JP6925103B2 - 活魚麻酔装置 - Google Patents

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    • A01K63/00Receptacles for live fish, e.g. aquaria; Terraria
    • A01K63/02Receptacles specially adapted for transporting live fish

Description

本発明は、活魚輸送において、魚に麻酔をかけて安全かつ新鮮に輸送することが可能な活魚麻酔装置の技術に関し、特に、液体中において微細な気泡を発生させる超微細気泡発生装置を有する活魚麻酔装置の技術に関する。
従来、活魚の輸送においては、魚を殺すことなく代謝の低い状態で輸送するために、二酸化炭素及び酸素を混入した水による麻酔を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には淡水又は海水に炭酸ガスを混入させ、対象となる魚に対する麻酔効果を有する濃度の溶存炭酸ガス及び魚が生存するために必要な濃度の溶存酸素を含む麻酔用炭酸水を予め製造し、麻酔用炭酸水を魚の麻酔を行う麻酔用水槽に供給しながら、麻酔用水槽中に魚を入れて魚の麻酔を行う活魚の輸送方法が開示されている。また、特許文献2には炭酸ガス分圧を55〜95mmHgに調節した低温水槽中で活魚を麻酔状態にして輸送する方法が開示されている。
また、近年、水道水や湖沼・河川、海水等の液体中において気泡のサイズ(直径)が常温常圧で100μm未満の超微細気泡を使用する技術が注目されている。前記超微細気泡は、表面積が非常に大きい特性及び自己加圧効果などの物理化学的な特性を有しており、その特性を生かして、排水浄化、洗浄、気体溶存、撹拌等に使用する技術が開発されている。
前記特性を持った超微細気泡の発生方法として、従来から、コンプレッサにより圧送された気体を放出するノズルの周囲に液体ジェットノズルを配置し、液体ジェットノズルの噴流の力でノズルより放出する気泡を引きちぎって微細化する方法は公知となっている。また、攪拌してできた気泡をメッシュ部材に当てて通しながら気泡を細分化する方法も公知となっている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−054559号公報 特開平1−144916号公報 特許第3958346号公報
しかし、従来の麻酔用炭酸水を製造する方法では、炭酸ガスを混入させる工程において、炭酸ガスが水中に溶解しきらず、気体となって放出される割合が多かった。すなわち、水中に炭酸ガスを噴射するだけでは、気体溶存効率が低く、殆どが気泡となって水上へ移動して空気中へと放出される。気体溶存効率が低いため、投入する炭酸ガスと酸素の割合を予め計算した場合であっても、放出される気体量によっては、実測値が計算値と異なる場合がある。
そこで、本発明はかかる課題に鑑み、水中に酸素と二酸化炭素とを混合した混合気体を効率的に供給することができる活魚麻酔装置を提供する。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって活魚に麻酔を行う活魚麻酔装置であって、海水若しくは淡水を貯留する水槽と、前記水槽の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置と、気体として二酸化炭素を供給する二酸化炭素圧送手段と、気体として酸素を供給する酸素圧送手段と、を備え、前記超微細気泡発生装置は、炭素系の多孔質素材で形成された気泡発生媒体と、前記二酸化炭素圧送手段から供給される二酸化炭素と前記酸素圧送手段から供給される酸素とを所定の割合で混合した混合気体を貯蔵する混合気体容器と、前記混合気体容器において貯蔵された混合気体の圧力を調整する調整弁と、を有し、前記混合気体容器は、前記二酸化炭素圧送手段および酸素圧送手段から分離可能に構成され、前記気泡発生媒体は、前記水槽内に配置され、前記気泡発生媒体から前記所定の割合で混合した混合気体を放出するものである。
