を使用した場合、誘電体バリア放電によってシリコーン樹脂の分子鎖が容易に分解(侵食)される。そのため、気流発生装置の樹脂絶縁層の厚さが減少し、電気的絶縁破壊や機械的破壊を引き起こすことがある。
また、金属からなる内部電極と金属からなる表面電極との間に例えば未加硫の液状シリコーン樹脂を注型して気流発生装置を形成する場合、製造上、電極間の距離を長手方向に一定に維持することが困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、電気的な信頼性を維持することができる気流発生装置およびその製造方法を提供するものである。
実施形態の気流発生装置は、層状無機粒子を分散して含有するシリコーン樹脂からなる第1の誘電体と、前記第1の誘電体の一方の表面に設けられた表面電極と、前記第1の誘電体の他方の表面に、前記表面電極よりも気流を発生させる方向にずらして設けられた内部電極と、前記第1の誘電体の他方の表面に積層され、前記内部電極を埋入する、シリコーン樹脂からなる第2の誘電体とを備える。そして、前記第1の誘電体は、前記第2の誘電体よりもゴム硬度が高い。
実施の形態の気流発生装置を模式的に示した斜視図である。 図1のA−A断面を示す図である。 実施の形態の気流発生装置の製造方法の工程を説明するための、図1のA−A断面に相当する断面を模式的に示した図である。 実施の形態の気流発生装置の製造方法の工程を説明するための、図1のA−A断面に相当する断面を模式的に示した図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施の形態の気流発生装置10を模式的に示した斜視図である。また、図2は、図1のA−A断面を示す図である。
図1および図2に示すように、気流発生装置10は、第1の誘電体20と、この第1の誘電体20の一方の表面20aに設けられた第1の電極30と、第1の誘電体20の他方の表面20bに設けられた第2の電極40とを備える。第2の電極40は、第1の電極30よりも気流を発生させる方向(図2では右方向)にずらして、例えば第1の電極30と平行に設けられている。このように、第2の電極40は、第1の誘電体20を介して第1の電極30と離間されている。
第1の誘電体20の他方の表面20bには、第2の誘電体50が積層されている。第2の電極40は、第2の誘電体50に埋入されている。換言すると、第2の電極40の第2の誘電体50側に突出した部分は、第2の誘電体50に埋もれている。ここで、第1の電極30は、表面電極として機能し、第2の電極40は、内部電極として機能する。
第1の誘電体20は、層状無機粒子21を分散して含有するシリコーン樹脂で構成されている。第1の誘電体20は、例えば、シート状やブロック状に構成されている。シリコーン樹脂において、オルガノポリシロキサンをベースとしたポリマーの重合度は、1000以上のものが好ましい。第1の誘電体20は、例えば、加硫剤が添加されたミラブル形のシリコーン樹脂を加熱加圧処理して加硫(架橋)し、弾性や強度を増加させたものである。
ここで、ミラブル形とは、シリコーンゴムコンパウンドのうちで、硬化前の状態が天然ゴムまたは通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似し、例えば、練りロール機、密閉式混合機などで可塑化や混合を行なうことができる状態のものをいう。ミラブル形の状態として、例えば、粘土状の状態などが挙げられる。
なお、気流発生装置10を構成している第1の誘電体20は、加硫(架橋)され、弾性や強度が増加された状態であり、ミラブル形の状態ではない。
第1の誘電体20を構成する、加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度は、例えば、A30〜A80であることが好ましい。ここで示されたゴム硬度は、JIS K 6253に基づく、デュロメータ タイプAにおけるものである(以下、同じ)。A30〜A80のゴム硬度の範囲が好ましいのは、入手性、引張強度や引き裂き強度などの機械的強度に優れているからである。
ここで、層状無機粒子21を含有した加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度は、層状無機粒子21を含有していない加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度よりも高くなる。そのため、層状無機粒子21を含有した加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度は、例えば、A40〜A90となる。
