JP2017112750A - モータ制御装置およびそれを搭載した洗濯機または洗濯乾燥機 - Google Patents

モータ制御装置およびそれを搭載した洗濯機または洗濯乾燥機 Download PDF

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一樹 坂本
Kazuki Sakamoto
一樹 坂本
亀田 晃史
Koji Kameda
晃史 亀田
麻田 和彦
Kazuhiko Asada
和彦 麻田
新井 康弘
Yasuhiro Arai
康弘 新井
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Abstract

【課題】ロータ位置検出センサを用いずにインバータ駆動されるモータをブレーキ制御した場合、部材の追加コストを必要とせず、モータの停止時間を短縮できる洗濯機のモータ制御装置を実現する。【解決手段】モータ4を駆動するインバータ回路3を制御する制御手段7は、電流変換ブロック70と、ロータ位置検出ブロック71と、速度制御ブロック72と、電流制御ブロック73と、電圧変換ブロック74を有し、モータ4を減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間を有し、強制ブレーキ期間は強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、強制ブレーキ速度は強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくすることにより、部材の追加コストを必要とせず、モータ4の停止時間を短縮できる。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ回路によりモータを駆動するモータ制御装置およびそれを搭載した洗濯機または洗濯乾燥機に関するものである。
従来、インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するモータのモータ制御装置は、回転状態の洗濯槽の回転停止時にモータを短絡状態とした短絡ブレーキによる減速動作を実施するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、本発明の実施の形態1における洗濯機のモータ制御装置のブロック図を示すものであるが、従来のモータ制御装置もブロック図として表現した場合、ほぼ同様の表現となるので、この図を参照して従来のモータ制御装置の構成について説明する。
図1に示すように、電源1に接続される整流回路2と、整流回路2の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路3と、インバータ回路3により駆動され洗濯槽等を駆動するモータ4と、モータ4のモータ電流を検出する電流検出手段5と、インバータ回路3に入力する電圧を検出する電圧検出手段6と、インバータ回路3を制御する制御手段7を有し、制御手段7は、電流変換ブロック70と、ロータ位置検出ブロック71と、速度制御ブロック72と、電流制御ブロック73と、電圧変換ブロック74を有し、電流変換ブロック70は電流検出手段5により検出したモー
タ電流をロータの磁束方向の電流成分とロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、ロータ位置検出ブロック71はロータの磁束方向の電流成分とロータの磁束方向と直角の電流成分と電圧検出手段6により検出した電圧よりモータ4のロータ角度とモータ4のロータ速度を算出し、速度制御ブロック72はロータ位置検出ブロック71が算出したモータ4のロータ速度を使用し速度制御を行いトルク指令に対応した電流指令を算出し、電流制御ブロック73はトルク指令に対応した電流指令と電流変換ブロック70が変換したロータの磁束方向に対応した電流成分とロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行いロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、電圧変換ブロック74はロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令をモータ4に印加する電圧指令に変換しインバータ回路3に出力する機能を備え、制御手段7によりモータ4を短絡状態とした短絡ブレーキによる減速動作を実施するように構成されている。
特開2012−90449号公報
しかしながら、前記従来の構成では、モータ4を短絡状態とした短絡ブレーキによる減速動作において、モータ4のインピーダンスが大きくなると、ブレーキトルクが小さくなり、モータ4が停止するまでの時間が長くなってしまうという課題を有していた。
また、短絡ブレーキを使用せず、ロータ位置検出を行うセンサを用いないセンサレス構成において、モータ4をブレーキ制御した場合、モータ回転数が低下するとモータ位置・速度が検知しづらくなり、モータ4の制御が不安定になることにより、モータ4が停止するまでの時間が長くなってしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、部材の追加コストを必要とせず、モータ4の停止時間を短縮する洗濯機のモータ制御装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のモータ制御装置は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間を有し、前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくするものである。
これによって、部材の追加コストを必要とせず、前記ブラシレスモータの減速時に通常より大きな減速トルクを得ることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
また、本発明のモータ制御装置は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに
印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、位置決めブレーキ期間を有し、前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするものである。
これによって、部材の追加コストを必要とせず、前記ブラシレスモータの停止時に通常より大きな制動トルクを得ることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
また、本発明のモータ制御装置は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧よりブラシレスモータのロータ角度とブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行いトルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間と位置決めブレーキ期間を有し、前記強制ブレーキ期間から前記位置決めブレーキ期間へ遷移し、前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくし、前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするものである。
