JP2017113601A - 治療用化合物の経口送達のためのデバイス、システム、および方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2011年6月29日に出願された、“Device, System a
nd Methods for the Oral Delivery of Ther
apeutic Compounds”と題する米国仮特許出願第61/571,641
号の優先権の利益を主張する。この米国仮特許出願は、あらゆる目的で、本明細書中に参
考として完全に援用される。
Drug Delivery Device and Methods of Drug
Delivery”と題する米国仮特許出願第12/978,233号および同第12
/978,301号の一部継続出願である。上記米国仮特許出願の両方の内容が、あらゆ
る目的で、本明細書中で参考として援用される。
本発明の実施形態は、嚥下可能な薬物送達デバイスに関する。より詳細には、本発明の
実施形態は、小腸に治療剤を送達するための嚥下可能な送達デバイスに関する。
びペプチドを含む多くのものが、経口投与ができないので用途が限られる。これは、胃刺
激および出血をはじめとする合併症を伴う不良な経口寛容;胃内での薬物化合物の破壊/
分解;ならびに薬物の不良な、遅いまたはむらのある吸収を含む、多数の理由に起因する
。従来の代替薬物送達法、例えば静脈内および筋肉内送達は、針を刺すことによる痛みお
よび感染リスク、滅菌技術の使用の必要ならびに長期間にわたって患者にIVラインを維
持することの必要性および関連リスクを含む、多数の欠点を有する。埋め込み型薬物送達
ポンプなどの他の薬物送達アプローチが利用されてきたが、これらのアプローチは、デバ
イスの半永久埋め込みを必要とし、またIV送達の制限の多くをやはり有し得る。それ故
、薬物および他の治療剤の改善された送達方法が必要とされている。
実施形態は、体内の様々位置に薬物および他の治療剤を送達するためのデバイス、シス
テム、キットおよび方法を提供する。多くの実施形態は、GI管内に薬物および他の治療
剤を送達するための嚥下可能なデバイスを提供する。特定の実施形態は、小腸壁、大腸壁
または他のGI器官壁内に薬物および他の治療剤を送達するためのカプセルなどの嚥下可
能なデバイスを提供する。本発明の実施形態は、GI管内で十分に吸収されない、十分に
耐えられない、かつ/または分解される薬物および他の治療剤の送達に特に有用である。
さらに、本発明の実施形態は、静脈内形態または他の形態の非経口投与(例えば、筋肉内
など)によってしか以前は可能でなかったか、または該静脈内形態または他の形態の非経
口投与によって好ましく送達されていた薬物および他の治療剤、例えば、タンパク質、ポ
リペプチドおよび抗体の送達に用いることができる。加えて、本発明の実施形態は、経口
送達による血流への薬物の迅速な放出の達成に有用である。
の治療剤を送達するための嚥下可能なデバイスを提供する。前記デバイスは、嚥下され、
胃腸管を通過するようなサイズのカプセル;前記カプセルの長軸と小腸の長軸を位置合わ
せするための該カプセル内に位置する展開可能なアライナ;治療剤を腸壁内に送達するた
めの送達メカニズム;および前記アライナまたは前記送達メカニズムのうちの少なくとも
一方を展開するための展開部材を含む。前記カプセル壁は、GI管内の液体との接触によ
り分解し得るが、外部コーティングまたは外層を備えることもでき、この外部コーティン
グまたは外層は、小腸内で見いだされるより高いpHでしか分解せず、そして前記カプセ
ルが小腸に達してその地点で前記コーティングの分解により薬物送達が開始される前の胃
内での分解から下にあるカプセル壁を保護するのに役立つ。使用すると、かかる材料によ
り、小腸などの腸管の選択部分での治療剤の標的送達が可能になる。好適な外部コーティ
ングとしては、メタクリル酸とエチルアクリレートの様々なコポリマーなどの、様々な腸
溶コーティングを挙げることができる。
ボディの上または下に滑り込ませることによって、該ボディに外嵌するキャップとから形
成される。キャップなどの一つの部分を第一のpH(例えば、pH5.5)より上で分解
するように構成することができ、第二の部分を第二のより高いpH(例えば、6.5)よ
り上で分解するように構成することができる。これにより、カプセルの一方の部分におけ
るトリガおよび/またはメカニズムを該カプセルの他方の部分におけるものより前に始動
させることが可能になる。なぜなら、腸液は、最初、より低pHのコーティングが分解し
た部分に侵入し、かくして、かかる流体に応答するトリガ(例えば、分解可能なバルブ)
を始動させるからである。使用すると、かかる実施形態は、薬物送達の高度の位置特異度
性およびかかる送達の確実性向上をはじめとする幾つかの恩恵を薬物送達プロセスにもた
らす。これは、アライナなどの特定のサブメカニズムの展開が小腸SIの上部領域で開始
でき、これにより、最適な送達のための該腸内での前記カプセルの位置合わせが可能にな
ることはもちろん、前記カプセルがまだ小腸または他の選択位置にある間に他のメカニズ
ムの展開/始動が腸壁内への薬物送達を達成するのに十分な時間も得られる。
を、該デバイス全体のより小さい断片への制御可能な分解を可能にするように構成するこ
とができる。かかる実施形態は、前記デバイスのGI管通過およびGI管による排泄を助
長する。特定の実施形態において、前記カプセルは、GI管の通過を助長するような選択
可能なサイズおよび形状のカプセル片を生じさせるように制御可能に分解する生分解性材
料のシームを備えることができる。分解を加速させるために、前記シームにプレストレス
を与えるか、前記シームを穿孔するか、または別様に処理することができる。前記シーム
をそのように処理して、バルーンまたは他の拡張可能な部材が拡張することにより加えら
れる力によってカプセルのより小さい断片への破砕を可能にすることもできる。前記組織
貫入部材の展開後にカプセル分解を生じさせるための他の実施形態では、該カプセルは、
例えばスナップ嵌めによって、互いに機械嵌めされているのでバルーン膨張により加えら
れる力によって容易に分離する2つの半分部分、または他の小部分セクションを含み得る
。
とができる位置合わせバルーンとして公知の拡張可能なバルーンを典型的に含む。前記位
置合わせバルーンは、該位置合わせバルーンが膨張したときに前記カプセルが小腸の長軸
と平行に整列するように前記カプセルの長さを伸長させるのに役立つ。さらに、前記位置
合わせバルーンは、膨張したとき、その伸長されたカプセルに腸の蠕動収縮によって及ぼ
される力が、該カプセルを小腸の長軸と平行に位置合わせするのに役立つような、膨張形
状および膨張長を有することができる。好適な形状としては、細長いホットドッグのよう
な形状を挙げることができる。好適な長さとしては、前記カプセルの長さの約1/2倍と
2倍の間の範囲を挙げることができる。展開エンジンが展開バルーンおよび化学反応物の
使用を含む実施形態については、位置合わせバルーンは、該展開バルーンの展開が該位置
合わせバルーンを拡張するのに役立つように該展開バルーンに流体的に連結される。一部
の実施形態において、前記位置合わせバルーンは、前記展開バルーンからの水または他の
液体との混合によって反応する化学反応物を収容することができる。位置合わせ機能を果
たすことに加えて、前記位置合わせバルーンの膨張は、送達などのカプセル内に収容され
ているデバイスの様々な構成要素を押し出すことにも役立つ。使用すると、かかる構成は
、薬物送達が起こり得る前に前記送達メカニズムの上にあるカプセルの特定の部分が分解
されるのを待つ必要がないので、治療剤の送達の確実性を向上させる。
高いpHに応答するpH分解性バルブとによってアライナバルーンに流体的に連結されて
いる、展開バルーンとして公知の、拡張可能なバルーンを含む。展開状態での前記展開バ
ルーンは、カプセルの末端の形状に対応するドーム形状を有することができる。多くの実
施形態において、アライナバルーンと組み合わせでの展開バルーンは、展開エンジンを含
むことができ、この場合、前記展開バルーンは液体水を収容し、前記アライナバルーンは
少なくとも1つの化学反応物を収容し、該化学反応物が水の存在下で反応してガスを生成
し、その結果、そのガスが前記アライナバルーンを拡張する。前記反応物は、典型的に少
なくとも2つの反応物、例えば、クエン酸などの酸と水酸化ナトリウムまたは水酸化カリ
ウムなどの塩基を含み、これらの反応物は、約1:2の比を有し得るが、他の比も企図さ
れる。他の酸、例えば酢酸、および塩基を含む、他の反応物も企図される。バルブまたは
他の離隔手段が開口すると、前記反応物は、前記液体中で混ざって二酸化炭素などのガス
を生成し、そのガスが前記アライナバルーンまたは他の拡張可能な部材を拡張させる。
ブを有する接続チューブまたは他の接続手段によって接続された2つのバルーンを実際に
含むことができる。前記2つのバルーンは、拡張状態のときにカプセルの末端部分へのそ
れらの内嵌を可能にする半ドーム形状を各々有することができる。一方のバルーンは、化
学反応物(単数または複数)(例えば、重炭酸ナトリウム、クエン酸など)を収容するこ
とができ、他方は、液体水を収容することができ、したがって、バルブが分解されると前
記二成分が混ざってガス(例えば、二酸化炭素)を形成し、それが両方のバルーン/区画
を膨張させ、そして次に位置合わせバルーンを膨張させる。これらの実施形態において、
前記展開エンジンは、2つの展開バルーンを含む。さらにもう1つの代替実施形態におい
て、前記展開バルーンは、離隔バルブまたは他の離隔手段によって離隔されている少なく
とも第一および第二の部分または区画を備えることができる。水を前記第一の区画に、そ
して化学反応物を他方に配置することができる。前記バルブまたは他の離隔手段が開口す
ると前記反応物が前記液体中で混ざってガスを生成し、そのガスを用いて位置合わせバル
ーンおよび展開バルーンを拡張する。化学反応物を使用する様々な実施形態において、該
化学反応物は、単独でまたは展開バルーンと組み合わせて、位置合わせバルーン(もしく
は他のアライナ)もしくは送達メカニズムの一方または両方を展開するための展開エンジ
ンを含むことができる。他の形態の展開エンジン、例えば、拡張可能な圧電材料(電圧の
印加によって拡張する)、スプリングおよび他の形状記憶材料ならびに様々な熱拡張性材
料も企図される。
法で開口するように、そして多数の条件に応答するように構成することができる。典型的
に、前記バルブは、腸液において見いだされるより高いpHに応答して1つまたは複数の
部分を分解させることによって開口するように構成され、当該技術分野において公知の様
々な腸溶性材料、例えば、本明細書に記載するメタクリル酸とco−エチルアクリレート
の様々なコポリマーから前記バルブを製造することができる。展開バルーンが化学反応物
を収容するものを含む、他の実施形態では、展開バルーンからのガスによる位置合わせバ
ルーンの膨張を可能にするために選択圧に応答して開口するように前記バルブを構成する
ことができる。類似して、かかる感圧バルブの同じまたは関連実施形態を用いて、位置合
わせバルーン内での一連の膨張作用を達成するために十分な圧力の発生により送達バルー
ンの膨張に備えることができる。代替または追加の実施形態では、小腸内の蠕動収縮によ
って加えられる圧縮力に応答して開口するように前記バルブを構成することもできる。さ
らにもう1つのアプローチにおいて、前記バルブは、タブを剥がすことまたはボタンを押
すことなどの患者によって開始される起動段階から一定の期間の後に開口するように構成
された徐放性バルブであることがある。
可能なバルーン(送達バルーンとして公知)などの拡張可能な部材と該送達バルーンの壁
に連結されている送達組立体とを典型的に含む。少なくとも1つの組織貫入部材(TPM
)が前記送達デバイスに連結される。様々な実施形態において、前記送達バルーンは、接
合された部分から成る(articulated)アコーディオンのようなボディによっ
て接続された比較的平坦な2つの面を伴う細長い形状を有し得る。TPMを腸壁に挿入す
るためにバルーンの拡張により腸壁を加圧するようにそれらの平面を構成することができ
る。薬物収容TPMの腸壁の両側への挿入を可能にするように片面または両面にTPMを
位置させることができる。それらの面は、多数の薬物収容組織貫入部材の各面への配置を
可能にするために十分な表面積を有することができる。
な送達手段の拡張によって腸壁内に挿入されるように構成される。TPMは、送達デバイ
スに取り外し可能に連結された近位部分と、組織貫入遠位部分と、該組織貫入部材を腸壁
内に留置するための留置特徴部とを備えているシャフトを典型的に含む。しかし一部の実
施形態では、TPMが留置特徴部を備える必要はないが、その代り、留置特徴部なしに腸
壁内に留置される形状をTPMが有し得るか、またはそのように留置されるように別様に
構成され得る。TPMを下でさらに詳細に説明する。
張可能な展開部材に連結された送達構造を含む。1つの実施形態において、前記送達構造
は、共同してキャビティを規定する側壁と底壁を備えているオープンボックス構造を有す
る。前記送達バルーンまたは他の送達部材は、腸壁の多数の位置にTMPを配置するため
の多数の担持構造を備えることができる。アコーディオンのような形状を有する送達バル
ーンの実施形態では、1つまたは複数の担持構造を送達バルーンの各々の面に配置するこ
とができる。前記担持構造は、単体構造を有する場合があり、そして真空成形を用いて前
記担持構造を製造することができる。前記底壁を前記拡張可能な部材に例えば接着剤によ
って取り付けることができる。前進構造はキャビティ内に位置し、該前進構造に取り外し
可能に連結された1つまたは複数の組織貫入部材を備えている。貫入可能な保護フィルム
が前記側壁に連結され、前記キャビティを覆っている。前記保護フィルムは、前記前進構
造の内部に前記組織貫入部材を密封し、ならびにTPMを湿分への曝露および酸化から保
護するための保護バリアとして役立つ。使用すると、このフィルムにより、治療剤が腸壁
内に送達される前に腸管内で分解されないように保護するための追加の保護レベルが得ら
れる。前記フィルムは、治療剤製剤の保存寿命を、該製剤を湿分への曝露および酸化から
保護することにより延長するのにも役立つ。
、該治療剤製剤は、患者の血流に該治療剤製剤を送達するために腸壁内で溶解するか、ま
たは別様に吸収されるように構成される。前記治療剤製剤は、当該技術分野において公知
の1種もしくは複数種の医薬用賦形剤、例えば、崩壊剤、結合剤なども含むことがある。
前記TPMは、腸壁の特定の組織層、例えば、粘膜層、粘膜下層などに治療剤を送達する
ために腸壁内の選択距離に貫入するように望ましくは構成される。これは、TPMシャフ
ト上に位置する止めの使用によって、かつ/または腸壁内の選択距離に貫入すると曲がる
か、またはさらには剪断するように該TPMを構成することによって達成することができ
る。
、例えばPGLA、および/または糖、例えばマルトースと混合される。かかる実施形態
において、前記TPMは、薬物と生分解性ポリマーの実質的に不均一な混合物を含むこと
がある。あるいは、前記貫入部材は、生分解性ポリマーから実質的に形成される部分と、
