JP2017110671A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイドリップを有する密封装置が積み重ねられた状態で一方から他方の密封装置にグリスが転写することを防止する。【解決手段】円筒部11及びフランジ部12による断面L字形状を呈し、軸線xを中心とする環状の補強環10と、内周側に向かって凸のリップ先端部24を有するシールリップ21及びシールリップ21と背向するように延在したサイドリップ40を有し、補強環10を覆うように一体に取り付けられ、軸線xを中心とする環状の弾性体部20とを備え、補強環10は、少なくとも円筒部11又はフランジ部12に設けられた環状の突起部13を備え、密封装置1が軸線x方向に沿って複数積層されたとき、上方の密封装置1のサイドリップ40の外周面40bと、下方の密封装置1の突起部13の内周面13aとの第1の距離S1は、上方の密封装置1のサイドリップ40の内周面40aと、下方の密封装置1のシールリップ21の外周面21bとの第2の距離S2よりも小さくする。【選択図】図4

Description

本発明は、密封装置に関し、特に、自動車や汎用機械等の回転軸に使用される密封装置に関する。
従来から、デファレンシャルギアのサイドフランジのドライブシャフトには密封装置としてのオイルシールが用いられている(例えば、特許文献1参照。)。図7は、特許文献1と同様の構成を有する従来のオイルシール100の概略構成および保管時または搬送時等に梱包されたときのオイルシール1同士が積み重ねられた積層状態を示すための軸線xに沿う断面における断面図である。図7に示すように、従来のオイルシール100は、略断面L字形状を有する金属製の補強環101と、その補強環101と一体に形成された弾性体からなる弾性体部102とを備えている。
弾性体部102は、補強環101を外側から覆うように当該補強環101と一体的に形成されており、シールリップ103、ダストリップ104、およびサイドリップ105を備えている。
シールリップ103は、軸線xに近付く方向の内周側(矢印d方向)に向かって断面凸の楔形状からなる環状のリップ先端部103aを有し、当該リップ先端部103aがドライブシャフト等の図示しない回転軸の周面と接触し、シール機能を発揮する。ダストリップ104は、回転軸の周面と接触して大気側(矢印a方向)からダスト及び異物の侵入を防止する異物侵入防止機能を発揮する。
サイドリップ105は、ダストリップ104よりも大気側(矢印a方向)に配置され、図示しないダストカバー等の内周面に当接してダストリップ104の異物侵入防止機能を更に強化するものである。このサイドリップ105とダストカバー104との潤滑のために、サイドリップ105の内周面105aにはグリスGが塗布されている。
このようなサイドリップ105を備えたオイルシール100は、保管時または搬送時、軸線x方向に複数積み重ねられるが、その際、2つのオイルシール100が軸線x方向(積層方向)とは直交する径方向(矢印cd方向)に位置ずれの無い状態で積層される。この積層状態において、上方のオイルシール100と下方のオイルシール100とは、補強環101同士が重ねられるように積層されるため、補強環101を覆う弾性体部102の一部同士が接触し、その一部以外の部分は非接触となっている。
特開2007−225064号公報
しかしながら、搬送時等における振動の影響により、オイルシール100が径方向に移動すると、積層されているオイルシール100同士の径方向(矢印cd方向)における位置ずれSfが生じ、上方のオイルシール100のサイドリップ105の内周面105aと下方のオイルシール100のシールリップ103の外周面(背面側)とが接触することになる。
この場合、サイドリップ105の内周面105aには、グリスGが塗布されているため、そのグリスGがシールリップ103の外周面(背面側)やガータスプリング103bに転写してしまう。これにより、サイドリップ105に必要なグリスGの量が減り、シールリップ103の背面側に付着したグリスGにより下方に配置されたオイルシール100が外観不適合になることがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、サイドリップを有する密封装置において、積み重ねられた積層状態においてもサイドリップのグリスの転写が生じることのない密封装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、円筒状部分である円筒部および中空円盤状部分であるフランジ部による断面L字形状を呈し、軸線を中心とする環状の補強環と、内周側に向かって凸のリップ先端部を有するシールリップおよび当該シールリップと背向するように延在した部分からなるサイドリップを有し、前記補強環を覆うように一体に取り付けられ、前記軸線を中心とする弾性体からなる環状の弾性体部と、を備えた密封装置であって、前記補強環は、少なくとも前記円筒部の内周面または前記フランジ部の内面に設けられた環状の突起部を備え、前記密封装置が前記軸線方向に沿って複数積層されたとき、上方に位置する密封装置の前記サイドリップの外周面と、下方に位置する密封装置の前記突起部の内周面との第1の距離は、前記上方に位置する密封装置の前記サイドリップの内周面と、前記下方に位置する密封装置の前記シールリップの外周面との第2の距離よりも小さい、ことを特徴とする。
