JP2017110139A - 枠練り透明固形石鹸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を提供する。【解決手段】 脂肪酸塩を主成分とする石鹸であって、(A)ミリスチルアルコールを0.5以上、3,0質量%未満と、(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.0001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする枠練り透明固形石鹸。【選択図】 なし

Description

本発明は、枠練り透明固形石鹸、特に枠練り透明固形石鹸の泡質の改良に関する。
一般に、脂肪族高級アルコールを配合することにより、石鹸の硬度が上昇したり、泡のクリーミーさが上昇したり、使用後の肌の滑らか感が向上することが知られている(非特許文献1)。
しかし、泡がクリーミーであっても、泡の伸びと拡がりが不十分であったり、肌当たりには改善の余地があった。
また、石鹸の硬度を維持しつつ、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を得ることは知られていなかった。
新化粧品学 第2版 (光井武夫編)489頁〜492頁
本発明は前記従来技術に鑑み行われたものであり、その解決すべき課題は、石鹸の硬度を維持しつつ、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を提供することにある。
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、脂肪酸塩を主成分とする石鹸に、(A)ミリスチルアルコールおよび、(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを加えると、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる枠練り透明固形石鹸は、脂肪酸塩を主成分とする石鹸であって
(A)ミリスチルアルコールを0.5質量%以上、3.0質量%未満と、
(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる枠練り透明固形石鹸は、脂肪酸塩を20〜70質量%含む石鹸であって
(A)ミリスチルアルコールを1.0質量%以上、3,0質量%未満と、
(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる枠練り透明固形石鹸は、脂肪酸塩を22〜68質量%及び非イオン性界面活性剤1〜15質量%及び両性界面活性剤を1〜15質量%を含む石鹸であって
(A)ミリスチルアルコールを0.5質量%以上、3.0質量%未満と、
(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を得ることができる。
本発明の特徴的な泡質を示す写真である(試験例10−4の枠練り固形石鹸の泡)。 本発明の特徴的な泡質でない泡質を示す写真である(試験例3−3の枠練り固形石鹸の泡)。
(A)ミリスチルアルコール
本発明は、ミリスチルアルコールを必須とする。
また、ミリスチルアルコールの配合量が、1.0質量%以上、3.0質量%未満であると好ましい。1.0質量%未満であると、泡硬度が高い点で好ましくない。また、3.0 質量%以上であると、石鹸の表面に白い結晶が生じるため、石鹸の外観が優れない点で好ましくない。
また、脂肪酸塩に加えて、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤を加えた場合、ミリスチルアルコールの配合量が、0.5質量%以上、3,0質量%未満であると好ましい。0.5質量%未満であると、泡硬度が高い点で好ましくない。また、3.0質量%以上であると、石鹸の表面に白い結晶が生じるため、石鹸の外観が優れない点で好ましくない。
ミリスチルアルコールとしては、市販品では、ハイノール 14SS;高級アルコール工業(株)社製、NAA-43;日油(株)社製等が挙げられる。
(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロース
本発明に用いるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、脂肪酸石鹸の泡の流動性を向上するために用いられる。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量が、0.001〜0.025質量%であると、泡の流動性が高い点で好ましく、さらに、0.001〜0.01質量%であるとより好ましい。0.001質量%未満であると、泡の流動性が低く、滑らかな感触をした特徴的な泡質が得られない点で好ましくない。また、0.025質量%を超えると、外観が優れない点で好ましくない。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、天然に広く分布するセルロース(パルプ)を原料とし、これを苛性ソーダで処理した後、塩化メチル、酸化プロピレンあるいは酸化エチレン等のエーテル化剤と反応させて得られる非イオン性の水溶性セルロースエーテルである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、下記一般式(1)で表される。