薬物もしくは他の治療剤から形成されるかまたは薬物もしくは他の治療剤を収容している
別のセクションもしくは区画とを備えることができる。例えば、1つの実施形態において
、前記TPMは、生分解性材料の外部シェルと、治療剤のスラグ(例えば、円柱形状のも
の)が嵌合される中空コアを含むことがある。前記TPMの先端または組織貫入部分は、
組織に容易に貫入することができるようにより硬い材料、例えば糖を含む場合がある。腸
壁内に配置されると、前記組織貫入部材は、その壁組織内の腸液によって分解され、薬物
がそれらの流体に溶解し、その腸壁組織内または周囲の毛細血管によって血流に吸収され
る。TPMはまた、前進後にその腸壁の組織内に該貫入部材を留置するための1つまたは
複数の組織留置特徴部、例えば返しまたはフックを典型的に備える。前記部材シャフトの
周囲に対称に割り当てた2つ以上の返しなどの、組織留置を増進するための様々なパター
ンに前記留置特徴部を配列することができる。しかし、他の手段により、例えば、逆テー
パまたは他の形状によって、前記TPMを腸内に留置することもできる。前記逆テーパ形
状を1つまたは複数の留置特徴部と併用して、留置をさらに増進することもできる。
他の類似の方法を用いてそれを組織貫入部材の形状にすることができるか、またはそれが
固体もしくは液体であることがあり、そのときには液体形態の生分解性ポリマーにそれを
添加し、その後、当該技術分野において公知の成形法または他の形成法を用いてその混合
物をTPMにすることができる。望ましくは、薬物と生分解性ポリマーとを含む組織貫入
部材の実施形態は、様々なペプチドおよびタンパク質などの薬物をはじめとする薬物のい
ずれの実質的熱分解も生じさせない温度で形成(例えば、硬化)される。これは、当該技
術分野において公知の室温硬化性ポリマーならびに室温成形および溶媒蒸発技術の使用に
よって達成することができる。特定の実施形態において、前記組織貫入部材内の熱分解さ
れる薬物の量は、望ましくは約10重量%未満、さらに好ましくは5%未満、さらにいっ
そう好ましくは1%未満である。特定の薬物の熱分解温度は公知であるか、または当該技
術分野において公知の方法を用いてそれを判定することができ、その後、この温度を用い
て、特定のポリマー加工法(例えば、成形、硬化、溶媒蒸発など)を選択および調整する
ことができる。
む本発明の様々な実施形態についてのバルーンは、低減/最小化空間を占有するように該
バルーンが包まれる(または別様にカプセル内に配置される)ことを可能にする材料特性
および寸法(例えば、壁厚)を有することができる。したがって、本発明によって使用さ
れる拡張可能なバルーンの様々な実施形態を薄い、例えば約0.001インチ未満の、壁
の中に閉じ込めることができ、また該実施形態は、当該技術分野において公知の様々な非
コンプライアントなポリマー、例えばPET、ポリエチレンおよびポリイミドを含むこと
ができる。
きに役立つガス抜きバルブも典型的に備える。前記ガス抜きバルブは、バルーン内のガス
の脱出のための開口部またはチャネルを生成するために腸内の流体および/または前記バ
ルーンの区画のうちの1区画内の液体に曝露されると分解するように構成されている生分
解性材料を含むことができる。特定の実施形態において、前記ガス抜きバルブは、(アラ
イナバルーンに連結される末端の反対側の)送達バルーンの末端に取り付けられたチュー
ブバルブを含む。前記チューブバルブは、小腸内の流体などの流体への曝露により分解す
るマルトースなどの材料が充填された末端部分を有する中空チューブを含む。前記チュー
ブバルブ内の遮断材料の位置決めは、該遮断材料が溶解して該チューブバルブを開口させ
る前に送達バルーンが膨張して腸壁内に組織貫入部材を送達するために十分な時間を与え
るように構成される。1つまたは複数の実施形態によると、ガス抜きバルブが開口すると
、それは、送達バルーンのガス抜きに役立つばかりでなく、アライナバルーンおよび展開
バルーンのガス抜きにも役立つ。これは、多くの実施形態において、3つすべてが流体的
に接続されているからである。ガス抜きバルブの開口は、アライナバルーンの膨張によっ
てカプセルから押し出される送達バルーンの末端に該ガス抜きバルブを配置し、その結果
、該ガス抜きバルブを小腸内の液体に良好に曝露させることによって助長することができ
る。アライナバルーンと展開バルーンの一方または両方の上に類似のチューブガス抜きバ
ルブを位置させることもできる。これらの後者の2ケースでは、送達バルーンの膨張のた
めの十分な時間を与える期間にわたって分解するように、チューブバルブ内の遮断材料を
構成することができる。
刺要素をカプセルの内面に取り付けることができるので、本発明の実施形態において使用
される1つまたは複数のバルーンは、完全に膨張すると該穿刺要素と接触し、該穿刺要素
によって穿刺される。送達バルーンのガス抜きのための手段のもう1つの代替または追加
の実施形態では、組織貫入部材の1つまたは複数を送達バルーンに直接連結させることが
でき、そして、それらが取り外されるとそのバルーンから引き離され、その過程でそのバ
ルーンを引き裂くように構成する。さらにもう1つの代替実施形態では、送達組立体上の
および/または送達バルーンに別様に取り付けられた1つまたは複数の組織貫入部材を、
該送達バルーンの膨張により該送達バルーンおよびアライナバルーンの一方または両方を
穿刺するように構成することができる。
する小腸壁(または腸管内の他の壁)内への送達のための治療剤製剤を提供する。前記製
剤は、治療有効用量の少なくとも1つの治療剤(例えば、インスリン、インクレチン、発
作抑制化合物、NSAID、抗生物質など)を含む。前記製剤は、固体、液体、ゲルおよ
びそれらの組み合わせを含むことがあり、1つまたは複数の医薬用賦形剤を含む場合があ
る。前記製剤は、嚥下可能なカプセル内に収容され、該カプセルから管腔壁内に送達され
、そしてその管腔壁内で分解して前記用量の治療剤を放出するような、形状および材料一
貫性を有する。典型的に、この形状および材料一貫性は、前記製剤を本明細書に記載する
組織貫入部材の1つまたは複数の実施形態中に配置するかまたは該1つまたは複数の実施
形態に形成することによって達成される。前記製剤は、小腸または他の体腔の壁内での該
製剤の分解速度を向上させるかまたは別様に制御するために選択可能な表面積対体積比も
有し得る。前記製剤中の薬物または他の治療剤の用量を、従来の経口送達法に必要とされ
る用量から漸減させることができ、その結果、該薬物からの潜在的副作用を低減させるこ
とができる。
管壁への薬物および治療剤の送達方法を提供する。かかる方法を、治療有効量の様々な薬
物および他の治療剤の送達に用いることができる。これらとしては、別の方法では胃内で
の化学的分解に起因して注射を必要とする多数の大分子ペプチドおよびタンパク質、例え
ば、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、インスリン、インターフェロン(MSおよび他の
状態の処置用)および他の類似の化合物が挙げられる。本発明の実施形態によって送達す
ることができる好適な薬物および他の治療剤としては、様々な抗体(例えば、HER2抗
体)、化学療法剤(例えば、インターフェロン)、糖尿病を処置するためのインスリンお
よび関連化合物、グルカゴン様ペプチド(例えば、GLP−1、エクセナチド)、副甲状
腺ホルモン、成長ホルモン(例えば、IFGおよび他の成長因子)、免疫抑制剤(例えば
、シクロスポリン、コルチゾンなど)、ワクチンおよび抗寄生虫剤、例えば様々な抗マラ
リア剤が挙げられる。具体的な実施形態では、前記嚥下可能なカプセルの実施形態を使用
して、様々な自己免疫関連障害、例えば関節リウマチの処置のための治療有効量のモノク
ローナル抗体アダリムマブを送達することができる。患者の体重、年齢、状態または他の
パラメータについてこのまたは特定の治療剤の投薬量を調整することができる。
して、多数の状態の処置用のまたは特定の状態の処置用の複数の薬物(例えば、HIV
AIDS処置用のプロテアーゼ阻害剤の混合物)を送達することができる。使用すると、
かかる実施形態により、患者は、特定の状態(単数または複数)のために多数の医薬品を
摂取しなければならない必要性をなしで済ませることができる。また、上記実施形態は、
2種のまたは2種より多い薬物のレジメンが小腸内に、そしてしたがってほぼ同時に血流
内に送達され、吸収されることを助長するための手段を提供する。化学組成、分子量など
が異なるので、薬物は、腸壁を通して異なる速度で吸収され得、その結果、異なる薬物動
態分布曲線が生じ得る。本発明の実施形態は、ほぼ同時に所望の薬物混合物を注射するこ
とによりこの論点に対処する。そしてまた、このことが薬物動態を向上させ、それゆえに
、選択された薬物混合物の効力を向上させる。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
治療剤製剤を患者の腸管の腸壁に挿入するための嚥下可能なデバイスであって、前記デバイスは、
前記腸管を通過するサイズの嚥下可能なカプセル(前記カプセルは、カプセル壁を有し、前記カプセル壁の少なくとも一部分は、腸内の選択pHへの曝露により分解するが、前記カプセル壁を胃内での分解から保護する)と、
少なくとも部分的に非拡張状態で前記カプセル内に配置された第一の拡張可能な部材と、
少なくとも部分的に非拡張状態で前記カプセル内に配置された第二の拡張可能な部材(前記第二の拡張可能な部材は、前記腸管内の流体への曝露により分解する分解可能なバルブによって前記第一の拡張可能な部材に流体的に連結される)と、
前記拡張可能な部材の一つに収容された液体と、
他の拡張可能な部材に収容された反応物(前記バルブが分解すると、前記液体と前記反応物が混ざってガスを生成し、そのガスが前記第二の拡張可能な部材を拡張させる)と、
前記第二の拡張可能な部材の壁に連結された送達デバイスと、
少なくとも1つの組織貫入部材(前記組織貫入部材は、前記送達デバイスに取り外し可能に連結された近位部分と、組織貫入遠位部分と、腸壁内への送達用の治療剤製剤とを備えており、前記組織貫入部材は、腸壁内に留置されるように構成される)と
を含み、ここで、
前記第二の拡張可能な部材の拡張により、前記少なくとも1つの組織貫入部材が前記送達デバイスによって前記腸壁に進入させられ、前記腸壁内のその場所に留置されて、前記治療剤を前記腸壁内に送達するものであるデバイス。
(項目2)
前記カプセルが、第一のカプセル部分および第二のカプセル部分を含み、前記第一の部分が第一のpHで分解し、前記第二の部分が第二のpHで分解する、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記第一のカプセル部分が、前記分解可能なバルブの少なくとも一部分の上にあり、前記第一のカプセル部分が分解すると、腸液が前記カプセルに侵入して前記分解可能なバルブと接触することができる、項目2に記載のデバイス。
(項目4)
前記第一のカプセル部分が、約5.5に等しいかまたは約5.5より大きいpHで分解する、項目2に記載のデバイス。
(項目5)
前記第二のカプセル部分が、約6.5に等しいかまたは約6.5より大きいpHで分解する、項目2に記載のデバイス。
(項目6)
前記第一のカプセル部分がボディを構成し、前記第二のカプセル部分が、前記ボディに外嵌するキャップを構成する、項目2に記載のデバイス。
(項目7)
前記カプセル壁の前記pH分解性部分が、pH感受性コーティングを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目8)
前記バルブが糖を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目9)
前記糖がマルトースを含む、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
前記反応物が、少なくとも第一および第二の反応物を含む、項目1に記載のデバイス。(項目11)
前記第一および第二の反応物が、酸および塩基を含む、項目10に記載のデバイス。
(項目12)
前記第一の反応物が、重炭酸カリウムを含み、前記第二の反応物が、クエン酸を含む、請求項11に記載のデバイス。
(項目13)
前記少なくとも1つの組織貫入部材が、糖を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
前記糖がマルトースを含む、項目13に記載のデバイス。
(項目15)
前記治療剤製剤が、組織貫入部材内に配置された、造形されたセクションを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目16)
前記組織貫入部材が、少なくとも一部は前記治療剤製剤から形成される、項目1に記載のデバイス。
(項目17)
前記組織貫入部材が、前記腸壁内に前記組織貫入部材を留置するための留置特徴部を備え
ている、項目1に記載のデバイス。
(項目18)
前記留置特徴部が、返しまたはフックを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目19)
前記少なくとも1つの組織貫入部材が、複数の組織貫入部材を含む、項目1に記載のデバイス。
(項目20)
前記腸が小腸であり、および前記カプセル壁が、前記小腸内の選択pHに応答して分解するように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目21)
前記第二の拡張可能な部材が、拡張可能な位置合わせ部材と、前記拡張可能な位置合わせ部材に流体的に連結された拡張可能な展開部材とを含み、前記拡張可能な位置合わせ部材が、拡張して前記カプセルの長軸と前記腸の長軸を位置合わせするように構成され;前記拡張可能な展開部材が、拡張して前記少なくとも1つの組織貫入部材を前記腸壁に進入させるように構成される、項目1に記載のデバイス。
(項目22)
前記拡張可能な位置合わせ部材が、接続チューブによって前記拡張可能な展開部材に流体的に連結される、項目21に記載のデバイス。
(項目23)
前記第一の拡張可能な部材が、前記拡張可能な位置合わせ部材に接続チューブによって流体的に連結される、項目21に記載のデバイス。
(項目24)
前記分解可能なバルブが、前記接続チューブに内蔵されている、項目23に記載のデバイス。
(項目25)
前記拡張可能な位置合わせ部材が、前記拡張可能な展開部材の前に拡張する、項目21に記載のデバイス。
(項目26)
前記拡張可能な位置合わせ部材が拡張して、前記拡張可能な展開部材の一部分を前記カプセルから押し出す、項目25に記載のデバイス。
(項目27)
前記拡張可能な位置合わせ部材および前記拡張可能な展開部材が、感圧バルブによって流体的に接続される、項目21に記載のデバイス。
(項目28)
前記感圧バルブが、蝋を含む、項目27に記載のデバイス。
(項目29)
前記第一の拡張可能な部材、前記位置合わせ部材および前記展開部材が、拡張可能なバルーンを含む、項目21に記載のデバイス。
(項目30)
前記第一の拡張可能な部材、前記位置合わせ部材または前記展開部材のうちの少なくとも1つが、ポリマー、実質的に非コンプライアントなポリマー、ポリエチレンPETまたはポリイミドを含む、項目29に記載のデバイス。
