JP2017110709A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧サーボ装置のピストンに設けられたシール部材の耐久性低下を抑制することができると共に、油圧サーボ装置をケースの内部に保持することでの重量増加を緩和する。【解決手段】スプリング室84に油を導入する油導入孔102がシリンダ部76に設けられた油圧サーボ装置62は、ブリーザ室92に設けられているので、ケース18の内部に配置された回転部材(例えばプライマリプーリ66等)によって掻き揚げられてブリーザ室92に流入する油が油導入孔102を通じてスプリング室84に導かれる。これにより、Oリング78とシリンダ部76の内周面76aとの摺動面に油が供給されるので、ピストン74に設けられたOリング78の耐久性低下を抑制することができる。加えて、油圧サーボ装置62は、ブリーザ室92のリブ86の一部により保持されるので、油圧サーボ装置62をケース18の内部に保持することでの重量増加を緩和することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、油圧サーボ装置とブリーザ室とを備えた車両用動力伝達装置に関するものである。
シリンダ部と、前記シリンダ部内に軸方向の移動可能に嵌合されたピストンと、前記ピストンの外周面に配設されて前記シリンダ部の内周面との間をシールする環状のシール部材と、前記シリンダ部と前記ピストンの一端部と前記シール部材との間に設けられた、前記ピストンを他端部側へ押圧する油圧が供給される油圧室と、前記ピストンの他端部に当接して前記ピストンを前記一端部側へ付勢するリターンスプリングが配設されたスプリング室とを有する油圧サーボ装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された自動変速機の油圧サーボ装置がそれである。この特許文献1には、自動変速機のギヤ段を切り替える摩擦係合装置(バンドブレーキ)を係合させるものであって、ピストンの他端部側の背室は自動変速機内の空間に連通されており、リターンスプリングによってピストンが一端部側へ戻される油圧サーボ装置が記載されている。
特開平11−257380号公報
ところで、上述したような油圧サーボ装置においては、ピストンが移動するとシール部材はシリンダ部の内周面と摺動する。しかしながら、スプリング室側においてはピストンの外周面とシリンダ部の内周面との間に(すなわちシール部材とシリンダ部の内周面との摺動面に)油が存在しない為、ピストンがスプリング室側へ移動させられる際にシール部材が適切に潤滑されず、シール部材の耐久性が低下する可能性がある。又、油圧サーボ装置をケースの内部に保持する為の部材が必要であり、重量が増加するおそれがある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、油圧サーボ装置のピストンに設けられたシール部材の耐久性低下を抑制することができると共に、油圧サーボ装置をケースの内部に保持することでの重量増加を緩和することができる車両用動力伝達装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a) ケースの内部に設けられたシリンダ部と、前記シリンダ部内に軸方向の移動可能に嵌合されたピストンと、前記ピストンの外周面に配設されて前記シリンダ部の内周面との間をシールする環状のシール部材と、前記シリンダ部と前記ピストンの一端部と前記シール部材との間に設けられた、前記ピストンを他端部側へ押圧する油圧が供給される油圧室と、前記ピストンの他端部に当接して前記ピストンを前記一端部側へ付勢するリターンスプリングが配設されたスプリング室とを有する油圧サーボ装置と、(b) 前記ケースの内部に配置された回転部材と、(c) 前記ケース内の上部において複数の隔壁によって迷路状に通路が設けられた構造を有して、ブリーザプラグを介して前記ケースの外部空間と連通すると共に、前記回転部材によって掻き揚げられた油が流入するブリーザ室とを、備えた車両用動力伝達装置であって、(d) 前記油圧サーボ装置は、前記リターンスプリングにて前記ピストンが付勢された状態での前記シール部材の配設位置に対して前記油圧室とは反対側の前記シリンダ部に設けられた、前記スプリング室に油を導入する油導入孔を備えており、(e) 前記油圧サーボ装置は、前記ブリーザ室に設けられて、前記隔壁の一部により保持されることにある。
前記第1の発明によれば、スプリング室に油を導入する油導入孔がシリンダ部に設けられた油圧サーボ装置は、ブリーザ室に設けられているので、ケースの内部に配置された回転部材によって掻き揚げられてブリーザ室に流入する油が油導入孔を通じてスプリング室に導かれる。これにより、シール部材とシリンダ部の内周面との摺動面に油が供給されるので、油圧サーボ装置のピストンに設けられたシール部材の耐久性低下を抑制することができる。加えて、油圧サーボ装置は、ブリーザ室の隔壁の一部により保持されるので、油圧サーボ装置をケースの内部に保持することでの重量増加を緩和することができる。