第1の誘電体20を構成するミラブル形のシリコーン樹脂としては、例えば、TSE221−5U、TSE260−5U、TSE270−5U(モメンティブ社製)、KE−951(信越シリコーン社製)などを使用することができる。
加硫剤としては、例えば、過酸化物、白金触媒のいずれかもしくはその両方を使用することができる。過酸化物としては、例えば、TC−8(モメンティブ社製)、C−8(信越シリコーン社製)などを使用することができる。白金触媒としては、例えば、TC−25(モメンティブ社製)、C−25(信越シリコーン社製)などを使用することができる。加硫剤は、加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂に、例えば混練され、シリコーン樹脂中に均一に分散して添加されている。
第1の誘電体20に含有される層状無機粒子21としては、例えば、層状ケイ酸塩を使用することができる。層状ケイ酸塩としては、スメクタイト群、カオリン群、マイカ群およびバーミキュライト群などが挙げられる。層状無機粒子21は、例えば、これらの鉱物群から選択される少なくとも1種で構成される。
スメクタイト群に属する層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、バイデライト、ステブンサイト、ノントロナイトなどが挙げられる。カオリン群に属する層状ケイ酸塩としては、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロサイトなどが挙げられる。マイカ群に属する層状ケイ酸塩としては、マスコバイト、マーガライト、イライト、クリントナイト、アナンダイト、バイオタイト、レピドライトなどが挙げられる。バーミキュライト群に属する層状ケイ酸塩としては、トリオクタヘドラルバーミキュライト、ジオクタヘドラルバーミキュライトなどが挙げられる。例えば、分散性などの観点からは、スメクタイト群に属する層状ケイ酸塩を用いることが好ましい。これらの層状ケイ酸塩は、単独あるいは2種類以上の混合物として使用することができる。
層状無機粒子21は、第1の誘電体20のマトリックス樹脂であるシリコーン樹脂100質量部に対して、1〜50質量部含有されている。層状無機粒子21の含有率が1質量部未満の場合には、誘電体バリア放電による侵食を抑制する効果は小さく、最終的に電気的絶縁破壊に至る。層状無機粒子21の含有率が50質量部を超える場合には、粒子間距離が近くなるため、凝集体を形成して機械的強度の低下を引き起こす。層状無機粒子21は、第1の誘電体20のマトリックス樹脂であるシリコーン樹脂100質量部に対して、1〜20質量部含有されることがより好ましい。
また、層状無機粒子21の含有率を上記範囲とすることで、第1の誘電体20の透明性を維持することができる。これによって、第1の誘電体20を介して第2の電極40などを目視することができる。なお、第2の誘電体50は透明であるため、第2の誘電体50を介しても第2の電極40などを目視することができる。そのため、例えば、第1の誘電体20や第2の誘電体50の中の異物やボイド、第2の電極40と、第1の誘電体20や第2の誘電体50との剥離などの欠陥を容易に発見することができる。
層状無機粒子21は、板状の単層の無機物質で存在することもあるが、大部分は、複数の単層の無機物質が積層した凝集塊状態である。いずれの状態であっても、層状無機粒子21の平均粒径は、500nm以下とすることが好ましい。
層状無機粒子21の平均粒径が500nmよりも大きいと、層状ケイ酸塩のアスペクト比が非常に大きくなるため、樹脂中に均一分散させることが困難となる。さらに、第1の誘電体20の透明性が低下し、可視光を透過し難くなり、例えば、第1の誘電体20中の異物やボイド、第2の電極40と、第1の誘電体20や第2の誘電体50との剥離などの欠陥を発見し難くなる。
なお、第1の誘電体20中において、板状の層状無機粒子21の形状異方性が大きいため、層状無機粒子21の平均粒径が500nm以下の場合、可視光は第1の誘電体20を透過することができる。
上記した層状無機粒子21の平均粒径は、層状無機粒子21を球状の粒子として換算して測定したメディアン径である。層状無機粒子21の平均粒径は、例えば、動的光散乱法、レーザー回折・散乱法などの粒度分布測定装置によって測定される。
例えば、層状無機粒子21である層状ケイ酸塩は、一般に、粉末状態において板状の単層のケイ酸塩層が複数積層した凝集塊となっていることが多い。そして、単層の各ケイ酸塩層の表面は、負に帯電していて、層間に陽イオンを有している。このケイ酸塩層の表面と陽イオンとの静電的相互作用が強いため、有機化合物中において、ケイ酸塩層(単層)に分散することは困難である。すなわち、層状ケイ酸塩を、有機化合物中において単層であるケイ酸塩層に分散することは困難である。