(項目31)
前記拡張可能な展開部材が、前記少なくとも1つの組織貫入部材を前記腸壁に押し込むための対向する平面状表面を有する、項目29に記載のデバイス。
(項目32)
前記拡張可能な展開部材が、前記対抗する平面状表面を備えているバルーン(bellows)構成を有する、項目31に記載のデバイス。
(項目33)
前記カプセルの内面に位置する少なくとも1つの穿刺要素をさらに含み、前記少なくとも1つの穿刺要素が、前記第一の拡張可能な部材、前記位置合わせ部材または前記展開部材のうちの少なくとも1つを穿刺してガスを抜くように位置決めおよび構成される、項目29に記載のデバイス。
(項目34)
前記送達デバイスが、
展開部材に連結された担持構造(前記担持構造は、対抗する側壁と前記展開部材に連結された底壁とを有し、前記側壁および底壁がキャビティを規定する)と、
前記キャビティ内に位置する前進構造(前記少なくとも1つの組織貫入部材が前記前進構造に取り外し可能に連結している)と、
前記担持構造の側壁に連結され、前記キャビティを覆っている貫入可能なフィルム(前記貫入可能なフィルムは、前記少なくとも1つの組織貫入部材のための保護バリアを提供する)と
を含み、ここで、
前記拡張可能な展開部材が、前記腸壁に対して拡張するとき、前記少なくとも1つの組織貫入部材が、前記貫入可能なフィルムに貫入して前記腸壁に進入させられる、項目21に記載のデバイス。
(項目35)
前記担持構造の側壁が、前記拡張可能な展開部材が前記腸壁に対して拡張されたときに前記腸壁にぶつかって崩壊するように構成される、項目34に記載のデバイス。
(項目36)
治療剤製剤を患者の腸管の腸壁に挿入するための嚥下可能なデバイスであって、前記デバイスは、
前記腸管を通過するサイズの嚥下可能なカプセル(前記カプセルは、カプセル壁を有し、前記カプセル壁の少なくとも一部分は、腸内の選択pHへの曝露により分解する)と、
少なくとも部分的に非拡張状態で前記カプセル内に配置された第一の拡張可能な部材(前記第一の拡張可能な部材は、液体への曝露により分解する離隔バルブによって離隔された第一の部分および第二の部分を備えており、前記第一の部分は液体を備えており、前記第二の部分は、前記拡張可能な部材を拡張させるガスを生成するために前記液体と反応するように構成された反応物を備えており、前記バルブが分解すると、前記第一の部分からの液体が前記第二の部分における反応物と混ざってガスを生成し、そのガスが前記拡張可能な部材を拡張させる)と、
少なくとも部分的に非拡張状態で前記カプセル内に配置された第二の拡張可能な部材(前記第二の拡張可能な部材は、前記第一の拡張可能な部材の拡張により拡張状態になるように前記第一の拡張可能な部材に流体的に連結されており;前記第二の拡張可能な部材は、拡張可能な壁を有する)と、
前記拡張可能な部材の前記拡張可能な壁に連結された送達デバイスと、
少なくとも1つの組織貫入部材(前記組織貫入部材は、前記送達デバイスに取り外し可能に連結された近位部分と、組織貫入遠位部分と、前記組織貫入部材を前記腸壁内に留置するための留置特徴部と、前記腸壁内への送達用の治療剤製剤とを備えている)と
を含み、ここで、
前記第二の拡張可能な部材の曝露により、前記少なくとも1つの組織貫入部材が前記送達デバイスによって前記腸壁に進入させられ、そこに前記少なくとも1つの留置特徴部によって留置されて、治療剤を前記腸壁内に送達する、デバイス。
(項目37)
前記第一および第二の拡張可能な部材が、拡張可能なバルーンである、項目36に記載のデバイス。
(項目38)
前記腸が小腸であり、および前記カプセル壁が、前記小腸内の選択pHに応答して分解するように構成される、項目36に記載のデバイス。
(項目39)
治療剤を患者の腸管の腸壁に経口送達するための嚥下可能なデバイス:
前記腸管を通過するサイズの嚥下可能なカプセル(前記カプセルは、分解可能なカプセル壁を有し、前記カプセル壁の一部分は、前記腸内の選択pHへの曝露により分解するが、前記カプセル壁を胃内での分解から保護する);非展開状態で前記カプセル内に配置されたアライナ(前記アライナは、前記治療剤の前記腸壁内への送達のために展開状態に展開して前記カプセルの長軸と前記腸の長軸とを位置合わせするように構成される);
前記治療剤を前記腸壁内に送達するための送達メカニズム;および
前記アライナまたは前記送達メカニズムの少なくとも一つを展開させるための展開エンジン。
(項目40)
前記アライナが、拡張可能なバルーンを含む、項目39に記載のデバイス。前記送達メカニズムが拡張可能なバルーンを含む、項目39に記載のデバイス。
(項目41)
前記送達メカニズムに取り外し可能に連結された近位部分と、組織貫入遠位部分と、前記腸壁内への送達用の治療剤製剤とを備えている少なくとも1つの組織貫入部材をさらに含む、項目39に記載のデバイス。
本発明の実施形態は、身体の様々な位置内に医薬品を送達するためのデバイス、システ
ムおよび方法を提供する。本明細書において用いる場合、用語「医薬品」は、薬物または
他の治療剤はもちろん1種または複数種の医薬用賦形剤も含むことができる、任意の形態
の医薬製剤を指す。多くの実施形態は、GI管内に医薬品を送達するための嚥下可能なデ
バイスを提供する。特定の実施形態は、小腸または他のGI器官の壁に医薬品を送達する
ための嚥下可能なデバイス、例えばカプセルを提供する。
するためのデバイス10の実施形態は、嚥下され、該腸管を通過するサイズのカプセル2
0と、展開部材30と、医薬品100を収容する1つまたは複数の組織貫入部材40と、
展開可能なアライナ60と、送達メカニズム70とを含む。展開可能なアライナ60は、
カプセル内に位置し、該カプセルを小腸などの腸と位置合わせするように構成される。典
型的に、これは、カプセルの長軸を腸の長軸と位置合わせすることを必然的に伴う;しか
し、他の位置合わせも企図される。送達メカニズム70は、医薬品100の腸壁内への送
達用に構成され、典型的に、送達部材72、例えば拡張可能な部材を備える。展開部材3
0は、アライナ60または送達メカニズム70の少なくとも一方の展開用に構成される。
さらに本明細書中で説明するように、カプセル壁のすべてまたは一部分は、GI管内の液
体がデバイス10による医薬品100の送達を誘発できるようにするために、GI管内の
液体との接触により分解可能である。本明細書において用いる場合、「GI管」は、食道
、胃、小腸、大腸および肛門を指し、その一方で「腸管」は、小腸および大腸を指す。本
発明の様々な実施形態を、腸管および全GI管両方の中への医薬品100の送達用に構成
および配列することができる。
品100、または三形態すべての組み合わせの送達用に構成することができる。いかなる
形態であっても、医薬品100は、該医薬品がデバイス10から進出させられ、腸壁(小
腸もしくは大腸)またはGI管内の他の管腔壁に進入させられ、そしてその後、その腸壁
内で分解して薬物または他の治療剤101を放出することを可能にする、材料一貫性を望
ましくは有する。前記医薬品100の材料一貫性としては、製剤の(体液中での)硬度、
多孔度および溶解度のうちの1つまたは複数を挙げることができる。前記材料一貫性を次
のうちの1つまたは複数の選択および使用よって達成することができる:i)製剤を作製
するために用いる圧縮力;ii)当該技術分野において公知の1種または複数種の医薬用
崩壊剤の使用;iii)他の医薬用賦形剤の使用;iv)製剤(例えば、微粒子化粒子)
の粒径および分布;ならびにv)当該技術分野において公知の微粒子化および他の粒子形
成方法の使用。
は、選択された状態(単数または複数)の処置用の1種または複数種の医薬品100を収
容しているデバイス10を含むことができる。一部の実施形態において、前記システムは
、図1bの実施形態に示すように、デバイス10と通信するための、本明細書に記載する
携帯式デバイス13を備えることができる。多くの実施形態において、システム11は、
図1cの実施形態に示すように、パッケージング12にパッケージされているシステム1
1と1セットの使用説明書15とを含むキット14として構成することもできる。前記説
明書は、1つまたは複数の事象、例えば、食事の摂取または生理学的計測、例えば血糖、
コレステロールなどに関してデバイス10を使う時を患者に知らせることができる。かか
る実施形態において、キット14は、選択された投与期間にわたっての、例えば、処置す
べき状態(例えば、一連のインターフェロン処置による癌の処置、免疫抑制剤による自己
免疫疾患、例えば、乾癬、多発性硬化症または関節炎の処置)に応じて1日、1週間また
は何週間にもわたっての医薬品100のレジメンを収容している多数のデバイス10を備
えることができる。
すべき薬物の量ならびに患者の体重および成人対小児利用に応じて調整することもできる
。典型的に、前記カプセルは、ビタミンに類似の湾曲した末端を有する管形状を有する。
これらのおよび関連実施形態において、カプセル長20Lは0.5から2インチの範囲で
あり得、直径20Dは0.1から0.5インチの範囲であり得るが、他の寸法も企図され
る。カプセル20は、内部空間または内容積24vを規定する外面25および内面24を
有するカプセル壁21wを備えている。一部の実施形態において、カプセル壁21wは、
組織貫入部材40の外方進出のためのサイズの1つのまたは1つより多いアパーチャ26
を備えることができる。デバイス10の他の構成要素(例えば、拡張可能な部材など)に
加えて、前記内容積は、1つまたは複数の区画またはリザーバ27を備えることができる
。
ことができるが、前記カプセルは、胃内での(酸などに起因する)分解からキャップを保
護して、その後、小腸においてまたは腸管の他の領域において見いだされるより高いpH
で分解するように構成された、様々な腸溶コーティング20cを備えることもできる。様
々な実施形態において、カプセル20は、多数の部分から形成され得、それらの部分の1
つもしくは1つより多くの部分が生分解性であり得る。多くの実施形態において、カプセ
ル20は、2つの部分20p、例えば、ボディ部分20P”(本明細書ではボディ20p
”)とキャップ部分20p’(本明細書ではキャップ20p)から形成され得、該キャッ
プは、例えば該ボディの上または下に滑り込ませることによって、該ボディに外嵌する(
が他の仕組みも企図される)。一方の部分、例えばキャップ20p’は、第一のpH(例
えばpH5.5)より上で分解するように構成された第一のコーティング20c’を備え
ることができ、もう第二の部分、例えばボディ20p’’は、第二のより高いpH(例え
ば6.5)より上で分解するように構成された第二のコーティング20c”を備えること
ができる。カプセル20の内面24と外面25の両方がコーティング20c’および20
c”で被覆されるので、該カプセルの両方の部分が、選択されたpHを有する流体と接触
するまで、実質的に保存される。ボディ20p”の場合は、これにより、バルーン72を
ボディ部分内に保持するようにボディ20p”の構造的一体性を維持すること、およびバ
ルーン30が拡張されるまで展開されないことが可能になる。コーティング20c’およ
び20c”としては、様々なメタクリレートおよびエチルアクリレート系コーティング、
例えば、Evonik Industriesにより商品名EUDRAGITで製造され
ているものを挙げることができる。カプセル20のこれらおよび他の二重コーティング構
成により、カプセル20の一部分のメカニズムを該カプセルの他の部分のものより前に起
動させることが可能になる。これは、腸液が、先ず、より低いpHコーティングが分解し
た部分に侵入し、かくして、かかる流体に対して応答性であるトリガー(例えば、分解可
能なバルブ)を起動するためである。使用すると、カプセル20のかかる二重コーティン
グ実施形態は、小腸内の特定の位置(またはGI管内の他の位置)への標的薬物送達はも
ちろん、送達プロセスの確実性向上も与える。これは、アライナ60などの特定の構成要
素の展開が小腸の上方領域(例えば、十二指腸)において始まり、薬物の(例えば、小腸
壁への)最適な送達のために腸内でカプセルを位置合わせすることを可能にし、かつ、カ
プセルが小腸または他の選択位置にまだある間に腸壁への薬物送達を達成するための他の
構成要素の展開/起動に十分な時間を提供するように構成され得るという事実に起因する。
ル20の1つまたは複数の部分を製造することができ、上記生体適合性ポリマーには様々
な生分解性ポリマーが含まれ、これらは、好ましい実施形態ではセルロース、ゼラチン材
料PGLA(ポリ乳酸−co−グリコール酸)を含み得る。他の好適な生分解性材料とし
ては、本明細書に記載する様々な腸溶性材料、ならびにラクチド、グリコリド、乳酸、グ
リコール酸、パラ−ジオキサノン、カプロラクトン、トリメチレンカーボネート、カプロ
ラクトン、これらのブレンドおよびコポリマーが挙げられる。
、薬物送達前、中または後に該カプセルが全部または一部分解してGI系通過を助長する
ことが可能になる。本明細書中でさらに詳細に説明するように、様々な実施形態において
、カプセル20は、より容易に腸管を通過させられるより小さい断片23に制御可能に分
解するように生分解性材料のシーム22を備えることができる。
体との接触により分解し得る。好ましい実施形態において、前記カプセル壁は、胃の通過
中は無傷のままであるが、その後、小腸内で分解されるように構成される。1つまたは複
数の実施形態では、これをカプセル壁20w上の外部コーティングまたは外層20cの使
用により達成することができ、これは、小腸内で見いだされるより高いpHでのみ分解し
、該カプセルが小腸に達する(この時点で、本明細書に記載するように、薬物送達プロセ
スがコーティングの分解によって開始される)前の胃内での分解から下にあるカプセル壁
を保護するのに役立つ。使用すると、かかるコーティングにより、小腸などの腸管の選択
部分での治療剤の標的送達が可能になる。
蛍光透視法、超音波、MRIなどを用いるデバイスの定位のために様々な放射線不透過性
、エコー源性または他の材料を含む場合がある。具体的な実施形態において、前記カプセ
ルのすべてまたは一部分は、図1aおよび1bの実施形態に示すように、放射線不透過性
/エコー源性マーカー20mを含むことができる。放射性不透過性マーカー20mに好適
な材料としては、硫酸バリウム、化合物、二酸化チタンおよびその化合物が挙げられる。
使用すると、かかる材料により、GI管内のデバイス10の定位が可能になるばかりでな
く、その展開状態の定位も可能になる(例えば、特徴的マーカーをキャップ20p’上に
、そして別のものをボディ20p”上に位置させて、展開バルーン30(下で論ずる)が
膨張しているが、送達バルーン72は膨張していないかどうかの判定を可能にすることが
できる)。それらを使用して、該デバイスのGI管の通過時間の決定を可能にすることも
できる。かかる情報を用いて、特定の患者のための薬物の投薬量を調整することができる
ことはもちろん、糖尿病の処置のために使われるインスリンの場合には食事の摂取などの
事象後に彼らが特定の薬物を摂取すべき時に関する情報を与えることもできる。マーカー
20mをカプセル20上に位置させて、該カプセルが無傷であるか、または破壊されてし
