JP2004298840A - 気体溶解量調整器 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理する液体を圧力気体の中で液泡にすることで、圧力に比例した気体溶解ができ、内部に閉塞箇所がなく大量処理が可能でメンテナンス性に優れ、溶解過程における液泡の制御性に優れ、効率的な溶解処理を行うことができる気体溶解量調整器を提供する。
【解決手段】本発明の気体溶解量調整器は、略円筒状等の液泡溶解タンク11と、液泡溶解タンク11の底部に配設されたエジェクター部12aと、気液混合流体を供給する気液供給部12と、液泡溶解タンク11内の最上部周辺の未溶解気体を吸引室に還流させる気体還流部12eと、液泡溶解タンク11の底部に接続されタンク内の処理液を排出する処理液排出部13と、液胞溶解タンク11の最上部に接続された気体排出管17aと、気体排出管17aに配設された気体排出調整弁17bと、を備えた構成を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種製造工場などにおける処理液や上下水処理設備、ダム等からの処理水等を取り出して、この液体中に空気や酸素、活性ガス等のガスを溶解させたり、置換させたり溶解ガス濃度の調整を行ったりする気体溶解量調整器に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記気体溶解量調整器は化学プロセスにおける処理液の活性化や、酸素富化等による浄化、または養魚場等の生簀の水や浴槽水等の活性化に利用されている。このような気体溶解量調整器に関連して例えば以下のようなものが知られている。
(イ)特許文献1には、養魚水槽と水源とを結ぶ給水路中に耐圧容器を介在させ、その耐圧容器の上部に酸素源を連結して内部を大気圧より高く加圧した酸素雰囲気とし、その耐圧容器内の上部に給水路を開口させ、その下方に衝突板を設けて滴化させると共に、耐圧容器内の底部に養魚水槽へ連なる給水路の取水口を開口させてなる養魚水槽などの酸素補給装置が記載されている。
(ロ)特許文献2には、貯溜槽内の液体を取り出して、この液体中に空気を溶解させてから、貯溜槽内に戻すことにより貯溜槽内で微細気泡を発生させる微細気泡発生装置であって、貯溜槽に設けた液体の取り出し口と戻し口とに接続される循環通路と、循環通路の途中に配設されて貯溜槽内の液体を取り出して戻すよう循環させる循環ポンプと、循環通路において循環ポンプの下流に介装されかつ前記循環ポンプで加圧導入される液体中に内部の貯溜空気を巻き込んで溶解させてから一部を貯溜しながら通過させる気液混合タンクと、前記循環ポンプの上流の循環通路に設けられた空気導入路と、この空気導入路の開閉を制御して空気の導入を制御する制御手段と、を備えた微細気泡発生装置が記載されている。
【0003】
【特許文献】
【特許文献1】
特許第3149238号公報
【特許文献2】
特開2001−179241号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は以下の課題を有していた。
(1)特許文献1に記載の酸素補給装置は、酸素で満たした耐圧容器の上部から処理水を供給して内部の衝突板に当てることにより処理液を滴下させ衝突板に穿設された多数の孔部分から落下させる等して雰囲気中の酸素を処理水に溶解しているので、処理水中の固形分等が衝突板に穿設された多数の孔部に付着してこれを閉塞させやすくメンテナンス性に欠けるという課題があった。
(2)処理水を水滴状にして落下させて酸素に触れさせて溶解を行っているので、水滴と酸素雰囲気との気液界面の面積を増加させるのには滴下させる水滴の数を増やす必要があるため処理タンク容量を大きくしなければならず大量処理や溶解の効率化が困難であるという課題があった。
(3)処理水が衝突板に衝突し衝突板に設けられた小孔から滴下することで水滴に分散されるので、この水滴を微細かつ均一にすることができず、水滴表面における気液界面の面積が小さくなって溶存酸素量を増加させるには限界があり処理効率が低いという課題があった。
(4)特許文献2に記載の微細気泡発生器は、空気を含む気液混合タンクの上部から噴射ノズルを介して浴槽水を噴射して浴槽水により空気を巻き込んで溶解及び発泡を促すようにしているだけなので、効率的な溶解処理が行えないという課題があった。
(5)浴槽水が上方向から供給されて下部から排出されるため、気液混合タンク内における気泡の動きが単調になって、タンク内における気泡の有効な滞留時間が短く高濃度にガスが溶解された処理液が得られないという課題があった。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、液膜により囲まれて形成された液膜を有する気泡(以下、液泡という)を加圧状態で発生させることで、処理する液体に気体を浸透させることができ、内部に閉塞箇所がなく大量処理が可能でメンテナンス性に優れ、溶解過程における液泡の制御性に優れ、効率的な溶解処理を行うことができる気体溶解量調整器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の気体溶解量調整器は、気液混合流体が供給される略円筒状等の液泡溶解タンクと、前記液泡溶解タンクの底部に配設され前記気液混合流体をタンク内部に向けて噴射するノズルと前記ノズルの周囲に配設又は噴射方向に連設された吸引室とを有するエジェクター部と、前記エジェクター部の前記ノズルに前記気液混合流体を供給する気液供給部と、前記液泡溶解タンク内の最上部周辺の未溶解気体を前記エジェクター部の前記吸引室に還流させる気体還流部と、前記液泡溶解タンクの底部に接続され前記液泡溶解タンク内の処理液を排出する処理液排出部と、前記液胞溶解タンクの最上部に接続された気体排出管と、前記気体排出管に配設された気体排出調整弁と、を備えた構成を有している。