nは、70〜1000である。
上記式(1)中、ORは、ヒドロキシ基(−OH)、メトキシ基(−OCH3)、ヒドロキシプロポキシ基(−OCH2CHOCH3)のいずれかである。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースの市販品では、メトローズ60SH−50;信越化学工業社製、メトローズ65SH−50;信越化学工業社製、メトローズ90SH−100;信越化学工業社製等が挙げられる。
ここで、本発明に用いる脂肪酸塩の用いる脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。また、その対イオンとしては、Na、Kなどの陽イオン、TEAなどの有機アミンや塩基性アミノ酸が挙げられる。
脂肪酸塩の配合量は、20〜70質量%であると、透明性の維持、品質面で問題の少ない点で好ましく、さらに、25質量%〜40質量%であると、透明性の維持、適切な洗浄力である点でより好ましい。20質量%未満であると、長期保存すると溶解、また透明石鹸においては透明性が低下して商品価値を損なう恐れがある。また洗浄力が低下する恐れがある点で好ましくない。また、70質量%を超えると、透明性の低下や使用後につっぱり感を感じる点で好ましくない。

脂肪酸塩の市販品では、ラウリン酸;新日本理化社製、ハイマリックMKH(R);高級アルコール工業(株)社製、オレイン酸;Acid chem社製等が挙げられる。
また、上記脂肪酸塩の一部を、非イオン界面活性剤および両性界面活性剤に置き換えて用いることもできる。
親油性非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン性界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
これらの非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられ、使用性の向上、溶けべりの低減、可溶化力の向上という理由で、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましく用いられる。
非イオン界面活性剤の配合量は、1〜15質量%であると、使用性の向上、溶けべりの低減の点で好ましく、さらに、4質量%〜8質量%であると、使用性の向上、溶けべりの低減の点で、より好ましい。1質量%未満であると、溶けべりが大きくなり石鹸硬度が低下する点で好ましくない。また、15質量%より大きいと、使用感の低下する点で好ましくない
非イオン界面活性剤の市販品では、パイオニンD-260KZ;竹本油脂(株)社製、パイオニンD-230KZ社製;竹本油脂(株)、プランタレン2000UP;BASFジャパン(株)社製等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アミドプロピルベタイン類(例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン等);アミドスルホベタイン類(ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等);アミドアミンオキシド類(ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド等);カルボベタイン類(例えば、ヒドロキシアルキル(C12−14)ヒドロキシエチルメチルグリシン等)が挙げられる。
これらの両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヒドロキシエチルメチルグリシン等が挙げられ、使用性の向上、溶けべりの低減という理由で、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましく用いられる。
両性界面活性剤の配合量は、1〜15質量%であると、きしみ感の低減、石鹸硬度の向上、溶けべりの低減する点で好ましく、さらに、4質量%〜8質量%であると、きしみ感の低減、石鹸硬度の向上、溶けべりの低減する点で、より好ましい。1質量%未満であると、溶けべりが大きくなり石鹸硬度が低下する点で好ましくない。また、15質量%より大きいと、使用後にべたつき感を生じたり長期保存すると表面が褐色に変色して商品価値を損なうおそれがある点で好ましくない
両性界面活性剤の市販品では、ソフタゾリンLHL-SF;川研ファインケミカル(株)社製、レボン2000−SF;三洋化成工業(株)社製、アノンBDF-SF;日油(株)社製等が挙げられる。
また、本発明に係る枠練り透明固形石鹸には、その他の各種界面活性剤を本発明の効果を損ねない範囲で配合してもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
本発明に用いられる保湿剤としては、マルチトール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、砂糖、ソルビトール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ポリオキシエチレンアルキルグルコシドエーテル、トリメチルグリシン等が挙げられる。これらの保湿剤は1種または、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明において、前記以外の添加剤として、上記した作用を損なわない範囲内で、次のような成分を任意に配合することができる。この任意成分としては、トリクロロカルバニリド、ヒノキチオール等の殺菌剤;グリチルリチン酸ジカリウム等の薬剤;油分;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;オオバコエキス、レシチン、サポニン、アロエ、オオバク、カミツレ等の天然抽出物;上記以外の水溶性高分子;酸化チタン等の不透明化剤;乳酸エステル等の使用性向上剤等である。
