JP2017111890A - リチウムイオン二次電池用複合電解質 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用複合電解質 Download PDF

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敦史 飯島
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敦史 飯島
誠之 廣岡
Masayuki Hirooka
誠之 廣岡
孝博 山木
Takahiro Yamaki
孝博 山木
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Abstract

【課題】低抵抗で負荷率特性に優れた複合電解質およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極とリチウムイオンを吸蔵・放出できる負極とを備えるリチウムイオン二次電池に用いる複合電解質4において、複合電解質4は固体電解質10および電解液3を有し、固体電解質4はリチウムイオンを伝導する無機物質の焼結体であり、固体電解質4は、層状の緻密部1と、固体電解質4の表面側に緻密部1の少なくとも一方の表面と連続して形成された多孔質部2と、からなり、多孔質部2は、電解液3を保持し、多孔質部2の表面の気孔率は多孔質部2の内部の気孔率より小さい複合電解質4。【選択図】図1

Description

リチウムイオン二次電池に使用される複合電解質に関する。
近年、高エネルギー密度を有する二次電池としてリチウムイオン電池が注目されており、ノートパソコンや携帯電話、ハイブリッド自動車用などのリチウムイオン電池が幅広く普及している。しかしながら、現在実用化されているリチウムイオン電池は、その多くが電解質に可燃性の有機系電解液を使用しているため、過熱等による発火の可能性が指摘されている。また、リチウムイオン電池の充放電を繰り返すことでデンドライトが成長する恐れがある。
そこで、有機系電解液を使用しない全固体リチウムイオン電池の開発が進められている。全固体リチウムイオン電池は、電解液の代わりに固体電解質を用いており、単電池ユニットを直列に積層させることができるため、高エネルギー密度化、高出力化の可能性を有する高安全・高耐熱な二次電池として期待されている。加えて、固体電解質を酸化物焼結体とすることで、デンドライトによる電解質の貫通が阻止できる。しかし、正極、負極、固体電解質はすべて固体であるため、それぞれの接合面積がとりにくく、界面抵抗が高くなってしまうという問題がある。
全固体電池を効率的に製造する方法に、正極、負極、固体電解質をグリーンシートとして作製し、これらを貼り合わせることで全固体リチウムイオン電池用積層体を得ることが考えられる。この場合問題となるのは、正極、負極、固体電解質を構成する材料がそれぞれ異なるため、最適な焼結温度が相互に異なり、各グリーンシートを貼り合わせた状態で単一温度にて一括焼成すると、正極、負極、固体電解質のそれぞれの最良の特性が十分に得られないことや、反りやクラック等の不具合が生じることが懸念される。そこで正極、負極、固体電解質の材料を調整して、三者に共通の最適焼結温度を得る必要があり、このため容量、出力、サイクル特性などが制約されることになる。
そこで、正極、負極、固体電解質それぞれのグリーンシートを別個に焼成し、これら焼成した正極、負極、固体電解質を貼り合わせて積層体とすれば、それぞれを最適な温度で焼成することができ、全固体リチウムイオン電池として最適な性能が期待できる。しかし、電極/固体電解質の界面抵抗の低減が困難であるという問題がある。この問題を解消する手段として、特許文献1に記載されているように固体電解質を多孔体として、活物質および電解液を充填することが検討されている。また、特許文献2に記載されているように多孔体である固体電解質に電解液を保持させることが検討されている。
特開2013−232284号公報 特開平9−293519号公報
特許文献1では固体電解質を多孔体とし、該固体電解質に活物質および電解液を充填することで電極/電解質間の界面抵抗の低減を図っている。しかしながら、特許文献1に開示された固体電解質では、活物質と固体電解質を一括で焼結させているため、抵抗層が形成されて界面抵抗が上昇する恐れがある。
特許文献2では電解質の透水率が5〜1000L/m・hr・atmであり、貫通孔が存在するためデンドライトによる短絡が懸念される。また、固体電解質に充填された電解液がリチウムイオン伝導を担っている。電解液は濃度分極が大きいため、電池の負荷率特性が劣る。