【0007】
この構成によって、以下の作用を有する。
(a)気液供給部によりエジェクター部のノズルに気液混合流体を供給し、エジェクター部のノズルから液泡溶解タンク内に気液混合流体を噴射し、液泡溶解タンク内において噴出され上昇した気液混合流体の流れを下方向に反転させると共に、エジェクター部のノズルから噴射された気液混合流体の流速によって、ベルヌーイの定理により気液混合流体が負圧になるため、周辺の液泡及び気泡を噴射される気液混合流体に巻き込んで破壊する同時に、その破壊された液泡及び気泡中の気体と気液混合流体中の供給気体と気体還流部から還流される還流気体とで新たに気泡と液泡を作ることができ、多量の気泡と液泡が上昇することでタンク上部では気泡も液泡になり液体に溶解される気体濃度を高めることができる。
(b)液泡を液泡溶解タンク内に発生させることにより、気体溶解に必要な気液界面を液泡の内外に表裏二面に形成して増加させることができ、液膜に気体の圧力に比例して気体を効率的に溶解させることができる。
(c)液泡溶解タンク内には、従来例における衝突板等の構造がないので、構造を単純化できメンテナンス性に優れると共に省コスト性にも優れている。
(d)気体還流部を備えているので、エジェクター部により液泡溶解タンク上部に溜まった多量の未溶解気体を気体還流部を介して吸引室へ吸い込み、ノズルから噴射される気液混合流体に巻き込んで液泡溶解タンク内に還流させることができ、未溶解気体を最大限利用することができる。
(e)気体還流部に気体の吸い込み量を調整する自吸調整弁を取り付けた場合、コストのかからない空気等の気体の溶解の際に、自吸調整弁を調整して還流気体を少量に設定すると共に気液混合流体中の気体量を増やすことにより、空気を多く供給するように設定することができ、空気等の気体の溶解効率を上げることができる。
(f)例えば酸素ガス溶解時には、液体への酸素ガスの溶解により置換して液体中の窒素ガス等が放出される。気体排出管によって、液泡溶解タンク内の上部に溜まった窒素ガス等の不要な気体を外部に適宜排出することができるので、液泡溶解タンク内の上部に溜まった気体中の酸素ガス濃度を高めることができ、これにより酸素ガス溶解時において10〜15パーセント程度溶解濃度を上げることができる。
(g)気体排出管に配設された気体排出調整弁により、液泡溶解タンク内の上部に溜まった不要なガスを必要に応じて調整して排出することができる。
(h)化学工場等の廃ガス中の有害ガス等をその処理用液に迅速に溶解させ処理することができるので、低コストで有毒ガス等の除去処理を行うことができる。
【0008】
ここで、液泡溶解タンクは略円筒状に形成され密閉された耐圧タンク等であり、その底部に設けられた気液供給部から気液混合流体が供給され、その内部周壁に沿って下降する気泡を含む気液混合流体の流れがそのタンク底部に形成された処理液排出部から外部に排出される。この気液供給部及び処理液排出部における流量調整バルブやポンプ等を制御して、液泡溶解タンク内をガスの溶解を促進させる高圧力レベルに保持させることができる。
エジェクター部は、ポンプ等を介して供給される気液混合流体が所定圧力及び流量で噴出されるようになっている。また、エジェクター部は、気液混合流体を噴射するノズルと該ノズルの周囲に配設又は噴射方向に連設された吸引室とを有している。エジェクター部においてはノズルからの噴射によるエジェクター効果により、吸引室に気体還流部を介して液泡溶解タンクの上部に溜まった未溶解気体が吸引され還流される。
気体排出管の一端部は液胞溶解タンクの最上部に接続される。気体排出管の他端部は、外部の大気等に開放され液泡溶解タンク内の上部に溜まった気体を外部に排出するようにしてもよく、或いは処理液排出部に接続され処理液排出部の排出管に処理液が通過する際に液泡溶解タンク内の上部に溜まった気体を排出管側に吸引して処理液と共に排出するようにしてもよい。
気液混合流体における気体としては、空気や酸素、アンモニア、硫化水素、化学工場の廃ガス(塩素、ホスゲン、有機溶媒の蒸気)等やこれらの混合ガスが適用でき、液体としては水道水や工場廃液などの汚濁水、洗浄水、工場プロセス等の処理液等を用いることができる。
気液混合流体における気体と液体の混合比は、例えば酸素と水であれば、体積比で気液混合流体1あたり酸素(気体)が0.03〜0.15、好ましくは0.05〜0.1の範囲とすることが望ましい。これは液泡溶解タンクの容量や、気液混合流体の供給量、温度や圧力等にもよるが、0.05より小さくなるにつれ、溶存気体の濃度を実用上必要なレベルに維持させるのが困難になる傾向が表れ、逆に0.1を超えるにつれ、液泡溶解タンク内で液泡を効果的に生成させるのが困難になる傾向が表れ、これらの傾向は0.03より小さくなるか又は0.15より大きくなるとさらに顕著になるからである。
【0009】
請求項2に記載の気体溶解量調整器は、請求項1に記載の発明において、前記液泡溶解タンク内の置換されたガスを前記処理液排出部を介して前記処理液と共に排出する気体排出部を備えた構成を有している。
この構成によって請求項1に記載の作用に加えて以下の作用を有する。
(a)例えば酸素ガス溶解時には、液体への酸素ガスの溶解により置換して液体中の窒素ガス等が放出される。気体排出部によって、液泡溶解タンク内の上部に溜まった窒素ガス等の不要な気体を排出管側に吸引して処理液と共に適宜排出することができるので、液泡溶解タンク内の上部に溜まった気体中の酸素ガス濃度を高めることができ、これにより酸素ガス溶解時において10〜15パーセント程度溶解濃度を上げることができる。
