JP2017112012A - 電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケット - Google Patents
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Abstract
【課題】ICソケットの耐電流性を向上させる。【解決手段】配線基板4上に固定されつつ、配線基板4と対向してICパッケージ6を収容するICソケット2に備えられて、ICパッケージ6の接続端子6aと配線基板4とを電気的に接続する電気接触子8は、接続端子6aと一対一で接触し、接続端子6aと接触する接触部18aからICパッケージ6の外方へ延びるブリッジ部材18と、ブリッジ部材18と配線基板4との間に、ブリッジ部材18から配線基板4に向けて並列に複数配列され、ブリッジ部材18と接触してICパッケージ6を配線基板4から離れる方向に付勢する複数のプローブピン20と、を有している。これにより、ICパッケージ6の性能試験において接続端子6aと配線基板4との間に流れる電流は、ブリッジ部材18を介して複数のプローブピン20に均等に流れる。【選択図】図5
Description
本発明は、電気部品と配線基板とを電気的に接続する電気接触子、及び、この電気接触子を備えた電気部品用ソケットに関する。
電気部品であるIC(Integrated Circuit)パッケージの性能試験等を行う電気部品用ソケットとしてのICソケットには、配線基板上に固定されつつ、この配線基板と対向してICパッケージを収容し、ICパッケージの接続端子と配線基板とを電気的に接続する電気接触子としてコンタクトピンを備え、かかるコンタクトピンが、ICパッケージの接続端子と一対一で接触するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、ICパッケージの性能試験において高電流化が要求される場合には、コンタクトピンの耐電流性を高めるため、コンタクトピンの長さを短くし、あるいは、コンタクトピンの導電断面積を増やすことが考えられる。
しかしながら、コンタクトピンの長さが、性能試験に影響し得る電気抵抗値を低く抑える等の目的で、予め可及的に短く設定されている場合には、コンタクトピンの長さを更に短縮化することは現実的ではない。
また、同様の目的で、コンタクトピンが、ICパッケージの端子近傍に配置されている場合には、ICパッケージの接続端子の間隔が非常に狭いために、単にコンタクトピンの導電断面積を増大させることは物理的に困難である。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、耐電流性を向上させた電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明による電気接触子は、配線基板上に固定されつつ、該配線基板と対向して電気部品を収容する電気部品用ソケットに備えられて、電気部品の接続端子と配線基板とを電気的に接続することを前提として、接続端子と一対一で接触し、接続端子と接触する接触部から電気部品の外方へ延びる導電性接触部材と、導電性接触部材と接触し、導電性接触部材と配線基板との間に、導電性接触部材から配線基板に向けて並列に複数配列され、導電性接触部材を介して電気部品を配線基板から離れる方向に付勢する複数の導電性付勢手段と、を含んで構成されたことを特徴とする。
上述の特徴を有する電気接触子の導電性接触部材は、電気部品及び配線基板の対向方向に平行移動するか、あるいは、接触部が電気部品と配線基板との間で移動するように、接触部から離れた位置で回動自在に軸支されていてもよい。
上述の複数の導電性付勢手段は、夫々、電気部品から配線基板に向かう方向に延びる軸線に沿って摺動自在に嵌合する導電性のすべり対偶部材を有し、該すべり対偶部材は、一方が導電性接触部材に接触し、他方が電気部品用ソケット内で固定され、一方を導電性接触部材に向けて付勢する付勢部材を備えていてもよい。ここで、導電性接触部材とすべり対偶部材の一方との接触面は、相互に傾斜していてもよい。
また、本発明による電気部品用ソケットは、上述の電気接触子を備えたことを特徴とする。