本発明が適用される車両の概略構成を説明する図である。 ケース内に配置される油圧サーボ装置を具体的に示した断面図であり、噛合式クラッチが遮断されるときの油圧サーボ装置の状態を示している。 図2の油圧サーボ装置のピストン付近の拡大図である。 図2の油圧サーボ装置をシリンダカバー側から視たときの油導入孔の形成位置での断面図である。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源として機能するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた車両用動力伝達装置16(以下、動力伝達装置16という)とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのケース18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としての公知のトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結された入力軸22、入力軸22に連結された無段変速部としての公知のベルト式の無段変速機24、同じく入力軸22に連結された前後進切替装置26、前後進切替装置26を介して入力軸22に連結されて無段変速機24と並列に設けられたギヤ伝動部としてのギヤ伝動機構28、無段変速機24及びギヤ伝動機構28の共通の出力回転部材である出力軸30、カウンタ軸32、出力軸30及びカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられたギヤ36、ギヤ36に連結されたデフギヤ38、デフギヤ38に連結された1対の車軸40等を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力も同義)は、トルクコンバータ20、無段変速機24(或いは前後進切替装置26及びギヤ伝動機構28)、減速歯車装置34、デフギヤ38、及び車軸40等を順次介して1対の駆動輪14へ伝達される。
このように、動力伝達装置16は、エンジン12(ここではエンジン12の動力が伝達される入力回転部材である入力軸22も同意)と駆動輪14(ここでは駆動輪14へエンジン12の動力を出力する出力回転部材である出力軸30も同意)との間の動力伝達経路PTに並列に設けられた、ギヤ伝動機構28及び無段変速機24を備えている。よって、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を介して駆動輪14(ここでは出力軸30も同意)へ伝達する第1動力伝達経路PT1と、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を介して駆動輪14(ここでは出力軸30も同意)へ伝達する第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路を、入力軸22と出力軸30との間に並列に備えている。動力伝達装置16は、車両10の走行状態に応じてその第1動力伝達経路PT1とその第2動力伝達経路PT2とが切り替えられる。その為、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を駆動輪14へ伝達する動力伝達経路を、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とで選択的に切り替える複数の係合装置を備えている。この係合装置は、第1動力伝達経路PT1を断接する第1係合装置(換言すれば係合されることで第1動力伝達経路PT1を形成する第1係合装置)としての第1クラッチC1及び第1ブレーキB1と、第2動力伝達経路PT2を断接する第2係合装置(換言すれば、係合されることで第2動力伝達経路PT2を形成する第2係合装置)としての第2クラッチC2とを含んでいる。第1クラッチC1、第1ブレーキB1、及び第2クラッチC2は、断接装置に相当するものであり、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる公知の油圧式の湿式の摩擦係合装置(摩擦クラッチ)である。又、第1クラッチC1及び第1ブレーキB1は、各々、後述するように、前後進切替装置26を構成する要素の1つである。
トルクコンバータ20は、エンジン12と入力軸22との間の動力伝達経路に介在させられて、入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に設けられている。トルクコンバータ20は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備え、エンジン12の動力を入力軸22へ伝達する。動力伝達装置16は、ポンプ翼車20pに連結された機械式のオイルポンプ42を備えている。オイルポンプ42は、エンジン12により回転駆動されることにより、無段変速機24を変速制御したり、前記複数の係合装置を作動したり、動力伝達装置16の各部に潤滑油を供給したりする為の油圧を発生する(吐出する)。