【0010】
請求項3に記載の気体溶解量調整器は、請求項1又は2に記載の発明において、前記気液供給部の上流側に配設され前記気液混合流体の圧力を検出する供給側圧力センサと、前記液泡溶解タンクの上部に配設されたタンク内圧力センサと、前記気液供給部及び/又は前記処理液排出部に配設され前記供給側圧力センサ及び前記タンク内圧力センサから取得される各圧力値を調整する圧力調整部と、を備えた構成を有している。
この構成によって請求項1又は2に記載の作用に加えて以下の作用を有する。
(a)供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサを備えているので、圧力調整部を用いて供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサで測定されるそれぞれの圧力や差圧を所定範囲に制御することにより、液泡溶解タンク内における液泡の生成状態等を必要な最適状態に調整することができる。
(b)供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサの信号を取得する制御部を設けて、制御部に予め設定したプログラムに従ってバルブ等からなる圧力調整部の動きを制御するようにした場合は、常時安定した状態で気体溶解量調整器を稼動でき、濃度にバラツキの少ない高濃度酸素水等の製造等を効率的に行うことができる。
ここで、圧力調整部は、制御装置等で制御できる電磁弁等の流量調整弁等で構成され、その圧力や流量を調整するための配管系等が含まれる。なお、圧力調整部として、流量調整弁の代わりに流量を調整できるポンプを用いることもでき、この場合、閉塞部分がなくなり汚水等の異物混入液であっても詰まることなく稼動できる。
【0011】
請求項4に記載の気体溶解量調整器は、請求項1又は2に記載の発明において、圧力気体を発生させ前記気液供給部に供給する圧力気体発生部と、前記処理液排出部の前記処理液の流路に配設され前記処理液の流れにより回転羽根部を回転させて回転動力を発生し前記圧力気体発生部に動力を供給する回転動力発生部と、を備えた構成を有している。
この構成によって請求項1又は2に記載の作用に加えて以下の作用を有する。
(a)水道圧や水頭差による水圧等がかかった圧力水があれば回転動力発生部において回転動力を作り出すことができる。これにより、コンプレッサ等の圧力気体発生部を駆動して圧力気体を作ることができ、気液供給部に圧入することで気液混合流体を作ることができるので、圧力水さえあれば他の動力を用いずに気体を溶解することができる。
(b)動力伝達部に変速機等を用いてコンプレッサ等の圧力気体発生部に伝達されるトルクを任意に変化させることで、圧力気体発生部において処理液排出部の処理液の圧力より高い圧力の圧力気体を作ることができるので、この圧力気体の圧力を気液供給部の気液混合流体と同程度の圧力に設定して圧入することができる。
(c)動力伝達部に変速機等を用いてコンプレッサ等の圧力気体発生部に伝達されるトルクを任意に変化させ、回転羽根部にかかる負荷を調整することで、液泡溶解タンク内からの排出流量を調整することができる。これによって、液泡溶解タンク内の圧力を調整することになり、気体混入量を調整することで所望の溶解濃度を得ることができる。また、液体が流れる部分にバルブ等の閉塞部分がなく異物混入水でも詰まることなく連続稼動できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における気体溶解量調整器について、以下図面を参照しながら説明する。
図1(a)は実施の形態1における気体溶解量調整器の側面断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線の矢視断面図であり、図1(c)はエジェクター部の要部側面断面図である。
図中、10は実施の形態1の気体溶解量調整器、11は略円筒密閉容器状に形成された液泡溶解タンク、12は液泡溶解タンク11の底部に設けられたエジェクター部12aと気液混合流体供給管12bからなる気液供給部、12eは液泡溶解タンク11の最上部とエジェクター部12aとを接続するエジェクター自吸管12cと自吸調整弁12dからなる気体還流部、12fはエジェクター部12aのノズル、12gはノズル12fの周囲に配設された吸引室、13は液泡溶解タンク11の底部に接続され液泡溶解タンク11の底部から処理液を排出するための処理液排出部、13aは処理液排出部13の排出管、14は気液供給部12に配設され供給側圧力Psを検知するための供給側圧力センサ、15は液泡溶解タンク11の上部に配設されたタンク内圧力Ptを検知するためのタンク内圧力センサ、16は排出管13aに配設されたバルブを備えた圧力調整部、17は液泡溶解タンク11の上部側部と排出管13aの圧力調整部16の上流側とを接続する気体排出管17aと気体排出調整弁17bからなる気体排出部である。
ここで、液泡溶解タンク11は、図1(b)に示すようにその水平断面が円筒状となるように形成されその天井部及び底部が密閉されたタンク状の容器体であり、底部中心付近に気液混合流体供給管12bに連設されたエジェクター部12aが設けられ、その側壁側の底部に処理液排出部13の排出管13aが配設されている。自給調整弁12dは、エジェクター自吸管12cに配設されエジェクター部12aの気体の自吸量を調整する。
エジェクター部12aは、液泡溶解タンク11の底部に配設され気液混合流体を液泡溶解タンク11内部に向けて噴射するノズル12fとノズル12fの噴射方向に連設された吸引室12gとを有する。エジェクター部12aのノズル12fの長さを1mm〜2mm程度に短く形成した場合はノズル12fからの吐出流が乱流を含むため、吐出幅が広がるので気泡や液泡を巻き込み易く好ましい。