本発明の電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットによれば、耐電流性を向上させることができる。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1〜図5は、第1実施形態に係る電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットの一例を示す。
図1〜図5は、第1実施形態に係る電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットの一例を示す。
図1及び図3に示すように、電気部品用ソケットの一例としてのICソケット2は、周知の固定手段(図示省略)により配線基板4上に固定されつつ、この配線基板4と対向方向Dcで対向した状態で電気部品であるICパッケージ6を収容して、例えばICパッケージ6の導通試験等、ICパッケージ6の性能試験を行う試験装置に用いられるものである。このICソケット2は、ICパッケージ6の接続端子6aと配線基板4の所定の導電部(パッド等)4aとを電気的に接続する電気接触子8を備えている。
ICソケット2に収容されるICパッケージ6は、一例として、図1に示されるように、平面視で矩形状のパッケージ本体6bの各辺から4方向に金属製のリードをクランク状に延ばして接続端子6aとしたQFP(Quad Flat Package)型である。
なお、本発明に係る電気部品用ソケットとしてのICソケットは、収容するICパッケージをQFP型に限るものではなく、例えば、パッケージ本体の対向する2辺からリードをクランク状に延ばして接続端子としたSOP(Small Outline Package)型、リードを内側に曲げたSOJ(Small Outline J-leaded)型又はQFP型の4方向に延びたリードを内側に曲げたPLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)型等、表面実装型のICパッケージを収容するように適宜変形可能である。
また、本発明に係る電気部品用ソケットとしてのICソケットは、パッケージ本体の底面に半球状の半田ボールを並べたBGA(Ball Grid Array)型やパッケージ本体の底面に平面電極パッドを並べたLGA(Land Grid Array)型のICパッケージであっても、半田ボールや平面電極がパッケージ本体の底面における外縁部に沿って並んでいるものであれば、適宜変形して収容可能である。
ICソケット2は、図1〜図3に示すように、ステージ10と、電気接触子ユニットUと、枠体12と、を有している。
ステージ10は、矩形状のパッケージ本体6bの外形に倣って、平面視で矩形状に形成され、ステージ10の各辺がパッケージ本体6bの特定の辺と対応するようにICパッケージ6を収容する収容部として機能する。後述のように、ICパッケージ6の性能試験においては、ICパッケージ6はステージ10に向けて押圧され、パッケージ本体6bの底面6cの一部又は全部がステージ10に当接する。なお、パッケージ本体6bの底面6cに設けられたグランド端子が設けられている場合、ステージ10には、パッケージ本体6bの底面6cと当接したときに、パッケージ本体6bのグランド端子と接触し、配線基板4の所定の導電部4aと電気的に接続するグランド電極が設けられてもよい。また、図示省略したが、ステージ10に対するICパッケージ6の収容を容易にするために、ステージ10には、例えばガイドピン等、ICパッケージ6の位置決め手段を設けると好適である。
電気接触子ユニットUは、電気接触子8が、一方でステージ10に収容されたICパッケージ6の接続端子6aと接触し、他方でICソケット2が固定された配線基板4の所定の導電部4aと接触するように、電気接触子8を保持するユニットである。
電気接触子ユニットUは、特に図2及び図3に示すように、ステージ10の各辺の外側に、ICパッケージ6の対応する辺の接続端子6aの数に応じて複数のプレート14を有している。この複数のプレート14は、その板厚方向Dtを、ICパッケージ6と配線基板4との対向方向Dcに対して略垂直に(例えば、ステージ10又はICパッケージ6の各辺に対して略平行に)しつつ、ステージ10の各辺から外方に向けて延び、並列に配置される。各プレート14の端部には接続端子6aの間隔に応じて板厚方向Dtに一定量突出する外壁14aが形成されている。複数のプレート14を配置したときに外壁14aが隣接するプレート14に当接することで、隣接する2つのプレート14とステージ10との間にICパッケージ6及び配線基板4の対向方向Dcに開口する開口空間16が形成され(図中で電気接触子8を点線で表した部分参照)、この開口空間16内で電気接触子8が保持される。なお、限定するものではないが、図中では、配線基板4が水平であるとしたときのステージ10の高さが、電気接触子ユニットUの高さと同じであるものとして説明する。
