JP2003126884A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

水処理装置及び水処理方法

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JP2003126884A
JP2003126884A JP2002218715A JP2002218715A JP2003126884A JP 2003126884 A JP2003126884 A JP 2003126884A JP 2002218715 A JP2002218715 A JP 2002218715A JP 2002218715 A JP2002218715 A JP 2002218715A JP 2003126884 A JP2003126884 A JP 2003126884A
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treated water
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pipe
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Ryosaku Fujisato
良策 藤里
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素ガス等の活性ガスの富化効率に優れ、水
底に溜まった汚染物質や死水等を周囲に拡散させること
なく処理水の採取やポンプ輸送等に伴うエネルギーコス
トを低減して経済的に浄水処理を行うことができる水処
理装置の提供。 【解決手段】 ダムや湖沼、海等の水底に配置された取
水口を介して処理水が供給されその溶存ガスを除去する
脱気部と、前記脱気部で脱気された処理水に酸素やオゾ
ン等の活性ガスを付加して前記水底に配置された給水口
から給水させる活性ガス吸収部とを備え、前記脱気部が
処理水上昇管の下部側から処理水の一部を取り込んで微
細気泡混合水流発生器に循環供給する脱気誘発部と、処
理水上昇管の上端部にその底部が連設され減圧装置によ
り内部が減圧されて吸い上げられた処理水の水面を所定
高さに維持させる減圧部とを有した水処理装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダムや湖沼、魚類
の養殖場等の沿岸、海等の水底部に大量に滞留する溶存
酸素量の少ない底水(死水)や屎尿槽の汚水に酸素等の
活性ガスを供給して活性化させ、好気性菌等の微生物の
生育に適した環境を再生することのできる水処理装置及
び水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、水槽や河川、ダム等の水に微細な
気泡を吹き込むことにより水中の溶存酸素量を増加させ
たり、沈殿物の浮上を促進させたりして水の浄化を行う
等の種々の水処理装置が研究、開発されている。例え
ば、特開2000−447号公報(以下、イ号公報とい
う)には、「円錐形のスペースを有する容器本体と、同
スペースの内壁円周面の一部にその接線方向に開設され
た加圧液体導入口と、前記円錐形のスペース底部に開設
された気体導入孔と、前記円錐形のスペースの頂部に開
設された旋回気液導出口とから構成されてなる旋回式微
細気泡発生装置」が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術は以下の課題を有していた。 (1)ダム底や大きな水処理設備等の底部に気泡を含む
水流を送り込んで処理水の酸素富化を行う際、このよう
な処理水には活性化に不要な窒素ガス、メタン、アンモ
ニア等が溶存しているので、これが障害となって所定量
の酸素ガスを溶け込ませる際の処理効率が悪くなるとい
う課題があった。 (2)ダム底から処理水を取り出す際や、酸素付加され
た処理水を戻す際に水底の滞留領域が撹拌されるので、
水底に溜まった汚染物質や死水等が周囲に拡散して、環
境に悪影響を与える場合があるという課題があった。 (3)従来の酸素富化を行う水処理装置では、処理水の
採取やポンプ輸送に際して多大のエネルギーコストを要
し、経済的に水処理を行うことが困難であるという課題
があった。 (4)イ号公報に記載の技術は、円錐形の狭いスペース
内で気体と液体とが混合されるために気泡が粗大になっ
て噴出され、処理水と気泡との接触面積を十分に確保す
ることが困難であるため、溶存酸素量や反応効率を所定
レベル以上に高めることができないという課題を有して
いた。 (5)気体導入孔が円錐形のスペース底部に開設されて
いるため、気泡を含む液体を一方向にしか吐出できず、
水流の吐出状態を制御しながら河川や、ダム、湖沼、海
等で広範囲に亘って大量の水処理を効率的に行うことが
できないという問題点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、酸素ガス等の活性ガスの富化効率に優れ、水底に溜
まった汚染物質や死水等を周囲に拡散させることなく処
理水の採取やポンプ輸送等に伴うエネルギーコストを低
減して経済的に浄水処理を行うことができる水処理装置
の提供、及び処理水を適正に制御しながらダム、湖沼、
魚類等の養殖場の沿岸、海等の水底に滞留した死水等を
再生して環境を浄化できる水処理方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の水処理装置は、ダムや湖沼、海等の水底に配置された
取水口を介して処理水が供給されその溶存ガスを除去す
る脱気部と、前記脱気部で脱気された処理水に酸素やオ
ゾン等の活性ガスを付加して前記水底に配置された給水
口から水底に戻す活性ガス吸収部とを備えて構成されて
いる。この構成によって、以下のような作用を有する。 (a)水底に配置された取水口から処理水を取得して、
N2、H2S、CO2等の溶存ガスを除去する脱気処理
を行った後、活性ガス吸収処理を行うので、所定量の酸
素や新鮮な空気等の活性ガスを効率よく処理水中に溶存
させることができる。これによって、ダム、湖沼、海等
の水底に滞留した死水等を活性化して再生し環境を効率
的に浄化できる。 (b)溶存ガスを予め除去する脱気部を備えているの
で、この脱気処理された処理水を用いて、以降の活性ガ
ス吸収処理を容易に行うことができ、活性ガス濃度を所
定値の範囲に維持させる際の制御性に優れている。 (c)給水口を水底近くに配置して処理水をその自重に
より緩やかに水底に戻すようにした場合には、不必要に
水底の滞留域が撹拌されたり、乱されたりして有害物質
等が拡散されるようなことがなく、周囲の環境を良好に
維持させることができる。 (d)水底の溶存酸素量の富化により好気性菌を繁殖さ
せ、ヘドロ層等を減少させることができ、環境を良好に
維持させることができる。 (e)死水に酸素を富加することにより嫌気性菌を死滅
させて、嫌気性菌の繁殖による有毒ガスの発生を防止す
ることができる。 (f)ダムの上層にある清浄水に影響を与えることな
く、下層に滞留した死水の浄化処理を行うことができ
る。 (g)ダム底に供給される処理水の供給に伴って気泡が
生じないので、ヘドロ層などの固形分が気泡の浮上によ
って浮き上がることがなく、周辺の環境汚染を防止でき
る。
【0006】ここで、脱気部としては、処理水を減圧
状態に維持させて溶存ガスの気泡を発生させて除去する
ものや、処理水を撹拌羽根や水流の動き等で機械的に
撹拌させて水中に気泡を発生させて除去する装置、化
学的に溶存ガスを吸着する吸着材を処理水中に混入させ