前後進切替装置26は、第1動力伝達経路PT1において入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に設けられており、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置26pは、入力要素としてのキャリヤ26cと、出力要素としてのサンギヤ26sと、反力要素としてのリングギヤ26rとの3つの回転要素を有する差動機構である。キャリヤ26cは入力軸22に一体的に連結され、リングギヤ26rは第1ブレーキB1を介してケース18に選択的に連結され、サンギヤ26sは入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に相対回転可能に設けられた小径ギヤ44に連結されている。又、キャリヤ26cとサンギヤ26sとは、第1クラッチC1を介して選択的に連結される。よって、第1クラッチC1は、前記3つの回転要素のうちの2つの回転要素を選択的に連結する係合装置であり、第1ブレーキB1は、前記反力要素をケース18に選択的に連結する係合装置である。
ギヤ伝動機構28は、小径ギヤ44と、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられてその小径ギヤ44と噛み合う大径ギヤ48とを備えている。又、ギヤ伝動機構28は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転可能に設けられたアイドラギヤ50と、出力軸30回りにその出力軸30に対して同軸心に相対回転不能に設けられてそのアイドラギヤ50と噛み合う出力ギヤ52とを備えている。出力ギヤ52は、アイドラギヤ50よりも大径である。従って、ギヤ伝動機構28は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路PTにおいて、所定の変速比(変速段、ギヤ段)としての1つの変速比(変速段、ギヤ段)が形成される伝動機構である。ギヤ伝動機構28は、更に、ギヤ機構カウンタ軸46回りに、大径ギヤ48とアイドラギヤ50との間に設けられて、これらの間を選択的に断接する噛合式クラッチD1を備えている。噛合式クラッチD1は、前後進切替装置26(ここでは第1クラッチC1も同意)と出力軸30との間の動力伝達経路に配設された(換言すれば第1クラッチC1よりも出力軸30側に設けられた)、第1動力伝達経路PT1を断接する第3係合装置(換言すれば第1クラッチC1と共に係合されることで第1動力伝達経路PT1を形成する第3係合装置)として機能するものであり、前記複数の係合装置に含まれる。
具体的には、噛合式クラッチD1は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられたクラッチハブ54と、アイドラギヤ50とクラッチハブ54との間に配置されてそのアイドラギヤ50に固設されたクラッチギヤ56と、クラッチハブ54に対してスプライン嵌合されることによりギヤ機構カウンタ軸46の軸心回りの相対回転不能且つその軸心と平行な方向の相対移動可能に設けられた円筒状のスリーブ58とを備えている。クラッチハブ54と常に一体的に回転させられるスリーブ58がクラッチギヤ56側へ移動させられてそのクラッチギヤ56と噛み合わされることで、アイドラギヤ50とギヤ機構カウンタ軸46とが接続される。更に、噛合式クラッチD1は、スリーブ58とクラッチギヤ56とを嵌合する際に回転を同期させる、同期機構としての公知のシンクロメッシュ機構S1を備えている。このように構成された噛合式クラッチD1では、フォークシャフト60が動力伝達装置16に備えられた油圧アクチュエータとしての油圧サーボ装置62によって作動させられることにより、フォークシャフト60に固設されたシフトフォーク64を介してスリーブ58がギヤ機構カウンタ軸46の軸心と平行な方向に摺動させられ、係合状態と解放状態とが切り替えられる。
第1動力伝達経路PT1は、噛合式クラッチD1と噛合式クラッチD1よりも入力軸22側に設けられた第1クラッチC1(又は第1ブレーキB1)とが共に係合されることで形成される。第1クラッチC1の係合により前進用動力伝達経路が形成され、第1ブレーキB1の係合により後進用動力伝達経路が形成される。動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第1動力伝達経路PT1は、少なくとも第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が共に解放されるか、或いは少なくとも噛合式クラッチD1が解放されると、動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