枠体12は、ステージ10及びその各辺に設けられた電気接触子ユニットUを側方から全周で囲んで、ステージ10及び電気接触子ユニットUを保持・固定する。例えば、枠体12は、略コ字状の2つのフレーム12a,12bをステージ10及び電気接触子ユニットUの側方に嵌合させてフレーム12a,12bの両端が互いに当接するように締結することで構成されてもよい。
電気接触子8は、夫々、ICパッケージ6の接続端子6aと一対一で接触する導電性のブリッジ部材(導電性接触部材)18と、ブリッジ部材18と配線基板4との間に複数介装され、ブリッジ部材18と接触してICパッケージ6を配線基板4から離れる方向に付勢する導電性のプローブピン(複数の導電性付勢手段)20と、を備えている。要するに、電気接触子8は、1つの導電性ブリッジ部材18に複数の導電性プローブピン20を電気的に接続することで構成されている。
ブリッジ部材18は、特に図2及び図3に示すように、ICパッケージ6の接続端子6aと接触する接触部18aからICパッケージ6の外方へ延び、隣接する2つのプレート14で案内されて、開口空間16内をICパッケージ6及び配線基板4の対向方向Dcへ平行移動可能に形成される。また、ブリッジ部材18の配線基板4側の表面には、周囲より落ち込んだ溝(あるいは陥凹部)18bが形成され、ブリッジ部材18と後述するプローブピン20との電気接続性を良好にすべく、溝18bにプローブピン20の端部が嵌合される。
ブリッジ部材18の両端には、配線基板4からICパッケージ6に向かう方向へのブリッジ部材18の移動を規制するように、プレート14の一部(あるいはステージ10の一部)に設けられた被係止部14bに係止される係止部18cが設けられている。係止部18cが被係止部14bに係止することで、後述するプローブピン20の付勢力によりブリッジ部材18が開口空間16から脱落することを抑制している。また、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接しないICパッケージ6の収容待ち状態で、ブリッジ部材18の接触部18aの対向方向Dcにおける位置を設定している。
プローブピン20は、隣接する2つのプレート14の間において、ブリッジ部材18から配線基板4に向けて並列に複数(図中では4つ)配列されている。並列に配列されるプローブピン20の数は、対応する接続端子6aに流れる電流の大きさに応じて、増減させて設定することができる。すなわち、対応する接続端子6aに流れる電流が大きくなるにしたがって、並列に配列されるプローブピン20の数を増加させることができる。プローブピン20の数に応じて、ブリッジ部材18の長さも適宜変更すればよい。
プローブピン20は、図4(a)に示すように、長手方向の軸線L0に沿って、先端がブリッジ部材18と電気的に接触する第1プランジャ20aと、先端が配線基板4の導電部4aと電気的に接触する第2プランジャ20bと、一方から第1プランジャ20aを摺動自在に内嵌し、かつ、他方から第2プランジャ20bを摺動自在に内嵌する筒状部材20cと、を有しており、この筒状部材20cの内部に第1プランジャ20aと第2プランジャ20bとを軸線L0に沿って互いに離間する方向に付勢する付勢部材として、各プローブピン20で同等のバネ定数を有するコイルスプリング20dが内挿されている。複数配列されるプローブピン20は、夫々、同等の自然長(重力以外の力を加えていないときの全長)を有している。筒状部材20cは、その外周が隣接する2つのプレート14により挟持されて、プローブピン20が移動しないように固定される。
プローブピン20は、図4(b)に示すように、第1プランジャ20aにブリッジ部材18を介してICパッケージ6から圧縮力が加わり、あるいは、第2プランジャ20bに配線基板4から圧縮力が加わると(白抜き矢印)、第1プランジャ20aをブリッジ部材18に向けて付勢し、第2プランジャ20bを配線基板4に向けて付勢する。プローブピン20の両端間の電気抵抗値Rとこのときの両端間距離Lの比(=L/R)に電気抵抗率ρを乗算した値である各プローブピン20の導電断面積は、同一の圧縮量(自然長に対して縮んだ長さ)に対して略同等である。