まったかを医師が判定できるようにすることもできる。
72または展開可能なアライナ60のうちの1つもしくは複数は、カプセル20に内嵌す
るための形状およびサイズである拡張可能なバルーンに対応し得る。したがって、論述を
容易にするために、展開部材30、送達部材72および展開可能なアライナ60をここで
はバルーン30、60および72と呼ぶことにする;しかし、様々な拡張可能なデバイス
を含む他のデバイスもまたこれらの要素に企図されること、ならびに例えば、カプセル2
0の内容積24vに対応する拡張形状およびサイズを有する様々な形状記憶デバイス(例
えば、形状記憶生分解性ポリマースパイアから製造された拡張可能なバスケット)、拡張
可能な圧電性デバイスおよび/または化学的に拡張可能なデバイスを含み得ることは理解
されるはずである。
いて公知の様々なポリマーを含む場合もある。好ましい実施形態において、かかるポリマ
ーは、低密度PE(LDPE)、線状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE
)および高密度PE(HDPE)ならびに当該技術分野において公知の他の形態のポリエ
チレンに対応し得る、1つもしくは1より多くのタイプのポリエチレン(PE)を含むこ
とができる。ポリエチレンを使用する1つより多くの実施形態では、前記材料を架橋させ
ることを、当該技術分野においてそうしたことが公知のポリマー照射法を用いてできる。
特定の実施形態では、照射に基づく架橋を用いてバルーン材料のコンプライアンスを低下
させることによりバルーンの膨張直径および形状を制御することができる。特定の架橋量
を達成して、その結果、所与のバルーンについての特定の量のコンプライアンスを生じさ
せるように照射量を選択することができ、例えば、照射増加を用いて、より剛性でより低
コンプライアンスのバルーン材料を生成することができる。他の好適なポリマーとしては
、PET(ポリエチレンテレフタレート)、シリコーンおよびポリウレタンが挙げられる
。様々な実施形態において、バルーン30、60および72は、バルーンの位置および物
理的状態(例えば、非膨張、膨張またはパンク)を医師が突きとめることを可能にするた
めに、当該技術分野において公知の様々な放射線不透過性材料、例えば硫酸バリウムも含
むことがある。バルーンカテーテル技術分野において公知の様々なバルーンブロー成形方
法(例えば、モールドブロー成形、フリーブロー成形など)を用いて、カプセル20の内
容積24vにほぼ対応する形状およびサイズを有するようにバルーン30、60および7
2を製造することができる。様々な実施形態において、バルーン30、60および72な
らびに様々な対応する特徴部(例えば、接続チューブ)のうちの1つもしくは複数が単一
の金型から形成された単体構造を有することができる。かかる単体構造を利用する実施形
態は、デバイス10の1つもしくは複数の構成要素間に造らなければならない接合部がよ
り少ないので、向上した製造性および確実性という恩恵をもたらす。
分を有する様々な円筒形状(かかる形状の例としてホットドッグが挙げられる)が含まれ
る。一部の実施形態において、バルーン30、60および72のうちの1つもしくは複数
の膨張サイズ(例えば、直径)は、カプセル20を(例えば、円周応力に起因する)膨張
力でばらばらにさせるために、カプセル20より大きい場合がある。他の関連実施形態に
おいて、バルーン30、60および72のうちの1つもしくは複数の膨張サイズは、膨張
したとき、i)カプセル20が、該カプセルの周囲の小腸の収縮を生じさせる蠕動収縮を
惹起するために小腸壁と十分に接触し、そして/またはii)許容するように小腸のひだ
が消されるようなサイズであり得る。これらの両方の結果により、カプセルおよび/また
は送達バルーン72の選択領域上に組織貫入部材40を送達するようなカプセル/バルー
ン表面と腸壁間の改善された接触が可能になる。望ましくは、バルーン30、60または
72の壁は、薄く、0.005から0.0001”の範囲、さらに好ましくは、0.00
4、0.003、0.002、0.001および0.0005の具体的な実施形態を伴う
、0.005から0.0001の範囲の壁厚を有し得る。加えて、様々な実施形態におい
て、バルーン30、60および72のうちの1つもしくは複数は、図3cの実施形態に示
すような膨張チャンバ60ICおよび拡張フィンガー60EFを有する入れ子状バルーン
構成を有することができる。膨張チャンバ60ICを接続する接続チュービング63は、
ガス68の通過のみを可能にするために狭い場合があり、その一方で、バルーン30の2
つの半分部分を連結する接続チュービング36は、水の通過を可能にするためにより大き
い場合がある。
易にするために、ここではこれをアライナバルーン60またはバルーン60と呼ぶことに
する。バルーン60は、上で説明した材料および方法を用いて製造することができる。そ
れは非拡張状態および拡張状態(展開状態とも呼ぶ)を有する。その拡張または展開状態
では、バルーン60は、小腸SIの蠕動収縮によってカプセル20に及ぼされる力が、カ
プセル20の長軸20LAを小腸SIの長軸LAIと平行に位置合わせするのに役立つよ
うに、カプセル20の長さを伸長させる。そしてまたこれは、組織貫入部材40の腸壁I
Wへの貫入を増進および最適化するために組織貫入部材40のシャフトを腸壁IWの表面
と垂直に位置合わせするのに役立つ。小腸内でカプセル20を位置合わせするのに役立つ
ことに加えて、アライナ60はまた、(図に示されるように)送達バルーン72の膨張前
にカプセル20から送達メカニズム70を押し出すように構成され、したがって、該送達
バルーンおよび/またはメカニズムは該カプセルによって妨げられない。使用すると、薬
物送達が起こり得る前にカプセルの特定の部分(例えば、送達メカニズム上にあるもの)
が分解されるのを待つ必要がないので、アライナ60のこの押し出し機能は、治療剤の送
達の確実性を向上させる。
数の構成要素に、ポリマーチューブまたは他の流体連結62によって流体的に連結させる
ことができ、この62は、バルーン60と30を連結させるためのチューブ63、および
バルーン60とバルーン72を連結させるためのチューブ64を含み得る。チューブ63
は、バルーン60をバルーン30からの圧力(例えば、バルーン30内での化学反応物の
混合によって生成される圧力)により拡張/膨張させるように、ならびに/またはバルー
ン30および60の一方または両方の膨張のためにガス発生化学反応を開始させるための
バルーン30と60間の液体の通過を別様に可能にするように構成される。チューブ64
がバルーン60を72に接続して、バルーン60によるバルーン72の膨張を可能にする
。多くの実施形態において、チューブ64は、選択圧力で開口してバルーン60によるバ
ルーン72の膨張を制御するように構成されている制御バルブ55を備えているか、また
は該制御バルブ55に連結されている。したがって、チューブ64は、前記バルブに接続
されている近位部分64pおよび前記バルブからつながる遠位部分64dを含むことがで
きる。典型的に、近位部分64pおよび遠位部分64dは、下で説明するようなバルブハ
ウジング58に接続される。
ュービング64内に直接配置されることもある)材料57の三角形または他の形状のセク
ション56を含むことがある。セクション57は、選択圧力で機械的に分解して(例えば
、裂けて、剪断されて、離層して、など)、チューブ64および/またはバルブチャンバ
58c中のガスの通過を可能にするように構成される。バルブ55のための好適な材料5
7としては、蜜蝋または他の形態の蝋、および選択可能な密封力/破裂圧を有する医療技
術分野において公知の様々な接着剤を挙げることができる。バルブフィッティング58は
、材料57のセクション56が(図3bの実施形態に示すように)チャンバ58cの壁を
互いに封止するようにまたは該チャンバ中の流体の通過を別様に遮断するように配置され
ている(生分解性材料から作製された)薄い円筒形区画を典型的に含む。セクション56
のサイズおよび形状のうちの1つもしくは複数の選択ならびに材料57の(例えば、接着
強度、剪断強度などのような特性についての)選択によって、バルブ55の解放圧力を制
御することができる。使用すると、制御バルブ55は、バルーン72を膨張させる前にバ
ルーン60を完全にまたは別様に実質的に膨張させるようなバルーン60および72の順
序づけられた膨張を可能にする。そしてまたこれは、バルーン60に、バルーン72が膨
張する前にカプセル20から(典型的にはボディ部分20p’から)送達メカニズム70
の残部と一緒にバルーン72を押し出させ、したがって、組織貫入部材40の展開はカプ
セル20によって妨害されない。使用すると、かかるアプローチは、カプセル20に収容
されている組織貫入部材40の所望の貫入深度の達成とカプセル20に収容されているよ
り多数の組織貫入部材40の送達の両方の点から見て、該部材の腸壁IWへの進入がカプ
セル壁20wによって妨害されないので、組織貫入部材40の腸壁IWへの貫入の確実性
を向上させる。
動収縮から小腸の横軸と位置合わせするのに十分なものである。アライナ60についての
好適な膨張長60lとしては、アライナ60の膨張前のカプセル20の長さ20lの約1
/2倍から2倍の間の範囲を挙げることができる。アライナバルーン60についての好適
な形状としては、ホットドッグ様形状などの様々な細長い形状を挙げることができる。具
体的な実施形態では、バルーン60は、第一のセクション60’および第二のセクション
60”を備えることができ、この場合、第一のセクション60’の拡張はカプセル20か
ら送達メカニズム70を(典型的には から)進出させるように構成され、第二のセク
ション60”は送達バルーン72を膨張させるために用いられる。これらの実施形態およ
び関連実施形態では、第一のセクション60’が先ず膨張してメカニズム70をカプセル
から(典型的にはボディ部分20p’から)押し出し、第二のセクション60”が膨張し
て送達部材72を膨張させる入れ子式膨張を有するように、第一のセクション60’およ
び第二のセクション60”を構成することができる。これは、第一のセクション60’が
(そのより小さい容積に起因して)先ず膨張し、第二のセクション60”に関しては第一
のセクション60’が実質的に膨張してしまうまで膨張しないように、第一のセクション
60’を第二のセクション60”より小さい直径および容積を有するように構成すること
によって達成することができる。1つの実施形態において、これは、セクション60’内
が最低圧力に達するまでガスにセクション60”を通過させない、セクション60’と6
0”を接続する(上で説明した)制御バルブ55の使用によって助長され得る。一部の実
施形態において、アライナバルーンは、展開しているバルーンからの水または他の液体と
の混合によって反応する化学反応物を収容することができる。
バルーンを含む。様々な実施形態において、展開バルーン30は、ガスの使用、例えば、
化学物質からのガス69の発生によりアライナバルーン60の展開/拡張を助長するよう
に構成される。前記ガスは、固体化学反応物65、例えば酸66(例えば、クエン酸)と
塩基66(例えば、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムおよびこれらに類するもの)を反
応させ、その後、それらを水または他の水性液68と混合することにより発生させること
ができる。化学量論的方法を用いて反応物の量を選択して、バルーン30、60および7
2のうちの1つもしくは複数において選択圧力を生じさせることができる。反応物65お
よび液体をバルーン30および60内に別々に保管し、その後、小腸内のpH条件などの
トリガー事象に応答して一緒にすることができる。反応物65および液体68をいずれの
バルーン内に保管してもよいが、好ましい実施形態では、液体68はバルーン30内に保
管され、反応物65はバルーン60内に保管される。反応を開始させるための液体68の
通過および/または結果として生ずるガス69を可能にするために、下で説明する分解可
能なバルブ50などの離隔手段50も典型的に備えているコネクタチューブ63によって
バルーン30をアライナバルーン60に連結させることができる。バルーン30が液体を
収容する実施形態については、チューブ63は、バルーン60はもちろんバルーン72も
膨張させるために望ましい量のガスの生成に十分な水のバルーン30からバルーン60へ
の通過を可能にするのに十分な直径を有する。また、バルーン30が液体を収容している
とき、バルーン30およびチューブ63の一方または両方は、次のうちの1つもしくは複
数によってバルーン60への液体の通行を可能にするように構成される:i)曝露された
バルーン30に対する小腸の蠕動収縮によりバルーン30に加えられる圧縮力;およびi
i)毛細管作用によるチューブ63による液体の吸い上げ。
ルーン60の内容物(例えば、反応物65)から離隔する、分解可能な離隔バルブまたは
他の離隔手段50を典型的に備える。バルブ50は、該バルブが消化管内で様々な液体と
共に水に曝露されると開口するように液体水によって分解可能な材料、例えばマルトース
から製造することができる。腸液中で見いだされるより高いpHに応答して分解すること
ができる材料、例えばメタクリレート系コーティングからそれを作製することもできる。
前記バルブは、バルーン30の上に突出し、かつ/または別様に十分に露出されているチ
ューブ63上の位置に望ましくは位置するので、キャップ20p’が分解するとカプセル
に侵入する腸液にバルブ50は曝露される。様々な実施形態において、(図6aおよび6
bの実施形態に示すように)バルブ50は、バルーン30の表面にあるようにまたはさら
にはその上に突出するように位置することができ、その結果、キャップ20p’が分解す
るとバルブ50は腸液に明確に曝露される。本発明の様々な実施形態は、離隔バルブ50
についての多数の構造、例えば、ビーム様構造(この場合、バルブは、チューブ63およ
び/または接続セクション36を圧迫するビームを含む)、または鍔型構造(この場合、
バルブは、チューブ63および/または接続セクション36上にある鍔を含む)を提供す
る。さらに他のバルブ構造も企図される。
0は、カプセルの末端の形状に対応するドーム形状30dを有することができる。展開さ
れたバルーン30についての他の形状30s、例えば球形、チューブ状なども企図される
。反応物65は、典型的に少なくとも2つの反応物66および67、例えば、クエン酸な
どの酸、および重炭酸ナトリウムなどの塩基(これらは、約1:2の比を有し得る。)を
含む。他の酸、例えば酢酸(ascetic acid)、および塩基、例えば水酸化ナ
トリウムをはじめとする他の反応物65も企図される。バルブまたは他の離隔手段50が
開口すると、反応物は液体中で混ざり、二酸化炭素などのガスを生成し、このガスがアラ
イナバルーン60または他の拡張可能な部材を拡張させる。
続手段36(例えば、接続セクション)によって接続された第一のバルーン30’および
第二のバルーン30”を実際に含むことができる。接続チューブ36は、上で説明したよ
うな液体および/または小腸内で見いだされる塩基性pH(例えば、5.5もしくは6.