請求項においては、前記超微細気泡発生装置は、中央部に前記調整弁と連結される回転軸内通路を設けた回転軸と、前記回転軸と相対回転不能に設けられ、前記回転軸内通路と連通する回転体内通路を備える少なくとも一以上の回転体と、を備え、前記気泡発生媒体は、前記回転体内通路と連通し、前記回転体に固定されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、気泡発生媒体を炭素系素材の多孔質部材で形成したことにより、液体ジェットノズルなどで噴流を発生させることなく、酸素及び二酸化炭素を常温常圧で100μm未満の超微細気泡として発生させることができる。海水または淡水中へ超微細気泡として酸素及び二酸化炭素を供給することにより、気体の溶存効率が80%以上となる。これにより、空気中へ放出される酸素または二酸化炭素の量が減少するので、投入する混合空気における酸素及び二酸化炭素の分圧を容易に制御することができるようになり、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができ、活魚に効率よく麻酔をかけることができる。このため、活魚の排尿量が減少し、水槽内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。また、活魚の呼吸量が減るため代謝が少なくなり鮮度を保ちやすくなる。また、活魚を輸送する際に、麻酔をした代謝の低い状態で活魚を輸送することができるので、投入する酸素量も抑制することができる。また、水槽内において超微細気泡を発生させることができるため、水槽中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
請求項においては、水槽内の水を撹拌しながら超微細気泡を発生させることができるため、水槽中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
本発明の一実施形態に係る活魚麻酔装置の全体的な構成を示した正面図。 本発明の一実施形態に係る混合気体容器、二酸化炭素供給手段、及び酸素供給手段を示す正面図。 本発明の第一の実施形態に係る超微細気泡発生装置の正面図。 本発明の第一の実施形態に係る超微細気泡発生装置の正面断面図。 本発明の第一の実施形態に係る超微細気泡発生装置の一部斜視図。 本発明の第一の実施形態に係る超微細気泡発生装置の平面断面図。 (a)本発明の第一の実施形態に係る気泡発生媒体のA−A線断面図。(b)本発明の第一の実施形態に係る気泡発生媒体の断面一部拡大図。 本発明の第二の実施形態に係る超微細気泡発生装置の正面図。 本発明の第二の実施形態に係る気泡発生媒体の断面一部拡大図。 本発明の第三の実施形態に係る紫外線照射手段を備える超微細気泡発生装置の正面図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の一実施形態にかかる活魚麻酔装置1の全体構成について図1を用いて説明する。
活魚麻酔装置1は、魚を生きている状態で輸送するために、魚(活魚)の成育している水槽内の海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって、活魚に麻酔を行う装置である。なお、混合気体の構成は、これに限定するものではなく、例えば、一酸化二窒素などの酸化窒素ガスを麻酔剤として使用することもできる。
活魚麻酔装置1は、海水若しくは淡水を貯留する水槽2と、水槽2の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置3と、を備える。
<第一実施形態の構成>
次に、活魚麻酔装置1について図3から図6を用いて詳細に説明する。
水槽2は、直方体、多角形筒若しくは円筒状の容器であり、水槽2は、活魚を生育するための水槽若しくは活魚を輸送するための水槽である。活魚を生育するための水槽であれば、複数の活魚を生育するために必要な容量を備える。また、活魚を輸送するための水槽であれば、単数もしくは複数の活魚を輸送するために必要な容量であって、車や船等の輸送手段に搭載可能な容量を備える。