なお、プローブピン20としては、図4のような構成に限らず、少なくとも、ICパッケージ6から配線基板4に向かう方向に延びる軸線に沿って摺動自在に嵌合する導電性のすべり対偶部材を有し、該すべり対偶部材の一方がブリッジ部材18に接触し、他方がICソケット2内で固定され、一方をブリッジ部材18に向けて付勢する付勢部材を備えているものであればよい。
次に、ICパッケージ6の性能試験を実施する際における、第1実施形態の電気接触子8を備えたICソケット2の作用について説明する。
図3に示すように、ICパッケージ6をステージ10(図中ではプレート14に隠れている)に収容すると、図示省略の位置決め手段により、ICパッケージ6の接続端子6aがブリッジ部材18の接触部18a上に一対一で配置される。図3では、ICパッケージ6に押圧力が加わっていない状態であるので、ブリッジ部材18は、プローブピン20の付勢力により、係止部18cが被係止部14bに係止して移動が規制される位置まで押し上げられている。このため、パッケージ本体6bの底面6cはステージ10に当接していない。
ICパッケージ6をステージ10に向けて押圧すると、接続端子6aを介して、ブリッジ部材18の接触部18aに押圧力が伝達される。ブリッジ部材18は、接続端子6aから接触部18aに伝達された押圧力により、プローブピン20の付勢力に抗して、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接するまで、ICパッケージ6から配線基板4に向かう方向に平行移動する(図5参照)。このとき、各プローブピン20によるブリッジ部材18に対する付勢力は同等であるので、ブリッジ部材18と各プローブピン20との間における接触圧力ひいては電気抵抗値は同等である。プローブピン20の付勢力はブリッジ部材18の平行移動に伴い徐々に上昇し、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接したときには、ICパッケージ6の接続端子6aとブリッジ部材18の接触部18aとの接触圧力、及び、ブリッジ部材18と各プローブピン20との接触圧力は、ICパッケージ6の性能試験において電気抵抗値が問題とならない程度に減少するまで増加する。この状態でICパッケージ6の性能試験を実施する。
このような第1実施形態による電気接触子8及びこれを備えたICソケット2によれば、1つのブリッジ部材18に複数のプローブピン20を電気的に接続することで電気接触子8を構成している。ブリッジ部材18は、ICパッケージ6の接続端子6aと一対一で接触し、かつ、接続端子6aと接触する接触部18aからICパッケージ6の外方へと延びるように形成されている。また、同等の導電断面積を有する複数のプローブピン20は、ブリッジ部材18と配線基板4との間に、ブリッジ部材18から配線基板4に向けて並列に配列され、ブリッジ部材18と接触してICパッケージ6を配線基板4から離れる方向に付勢している。したがって、ICパッケージ6の性能試験では、接続端子6aから配線基板4に向けて流れる電流(あるいは配線基板4から接続端子6aに向けて流れる電流)は、ブリッジ部材18を介して複数のプローブピン20に均等に流れるので、接続端子6aの間隔が非常に狭いICパッケージ6を収容する場合であっても、電気接触子8の導電断面積を増大させることができ、ICソケット2の耐電流性を向上させることが可能となる。
次に、図6及び図7を参照して、第2実施形態に係る電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットの一例について説明する。なお、第1実施形態による電気接触子8及びICソケット2と共通の構成については、同一の符号を付してその説明を極力省略する。以下、同様である。
第2実施形態に係る電気部品用ソケットの一例としてのICソケット2は、第1実施形態と同様に、ブリッジ部材18及びプローブピン20を備えた電気接触子8を有している。第1実施形態のブリッジ部材18は、隣接する2つのプレート14で形成される開口空間16内を、ICパッケージ6及び配線基板4の対向方向Dcへ平行移動可能に形成されていたが、第2実施形態におけるブリッジ部材18は、接触部18aがICパッケージ6と配線基板4との間で移動するように、接触部18aから離れた位置で回動自在に軸支されている点で異なる。
