JP2017112969A - 活魚麻酔装置 - Google Patents
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Abstract
Description
まず、本発明の一実施形態にかかる活魚麻酔装置1の全体構成について図1を用いて説明する。
活魚麻酔装置1は、魚を生きている状態で輸送するために、魚(活魚)の成育している水槽内の海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって、活魚に麻酔を行う装置である。なお、混合気体の構成は、これに限定するものではなく、例えば、一酸化二窒素などの酸化窒素ガスを麻酔剤として使用することもできる。
活魚麻酔装置1は、海水若しくは淡水を貯留する水槽2と、水槽2の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置3と、を備える。
次に、活魚麻酔装置1について図3から図6を用いて詳細に説明する。
水槽2は、直方体、多角形筒若しくは円筒状の容器であり、水槽2は、活魚を生育するための水槽若しくは活魚を輸送するための水槽である。活魚を生育するための水槽であれば、複数の活魚を生育するために必要な容量を備える。また、活魚を輸送するための水槽であれば、単数もしくは複数の活魚を輸送するために必要な容量であって、車や船等の輸送手段に搭載可能な容量を備える。
酸素圧送手段23は、混合気体の原料となる酸素を圧送するための装置であり、本実施形態においては酸素貯蔵手段23A及び開閉弁23Bで構成されている。
調整弁25は、混合気体の圧力を調整するための弁である。
このように構成することにより、例えば輸送の際に、二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23を水槽2と共に運搬する必要が無くなるため、省スペース化を図ることができる。
駆動手段は、回転軸27を駆動させる手段であり、詳細には回転軸27の外筒42を回転させるロータリージョイント44により構成される。ロータリージョイント44は、内部に気体を通過させるための空間を有する駆動手段であり外筒42と連結されている。またロータリージョイント44の内部空間44Aは、上流側が調整弁25と連結されており、下流側が回転軸内通路26と連結されている。
回転体内通路28は、回転体29の中心から半径方向外側へ突設されており、一端が連通孔29Aと連結されている。また、回転体内通路28の半径方向外側の他端は、気泡発生媒体30に設けられた気泡発生媒体内通路31と連結されている。
炭素系の多孔質素材とは、炭素のみ若しくは炭素及びセラミックを含む複合素材であり、無機質の素材である。
例えば、気泡発生媒体30を下方に傾斜させた場合には、気泡発生媒体30の下側においては、気泡発生媒体30の下面と接触した水が下側に流れることにより、下向きの水流が起こり、気泡発生媒体30の上側においては、気泡発生媒体30の上面に沿って水が流れることにより、下向きの水流が発生する。これにより、気泡発生媒体30を回転させることで下向きの水流を起こして攪拌することもできる。
下向きの水流を起こした場合であっても、通常の気泡であれば一旦下方へ沈んだ後再び上方へ浮上するため、大きな圧力をかけて気泡を下方へ送る必要があった。しかし、本実施形態によれば、超微細気泡の浮力の小さい性質を利用して、下向きの水流を起こすだけで超微細気泡を容易に下方まで送ることができる。
次に、超微細気泡発生装置3による超微細気泡の発生方法について説明する。
まず、回転軸27を駆動させる。詳細には、図示せぬ動力源により駆動されたロータリージョイント44が回転することにより、外筒42を回動させることで回転軸27を回転させる。回転軸27が回動すると回転軸27の下端に設けられた回転体29が回転する。
次に、混合気体容器34内において所定の圧力で格納された混合気体は、調整弁25を開閉することにより回転軸内通路26へ送られる。調整弁25は、混合気体の圧力及び流量を制御する。調整弁25は、通常使用される比例弁であり、比例弁は、電磁石、ゴムにより形成される薄膜及び弁座を備える。弁の開閉量又は開弁率は、電磁石に流れる電流により決定される。得られる気体流は、電流にほぼ比例する。
回転軸内通路26へと送られた気体は、連通孔29A及び連通孔29Bを介して回転体内通路28へと送られる。回転体内通路28へと送られた空気は、気泡発生媒体内通路31へと送られ、気泡発生媒体内通路31から気泡発生媒体30に設けられた直径数μm〜数十μmの細かな孔30Aを通って、超微細気泡となり液体中へ放出される。液体中へ放出される超微細気泡は、気泡発生媒体30表面に放出された瞬間に、回転する気泡発生媒体30と周りの液体との間に生まれた流れ(図7(a)の矢印方向の流れ)によって、表面から離間される。このように構成することにより、後から発生する超微細気泡や周辺の孔30Aから発生する超微細気泡と合体することなく単独で液体中へ移動することとなる。
超微細気泡発生装置3を有する活魚麻酔装置1において、超微細気泡発生装置3は、炭素系の多孔質素材で構成されているため、水中に長時間放置しておいても、劣化や錆付き等が発生しない。また、メッシュ部材等を使用することなく超微細気泡を発生させることができるので、目詰まりが発生せずメンテナンスの回数が減少する。
下向きの水流を起こした場合であっても、通常の気泡であれば一旦下方へ沈んだ後再び上方へ浮上するため、大きな圧力をかけて気泡を下方へ送る必要があった。しかし、本実施形態によれば、超微細気泡の浮力の小さい性質を利用して、下向きの水流を起こすだけで超微細気泡を容易に下方まで送ることができるため、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができる。