5)などの特定のpHを有する液体によって分解可能である離隔バルブ50を典型的に備
える。2つのバルーン30’および30”は、拡張状態のときにカプセルの末端部分にバ
ルーン30’および30”が内嵌することを可能にする半ドーム形状30hsを各々有す
ることができる。一方のバルーンは、化学反応物(単数または複数)65(例えば、重炭
酸ナトリウム、クエン酸など)を収容することができ、他方は、液体水68を収容するこ
とができ、したがって、バルブが分解されると前記二成分が混ざってガスを形成し、この
ガスがバルーン30’および30”の一方または両方を膨張させ、そして次にアライナバ
ルーン60を膨張させる。
に形成されるかまたは別様に構築される多区画バルーン30mcを含むことができる。典
型的に、区画30cは、図4aの実施形態に示すように離隔バルブ50または他の離隔手
段50によって離隔されている第一の区画34および第二の区画35を少なくとも備える
。多くの実施形態において、区画34および35は、離隔バルブ50が典型的に配置され
る場所であるそれらの間に小さい接続セクション36を少なくとも有する。図4aの実施
形態に示されているように、液体68(典型的には水である)を、第一の区画34内に配
置することができ、1つもしくは複数の反応物65(これは典型的には固体であるが液体
を使用することもできる)を第二の区画35に配置することができる。バルブ50が(例
えば、小腸内の流体に起因する分解から)開口すると、液体68は区画35に侵入し(も
しくはその逆、または両方)、反応物(単数または複数)65がその液体と混ざって二酸
化炭素などのガス69を生成し、それがバルーン30を拡張し、そしてまたそのガスを用
いてバルーン60および72のうちの1つもしくは複数を拡張させることができる。
ば、クエン酸などの酸、および重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムなどの塩基を含む
。本明細書において論ずるように、様々な実施形態において、それらをバルーン30(区
画34および35または半分部分30’および30”を含む)およびバルーン60のうち
の1つもしくは複数の中に配置することができる。生成物により不活性ガスを生成する酸
と塩基の他の組み合わせを含む、追加の反応物も企図される。クエン酸および重炭酸ナト
リウムを使用する実施形態については、2つの反応物間(クエン酸対重炭酸カリウム)の
比は、約1:3の具体的な比を伴う、約1:1から約1:4の範囲であり得る。望ましく
は、固体反応物65は、殆どまたは全く吸収水を有さない。したがって、前記反応物の1
つもしくは複数、例えば、重炭酸ナトリウムまたは重炭酸カリウムをバルーン30内に配
置する前に(例えば、真空乾燥により)予備乾燥させることができる。他の酸、例えば酢
酸(ascetic acid)、および塩基を含む、他の反応物65も企図される。反
応物の組み合わせを含めて特定の反応物65の量は、特定の化学反応ならびにバルーンの
膨張体積についての公知化学量論式と、理想気体の法則(例えば、PV=nRT)を用い
て、特定の圧力を生じさせるように選択することができる。特定の実施形態では、バルー
ン30、60および72のうちの1つもしくは複数において、i)腸壁内への特定の貫通
深度を達成するため、ならびにバルーン30、60および72のうちの1つもしくは複数
について特定の直径を生じさせるため、ならびにiii)選択量の力を腸壁IWに及ぼす
ための選択圧力を生じさせるように、反応物の量を選択することができる。特定の実施形
態では、バルーン30、60および72のうちの1つもしくは複数において、より小さい
圧力およびより大きい圧力も企図されるが、10から15psiの範囲の圧力を達成する
ように、反応物(例えば、クエン酸および重炭酸カリウム)の量および比を選択すること
ができる。さらにまた、公知化学量論式を用いて、これらの圧力を達成するための反応物
の量および比を決定することができる。
て、前記化学反応物は、単独でまたは展開バルーン30と組み合わせて、アライナバルー
ン60および送達メカニズム70(送達バルーン72を含む)の一方または両方を展開さ
せるための展開エンジン80を構成し得る。展開エンジン80は、2つの展開バルーン3
0および30”を使用する実施形態(図3bに示すような二重ドーム構成)を含むことも
あり、または図4aに示すような多区画バルーン30mcも含むことがある。展開エンジ
ン80の他の形態、例えば、拡張性圧電材料(電圧の印加によって拡張する)、スプリン
グおよび他の形状記憶材料ならびに様々な熱拡張性材料の使用も、本発明の様々な実施形
態によって企図される。
張後のバルーンのガス抜きに役立つガス抜きバルブ59も含む。ガス抜きバルブ59は、
特定のバルーン内のガスの脱出のための開口部またはチャネルを生成するために小腸内の
流体および/またはバルーンの区画のうちの1区画内の液体に曝露されると分解するよう
に構成される生分解性材料を含むことができる。望ましくは、ガス抜きバルブ59は、該
ガス抜きバルブが分解する前にバルーン30、60および72の膨張に十分な時間を与え
るためにバルブ50より遅い速度で分解するように構成される。区画化バルーン30の様
々な実施形態において、ガス抜きバルブ59は、図4aの実施形態に示すようにバルーン
の末端部分31上に位置する分解可能なセクション39に対応し得る。この実施形態およ
び関連実施形態において、分解可能なセクション39が前記液体への曝露から分解すると
、バルーン壁32は、裂けるか、または別様にばらばらになって、急速なガス抜きの高度
な保証を提供する。多数の分解可能なセクション39をバルーン壁32内の様々な位置に
配置することができる。
示すように(アライナバルーンに連結される末端の反対側の)送達バルーン72の末端7
2eに取り付けられたチューブバルブ73に対応し得る。チューブバルブ73は、小腸内
の流体などの流体への曝露により分解するマルトースなどの材料73mで選択位置73l
にて遮断されている管腔を有する中空チューブ73tを含む。チューブ73t内の遮断材
料73mの位置73lは、該遮断材料が溶解してバルブ73を開口する前に送達バルーン
72が膨張して腸壁IWに組織貫入部材40を送達するために十分な時間を提供するよう
に選択される。典型的に、これは、液体が材料73mに到達する前に該液体がチューブ管
腔内を吸い上がる時間を与えるために完全にはチューブ73tの末端73eではないが、
その近くである。1つもしくは複数の実施形態によると、ガス抜きバルブ73が開口する
と、それは、送達バルーン72のガス抜きに役立つばかりでなく、アライナバルーン60
および展開バルーン30のガス抜きにも役立つ。多くの実施形態において、これら3つは
、流体的に接続されている(アライナバルーンは送達バルーン72に流体的に接続されて
おり、展開バルーン30はアライナバルーン60に流体的に接続されている)からである
。ガス抜きバルブが小腸内の液体に良好に曝露されるように、アライナバルーン60の膨
張によってカプセル20から押し出される送達バルーン72の末端72eにガス抜きバル
ブを配置することにより、ガス抜きバルブ73の開口を助長することができる。類似のチ
ューブガス抜きバルブ73がアライナバルーン62および展開バルーン30の一方または
両方の上に位置する場合もある。これらの後者の2ケースでは、送達バルーン72の膨張
および組織貫入部材40の腸壁への進入のために十分な時間を与えるような期間にわたっ
て分解するように、チューブバルブ内の遮断材料を構成することができる。
0、60、72)が完全に膨張すると、該バルーンは穿刺要素82と接触し、穿刺要素8
2によって穿刺されるように、1つもしくは複数の穿刺要素82(2図2aに示す)をカ
プセルの内面24に取り付けることができる。穿刺要素82は、尖った先端を有する、表
面24からの短い突出部を含むことができる。バルーンガス抜きのためもう1つの代案ま
たは追加の実施形態では、組織貫入部材40の1つもしくは複数を、バルーン72の72
wの壁に直接連結させることができ、それらが取り外されるとそのバルーンから引き離さ
れ、その過程でそのバルーン壁を引き裂くように構成することができる。
物および他の治療剤101と、1種または複数種の医薬用賦形剤(例えば、崩壊剤、安定
剤など)と、下で論ずるシャフト44および先端45を含む組織貫入部材40の主構造構
成要素を形成するために使用することができる1種または複数種の生分解性材料とから製
造することができる。後のほうの材料は、前記貫入部材に所望の構造および材料特性(例
えば、腸壁への挿入のための柱強度、または薬物の放出を制御するための多孔度および親
水性)を付与するように選択することができる。ここで、図8a〜8fを参照して、多く
の実施形態において、図8aの実施形態に示すように、腸壁の組織に容易に貫入させるた
めにシャフト44および針先45または他の尖った先端45を有するように貫入部材40
を形成することができる。好ましい実施形態において、先端45は、図8cの実施形態に
示すようなトロカール形を有する。先端45は、該先端の硬度および組織貫入特性を増加
させる様々な分解性材料、例えばスクロース、マルトース、または他の糖を(該先端のボ
ディ内にまたはコーティングとして)含むことができる。腸壁内に配置されると、貫入部
材40は、その壁組織内で腸液によって分解され、その結果、薬物または他の治療剤10
1がそれらの流体に溶解し、血流に吸収される。大体数秒、数分またはさらに数時間内の
薬物101の溶解および吸収を可能にするように、組織貫入部材40のサイズ、形状およ
び化学組成のうちの1つまたは複数を選択することができる。溶解速度を、製薬技術分野
において公知の様々な崩壊剤の使用により制御することができる。崩壊剤の例としては、
様々なデンプン、例えばデンプングリコール酸ナトリウム、および様々な架橋ポリマー、
例えばカルボキシメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。崩壊剤の選
択を小腸壁内の環境、例えば、血流、平均蠕動収縮数などに特異的に合せることができる
。
つもしくは複数の組織留置特徴部43、例えば返しまたはフックを典型的に備える。図8
aおよび8bの実施形態に示すような部材シャフト44の周囲におよび部材シャフト44
に沿って対称にまたは別様に割り当てられた2つのまたは2つより多い返しなどの、組織
留置を増進するような様々なパターン43pで、留置特徴部43を配列することができる
。加えて、多くの実施形態において、貫入部材はまた、送達メカニズム70上の連結構成
要素への取り付けのための溝または他の嵌め合い特徴部46を備える。
バルーンから取り外すためにプラットホーム75(または送達メカニズム70の他の構成
要素)に取り外し可能に連結されるように構成される。取り外し可能性(detacha
bility)は、i)プラットホーム75における開口部74と部材シャフト44とが
ぴったりと合うこと、すなわちそれらの間の嵌合;ii)貫入部材40上の組織留置特徴
部43の構成および配置;およびiii)腸壁へのシャフト44の貫入深度をはじめとす
る様々な手段によって実現することができる。これらの因子のうちの1つもしくは複数を
用いて、貫入部材40は、バルーンガス抜きの結果として(この場合、バルーンのガスが
抜けるとまたは別様にバルーンが腸壁から引き戻されると留置特徴部43が貫入部材40
を組織内に保持する)および/または小腸の蠕動収縮によってカプセル20に及ぼされる
力の結果として取り外されるように構成される。
組織貫入部材シャフト44を構成することによって腸壁IW内での組織貫入部材40の取
り外し可能性および留置を向上させることができる。シャフト44上のテーパ44tは、
該シャフトに腸壁からの蠕動収縮力が加わることで、該シャフトを内方9へ押しやる(例
えば内方に圧搾する)結果となるように構成される。これは、シャフトテーパ44tが、
横方向に加えられる蠕動力PFを、腸壁の内方にシャフトを押しやるように作用する直交
する力OFに変換することに起因する。使用すると、かかる逆テーパ型シャフト構成は、
バルーン72のガス抜きによりプラットホーム75(または送達メカニズム70の他の構
成要素)から取り外されるように組織貫入部材40を腸壁内に留置するのに役立つ。トロ
カール先端に加えて、任意の数の先端形状45を有する組織貫入部材40の実施形態に逆
テーパを使用することもできる。さらなる実施形態において、逆テーパ型シャフトを有す
る組織貫入部材40はまた、挿入されると腸壁IW内での該組織貫入部材の留置をさらに
増進させるような1つまたは複数の留置特徴部43を備えることができる。
他の治療剤101から製造することができる。また、1つもしくは複数の実施形態による
と、前記組織貫入部材は、完全に薬物101から製造され得るか、または、他の成分構成
要素、例えば、様々な医薬用賦形剤(例えば、結合剤、保存剤、崩壊剤など)、所望の機
械的特性を有するポリマーなどをさらに有し得る。さらに、様々な実施形態において、1
つもしくは複数の組織貫入部材40が他の組織貫入部材と同じまたは異なる薬物101(
または他の治療剤)を担持する場合がある。前者の構成によって、より大量の特定の薬物
101の送達が可能になり、その一方で後者によって、多数の薬物の実質的同時送達を要
する薬物処置レジメンを助長するように2種のまたは2種より多くの異なる薬物をほぼ同
時に腸壁内に送達することが可能になる。多数の送達組立体78(例えば、2つ、バルー
ン72の各面に1つ)を有するデバイス10の実施形態において、第一の組立体78’は