これによって、部材の追加コストを必要とせず、2種類のブレーキの制御を段階的に切り替えることで、前記ブラシレスモータの減速時に通常より大きな減速トルクを得ることができ、前記ブラシレスモータの停止時に通常より大きな制動トルクを得ることできることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
本発明のモータ制御装置は、部材の追加コストを必要とせず、インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態1の洗濯機のモータ制御装置のブロック図 同洗濯機のモータ制御装置の動作タイムチャート 同洗濯機のモータ制御装置の洗い工程の制御フローチャート 同洗濯機のモータ制御装置の電圧制御時のフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置のブレーキ運転時のフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置の電圧指令値生成のフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置のd軸電流指令値生成のフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置のモータ駆動サブルーチンのフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置のキャリヤ信号割込サブルーチンのフローチャート 同洗濯機のモータ制御装置のブラシレスモータのモデル図
第1の発明は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間を有し、前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくするモータ制御装置とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、前記ブラシレスモータの減速時に通常より大きな減速トルクを得ることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第2の発明は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角
の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、位置決めブレーキ期間を有し、前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするモータ制御装置とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、前記ブラシレスモータの停止時に通常より大きな制動トルクを得ることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第3の発明は、電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧よりブラシレスモータのロータ角度とブラシレスモータのロータ速度を算出し、前記速度制御ブロックは前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行いトルク指令に対応した電流指令を算出し、前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間と位置決めブレーキ期間を有し、前記強制ブレーキ期間から前記位置決めブレーキ期間へ遷移し、前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくし、前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするモータ制御装置とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、2種類のブレーキの制御を段階的に切り替えることで、前記ブラシレスモータの減速時に通常より大きな減速トルクを得ることができ、前記ブラシレスモータの停止時に通常より大きな制動トルクを得ることできることにより前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第4の発明は、特に、第1または第3の発明において、前記強制ブレーキ期間への遷移時に、直前の前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を参照して前記強制ブレーキ角度と前記強制ブレーキ速度の初期値を設定するモータ制御装置とすることにより、強制ブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める減速トルクから制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
第5の発明は、特に、第2または第3の発明において、前記位置決めブレーキ期間への遷移時に、直前の前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を参照し前記位置決めブレーキ角度と前記位置決めブレーキ速度の初期値を設定するモ
ータ制御装置とすることにより、位置決めブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める制動トルクに制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
第6の発明は、特に、第3の発明において、前記強制ブレーキ期間から前記位置決めブレーキ期間への遷移時に、直前の前記強制ブレーキ角度と前記強制ブレーキ速度を参照して前記位置決めブレーキ角度と前記位置決めブレーキ速度の初期値を設定するモータ制御装置とすることにより、強制ブレーキ期間から位置決めブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める制動トルクに制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