超微細気泡発生装置3は、水中において超微細気泡を発生させるための装置である。ここで超微細気泡とは、常温常圧化においてサイズ(直径)が100μm未満の気泡を意味する。超微細気泡発生装置3は、図3及び図4に示すように、水槽2の内部に気体を超微細気泡として供給する装置であり、二酸化炭素と酸素とを所定の割合で混合した混合気体を貯蔵する混合気体容器34と、混合気体容器34に貯蔵された混合気体の圧力を調整する調整弁25と、中央部に調整弁25と連通する回転軸内通路26を設けた回転軸27と、回転軸27と相対回転不能に設けられ、回転軸内通路26と連通する回転体内通路28を備える少なくとも一以上の回転体29と、回転体内通路28と連通し、回転体29に固定される気泡発生媒体30とを備える。超微細気泡発生装置3を使用する場合には、回転軸27の中途部から下の部分が水槽2の液体中に配置される。
混合気体容器34は、酸素及び二酸化炭素を所定の割合で貯蔵する容器であり、本実施形態では圧力容器で構成されている。次に混合気体容器34に貯蔵される混合気体を生成する方法について図2において説明する。
図2に示すように、混合気体を生成する場合、混合気体容器34は、二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23に連結される。
二酸化炭素圧送手段22は、混合気体の原料となる二酸化炭素を圧送するための装置であり、本実施形態においては二酸化炭素貯蔵手段22A及び開閉弁22Bで構成されている。
酸素圧送手段23は、混合気体の原料となる酸素を圧送するための装置であり、本実施形態においては酸素貯蔵手段23A及び開閉弁23Bで構成されている。
調整弁25は、混合気体の圧力を調整するための弁である。
二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23は、混合気体容器34と分離可能に構成されている。例えば、二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23と連結している管を分離することにより、混合気体容器34と、二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23とを分離することができる。
このように構成することにより、例えば輸送の際に、二酸化炭素圧送手段22及び酸素圧送手段23を水槽2と共に運搬する必要が無くなるため、省スペース化を図ることができる。
回転軸27は、駆動手段により回転される部材であり、駆動手段により回動可能に構成される外筒42と、外筒42の内部に形成される内筒43とから構成される。回転軸27の上端には駆動手段が連結されている。
駆動手段は、回転軸27を駆動させる手段であり、詳細には回転軸27の外筒42を回転させるロータリージョイント44により構成される。ロータリージョイント44は、内部に気体を通過させるための空間を有する駆動手段であり外筒42と連結されている。またロータリージョイント44の内部空間44Aは、上流側が調整弁25と連結されており、下流側が回転軸内通路26と連結されている。
回転軸27は、中空に構成されており、その中空となっている中心部には気体を通すための回転軸内通路26が設けられている。回転軸内通路26は、回転軸27の外筒42の内部に設けられ、管状に形成された内筒43によって構成されている。内筒43は、外筒42が回転しているときも回転不能に構成されており、内筒43の内部には回転軸内通路26が設けられている。回転軸27の下部には回転体29が外筒42と相対回転不能に設けられている。本実施形態においては、回転体29は、回転軸27の下端に設けられている。
回転体29は、図4に示すように、回転軸27の下端に設けられており、回転軸27の外筒42下端と回転体29とは相対回転不能に固定されている。また、回転軸内通路26と回転体29の上面に設けられた連結孔29Aとが連結するように設けられている。連通孔29Aはその下面が閉じられており、その側面に複数の連通孔29Bが穿設されている。連通孔29Bの数は、後述する回転体内通路の数と同じとなるように設けられており、本実施形態においては2個設けられている。
回転体内通路28は、回転体29の中心から半径方向外側へ突設されており、一端が連通孔29Aと連結されている。また、回転体内通路28の半径方向外側の他端は、気泡発生媒体30に設けられた気泡発生媒体内通路31と連結されている。