例えば、図6に示すように、ブリッジ部材18のうち、接触部18aを近端とする遠端部において、紙面に対して略垂直方向であるプレート14の板厚方向Dtに貫通孔18dを形成し、この貫通孔18dに、プレート14から板厚方向Dtに突設した回動軸14cを遊嵌挿入することで、接触部18aがICパッケージ6と配線基板4との間で移動するように、ブリッジ部材18を回動自在に軸支することができる。
配線基板4が水平であるとしたときのステージ10の高さは、ICパッケージ6をステージ10に向けて押圧することでパッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接したとき、各プローブピン20のブリッジ部材18に対する付勢力が同等となるように、すなわち、各プローブピン20の圧縮量が同等となるように設定されている。これにより、ICパッケージ6の性能試験において、各プローブピン20に均等に電流が流れるようにしている。
ブリッジ部材18の近端部には、プローブピン20の付勢力による、配線基板4からICパッケージ6に向かう方向への接触部18aの移動を規制するように、プレート14の一部(あるいはステージ10の一部)に設けられた被係止部14bに係止される係止部18cが設けられている。係止部18cが被係止部14bに係止することで、第1実施形態と同様に、プローブピン20の付勢力によりブリッジ部材18が開口空間16から脱落することを抑制している。また、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接しないICパッケージ6の収容待ち状態で、ブリッジ部材18の接触部18aの対向方向Dcにおける位置を設定している。
ブリッジ部材18に溝18bを形成する場合には、ブリッジ部材18の円滑な回動を可能にすべく、プローブピン20の第1プランジャ20aと溝18bとの間に十分な隙間が形成されるように、溝18bの形状が設定される。
次に、ICパッケージ6の性能試験を実施する際における、第2実施形態の電気接触子8及びICソケット2の作用について説明する。
図6に示すように、ICパッケージ6をステージ10に収容して、ICパッケージ6をステージ10に向けて押圧すると(白抜き矢印)、接続端子6aを介して、ブリッジ部材18の接触部18aに押圧力が伝達される。ブリッジ部材18は、接続端子6aから接触部18aに伝達された押圧力により、プローブピン20の付勢力に抗して、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接するまで、回動軸14cを中心として回動し(図中の時計方向矢印)、接触部18aはICパッケージ6から配線基板4に向かう方向に移動する(図中で下向き矢印)。
プローブピン20の付勢力は、第1実施形態と同様に、ブリッジ部材18の回動に伴い徐々に上昇し、パッケージ本体6bの底面6cがステージ10に当接したときには、ICパッケージ6の接続端子6aとブリッジ部材18の接触部18aとの接触圧力、及び、ブリッジ部材18と各プローブピン20との接触圧力は、ICパッケージ6の性能試験において電気抵抗値が問題とならない程度に減少するまで増加している。このとき、各プローブピン20によるブリッジ部材18に対する付勢力は同等となっているので、ブリッジ部材18と各プローブピン20との間における接触圧力ひいては電気抵抗値も同等となっている。この状態でICパッケージ6の性能試験を実施する。
ここで、ブリッジ部材18とプローブピン20との接触状態は、例えば、図7(a)に示すように、ICパッケージ6に押圧力が加わっていない状態では、ブリッジ部材18に接触するプローブピン20の端縁部は位置X(白抜き丸印)にあるが、図7(b)に示すように、ICパッケージ6に押圧力が加わると、接触部18aに押圧力が伝達されてブリッジ部材18が回動するため、ブリッジ部材18に接触するプローブピン20の端縁部が位置Xから位置Y(黒塗り丸印)まで移動して、ブリッジ部材18とプローブピン20とが相対的に摺動する、いわゆるワイピング動作が生じる。
このような第2実施形態による電気接触子8及びこれを備えたICソケット2によれば、第1実施形態と同様に、ICソケット2の耐電流性を向上させることができるだけでなく、ブリッジ部材18を回動させるたびに、プローブピン20とブリッジ部材18との間でワイピング動作により摩擦が生じ、ブリッジ部材18及びプローブピン20の表面における酸化被膜を形成し難くすることができるので、電気抵抗値の増大を抑制して良好な接点確保を図ることが可能となる。