また、気液混合流体供給管12bは、液泡溶解タンク11への入口近傍において、略直角に形成されている。これにより、気液混合流体供給管12b内の液泡溶解タンク11への入口近傍において乱流を発生させることができ、エジェクター部12aの噴射幅が広がるので気泡や液泡を巻き込み易い。
圧力調整部16は、排出管13aの流量を調整することにより、供給側圧力センサ14から取得される供給側圧力Ps、タンク内圧力センサ15から取得されるタンク内圧力Ptを調整する。
気体排出部17は、液泡溶解タンク11内における気体の溶解により置換されて放出され液泡溶解タンク11内の上部に溜まった液相中の溶存気体である窒素ガス等の不要なガスを、処理水が排出管13aを通過する際に排出管13a側に吸引して外部に排出する。なお、気体排出管17aの他端部を外部の大気等に開放して、液泡溶解タンク11内の上部に溜まった不要なガスを外部に排出するようにしてもよい。
気体排出調整弁17bは気体排出管17aに配設され、液泡溶解タンク11内の上部に溜まった不要なガスを必要に応じて調整して排出する。なお、酸素ガス溶解時においては、酸素ガスを溶解させると液相中に溶解していた窒素ガスが置換されて放出される。これは、酸素ガス溶解時においては気液供給部12から供給される気液混合流体は酸素ガスと液体の混合流体であり、液泡溶解タンク11内の酸素ガス濃度が高くなるにつれて液相に溶解する酸素ガス量が増加するため、それに伴って液相中に溶存していた空気に含まれる窒素ガスが放出されるためである。ここで、液泡溶解タンク11内に放出された窒素ガスが溜まり所定の窒素ガス濃度になった際に一時的に液泡溶解タンク11内の窒素ガス濃度を下げるために気体排出部17により窒素ガスを間欠的に抜くことで、液泡溶解タンク11内の酸素ガス濃度を高めて10〜15パーセント程度溶存酸素量を上げることができる。なお、溶存酸素量を上げなくてよい場合は窒素ガスを抜かずに稼動させてもよい。
【0013】
以上のように構成された本実施の形態1における気体溶解量調整器10について、以下その動作を図を用いて説明する。
気液混合流体供給管12bからエジェクター部12aに所定圧の気液混合流体を供給すると、供給された気液混合流体はノズル12fから吸引室12gを通過して液泡溶解タンク11内に噴射される。エジェクター部12aから上方へ噴射された気液混合流体は液泡溶解タンク11内に発生している気泡及び液泡を巻き込み、気泡から液泡になり液泡溶解タンク11の上部付近まで上昇し、重力により反転して液泡溶解タンク11の内壁に沿って下降する。このとき、泡の内部に気体を有する液泡は上部に残留し、気液混合流体は下部に下降する。下降した気液混合流体は、エジェクター部12aから噴射される気液混合流体の流速によってベルヌーイの定理により気液混合流体が負圧になるため、エジェクター部12aの上部に吸い寄せられ、噴射される気液混合流体に巻き込まれる。このようにして、エジェクター部12aから噴射された気液混合流体は液泡溶解タンク11内で流動させることができる。また、エジェクター部12aから気液混合液を上部に噴射し、既に発生している気泡及び液泡を巻き込むことで新たに気泡及び液泡が作られ、気液混合液の噴射力で上昇するので、液泡溶解タンク10内の上部ではほとんどの泡が液泡化するため、多量の液泡を発生させることができる。
なお、液泡溶解タンク11の上部に溜まった未溶解気体は、エジェクター部12aにおけるノズル12fからの気液混合流体の噴射により、エジェクター自吸管12cを介して吸引室12gに吸引され、気液混合流体を噴射に巻き込まれて液泡溶解タンク11内へ還流する。
液泡溶解タンク11内において気体が溶解した気液混合流体は、液泡溶解タンク11の内部周壁に沿って下降し、タンク底部に形成された処理液排出部13の排出管13aから外部に排出される。このとき、処理液排出部13における流量調整バルブやポンプ等からなる圧力調整部16を制御して、処理液の排出流量を調整すると共に、液泡溶解タンク11内をガスの溶解を促進させる高圧力レベルに保持している。
【0014】
次に、気体溶解量調整器10における液泡の状態を図を用いて説明する。
図2は気体溶解量調整器における液泡の状態を示す模式図である。なお、図2はタンク内圧力Ptと供給側圧力Psとの差圧を0.5kg/cm(0.049MPa)以上に調整することによって設定された気体溶解量調整器10における液泡の状態を示す。なお、タンク内圧力Ptと供給側圧力Psとの差圧が0.5kg/cmより小さくなるにつれてエジェクター部12aから液泡溶解タンク11内に噴射される気液混合流体の噴射力が小さくなり液泡や気泡が発生し難くなる傾向にあるため好ましくない。また、タンク内圧力Ptと供給側圧力Psとの差圧は、液泡溶解タンク10の容量、気液混合流体中の気体量等により適宜設定されることが好ましい。なお、本実施の形態1の気体溶解量調整器10を化学工場等において廃ガス中の有害ガス等の処理に用いる場合、タンク内圧力Ptと供給側圧力Psとの差圧は、気液混合流体中の気体やその気体と置換される気体、或いは処理液排出部13の下流側の設備等により適宜設定されることが好ましい。
図2に示すように、液泡溶解タンク10内はA:タンク最上部の分離された未溶解気体及び不要なガスからなる上部気体層、B:径が3〜10mmぐらいの液泡を含有する液泡含有層、C:気泡と気泡の間に液体が介在する気泡含有層、D:液体のみで形成される液体層であり、液泡溶解タンク10内はA〜Dの四層で構成され、それぞれの層A〜Dの厚み及びその形態、例えば層Cの液泡の径等は圧力Ps、Ptを調整することにより設定することができる。