第7の発明は、特に、第1、第3、第4のいずれか1つの発明において、前記制御手段は、前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御として他のブレーキ期間を有し、前記ブラシレスモータの速度が高い領域は前記他のブレーキ期間で減速し、その後、前記強制ブレーキ期間に遷移するモータ制御装置とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、速度の高い領域での制御では、より効率の良いまたはより制御のしやすい方式を別途用いることができ、速度の低い領域での制御に早く遷移することができることにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、前記強制ブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度であるモータ制御装置とすることにより、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、スムーズに停止まで制御することにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第9の発明は、特に、第7の発明において、前記強制ブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度の2倍であるモータ制御装置とすることにより、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、余裕をもって制御することにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第10の発明は、特に、第2、第3、第5のいずれか1つの発明において、前記制御手段は、前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御として他のブレーキ期間を有し、前記ブラシレスモータの速度が高い領域は前記他のブレーキ期間で減速し、その後、前記位置決めブレーキ期間に遷移するモータ制御装置とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、速度の高い領域での制御では、より効率の良いまたはより制御のしやすい方式を別途用いることができ、速度の低い領域での制御に早く遷移することができることにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第11の発明は、特に、第10の発明において、前記位置決めブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度であるモータ制御装置とすることにより、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、スムーズに停止まで制御することにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第12の発明は、特に、第10の発明において、前記位置決めブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモ
ータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度の2倍であるモータ制御装置とすることにより、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、余裕をもって制御することにより、前記ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
第13の発明は、特に、第1〜第12のいずれか1つの発明のモータ制御装置を搭載した洗濯機または洗濯乾燥機とすることにより、部材の追加コストを必要とせず、洗濯槽の回転時のブレーキ時間を短縮することができることにより洗濯機または洗濯乾燥機の運転時間を短縮することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における洗濯機のモータ制御装置のブロック図、図2は、同洗濯機のモータ制御装置の動作タイムチャート、図3は、同洗濯機のモータ制御装置の洗い工程の制御フローチャート、図4は、同洗濯機のモータ制御装置の電圧制御時のフローチャート、図5は、同洗濯機のモータ制御装置のブレーキ運転時のフローチャート、図6は、同洗濯機のモータ制御装置の電圧指令値生成のフローチャート、図7は、同洗濯機のモータ制御装置のd軸電流指令値生成のフローチャート、図8は、同洗濯機のモータ制御装置のモータ駆動サブルーチンのフローチャート、図9は、同洗濯機のモータ制御装置のキャリヤ信号割込サブルーチンのフローチャートを示すものである。
図1に示すように、電源1(交流電源)は、整流回路2に交流電圧を加え、整流回路2は整流器20とコンデンサ21により直流電圧に変換し、直流電圧をインバータ回路3に加える。
インバータ回路3は、6個のパワースイッチング半導体と逆並列ダイオードよりなる3相フルブリッジインバータ回路により構成し、通常、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)と逆並列ダイオードおよびその駆動回路と保護回路を内蔵したインテリジェントパワーモジュール(IPM)で構成している。パワースイッチング半導体はIGBTの他、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などで構成しても良い。このインバータ回路3の構成は、よく知られたものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
インバータ回路3の出力端子にブラシレスモータであるモータ4を接続し、撹拌翼(図示せず)または洗濯兼脱水槽(図示せず)等(洗濯槽等)を駆動する。
電流検出手段5は、モータ4のモータ電流Iu、Iv、Iwを検出するもので、通常はシャント抵抗5a、5bを用いる。また、直流電流を含む低周波数から測定可能な直流電流トランスや、交流電流トランスでも検出可能である。また、3相モータの場合、2相の電流(例えばIu、Iv)を求め、キルヒホッフの法則(Iu+Iv+Iw=0)より残りの1相の電流(Iw)を求める方法が一般的である。なお、インバータ回路3上にある6つのスイッチング素子の下側3つのエミッタ側にシャント抵抗5a、5bを挿入して、電流検出を行ってもよい(図示せず)。
電圧検出手段6は、整流回路2の出力であるコンデンサ21の両端の電圧を検出する。
制御手段7は、電流検出手段5により検出するU相電流IuとV相電流Ivと、電圧検出手段6により検出される直流電圧を用いて、インバータ回路3を駆動し、モータ4のベ
クトル制御を行う構造を持っており、マイクロコンピュータと、マイクロコンピュータに内蔵したインバータ制御タイマー(PWMタイマー)、高速A/D変換回路、メモリ回路(ROM、RAM)等より構成するのが一般的である。
制御手段7は、電流変換ブロック70、ロータ位置検出ブロック71、速度制御ブロック72、電流制御ブロック73、電圧変換ブロック74、記憶手段75、設定変更手段76のブロック構造がある。
電流変換ブロック70は電流検出手段5の出力信号よりロータの磁束方向の電流成分(以下、d軸電流Idと呼ぶ)とロータの磁束方向と直角の電流成分(以下、q軸電流Iqと呼ぶ)に3相/2相dq変換する構造を備えている。さらに、d軸電流Idを負の方向に増加させるとd軸上の界磁磁束を弱めることと等価となるので弱め界磁制御、あるいは弱め磁束制御(または磁束弱め制御)と呼ばれる。また、d軸電流Idとq軸電流Iqに分解してそれぞれ独立に制御するのでベクトル制御と呼ばれる。
ロータ位置検出ブロック71は検出するデバイスがなくても、ロータの角度と速度をモータの電圧方程式から検出できる。モータの電圧方程式では、d軸電流Idと、q軸電流Iqと、電圧検出手段6により検出した電圧とPWMのデューティ比から算出されるモータの印加電圧を用いて、ロータの角度と速度を算出する。一般的に、ロータ速度は、ロータの回転数が高いほど電圧も大きくなるので、ロータ位置の検出精度が良くなる。一方、ロータの回転数が低いほど電圧も小さくなるので、ロータ位置の検出精度が悪くなるという特性がある。