気泡発生媒体30は炭素系の多孔質素材で構成されており、図7(b)に示すように、直径数μm〜数十μmの細かな孔30Aを多数有している。また、気泡発生媒体30は導電体であり、気泡発生媒体30から発生する気泡は負の電荷が帯電される。言い換えれば、導電体である気泡発生媒体30を通過する際に超微細気泡に自由電子が付加されることにより、負の電荷が帯電するものである。この負の電荷により、気泡同士が互いに反発し、合体して大きな気泡になることを防ぐことができる。
炭素系の多孔質素材とは、炭素のみ若しくは炭素及びセラミックを含む複合素材であり、無機質の素材である。
また、気泡発生媒体30は、回転方向(図6の矢印方向)先頭部の肉厚が厚く、回転方向終端部の肉厚が薄くなるように板状(断面視略流線型)に形成されている。気泡発生媒体30は上下方向へ回転させて固定することができ、これにより、気泡発生媒体30の傾斜角を自由に変更することができるよう構成されている。
例えば、気泡発生媒体30を下方に傾斜させた場合には、気泡発生媒体30の下側においては、気泡発生媒体30の下面と接触した水が下側に流れることにより、下向きの水流が起こり、気泡発生媒体30の上側においては、気泡発生媒体30の上面に沿って水が流れることにより、下向きの水流が発生する。これにより、気泡発生媒体30を回転させることで下向きの水流を起こして攪拌することもできる。
下向きの水流を起こした場合であっても、通常の気泡であれば一旦下方へ沈んだ後再び上方へ浮上するため、大きな圧力をかけて気泡を下方へ送る必要があった。しかし、本実施形態によれば、超微細気泡の浮力の小さい性質を利用して、下向きの水流を起こすだけで超微細気泡を容易に下方まで送ることができる。
気泡発生媒体30には気泡発生媒体内通路31が設けられている。気泡発生媒体内通路31は、気泡発生媒体30の内部に設けられ、気泡発生媒体30の短手方向中途部から屈曲して、気泡発生媒体30の長手方向の中途部まで設けられている。気泡発生媒体内通路31の一端は回転体内通路28と連結されている。回転軸内通路26、連通孔29A、連通孔29B、回転体内通路28、及び気泡発生媒体内通路31の各接続部分は密閉されており、水の内部への侵入を防ぐ。
<超微細気泡の発生方法>
次に、超微細気泡発生装置3による超微細気泡の発生方法について説明する。
まず、回転軸27を駆動させる。詳細には、図示せぬ動力源により駆動されたロータリージョイント44が回転することにより、外筒42を回動させることで回転軸27を回転させる。回転軸27が回動すると回転軸27の下端に設けられた回転体29が回転する。
次に、混合気体容器34内において所定の圧力で格納された混合気体は、調整弁25を開閉することにより回転軸内通路26へ送られる。調整弁25は、混合気体の圧力及び流量を制御する。調整弁25は、通常使用される比例弁であり、比例弁は、電磁石、ゴムにより形成される薄膜及び弁座を備える。弁の開閉量又は開弁率は、電磁石に流れる電流により決定される。得られる気体流は、電流にほぼ比例する。
次に調整弁25により調圧された混合気体を圧送する。調整弁25により減圧された気体は回転軸内通路26へと送られる。調整弁25により減圧された気体の圧力は、気泡発生媒体30周囲の水圧に対して0MPa以上0.3MPa以下高くなるように調整されている。
回転軸内通路26へと送られた気体は、連通孔29A及び連通孔29Bを介して回転体内通路28へと送られる。回転体内通路28へと送られた空気は、気泡発生媒体内通路31へと送られ、気泡発生媒体内通路31から気泡発生媒体30に設けられた直径数μm〜数十μmの細かな孔30Aを通って、超微細気泡となり液体中へ放出される。液体中へ放出される超微細気泡は、気泡発生媒体30表面に放出された瞬間に、回転する気泡発生媒体30と周りの液体との間に生まれた流れ(図7(a)の矢印方向の流れ)によって、表面から離間される。このように構成することにより、後から発生する超微細気泡や周辺の孔30Aから発生する超微細気泡と合体することなく単独で液体中へ移動することとなる。
超微細気泡として水槽2内に供給された混合気体により、水槽2内で生育する活魚は麻酔状態となる。より詳細には、代謝により魚の体組織から排出された炭酸ガスは、血液中に取り込まれ、炭酸水素イオン(HCO3−)の形で体内を移動した後、鰓において再び炭酸ガスに変換され、拡散によって体外に排出されることが知られているが、外界の水中炭酸ガス分圧が血液中のそれを上回ると、魚は炭酸ガスを排出できなくなる。その結果、血液中のCO2濃度が上昇し中枢神経が抑制されるため、魚は麻酔状態になる。