無段変速機24は、入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリプーリ66と、出力軸30と同軸心の回転軸68に設けられた有効径が可変のセカンダリプーリ70と、それら各プーリ66,70の間に巻き掛けられた伝達要素としの伝動ベルト72とを備え、各プーリ66,70と伝動ベルト72との間の摩擦力(ベルト挟圧力)を介して動力伝達が行われるベルト式の無段変速機構である。プライマリプーリ66では、プライマリプーリ66へ供給する油圧(すなわちプライマリ側油圧シリンダ66cへ供給されるプライマリ圧Pin)が電子制御装置(不図示)により駆動される油圧制御回路(不図示)によって調圧制御されることにより、各シーブ66a,66b間のV溝幅を変更するプライマリ推力Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)が付与される。又、セカンダリプーリ70では、セカンダリプーリ70へ供給する油圧(すなわちセカンダリ側油圧シリンダ70cへ供給されるセカンダリ圧Pout)が油圧制御回路によって調圧制御されることにより、各シーブ70a,70b間のV溝幅を変更するセカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)が付与される。無段変速機24では、プライマリ推力Win(プライマリ圧Pin)及びセカンダリ推力Wout(セカンダリ圧Pout)が各々制御されることで、各プーリ66,70のV溝幅が変化して伝動ベルト72の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γcvt(=プライマリプーリ回転速度Npri/セカンダリプーリ回転速度Nsec)が変化させられると共に、伝動ベルト72が滑りを生じないように各プーリ66,70と伝動ベルト72との間の摩擦力が制御される。
出力軸30は、回転軸68回りにその回転軸68に対して同軸心に相対回転可能に配置されている。第2クラッチC2は、無段変速機24よりも駆動輪14(ここでは出力軸30も同意)側に設けられており(すなわちセカンダリプーリ70と出力軸30との間の動力伝達経路に設けられており)、セカンダリプーリ70(回転軸68)と出力軸30との間の動力伝達経路を選択的に断接する。第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が係合されることで形成される。動力伝達装置16では、第2動力伝達経路PT2が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が解放されると、ニュートラル状態とされる。
図2は、ケース18内に配置される油圧サーボ装置62を具体的に示した断面図であり、噛合式クラッチD1が遮断されるときの油圧サーボ装置62の状態を示している。図3は、図2の油圧サーボ装置62のピストン74付近の拡大図である。図2,図3において、油圧サーボ装置62は、ケース18の内部に設けられたシリンダ部76と、シリンダ部76内に軸方向の移動可能に嵌合されたピストン74と、ピストン74の外周面74aに配設されてシリンダ部76の内周面76aとの間をシールする環状のシール部材としてのOリング78と、シリンダ部76とピストン74の一端部74bとOリング78との間に設けられた、ピストン74を他端部74c側へ押圧する油圧が供給される油圧室80と、ピストン74の他端部74cに当接してピストン74を一端部74b側へ付勢するリターンスプリング82が配設されたスプリング室84とを有している。
図2に示すように、動力伝達装置16は、ケース18内の上部(図中の車両上方)において複数の隔壁としてのリブ86によって迷路状に通路88が設けられた構造(すなわちラビリンス構造)を有して、ブリーザプラグ90を介してケース18の外部空間と連通すると共に、ケース18の内部に配置された回転部材としてのプライマリプーリ66(及び又はセカンダリプーリ70)によって掻き揚げられた油が流入するブリーザ室92を備えている。ケース18は、筒状のケース18aと筒状のケース18bとを備えており、ケース18a、18b間がボルトによって互いに締結されることで一体的に形成されている変速機ケースである。ブリーザプラグ90は、ケース18aの上面に設けられた空気出入り口94に取り付けられており、ケース18内の圧力を調整して油漏れを防ぐ為の公知の弁である。ブリーザ室92は、プライマリプーリ66等によって掻き揚げられた油(例えばオイルミスト)が空気と共にケース18の外部空間に吹き出さないように、ブリーザプラグ90近傍のケース18内の上部空間をラビリンス構造とすることでブリーザ室入口92aから空気出入り口94までの通路長が長くされた通路88に油を流す(集積する)ものである。つまり、ブリーザ室92において、ブリーザ室入口92aから侵入(流入)した油が空気出入り口94に到達するには通路88を通過する必要があり、油が空気出入り口94に到達するまでの間に、自身の粘度や表面張力によって通路88中のどこかの空間内で集積される。従って、ケース18内の油がケース18の外部に排出される所謂ブリーザ吹きが好適に防止される。