、第一の薬物101を有する組織貫入部材を担持することができ、第二の組立体78”は
、第二の薬物101を有する組織貫入部材を担持することができる。
貫入部材40を形成するための生分解性材料105と混合される。材料105としては、
1種もしくは複数種の生分解性ポリマー、例えばPGLA、セルロース、および糖、例え
ばマルトース、または本明細書に記載するかまたは当該技術分野において公知の他の生分
解性材料を挙げることができる。かかる実施形態において、貫入部材40は、薬物101
と生分解性材料105の実質的に不均一な混合物を含むことがある。あるいは、組織貫入
部材40は、図8dの実施形態に示すように、生分解性材料105から実質的に形成され
る部分41と、薬物101から形成されるかまたは薬物101を収容する別のセクション
42とを含むことがある。1つもしくは複数の実施形態において、セクション42は、薬
物101のペレット、スラグ、円柱形または他の形状のセクション42sに対応し得る。
造形されたセクション42sを別個のセクションとして予備成形することができ、その後
、そのセクションを、図8eおよび8fの実施形態に示すように組織貫入部材40内のキ
ャビティ42cに挿入する。あるいは、セクション42sをキャビティ42cへの薬物製
剤100の添加によって形成することができる。薬物製剤100がキャビティ42cに添
加される実施形態では、キャビティ42cに流し込まれるかまたは注入される粉末、液体
またはゲルとして、製剤を添加することができる。造形されたセクション42sは、薬物
101自体から形成されることもあり、または薬物101と1種もしくは複数種の結合剤
、保存剤、崩壊剤および他の賦形剤とを含有する薬物製剤から形成されることもある。好
適な結合剤としては、ポリエチレングリコール(PEG)および当該技術分野において公
知の他の結合剤が挙げられる。様々な実施形態において、前記PEGまたは他の結合剤は
、セクション42sの約10から50重量パーセントの範囲を構成することがあり、好ま
しい実施形態では約30重量パーセントを構成することがある。他の結合剤としては、P
LGA、シクロデキストリン、セルロース、メチルセルロース、マルトース、デキストリ
ン、スクロース、PGAを挙げることができる。
であり得るが、より重い重量または軽い重量も企図される。マルトースから製造された組
織貫入部材40の実施形態について、その重量は、約11から14mgの範囲であり得る
。様々な実施形態において、薬物101および所望の送達用量に応じて、部材40におけ
る薬物の重量パーセントは、約0.1から約15%の範囲であり得る。部材40における
薬物101の重量パーセントを所望の用量に応じて調整できることはもちろん、該薬物の
構造安定性および化学量論的安定性を与えるようにならびにまた該薬物の所望の溶出プロ
ファイルを達成するように調整することもできる。表1は、組織貫入部材40によって送
達することができる多数の薬物の用量および重量パーセントの範囲を収載している。
当該技術分野において公知の1つのもしくは1つより多いポリマーおよび医薬製造技術
を用いて組織貫入部材40を製造することができる。例えば、薬物101(生分解性材料
105を伴うまたは伴わない)は、固体形態である場合があり、そのときには1種もしく
は複数種の結合剤を添加して、成形、圧縮または他の類似の方法を用いてそれを組織貫入
部材40の形状にすることができる。あるいは、薬物101および/または薬物製剤10
0は、固体または液体であることがあり、そのときには液体形態の生分解性材料105に
それを添加し、その後、ポリマー技術分野において公知の成形法または他の形成法を用い
てその混合物を貫入部材40にすることができる。
40の実施形態は、様々なペプチドおよびタンパク質などの薬物をはじめとする薬物(ま
たは他の治療剤)のいずれの実質的熱分解も生じさせない温度で形成される。これは、当
該技術分野において公知の室温硬化性ポリマーならびに室温成形および溶媒蒸発技術の使
用によって達成することができる。特定の実施形態において、前記組織貫入部材内の熱分
解される薬物または他の治療剤の量は、望ましくは約10重量%未満、そしてさらに好ま
しくは5%未満、さらにいっそう好ましくは1%未満である。特定の薬物の熱分解温度(
単数または複数)は公知であるか、または当該技術分野において公知の方法を用いてそれ
を判定することができ、その後、この温度を用いて、薬物熱分解の温度および関連レベル
を最小にするように特定のポリマー加工法(例えば、成形、硬化、溶媒蒸発法など)を選
択および調整することができる。
bの実施形態に示すように、送達バルーン72に取り付けられている(組織貫入部材40
を含有する)送達組立体78を含む。送達バルーンの膨張は、カプセルから腸壁IW内に
外向きに送達組立体72を係合させて組織貫入部材40をその壁に挿入するための機械的
力をもたらす。様々な実施形態において、送達バルーン72は、接合された部分から成る
(articulated)アコーディオンのようなボディ72bによって接続された2
つの比較的平坦な面72fを伴う細長い形状を有し得る。組織貫入部材(TPM)40を
腸壁に挿入するためにバルーン72の拡張により腸壁(IW)を加圧するように前記平面
72fを構成することができる。薬物収容TPM40の腸壁の両側への挿入を可能にする
ようにバルーン70の片方または両方の面72fにTPM40(それら自体、または下で
説明するような送達組立体78の一部として)を位置させることができる。バルーン72
の前記面72fは、多数の薬物収容TPMの各面への配置を可能にするために十分な表面
積を有することができる。
において、支持プラットホーム75(プラットホーム75としても公知)に対応し得る生
分解性前進構造75に1つもしくは複数の組織貫入部材40を取り外し可能に連結させる
ことができる。好ましい実施形態において、プラットホーム75は、段階300に示すよ
うに部材40の挿入のための1つのもしくは1つより多い開口部74を備えている。開口
部74は、バルーン72の拡張前にプラットホーム75に部材40を挿入および留置する
ことができるようなサイズである一方で、腸壁にそれらが貫入されるとプラットホームか
らそれらを取り外すことができるようなサイズである。次いで、段階301に示すように
支持プラットホーム75を担持構造76内に配置することができる。担持構造76は、キ
ャビティまたは開口部76cを規定する側壁76sと底壁76bとを有するウェル構造7
6に対応し得る。プラットホーム75は、望ましくは、当該技術分野において公知の接着
剤または他の接合法を用いて底壁76bの内面に取り付けられる。ウェル構造76は、様
々なポリマー材料を含むことができ、ポリマー加工技術分野において公知の真空成形技術
を用いてそれを形成することができる。多くの実施形態において、段階302に示すよう
に開口部76oを保護フィルム77で被覆することができる。保護フィルム77は、下で
説明するように湿分および酸化から組織貫入部材40を保護するバリアとして機能するが
、組織貫入部材40がなおそのフィルムに貫入できるように選択された特性を有する。フ
ィルム77は、様々な水および/または酸素不透過性ポリマーを含むことができ、これら
のポリマーは、望ましくは、小腸内で生分解性であるように、かつ/または、消化管を不
活性状態で通過するように構成される。それは、所与の物質、例えば酸素、水蒸気などに
対する不透過性について選択された特定の層を有する多層構造を有することもある。使用
すると、保護フィルム77を利用する実施形態は、組織貫入部材40内の治療剤101の
保存寿命の増加に役立ち、そしてまたそれがデバイス10の保存寿命の増加に役立つ。ま
とめると、組織貫入部材40、ウェル構造76およびフィルム77を取り付けた支持プラ
ットホーム75が送達組立体78を構成する場合がある。組織貫入部材40または他の薬
物送達手段に収容された1種もしくは複数種の薬物または治療剤101を有する送達組立
体78を事前に製造し、保管し、その後、後日、デバイス10の製造に使用することがで
きる。密閉組立体78のキャビティ76cに窒素などの不活性ガスを充填することにより
、組立体78の保存寿命をさらに向上させることができる。
面72fに位置することができる。好ましい実施形態において、組立体78は、バルーン
72の拡張時に腸壁IWの両側に実質的に均等に力を分配するように(図6aに示すよう
に)両方の面72fに位置する。組立体78は、ポリマー技術分野において公知の接着剤
または他の接合法を用いて面72fに取り付けることができる。バルーン72が拡張する
と、TPM40は、フィルム77に貫入し、腸壁IWに侵入し、そしてバルーン72のガ
スが抜かれるとプラットホーム75から取り外されるように留置要素43および/または
組織貫通の他の留置特徴部(例えば、逆テーパ型シャフト44t)によってそこに留置さ
れる。
カプセル20の内部に、該カプセルの内容積24v内の空間を維持するような折り畳まれ
た、畳まれたまたは別様に望ましい構成で、パッケージすることができる。折り畳みは、
予備成形された折り目または医療用バルーン技術分野において公知の他の折り畳み特徴ま
たは方法を用いて行うことができる。特定の実施形態では、バルーン30、60および7
2を、次のうちの1つもしくは複数を達成するように選択された向きに折り畳むことがで
きる:i)空間を維持する、ii)所望の向きの特定の膨張バルーンを生じさせる;およ
びiii)所望のバルーン膨張順序を助長する。図5a〜5fに示す実施形態は、折り畳
み方法および様々な折り畳み配列の実施形態を例証する。しかし、この折り畳み配列およ
び結果として生ずるバルーンの向きが例示的なものであり、他のものも用いることができ
ることは理解されるはずである。この実施形態および関連実施形態では、折り畳みを手で
、自動機械によって、または両方の組み合わせによって行うことができる。また、多くの
実施形態において、図3aおよび3bの実施形態に示すように、バルーン30、60、7
0とバルブチャンバ58と多彩な接続チュービング62とを含む単一のマルチバルーン組
立体7(本明細書では組立体7)を使用することによって折り畳みを助長することができ
る。図3aは、バルーン30について単一ドーム構造を有する組立体7の実施形態を示し
、その一方で図3bは、バルーン30について二重バルーン/ドーム構成を有する組立体
7の実施形態を示す。組立体7は、ポリマー加工技術分野において公知の様々な真空成形
法および他の関連方法を用いて所望の形状に真空成形される薄いポリマーフィルムを使用
して製造することができる。好適なポリマーフィルムとしては、0.005”の具体的な
実施形態を伴う、約0.003から約0.010”の範囲の厚みを有するポリエチレンフ
ィルムが挙げられる。好ましい実施形態では、前記組立体の1つもしくは複数の構成要素
(例えば、バルーン30、60など)を接合する必要をなくすために単体構造を有するよ
うに前記組立体を製造する。しかし、組立体7を多数の部分(例えば、半分部分)、また
は構成要素(例えば、バルーン)から製造し、その後、ポリマー/医療デバイス技術分野
において公知の様々な接合法を用いてそれらを接合することも企図される。
10では、バルーン60をバルーン72と共にバルブフィッティング58に外嵌し、その
過程でバルブフィッティング58の反対側に反転させる(図5a参照)。次いで、段階2
11において、バルーン60とバルブ58の折り畳まれた組み合わせに対して直角にバル
ーン72を折り畳む(図5b参照)。次いで、バルーン30の二重ドーム実施形態につい
ての段階212では、バルーン30の2つの半分部分30’および30”を互いに折り重
ね、曝露されたバルブ50を残す(例えば5cを参照して、バルーン30の単一ドーム実
施形態については、それ自体に折り重ねられる、図5e参照)。折り畳まれたバルーン3
0をバルブフィッティング58およびバルーン60の反対側に180°折り曲げる最終折
り畳み段階213を行って、図5eに示す二重ドーム構成についての最終折り畳み組立体
8ならびに図5eおよび5fに示す単一ドーム構成についての最終折り畳み組立体8’を
得ることができる。次いで、1つもしくは複数の送達組立体78を段階214において組
立体8(典型的にはバルーン72の2つの面72f)に取り付けて、(図6aおよび6b
の実施形態に示す)最終組立体9を得、その後、カプセル20にそれを挿入する。挿入段
階215の後の組立体9が挿入された最終組み立てバージョンのデバイス10を図7aお
よび7bに示す。
品101を送達するためのデバイス10の使用方法を説明する。段階およびそれらの順番
が例示的なものであり、他の段階および順番も企図されることは理解されるはずである。
デバイス10が小腸SIに侵入した後、キャップコーティング20c’は、上部小腸にお
ける塩基性pHによって分解され、それに起因して、図10bの段階400に示すように
キャップ20p’が分解する。次いで、バルブ50は小腸内の流体に曝露され、それに起
因して、図10cの段階401に示すようにバルブが分解し始める。次いで、図10dに
示すように、段階402においてバルーン30が(ガス69生成に起因して)拡張する。
次いで、図10eに示すように、段階403においてバルーン60のセクション60’が
拡張し始めて、カプセルボディからの組立体78の押し出しを開始する。次いで、図10
fに示すように、段階404において、バルーン60のセクション60’および60”が
完全に膨張されてカプセルボディから組立体78を完全に押し出して、カプセルの横軸2