なお、液体層Dにおけるその上面レベルとエジェクター部12a先端との間の気泡非含有距離Eは10〜100mm、好ましくは10〜40mmになるように設定することが好ましい。また、液泡溶解タンク11への気体供給量はそのタンク内圧力Pt等によっても異なるがその液体供給量に対して体積比で3〜15%、好ましくは3〜10%の範囲に設定することが以下の理由から望ましい。
即ち、この気泡非含有距離Eが10mmより小さいとエジェクター部12aから噴射された気液混合流体の上部及び周囲に液体が少なくなり液泡の発生量が減少するといった弊害が表れ、逆に40mmより大きくなるとエジェクター部12aの上部に液体が多くなり、その抵抗によって噴射される気液混合流体の流速が小さくなるため、ベルヌーイの定理により噴射流の周囲の負圧が小さくなり周辺から液泡や気泡を吸い込んだり巻き込んだりする力が弱くなり、液泡の発生量及び発生サイクルが低下するといった弊害が表れる。100mmを超えると液体の種類にもよるが弊害が顕著になるので好ましくない。また、気体供給量が3%よりも低くなると気体が不足して液泡が発生しなくなるといった弊害が表れ、逆に10%より高くなると液泡溶解タンク11内の液体が少なくなるためエジェクター部12aから水滴が噴射されるようになり、液泡が発生しなくなるといった弊害が表れるので好ましくない。15%を超えると液体や気体の種類にもよるがその弊害が顕著になるので好ましくない。
【0015】
次に、液泡の発生と液泡による気体の溶解について図を用いて説明する。
図3(a)は気体溶解量調整器における液泡の発生を説明する模式図であり、図3(b)は液泡による気体の溶解を説明する模式図である。図3(a)において図1で説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。図3(b)において、pは圧力気体、lは液泡、mは液泡lの液膜である。
図3(a)においてエジェクター部12aの上部及びその付近においては、噴射した気液混合流体の流速が周囲の流体に比べて速いため、ベルヌーイの定理により噴射された気液混合流体は負圧となり、周囲の液泡や気泡が噴射された気液混合流体に吸い寄せられる。吸い寄せられた液泡や気泡は、図3(a)に示すXにおいて、噴射された気液混合流体に巻き込まれ破壊される。このときXにおいて液泡や気泡の破壊と同時に、噴射される気液混合流体と吸い寄せられる液泡や気泡との衝突により新たに気泡及び液泡が作られる。ここで、新たに作られた気泡及び液泡内の気体には、衝突時に破壊された気泡及び液泡の中の気体と液泡溶解タンク11の上部からエジェクター自吸管12cを通ってエジェクター部12aに吸引された還流気体Yと、気液供給管12bから供給された気液混合流体中の供給気体Zと、が用いられる。作られた気泡及び液泡はエジェクター部12aから上方へ噴射される気液混合流体によって上昇した後下降し、エジェクター部12aから噴射される気液混合流体の負圧により吸い寄せられる。このようにして、Xに示すエジェクター部12aの上部及びその付近において、エジェクター部12aから噴射される気液混合流体と吸い寄せられる液泡や気泡との衝突により液泡や気泡の破壊と発生が繰り返される。
図3(b)に示すように、新しく作られた液泡lでは、液泡lを形成する薄い液膜mの両側にかかった圧力気体pの圧力により瞬間的にその圧力に比例して圧力気体pが液膜mに溶解する。このように、液泡lの液膜mの両側に圧力気体pの圧力がかかった状態が液体に気体が溶解する最良の状態であり、例えば気体が3kgの圧力であれば、その圧力に比例した濃度が得られる。また、上述したように、液泡溶解タンク11内において液泡lを直ちに破壊し新しい液泡lを発生させ、液泡lの発生サイクルを高めることにより、気体の溶解効率を高めることができる。
なお、気体の溶解効率即ち処理液の溶存活性ガス濃度は、供給気体量、タンク内圧力センサ15から取得されるタンク内圧力Pt、自吸調整弁12dにより設定される還流気体量を適宜設定することにより更に高めることができる。これは、液泡溶解タンク11内の体積に対して液泡の割合が多い程、気体溶解率が高く、早く液泡溶解タンク11内の気体を溶解して消化すれば効率が良くなるためである。
【0016】
実施の形態1の気体溶解量調整器10は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(a)液泡溶解タンク11内にエジェクター部12aを介して上方に噴射された気液混合流体はタンク上部で下方向に反転する。また、エジェクター部12aより噴射される気液混合流体は、流速が速いためベルヌーイの定理により負圧になり、上方から反転してきた液泡及び気泡を吸い込むと同時に破壊し、更に破壊された液泡及び気泡中の気体とエジェクター自吸管12cの還流気体Yと気体供給部12bよりされる供給気体Zとで、噴射される液体中に連続的に新しい多量の気泡と液泡が形成される。上部に上昇した気泡も液泡になり、この液泡内部の気体は圧力気体なので、液泡の薄膜表面液に気体圧力に比例して瞬間的に溶解する。これにより、処理液中の気体濃度を効果的に高めることができる。
(b)液泡溶解タンク11のタンク内圧力を検出するタンク内圧力センサ15を備えているので、バルブやポンプ等の圧力調整部16を用いてタンク内の圧力を所定圧力に設定して、液泡溶解タンク11内における液膜内の気体圧力を設定し、所望の気体濃度に調整することができる。
(c)圧力センサの信号を取得する制御部を設けることもでき、制御部に予め設定したプログラムに従って圧力調整部の動きを制御した場合、常時安定した状態で気体溶解量調整器10を運転でき、濃度にバラツキの少ない高濃度酸素水等の製造を効率的に行うことができる。