本発明に係る密封装置において、前記第1の距離は、0である場合を含むようにしてもよい。
本発明に係る密封装置において、前記突起部は、環状かつ等間隔の不連続に配置された複数の突起部分の集合であるようにしてもよい。
本発明に係る密封装置において、前記突起部は、環状に連続した段差部として前記補強環と一体に形成されているようにしてもよい。
本発明に係る密封装置において、前記突起部は、ゴム、樹脂または金属のリング状部材として前記補強環に固定されているようにしてもよい。
本発明に係る密封装置によれば、積み重ねられた積層状態においてもサイドリップのグリスの転写が生じることのない密封装置を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に対応した他の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置が積層された状態を示すための軸線に沿う断面における断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における一部拡大図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における一部拡大図である。 従来の密封装置の概略構成を示す軸線に沿う断面における断面図である。
以下、本発明の第1乃至第3の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示す外観斜視図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における断面図である。また、図3は、本発明の第1の実施の形態に対応した他の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における部分拡大断面図であり、図4は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置が積層された状態を示すための軸線に沿う断面における断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1は、自動車や汎用機械等において用いられる回転軸と、この回転軸が挿通される貫通穴を有する部材との間を密封するために用いられ、例えば、自動車のドライブシャフトと、このドライブシャフトが挿通される貫通穴を有するデファレンシャルギアのサイドフランジとの間を密封するために適用される。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a方向を外側とし、矢印b方向を内側とする。より具体的には、外側とは、非密封対象物の側であり、密封対象物が存在しないようにする大気側であり、内側とは密封対象物の側であり、オイル等の密封対象物に面する側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、これを「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
図1および図2に示すように、密封装置1は、軸線xを中心とする環状の金属製の補強環10と、軸線xを中心とする環状の弾性体から成る弾性体部20とを備える。弾性体部20は、補強環10に一体的に取り付けられている。補強環10の金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)である。弾性体部20の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造される。弾性体部20は、成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環10は成形型の中に配置され、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20が補強環10と一体的に成形される。
補強環10は、例えば、断面略L字状の形状を呈しており、軸線x方向に延びる円筒状の部分である円筒部11と、円筒部11の外側(矢印a方向)の端部から内周側(矢印d方向)に向かって広がる円環状の部分であるフランジ部12とを備える。
補強環10の円筒部11およびフランジ部12の双方に挟まれた断面L字の内側に相当する領域、すなわち、円筒部11の内周側(矢印d方向)の面(以下、これを「内周面」ともいう。)11aおよびフランジ部12の内側(矢印b方向)の面(以下、これを「内面」ともいう。)12aには、複数の突起部分13が補強環10と一体に設けられている。この突起部分13は、互いに一定の間隔を空けた状態で環状に均等配置された略直方体形状に形成されている。これら複数の突起部分13の集合により本願発明の環状の突起部が構成される。なお、突起部分13は、少なくとも3個以上設けられていれば、その数は任意であってよい。