<効果>
超微細気泡発生装置3を有する活魚麻酔装置1において、超微細気泡発生装置3は、炭素系の多孔質素材で構成されているため、水中に長時間放置しておいても、劣化や錆付き等が発生しない。また、メッシュ部材等を使用することなく超微細気泡を発生させることができるので、目詰まりが発生せずメンテナンスの回数が減少する。
また、混合気体容器34内に格納された混合気体は、所定の割合で酸素及び二酸化炭素を予め混合した気体であるから、活魚の麻酔に最も適したガス分圧に制御することができる。さらに、所定の割合で混合した混合気体を調整弁25へ圧送し、調整弁25において圧力及び流量を制御することにより、混合気体の圧力を調整することができる。
また、超微細気泡として水中に放出することにより、混合気体の水中への溶存効率は高くなる。溶存効率とは、気体の水中への供給量に対する気体の水中での溶存量の割合であり、常温常圧化においてサイズ(直径)が100μm未満の気泡であれば、溶存効率は80%以上となる。これにより、水槽2から上方へ放出される混合気体の量が少なくなるため、混合気体の供給量を少なくすることができる。
酸素及び二酸化炭素のガス分圧と圧力及び分量とを制御した混合気体を溶存効率の高い超微細気泡として水中に放出することにより、酸素及び二酸化炭素の割合を制御しやすくなり、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができ、活魚に効率よく麻酔をかけることができる。このため、活魚の排尿量が減少し、水槽2内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。また、活魚の呼吸量が減るため代謝が少なくなり鮮度を保ちやすくなる。また、活魚を輸送する際に、麻酔をした代謝の低い状態で活魚を輸送することができるので、投入する酸素量も抑制することができる。
また、気泡発生媒体30を回転させることで下向きの水流を起こして攪拌した場合には、混合気体の溶存効率が更に向上する。
下向きの水流を起こした場合であっても、通常の気泡であれば一旦下方へ沈んだ後再び上方へ浮上するため、大きな圧力をかけて気泡を下方へ送る必要があった。しかし、本実施形態によれば、超微細気泡の浮力の小さい性質を利用して、下向きの水流を起こすだけで超微細気泡を容易に下方まで送ることができるため、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができる。
以上のように、海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって活魚に麻酔を行う活魚麻酔装置1であって、海水若しくは淡水を貯留する水槽2と、水槽2の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置3と、を備え、超微細気泡発生装置3は、炭素系の多孔質素材で形成された気泡発生媒体30と、二酸化炭素と酸素とを所定の割合で混合した混合気体を貯蔵する混合気体容器34と、混合気体容器34に貯蔵された混合気体の圧力を調整する調整弁25と、を有するものである。
このように構成することにより、気泡発生媒体30を炭素系素材の多孔質部材で形成したことにより、液体ジェットノズルなどで噴流を発生させることなく、酸素及び二酸化炭素を常温常圧で100μm未満の超微細気泡として発生させることができる。海水または淡水中へ超微細気泡として酸素及び二酸化炭素を供給することにより、気体の溶存効率が80%以上となり、空気中へ放出される酸素または二酸化炭素の量が減少するので、投入する混合空気における酸素及び二酸化炭素の分圧を容易に制御することができるようになり、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができ、活魚に効率よく麻酔をかけることができる。このため、活魚の排尿量が減少し、水槽2内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。また、活魚の呼吸量が減るため代謝が少なくなり鮮度を保ちやすくなる。また、活魚を輸送する際に、麻酔をした代謝の低い状態で活魚を輸送することができるので、投入する酸素量も抑制することができる。