(d)液泡を液泡溶解タンク11内に多量に発生させることができ、気体溶解処理に必要な気液界面を増加させ、圧力に比例して、液泡の表面液膜に気体を効率的に溶解させることができる。
(e)液泡溶解タンク11内の構造を単純化できメンテナンス性に優れると共に省コスト性にも優れている。
(f)空気等のコストのかからない気体を溶解させる場合には、自吸調整弁12dによりエジェクター自吸管12cからの還流気体を少量となるように調整することで、気液供給部12からの気体混入量を増加させたり、液泡溶解タンク11内の液泡発生状態を調整したりすることができる。
(g)純酸素を高濃度に溶解させる時に、気体排出部17から液泡溶解タンク11で処理液体中から放出された窒素ガス等の不要なガスを適時調整して排出することができるので、酸素溶解の場合、溶解濃度を10〜15パーセント程度高めることができる。
(h)化学工場等のガス洗浄塔の有毒な廃ガスを吸収した洗浄液から有毒な廃ガスを空気等と置換し廃ガスを濃縮して焼却等の処理を容易に行うことができる。
【0017】
(実施例1)
表1は、実施の形態1の気体溶解量調整器10を用いて酸素を水道水に溶解させた本実施例における気液供給圧力(MPa)、酸素混合量(酸素自吸量:cc/分)、タンク内圧力(MPa)、溶存酸素量(ppm、)、処理流量(リットル/分)のデータを示している。なお、本実施例1においては、タンク内圧力と気液供給圧力の差圧、即ちタンク内の噴射エネルギーが0.05MPa以上となるように各々0.20〜0.12MPa、0.25〜0.18MPaまで0.02MPaずつ変化させて、各々の場合の溶存酸素量と処理流量を測定した。酸素自吸量は各々場合について適宜設定した。
ここで、水道水は、酸素溶存量10.33ppm、温度9.2℃の条件で用いた。なお、気体溶解量調整器に気液混合流体を供給するポンプとしてはモノフレックスポンプ(400W)を適用した。なお、酸素自吸量はこのポンプのインレット側から自吸された酸素量である。
【0018】
【表1】
Figure 2004298840
表1のデータから、タンク内圧力や気液供給圧力、酸素自吸量等の条件を制御することにより、処理流量や溶存酸素量を調整することができ、水道水の4.5倍〜7.0倍の溶存酸素量の酸素水が得られることがわかった。
また、No.2〜No.5の結果から、タンク内圧力を高くするとそれに伴って処理流量が減少するが溶存酸素量が高くなることがわかった。また、No.1の結果から、タンク内圧力を高くして高濃度の酸素水を作っても、処理液排出部13から排出し大気圧に戻すと白濁し発泡して気体(酸素)が放出され溶存酸素量が減少する傾向があることがわかった。これは、処理液排出部13を透明管にして確認した。なお、タンク内圧力を高くした場合は、処理水を直接圧力下の水中、例えば水深の深い湖底等に排出すれば白濁せず全て気体を溶解した状態で高い溶存酸素量を維持することができることから、貧酸素状態のダム底やヘドロの貯まった海底のDOを高くするのに有効であることがわかった。
【0019】
(実施の形態2)
図4は実施の形態2における気体溶解量調整器の側面断面図である。
図4において、実施の形態1において説明したものと同様のものは同一の符号を付けて説明を省略する。10′は本実施の形態2のおける気体溶解量調整器、18は液泡溶解タンク11内からの排出圧力水を利用した回転羽根部18aの回転により回転動力を発生する回転動力発生部、19は回転動力発生部18で発生した回転動力を後述の圧力気体発生部に伝達する動力伝達ベルト、20は圧力気体を発生するコンプレッサ等の圧力気体発生部、21は圧力気体発生部20で発生した圧力気体を気液供給部12に送る圧入管、22は圧力気体発生部20から送られてきた圧力気体の余分な気体を除いて必要な圧入量を調整する圧入調整三方弁、23は圧入管21が接続される気液混合流体供給管12bの圧入孔である。圧入調整三方弁22は、気体量が多い場合に別の管へ排出し調整することができる弁である。
【0020】
以上のように構成された本実施の形態2における気体溶解量調整器10′について、以下その動作を図面を参照しながら説明する。なお、液泡溶解タンク11内の動作については実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
まず、気液供給部12の気液混合流体供給管12bから気体が混入していない圧力液体を供給することにより、液体は液泡溶解タンク11内を通過し排出管13aに排出される。このとき、排出管13aに取り付けられた回転動力発生部18の抵抗で、液泡溶解タンク11内は圧力状態になるが、回転動力発生部18においては流れ込む液体により回転羽根部18aが回転し回転動力が発生する。発生した回転動力は動力伝達ベルト19を介して圧力気体発生部20に伝達され、これにより圧力気体発生部20を駆動し圧力気体を発生させる。このとき動力伝達ベルト19が巻回される回転羽根部18aのプーリと圧力気体発生部20のプーリの内、回転羽根部18aのプーリの径を圧力気体発生部20のプーリの径より大きくすることにより、圧力気体発生部20に伝達されるトルクを変化させ、圧力気体発生部20において処理液排出部13の処理液の圧力より高い圧力の圧力気体を作ることができる。なお、このとき変速機等を用いて圧力気体発生部20に伝達されるトルクを変化させてもよい。
発生した圧力気体は圧入管21を介して圧入調整三方弁22で必要な圧入量に調整され圧入孔23から気液混合流体供給管12bに圧入され、圧力液体に混合され気液混合流体となる。このようにして、気液供給部12で気液混合流体を作られエジェクター部12aから液泡溶解タンク11内へ噴射され、液泡を発生させることができる。