この突起部分13は、例えば、補強環10の円筒部11およびフランジ部12を外周側(矢印c方向)および外側(矢印a方向)から部分的にプレス加工することにより、内周側(矢印d方向)および内側(矢印b方向)に凸状に突出されて当該補強環10と一体に形成される。この突起部分13は、径方向の幅w1および軸線x方向の高さh1に形成されている。
弾性体部20は、補強環10に取り付けられており、第1の実施の形態においては補強環10を外側及び外周側から覆うように当該補強環10と一体的に成形されている。弾性体部20は、シールリップ21と、ダストリップ22と、リップ腰部23と、サイドリップ40とを備える。
図2に示すように、リップ腰部23は、弾性体部20において、補強環10のフランジ部12における内周側(矢印d方向)の端部の近傍に位置する部分である。シールリップ21は、リップ腰部23から内側(矢印b方向)に向かって延びる部分であり、補強環10の円筒部11に対向して配置されている。ダストリップ22は、リップ腰部23から外側(矢印a方向)に向かうとともに軸線xに沿って延びている。サイドリップ40は、リップ腰部23からシールリップ21と背向した方向に延びる部分であり、ダストリップ22よりも外周側(矢印c方向)に位置し、当該ダストリップ22よりも外側(矢印a方向)に突出している。
シールリップ21は、内側(矢印b方向)の端部に、軸線xに沿う断面の形状(以下、断面形状ともいう。)が内周側(矢印d方向)に向かって凸の楔形状の環状のリップ先端部24を有している。リップ先端部24は、リップ先端25を介して接続されている、密封対象物側(内側)の環状の密封側面26と、非密封対象物側(外側又は大気側)の環状の大気側面27とにより画成されている。密封側面26は、軸線x方向において内側(矢印b方向)に向かうに連れて拡径する円錐面状のテーパ面であり、大気側面27は、軸線x方向において外側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐面状のテーパ面である。密封側面26と大気側面27とは互いに小径側で交わっており、この交わる部分においてリップ先端25が形成されている。リップ先端25は、軸線xに直交する断面において軸線xを中心とする円を描いており、リップ先端部24において最も内周側に位置する。リップ先端部24は、使用状態において、リップ先端25の近傍が、図示しない回転軸の外周面が摺動可能なように、この外周面に密接して接触するように形成されており、回転軸が挿通される貫通穴を密封するようになっている。
また、シールリップ21の外周側(矢印c方向)には、リップ先端部24に背向して、ガータスプリング28が嵌着されている。ガータスプリング28は、シールリップ21のリップ先端部24を径方向において内周側(矢印d方向)に付勢し、回転軸に対する所定の大きさの緊迫力をリップ先端部24に与えている。
ダストリップ22は、リップ腰部23から延びる部位であり、外側(矢印a方向)且つ内周側(矢印d方向)に延出している。ダストリップ22により、密封装置1の使用状態におけるリップ先端部24方向への、泥水や砂、ダスト等の異物の進入の防止が図られている。
サイドリップ40は、シールリップ21に背向して、リップ腰部23から伸びる部位であり、外側(矢印a方向)および外周側(矢印c方向)に延出している。このサイドリップ40は、密封装置1の使用状態において、図示しないダストカバーの内周面に当接してダストリップ22の異物侵入防止機能を強化するものであり、ダストカバーとの潤滑のためにサイドリップ40の内周面40aに所定量のグリスGが塗布されている。
サイドリップ40は、内周面40a、および、外周側(矢印c方向)の面(以下、これを「外周面」ともいう。)40bを有する。このサイドリップ40の外周面40bは、補強環10に設けられた突起部分13の内周面13aと面接触する部分である。サイドリップ40の外周面40bと、補強環10の突起部分13における内周面13aとの間は、径方向において第1の距離S1だけ離間されている。なお、図3に示すように、第1の距離s1は、0(ゼロ)すなわちサイドリップ40の外周面40bと、補強環10の突起部分13における内周面13aとが接触していてもよい。
また、弾性体部20は、後方カバー29と、ガスケット部30とを備える。後方カバー29は、補強環10のフランジ部12を外側(矢印a方向)から覆い、ガスケット部30は、補強環10の円筒部11を外周側(矢印c方向)から覆っている。ガスケット部30は、補強環10の円筒部11のうち突起部分13と径方向(矢印cd方向)において対応する肉厚部分と、突起部分13と突起部分13との間の当該突起部分13が存在しない薄肉部分とを有している。ガスケット部30は、回転軸が挿通される図示しない部材の貫通穴に密封装置1が圧入された際、この貫通穴と補強環10の円筒部11との間において径方向に圧縮されて、径方向外側に向かう力である嵌合力を所定の大きさ発生するように、径方向の厚さが設定されている。