また、気泡発生媒体30は、水槽2内に配置されるものである。
このように構成することにより、水槽2内において超微細気泡を発生させることができるため、水槽2中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
また、超微細気泡発生装置3は、中央部に調整弁25と連結される回転軸内通路26を設けた回転軸27と、回転軸27と相対回転不能に設けられ、回転軸内通路26と連通する回転体内通路28を備える少なくとも一以上の回転体29と、を備え、気泡発生媒体30は、回転体内通路28と連通し、回転体29に固定されるものである。
このように構成することにより、水槽2内の水を撹拌しながら超微細気泡を発生させることができるため、水槽2中に酸素及び二酸化炭素を効率よく溶存させることができる。
<第二実施形態>
また、別の実施形態として、図7及び図8に示すように、水槽2の外部に超微細気泡発生装置212を設けることも可能である。超微細気泡発生装置212は、循環通路301と、循環通路301内に設けられた気泡発生媒体302と、を備える。ここで、第一実施形態と同一の番号を付した部分は第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。
循環通路301は、水槽2内の液体を循環させる通路であり、中途部にポンプ303が設けられている。また、気泡発生媒体302は、循環通路301の内部に設けられている。気泡発生媒体302は、下流側の先端部が錐状となった紡錘形状となるように構成されており、図11に示すように、その内部に内部空間302Aが設けられている。また、気泡発生媒体302は、炭素系の多孔質素材で形成されている。気泡発生媒体302は、直径数μm〜数十μmの細かな孔302Bを有している。気泡発生媒体302の内部空間302Aには、調整弁25が連結されている。
気泡発生媒体302は、表面に沿って水が流れるように形成されており、本実施形態においては、気泡発生媒体302の長手方向が循環通路301内の液体の流れと平行になるように設けられている。
<超微細気泡の発生方法>
次に、超微細気泡発生装置212による超微細気泡の発生方法について説明する。
まず、ポンプ303を駆動して循環通路301内に液体流を発生させる。
次に、混合気体容器34内において所定の圧力で格納された混合気体は、調整弁25を開閉することにより回転軸内通路26へ送られる。調整弁25は、混合気体の圧力及び流量を制御する。及び調整弁25は、通常使用される比例弁であり、比例弁は、電磁石、ゴムにより形成される薄膜及び弁座を備える。弁の開閉量又は開弁率は、電磁石に流れる電流により決定される。得られる気体流は、電流にほぼ比例する。
次に調整弁25により調圧された混合気体を圧送する。調整弁25により減圧された気体は内部空間302Aへと送られる。
内部空間302Aへと送られた気体は、直径数μm〜数十μmの細かな孔302Bを通って、超微細気泡となり液体中へ放出される。液体中へ放出される超微細気泡は、気泡発生媒体302の表面に放出された瞬間に、循環通路301内の液体流によって、表面から離間される。このように構成することにより、後から発生する超微細気泡や周辺の孔302Bから発生する超微細気泡と合体することなく単独で水中へ移動することとなる。
超微細気泡として水槽2内に供給された混合気体により、水槽2内で生育する活魚は麻酔状態となる。より詳細には、代謝により魚の体組織から排出された炭酸ガスは、血液中に取り込まれ、炭酸水素イオン(HCO3−)の形で体内を移動した後、鰓において再び炭酸ガスに変換され、拡散によって体外に排出されることが知られているが、外界の水中炭酸ガス分圧が血液中のそれを上回ると、魚は炭酸ガスを排出できなくなる。その結果、血液中のCO2濃度が上昇し中枢神経が抑制されるため、魚は麻酔状態になる。このため、魚の排尿量が減少し、水槽2内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。
<効果>