速度制御ブロック72はロータ位置検出ブロック71のモータ4のロータ速度と工程に応じてモータ4の起動、停止、速度、および制動等を制御する設定変更手段76によって設定される目標速度ωsを参照してロータの磁束方向と直角の電流成分(トルク電流)Iqのq軸電流指令値Iqsを決定する。
電流制御ブロック73は設定変更手段76からのd軸電流指令値Ids、速度制御ブロック72からのq軸電流指令値Iqsと、電流変換ブロック70より演算したd軸電流Idとq軸電流Iqをそれぞれ比較し、モータ電流を制御するためのロータの磁束方向の電圧指令Vdとロータの磁束方向と直角の電圧指令Vqを演算する。なお、電流変換ブロック70により算出されるd軸電流Idとq軸電流Iqは変換が行われるたびに更新される。
電圧変換ブロック74はロータの磁束方向の電圧指令Vdとロータの磁束方向と直角の電圧指令Vqから逆変換する2相/3相dq逆変換手段74aと、2相/3相dq逆変換手段74aからの入力(3相モータ駆動制御電圧Vu、Vv、Vw)に応じて、インバータ回路3に制御信号を出力するPWM制御手段74bなどを備えている。
また、ロータ位置検出ブロック71で算出されるモータ4のロータ角度を電流変換ブロック70と2相/3相dq逆変換手段74aにフィードバックする。また、3相/2相dq変換や2相/3相dq逆変換するのに必要な正弦波データ(sin、cosデータ)を記憶手段75に格納する。
q軸電流Iqがq軸電流指令値Iqsとなるようにフィードバック制御することにより定トルク制御が可能となる。しかし、速度が上昇するとモータ誘起電圧が上昇してq軸電流Iqが増加しなくなるので、速度に応じてd軸電流Idを増加させる、いわゆる弱め磁束制御によりq軸電流Iqも増加させることができ、トルクを増加させることができる。
図2はモータ制御装置動作時の各部の波形関係を示し、モータ4のU相巻線誘起電圧Ecは、基準電気角0度から30度遅れた波形となる。U相モータ電流IuとU相巻線誘起電圧Ecの位相を同じにすると最大効率が得られる。U相巻線誘起電圧Ecがq軸と同等軸となり、d軸は90度遅れている。q軸電流はモータ誘起電圧位相と同相なのでトルク電流とも呼ばれる。
図2において、U相モータ電流Iuは、U相巻線誘起電圧Ecよりわずかに進んで、モータ印加電圧VuはU相巻線誘起電圧Ecより30度進んだ波形を示す。VcはPWM制御手段74b内で生成される鋸歯状(または三角波)波形のキャリヤ信号で、Vuは正弦波状のU相制御電圧でキャリヤ信号VcとU相制御電圧Vuを比較したPWM信号UをPWM制御手段74b内で発生させ、インバータ回路3のU相上アームトランジスタの制御信号として加える。ckはキャリヤ信号Vcの同期信号で、キャリヤカウンタがカウントアップしてオーバーフローしたときの割込信号である。
モータ4のロータ磁石軸とステータの磁束軸が一致した電気角をd軸として基準電気角0度として静止座標系から回転座標系への座標変換、すなわち、dq変換を行う。
電流変換ブロック70は、モータ電流Iu、Iv、Iwを下記の数式1によりd軸電流Idとq軸電流Iqに変換するもので、電気角θに対応して検出したモータ電流瞬時値よりd軸電流Id、q軸電流Iqを演算する。
Figure 2017112750
記憶手段75には、sinθとcosθのデータを記憶しているので、電気角データに対応したデータを呼び出して積和演算を行うことにより、d軸電流Idとq軸電流Iqに分解できる。電気角θの検知とモータ電流瞬時値の検出はキャリヤ信号に同期して行うもので、後述するフローチャートに従い、詳細な説明を行う。
ロータ位置検出ブロック71により算出されるモータ4のモータ速度を速度制御ブロック72に加える。設定変更手段76は、電流変換ブロック70から算出されるIdに応じたd軸電流指令値Idsを電流制御ブロック73に設定、速度制御ブロック72への設定速度ωsの設定を行なう。
速度制御ブロック72は、検知速度ωと設定速度ωsを比較する速度比較手段72aと、検知速度ωと設定速度ωsとの誤差信号Δωと、速度の変化率(加速度)に応じてq軸電流指令値Iqsを制御するトルク電流設定手段72bにより構成される。
トルク電流設定手段72bは、誤差信号Δωに応じてq軸電流指令値IqsをPI制御する、いわゆる、速度制御電流マイナーループ制御を行う。PI制御の際のゲインなどの設定切り換えについては設定変更手段76からの指示を受けるもので、後述するフローチャートに従い説明を行う。
電流制御ブロック73は、電流変換ブロック70の出力信号Iq、Idと指令値Iqs、Idsをそれぞれ比較してモータ制御のための電圧信号Vq、Vdを出力するもので、q軸電流比較手段73a、q軸電圧設定手段73b、d軸電流比較手段73c、d軸電圧設定手段73dより構成し、q軸電流Iqとd軸電流Idをそれぞれ制御する電圧信号Vq、Vd(ロータの磁束方向と直角の電圧指令Vqとロータの磁束方向の電圧指令Vd)を生成する。
d軸電流指令値Idsは、設定変更手段76から電流制御ブロック73に信号が加えられるもので、埋め込み磁石モータの場合には速度に応じてd軸電流指令値Idsを増加させて弱め界磁制御を行う。表面磁石モータの場合には、通常d軸電流指令値Idsは零に設定し、高回転数駆動の場合にd軸電流指令値Idsを増加させる。本発明ではブレーキ時の制御に関する説明であり、表面磁石モータでは、d軸電流指令値Idsは零近くの所定の値に設定するため、以降、d軸電流指令値Idsについては特に記載しないこととする。
2相/3相dq逆変換手段74aは、電圧信号Vq、Vdより3相モータ駆動制御電圧Vu、Vv、Vwを下記の数式2によって演算するもので、キャリヤ信号に同期して、ロータ位置検出ブロック71により検知した電気角θに対応した正弦波状の信号をPWM制御手段74bに加える。記憶手段75に記憶したsinθ、cosθのデータを呼び出して行う積和演算の方法は、電流変換ブロック70の演算とほぼ同じである。
Figure 2017112750
上記構成の洗濯機のモータ制御装置について、図3から図10を参照しながら動作、作用を説明する。
図3は本実施の形態における洗い工程のモータ制御の切り替わりを示すフローチャートで、ステップ100により洗濯機のモータ4の速度制御を行うためのモータ制御を開始す
る。制御の第一段階ではステップ101にて電圧制御を実施してモータ4の起動を制御する。モータ4の起動時には電流検知を高精度に実施できないため、ベクトル制御が行えないが、モータ4の回転を検知してモータ4が起動したことを確認後、ステップ102にて回転数によらない初期のベクトル制御を実施する。
起動直後は回転数を高精度に検知することが出来ないため、ステップ102ではトルク電流の設定値であるq軸電流指令値Iqsは回転数によらない制御とし、さらにモータ4が回転したことをロータ位置検出ブロック71により算出した速度から確認後、ステップ103にてモータ4の回転数をPI制御する回転数制御電流マイナーループ制御(速度制御電流マイナーループ制御)を実施する。
図4によって図3のステップ101の電圧制御によるモータ4の起動を説明する。電圧制御の時点では、モータ4が起動していない状態で電流が流れていない。そのため電流検知の精度が得られず、ベクトル制御による制御が実施できない。
まず、ステップ200にて電圧制御を開始した後、ステップ201にて電圧制御のための初期設定を実施する。この初期設定には、電圧制御時の電圧を規定する変調度が少なくとも含まれる。