密封装置1は、図4に示すように、保管時や搬送時、軸線x方向に沿って複数積み重ねられるが、当初、下方に配置される密封装置1とその上方に配置される密封装置1との位置関係は径方向(矢印cd方向)にずれ(以下、これを「横ずれ」ともいう。)の無い状態にある。すなわち、下方に配置された密封装置1の弾性体部20のガスケット部30の上に、上方に配置されるべき密封装置1の弾性体部20のガスケット部30が重ねられる。なお、図4では、説明の便宜上、2つの密封装置1が積層された状態を示しているが、これに限るものではなく、実際には少なくとも2つ以上の密封装置1が積層される。
このとき、図4に示すように、下方に配置された密封装置1のフランジ部12の内面12aから、上方に配置された密封装置1のサイドリップ40の先端部までの軸線x方向に沿った距離Ds1は、突起部分13の軸線x方向に沿った高さh1よりも小さく設定されており、h1>Ds1の関係を満たしている。すなわち、下方の密封装置1の突起部分13と上方の密封装置1のサイドリップ40の外周面40bとが必ず対向して配置されるように、突起部分13とサイドリップ40との位置関係が構築されている。
また、下方に配置された密封装置1のシールリップ21の外周面21bと、上方に配置された密封装置1のサイドリップ40の内周面40aとの間は、径方向において第2の距離S2だけ離間されている。サイドリップ40の外周面40bと、補強環10の突起部分13の内周面13aとの径方向における第1の距離S1は、この第2の距離S2よりも小さく形成されており、S1<S2の関係を満たしている。
以上の構成において、密封装置1は補強環10に対して一定の間隔ごとに均等配置された複数の突起部分13からなる突起部を備えるようにした。これにより、密封装置1が軸線x方向に沿って複数積層され、上方に配置された密封装置1におけるサイドリップ40が下方に配置された密封装置1における補強環10の円筒部11の内周面11aとシールリップ21の外周面21bとの間に収納されたとき、突起部分13とサイドリップ40との第1の距離S1がサイドリップ40とシールリップ21との第2の距離S2よりも小さくなる。
このため、密封装置1に横ずれが生じた場合、下方に配置された密封装置1における突起部分13の内周面13aと、上方に配置された密封装置1におけるサイドリップ40の外周面40bとが必ず先に当接されるので、当該上方の密封装置1におけるサイドリップ40の内周面40aと、当該下方の密封装置1におけるシールリップ21の外周面21bおよびガータスプリング28とが接触しない。
これにより、上方の密封装置1におけるサイドリップ40の内周面40aに塗布されているグリスGが下方の密封装置1におけるシールリップ21の外周面21bおよびガータスプリング28に転写されることを未然に防止することができる。
また、下方に配置された密封装置1における突起部分13の内周面13aと、上方に配置された密封装置1におけるサイドリップ40の外周面40bとが必ず先に当接されるので、密封装置1の径方向における移動量が第1の隙間S1の範囲に抑制されることになり、積層状態における密封装置1同士の横ずれが低減する。
さらに、サイドリップ40の外周面40bと、補強環10の突起部分13における内周面13aとの第1の距離S1が0(ゼロ)である場合には、上方に配置された密封装置1と下方に配置された密封装置1との間にはそもそも横ずれが生じないため、上方の密封装置1におけるサイドリップ40のグリスGが下方の密封装置1のシールリップ21に転写されることを未然に防止することができる。
さらに、密封装置1の補強環10に設けられた複数の突起部分13は、補強環10の円筒部11およびフランジ部12が塑性変形された一部分であり、別個に設けた別部品ではないため、密封装置1としては構成部品や密封装置1自体の重量が増大することがなく、簡易な構成により実現することができる。なお、突起部分13と突起部分13との間の当該突起部分13が存在しないガスケット部30の薄肉部分においては、その薄肉部分に対応する補強環10の円筒部11と、図示しないハウジングの内周面とが強固に嵌合されることになる。このため、突起部分13が環状に連続して設けられている場合よりも、ハウジングに対して密封装置1を安定して固定し得、かくして、ハウジングに対する密封装置1の位置ずれや抜けを低減することができる。
以上の構成によれば、密封装置1は補強環10に対して互いに一定の間隔を空けた状態で環状に均等配置された複数の突起部分13を設けたことにより、軸線xに沿って積み重ねられた積層状態において、上方の密封装置1のグリスGが下方の密封装置1に対して転写することを未然に防止することができる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置50の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における一部拡大図である。なお、第2の実施の形態において、図1乃至図4に示された第1の実施の形態におけるシールリップ21、ダストリップ22、リップ腰部23およびサイドリップ40と同一の構成要素には同一の符号を用い、共通の構成要素および作用効果についての説明は省略する。