超微細気泡発生装置3を有する活魚麻酔装置1において、超微細気泡発生装置212は、炭素系の多孔質素材で構成されているため、水中に長時間放置しておいても、劣化や錆付き等が発生しない。また、メッシュ部材等を使用することなく超微細気泡を発生させることができるので、目詰まりが発生せずメンテナンスの回数が減少する。
また、混合気体容器34内に格納された混合気体は、所定の割合で酸素及び二酸化炭素を予め混合した気体であるから、活魚の麻酔に最も適したガス分圧に制御することができる。さらに、所定の割合で混合した混合気体を調整弁25へ圧送し、調整弁25において圧力及び流量を制御することにより、混合気体の圧力を調整することができる。
また、超微細気泡として水中に放出することにより、混合気体の水中への溶存効率は高くなる。溶存効率とは、気体の水中への供給量に対する気体の水中での溶存量の割合であり、常温常圧化においてサイズ(直径)が100μm未満の気泡であれば、溶存効率は80%以上となる。これにより、水槽2から上方へ放出される混合気体の量が少なくなるため、混合気体の供給量を少なくすることができる。
酸素及び二酸化炭素のガス分圧と圧力及び分量とを制御した混合気体を溶存効率の高い超微細気泡として水中に放出することにより、酸素及び二酸化炭素の割合を制御しやすくなり、麻酔効果の高い混合気体を水中に多く溶存させることができ、活魚に効率よく麻酔をかけることができる。このため、魚の排尿量が減少し、水槽2内の水がきれいなまま長距離の輸送が可能となる。また、呼吸量が減るため代謝が少なくなり鮮度を保ちやすくなる。
<第三実施形態>
また、第一実施形態の変形例として、図10に示すように、混合気体容器34よりも下流側であって、気泡発生媒体30よりも上流側に紫外線照射手段51を配置する構成とすることもできる。なお、第一実施形態と同じ番号を振った部材については、第一実施形態と同様の構成であるので説明を省略する。
本実施形態においては、紫外線照射手段51は、紫外線を照射するライトによって構成されている。また、紫外線照射手段51は、回転軸27の周囲に配置されている。
回転軸27内の回転軸内通路26を通過する混合気体に含まれる酸素に紫外線照射手段51から紫外線を照射することにより、酸素の一部からオゾンが生成される。
オゾンの消毒・浄水作用により、水槽2内の水が浄化され、活魚が生育しやすい環境を作ることができる。
1 活魚麻酔装置
2 水槽
3 超微細気泡発生装置
25 調圧弁
26 回転軸内通路
27 回転軸
28 回転体内通路
29 回転体
30 気泡発生媒体
31 気泡発生媒体内通路
34 混合気体容器

Claims (2)

  1. 海水若しくは淡水に二酸化炭素及び酸素を混合した混合気体を供給することによって活魚に麻酔を行う活魚麻酔装置であって、
    海水若しくは淡水を貯留する水槽と、
    前記水槽の内部に気体を超微細気泡として供給する超微細気泡発生装置と、
    気体として二酸化炭素を供給する二酸化炭素圧送手段と、気体として酸素を供給する酸素圧送手段と、
    を備え、
    前記超微細気泡発生装置は、
    炭素系の多孔質素材で形成された気泡発生媒体と、
    前記二酸化炭素圧送手段から供給される二酸化炭素と前記酸素圧送手段から供給される酸素とを所定の割合で混合した混合気体を貯蔵する混合気体容器と、
    前記混合気体容器において貯蔵された混合気体の圧力を調整する調整弁と、
    を有し、
    前記混合気体容器は、前記二酸化炭素圧送手段および酸素圧送手段から分離可能に構成され、
    前記気泡発生媒体は、前記水槽内に配置され、
    前記気泡発生媒体から前記所定の割合で混合した混合気体を放出する、
    活魚麻酔装置。
  2. 前記超微細気泡発生装置は、
    中央部に前記調整弁と連結される回転軸内通路を設けた回転軸と、
    前記回転軸と相対回転不能に設けられ、前記回転軸内通路と連通する回転体内通路を備える少なくとも一以上の回転体と、を備え、
    前記気泡発生媒体は、前記回転体内通路と連通し、前記回転体に固定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の活魚麻酔装置。
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