このように構成することにより、気泡発生媒体30を炭素系素材の多孔質部材で形成したことにより、液体ジェットノズルなどで噴流を発生させることなく、酸素及び二酸化炭素を常温常圧で100μm未満の超微細気泡として発生させることができる。海水または淡水中へ超微細気泡として酸素及び二酸化炭素を供給することにより、気体の溶存効率が80%以上となり、空気中へ放出される酸素または二酸化炭素の量が減少するので、投入する混合空気における酸素及び二酸化炭素の分圧を容易に制御することができるようになり、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができ、活魚に効率よく麻酔をかけることができる。このため、活魚の排尿量が減少し、水槽2内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。また、活魚の呼吸量が減るため代謝が少なくなり鮮度を保ちやすくなる。また、活魚を輸送する際に、麻酔をした代謝の低い状態で活魚を輸送することができるので、投入する酸素量も抑制することができる。
このように構成することにより、水槽2内において超微細気泡を発生させることができるため、水槽2中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
このように構成することにより、水槽2内の水を撹拌しながら超微細気泡を発生させることができるため、水槽2中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
また、別の実施形態として、図7及び図8に示すように、水槽2の外部に超微細気泡発生装置212を設けることも可能である。超微細気泡発生装置212は、循環通路301と、循環通路301内に設けられた気泡発生媒体302と、を備える。ここで、第一実施形態と同一の番号を付した部分は第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。
次に、超微細気泡発生装置212による超微細気泡の発生方法について説明する。
まず、ポンプ303を駆動して循環通路301内に液体流を発生させる。
次に、混合気体容器34内において所定の圧力で格納された混合気体は、調整弁25を開閉することにより回転軸内通路26へ送られる。調整弁25は、混合気体の圧力及び流量を制御する。及び調整弁25は、通常使用される比例弁であり、比例弁は、電磁石、ゴムにより形成される薄膜及び弁座を備える。弁の開閉量又は開弁率は、電磁石に流れる電流により決定される。得られる気体流は、電流にほぼ比例する。
次に調整弁25により調圧された混合気体を圧送する。調整弁25により減圧された気体は内部空間302Aへと送られる。
内部空間302Aへと送られた気体は、直径数μm〜数十μmの細かな孔302Bを通って、超微細気泡となり液体中へ放出される。液体中へ放出される超微細気泡は、気泡発生媒体302の表面に放出された瞬間に、循環通路301内の液体流によって、表面から離間される。このように構成することにより、後から発生する超微細気泡や周辺の孔302Bから発生する超微細気泡と合体することなく単独で水中へ移動することとなる。
超微細気泡発生装置3を有する活魚麻酔装置1において、超微細気泡発生装置212は、炭素系の多孔質素材で構成されているため、水中に長時間放置しておいても、劣化や錆付き等が発生しない。また、メッシュ部材等を使用することなく超微細気泡を発生させることができるので、目詰まりが発生せずメンテナンスの回数が減少する。
また、第一実施形態の変形例として、図10に示すように、混合気体容器34よりも下流側であって、気泡発生媒体30よりも上流側に紫外線照射手段51を配置する構成とすることもできる。なお、第一実施形態と同じ番号を振った部材については、第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。
回転軸27内の回転軸内通路26を通過する混合気体に含まれる酸素に紫外線照射手段51から紫外線を照射することにより、酸素の一部からオゾンが生成される。
オゾンの消毒・浄水作用により、水槽2内の水が浄化され、活魚が生育しやすい環境を作ることができる。
2 水槽
3 超微細気泡発生装置
25 調圧弁
26 回転軸内通路
27 回転軸
28 回転体内通路
29 回転体
30 気泡発生媒体
31 気泡発生媒体内通路
34 混合気体容器
Claims (3)
- 海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって活魚に麻酔を行う活魚麻酔装置であって、
海水若しくは淡水を貯留する水槽と、
前記水槽の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置と、を備え、
前記超微細気泡発生装置は、
炭素系の多孔質素材で形成された気泡発生媒体と、
二酸化炭素と酸素とを所定の割合で混合した混合気体を貯蔵する混合気体容器と、
前記混合気体容器において貯蔵された混合気体の圧力を調整する調整弁と、
を有する、
活魚麻酔装置。 - 前記気泡発生媒体は、前記水槽内に配置される、
請求項1に記載の活魚麻酔装置。 - 前記超微細気泡発生装置は、
中央部に前記調整弁と連結される回転軸内通路を設けた回転軸と、
前記回転軸と相対回転不能に設けられ、前記回転軸内通路と連通する回転体内通路を備える少なくとも一以上の回転体と、を備え、
前記気泡発生媒体は、前記回転体内通路と連通し、前記回転体に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の活魚麻酔装置。
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