0ALと小腸の横軸LAIを位置合わせするのに役立つようにカプセル長20lを伸長さ
せる。この間に、(バルーンが完全に膨張して、他にガス69が行く場所がないことに起
因して)バルーン60内の圧力増加からバルブ55が働かなくなり始めている。次いで、
図10gに示すように、段階405では、バルブ55が完全に開口してバルーン72を膨
張させ、そしてそのバルーン72が(ボディ20p”から完全に押し出された)ここでは
もう完全に曝露された組立体78を径方向外方に腸壁IW内へと押す。次いで、図10h
に示すように、段階406において、バルーン72は、拡張し続けて、ここで、組織貫入
部材を腸壁IWに進入させる。次いで、段階407では、バルーン72は、(バルーン6
0および30と共に)空気が抜けてしまい、その結果、引き戻され、腸壁IWに留置され
た組織貫入部材が残る。また、カプセルのボディ部分20P”は、デバイス10の他の生
分解性部分と共に、(コーティング20c”の分解に起因して)完全に分解される。分解
されなかったいずれの部分も消化からの蠕動収縮によって小腸により遠位に運ばれ、最終
的には排泄される。
張のためのpH感受性の分解性コーティングおよびバルブの使用(ならびに医薬品100
の展開)の代案または補足として、様々な実施形態では、センサ97、例えば、pHセン
サ98または小腸内のカプセルの存在を検出する他の化学的センサに応答して、前記バル
ーンを拡張させることができる。そのとき、センサ97は、アイソレーションバルブ50
の制御可能な実施形態に、または制御可能なアイソレーションバルブ50に連結された電
子制御装置29cにシグナルを送って開口させ、かくして本明細書中で説明するようにバ
ルーン30を拡張させる。pHセンサ98の実施形態は、電極ベースのセンサを含む場合
もあるか、または機械ベースのセンサ、例えば、小腸内の選択pHもしくは他の化学的条
件への曝露により縮むもしくは伸びるポリマーである場合もある。関連実施形態において
、伸縮可能pHセンサ98は、コネクタ63および/または36辺りで伸長または収縮し
てバルーン30と60間および/または区画34と35間のチャネルを開通させるように
該センサを構成することにより、アイソレーションバルブ50自体を構成することもでき
る。
もう1つの実施形態によると、センサ97は、腸管内の特定の位置内でカプセル20が受
けている蠕動収縮の数を検出するための歪ゲージなどの圧力/力センサを含むことができ
る(かかる実施形態において、カプセル20は、望ましくは、蠕動収縮中に小腸によって
狭持されるようなサイズである)。GI管内の異なる位置は、異なる数の蠕動収縮を有す
る。例えば、小腸は、毎分12から9回の間の収縮を有し、小腸の長さを下るにつれてそ
の頻度が減少する。したがって、1つまたは複数の実施形態によると、蠕動収縮数の検出
を使用して、カプセル20が小腸内にあるかどうかを判定することができるばかりでなく
、小腸内での相対位置も判定することができる。使用すると、これらのおよび関連実施形
態によって、小腸内の特定の位置での医薬品100の放出が可能になる。
び/またはセンサを使用する)薬物送達の内部起動の代案または補足として、一部の実施
形態において、ユーザーは、外部からシグナルを送って、バルーン30、60および72
のうちの1つまたは複数を拡張させて医薬品100を腸壁内に送達することができる。当
該技術分野において公知のRF、磁気または他のワイヤレスシグナル送信手段によって前
記シグナルを送ることができる。様々な実施形態において、制御可能なアイソレーション
バルブ50、例えば、RF制御小型ソレノイドバルブまたは他の電気機械制御バルブ(図
示なし)の使用により外部起動を達成することができる。他の実施形態において、制御可
能なアイソレーションバルブ50は、小型磁気的バルブ、例えば、磁気制御小型リードス
イッチ(図示なし)に対応し得る。MEMSおよび他のマイクロ製造法を用いて、かかる
電気機械的または磁気ベースのバルブを製造することができる。これらのおよび関連実施
形態において、ユーザーは、図1bの実施形態に示すような携帯式通信デバイス13(例
えば、携帯式RFデバイス、例えば携帯電話)を使用して、デバイス10からの受信シグ
ナル17を送信することができる。かかる実施形態において、嚥下可能なデバイスは、ト
ランスミッタ28、例えばRFトラシーバチップまたは他の類似の通信デバイス/回路部
品を含むことができる。携帯式デバイス13は、シグナル送信手段を含むばかりでなく、
デバイス10が小腸にまたはGI管内の他の位置にあるときユーザーに情報を与える手段
も含むことができる。後者の実施形態を、シグナル送信のためにトランスミッタ28に連
結されたロジックリソース29(例えば、プロセッサ29)を使用することによって実行
して、いつデバイスが小腸または他の位置にあるかを検出して(例えば、センサからの入
力をシグナル送信することにより)ユーザーにシグナル送信(singe)することがで
きる。ロジックリソース29は、そのプロセスの1つまたは複数の態様を制御するための
制御装置29cを(ハードウェアまたはソフトウェアのいずれかで)備えることができる
。同じ携帯式デバイスを、バルーン30(ならびにバルーン52および60)が拡張され
、選択医薬品100が送達されたとき(例えば、プロセッサ29およびトランスミッタ2
8を使用して)ユーザーに警告するように構成することもできる。かくして、ユーザーに
、医薬品100が送達されたという確認が提供される。これにより、ユーザーが他の適切
な薬物/治療剤を摂取することはもちろん、他の関連した決定を行うこと(例えば、糖尿
病患者が食事を食べるかまたは食べないか、およびいかなる食物を食べるべきか)も可能
になる。アイソレーションバルブ50に優先して嚥下可能なデバイス10にシグナルを送
信するように前記携帯式デバイスを構成することもでき、したがって医薬品100の送達
を防止するか、遅延させるかまたは加速させるように前記携帯式デバイスを構成すること
もまたできる。使用すると、かかる実施形態により、他の症状および/または患者の行動
(例えば、食事を食べること、寝入ることを決めること、運動など)に基づいて医薬品の
送達を防止、遅延または加速させることへのユーザーの介在が可能になる。ユーザーは、
カプセルの嚥下から選択期間の後にバルーン30または拡張可能な部材30を外部から拡
張させることもできる。その期間を、食物がユーザーのGI管を通って該管内の特定の位
置、例えば小腸に移動するための典型的な通過時間または通過時間の範囲に相関させるこ
とができる。
20は、図11aおよび11bの実施形態に示すように、GI管の通過を助長するような
選択可能なサイズおよび形状のカプセル片23を生じさせるように制御可能に分解する生
分解性材料を含むシーム22を備えることができる。シーム22は、図12の実施形態に
示すように、生分解を加速させるために流体が該シームの中に入るための細孔または他の
開口部22pも含むことができる。シーム22の生分解を加速させるための他の手段とし
ては、該シームへプレストレスを加えること、および/または図12の実施形態にも示す
ように該シームに穿孔22fを備えさせること挙げることができる。
または他の拡張可能な部材30の膨張によってカプセル20のより小さい断片への破断を
可能にするように、シーム22を構成および配列することもできる。特定の実施形態では
、シーム22をカプセル半径方向外周21に対して方向づけることができ、これは、カプ
セルをその外周に沿って半分または他の小部分断片に破断させるために半径方向パターン
22rpを有することを含む。カプセルを長さ方向の断片に破断させるために、シーム2
2をカプセル側方アクセス(capsule lateral access)20la
に対して縦に方向づけることもできる。
いての代案または追加のアプローチとして、図22の実施形態に示すようにシーム22(
接着接合部として機能する)により形成される接合部22jで接合される2つのまたは2
つより多い別個の接合可能な断片23j(例えば、半径方向の半分部分)からカプセル2
0を製造することができる。あるいは、接合可能な断片23jを単に機械嵌め、例えばス
ナップまたはプレス嵌めによって接合することができる。
解材料、例えばPGLA、グリコール酸などを挙げることができる。ポリマー技術分野に
おいて公知の様々な接合法、例えば、成形、ホットメルト接合などを用いてカプセル20
にシーム22を取り付けることができる。加えて、同じく生分解性材料から製造されるカ
プセル20の実施形態については、シーム22のより急速な生分解を次のうちの1つまた
は複数によって達成することができる:i)より急速生分解性の材料からのシームの製造
、ii)シームへプレストレスを加えること、またはiii)シームへの穿孔。GI管内
で嚥下可能なデバイスの制御分解を生じさせるために生分解性シーム22を使用するとい
う概念を他の嚥下可能なデバイス、例えば嚥下可能なカメラ(または他の嚥下可能な撮像
デバイス)に応用して、GI管通過を助長し、かかるデバイスがGI管内に固着される尤
度を低下させることができる。したがって、生分解性シーム22の実施形態を嚥下可能な
撮像デバイスおよび他の嚥下可能なデバイスに適合させることができる。
法)により施される超音波を使用してカプセルがより小さい断片に分解されることを可能
にする超音波エネルギー、例えば高周波超音波(HIFU)の吸収によって容易に分解さ
れる材料で構築され得、そして/または容易に分解される構造を有し得る。
形態を使用するGI管壁への薬物および他の治療剤の(医薬品100の形態での)送達方
法を提供する。ここで、かかる方法の例示的実施形態を説明することにする。説明する薬
物送達実施形態は、小腸SI内で行われる。しかし、これが例示的なものであること、な
らびに胃および大腸をはじめとするGI管内の多数の位置における薬物の送達に本発明の
実施形態を使用することができることは理解されるはずである。論述を容易にするために
、嚥下可能な薬物送達デバイス10を本明細書では時としてカプセルと呼ぶことにする。
上で説明したような様々な実施形態において、デバイス10を密封パッケージング12の
中にキット14としてパッケージすることができ、該パッケージング12は、デバイス1
0および1セットの使用説明書15を備えている。患者が携帯式デバイス13を使用して
いる場合、該患者は、手作業で、または説明書15またはパッケージング12上にあるバ
ーコード18(もしくは他の識別表示18)によってデバイス13にデータを入力するよ
うにとの指示を受けることができる。バーコードを使用する場合、患者は、デバイス13
上のバーコードリーダ19を使用してバーコードをスキャンすることになる。パッケージ
ング12を開け、説明書15を読み、一切の必要データを入力した後、患者は、嚥下可能
な薬物送達デバイス10の実施形態を嚥下する。薬物に応じて、患者は、食事と共に(前
、中もしくは後に)または生理学的計測、例えば血糖計測に関連してデバイス10を使う
ことができる。カプセル20は、図1eの実施形態に示すように、蠕動作用によってGI
管を通過するようなサイズであり、患者の胃Sを通って小腸SIへと進む。本発明の1つ
または複数の実施形態によると、カプセル10は、小腸に入ると、コーティング20c’
および20c”は、小腸内の塩基性pH(または小腸に特有の他の化学的もしくは物理的
条件)によって分解され、それに起因して、バルーン30、60および72が拡張するか
または医薬品100が小腸SIの壁内に送達される。
排泄される。易裂性カプセルを有する実施形態については、カプセルをバルーン30の膨
張によって直ちにより小さい断片に破断させることができる。生分解性シーム22または
他の生分解性部分を有するカプセル20の実施形態については、カプセルが腸管内でより
小さい断片に分解されて、腸管通過および腸管からの排泄を助長する。生分解性組織貫入
針/部材40を有する特定の実施形態では、針が腸壁に固着されるはずである場合、該針
が生分解して該壁からカプセル20を放出する。
50の制御可能な実施形態および/または該アイソレーションバルブ50に連結されたプ
ロセッサ29/制御装置29cにシグナルを送信するセンサによってバルーン30または
他の拡張可能な部材30の拡張を遂行することができる。外部始動能力を備えているデバ
イス10の実施形態については、ユーザーは、カプセルを嚥下してから選択期間の後に、
バルーン30(ならびにバルーン52および60)を外部から拡張させることができる。
その期間を、食物がユーザーのGI管を通って該管内の特定の位置、例えば小腸に移動す
るための典型的な通過時間(例えば、30分)または通過時間の範囲(例えば、10分か
ら2時間)に相関させることができる。
有効量の様々な薬物および他の治療剤101を含有する製剤100の送達に用いることが
できる。これらには、別の方法では胃内での化学的分解に起因して注射を必要とする多数
の大分子ペプチドおよびタンパク質、例えば、成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、インス
リン、インターフェロンおよび他の類似の化合物が挙げられる。本発明の実施形態によっ
て送達することができる好適な薬物および他の治療剤としては、様々な化学療法剤(例え
ば、インターフェロン)、抗生物質、抗ウイルス薬、インスリンおよび関連化合物、グル
カゴン様ペプチド(例えば、GLP−1、エクセナチド)、副甲状腺ホルモン、成長ホル
モン(例えば、IFGおよび他の成長因子)、発作抑制剤(例えば、Furosimid