次に、図8及び図9を参照して、第3実施形態に係る電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケットの一例について説明する。
第1実施形態の電気接触子8において、例えば、プローブピン20の第1プランジャ20aにおける先端面とブリッジ部材18のうち配線基板4側の表面とが面接触しているとすると、図8に示すように、第3実施形態の電気接触子8では、ブリッジ部材18のうち配線基板4側の表面が、第1プランジャ20aの先端面に対して角度αの傾斜を設けたバイアス面18eを有している点で第1実施形態の電気接触子8と異なる。
このようにブリッジ部材18にバイアス面18eを形成すると、ブリッジ部材18のバイアス面18eとプローブピン20とが接触した状態で、ICパッケージ6の接続端子6aから接触部18aを介してブリッジ部材18に押圧力が伝達された場合(白抜き矢印)、ブリッジ部材18と接触する第1プランジャ20aの接触部Z(白抜き丸印)に加わる力Fは、バイアス面18eに対して垂直な力Fnと、バイアス面18eに平行な力Ffと、の2つの分力として第1プランジャ20aに伝達される。このような2つの分力のうち、平行な力Ffは、摩擦力として、第1プランジャ20aに対して図中の時計方向に回転力を与えるとともに、垂直な力Fnが第1プランジャ20aを図中の左下方向に向けて押し下げる。
したがって、図8の一部断面に示すように、第1プランジャ20aが軸線L0に沿って位置し、筒状部材20cと第1プランジャ20aとの間に隙間Gがある場合には、図9に示すように、第1プランジャ20aは、図中の左下に向けて平行移動するとともに図中の時計方向に微小回転し、第1プランジャ20aの軸線L1には、軸線L0に対して角度βの傾斜が生じるため、第1プランジャ20aは、筒状部材20cの点W(黒塗り丸印)で接触する。
なお、図8及び図9では、ブリッジ部材18にバイアス面18eを設ける構成としたが、これに限られず、第1プランジャ20aにおける先端面20eが、ブリッジ部材18のうち配線基板4側の表面に対して角度αの傾斜を設けたバイアス面を有する構成としてもよい。要するに、ブリッジ部材18とプローブピン20との接触面が相互に傾斜するように形成されていればよい。
このような第3実施形態による電気接触子8及びこれを備えたICソケット2によれば、プローブピン20における内部短絡の確実性・安定性を高めて電気接触子8の電気抵抗値増大を抑制することが可能となるため、第1実施形態と同等以上にICソケット2の耐電流性を向上させることができる。
また、第1プランジャ20aが軸線L0に対して傾斜する際には、プローブピン20とブリッジ部材18との接触部Zが移動して、ブリッジ部材18とプローブピン20とが相対的に摺動するワイピング動作が発生することもあり得るので、第2実施形態と同様に、ブリッジ部材18及びプローブピン20の表面における酸化被膜の形成を抑制する可能性もある。
なお、第1実施形態〜第3実施形態において、本発明に係る電気接触子8の導電性付勢手段としてプローブピン20を挙げたが、これに限られず、ブリッジ部材18と接触する一端部と、配線基板4と接触する他端部と、一端部と他端部との間で、例えば円弧状に形成されて、ICパッケージ6及び配線基板4の対向方向Dcに弾性変形可能なバネ部と、を有するコンタクトピンであってもよい。
第1実施形態〜第3実施形態において、電気部品としてICパッケージ6を例示するとともに、電気部品用ソケットとしてICパッケージ6を収容するICソケット2を例示して説明したが、これに限られず、他の電気部品を収容する電気部品用ソケットにも適用可能である。
第2実施形態では、第1実施形態に対してブリッジ部材18の回動構成を追加する一方、第3実施形態では、第1実施形態に対してブリッジ部材18及びプローブピン20の接触部18aにバイアス面18eを更に設ける構成としたが、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて、ブリッジ部材18及びプローブピン20の接触部18aにバイアス面18eを設けつつ、ブリッジ部材18が回動するように構成してもよい。