油圧サーボ装置62について、以下に具体的に説明する。油圧サーボ装置62は、油圧によってピストン74を一方向へ移動させる単動式の油圧シリンダであり、有底円筒形状のピストン74を備えている。ピストン74は、有底円筒形状の底部の外側面(端面)である一端部74bがフォークシャフト60の端部に密着するように突き当てられた状態で、他端部74c側から挿入されるボルト96によりフォークシャフト60に一体的に固設されている。ピストン74は、シリンダ部76内に軸方向の移動可能に嵌合されており、常にはリターンスプリング82(例えば圧縮コイルスプリング)の付勢力に従って図2,図3に示す原位置(すなわち噛合式クラッチD1を遮断する位置)に保持される。シリンダ部76は有底円筒形状を成していて、ピストン74が摺動可能に嵌合される内周面76aを備えていると共に、底面76bにピストン74の一端部74bの径方向外側部74b1が当接させられることによって上記原位置が規定される。底面76bには、フォークシャフト60が軸方向に移動可能に挿通させられる挿通孔76cが、内周面76aと同心に連続して設けられている。リターンスプリング82は、有底円筒形状のピストン74の底部の内側面である他端部74cと、油圧サーボ装置62が有するシリンダカバー98との間に圧縮状態で配設されている。有底円筒形状のシリンダ部76の開口部は、シリンダカバー98によって略閉塞されるようになっている。
ピストン74の一端部74bと、シリンダ部76の内周面76a及び底面76bと、Oリング78との間には、油圧室80が設けられている。シリンダ部76に設けられた給油通路100からその油圧室80内に油が供給されると、ピストン74はリターンスプリング82の付勢力に抗して他端部74c側へ移動させられ、接続側移動位置まで移動させられることにより、噛合式クラッチD1が接続される。この接続側移動位置は、ピストン74がシリンダカバー98に当接させられることによって規定される。ピストン74の外周面74aは、一端部74b側に小径外周部74a1が設けられており、一端部74bの径方向外側部74b1が底面76bに当接させられた原位置においても、その小径外周部74a1の周囲に油圧室80が形成されるようになっている。又、ピストン74の外周面74aには、断面が矩形の環状溝が設けられてゴム製のOリング78が嵌着されており、内周面76aの底面76b側との間が液蜜にシールされるようになっている。Oリング78は、ピストン74の外周面74aのうち軸方向の中央部分よりも他端部74c側へ片寄った位置(すなわち小径外周部74a1が形成されていない位置)に配設されている。
油圧サーボ装置62は、更に、シリンダ部76に設けられた油導入孔102を備えている。具体的には、シリンダ部76は、リターンスプリング82にてピストン74が付勢された状態(すなわちピストン74が原位置に保持された状態)でのOリング78の配設位置に対して油圧室80とは反対側の位置(すなわちスプリング室84側の位置)に油導入孔102が設けられている。油導入孔102は、通路88とスプリング室84とを連通するように、有底円筒形状のシリンダ部76の先端部に切欠状の溝が設けられることでシリンダカバー98との間に形成される。油導入孔102は、シリンダ部76の上部と下部とに設けられており、スプリング室84に通路88内の油を導入する。
油圧サーボ装置62は、ブリーザ室92に設けられて、リブ86の一部により保持される。つまり、油圧サーボ装置62のシリンダ部76及びシリンダカバー98は、油がスプリング室84に導入されるように、ブリーザ室92のリブ86の一部と一体化されている。
油圧サーボ装置62では、図2の破線矢印Aの油流れに示すように、プライマリプーリ66等によって掻き揚げられてブリーザ室入口92aから流入した油が通路88を通ってブリーザ室出口92bから流出する際に、その油の一部が油導入孔102からスプリング室84に導入される。スプリング室84内に導入された油は、ピストン74が移動させられる際に内周面76aに付着させられ、ピストン74が原位置から接続側移動位置へ向かって移動させられる際にも、内周面76aに付着した油によってOリング78が適切に潤滑される。
上述のように、本実施例によれば、スプリング室84に油を導入する油導入孔102がシリンダ部76に設けられた油圧サーボ装置62は、ブリーザ室92に設けられているので、ケース18の内部に配置された回転部材(例えばプライマリプーリ66等)によって掻き揚げられてブリーザ室92に流入する油が油導入孔102を通じてスプリング室84に導かれる。これにより、Oリング78とシリンダ部76の内周面76aとの摺動面に油が供給されるので、油圧サーボ装置62のピストン74に設けられたOリング78の耐久性低下を抑制することができる。加えて、油圧サーボ装置62は、ブリーザ室92のリブ86の一部により保持されるので、油圧サーボ装置62をケース18の内部に保持することでの重量増加を緩和することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、図2に示すように、シリンダ部76の下部に設けられた油導入孔102からスプリング室84に油が導入され、その油がシリンダ部76の上部に設けられた油導入孔102から導出される実施態様を例示したが、この態様に限らない。