そこで、ケイ酸塩層が複数積層して構成されている層状ケイ酸塩に対して、イオン交換処理を施すことが好ましい。イオン交換処理を施すことで、層間にこれまでの陽イオンとは異なる他の陽イオンを存在させることができ、有機化合物との親和性を高めることができる。
イオン交換処理後にケイ酸塩層の層間に存在させる陽イオンは特に限定されるものではないが、イオン交換処理により層間に挿入される度合を考慮すると、四級アンモニウムイオンを用いることが好ましい。これにより、例えば、層間に存在するナトリウムイオンをアンモニウムイオンに交換することができる。これによって、有機化合物との親和性に優れるアンモニウムイオンを層間に存在させることができる。
四級アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルジメチルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、ヘキサトリメチルアンモニウムイオン、オクタトリメチルアンモニウムイオン、ドデシルトリメチルアンモニウムイオン、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムイオン、N-メチルジエタノールラウリルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオンが挙げられる。これらの四級アンモニウムイオンは、単独もしくは2種類以上の混合物として使用することができる。
なお、イオン交換処理は、例えば次の方法で行われる。ケイ酸塩を、水などの溶媒に分散させて膨潤させ、上記の四級アンモニウムイオンを溶解させた溶液を滴下して攪拌しながら反応させる。そして、ろ過によってケイ酸塩と、水および溶液とを分離し、減圧乾燥を施してイオン交換ケイ酸塩を得る。
第2の誘電体50は、シリコーン樹脂で構成されている。第2の誘電体50は、例えば、シート状やブロック状に構成されている。シリコーン樹脂において、オルガノポリシロキサンをベースとしたポリマーの重合度は、1000以上のものが好ましい。第2の誘電体50は、例えば、加硫剤が添加されたミラブル形のシリコーン樹脂を加熱加圧処理して加硫(架橋)し、弾性や強度を増加させたものである。
なお、気流発生装置10を構成している第2の誘電体50は、加硫(架橋)され、弾性や強度が増加された状態であり、ミラブル形の状態ではない。第2の誘電体50のゴム硬度は、第1の誘電体20のゴム硬度よりも低い。
第2の誘電体50を構成する、加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度は、例えば、A30〜A80であることが好ましい。A30〜A80のゴム硬度の範囲が好ましいのは、入手性、引張強度や引き裂き強度などの機械的強度に優れているからである。
ここで、第2の誘電体50を構成する、加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度は、第1の誘電体20を構成する、層状無機粒子21を含有した加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂のゴム硬度よりも低く設定される。
第2の誘電体50を構成するミラブル形のシリコーン樹脂としては、例えば、TSE221−5U、TSE260−5U、TSE270−5U(モメンティブ社製)、KE−951(信越シリコーン社製)などを使用することができる。
加硫剤としては、例えば、過酸化物、白金触媒のいずれかもしくはその両方を使用することができる。過酸化物としては、例えば、TC−8(モメンティブ社製)、C−8(信越シリコーン社製)などを使用することができる。白金触媒としては、例えば、TC−25(モメンティブ社製)、C−25(信越シリコーン社製)などを使用することができる。加硫剤は、加硫前のミラブル形のシリコーン樹脂に、例えば混練され、シリコーン樹脂中に均一に分散して添加されている。
第1の電極30は、例えば、棒状やシート状などの導電体で構成される。図1および図2には、長手方向に垂直な断面が四角形の平板状の電極を例示している。なお、第1の電極30の断面形状は、特に限定されるものではない。第1の電極30の断面形状を、例えば、半円形、半楕円形、円形、楕円形などとしてもよい。第1の電極30を構成する導電体は、公知な導電性の材料で構成され、気流発生装置10が使用される環境に応じて、公知な導電性の材料から適宜に選択される。