e)、抗片頭痛医薬品(スマトリプタン)、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)およ
び抗寄生虫剤、例えば様々な抗マラリア剤が挙げられる。患者の体重、年齢または他のパ
ラメータについて特定の薬物の投薬量を調整することができる。また、所望の効果または
治療効果を達成するための薬物101(例えば、血糖調節のためのインスリン、発作抑制
のためのフロシミド(Furosimide))は、該薬物(例えば、胃で消化され小腸
壁を通して吸収される嚥下可能なピル)が従来の経口送達によって送達された場合に必要
とされる量未満であり得る。これは、胃内の酸および他の消化液によって薬物が分解され
ないこと、および薬物のほんの一部分のみとは対照的に、すべてが小腸(または胃腸管の
他の管腔、例えば大腸、胃など)の壁内に送達されることに起因する。薬物101に応じ
て、製剤100で送達される用量102は、所望の治療効果(例えば、血糖調節、発作調
節など)を達成するために従来の経口送達手段によって送達される用量の100から5%
の範囲であり得るが、よりいっそう少ない量も企図される。特定の薬物、処置すべき状態
ならびに患者の体重、年齢および状態に基づいて、特定の用量低減を用量調整することが
できる。(腸管内での分解レベルが分かっている)一部の薬物については、標準的用量低
減を用いることができる(例えば、10から20%)。より分解されやすく、かつ吸収不
良である薬物については、より大量の用量低減を用いることができる。かくして、摂取用
量が低下するので、デバイス10によって送達される特定の薬物(単数または複数)の潜
在的毒性および他の副作用(例えば、胃痙攣、過敏性腸、出血など)を低減させることが
できる。そしてまた、これは、患者の重症度と副作用発生率の両方が低減するので、患者
コンプライアンスを向上させる。薬物101の用量低減を利用する実施形態のさらなる恩
恵としては、患者がその薬物に対する耐性を発現する(より高い用量を必要とする)尤度
低減および、抗生物質の場合には、患者が耐性菌株を発生させる尤度の低減が挙げられる
。また、小腸のセクション(複数)が除去されたかまたはその動作(例えば、消化)長が
有効に短縮された、胃バイパス術および他の手技を受けている患者については、他の用量
低減レベルを達成することができる。
実施形態を用いて、多数の状態の処置または特定の状態の処置のための複数の薬物(例え
ば、HIV AIDS処置のためのプロテアーゼ阻害剤)を送達することができる。使用
すると、かかる実施形態により、患者は、特定の状態(単数または複数)のために多数の
医薬品を摂取しなければならない必要性をなしで済ませることができる。また、それらの
実施形態は、2種のまたは2種より多い薬物のレジメンが小腸内に、そしてしたがってほ
ぼ同時に血流内に送達され、吸収されることを助長するための手段を提供する。化学組成
、分子量などが異なるため、薬物は、腸壁を通して異なる速度で吸収されるはずであり、
その結果、異なる薬物動態分布曲線が生ずる。本発明の実施形態は、実質的に同時に所望
の薬物混合物を注射することによりこの論点に対処する。そしてまた、このことが薬物動
態を向上させ、およびしたがって、選択された薬物混合物の効力を向上させる。加えて、
多数の薬物を摂取する必要をなくすことは、認知または身体能力障害を有する者を含めて
、1つまたは複数の長期慢性状態を有する患者にとって特に有益である。
剤100を送達して、多数の医学的状態および疾患を処置することができる。本発明の実
施形態で処置することができる医学的状態および疾患としては、限定ではないが、癌、ホ
ルモン状態(例えば、甲状腺機能低下/亢進、成長ホルモン状態)、骨粗鬆症、高血圧、
高コレステロールおよびトリグリセリド、糖尿病および他のグルコース調節障害、感染(
局所または敗血症)、癲癇および他の発作性疾患、骨粗鬆症、冠不整脈(動脈性および静
脈性両方)、冠動脈虚血、貧血または他の類似の状態を挙げることができる。さらに他の
状態および疾患も企図される。
例えば坐剤)の必要は無いものの、その代り、小腸壁またはGI管の他の部分の壁内に送
達される治療剤(単数または複数)のみに依存して、特定の疾患または状態の処置を行う
ことができる。例えば、患者がインスリンを注射する必要が全くなく、小腸壁内に送達さ
れるインスリンの使用のみによって(例えば、血糖値を管理することにより)糖尿病また
は別のグルコース調節障害を処置することができる。類似して、患者は、従来の経口形態
の薬物または他の治療剤を摂取する必要がなく、重ねて、嚥下可能なカプセルの実施形態
を用いる小腸壁内への送達にしか依存しない。他の実施形態では、小腸壁内に送達される
治療剤(単数または複数)を注射用量の該剤(単数または複数)と共に送達することがで
きる。例えば、患者は、嚥下可能なカプセルの実施形態を用いて日用量のインスリンまた
は血糖調節用化合物を摂取することができるが、ただ数日ごとにまたは患者の状態(例え
ば、高血糖)が必要とするときに注射用量を摂取する必要があるだけである。経口形態で
旧来送達されている治療剤についても同じことが言える(例えば、患者は、前記嚥下可能
なカプセルを摂取することができ、そして必要に応じて従来の経口形態の剤を摂取するこ
とができる)。かかる実施形態で送達される投薬量(例えば、嚥下され、注射される用量
)を必要に応じて調整することができる(例えば、標準用量応答曲線および他の薬物動態
法を用いて適切な投薬量を決定することができる)。また、従来の経口手段によって送達
することができる治療剤を使用する実施形態については、嚥下可能なカプセルの実施形態
を使用して送達される用量は、胃内でまたは腸管の他の部分の中でその剤の分解が殆どま
たは全くないので、その剤の経口送達のために通常施される投薬量より下に調整すること
ができる(この場合もまた、標準用量応答曲線および他の薬物動態法を適用することがで
きる)。
療剤101を含有する製剤100の実施形態の様々な群を投薬量に関して説明する。特定
の治療剤およびそれぞれの投薬量を含めてこれらの実施形態が例示的なものであること、
および製剤100が、デバイス10の様々な実施形態を用いて腸管における管腔壁(例え
ば、小腸壁)内への送達用に構成される、本明細書に記載する多数の他の治療剤(ならび
に当該技術分野において公知のもの)を含み得ることは、理解されるはずである。前記投
薬量は、本明細書に記載する投薬量より多くても、少なくてもよく、そして、本明細書に
記載するかまたは当該技術分野において公知の1つまたは複数の方法を用いて前記投薬量
を調整することができる。実施形態の1つの群において、治療剤製剤100は、糖尿病お
よび他のグルコース調節障害の処置のための治療有効用量のインスリンを含むことができ
る。前記インスリンは、ヒト由来であってもよく、当該技術分野において公知であるよう
に合成により誘導されてもよい。1つの実施形態において、製剤100は、2〜4、3〜
9、4〜9、5〜8または6〜7の特定の範囲を伴う、約1〜10単位(1単位は約45
.5μgの純粋な結晶性インスリンの生物学的等価量である)の範囲の治療有効量のイン
スリンを含有し得る。前記製剤中のインスリンの量を次の因子(本明細書では、「グルコ
ース管理用量調整因子」)のうちの1つまたは複数に基づいて用量調整することができる
:i)患者の状態(例えば、1型対II型糖尿病);ii)患者の以前の総合的血糖管理
レベル;iii)患者の体重;iv)患者の年齢;v)投薬頻度(例えば、1日1回対多
数回);vi)時間帯(例えば、朝対夕方);vii)特定の食事(朝食対夕食);vi
ii)特定の食事の内容/グリセミック指数(例えば、(血糖の急上昇を生じさせる傾向
があり、それゆえに、より高いグリセミック指数を有する)高脂肪/脂質および糖分対そ
の傾向がない(それゆえに、より低いグリセミック係数を有する)低脂肪および糖分を有
する食事);ならびにix)患者の全食事内容(例えば、1日に消費される糖および他の
炭水化物、脂質およびタンパク質の量)。
調節障害の処置のための治療有効用量の1つまたは複数のインクレチンを含むことができ
る。かかるインクレチンとしては、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)およびそれら
の類似体、ならびに胃抑制ペプチド(GIP)を挙げることができる。好適なGLP−1
類似体としては、エクセナチド、リラグルチド、アルビグルチドおよびタスポグルチドな
らびにそれらの類似体、誘導体および他の機能的等価物が挙げられる。1つの実施形態に
おいて、製剤100は、約1〜10μgの範囲(2〜4μg、4〜6μg、4〜8μgお
よび8〜10μgの特定の範囲をそれぞれ伴う)の治療有効量のエクセナチドを含有し得
る。もう1つの実施形態において、製剤100は、約1〜2mg(ミリグラム)の範囲(
1.0から1.4mg、1.2から1.6mgおよび1.2から1.8mgの特定の範囲
をそれぞれ伴う)の治療有効量のリラグルチドを含有し得る。前記グルコース管理用量調
整因子のうちの1つまたは複数を利用して、エクセナチド、リラグルチドまたは他のGL
P−1類似体もしくはインクレチンの用量範囲を調整することができる。
コース調節障害の処置のための治療剤の組み合わせを含むことができる。かかる組み合わ
せの実施形態は、治療有効用量のインクレチンおよびビグアニド化合物を含むことができ
る。前記インクレチンは、本明細書に記載する1つまたは複数のGLP−1類似体、例え
ばエクセナチドを含むことができ、および前記ビグアニドは、メトホルミン(例えば、M
erck Sante S.A.S.により製造されたGLUCOPHAGEの商標で入
手できる)ならびにその類似体、誘導体および他の機能性等価物を含むことができる。1
つの実施形態において、製剤100は、約1〜10μgの範囲の治療有効量のエクセナチ
ド、および約1から3グラムの範囲の治療有効量のメトホルミンの組み合わせを含むこと
ができる。より少ない範囲およびより多い範囲も企図され、前記グルコース管理用量調整
因子のうちの1つまたは複数を用いてエクセナチド(または他のインクレチン)およびメ
トホルミンまたは他のビグアニドのそれぞれの用量を調整する。加えて、数時間(例えば
12)から1日そして何日にも及ぶ長期間(なお、さらに長い期間も企図される)にわた
っての患者のグルコース管理レベル向上(例えば、正常生理レベル内での血糖の維持なら
びに/または高血糖および/もしくは低血糖の事例の発生率および重症度の低減)にエク
セナチドまたは他のインクレチンおよびメトホルミンまたは他のビグアニドの投薬量をマ
ッチさせることができる。投薬量のマッチングは、前記グルコース管理調節因子の使用は
もちろん、グリコシル化ヘモグロビン(ヘモグロビンA1c、HbA1c、A1cまたは
Hb1cとして公知)ならびに長期平均血糖値に相関する他の分析物および測定値を用い
て長期間にわたって患者の血糖値をモニターすることによっても達成することができる。
の成長障害ばかりでなく創傷治癒の処置のための治療有効用量の成長ホルモンを含むこと
ができる。1つの実施形態において、製剤100は、約0.1〜4mgの範囲(0.1〜
1mg、1〜4mg、1〜2mgおよび2〜4mgの個々の範囲を伴い、さらにいっそう
多い範囲も企図される)の治療有効量の成長ホルモンを含有し得る。次のうちの1つまた
は複数に基づいてその特定の用量を調整することができる:i)処置すべき特定の状態お
よびその重症度(例えば、妨げられた成長(stunted growth)対創傷治癒
);ii)患者の体重;iii)患者の年齢;およびiv)投薬頻度(例えば、1日1回
対1日2回)。
甲状腺障害の処置のための治療有効用量の副甲状腺ホルモンを含むことができる。1つの
実施形態において、製剤100は、約1〜40μgの範囲(10〜20μg、20〜30
μg、30〜40μgおよび10〜40μgの個々の範囲を伴い、さらにいっそう多い範
囲も企図される)の治療有効量の副甲状腺ホルモンを含有し得る。次のうちの1つまたは
複数に基づいてその個々の用量を調整することができる:i)処置すべき特定の状態およ
びその重症度(例えば、骨密度計測によって判定されるような骨粗鬆症度);ii)患者
の体重;iii)患者の年齢;およびiv)投薬頻度(例えば、1日1回対1日2回)。
ある。開示する寸分違わない形態に本発明を限定するためのものではない。多くの修飾、
変形および洗練が当業者には明らかである。例えば、デバイスの実施形態を、様々な小児
科および新生児利用ならびに様々な獣医学的利用のためにサイズ調整または別様に適応さ
せることができる。また、本明細書に記載する具体的なデバイスおよび方法の非常に多く
の等価物を常例的実験のみを用いて突きとめることができることは、当業者には理解され
る。かかる等価物は、本発明の範囲内であると見なされ、下記添付クレームによって包含
される。
からの1つもしくは複数の要素、特徴または行為で置換して、本発明の範囲内で非常に多
くの追加の実施形態を形成することができる。さらに、他の要素と組み合わせるように示
されているかまたは記載されている要素は、様々な実施形態において、独立型要素として
存在することができる。したがって、本発明の範囲は、記載した実施形態の明細に限定さ
れず、代わりに、添付のクレームによってのみ限定される。
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- 明細書に記載された発明。
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