本発明は、低抵抗で負荷率特性に優れた複合電解質およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極とリチウムイオンを吸蔵・放出できる負極とを備えるリチウムイオン二次電池に用いる複合電解質において、複合電解質は固体電解質および電解液を有し、固体電解質はリチウムイオンを伝導する無機物質の焼結体であり、固体電解質は、層状の緻密部と、固体電解質の表面側に緻密部の少なくとも一方の表面と連続して形成された多孔質部と、からなり、多孔質部は、電解液を保持し、多孔質部の表面の気孔率は多孔質部の内部の気孔率より小さい複合電解質。
本発明により、低抵抗で負荷率特性に優れた複合電解質およびこれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することができる。上記した以外の課題、構成及び効果は以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態における複合電解質の断面図である。 本発明の一実施形態における保護層付き複合電解質の断面図である。 本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の断面図である。 本発明の一実施形態における積層型二次電池の断面図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の説明は本発明の内容の具体例を示すものであり、本発明がこれらの説明に限定されるものではなく、本明細書に開示される技術的思想の範囲内において当業者による様々な変更および修正が可能である。また、本発明を説明するための全図において、同一の機能を有するものは、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態における複合電解質の断面図である。図1に示すように、本発明の一実施形態における複合電解質4は、緻密部1および多孔質部2を有する固体電解質10と、多孔質部2に保持された電解液3を有する。多孔質部2は複合電解質4のどちらか片面だけに存在していてもよい。多孔質部2の表面の気孔率は多孔質部2の内部の気孔率より小さい。複合電解質4の表面に存在する多孔質部2に電解液3を保持させることで、電池作製時に電解液3がしみ出て、電極と複合電解質4との間の接触面積を向上でき、界面抵抗の低い電池を作製することが可能である。上記の構成により、イオン伝導経路が電極、電解液3、固体電解質10、電解液3、電極となり、濃度分極が小さい固体電解質10中をイオン伝導させることで、優れた負荷率特性を有する。
[固体電解質10]
固体電解質10は、緻密部1と、固体電解質10の表面側に緻密部1の少なくとも一方の表面と連続して形成された多孔質部2とを有する。
固体電解質10は、イオン伝導時の濃度分極が小さいため、優れた負荷率特性を有する。また、酸化物焼結体からなる固体電解質10は、高分子材料からなる電解質に比べて硬質であるため、充放電時のデンドライトによる貫通を防止できる。
固体電解質10はリチウムイオンを伝導する無機物質の焼結体である。固体電解質10を構成する酸化物焼結体は、Li5+XLa(Zr,A2−X)O12(式中、AはSc,Ti,C,Y,Nb,Hf,Ta,Al,Si,Ga,Ge,Snからなる群より選ばれた1種類以上の元素、Xは1.4≦X≦2)、Li1+XAlTi2−X(PO(Xは0≦X≦1)、Li3XLa2/3−XTiO(Xは0≦X≦2/3)などが挙げられる。これらは、室温におけるイオン伝導度が高く、電気化学的安定性が高い。
[緻密部1]
緻密部1は、イオン伝導の方向に対して垂直方向に広がり、デンドライトの貫通を防止している。緻密部1は、層状である。
緻密部1の密度は90%以上であることが望ましい。ノギス等で測定したサンプルの寸法から体積を算出し、重量を体積で除することで嵩密度を算出できる。この嵩密度を真密度で除することで緻密部1の(相対)密度(%)を計算できる。緻密部1の密度は90%以上とすることにより、緻密部1はイオン伝導性を有しつつ、イオン以外の表裏間の物質移動を遮断することができる。デンドライトの貫通を遮断でき、短絡を防止できる。一方、密度が90%未満の場合、イオン以外の物質が緻密部を通過する可能性があり、緻密部の遮断性が低下する恐れがある。
緻密部1の厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは、20μm以上100μm以下である。緻密部1の厚さが10μm未満であると、機械的強度が著しく低下し、短絡の危険性が増す可能性がある。また、緻密部1の厚さが500μmより大きいと、電池のエネルギー密度の低下につながる可能性がある。
固体電解質10の全体の厚さに対する緻密部1の厚さの比率は、50%以上99%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、60%以上95%以下である。この場合には、濃度分極の小さい固体電解質10の厚さを十分に保つことができ、優れた負荷率特性を維持できる。
[多孔質部2]