第1実施形態〜第3実施形態において、ブリッジ部材18には溝18bを形成していたが、プローブピン20との電気的な接続を低下させなければ省略してもよい。特に、第2実施形態のブリッジ部材18を回動させる構成では、ブリッジ部材18の円滑な回動を阻害する場合には、溝18bを省略してもよい。
2 ICソケット
4 配線基板
6 ICパッケージ
6a 接続端子
8 電気接触子
18 ブリッジ部材
18a 接触部
18d 貫通孔
18e バイアス面
20 プローブピン
20a 第1プランジャ
20c 筒状部材
20d コイルスプリング
20e 先端面
4 配線基板
6 ICパッケージ
6a 接続端子
8 電気接触子
18 ブリッジ部材
18a 接触部
18d 貫通孔
18e バイアス面
20 プローブピン
20a 第1プランジャ
20c 筒状部材
20d コイルスプリング
20e 先端面
Claims (6)
- 配線基板上に固定されつつ、該配線基板と対向して電気部品を収容する電気部品用ソケットに備えられて、前記電気部品の接続端子と前記配線基板とを電気的に接続する電気接触子であって、
前記接続端子と一対一で接触し、前記接続端子と接触する接触部から前記電気部品の外方へ延びる導電性接触部材と、
前記導電性接触部材と前記配線基板との間に、前記導電性接触部材から前記配線基板に向けて並列に複数配列され、前記導電性接触部材と接触して前記電気部品を前記配線基板から離れる方向に付勢する複数の導電性付勢手段と、
を含んで構成されたことを特徴とする電気接触子。 - 前記導電性接触部材は、前記電気部品及び前記配線基板の対向方向に平行移動することを特徴とする請求項1に記載の電気接触子。
- 前記導電性接触部材は、前記接触部が前記電気部品と前記配線基板との間で移動するように、前記接触部から離れた位置で回動自在に軸支されたことを特徴とする請求項1に記載の電気接触子。
- 前記複数の導電性付勢手段は、夫々、前記電気部品から前記配線基板に向かう方向に延びる軸線に沿って摺動自在に嵌合する導電性のすべり対偶部材を有し、該すべり対偶部材は、一方が前記導電性接触部材に接触し、他方が前記電気部品用ソケット内で固定され、前記一方を前記導電性接触部材に向けて付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電気接触子。
- 前記導電性接触部材と前記すべり対偶部材の前記一方との接触面は相互に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の電気接触子。
- 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の電気接触子を備えた電気部品用ソケット。
Priority Applications (1)
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JP2015246699A JP2017112012A (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | 電気接触子及びこれを備えた電気部品用ソケット |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102145239B1 (ko) * | 2020-04-22 | 2020-08-18 | 서정하 | 3d 프린트된 벤딩 가이드 어댑터 블럭을 포함하는 폴더블 벤딩 타입 테스트 커넥터 모듈 및 그 제조방법 및 이를 이용한 테스트 소켓 |
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2015
- 2015-12-17 JP JP2015246699A patent/JP2017112012A/ja active Pending
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KR102145239B1 (ko) * | 2020-04-22 | 2020-08-18 | 서정하 | 3d 프린트된 벤딩 가이드 어댑터 블럭을 포함하는 폴더블 벤딩 타입 테스트 커넥터 모듈 및 그 제조방법 및 이를 이용한 테스트 소켓 |
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