るもの、電極板間に電圧を付加して溶存ガスのイオン
を除去する電解装置、処理液を加熱して溶存ガスを放
出させる形式のもの等が適用できる。活性ガス吸収部と
しては、処理水中に活性ガスを直接吹き込んで撹拌す
るものや、活性ガスの微細気泡を水流に発生させる微
細気泡混合水流発生器を備えたもの等を適用することが
できる。取水口及び給水口は、ヘドロ等が堆積したダム
底や湖底、海底等の水底に配置され、必要に応じて固形
分等を除去するためのメッシュ状や多孔質に形成された
フィルターを具備するストレーナが覆設されたもの等を
用いることができる。なお、取水口及び、給水口は互い
に近接させて配置する必要はなく、同じダム底の水底で
あればよく、適宜状況に応じて、所定距離を置いて配置
できる。
【0007】請求項2に記載の水処理装置は、請求項1
に記載の発明において、前記脱気部が、前記取水口にそ
の下端部が連設された処理水上昇管と、前記処理水上昇
管に設けられ前記処理水の一部を取り込んで前記処理水
の脱気を誘発する微細気泡混合水流発生器を有する脱気
誘発部と、前記処理水上昇管の上端部に連設された減圧
部と、前記減圧部の減圧処理水排出側にその上端部が連
設された処理水下降管と、前記処理水下降管の下端部側
に連設されたポンプ部と、を有して構成される。この構
成によって、請求項1の作用に加えて以下の作用を有す
る。 (a)処理水下降管側を封止して減圧装置を駆動させる
ことにより減圧された減圧部に、処理水上昇管の取水口
からダム底に滞留した死水が吸い上げられて供給され
る。こうして、減圧部内の水面が所定のレベルに維持さ
れると共に、この減圧部で処理水が減圧されて脱気され
る。次に、封止を解除して処理水下降管に連設されたポ
ンプ部を駆動させることにより、取水口から導入される
処理水を処理水上昇管、減圧部、処理水下降管の順に所
定の流速で流動させることができる。これによって、処
理水上昇管と減圧部とにおける処理水の減圧を主とする
脱気操作を連続的に効率よく行うことができる。 (b)処理水上昇管の下部側に微細気泡を発生させる脱
気誘発部が備えられているので、処理水上昇管の上部に
連設された減圧部における脱気処理をさらに効果的に行
わせることができる。 (c)減圧部内に一旦処理水の水位レベルを設定すれ
ば、後は減圧部内を減圧状態に維持させるだけでよいの
で、減圧装置のエネルギー消費量を少なくでき、経済性
に優れている。 (d)減圧部は処理量や水質などに応じて、減圧下に曝
される水面の表面積や保持量を大きくしたりして処理効
率を高めるように設定でき、大量の脱気処理を行うこと
ができる。
【0008】ここで、処理水上昇管は、その下端部の取
水口がダムの水底等の死水の滞留域に配置され、その上
端部が減圧部に連設される。これによって、滞留域から
死水を周囲に拡散させることなく採取することができ
る。脱気誘発部は、処理水上昇管の下部側に設けられた
取水管からポンプを介して処理水を取り込んで加圧し、
この処理水を微細気泡混合水流発生器の円筒状周壁を有
した器体の周壁面に沿って導入し、器体の軸心方向に先
側が縮径して形成された噴出口から微細気泡を含む処理
水を吐出させて脱気を促進させるための装置である。
又、処理水の状態に応じて脱気誘発部に所望の気体を混
入させて微細気泡を発生させてもよい。減圧部は、その
軸方向が水平配置された円筒状や、角柱状などに形成さ
れ、その両端部側にそれぞれ処理水上昇管と処理水下降
管の上端部が連設される。なお、前記水平配置された円
筒状や角柱状の中間部に、ここを流れる処理水の水面の
表面積を拡大する拡張部を配置することもでき、これに
よって、液中の気泡を上方の気体側に効果的に取り込ん
で脱気することができる。また、処理水の状態に応じて
微細気泡を発生させる微細混合水流発生器を減圧部に取
り付けたり、処理液等をエジェクタ等を用いて吹き込ん
だりすることで処理水の動きを活発化させ、あるいは水
泡、気泡等の発生によって気液界面の面積を増やすこと
もできる。脱気部は、その内部が減圧される減圧部にお
ける処理水の水位は、ダム等の水面を基準として、6m
以上の高さに設定するのが望ましい。これは処理水の水
質や、処理量にもよるが、水位が6mより低いと処理水
の減圧が不足して気泡の発生が不十分になるからであ
る。なお、水位の最大値は、大気圧(1気圧)に相当す
る10mである。脱気部の高さが6〜10mの管状に形
成することにより連続して脱気処理を行うことができ
る。また、これにより1基の脱気部で脱気でき脱気部の
コンパクト化が図れる。処理水下降管は、その上端部が
減圧部に連設され、下端部側がポンプ部に接続されて、
減圧部で減圧処理された処理水が給水されるようになっ
ている。
【0009】請求項3に記載の水処理装置は、請求項1
又は2に記載の発明において、前記活性ガス吸収部が、
基台部に配設され前記脱気部で脱気された前記処理水が
供給される貯水槽と、前記貯水槽にその受水口が配置さ
れた処理水取水管を介して処理水を取り出す処理ポンプ
部と、前記処理ポンプ部の処理水取水管に分岐して取り
付けられた活性ガス供給管と、前記活性ガス供給管に酸
素や空気等の活性ガスを供給する活性ガス供給管と、前
記処理ポンプ部の排水部側にその気液導入管の端部が取
り付けられ前記貯水槽に浸漬された微細気泡混合水流発
生器と、前記貯水槽の底部にその上端部が連設して下端
部が前記水底の前記給水口に位置付けられた供給管とを
有して構成されている。この構成によって、請求項1又
は2の作用に加えて以下の作用を有する。 (a)脱気処理された処理水を貯水槽から取り出す処理
ポンプ部と、処理ポンプ部の処理水取水管に分岐して取
り付けられた活性ガス供給管とを有するので、処理ポン
プ部を作動させて、活性ガス発生部で発生された酸素な
どを効率よく処理水に混入させることができる。さら
に、処理ポンプ部の排水部側に連設して取り付けられた
微細気泡混合水流発生器を有するので、貯水槽内に酸素
ガスの微細気泡を含む水流を発生させることができ、溶
存酸素量を高めて活性化させ、貯水槽の底部に連設され
た供給管を介して、水底の給水口から吐出させることが
できる。 (b)ダムなどの水面より下部に配置された貯水槽の底
部に供給管の上端が連設され、その下端の給水口がダム
底の死水の滞留域に配置されているので、貯水槽の上部
から脱気された処理水を供給するだけで、その供給量に
相当する量の活性化された処理水が給水口から滞留域に
注ぎ込まれるので、供給速度の調整が容易であり、これ
によって、不必要に死水の滞留域が乱されることがな
く、環境を良好に維持できる。
【0010】ここで、貯水槽は、その周囲が壁部で立設
され底部を有した形状の容器体であって、ダム等の水面
より下方にその底部が配置され、貯水槽に供給された脱
気処理水の水面がダムの水面と同レベルに維持され、供
給水量に相当する処理水がダム底に配置された供給管の
給水口から排出できるようになっている。処理ポンプ部
としては、容器内で羽根車(インペラ)を回転させる形
式の遠心ポンプ、軸流ポンプ、斜流ポンプ等のターボポ
ンプや、空間容積を周期的に変化させ液体の吸込みと吐
出作用を行わせる往復ポンプ、ベーンポンプ、歯車ポン
プ等の容積形ポンプが適用できる。また、円板の外周に
取り付けられ多くの溝を設けたインペラを高速で回転さ
せ外側のケーシングとインペラ外周部との間にはさまれ
た液体をインペラの回転により円周上を流して吸込口か
ら吐出口へ移動させる形式の渦巻ポンプや、高圧水を小
さなノズルの穴から高速で噴出させノズル出口の圧力が
下がって真空状態となるのを利用して下方の管から水を
吸い上げる形式のジェットポンプ、水中に挿入した揚水