ステップ202にて前記の変調度を電圧制御開始からの時間に応じて大きくしていき、ステップ203にて前記変調度に応じた電圧をモータ4に印加することで、時間とともに徐徐にモータ印加電圧を大きくすることでモータ4のソフトスタートを行う。
ステップ204にて電圧制御開始からのモータ4の回転角度がセンサレス位置推定により推定可能の場合、電圧制御を終了し、次の初期ベクトル制御(図3に示すステップ102)を開始し、ロータ位置が推定不可の場合は、ステップ202へ戻って変調度を上げてモータ4を駆動する処理を繰り返す。
この電圧制御により、回転角度がわからない状態から開始してもモータ4の起動を行うことが出来、即座に次のベクトル制御による制御を開始することができる。
次に、図5〜図7によってブレーキ運転時の動作フローおよびd軸電流指令値の生成方法について説明する。
図5のステップ301において、ブレーキ運転時か否かを判定し、ブレーキ運転時であればステップ302へ、ブレーキ運転時以外はステップ303へ進む。
ステップ302では、現在のインバータ回路3に入力する電圧(以下、P電圧と呼ぶ)を電圧検出手段6によって検出し、P電圧指令値との偏差を算出する。
ステップ303では、速度制御周期毎にP電圧値の大小判定を行い、P電圧指令値を更新している。このときのP電圧指令値の設定方法については、後述する。なお、P電圧指令値の設定は、あらかじめインバータ回路3に用いられている部品の耐電圧制限値などの任意の値に設定することも可能であり、本実施の形態に限定されるものではない。
ステップ304では、現在P電圧値(P電圧検出値)とP電圧指令値との偏差に所定の定数を乗じた値を、d軸電流指令値Idsとして生成する。
一方、ステップ305では、加速中におけるd軸電流指令値Idsは常に0としており、表面磁石型モータにおけるモータ効率最大で駆動するように設計する。
その後、ステップ306において、モータ制御が継続中ならば、ステップ301に戻り、速度制御を継続する。モータ制御が終了した場合は、速度制御を終了する。
ステップ303のP電圧指令値の更新のフローについて、図6を用いて説明する。P電圧指令値は、加速及び一定速中に速度周期毎に検出されるP電圧検出値の中で最も小さい値を代入している。本ステップにより、モータ制御装置の構成を変化させた場合、例えば整流回路2のコンデンサ21の容量を小さく変更し、P電圧が変動しやすくなった場合においても、加速時に電圧変動した最小値をP電圧指令値とすることで、ブレーキ時の回生エネルギーに対して、より余裕を持たせた指令値を設定することができる。
ステップ401において、制御開始時から検出した最小P電圧と現在P電圧を比較し、最小P電圧よりも現在P電圧が小さい場合はステップ402へ進み、大きい場合はステップ403へ進む。ステップ402では最小P電圧値を現在P電圧でもって更新し、ステップ403では最小P電圧は更新せず保持する。そして、ステップ404にて、P電圧指令値に最小P電圧を代入し減速時に使用する。
ステップ304のd軸電流指令値生成方法について、図7を用いて説明する。
ステップ501において、現在P電圧とP電圧指令値とを比較し、現在P電圧が高い場合はステップ502で現在P電圧値(P電圧検出値)とP電圧指令値との偏差ΔVpを算出した後、ステップ503へ進み、低い場合はステップ504へ進む。ステップ503では、現在P電圧とP電圧指令値の偏差ΔVpにゲインKpを積算しd軸電流指令値Idsを生成し、P制御を行う。ステップ504では、昇圧していないためd軸電流指令値Idsは0として、モータ制御を行なう。
電流指令値に応じて行われるモータ駆動サブルーチンの制御に関しては、図8および図9を用いて説明する。
図8において、ステップ600よりモータ駆動サブルーチンが開始すると、次にステップ601に進んでキャリヤ信号割込の有無を判定する。キャリヤ信号割込とは、PWM制御手段74bのキャリヤカウンタがオーバーフローすると発生する割込信号ckにより実行するもので、キャリヤ信号割込があった場合は、ステップ602に進んでキャリヤ信号割込サブルーチンを実行する。
図9は、キャリヤ信号割込サブルーチンの詳細フローチャートを示し、ステップ700よりキャリヤ信号割込サブルーチンを開始し、ステップ701にて割込信号ckをカウントする。
次に、ステップ702に進んでロータ位置検出ブロック71によりロータ位置の電気角θと速度ωを演算する。
モータ4を8極、キャリヤ周波数を15.6kHz、回転数を900r/minとするとモータ駆動周波数は60Hzとなり、電気角60度内のキャリヤカウンタのカウント値kは約43となる。よって、Δθは約1.4度となる。モータ回転数が低い程、電気角60度内のカウント値kは高くなり、演算上の電気角検知分解能は向上するので、回転数が低く精度が要求される場合でも問題はないことがわかる。
次に、モータ電流Iu、Ivを検出する。ステップ703に進んで1回目のモータ電流検出を行ない、Iu1、Iv1を得る。電流検出1回ではノイズが含まれる可能性がある
ので、ステップ704に進んで再度検出し、Iu2、Iv2を得る。ステップ705にてこれら2回の検出値の平均値を求めてノイズを除去してモータ電流Iu、Ivを算出し、Iw=−(Iu+Iv)よりモータ電流Iwを演算する。
ここでは、ノイズ除去の為に単純な二回平均値にてモータ電流Iu、Ivとしたが、この方式に限定されるものではない。たとえば、前回のキャリヤ信号割込の際に検出した電流と今回のキャリヤ信号割込の際に検出した電流との変化分を算出し、変化分を一定比率で低減して前回検出した電流に足し合わせるようなローパスフィルター機能を構成してノイズ除去を実施しても良い。
次に、ステップ706に進んで、電流変換ブロック70によって電気角θとモータ電流Iu、Iv、Iwより、前記数式1に示した演算を行い、3相/2相dq変換を行い、d軸電流Id、q軸電流Iqを求める。次にステップ707に進んで求められた電流値d軸電流Id、q軸電流Iqをメモリし、別途ベクトル制御データとして用いる。
次に、ステップ708に進んでd軸制御電圧Vd、q軸制御電圧Vqを呼び出し、ステップ709に進んで前記数式2に従い2相/3相dq逆変換手段74aによって2相/3相dq逆変換を行い、3相制御電圧Vu、Vv、Vwを求める。この逆変換は、ステップ706と同じように記憶手段75の電気角θに対応したsinθ、cosθデータを用い、積和演算を高速で行う。
次に、ステップ710に進んで、PWM制御手段74bによって3相制御電圧Vu、Vv、Vwに対応したPWM制御を行い、ステップ711に進んでサブルーチンを終了してリターンする。
PWM制御手段74bは、図2でも説明したように、U相、V相、W相各相に対応して、鋸歯状波(または三角波)のキャリヤ信号と制御電圧Vu、Vv、Vwを比較してインバータ回路3のIGBTオンオフ制御信号を発生させ、モータ4を正弦波駆動するもので、上アームトランジスタと下アームトランジスタの信号は逆転された波形で、上アームトランジスタの導通比を増加させると出力電圧は正電圧が増加し、下アームトランジスタの導通比を増加させると出力電圧は負電圧が増加する。
導通比を50%にすると出力電圧は零となる。電気角θに対応して制御電圧を正弦波状に変化させると正弦波状の電流が流れる。正弦波駆動の場合、トランジスタの導通比を最大値100%にしたとき、出力電圧は最大となり変調度Amは100%で、導通比の最大値を50%にしたとき、出力電圧は最低となり変調度Amは0%と呼ぶ。