多孔質部2は、固体電解質10の表面側に緻密部1の少なくとも一方の表面と連続して形成されている。多孔質部2は緻密部1の表面および裏面のどちらか一方に形成されていてもよい。また、多孔質部2は緻密部1の表裏両面に形成されていてもよい。緻密部1の表裏両面に多孔質部2が形成されている場合、表裏両面で多孔質部2の厚さが異なってもよい。
多孔質部2の気孔率は、30%以上90%以下であることが好ましい。より好ましくは、40%以上80%以下である。この場合、多孔質部2の強度を担保することができる。多孔質部2の気孔率に対する開気孔率は70%以上99%以下であることが好ましい。例えば、嵩密度とアルキメデス法などにより求めた見掛け密度から多孔質部2の気孔率に対する開気孔率を求めることができる。この場合、電解液が多孔質部2に侵入しやすくなり、低抵抗な電極/電解質界面を有する電池を作製できる。
多孔質部2の開気孔の平均開口直径は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、5μm以上50μm以下である。
また、多孔質部2の表層部(表面)の気孔率は、多孔質部2の内部の気孔率よりも小さいことがよい。例えば、サンプルの断面SEM観察から気孔率を求めることができる。この場合、電解液3が固体電解質10から流出するのを防止できる。多孔質部2の表層部とは、多孔質部2における緻密部1と反対側の表層部であり、多孔質部2の内部とは、多孔質部2における緻密部1側である。
[電解液3]
電解液3は、有機電解液やイオン液体を用いることができる。電解質化合物としては、CFSOLi、CSOLiなどのフルオロアルキルスルホン酸リチウム塩、(CFSONLi等のスルホニルイミドリチウム塩、LiBF、LiPF、LiClO、LiAsFが挙げられる。これらの電解質化合物を溶解する溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート化合物、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジグライム、テトラグライム、オリゴエチレンオキシド等のエーテル化合物、ブチロラクトン、プロピロラクトン等のラクトン化合物、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物等を挙げることができる。電解液3の固体電解質10への充填方法は、真空含浸がある。固体電解質10を電解液3に含浸させ、真空に引くことで電解液を充填する。
[固体電解質10の製造方法]
次に、固体電解質10の製造方法について述べる。まず、固体電解質10を構成する粉末を、固相法、共沈法、ゾルゲル法などで合成する。この粉末を用いて、緻密部1および多孔質部2を形成する。
(1)緻密部1の形成方法は以下に示す方法が挙げられる。
(1−1)固体電解質粉末を一軸成型器などでペレットやシート状に成型する。成型体を焼成する。成型体をCIP(冷間静水圧成形法)、ホットプレスなどで加圧することで、緻密な焼結体を得ることができる。
(1−2)有機溶剤または水を用いて固体電解質粉末のスラリを作製する。必要に応じて、バインダ、可塑剤、分散剤を加えてもよい。ドクターブレードを用いたり、スクリーン印刷を行ったりしてスラリを成型する。成型後、乾燥し、焼成する。成型体をCIP、ホットプレスなどで加圧してから焼成してもよい。
(2)多孔質部2を形成するにあたっては、緻密部1を基板として、緻密部1の片面または両面に、例えば以下に示すいずれかの方法で多孔質部2を形成する。
(2−1)固体電解質粉末に樹脂からなるビーズを混ぜ、一軸成型器などでペレットやシート状に成型する。ビーズの割合や粒径を変更して成型を繰り返すと、成形体の気孔率に勾配が形成される。これを焼成し、ビーズを除去することで気孔を形成するとともに、固体電解質を焼結させる。
(2−2)有機溶剤または水を用いて固体電解質粉末のスラリを作製する。必要に応じてバインダ、可塑剤、分散剤を加えてもよい。そこに、樹脂からなるビーズを混ぜ、成形する。ビーズの割合や粒径を変更して成形を繰り返すと、成形体の気孔率に勾配が形成される。これを焼成し、ビーズを除去することで気孔を形成するとともに、固体電解質を焼結させる。
(2−3)有機溶剤または水を用いて固体電解質粉末のスラリを作製する。必要に応じてバインダ、可塑剤、分散剤を加えてもよい。スラリを、電池のセパレータに用いられる多孔質樹脂体に含浸、乾燥させる。用いるセパレータの多孔率を変更して成形を繰り返すと、成形体の気孔率に勾配が形成される。これを焼成することにより、多孔質樹脂体が除去されて、気孔が形成される。
[複合電解質4]
複合電解質4はイオン伝導性を有するため、正極と負極の間に配置され、正負極間でリチウムイオンの伝導を担う。また、複合電解質4は、大気中に曝露すると水や二酸化炭素と反応して性能が劣化する。そこで、複合電解質4は、作製後、図2のように、保護層11で覆われていてもよい。図2は、本発明の一実施形態における保護層付き複合電解質の断面図である。