なお、本実施の形態2においては、圧力気体発生部20において外気を吸引して圧力気体を作っているが、これに限られるものではなく酸素やオゾン等のガスを吸引してその圧力気体を作り気液混合流体供給管12bに圧入するようにしてもよい。
【0021】
以上のように本実施の形態2における気体溶解量調整器10′は構成されているので、実施の形態1の作用に加え、以下の作用を有する。
(a)実施の形態1で説明した圧力調整部16の代わりに、排出管13aに回転動力発生部18を取り付けることで、回転羽根部18aの回転抵抗により液泡溶解タンク11内が圧力状態となりタンク内圧力を調整して液泡を発生させることができると同時に、圧力気体を発生させるための動力を得ることができる。
(b)処理液排出部13に供給される圧力液体の流動による動力により圧力気体発生部20で圧力気体を作ることができるので、気液供給部12に液体を供給する水圧さえあれば他の動力を用いずに気体の溶解を行うことができる。
(c)回転動力発生部18に加わる負荷を動力伝達部19により調整し、液泡溶解タンク11内からの処理液の排出量を調整することで、液泡溶解タンク11内のタンク内圧力を調整することができ、所望の気体溶解濃度を得ることができ、また、液体が流れる部分にバルブ等の閉塞部分がないので、異物が混入した場合であっても詰まることなく稼動できる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の気体溶解量調整器によれば、以下の効果を有する。
(a)エジェクター部が液泡溶解タンクの底部に配設されているので、エジェクター部は常時液相中にあり、その上部に液泡や気泡がある状態で気液混合流体が噴射されるので、ベルヌーイの定理により噴射された気液混合流体が負圧になり周囲の気泡や液泡が噴射された気液混合流体に吸引され巻き込まれることで多量に気泡や液泡を発生させ、上昇させることで気泡も液泡に変化させることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(b)液泡溶解タンク内の気泡や液泡をエジェクター部からの気液混合流体の噴射による巻き込みや衝突、噴射圧で破壊し、気体が溶解した溶解液と未溶解液とを早く分離させることによって、液泡発生のサイクルを早くし溶解濃度を上げることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(c)液泡溶解タンク内に噴出され上昇した気液混合流体の流れを下方向に反転させると共に、エジェクター部から噴射された気液混合流体の流速によって、ベルヌーイの定理により気液混合流体が負圧になるため、周辺の液泡及び気泡を噴射される気液混合流体に巻き込んで破壊する同時に、その破壊された液泡及び気泡中の気体と気液混合流体中の供給気体と気体還流部から還流される還流気体とで新たに液泡を作ることができ、多量に液泡を発生させ液体中に溶解される気体濃度を高めることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(d)液泡を液泡溶解タンク内に発生させることにより、液泡の液膜にタンク内の気体が圧力に比例して溶解するので、気体を効率的に溶解させることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(e)液泡溶解タンク内には、従来例における衝突板等の構造がないので、構造を単純化できメンテナンス性に優れると共に省コスト性にも優れた気体溶解量調整器を提供することができる。
(f)気体還流部を備えているので、エジェクター部により液泡溶解タンク上部に溜まった多量の未溶解気体を気体還流部を介して吸引室へ吸い込み、ノズルから噴射される気液混合流体に巻き込んで液泡溶解タンク内に還流させることができ、未溶解気体を最大限利用することができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(g)気体還流部に気体の吸い込み量を調整する自吸調整弁を取り付けた場合、コストのかからない空気等の気体の溶解の際に、自吸調整弁を調整して還流気体を少量に設定すると共に気液混合流体中の気体量を増やすことにより、空気を多く供給するように設定することができ、空気の溶解効率を上げることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(h)気体排出管によって、液泡溶解タンク内の上部に溜まった窒素ガス等の不要な気体を外部に適宜排出することができるので、酸素ガス溶解時において10〜15パーセント程度溶解濃度を上げることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(i)化学工場等の廃ガス中の有害ガス等をその処理用液に迅速に溶解させ処理することができるので、低コストで有毒ガス等の除去処理を行うことができる省コスト性及び省力性に優れた気体溶解量調整器を提供することができる。
【0023】
請求項2に記載の気体溶解量調整器によれば、請求項1に記載の効果に加えて以下の効果を有する。
(a)例えば酸素ガス溶解時には、液体への酸素ガスの溶解により置換して液体中の窒素ガス等が放出される。気体排出部によって、液泡溶解タンク内の上部に溜まった窒素ガス等の不要な気体を排出管側に吸引して処理液と共に適宜排出することができるので、液泡溶解タンク内の上部に溜まった気体中の酸素ガス濃度を高めることができ、これにより酸素ガス溶解時において10〜15パーセント程度溶解濃度を上げることができる気体溶解量調整器を提供することができる。
【0024】