モータ電流をベクトル制御するための、3相/2相dq変換と2相/3相dq逆変換をキャリヤ信号毎に高速で実行するので、高速の電流制御が可能となり、さらにキャリヤ信号毎にベクトル制御することにより、撹拌翼や洗濯兼脱水槽を負荷変動に対応して適切にトルク駆動することができる。
以上のような構成の動作フローを備えた洗濯機のモータ制御装置について、以下、ブレーキ運転時の動作、作用を説明する。
ブレーキ制御の種類として、通常ブレーキ、強制ブレーキ、位置決めブレーキの3種類がある。
通常ブレーキには、ロータの回転方向とは逆方向に磁界を作り減速を行う電磁ブレーキと3相を短絡状態にして行う短絡ブレーキなどが挙げられ、どちらか一方もしくは両方で
制御しても構わない。
強制ブレーキは、ロータの磁束の位置に関係なく角度θを制御することによって行うブレーキ方式である。この強制ブレーキについて、図10を参照して説明する。
図10は、ブラシレスモータのモデル図であり、説明を簡単にするため2極のモデルを示している。2極のモデルでは、電気角と機械角は同一の値となる。ステータにはU相の巻線U、V相の巻線V、W相の巻線Wの3つの巻線がある。またロータはマグネットが配置されている。巻線のU相の向きを原点に、時計回り方向に角度θの回転座標を考える。任意の角度θの向きに軸aを、軸aと直交する向きに軸bを座標軸とする。各ステータの巻線から電流を流し込んだときに発生するステータ内側の磁極をN極とする。
今、各巻線の合成電流である電流ベクトルを角度θの方向とする、即ち図10のa軸の正の方向より合成電流を流し込んだときに、図10のステータのa軸の正方向にN極が、a軸の負方向にS極が発生する。モータ4のロータはステータの磁極との吸引・反発作用でa軸の正方向にS極、負方向にN極となる向きに引き寄せられる。この状態で角度θをゆっくりと回転させるとモータ4のロータもa軸の正方向にS極、負方向にN極を保ったままゆっくりと回転する。角度θを回転させたときに、モータ4のロータの回転も変化する。a軸方向に一定の合成電流を流し、角度θを制御する。以下、強制ブレーキ時の電流制御の例の詳細を説明する。
検出ab軸の電流指令を考える。a軸の電流指令をIa*、b軸の電流指令をIb*とし、電流指令をそれぞれ、Ia*=I、Ib*=0とする。IはI>0とする。
また、巻線Uとa軸との角度θは任意の値とする。巻線Uの電流iu、巻線Vの電流iv、巻線Wの電流iwを下記の数式3によってab軸上の電流ia、ibに変換する。
Figure 2017112750
ab軸上の電流指令Ia*とIb*及び前式で求めた電流iaとibとの間で電流制御を行い、ab軸上のモータ4への印加電圧va、vbを決定する。例えば電流制御としてPI制御を行う。a軸上の電流指令Ia*と電流検出値iaとの差をΔia、比例定数をKpa、積分定数をKia、b軸上の電流指令Ib*と電流検出値ibとの差をΔib、比例定数をKpb、積分定数をKibとすると、ab軸上のモータ4への印加電圧va、vbは次の数式4で求められる。
Figure 2017112750
こうして求めたab軸上のモータ4への印加電圧va、vbを下記の数式5によって3相巻線の電圧Vu、Vv、Vwに変換する。
Figure 2017112750
このようにして求めた3相巻線の電圧をインバータ回路3よりモータ4に印加することで電流制御を行っている。この電流制御により巻線電流の合成である電流ベクトルはa軸の正の方向に制御され、角度θは電流ベクトルの方向となる。
強制ブレーキは、以上の手順で算出される角度θ(強制ブレーキ角度)を用い時間に応じて、速度を低下させる制御を行う。すなわち、強制ブレーキは、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流してモータ4の減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、強制ブレーキ速度は強制ブレーキを行う時間に応じて小さくする。
位置決めブレーキは、ロータの磁束の位置に関係なく角度θを固定したまま制御するブレーキ方式である。この位置決めブレーキは、図10の強制ブレーキと同じ構造を持っており、ロータの変化があっても、角度θを更新せず固定したままにすることにより、ロータ速度を除々に低下させ、停止させる。すなわち、位置決めブレーキは、あらかじめ設定した角度に対して角度を固定したままモータ4にブレーキ電流を流し、ブレーキ電流は位置決めブレーキの動作時間に応じて小さくする。
本実施の形態におけるモータ制御装置では、上記の通常ブレーキ、強制ブレーキ、位置決めブレーキの3種類のブレーキ方式を組み合わせた各種パターンのブレーキ運転態様を備えている。ブレーキ制御遷移の組み合わせを表1に示す。
Figure 2017112750
パターン1の場合、モータ4の回転数が高いときは、通常ブレーキを用いてある程度回転数を低下させる。回転数が低くなると、モータ4の角度や速度を失効し、得られる減速トルクが低下しブレーキ効率が落ちるので、通常ブレーキから強制ブレーキへ遷移する。この際、余裕を持たせて、失効する速度の2倍になった際に、遷移してもよい。強制ブレーキに遷移する際、q軸電流指令値Iqs、d軸電流指令値Ids等はあらかじめ決められた固定値もしくは遷移直前まで使用していた設定値を初期値として強制ブレーキ制御を開始する。
この強制ブレーキを行っている期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、強制ブレーキ角度は強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、強制ブレーキ速度は強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくすることで、部材の追加コストを必要とせず、モータ4の減速時に通常より大きな減速トルクを得ることにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
この強制ブレーキに遷移する際のモータ4のロータ速度は、ロータ位置検出ブロック71のモータ4のロータ角度とロータ速度の算出が失効する速度に設定することで、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、スムーズに停止まで制御することにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
また、強制ブレーキ期間に遷移時に、直前のモータ4のロータ角度とロータ速度を参照し強制ブレーキ角度と強制ブレーキ速度の初期値とすることで、強制ブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める減速トルクから制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
さらに、強制ブレーキに遷移する際のモータ4のロータ速度は、ロータ位置検出ブロック71のモータ4のロータ角度とロータ速度の算出が失効する速度の2倍に設定することで、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、余裕をもって制御することにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