第2の実施の形態における密封装置50は、第1の実施の形態における補強環10に代えて補強環60を用いた点が大きな相違点である。この補強環60は、第1の実施の形態における補強環10と同様に、円筒部11およびフランジ部12を有するが、円筒部11の外側(矢印a方向)の端部が内周側(矢印d方向)に折り曲げられ、フランジ部12の外周側(矢印c方向)の端部が内側(矢印b方向)に折り曲げられてなる環状に連続した段差部63が一体に形成されている。
本発明の突起部としての段差部63は、その断面形状が直方体形状を呈し、第1の実施の形態における突起部分13と同様、径方向の幅w1および軸線x方向の高さh1に形成されている。段差部63の幅w1は、円筒部11の内周面11aから段差部63の内周面63aまでの距離であり、段差部63の高さh1は、フランジ部12の内面12aから段差部63の内面63bまでの距離である。なお、段差部63においても、第1の実施の形態における突起部分13と同様に、補強環10の円筒部11およびフランジ部12を外周側(矢印c方向)および外側(矢印a方向)から全体的にプレス加工することにより形成される。
この場合も、第1の実施の形態と同様に、サイドリップ40の外周面40bと、補強環10の段差部63における内周面63aとの間は、径方向において第1の距離S1だけ離間されている。また、下方に配置された密封装置1のシールリップ21の外周面21bと、上方に配置された密封装置1のサイドリップ40の内周面40aとの間は、径方向において第2の距離S2(図4)だけ離間されている。
このような構成の密封装置50においても、補強環60に段差部63を設けたことにより、第1の実施の形態と同様に、積み重ねられた積層状態で横ずれが生じた場合であっても、上方の密封装置50のグリスGが下方の密封装置50に対して転写することを未然に防止することができる。
<第3の実施の形態>
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置について説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線に沿う断面における一部拡大図である。なお、第3の実施の形態においても、図1乃至図4に示された第1の実施の形態におけるシールリップ21、ダストリップ22、リップ腰部23およびサイドリップ40と同一の構成要素には同一の符号を用い、共通の構成要素および作用効果についての説明は省略する。
第3の実施の形態における密封装置70は、第1の実施の形態における補強環10の円筒部11およびフランジ部12に、突起部分13の代わりに、円環状の樹脂や金属等からなる断面長方形状のリング状部材80が嵌合固定されている点が大きな相違点である。すなわち、この場合のガスケット部30は、突起部分13が存在しない。このため、ガスケット部30のうち補強環10の円筒部11を覆う部分は、全て薄肉部分となる。
突起部としてのリング状部材80は、第1の実施の形態における突起部分13と同様、その断面形状が直方体形状を呈し、径方向の幅w1および軸線x方向の高さh1に形成されている。リング状部材80の幅w1は、円筒部11の内周面11aからリング状部材80の内周面80aまでの距離であり、リング部80の高さh1は、フランジ部12の内面12aからリング部80の内面80bまでの距離である。
この場合も、第1の実施の形態と同様に、サイドリップ40の外周面40bと、補強環10のリング部80における内周面80aとの間は、径方向において第1の距離S1だけ離間されている。また、下方に配置された密封装置1のシールリップ21の外周面21bと、上方に配置された密封装置1のサイドリップ40の内周面40aとの間は、径方向において第2の距離S2(図4)だけ離間されている。
このような構成の密封装置70においても、補強環10にリング部80を設けたことにより、第1の実施の形態と同様に、積み重ねられた積層状態で横ずれが生じた場合であっても、上方の密封装置70のグリスGが下方の密封装置70に対して転写することを未然に防止することができる。なお、密封装置70は、第1の実施の形態のように突起部分13が形成されていないため、薄肉部分に対応する補強環10の円筒部11と、図示しないハウジングの内周面とが全周にわたって強固に嵌合されることになる。このため、第1の実施の形態よりも、ハウジングに対して密封装置70を更に安定して固定し得、かくして、ハウジングに対する密封装置70の位置ずれや抜けを低減することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した第1の実施の形態においては、複数の突起部分13を補強環10の円筒部11およびフランジ部12と一体に複数設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の距離S1および第2の距離S2を確保することができれば、突起部分13を補強環10の円筒部11の内周面11aまたはフランジ部12の内面12aの何れか一方と一体に複数設けるようにしてもよい。