管の下端へ圧縮空気を吹き込み気泡の上昇により水とい
っしょに上方へ移動させる気泡ポンプ等の特殊ポンプも
適用することができる。活性ガス発生部は、酸素や空気
等の活性ガスを高圧で充填した酸素や空気ボンベを有し
たものや、空気を取り入れて酸素を分離するものなどが
適用できる。活性ガス供給管は処理ポンプ部の処理水取
水管に分岐して取り付けられ、処理水取水管を流れる水
流のエジェクタ効果により、活性ガス供給管内の活性ガ
スが処理水取水管に吸引されて混合されるようになって
いる。微細気泡混合水流発生器は処理水取水管から取り
込まれた気液混合水に所定の運動を付与して水流内に約
0.001〜2mmの微細な気泡を発生させることので
きる装置等が該当する。活性ガスとしては、酸素が好適
に用いられる。処理水の溶存酸素量を高めることによ
り、水底近くの死水に高溶存酸素水が拡散し、水底部を
広範囲でかつ高効率で活性化できるためである。
【0011】請求項4に記載の水処理装置は、請求項2
又は3に記載の発明において、前記微細気泡混合水流発
生器が略回転対称に形成された中空部を有する器体と、
前記器体の周壁部に接線方向に開口され前記気液導入管
が連設された気液導入孔と、前記中空部の回転対称軸の
方向に開口して設けられた気液噴出孔とを備えて構成さ
れている。この構成によって、請求項3の作用に加えて
以下の作用を有する。 (a)処理ポンプ部を介して気液導入管から器体内に気
泡を含む水を流入させると、器体周壁の接線方向から流
入した水流は、器体の内壁に沿って旋回して、気液混合
水を気液噴出孔から吐出させることができる。こうし
て、ダム底等に沈殿した堆積物に水流中の微細気泡を付
着させて浮上させたり、水中の溶存酸素量を高めたりし
て、水質の浄化等を促進させることができる。 (b)処理ポンプ部を介して気液混合水が気液導入管に
供給されるので、器体の気液噴出孔から噴出される液中
に微細な気泡を多量に発生させることができ、これによ
って、気液界面の面積を増やして溶存酸素量を短時間の
処理で飛躍的に高めることができる。 (c)微細気泡を含む水流を多量かつ強力に噴出させる
ことができるので、処理する水中の固体物質や溶存物質
と十分に接触させることができ、酸素等の活性ガスで溶
存物質を酸化させる際等の反応効率等を高めたり、好気
性菌の繁殖に必要な酸素や空気を効率的に供給できる。 (d)気液噴出孔の周縁部の角度を所定角度に調整する
ことで、気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、水流の
吐出状態を制御することもでき、これによって、活性ガ
スを付加する処理をさらに効率的に行わせることができ
る。 (e)微細気泡混合水流発生器には、外部から酸素や空
気を吸引するためのガス吸引孔がないので、ゴミ等でガ
ス吸引孔が塞がれるようなことがなく、安定して微細気
泡を発生させることができる。
【0012】ここで、器体は略回転対称に形成された中
空部を有し、円錐状、円錐の底面どうしを連通させた形
状、球状、半球状のもの等が用いられる。円錐状又は円
錐の底面どうしを連通させた形状の中空部を用いた場
合、中空部がその回転対称軸から気液噴出孔に向かって
収束する形状を有しているので、器体内を旋回する流体
に急激な剪断力が働き、粘度が高い流体でも十分に攪拌
させることができる。また、砲弾状、円錐台状、半球
状、後壁を膨出させた形状(例えば、球状)等が用いら
れる。後壁を膨出させた形状を用いた場合は、液体導入
管から器体内に流入した液体の一部は、後壁側に移動し
てから反転し、気体軸の周囲を旋回しながら気液噴出孔
側へ移動するので、直進性を持った噴出流にすることが
できる。また、後壁を前記膨出させた場合とは逆に中空
部内に凹んだ形状に形成させることもでき、これによっ
て、中空部内における水流の動きを変化させることもで
きる。
【0013】気液導入管が接続される器体の気液導入孔
は、器体の周壁に穿設されて配置され、しかもその周壁
の接線方向に気液混合流体や液体が導入されるように配
置されている。気液導入管の他端側を処理ポンプ部に接
続して加圧された水を流すことにより、器体内に旋回流
を発生させることができる。なお、器体に気液導入管を
介して流入させる液体の流速や気液導入管の径、器体の
容積等は、必要とする旋回流の流速、水流に発生させる
微細気泡の量や気泡径等の形態によって適宜選択され
る。
【0014】気液噴出孔は、中空部の回転対称軸の方向
に開口して配置されている。気液噴出孔は、後部側から
前部側に向かって収束する器体が狭まった絞り部分であ
り、器体の大きさや器体に供給される気液混合水の流
量、圧力等によっても変動するが、その最小径dは中空
部の最大内径Dに対して1/50〜1/3倍、好ましく
は1/30〜1/5倍程度に形成することが好ましい。
これは気液噴出孔の最小径dが器体の最大内径Dの1/
30倍より小さくするにつれ、必要な液体の吐出流量を
確保するのが困難となる傾向が表われ、逆に1/5倍を
越えるにつれ、液体の旋回流を器体内に形成させること
ができず噴出水流の中心部における吸引力が不足する傾
向が現われるからであり、これらの傾向は1/50倍よ
り小さくなるか、又は1/3倍を越えるとさらに顕著に
なるので好ましくない。
【0015】なお、気液噴出孔の周縁にその噴出方向に
拡径した傾斜部を形成し、その傾斜角度を所定範囲に設
定してもよい。また、傾斜部における角度や噴出方向の
長さを、供給する水の水質や圧力、流量、温度等に応じ
て、それぞれ組み合わせて調整することで、水流に拡散
させる微細気泡の大きさや気泡の集合形態等を微妙に変
化させることもできる。器体を回転対称に形成しその回
転対称軸の両側に気液噴出孔を配置した場合には、それ
ぞれの傾斜部における傾斜角度を異ならせることによ
り、微細気泡混合水流発生器から全体的に噴出される水
流に特定の方向性を付与することができ、水流の制御性
に優れている。
【0016】前記傾斜部の角度θは、用いる器体の大き
さや供給する水の流量や圧力、長さによっても変動する
が、50〜120度、好ましく73〜79度の範囲とす
ることが望ましい。これは傾斜部の角度θが73度より
も小さくなるにつれ、微細気泡の発生の際の核となる気
泡核の生成が少なくなる傾向にあり、逆に79度を越え
るにつれ微細気泡を含む水流が広範囲に拡散して、水流
による衝撃力が低下する傾向が強まるからである。ま
た、これらの傾向は傾斜部の角度θが50度より小さく
なるか、120度を越えるとさらに顕著になるので好ま
しくない。傾斜部における噴出方向の長さAは気液噴出
孔の最小径dに対して、その1/10倍〜3倍程度の範
囲とすることが好ましい。これは傾斜部の長さAが最小
径dに対して1/10倍より小さくなると、水流の方向
に対する抑制効果が低下する傾向にあり、3倍を越える
と水流に対するオリフィス効果が少なくなる傾向が現わ
れるからである。
【0017】請求項5に記載の水処理装置は、請求項3
又は4に記載の発明において、前記供給管がその周囲に
内部を流れる前記処理水を所定温度に冷却又は加熱する
温度調節部を有して構成されている。この構成によっ
て、請求項3の作用に加えて以下の作用を有する。 (a)ダム底等から汲み上げられた比較的低温の処理水
が脱気処理と、活性ガス吸収処理の過程で温度上昇等の
変動が生じても、これを元の滞留域の水温に調整してダ
ム底に戻すことができる。これによって、ダム底に戻さ
れた処理水の対流が抑制されるので、死水の滞留域にお
ける腐葉土などの有害物の拡散を最小限度に留めること
ができる。 (b)供給管が温度調節部を有するので、冬夏などの季