ここで、第1の電極30は、気流が発生する側の電極であり、例えば、第1の誘電体20の一方の表面20aに接合(接着)された面以外は、外部に露出されて備えられている。そのため、第1の電極30は、耐酸化性や耐放電性を有する導電性材料で構成されることが好ましい。第1の電極30は、具体的には、例えば、ニッケル、ステンレス、チタン、モリブデン、タングステン、またはこれらの合金などで構成されることが好ましい。
第2の電極40は、第1の電極30と同様に、例えば、棒状やシート状などの導電体で構成される。第2の電極40の長手方向に垂直な断面形状は、第1の電極30のそれと同一であっても、異なっていてもよい。第2の電極40の長手方向に延びる側面40a、40bおよび表面40c、40dは、図2に示すように、第1の誘電体20または第2の誘電体50に接合(接着)している。
ここで、図1および図2には示していないが、第1の電極30と第2の電極40との間に電圧を印加する放電用電源が備えられる。この放電用電源は、第1の電極30と第2の電極40との間に、例えば、ケーブルを介して電圧を印加するものである。放電用電源からの出力電圧は、例えば、パルス状(正極性、負極性、正負の両極性(交番電圧))や交流状(正弦波、断続正弦波)の波形を有する出力電圧などである。
次に、気流発生装置10の作用について説明する。
放電用電源(図示しない)から第1の電極30と第2の電極40との間に電圧が印加され、一定の閾値以上の電位差となると、第1の電極30と第2の電極40との間に誘電体バリア放電が起こる。この誘電体バリア放電に伴って放電プラズマが生成される。そして、図2に示すように、誘電体バリア放電によって、第1の電極30および第2の電極40の長手方向に垂直な一方の方向に、第1の誘電体20の表面20aに沿って気流Fが発生する。なお、ここでは、第1の電極30から第2の電極40に向かう方向に気流Fが発生する。
このように、第1の誘電体20の表面は、誘電体バリア放電に曝される。しかしながら、層状無機粒子21は誘電体バリア放電に曝されても分解(侵食)しない。そのため、第1の誘電体20が層状無機粒子21を分散して含有することで、層状無機粒子21が表面に露出するとそれ以上分解(侵食)されず、誘電体バリア放電による侵食を大幅に抑制することができる。
次に、実施の形態の気流発生装置10の製造方法について説明する。
図3および図4は、実施の形態の気流発生装置10の製造方法の工程を説明するための、図1のA−A断面に相当する断面を模式的に示した図である。ここで、第1の誘電体20、第2の電極40および第2の誘電体50からなる構造体の厚さをT0とし、第1の誘電体20の厚さをT1とし、第1の電極30の厚さをT2とする(図2参照)。
図3に示すように、金型の下型100の、第2の誘電体50の形状に合わせて形成された溝101に、加硫剤が添加されたミラブル形の第1のシリコーン樹脂60を配置する。なお、第1のシリコーン樹脂60は、第2の誘電体50を形成するためのものである。
溝101は、気流発生装置10の長手方向(図3では紙面に垂直な方向)に延設されている。なお、金型の下型100は、第1のプレス用金型として機能する。
続いて、第1のシリコーン樹脂60の表面60a上に第2の電極40を配置する。
続いて、第2の電極40を介して第1のシリコーン樹脂60の表面60a上に、加硫剤が添加され、層状無機粒子21を分散して含有するミラブル形の第2のシリコーン樹脂70を配置する。また、ミラブル形の第2のシリコーン樹脂70のゴム硬度は、ミラブル形の第1のシリコーン樹脂60のゴム硬度よりも高い。なお、第2のシリコーン樹脂70は、第1の誘電体20を形成するためのものである。
続いて、第2のシリコーン樹脂70の表面70a上に、第2の電極40よりも気流を発生させる方向とは逆方向にずらして、例えば第2の電極40と平行に第1の電極30を配置して、積層体80を構成する。
続いて、図4に示すように、第1の誘電体20の形状に合わせて形成された溝111および第1の電極30の形状に合わせて形成された溝112を有する金型の上型110と、下型100とによってプレスし、所定時間、積層体80を加熱加圧して一体化する。なお、金型の上型110は、第2のプレス用金型として機能する。
ここで、溝111および溝112は、気流発生装置10の長手方向(図3では紙面に垂直な方向)に延設されている。また、溝101および溝111は、それぞれの溝の深さを合算した値が、例えば、図2に示す第2の誘電体50の厚さと第1の誘電体20の厚さを合算した厚さT0と同じになるように形成されている。例えば、図3に示すように、溝101の深さを「T0−T1」とし、溝111の深さを「T1」としてもよい。また、溝112の深さは、第1の電極30の厚さT2となるように形成されている。