請求項3に記載の気体溶解量調整器によれば、請求項1又は2に記載の効果に加えて以下の効果を有する。
(a)供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサを備えているので、圧力調整部を用いて供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサで測定されるそれぞれの圧力や差圧を所定範囲に制御することにより、液泡溶解タンク内における液泡の生成状態等を必要な最適状態に調整することができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(b)供給側圧力センサ及びタンク内圧力センサの信号を取得する制御部を設けて、制御部に予め設定したプログラムに従ってバルブ等からなる圧力調整部の動きを制御するようにした場合は、常時安定した状態で気体溶解量調整器を稼動でき、濃度にバラツキの少ない高濃度酸素水等の製造等を効率的に行うことができる気体溶解量調整器を提供することができる。
【0025】
請求項4に記載の気体溶解量調整器によれば、請求項1又は2に記載の効果に加えて以下の効果を有する。
(a)水道圧や水頭差による水圧等がかかった圧力水があれば回転動力発生部において回転動力を作り出すことができる。これにより、コンプレッサ等の圧力気体発生部を駆動して圧力気体を作ることができ、必要な量を気液供給部に圧入することで気液混合流体を作ることができるので、圧力水さえあれば他の動力を用いずに気体を溶解することができる省コスト性に優れた気体溶解量調整器を提供することができる。
(b)動力伝達部に変速機等を用いてコンプレッサ等の圧力気体発生部に伝達されるトルクを任意に変化させることで、圧力気体発生部において処理液排出部の処理液の圧力より高い圧力の圧力気体を作ることができるので、この圧力気体の圧力を気液供給部の気液混合流体と同程度の圧力に設定して圧入することができる気体溶解量調整器を提供することができる。
(c)回転羽根部にかかる負荷を動力伝達部によって調整することで、液泡溶解タンク内からの排出流量を調整することができる。これによって、液泡溶解タンク内の圧力を調整することになり所望の溶解濃度を得ることができる。また、液体が流れる部分にバルブ等の閉塞部分がなく異物混入水でも詰まることなく連続稼動できるメンテナンス性に優れた気体溶解量調整器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)実施の形態1における気体溶解量調整器の側面断面図
(b)図1のA−A線の矢視断面図
(c)エジェクター部の要部側面断面図
【図2】気体溶解量調整器における液泡の状態を示す模式図
【図3】(a)気体溶解量調整器における液泡の発生を説明する模式図
(b)液泡による気体の溶解を説明する模式図
【図4】実施の形態2における気体溶解量調整器の側面断面図
【符号の説明】
10,10′ 気体溶解量調整器
11、11a 液泡溶解タンク
12 気液供給部
12a エジェクター部
12b 気液混合流体供給管
12c エジェクター自吸管
12d 自吸調整弁
12e 気体還流部
12f ノズル
12g 吸引室
13 処理液排出部
13a 排出管
14 供給側圧力センサ
15 タンク内圧力センサ
16 圧力調整部
17 気体排出部
17a 気体排出管
17b 気体排出調整弁
18 回転動力発生部
18a 回転羽根部
19 動力伝達部
20 圧力気体発生部
21 圧入管
22 圧入調整三方弁
23 圧入孔
p 圧力気体
l 液泡
m 液膜

Claims (4)

  1. 気液混合流体が供給される略円筒状等の液泡溶解タンクと、
    前記液泡溶解タンクの底部に配設され前記気液混合流体をタンク内部に向けて噴射するノズルと前記ノズルの周囲に配設又は噴射方向に連設された吸引室とを有するエジェクター部と、
    前記エジェクター部の前記ノズルに前記気液混合流体を供給する気液供給部と、
    前記液泡溶解タンク内の最上部周辺の未溶解気体を前記エジェクター部の前記吸引室に還流させる気体還流部と、
    前記液泡溶解タンクの底部に接続され前記液泡溶解タンク内の処理液を排出する処理液排出部と、
    前記液胞溶解タンクの最上部に接続された気体排出管と、
    前記気体排出管に配設された気体排出調整弁と、
    を備えていることを特徴とする気体溶解量調整器。
  2. 前記液泡溶解タンク内の置換されたガスを前記処理液排出部を介して前記処理液と共に排出する気体排出部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の気体溶解量調整器。
  3. 前記気液供給部の上流側に配設され前記気液混合流体の圧力を検出する供給側圧力センサと、前記液泡溶解タンクの上部に配設されたタンク内圧力センサと、前記気液供給部及び/又は前記処理液排出部に配設され前記供給側圧力センサ及び前記タンク内圧力センサから取得される各圧力値を調整する圧力調整部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体溶解量調整器。
  4. 圧力気体を発生させ前記気液供給部に供給する圧力気体発生部と、前記処理液排出部の前記処理液の流路に配設され前記処理液の流れにより回転羽根部を回転させて回転動力を発生し前記圧力気体発生部に動力を供給する回転動力発生部と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体溶解量調整器。
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