節変動に関わらずダム底等における水処理作業を継続し
て行うことができ、環境の保存性に優れている。ここ
で、温度調節部は、電気抵抗線を供給管の周囲に巻きつ
けて配置し、電気抵抗線をジュール熱により加熱するも
のや、ペルティエ効果を利用して電気的に供給管を冷却
するもの、あるいは低温水や高温水を供給管の周囲に流
して熱交換させるものなどを適用することができる。
【0018】請求項6に記載の水処理方法は、酸素等の
活性ガス濃度が低い処理水を大気圧より低い所定圧力に
保持させる減圧操作及び/又は前記処理水を所定空間内
で旋回撹拌させて噴出孔から吐出させる噴出操作により
溶存ガスの気泡を発生させて除去する脱気工程と、前記
脱気工程で脱気された処理水に酸素や空気等の活性ガス
の微細気泡を拡散させて溶解させる活性ガス吸収工程と
を備えて構成されている。この構成によって、以下のよ
うな作用を有する。 (a)脱気工程により処理水に含まれる溶存ガスを除去
した後、この処理水を活性ガス吸収工程で活性ガスを溶
解させるので、所定量の活性ガスを効率よく処理水中に
溶存させることができ、高濃度化処理の生産性に優れて
いる。 (b)溶存ガスを予め除去する脱気工程を備えているの
で、この脱気処理された処理水を用いて、以降の活性ガ
ス吸収処理を容易に行うことができる。すなわち、脱気
工程により処理水の溶存ガス濃度をほぼ一定にした後に
ガスを溶解させるので活性ガス濃度を所定値の範囲に維
持させる際の制御性に優れている。 (d)ダム底等に滞留する死水の処理に適用することが
でき、酸素定着により好気性菌を繁殖させて浄水処理を
行うと共に、嫌気性菌を死滅させて嫌気性菌の繁殖によ
る有毒ガスの発生を防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1における水処理装置について、以下図面を参照し
ながら説明する。図1は実施の形態1における水処理装
置の要部側面断面模式図である。図1において、10は
実施の形態1の水処理装置、11はダムや湖沼、海等の
水底に配置された取水口11aを介して処理水が供給さ
れその液中の溶存ガスを除去するための脱気部、12は
脱気部11で脱気された処理水に酸素等の活性ガスを付
加して水底に配置された給水口12aから給水させるた
めの活性ガス吸収部、13は取水口11aにストレーナ
11bを介してその下端部が連設され上端部が脱気誘発
室13gに連設された下部処理水上昇管13eとその上
端部が後述する減圧部14の底部に連接される上部処理
水上昇管13fとを備えた処理水上昇管、13aは下部
処理水上昇管13eに連設された脱気誘発室13g内の
処理水を取水管13bを介して吸入加圧するポンプ部、
13cはポンプ部13aで加圧された処理水が加圧水供
給管13dを介して供給される脱気誘発室13g内の微
細気泡混合水流発生器21を備えた脱気誘発部、14は
上部処理水上昇管13fの上端部にその底部が連設され
減圧装置14aに接続される吸気管14bを介して内部
を減圧にして処理水を吸引して排気管14c側に排気し
て吸い上げられた処理水の水面を所定高さに維持してこ
の水面上で脱気するための減圧部、15は減圧部14の
処理水給水側にその上端部が連設された処理水下降管、
16は処理水下降管15の下端部側に流量調整バルブ1
6aを介して連設され取水口11aから導入される処理
水を処理水上昇管13及び減圧部14、処理水下降管1
5を介して活性ガス吸収部12に供給するポンプ部、1
7は基台部に配設され減圧部14で脱気処理された処理
水が供給されダムや湖沼、海等の水面より下にその底部
が配置され、底部に仕切り壁17aがその全高さに対し
て1/2〜1/5の高さで中央底部に立設された貯水
槽、18は貯水槽17にその受水口18aが配置された
処理水取水管18bを介して処理水を取り出す処理ポン
プ部、19は処理水取水管18bに分岐して取り付けら
れた酸素や空気を処理水中に供給するための活性ガス供
給管、20は活性ガス供給管19に流量調整バルブ20
aを介して酸素等の活性ガスを供給する活性ガス発生
部、21’は処理ポンプ部18の排水部側にその気液導
入管21aの基端部側が取り付けられその他端部側が気
液導入孔21bに連結され貯水槽17に浸漬された微細
気泡混合水流発生器、22は貯水槽17の底部にその上
端部が連設されて下端部がダム等の水底に位置付けられ
た給水口12aへの供給管、23は脱気部11及び活性
ガス吸収部12が載置されダムの水面上等に浮上又は固
定される基台部、24は供給管22上部の周囲に配置さ
れ内部を流れる処理水を冷却又は加熱するための温度調
節部である。
【0020】減圧部14は略円筒状や四角柱等に形成さ
れその軸方向が水平に配置された密閉容器であり、その
底部に、処理水上昇管13の上部処理水上昇管13f及
び処理水下降管15のそれぞれの上端部が連設されるよ
うになっている。減圧部14の上部には、減圧装置14
aの吸気管14bが接続され、減圧装置14aを作動さ
せ、その排気管14cからその処理水中の溶存H2S、
CO2、アンモニア等の気体が排気され、減圧部14内
がその水面レベルに相当する圧力レベルに維持される。
また、この構成により連続して処理水の脱気を行うこと
ができる。貯水槽17はその底部に仕切り壁17aが設
けられ、ポンプ部16から処理水が供給される前処理槽
17bと活性ガス吸収が行われる溶解槽17cとにその
底部側で区画されている。これにより、ポンプ部16の
給水管16bから前処理槽17bに供給される脱気処理
された処理水と、活性ガスの付加処理がなされる溶解槽
17c内の処理水との直接接触を防止して、減圧部14
で除去できなかった分の溶存ガスが除去されるようにし
ている。微細気泡混合水流発生器21、21’は略回転
対称に形成された中空部を有する器体21dと、器体2
1dの周壁部に接線方向に開口され気液導入管21aが
連設された気液導入孔21bと、中空部の回転対称軸の
方向に開口して設けられた気液噴出孔21cとを備えて
いる。
【0021】前記構成を有する水処理装置10の作動方
法について説明する。まず、流量調整バルブ16aを閉
止して、減圧装置14aを作動させることにより減圧部
の内部が大気圧より低い所定圧力に維持される。これに
よって、減圧部14内に処理水上昇管13を通って処理
水が吸い上げられ、その水面がダムの水面より約8〜1
0mの範囲の所定位置に設定される。次に、流量調整バ
ルブ16aを開いて、処理水下降管15の下端側に接続
されたポンプ部16を作動させることで、内部の処理水
がその底部に設けられた処理水上昇管13を経て処理水
下降管15に向けて送水される。更に脱気誘発部13c
のポンプ部13aを作動させることで微細気泡混合水流
発生器21の器体21dの周壁に沿って処理水の旋回流
が生じ、これが気液噴出孔21cから吐出され、処理水
内の溶存気体からなる微細気泡や気泡核が発生して上部
処理水上昇管13f内を上昇する。このときポンプ部1
3aを作動させ微細気泡混合水流発生器21から微細気
泡を発生させ、この気泡を含む処理水の上昇に伴って減
圧されるためその気泡が成長して、多くの溶存気体放出
空間が生まれ気液界面の面積を増大させて脱気を誘発さ
せる。こうして、所定の流量で処理水の脱気処理が行わ
れ、この脱気処理された処理水が活性ガス吸収部12の
前処理槽17bに供給される。なお、減圧部14内で脱
気された気体は吸気管14bから排気され、このときの
減圧部14内の処理水で形成される水面の位置は減圧装
置14aの吸引度により調整される。
【0022】前処理槽17bで処理水中に残存する気泡