なお、溝101に配置される第1のシリコーン樹脂60の厚さは、例えば、構造体の厚さT0から第1の誘電体20の厚さT1を減算した値(T0−T1)よりも若干厚く構成されてもよい。これによって、積層体80の全面に均一に圧力をかけることができる。この際、上型110と下型100との合わせ面に、余分なシリコーン樹脂を逃がすためのスリットや樹脂溜まりを設けることが好ましい。
積層体80の加熱加圧工程において、第1のシリコーン樹脂60と第2のシリコーン樹脂70との間の第2の電極40は、第2のシリコーン樹脂70が第1のシリコーン樹脂60よりもゴム硬度が高いため、第1のシリコーン樹脂60に埋入される。そして、例えば、第1のシリコーン樹脂60の表面60aと第2の電極40の表面40dとが同一平面となる。また、加熱加圧工程において、第1のシリコーン樹脂60および第2のシリコーン樹脂70は、加硫(架橋)する。第1のシリコーン樹脂60が加硫(架橋)することで、第2の誘電体50が形成され、第2のシリコーン樹脂70が加硫(架橋)することで、第1の誘電体20が形成される。
加熱加圧工程において積層体80を一体化する際、第1のシリコーン樹脂60と第2の電極40、第1のシリコーン樹脂60と第2のシリコーン樹脂70、第2の電極40と第2のシリコーン樹脂70、および第2のシリコーン樹脂70と第1の電極30が接合される。
ここで、加熱加圧工程における加熱温度は、100〜250℃であり、加圧する圧力は、5〜50MPaである。加熱温度が100℃よりも低いと、第1のシリコーン樹脂60および第2のシリコーン樹脂70が加硫せず、加熱温度が250℃よりも高いとシリコーン樹脂が劣化する。圧力が5MPaより低いと、ボイドの排出が不完全でシリコーン樹脂中にボイドが残存する。圧力が50MPaより高いと、内挿している電極の座屈が生じやすくなる。また、加熱加圧する時間は、10分〜60分である。時間が10分より短いと、加硫が不十分で所定の特性を発揮せず、時間が60分より長いと、加硫戻りが起き加硫ゴムの軟化が起こる。
このような工程を経て、図2に示す気流発生装置10が製造される。
なお、構造体を金型から離型後、未加硫成分を加硫するために、2次加硫を行ってもよい。2次加硫は、例えば、150〜300℃で1時間〜12時間の条件で行われる。
ここで、前述した、層状無機粒子21を分散して含有するミラブル形の第2のシリコーン樹脂70は、次のように製造される。
まず、第2のシリコーン樹脂70のマトリックス樹脂であるシリコーン樹脂を第1の有機溶媒に添加して溶解させ、シリコーン樹脂分散液を形成する。
続いて、層状無機粒子21を第2の有機溶媒に添加して膨潤させ、層状無機粒子分散液を形成する。層状無機粒子21としては、例えば、平均粒径が500nm以下のものが使用される。また、前述したイオン交換処理がなされた層状無機粒子21を使用してもよい。イオン交換処理がなされた層状無機粒子21を使用することで、層状無機粒子21を構成する層状ケイ酸塩が複数のケイ酸塩層の積層体から構成されている場合でも、第2の有機溶媒との高い親和性によって、単層のケイ酸塩層に分散しやすくなる。
ここで、第1の有機溶媒は、第2の有機溶媒と同一のものを使用することが好ましい。また、第1の有機溶媒と第2の有機溶媒とが異なるものであり場合には、それぞれが相溶性を有しているものを使用することが好ましい。
第1の有機溶媒および第2の有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフランなどを使用することができる。また、これらの有機溶媒を、単独もしくは2種類以上の混合溶媒として使用してもよい。
続いて、シリコーン樹脂分散液と層状無機粒子分散液とを混合攪拌して混合液を形成する。混合機として、例えば、プラネタリーミキサ、ディゾルバー、バタフライミキサーなどを使用することができる。
続いて、混合液から第1の有機溶媒および第2の有機溶媒を除去して、層状無機粒子21を分散して含有するミラブル形の誘電体とする。有機溶媒の除去は、例えば、真空ポンプなどで減圧し、攪拌しながら行う。有機溶媒が減少するとともにミラブル形になる。また、有機溶媒の除去を、攪拌は行わずに、単に減圧下で行ってもよい。さらに、これらの工程に加えて、必要に応じて混合液を加熱して、有機溶媒を除去してもよい。
このような工程を経て、層状無機粒子21を分散して含有するミラブル形の第2のシリコーン樹脂70が製造される。
上記したように、実施の形態の気流発生装置10によれば、第1の誘電体20が層状無機粒子21を分散して含有することで、誘電体バリア放電によってシリコーン樹脂の分子鎖が分解(侵食)されることを抑制することができる。これによって、気流発生装置10における電気的絶縁破壊などが抑制され、電気的な信頼性を維持することができる。