[保護層11]
保護層11は複合電解質4と反応しにくいこと、通気性と吸湿性の少なくともいずれかが低いことの条件を満たすものが好ましい。保護層11自体が極力通気性を持たないこと、あるいは吸湿し難いことが重要である。複合電解質4に用いる材料は、水分と二酸化炭素の共存下で劣化して高抵抗化するからである。以上の2つの条件を満たす材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチック、あるいはアルミラミネート箔が好適である。
保護層11の厚さは5μm以上200μm以下であることが好ましい。100μm以下であることがより好ましい。この下限値を下回ると、強度が弱く破れやすくなるためである。逆に、上限を超えると複合電解質全体の体積・重量が大きくなってしまう。
保護層11は、複合電解質4への水分と二酸化炭素の吸収を極力抑えることができるように密接していることが好ましい。ただし、両者は接着している必要はなく、電池組立時に容易に保護層11を除去できるように、位置ずれが起こらない程度に被覆していればよい。また、複合電解質4両面を被覆した保護層11の端は、複合電解質4の大気への曝露を抑制するため、閉じられていることが好ましい。大気曝露による劣化は、複合電解質4の端の数mm程度と考えられるため、その部分を切断して電池作製に使用すればよく、保護層11は必ずしも閉じられている必要はない。
複合電解質4を成形・焼結した直後に保護層11で覆うことで、複合電解質4の大気中での劣化を抑制できる。ここで直後とは、複合電解質4の水および二酸化炭素による劣化が許容できる程度の短時間を指す。
[二次電池]
図3は、本発明の一実施形態におけるリチウムイオン二次電池の断面図である。二次電池は、複合電解質4と、複合電解質4を挟んで相対する位置に配置された正極5および負極6とを有する。
正極5に正極活物質が含有されていることにより、正極5はリチウムイオンを吸蔵・放出できる。正極5に含有される正極活物質としては、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)、リン酸鉄コバルト(LiCoPO)等のオリビン型や、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、二酸化マンガン(III)リチウム(LiMnO)、LiNiCoMnのように表される(式中、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1である。)三元系酸化物等の層状型や、マンガン酸リチウム(LiMn)等のスピネル型や、リン酸バナジウム(Li(PO)等のポリアニオン型等のリチウム遷移金属化合物を用いることができる。
負極6に負極活物質が含有されていることにより、負極6はリチウムイオンを吸蔵・放出できる。負極6に含有させる負極活物質としては、チタン酸リチウム(LiTi12)等のリチウム遷移金属酸化物を用いることができる。また、その他、TiSi、LaNiSn等の合金や、ハードカーボン、ソフトカーボン、グラファイト等の炭素材料や、リチウム、インジウム、アルミニウム、スズ、ケイ素等の単体もしくはこれらを含む合金等を用いることができる。
図4は、本発明の一実施形態における積層型二次電池の断面図である。正極5と負極6は、正極集電箔8、負極集電箔9を介して充放電が進行する。積層された単セルがインターコネクタ7によって直列につながれている。本発明の一実施形態に係る複合電解質4を用いることで、より抵抗の低い電池を提供できる。
本例の複合電解質は、図1に示すように、層状の緻密部1と、その表面側に緻密部1の一方の表面と連続して形成された多孔質部2と、多孔質部2に充填された電解液3とからなる。
[固体電解質の作製]
緻密部1を作製するにあたり、原料としてLiCO、La(OH)、ZrOを使用し、仕込比率はLiLaZr12(LLZ)の量論組成比よりリチウムを10%過剰とした組成(モル比でLi:La:Zr=7.7:3:2)となるように秤量した。均一に混合した後、950℃で12時間仮焼成することでLLZ粉末を得た。得られたLLZ粉末を、φ10mmの一軸成型機にて圧縮成型し、さらに180MPaでCIP成型した。
次に、緻密部1の表面に多孔質部2を形成する。粒径50μmの樹脂ビーズとLLZ粉末を混合、緻密部1の両面に配置し、一軸成型機にて成型した。さらに、粒径20μmの樹脂ビーズとLLZ粉末を混合、緻密部1の両面に配置し、一軸成型機にて成型した。
成型体を1150℃で36時間焼成することで、緻密部1と多孔質部2を有する固体電解質10を得た。緻密部1の厚さは500μm、密度は95%である。多孔質部2のそれぞれの厚さは100μm、気孔率は50%である。多孔質部2の気孔率に対する多孔質部2の開気孔率の比率は70%である。