を浮上分離させた後、この処理水が仕切り壁17aの上
端を越えて、隣接する溶解槽17cに移行する。この溶
解槽17cにおいては、処理水取水管18bを介して取
り込まれた処理水に活性ガス供給管19から酸素が供給
され、処理ポンプ部18に接続された気液導入管21a
に給水される。こうして、気液導入管21aの先端に接
続された微細気泡混合水流発生器21’の気液噴出孔2
1cから多量の微細気泡を含む水流が溶解槽17cに吐
出され、酸素を処理液中に効果的に溶解させることがで
きる。一方、ポンプ部16の作動により、前処理槽17
bに処理水が供給されるので、その供給量に相当する分
量、即ち取水口11aから採取した処理水の分量の溶存
酸素を多量に含む処理水がその自重により、溶解槽17
cの底部に接続された供給管22から下方に移動して、
ダム底に配置された給水口12aから流出させることが
できる。なお、必要に応じて、取水口11aやその近傍
に図示しない温度センサを設け、滞留域から採取される
水底近傍の水の採取温度を取得し、供給管22の上部に
設けられた温度調節部24を用いて、給水口12aから
給水される処理水の水温をこの採取温度に制御してこの
ような水処理に伴って発生する水の対流を抑制させるこ
ともできる。
【0023】実施の形態1の水処理装置10は以上のよ
うに構成されているので、以下の作用を有する。 (a)水底に配置された取水口11aから処理水を取得
し、溶存ガスを除去する脱気処理と活性ガス吸収処理と
を順次行なった後、この処理水を水底に配置された給水
口12aから水底に戻すので、所定量の酸素ガスを効率
よく処理水中に溶存させることができる。ダム、湖沼、
海等の水底に滞留した死水等を活性化して再生し環境を
効率的に浄化できる。 (b)溶存ガスを予め除去する脱気部11を備えている
ので、脱気により処理水の溶存ガス濃度を著しく低下さ
せた後、活性ガスの超微細気泡と接触させるので、多量
の活性ガスを処理水中に溶解させることができ活性ガス
濃度を所定値の範囲に維持させる際の制御性に優れてい
る。 (c)活性ガス吸収部12で活性ガス(酸素ガス)で飽
和された処理水が水底にゆっくりと戻されるので、この
水処理過程で不必要に水底の滞留域が撹拌されたり乱さ
れたりして有害物質等が拡散することがなく、周囲の環
境を良好に維持できる。 (d)流量調整バルブ16aを閉止して減圧装置14a
を駆動させることにより、取水口11aからダム底に滞
留した死水が吸い上げられて減圧された減圧部14内に
供給される。こうして、減圧部14内の水面が所定のレ
ベルに維持して常時処理水の脱気処理を連続的に行っ
て、以降の活性ガス吸収操作における活性ガス濃度の調
整を容易に行うことができる。次に、ポンプ部16を駆
動させることにより、取水口11aから導入される処理
水を処理水上昇管13、減圧部14、処理水下降管15
の順に所定の流速で流動させることができ、減圧部14
を主とする脱気操作を連続的に行うことができる。 (e)ポンプ部13aを作動させることで微細気泡混合
水流発生器21の器体21dに沿って処理水の旋回流を
気液噴出孔21cから吐出させて微細気泡を発生させ、
この気泡が上昇するごとに減圧になるためその気泡が成
長し、多くの溶存気体放出空間が生まれ気液界面の面積
を増大させて脱気を誘発できる。 (f)減圧部14内に一旦処理水の水位レベルを設定し
た後には、減圧部14で液中から大気中に移行する気泡
分だけを減圧装置14aを用いて排気しながら減圧部1
4内の水位を一定に維持できるので、減圧装置14aの
エネルギー消費量を最小限度に少なくでき、経済性に優
れている。
【0024】(g)減圧部14は処理量や水質などに応
じて、例えばその垂直断面が円状となる減圧部14内の
処理水の水位を上げ下げすることにより減圧下に曝され
る水面の表面積や保持量を大きくして処理効率を高める
ように設定でき、大量の脱気処理を行うことができる。 (h)脱気処理された処理水を貯水槽17から取り出す
処理ポンプ部18と、処理ポンプ部18の処理水取水管
18bに取り付けられた活性ガス供給管19とを有する
ので、処理ポンプ部18を作動させることにより、吸引
側となる処理水取水管18bに連接された活性ガス供給
管19を介して酸素等の微細気泡を含む処理水が処理水
中に取り込まれ、活性ガス発生部20で発生された酸素
を効率よく処理水に混入させることができる。さらに、
処理ポンプ部18に取り付けられた微細気泡混合水流発
生器21’を有するので、貯水槽17内の溶解槽17c
に酸素ガスの微細気泡を含む水流を発生させることがで
き、溶存酸素量を効率的に高めて活性化させ、貯水槽1
7の底部に連設された供給管22を介して、水底に配置
された給水口12aから流下させることができる。 (i)ダムなどの水面より下部に配置された貯水槽17
の底部に供給管22の上端が連設され、その下端の給水
口12aがダム底の死水の滞留域に配置されているの
で、貯水槽17の上部から脱気された処理水を供給する
だけで、その供給量に相当する量の活性化された処理水
が給水口から水底の死水の滞留域に注ぎ込まれるので、
供給速度の調整が容易であり、これによって、不必要に
死水の滞留域が乱されることがなく、環境を良好に維持
できる。 (j)処理ポンプ部18を介して気液導入管21aから
器体21d内に気泡を含む水を流入させると、器体周壁
の接線方向から流入した水流は、器体21dの内壁に沿
って旋回して、気液混合水を気液噴出孔21cから溶解
槽17c内に吐出させて溶解させることができる。 (k)処理ポンプ部18を介して気液混合水が気液導入
管21aに供給されるので、送り込む水等の液体の輸送
効率を高めることができ、より微細な気泡を多量に発生
させこれによって、溶存酸素量を短時間の処理で飛躍的
に高めることができる。
【0025】(l)活性ガスの微細気泡を含む水流を多
量かつ強力に溶解槽17c内に噴出させることができる
ので、処理する水中の不溶性固形分や溶存物質を活性ガ
スと効率的に接触させることができ、酸素等の活性ガス
で溶存物質を酸化させる際等の反応効率等を高めたり、
好気性菌の繁殖に必要な酸素や空気を供給できる。 (m)気液噴出孔21cの周縁部の角度を所定角度に調
整することで、気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、
水流の吐出状態を制御することもでき、これによって、
活性ガスを処理水に付加する浄化処理や水質改質処理等
を効率的に行わせることができる。 (n)ダム底等から汲み上げられた比較的低温の処理水
に、脱気処理と活性ガス吸収処理の過程で温度上昇等の
変動が生じても、温度調節部を有しているので、元の水
温に調整してダム底に戻すことができる。これによっ
て、ダム底に戻された処理水の対流が抑制されるので、
死水の滞留域における腐葉土などの有害物の拡散を最小
限度に留めることができる。 (o)供給管が温度調節部24を有するので、冬夏など
の季節変動に関わらずダム底等における水処理作業を少
しずつ継続的に行うことができ、環境の保存性に優れて
いる。 (p)水底の水の炭酸ガス等を脱気して空気や酸素を溶
存させた水だけを自然流下させて返すので、水底を撹乱
させることなく水を置換できる。 (q)減圧部14と流量調節バルブ16a、ポンプ部1
6を有しているので、死水を連続して高い水準で脱気で
きる。
【0026】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おける水処理装置について、以下図面を参照しながら説
明する。図2は実施の形態2における水処理装置の要部