例えば、図2の油圧サーボ装置62をシリンダカバー98側から視たときの油導入孔102の形成位置での断面図である図4の実線矢印Bの油流れに示すように、油圧サーボ装置62では、プライマリプーリ66等によって掻き揚げられてブリーザ室入口92aから流入した油が通路88を通ってブリーザ室出口92bから流出する際に、シリンダ部76の上方位置に形成された通路88内を流れる油の一部が重力によりシリンダ部76の上部に設けられた油導入孔102内を流下してスプリング室84に導入され、その油がシリンダ部76の下部に設けられた油導入孔102から導出されても良い。このようにしても、スプリング室84内に導入された油は、ピストン74が移動させられる際に内周面76aに付着させられ、Oリング78が適切に潤滑される。
また、前述の実施例では、油を掻き揚げる回転部材としてプライマリプーリ66等を例示したが、この態様に限らない。例えば、油を掻き揚げる回転部材は、大径ギヤ、出力ギヤ52、又はデフギヤ38などのギヤでも良い。
また、前述の実施例では、油圧サーボ装置62は、噛合式クラッチD1の係合と解放とを切り替えたが、この態様に限らない。例えば、油圧サーボ装置は、バンドブレーキや単板式、多板式の摩擦クラッチ、摩擦ブレーキなどの摩擦係合装置、又は、シンクロメッシュ機構S1を備えない噛合式クラッチなどを駆動するものであっても良い。又、ピストン74の外周面74aに配設されるシール部材としてゴム等の弾性体製のOリング78を例示したが、Oリング78以外の弾性体製のシール部材を用いることもできる。
また、前述の実施例では、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を介して駆動輪14へ伝達する第1動力伝達経路PT1と、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を介して駆動輪14へ伝達する第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路を、入力軸22と出力軸30との間に並列に備えていたが、この態様に限らない。例えば、動力伝達装置は、入力軸と出力軸との間に駆動力源の動力を機械的に伝達する1つの動力伝達経路を備えるものであっても良い。このような動力伝達経路の一部は、例えば遊星歯車式の自動変速機、常時噛み合う複数対の変速ギヤを2軸間に備える公知の同期噛合型平行2軸式変速機であってアクチュエータにより噛合式クラッチの係合と解放とが制御されて変速段が自動的に切り替えられる同期噛合型平行2軸式自動変速機、その同期噛合型平行2軸式自動変速機であって入力軸を2系統備える公知のDCT(Dual Clutch Transmission)、又は無段変速機などで構成される。又、駆動力源としてエンジン12を例示したが、これに限らない。例えば、前記駆動力源は、電動機等の他の原動機を単独で或いはエンジン12と組み合わせて採用することもできる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
16:車両用動力伝達装置
18:ケース
62:油圧サーボ装置
66:プライマリプーリ(回転部材)
70:セカンダリプーリ(回転部材)
74:ピストン
74a:外周面
74b:一端部
74c:他端部
76:シリンダ部
76a:内周面
78:Oリング(シール部材)
80:油圧室
82:リターンスプリング
84:スプリング室
86:リブ(隔壁)
88:通路
90:ブリーザプラグ
92:ブリーザ室
102:油導入孔

Claims (1)

  1. ケースの内部に設けられたシリンダ部と、前記シリンダ部内に軸方向の移動可能に嵌合されたピストンと、前記ピストンの外周面に配設されて前記シリンダ部の内周面との間をシールする環状のシール部材と、前記シリンダ部と前記ピストンの一端部と前記シール部材との間に設けられた、前記ピストンを他端部側へ押圧する油圧が供給される油圧室と、前記ピストンの他端部に当接して前記ピストンを前記一端部側へ付勢するリターンスプリングが配設されたスプリング室とを有する油圧サーボ装置と、
    前記ケースの内部に配置された回転部材と、
    前記ケース内の上部において複数の隔壁によって迷路状に通路が設けられた構造を有して、ブリーザプラグを介して前記ケースの外部空間と連通すると共に、前記回転部材によって掻き揚げられた油が流入するブリーザ室と
    を、備えた車両用動力伝達装置であって、
    前記油圧サーボ装置は、前記リターンスプリングにて前記ピストンが付勢された状態での前記シール部材の配設位置に対して前記油圧室とは反対側の前記シリンダ部に設けられた、前記スプリング室に油を導入する油導入孔を備えており、
    前記油圧サーボ装置は、前記ブリーザ室に設けられて、前記隔壁の一部により保持されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
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