[電解液の充填]
1mol/LのLiPFを含むエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの電解液に、作製した固体電解質10を含浸させ、真空引きすることで電解液3を固体電解質10に充填し、複合電解質4を得た。
[電池の作製]
上記実施例1の複合電解質4を用いてリチウムイオン電池を作製する。使用する正極5および負極6は、以下のように作製した。
[正極5の作製]
正極活物質にはLiFePOを使用した。LiFePO粉末と、正極5内でのリチウムイオン伝導体であるLi1.5Al0.5Ti1.5(PO粉末(LATP)と、導電材であるケッチェンブラックとを混合し、バインダのポリフッ化ビニリデンを加え、これをN−メチル−2−ピロリドンに投入し、粘度調整して正極ペーストを得た。各成分は、重量比率で正極活物質:LATP:導電材:バインダで、72:20:5:3とした。アルミニウム箔の集電体上に正極ペーストを塗布し、100℃、30分の熱処理に供した後、打ち抜くことで正極5を得た。
[負極6の作製]
リチウム箔と銅箔とを圧着させて打ち抜くことで負極6を作製した。
[二次電池の作製]
上記のようにして得られた複合電解質4、正極5、負極6を重ね、図3に示すような二次電池20とした。二次電池20は、複合電解質4に充填された電解液3がしみ出ることで、正極5/固体電解質10間および負極6/固体電解質10間の接触を改善するため、界面抵抗が低い。また、濃度分極が大きい電解液中のイオン伝導経路が短いため、二次電池20は優れた負荷率特性を有する。
さらに、実施例1の固体電解質10は、酸化物焼結体であるLLZからなるため、高分子材料からなる固体電解質に比べ硬質である。そのため、充放電時のデンドライトの貫通を防止できる。
本実施例では、実施例1の複合電解質4を、保護層11であるPETフィルムで被覆した。本実施例の保護層11で被覆した複合電解質4を、一週間大気中で保管した後に電解質抵抗を測定しても、抵抗に変化は見られなかった。
比較例1
本比較例の固体電解質10は、平面状の緻密部1のみからなる。固体電解質10は、実施例1の緻密部1と同様に作製した。固体電解質10の厚さは500μmである。本比較例では、上記の固体電解質10を用いて二次電池20を作製した。その他は、実施例1の二次電池20と同様である。
本比較例の固体電解質10は平面状の緻密部1のみから構成されている。そのため、デンドライトの貫通を防止できる。しかし、本比較例の固体電解質10は、平面状の緻密部1のみからなり、電解液3を保持していないため、電極との接触面積が小さく、電池容量が小さい。
1 緻密部
2 多孔質部
3 電解液
4 複合電解質
5 正極
6 負極
7 インターコネクタ
8 正極集電箔
9 負極集電箔
10 固体電解質
11 保護層
20 二次電池

Claims (10)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極とリチウムイオンを吸蔵・放出できる負極とを備えるリチウムイオン二次電池に用いる複合電解質において、
    前記複合電解質は固体電解質および電解液を有し、
    前記固体電解質はリチウムイオンを伝導する無機物質の焼結体であり、
    前記固体電解質は、層状の緻密部と、前記固体電解質の表面側に前記緻密部の少なくとも一方の表面と連続して形成された多孔質部と、からなり、
    前記多孔質部は、前記電解液を保持し、
    前記多孔質部の表面の気孔率は前記多孔質部の内部の気孔率より小さい複合電解質。
  2. 請求項1の複合電解質において、
    前記緻密部の密度が90%以上である複合電解質。
  3. 請求項1の複合電解質において、
    前記緻密部の厚さが10μm以上500μm以下である複合電解質。
  4. 請求項1の複合電解質において、
    前記固体電解質の全体の厚さに対する前記緻密部の厚さの比率は50%以上99%以下である複合電解質。
  5. 請求項1の複合電解質において、
    前記多孔質部の気孔率が30%以上90%以下である複合電解質。
  6. 請求項1の複合電解質において、
    前記多孔質部の気孔率に対する開気孔率は70%以上99%以下である複合電解質。
  7. 請求項1に記載の複合電解質において、
    前記複合電解質は保護層で被覆されている複合電解質。
  8. 請求項7の複合電解質において、
    前記保護層がプラスチックまたはアルミラミネート箔である複合電解質。
  9. 請求項7の複合電解質において、
    前記保護層の厚さが5μm以上200μm以下である複合電解質。
  10. 請求項1に記載の複合電解質と、前記正極と、前記負極とを有するリチウムイオン二次電池。
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