側面断面模式図である。図2において、30は実施の形
態2の水処理装置、31はダムや湖沼、海等の水底に配
置された取水口31aを介して処理水が供給されその液
中の溶存ガスを除去するための脱気部、32は脱気部3
1で脱気された処理水に酸素等の活性ガスを付加して水
底に配置された給水口32aから給水させるための活性
ガス吸収部、33は取水口31aにその下端部が連設さ
れた処理水上昇管、34は処理水上昇管33の上端部に
その底部が連設され減圧装置34aに接続される吸気管
34bを介して内部が減圧される略円筒状の減圧部、3
5は減圧部34の処理水給水側にその上端部が連設され
た処理水下降管、36は処理水下降管35の下端部側に
流量調整バルブ36aを介して連設され取水口31aか
ら導入される処理水を活性ガス吸収部32に供給するた
めのポンプ部、36bはポンプ部36と流量調整バルブ
36aとを連結する供給管、36cは供給管36bに分
岐して配設された活性ガス導入管、37はダムや湖沼、
海等の水面より下にその底部が配設された貯水槽、38
は貯水槽37内の水中に浸漬した配置された微細気泡混
合水流発生器21の気液導入孔21bとポンプ部36の
吐水口側とを連結するための気液導入管、39は貯水槽
37の底部にその上端部が連設されて下端部がダム等の
水底の給水口32aに配置された供給管、40は脱気部
31及び活性ガス吸収部32が載置されダムの水面上等
に浮上又は固定される基台部である。なお、実施の形態
2の水処理装置30は貯水槽37やポンプ部36の構成
が一部異なる他は、実施の形態1の水処理装置10のも
のと略同一であるので、これら重複する部分については
同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。活性ガ
ス導入管36cは図示しない酸素やオゾン等のガス発生
器やガス貯留器に連結されて活性ガスを供給したり、エ
ジェクタ効果を利用して外部の空気等を取り込んだりで
きるようになっている。また、取水口31aをダムの上
層水を取り入れる水面近くに配置することもでき、水深
の浅い沼や湖などにおいて上層と下層における温度差を
利用して、対流を生じさせ、上層と下層に渡る水質浄化
を行うこともできる。
【0027】以上の構成を有する水処理装置30の作動
方法について説明する。まず、流量調整バルブ36aを
閉止して、減圧装置34aを作動させることにより減圧
部34の内部が大気圧より低い所定圧力に維持される。
これによって、減圧部34内に処理水上昇管33を通っ
て処理水が吸い上げられ、その水面がダムの水面より約
8〜10mの範囲の所定位置に設定される。次に、流量
調整バルブ36aを所定開度に開いて、処理水下降管3
5の下端側に接続されたポンプ部36を作動させること
で、内部の処理水がその底部に設けられた処理水上昇管
33を経て処理水下降管35に流れる。こうして、減圧
部34内を所定の流量で処理水を流すことによりその脱
気処理が自動的に行なわれる。この脱気処理された処理
水に、その処理水の供給管36bに分岐して設けられた
活性ガス導入管36cから酸素や空気等の活性ガスが導
入される。この活性ガスが付加された気液混合水はポン
プ部36で撹拌され気泡が微細化して導入される。即
ち、給水側に連設された気液導入管38を介して微細気
泡混合水流発生器21の気液導入孔21bから導入され
た気液混合水は、器体21dの周壁に沿って旋回しなが
ら供給され、気液噴出孔21cから貯水槽37内に噴出
される。こうして、多量の微細気泡を含む水流で貯水槽
37内が満たされ、酸素等の活性ガスを処理液中に効果
的に溶解させることができる。一方、取水口31aから
採取された処理水が酸素付加され、貯水槽37の底部に
接続された供給管39から下方に移動して、ダム底に配
置された給水口32aからダム底に流出させることがで
きる。
【0028】実施の形態2の水処理装置30は以上のよ
うに構成されているので、実施の形態1の作用に加えて
以下の作用を有する。 (a)ポンプ部36の供給側に接続された供給管36b
を介して酸素や空気等の活性ガスを処理水中に取り込
み、この処理水を貯水槽37に吐出させ、給水口32a
からダム底等に給水するので、所定量の活性ガスを効率
よく処理水中に溶存させることができる。 (b)ダムの上層にある清浄水に影響を与えることな
く、下層に滞留した死水の浄化処理を効果的にかつ確実
に行うことができる。 (c)死水中に溶存したH2S、N2、CO2等の溶存
ガスを予め除去するので、その分活性ガスの吸収溶存量
を増加させ、以降の活性ガス吸収処理を容易に行うこと
ができ、活性ガス濃度を所定値の範囲に維持させる際の
制御性に優れている。 (d)活性ガスが溶存された処理水が自重により水底に
戻されるので、急激な流動がおこらず、周囲の環境を良
好に維持させることができる。 (e)酸素を死水の滞留域に定着させることにより好気
性菌の繁殖を促して、ヘドロ層等を減少させることがで
き、環境を良好に維持させることができる。 (f)死水に酸素を付加することにより嫌気性菌を死滅
させることができ、嫌気性菌の繁殖による有毒ガスの発
生を防止できる。 (g)ダム底に供給される処理水の供給に伴って気泡が
生じないので、ヘドロ層などの固形分が気泡の浮上によ
って浮き上がることがなく、周辺の環境汚染を防止でき
る。
【0029】(実施の形態3)本発明の実施の形態3に
おける水処理方法について、以下図面を参照しながら説
明する。図3は実施の形態3の水処理方法が適用される
水処理装置の要部側面断面図である。図3において、5
0は実施の形態3の水処理方法が適用される水処理装
置、51は酸素等の活性ガス濃度が低い処理水が入れら
れた処理液貯水槽、52はその取水口にストレーナ52
aが装着された取水管、53は取水管52の下流端部に
吸入間隙調整孔53aを介して接続された処理水中に気
泡を発生させるための気泡発生装置、54は気泡発生装
置53に接続管53bを介して接続されたポンプ、55
はポンプ54の給水側に取り付けられた給水管、56は
給水管55の給水口55aが内部に保持された処理水中
に浸漬して配置される脱気槽、57はその取水口にスト
レーナ57aが取り付けられ活性ガスが吸入される活性
ガス導入管57bが分岐して配置された脱気処理水吸上
げ管、58は脱気処理水吸上げ管57に接続されるポン
プ、59はポンプ58の給水側にその一端部が取り付け
られ他端部に活性ガスの微細気泡を拡散させて溶解させ
る微細気泡混合水流発生器21が取り付けられた気液導
入管、60は微細気泡混合水流発生器21が浸漬される
気体溶解槽である。気泡発生装置53は、酸素等の活性
ガスの溶存濃度が低く他の好ましくないガス(H2S、
CO2等)を含む処理水を大気圧より低い所定圧力に保
持させる減圧操作及び/又は処理水を所定空間内で旋回
撹拌させて噴出孔からその外部に吐出させる噴出操作に
より処理水中の溶存ガスの気泡を発生させて除去させる
ものである。吸入間隙調整孔53aは、カメラのレンズ
絞り機構やバルブ等で構成され、その孔径やバルブの開
度を所定の大きさに設定できるようになっている。これ
により、気泡発生装置53内に発生させる気泡の量やそ
の大きさ等を調整し脱気することができる。
【0030】以上の構成を有する水処理装置50に適用
される実施の形態3の水処理方法について説明する。実
施の形態3の水処理方法においては、まず、処理液貯水
槽51にダム底や沈殿池底等に滞留した酸素等の活性ガ
ス濃度が低い処理水を図示しない供給ポンプなどを用い
て供給する。この処理水をポンプ54を作動させて取水
管52から気泡発生装置53に導入して、処理水を所定