その後、モータ4が停止間際になると、強制ブレーキではやや効率が落ちるので、強制ブレーキから位置決めブレーキへ遷移する。位置決めブレーキに遷移する際、q軸電流指令値Iqs、d軸電流指令値Ids等はあらかじめ決められた固定値もしくは遷移直前まで使用していた設定値を初期値として位置決めブレーキ制御を開始し、モータ4を停止まで制御する。
この位置決めブレーキに遷移する際のモータ4のロータ速度は、ロータ位置検出ブロック71のモータ4のロータ角度とロータ速度の算出が失効する速度に設定することで、ロ
ータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、スムーズに停止まで制御することにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
また、位置決めブレーキ期間に遷移時にも、直前のモータ4のロータ角度とロータ速度を参照し位置決めブレーキ角度と位置決めブレーキ速度の初期値とすることで、位置決めブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める制動トルクに制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
また、強制ブレーキ期間から位置決めブレーキ期間への遷移時に、直前の強制ブレーキ角度と強制ブレーキ速度を参照し位置決めブレーキ角度と位置決めブレーキ速度の初期値を設定することで、強制ブレーキ期間から位置決めブレーキ期間への移行時にトルクの変動を最小限に留める制動トルクに制御することで異音や振動の発生を防止し、電力の無駄を省く効率の良い制御ができる。
さらに、位置決めブレーキに遷移する際のモータ4のロータ速度は、ロータ位置検出ブロック71のモータ4のロータ角度とロータ速度の算出が失効する速度の2倍に設定することで、ロータの位置推定ができなくなり効率良く制御できない脱調状態に陥らないように、余裕をもって制御することにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
また、この位置決めブレーキを行っている期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、ブレーキ電流は位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくすることで、部材の追加コストを必要とせず、モータ4の停止時に通常より大きな制動トルクを得ることにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
さらに、モータ4の速度が高い領域においては、より適した他のブレーキ方式(例えば、強制ブレーキに対しては通常ブレーキ、位置決めブレーキに対しては通常ブレーキや強制ブレーキ)で減速し、その後強制ブレーキ期間や位置決めブレーキ期間に遷移することで、部材の追加コストを必要とせず、速度の高い領域での制御では、より効率の良いまたはより制御のしやすい方式で減速を行うことができ、速度の低い領域での制御に早く遷移することができることにより、モータ4の停止時間を短縮することができる。
パターン2のように、ブレーキ開始時から通常ブレーキを行わず強制ブレーキから開始して位置決めブレーキへ遷移してもよい。
また、パターン3やパターン4のように位置決めブレーキに遷移せずにモータ4を停止まで強制ブレーキによって制御してもよい。
パターン5の場合、モータ4の回転数が高いときは、通常ブレーキを用いてある程度回転数を低下させる。回転数が低くなると、モータ4の角度や速度を失効し、得られる減速トルクが低下しブレーキ効率が落ちるので、通常ブレーキから位置決めブレーキへ遷移する。この際、余裕を持たせて、失効する速度の2倍になった際に、遷移してもよい。位置決めブレーキに遷移する際、q軸電流指令値Iqs、d軸電流指令値Ids等はあらかじめ決められた固定値もしくは遷移直前まで使用していた設定値を初期値として位置決めブレーキ制御を開始し、モータ4を停止まで制御する。
なお、パターン6のように、ブレーキ開始時から通常ブレーキや強制ブレーキを行わず位置決めブレーキから開始してもよい。
なお、上記各パターンの実行に必要な情報は、例えば記憶手段75に予め記憶させておき、適宜読み出してブレーキ運転に適用させればよい。
以上より、本発明に係るモータ制御装置によれば、ブラシレスモータの減速時に回転数に応じてブレーキ制御方式を最適なものに選択、切り替えることにより、部材の追加コストを必要とせず、通常より大きな減速トルクを得ることができ、ブラシレスモータの停止時間を短縮することができる。
また、本発明に係るモータ制御装置を用いた洗濯機または洗濯乾燥機によれば、一連の洗濯コースの実行時に複数回行なわれるブラシレスモータの停止制御動作を、洗濯槽内の被洗濯物の容量や偏りに応じて変動する回転数、また工程によって変化する回転数に応じて、脱調状態に陥らないように、スムーズに停止まで制御することができ、洗濯を短時間で終了することができる使い勝手の良い洗濯機、洗濯乾燥機を提供することができる。
以上のように、本発明に係るモータ制御装置およびそれを用いた洗濯機または洗濯乾燥機は、部材の追加コストを必要とせず、ブラシレスモータの停止時間を短縮することができるので、インバータ回路によりブラシレスモータを駆動するモータ制御装置とそれを用いた洗濯機または洗濯乾燥機等として有用である。
1 電源
2 整流回路
3 インバータ回路
4 モータ(ブラシレスモータ)
5 電流検出手段
6 電圧検出手段
7 制御手段
70 電流変換ブロック
71 ロータ位置検出ブロック
72 速度制御ブロック
72a 速度比較手段
72b トルク電流設定手段
73 電流制御ブロック
73a q軸電流比較手段
73b q軸電圧設定手段
73c d軸電流比較手段
73d d軸電圧設定手段
74 電圧変換ブロック
74a 2相/3相dq逆変換手段
74b PWM制御手段
75 記憶手段
76 設定変更手段

Claims (13)

  1. 電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、
    前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、
    前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、
    前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、
    前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、
    前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、
    前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間を有し、
    前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、
    強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、