また、ゴム硬度の異なる第1のシリコーン樹脂60と第2のシリコーン樹脂70との間に第2の電極40を備えることで、第2の電極40の位置が長手方向に一定に維持される。これによって、第1の電極30と第2の電極40との間の距離を長手方向に一定に維持することができる。
さらに、層状無機粒子21を含有する第1の誘電体20においても、透明性を維持できるため、第1の誘電体20中の異物やボイド、第2の電極40と、第1の誘電体20や第2の誘電体50との剥離などの欠陥を容易に発見することができる。
以上説明した実施形態によれば、電気的な信頼性を維持することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…気流発生装置、20…第1の誘電体、20a,20b,40c,40d,60a,70a…表面、21…層状無機粒子、30…第1の電極、40…第2の電極、40a…側面、50…第2の誘電体、60…第1のシリコーン樹脂、70…第2のシリコーン樹脂、80…積層体、100…下型、101,111,112…溝。

Claims (9)

  1. 層状無機粒子を分散して含有するシリコーン樹脂からなる第1の誘電体と、
    前記第1の誘電体の一方の表面に設けられた表面電極と、
    前記第1の誘電体の他方の表面に、前記表面電極よりも気流を発生させる方向にずらして設けられた内部電極と、
    前記第1の誘電体の他方の表面に積層され、前記内部電極を埋入する、シリコーン樹脂からなる第2の誘電体と
    を備え、
    前記第1の誘電体は、前記第2の誘電体よりもゴム硬度が高いことを特徴とする気流発生装置。
  2. 前記層状無機粒子が、層状ケイ酸塩であることを特徴とする請求項1記載の気流発生装置。
  3. 前記層状無機粒子を球状の粒子として換算したときの平均粒径が500nm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の気流発生装置。
  4. 前記層状無機粒子が、前記第1の誘電体のマトリックス樹脂であるシリコーン樹脂100質量部に対して、1〜50質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の気流発生装置。
  5. 前記第1の誘電体および前記第2の誘電体を介して前記内部電極を目視できることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の気流発生装置。
  6. 加硫剤が添加された、ミラブル形の第1のシリコーン樹脂を第1のプレス用金型に配置する工程と、
    前記第1のシリコーン樹脂上に内部電極を配置する工程と、
    前記内部電極を介して前記第1のシリコーン樹脂上に、前記第1のシリコーン樹脂よりもゴム硬度が高く、加硫剤が添加され、層状無機粒子を分散して含有するミラブル形の第2のシリコーン樹脂を配置する工程と、
    前記第2のシリコーン樹脂上に、前記内部電極よりも気流を発生させる方向とは逆方向にずらして表面電極を配置して、積層体を構成する工程と、
    前記表面電極側の第2のプレス用金型と前記第1のプレス用金型とによって、前記積層体を加熱加圧して一体化し、前記第1のシリコーン樹脂に前記内部電極を埋入させるとともに、前記第1のシリコーン樹脂および前記第2のシリコーン樹脂を加硫する工程と
    を具備することを特徴とする気流発生装置の製造方法。
  7. 前記第2のシリコーン樹脂が、
    前記第2のシリコーン樹脂のマトリックス樹脂であるシリコーン樹脂を第1の有機溶媒中に溶解させたシリコーン樹脂分散液を形成する工程と、
    前記層状無機粒子を第2の有機溶媒中で膨潤させた層状無機粒子分散液を形成する工程と、
    前記シリコーン樹脂分散液と前記層状無機粒子分散液とを混合攪拌して混合液を形成する工程と、
    前記混合液から前記第1の有機溶媒および前記第2の有機溶媒を除去して、前記層状無機粒子を分散して含有するミラブル形の誘電体とする工程と
    を経て形成されていることを特徴とする請求項6記載の気流発生装置の製造方法。
  8. 前記第1の有機溶媒と前記第2の有機溶媒とが同一であるか、または相溶性を有していることを特徴とする請求項7記載の気流発生装置の製造方法。
  9. 前記第2の有機溶媒に投入する前の前記層状無機粒子にイオン交換処理を施していることを特徴とする請求項7または8記載の気流発生装置の製造方法。
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