空間内で旋回撹拌させて噴出孔等から広い空間に吐出さ
せる噴出操作を行うことにより処理水中の好ましくない
溶存ガスの気泡を発生させる。この気泡を含む処理水が
接続管53b及びポンプ54、給水管55を経由して脱
気槽56に注入され、溶存ガスの気泡を脱気槽56の水
面上に浮上させることで除去され、脱気工程が完了す
る。次の活性ガス吸収工程では、ポンプ58を作動させ
て脱気槽56内の脱気された処理水を脱気処理水吸上げ
管57で汲み上げると共に,活性ガス導入管57bから
脱気処理水吸上げ管57を流れる処理水のエジェクタ効
果等により、酸素や空気などの活性ガスが吸引される。
この活性ガスが付加された気液混合水はポンプ58から
気液導入管59を通って、微細気泡混合水流発生器21
に供給され、その気液噴出孔21cから微細気泡を含む
水流となって気体溶解槽60内の水中に噴出される。こ
の活性ガスの微細化して気液界面の面積が増大された気
泡が水中に拡散されることで、容易に水中に溶解して、
処理水における活性ガス濃度を高めることができる。な
お、処理液貯水槽51に所定量の処理水を供給する一方
で、気体溶解槽60内の処理水を図示しない給水ポンプ
などで抜き出すことにより、以上の脱気工程と活性ガス
吸収工程を連続して行うこともできる。
【0031】実施の形態3の水処理方法は以上のように
構成されているので、以下の作用を有する。 (a)脱気工程により処理水に含まれる溶存ガスを除去
した後、この処理水を活性ガス吸収工程で活性ガスを溶
解させるので、所定量の活性ガスを効率よく処理水中に
溶存させることができ、活性ガスの高濃度化処理におけ
る生産性に優れている。 (b)脱気工程及び活性ガス吸収工程はそれぞれ多様方
法の中から選択して組み合わせることができ、ダム底に
おける滞留水の処理や、湖沼、海、工場におけるガスの
高濃度化処理等に対応させることができる。 (c)溶存ガスを予め除去する脱気工程を備えているの
で、この脱気処理された処理水を用いて、以降の活性ガ
ス吸収処理を容易に行うことができ、活性ガス濃度を所
定値の範囲に維持させる際の制御性に優れている。 (d)ダム底等に滞留する死水の処理に適用することが
でき、この場合には酸素定着により好気性菌を繁殖させ
て浄水処理を行うと共に、嫌気性菌を死滅させて嫌気性
菌の繁殖による有毒ガスの発生を防止できる。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の水処理装置に
よれば以下のような効果を有する。 (a)水底に配置された取水口から処理水を取得して、
溶存ガスを除去する脱気処理と活性ガス吸収処理とを順
次行なった後、この処理水を水底に配置された給水口か
ら給水するので、所定量の活性ガスを効率よく処理水中
に溶存させることができる。ダム、湖沼、海等の水底に
滞留した死水等を活性化して再生し環境を効率的に浄化
できる。 (b)溶存ガスを予め除去する脱気部を備えているの
で、この脱気処理された処理水を用いて、以降の活性ガ
ス吸収処理を容易に行うことができ、活性ガス濃度を所
定値の範囲に維持させる際の制御性に優れている。 (c)取水口と吸水口とを隣接させて配置して処理水を
その自重により緩やかに水底に戻すようにした場合に
は、不必要に水底の滞留域が撹拌されたり、乱されたり
して有害物質等が拡散されるようなことがなく、周囲の
環境を良好に維持させることができる。 (d)酸素定着により好気性菌を繁殖させ、ヘドロ層等
を減少させることができ、環境を良好に維持させること
ができる。 (e)死水に酸素を付加することにより嫌気性菌を死滅
させて、嫌気性菌の繁殖による有毒ガスの発生を防止す
ることができる。 (f)ダムの上層にある清浄水に影響を与えることな
く、下層に滞留した死水の浄化処理を行うことができ
る。 (g)ダム底に供給される処理水の供給に伴って気泡が
生じないので、ヘドロ層などの固形分が気泡の浮上によ
って浮き上がることがなく、周辺の環境汚染を防止でき
る。
【0033】請求項2に記載の水処理装置によれば、請
求項1の効果に加えて以下の効果を有する。 (a)処理水下降管側を封止して減圧装置を駆動させる
ことにより減圧された減圧部に、処理水上昇管の取水口
からダム底に滞留した死水が吸い上げられて供給され
る。こうして、減圧部内の水面が所定のレベルに維持さ
れると共に、この減圧部で処理水が減圧されて脱気され
る。次に、封止を解除して処理水下降管に連設されたポ
ンプ部を駆動させることにより、取水口から導入される
処理水を処理水上昇管、減圧部、処理水下降管の順に所
定の流速で流動させることができる。これによって、処
理水上昇管と減圧部とにおける処理水の減圧を主とする
脱気操作を連続的に効率よく行うことができる。 (b)処理水上昇管の下部側に微細気泡を発生させる脱
気誘発部が備えられているので、処理水上昇管の上部に
連設された減圧部における脱気処理をさらに効果的に行
わせることができる。 (c)減圧部内に一旦処理水の水位レベルを設定すれ
ば、後は減圧部内を減圧状態に維持させるだけでよいの
で、減圧装置のエネルギー消費量を少なくでき、経済性
に優れている。 (d)減圧部は処理量や水質などに応じて、減圧下に曝
される水面の表面積や保持量を大きくしたりして処理効
率を高めるように設定でき、大量の脱気処理を行うこと
ができる。
【0034】請求項3に記載の水処理装置によれば、請
求項1又は2の効果に加えて以下の効果を有する。 (a)脱気処理された処理水を貯水槽から取り出す処理
ポンプ部と、処理ポンプ部の処理水取水管に分岐して取
り付けられた活性ガス供給管とを有するので、処理ポン
プ部を作動させて、活性ガス発生部で発生された酸素等
の活性ガスを効率よく処理水に混入させることができ
る。さらに、処理ポンプ部の排水部側に連設して取り付
けられた微細気泡混合水流発生器を有するので、貯水槽
内に酸素ガスの微細気泡を含む水流を発生させることが
でき、溶存酸素量を高めて活性化させ、貯水槽の底部に
連設された供給管を介して、水底の給水口から吐出させ
ることができる。 (b)ダムなどの水面より下部に配置された貯水槽の底
部に供給管の上端が連設され、その下端の給水口がダム
底の死水の滞留域に配置されているので、貯水槽の上部
から脱気された処理水を供給するだけで、その供給量に
相当する量の活性化された処理水が給水口から滞留域に
注ぎ込まれるので、供給速度の調整が容易であり、不必
要に死水の滞留域が乱されることがなく、環境を良好に
維持できる。
【0035】請求項4に記載の水処理装置によれば、請
求項3の効果に加えて以下の効果を有する。 (a)処理ポンプ部を介して気液導入管から器体内に気
泡を含む水を流入させると、器体周壁の接線方向から流
入した水流は、器体の内壁に沿って旋回して、気液混合
水を気液噴出孔から吐出させることができる。こうし
て、ダム底等に沈殿した堆積物に水流中の微細気泡を付
着させて浮上させたり、水中の溶存酸素量を高めたりし
て、水質の浄化等を促進させることができる。 (b)処理ポンプ部を介して気液混合水が気液導入管に
供給されるので、送り込む水等の液体の輸送効率を高め
ることができ、より微細な気泡を多量に発生させ溶存酸
素量を短時間の処理で飛躍的に高めることができる。 (c)微細気泡を含む水流を多量かつ強力に噴出させる
ことができるので、処理する水中の固体物質や溶存物質
と十分に接触させることができ、その反応効率等を高め
ることができる。 (d)気液噴出孔の周縁部の角度を所定角度に調整する
ことで、気泡を含む液体を所定方向に吐出させ、水流の
吐出状態を制御することもでき、活性ガスを付加する処