また、上述した第1の実施の形態においては、複数の突起部分13を補強環10と一体に複数設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の距離S1および第2の距離S2を確保することができれば、突起部分13の代わりに、補強環10とは別個に設けられた複数の突起部を少なくとも円筒部11の内周面11aまたはフランジ部12の内面12aの何れか一方に対してのみ、互いに一定の間隔を空けた状態で均等に配置して固定するようにしてもよい。補強環10と別個設けられる突起部は、ゴム等の弾性体、樹脂、または金属等により構成することができる。
さらに、上述した第3の実施の形態においては、補強環10の円筒部11およびフランジ部12に対して、断面長方形状のリング状部材80を嵌合固定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の距離S1および第2の距離S2を確保することができれば、リング状部材80を少なくとも円筒部11またはフランジ部12の何れか一方に対してのみ固定するようにしてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記の第1乃至第3の実施の形態に係る密封装置1、50、70に限定されるものではなく、本発明の概念および特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題および効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
また、本発明の実施の形態に係る密封装置1、50、70、100は、自動車のドライブシャフトと、このドライブシャフトが挿通される貫通穴を有するデファレンシャルギアのサイドフランジとの間を密封する用途において用いられるものとしたが、本発明に係る密封装置は、これに限られるものではなく、同種の機構、一般機産業機械や農業機械、建築機械等の各種汎用機械においても適用することができる。
1、50、70、100 密封装置
10 補強環
11 円筒部
12 フランジ部
13 突起部分(突起部)
20 弾性体部
21 シールリップ
22 ダストリップ
23 リップ腰部
24 リップ先端部
25 リップ先端
26 密封側面
27 大気側面
28 ガータスプリング
29 後方カバー
30 ガスケット部
40 サイドリップ
40a 内周面
40b 外周面
63 段差部(突起部)
80 リング状部材(突起部)
x 軸線
G グリス
W1 幅
h1 高さ
Ds1 距離
S1 第1の距離
S2 第2の距離

Claims (5)

  1. 円筒状部分である円筒部および中空円盤状部分であるフランジ部による断面L字を呈し、軸線を中心とする環状の補強環と、
    内周側に向かって凸のリップ先端部を有するシールリップおよび当該シールリップと背向するように延在した部分からなるサイドリップを有し、前記補強環を覆うように一体に取り付けられ、前記軸線を中心とする弾性体からなる環状の弾性体部と、を備えた密封装置であって、
    前記補強環は、少なくとも前記円筒部の内周面または前記フランジ部の内面に設けられた環状の突起部を備え、
    前記密封装置が前記軸線方向に沿って複数積層されたとき、上方に位置する密封装置の前記サイドリップの外周面と、下方に位置する密封装置の前記突起部の内周面との第1の距離は、前記上方に位置する密封装置の前記サイドリップの内周面と、前記下方に位置する密封装置の前記シールリップの外周面との第2の距離よりも小さい
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記第1の距離は、0である場合を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記突起部は、環状かつ等間隔の不連続に配置された複数の突起部分の集合である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
  4. 前記突起部は、環状に連続した段差部として前記補強環と一体に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
  5. 前記突起部は、ゴム、樹脂または金属のリング状部材として前記補強環に固定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
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