    前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくするモータ制御装置。
  2. 電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、
    前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、
    前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧より前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を算出し、
    前記速度制御ブロックは、前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行い、トルク指令に対応した電流指令を算出し、
    前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、
    前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路
    に出力する機能を有し、
    前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、位置決めブレーキ期間を有し、
    前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、
    前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするモータ制御装置。
  3. 電源に接続される整流回路と、前記整流回路の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路により駆動され洗濯槽等を駆動するブラシレスモータと、前記ブラシレスモータのモータ電流を検出する電流検出手段と、前記インバータ回路に入力する電圧を検出する電圧検出手段と、前記インバータ回路を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、電流変換ブロックと、ロータ位置検出ブロックと、速度制御ブロックと、電流制御ブロックと、電圧変換ブロックとを有し、
    前記電流変換ブロックは、前記電流検出手段により検出したモータ電流をロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とに変換し、
    前記ロータ位置検出ブロックは、前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分と前記電圧検出手段により検出した電圧よりブラシレスモータのロータ角度とブラシレスモータのロータ速度を算出し、
    前記速度制御ブロックは前記ロータ位置検出ブロックが算出した前記ブラシレスモータのロータ速度を使用し速度制御を行いトルク指令に対応した電流指令を算出し、
    前記電流制御ブロックは、前記トルク指令に対応した電流指令と前記電流変換ブロックが変換した前記ロータの磁束方向の電流成分と前記ロータの磁束方向と直角の電流成分とを用い電流制御を行い、ロータの磁束方向の電圧指令とロータの磁束方向と直角の電圧指令とを算出し、
    前記電圧変換ブロックは、前記ロータの磁束方向の電圧指令と前記ロータの磁束方向と直角の電圧指令を前記ブラシレスモータに印加する電圧指令に変換して前記インバータ回路に出力する機能を有し、
    前記制御手段により前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御は、強制ブレーキ期間と位置決めブレーキ期間を有し、前記強制ブレーキ期間から前記位置決めブレーキ期間へ遷移し、
    前記強制ブレーキ期間は、強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度に基づいて電流を流して減速動作を実施し、
    強制ブレーキ角度は、前記強制ブレーキ角度の初期値と強制ブレーキ速度より時間とともに更新し、
    前記強制ブレーキ速度は、前記強制ブレーキ期間の時間に応じて小さくし、
    前記位置決めブレーキ期間は、あらかじめ設定した角度に対してブレーキ電流を流し、
    前記ブレーキ電流は、前記位置決めブレーキ期間の動作時間に応じて小さくするモータ制御装置。
  4. 前記強制ブレーキ期間への遷移時に、直前の前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を参照して前記強制ブレーキ角度と前記強制ブレーキ速度の初期値を設定する請求項1または3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記位置決めブレーキ期間への遷移時に、直前の前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度を参照し前記位置決めブレーキ角度と前記位置決めブレーキ速度の初期値を設定する請求項2または3に記載のモータ制御装置。
  6. 前記強制ブレーキ期間から前記位置決めブレーキ期間への遷移時に、直前の前記強制ブレーキ角度と前記強制ブレーキ速度を参照して前記位置決めブレーキ角度と前記位置決めブレーキ速度の初期値を設定する請求項3のモータ制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御として他のブレーキ期間を有し、前記ブラシレスモータの速度が高い領域は前記他のブレーキ期間で減速し、その後、前記強制ブレーキ期間に遷移する請求項1、3、4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記強制ブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度である請求項7に記載のモータ制御装置。
  9. 前記強制ブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度の2倍である請求項7に記載のモータ制御装置。
  10. 前記制御手段は、前記ブラシレスモータを減速させるブレーキ制御として他のブレーキ期間を有し、前記ブラシレスモータの速度が高い領域は前記他のブレーキ期間で減速し、その後、前記位置決めブレーキ期間に遷移する請求項2、3、5のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  11. 前記位置決めブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度である請求項10に記載のモータ制御装置。
  12. 前記位置決めブレーキ期間に遷移する前記ブラシレスモータのロータ速度は、前記ロータ位置検出ブロックの前記ブラシレスモータのロータ角度と前記ブラシレスモータのロータ速度の算出が失効する速度の2倍である請求項10に記載のモータ制御装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のモータ制御装置を搭載した洗濯機または洗濯乾燥機。
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