理をさらに効率的に行わせることができる。 (e)微細気泡混合水流発生器には、外部から酸素や空
気を吸引するためのガス吸引孔がないので、ゴミ等でガ
ス吸引孔が塞がれるようなことがなく、安定して微細気
泡を発生させることができる。
【0036】請求項5に記載の水処理装置によれば、請
求項3の効果に加えて以下の効果を有する。 (a)ダム底等から汲み上げられた比較的低温の処理水
が脱気処理と、活性ガス吸収処理の過程で温度上昇等の
変動が生じても、これを元の滞留域の水温に調整してダ
ム底に戻すことができる。ダム底に戻された処理水の対
流が抑制されるので、死水の滞留域における腐葉土など
の有害物の拡散を最小限度に留めることができる。 (b)供給管が温度調節部を有するので、冬夏などの季
節変動に関わらずダム底等における水処理作業を継続し
て行うことができ、環境の保存性に優れている。
【0037】請求項6に記載の水処理方法によれば、以
下のような効果を有する。 (a)脱気工程により処理水に含まれる溶存ガスを除去
した後、この処理水を活性ガス吸収工程で活性ガスを溶
解させるので、所定量の活性ガスを効率よく処理水中に
溶存させることができ、高濃度化処理の生産性に優れて
いる。 (b)溶存ガスを予め除去する脱気工程を備えているの
で、この脱気処理された処理水を用いて、以降の活性ガ
ス吸収処理を容易に行うことができ、活性ガス濃度を所
定値の範囲に維持させる際の制御性に優れている。 (c)ダム底等に滞留する死水の処理に適用することが
でき、酸素定着により好気性菌を繁殖させて浄水処理を
行うと共に、嫌気性菌を死滅させて嫌気性菌の繁殖によ
る有毒ガスの発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における水処理装置の要部側面断
面模式図
【図2】実施の形態2における水処理装置の要部側面断
面模式図
【図3】実施の形態3の水処理方法が適用される水処理
装置の要部側面断面図
【符号の説明】
10 水処理装置 11 脱気部、 11a 取水口 11b ストレーナ 12 活性ガス吸収部 12a 給水口 13 処理水上昇管 13a ポンプ部 13b 取水管 13c 脱気誘発部 13d 加圧水供給管 13e 下部処理水上昇管 13f 上部処理水上昇管 13g 脱気誘発室 14 減圧部 14a 減圧装置 14b 吸気管 14c 排気管 15 処理水下降管 16 ポンプ部 16a 流量調整バルブ 16b 給水管 17 貯水槽 17a 仕切り壁 17b 前処理槽 17c 溶解槽 18 処理ポンプ部 18a 受水口 18b 処理水取水管 19 活性ガス供給管 20 活性ガス発生部 20a 流量調整バルブ 21、21’ 微細気泡混合水流発生器 21a 気液導入管 21b 気液導入孔 21c 気液噴出孔 21d 器体 22 供給管 23 基台部 24 温度調節部 30 水処理装置 31 脱気部 31a 取水口 32 活性ガス吸収部 32a 給水口 33 処理水上昇管 34 減圧部 34a 減圧装置 34b 吸気管 35 処理水下降管 36 ポンプ部 36a 流量調整バルブ 36b 供給管 36c 活性ガス導入管(活性ガス供給管) 37 貯水槽 38 気液導入管 39 供給管 40 基台部 50 水処理装置 51 処理液貯水槽 52 取水管 52a ストレーナ 53 気泡発生装置 53a 吸入間隙調整孔 53b 接続管 54 ポンプ 55 給水管 55a 給水口 56 脱気槽 57 脱気処理水吸上げ管 57a ストレーナ 57b 活性ガス導入管 58 ポンプ 59 気液導入管 60 気体溶解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 15/02 B01F 15/02 A 4G037 C02F 1/20 C02F 1/20 A 1/78 1/78 3/22 3/22 Z Fターム(参考) 4D011 AA05 AA16 AC06 AD03 4D029 AA09 AB05 BB11 CC01 CC08 4D037 AA05 AA06 BA23 BB04 BB07 CA07 CA12 4D050 AA02 AA06 BB02 BC10 BD03 CA03 CA17 4G035 AB15 AC15 AC26 AE13 4G037 AA01 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダムや湖沼、海等の水底に配置された取水
    口を介して処理水が供給されその溶存ガスを除去する脱
    気部と、前記脱気部で脱気された処理水に酸素やオゾン
    等の活性ガスを付加して前記水底に配置された給水口か
    ら水底に戻す活性ガス吸収部とを備えたことを特徴とす
    る水処理装置。
  2. 【請求項2】前記脱気部が、前記取水口にその下端部が
    連設された処理水上昇管と、前記処理水上昇管に設けら
    れ前記処理水の一部を取り込んで前記処理水の脱気を誘
    発する微細気泡混合水流発生器を有する脱気誘発部と、
    前記処理水上昇管の上端部に連設された減圧部と、前記
    減圧部の減圧処理水排出側にその上端部が連設された処
    理水下降管と、前記処理水下降管の下端部側に連設され
    たポンプ部と、を有することを特徴とする請求項1に記
    載の水処理装置。
  3. 【請求項3】前記活性ガス吸収部が、基台部に配設され
    前記脱気部で脱気された前記処理水が供給される貯水槽
    と、前記貯水槽にその受水口が配置された処理水取水管
    を介して処理水を取り出す処理ポンプ部と、前記処理ポ
    ンプ部の処理水取水管に分岐して取り付けられた活性ガ
    ス供給管と、前記活性ガス供給管に酸素や空気等の活性
    ガスを供給する活性ガス供給管と、前記処理ポンプ部の
    排水部側にその気液導入管の端部が取り付けられ前記貯
    水槽に浸漬された微細気泡混合水流発生器と、前記貯水
    槽の底部にその上端部が連設して下端部が前記水底の前
    記給水口に位置付けられた供給管と、を有することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の水処理装置。
  4. 【請求項4】前記微細気泡混合水流発生器が略回転対称
    に形成された中空部を有する器体と、前記器体の周壁部
    に接線方向に開口され前記気液導入管が連設された気液
    導入孔と、前記中空部の回転対称軸の方向に開口して設
    けられた気液噴出孔とを備えていることを特徴とする請
    求項2又は3に記載の水処理装置。
  5. 【請求項5】前記供給管がその周囲に内部を流れる前記
    処理水を所定温度に冷却又は加熱する温度調節部を有し
    ていることを特徴とする請求項3又は4に記載の水処理
    装置。
  6. 【請求項6】酸素等の活性ガス濃度が低い処理水を大気
    圧より低い所定圧力に保持させる減圧操作及び/又は前
    記処理水を所定空間内で旋回撹拌させて噴出孔から吐出
    させる噴出操作により溶存ガスの気泡を発生させて除去
    する脱気工程と、前記脱気工程で脱気された処理水に酸
    素や空気等の活性ガスの微細気泡を拡散させて溶解させ
    る活性ガス吸収工程とを備えたことを特徴とする水処理
    方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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