また、本発明にかかる枠練り透明固形石鹸にキレート剤を用いる場合には、エデト酸三ナトリウムや、エチドロン酸4ナトリウムなどが好適に例示され、さらに好ましくは、エデト酸三ナトリウムや、エチドロン酸4ナトリウムである。配合量としては、0.001〜1.0質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.5質量%である。上記キレート剤の配合量が0.001質量%より少ない場合は、キレート効果が不十分となり、経時で黄変等の不都合を生じ、1.0質量%より多いと皮膚への刺激が強くなり、好ましくない。
ここで、本発明における特徴的な泡質とは、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触の泡質をいう(図1)。
ここで、このような泡の特性について、泡硬度、泡密着、泡数、平均泡粒径について試験を行った。しかし、本発明にかかる固形石鹸に近い泡硬度、泡密着、泡数、平均泡粒径を有するにも関わらず、本発明における特徴的な泡質を有さない石鹸が存在することが分かった(図2)。
そこで、本発明の特徴的な泡質を数値化するめに、新たな測定方法を模索した。
ここで、本発明の特徴的な泡質を有するためには、泡の流動性が高いことが重要であることが分かった。
ここで、泡の流動性とは、一定時間内に流れ落ちる泡の重量である。この泡の重量が重いほど、泡の流動性が高いこととした。
つまり、本発明における特徴的な泡質を有するためには、泡硬度、泡密着、泡数、平均泡粒径、泡の流動性の測定値によって表されることが分かった。
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。試料の配合量は特に記載のない限り質量%である。なお、本発明で用いた評価方法は次の通りである。
泡硬度は、攪拌機にて泡立てた泡をシャーレに入れてレオメーター(アダプタ40mmφ、荷重200g)にて圧縮応力を2回測定して、その平均値をもとに評価した。
泡密着は、攪拌機にて泡立てた泡をシャーレに入れてレオメーター(アダプタ40mmφ、荷重200g)に泡を接触、その後、引っ張り応力を2回測定してその平均値をもとに評価した。
泡数は、攪拌機にて泡立てた泡を断面積1cm×1cmの透明セルに入れてマイクロスコープにて0.552mm中の泡数を3回測定して、その平均値をもとに評価。
平均泡粒径は、攪拌機にて泡立てた泡を断面積1cm×1cmの透明セルに入れてマイクロスコープにて0.552mm中の泡粒径(μm)を3回測定して求めた。その平均値をもとに平均泡粒径を求めた。
泡の流動性は、攪拌機にて泡立てた泡を漏斗に流し込み、一定時間内に流れ落ちる泡の重量を3回測定して、その平均値を求めて泡の流動性を評価した。
外観については、枠練り方式にて、枠に石鹸を流し込み冷却固化後、枠抜機により石鹸を取り出した際の目視観察により評価した。
○: 透明均一
△: 透明不均一(微結晶析出)
×: 透明不均一(結晶大量に析出)
臭いは、調製した試料を、専門パネラー6名が使用中の泡の匂いを確認して評価した。
○:異臭が無い
×:異臭が強い
本発明における特徴的な泡質についての総合評価は、おもに、泡硬度、泡密着、泡の流動性に基づき評価を行った。
泡硬度については、C(30以下)、B(25以下)、A(20以下)
泡密着については、C(15以下)、B(10以下)、A(5.0以下)
泡の流動性については、C(5以上)、B(10以上)、A(12以上)
◎:特徴的な流動性のある泡質となる
○:やや特徴的な流動性のある泡質となる
△:特徴的な泡質とならない
上記(A)〜(B)成分とその他の成分を溶解釜にて、加熱溶解させる。そして、溶解釜から、溶解した石鹸液をポンプを通じて、複数本の有底筒状冷却枠を有した冷却容器の冷却枠に注入し、冷却・固化する。そして、冷却枠より棒状石鹸(素地棒)を取り出し、切断、熟成、型打ちすることにより、枠練り透明固形石鹸を得た。
まず、本発明者らは、配合する高級アルコールの種類について検討した。
(*1):サボンドールGP-9S:(日油社製)
試験例1−1〜試験例1−7から分かるように、試験例1−3〜1−5において、泡硬度の著しい低下が見られた。
しかし、試験例1−2〜試験例1−4から分かるように、異臭が強いため、固形石鹸に、用いることが困難であった。
したがって、泡硬度、臭いの点で、本発明にかかる固形石鹸には、ミリスチルアルコールが必須であることが分かった。
次に、本発明者は、(A)ミリスチルアルコールの配合量について、検討した。
これらの試験例2−1〜2−5より、ミリスチルアルコールが、1.0以上、3,0質量%未満であると、泡硬度が低下し、臭いと外観に優れた固形石鹸が得られることがわかった。
さらに、本発明者は、脂肪酸塩に、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤を加えた系についても検討した。
(*2):レボンHSA−3(P):(三洋化成工業社製)
(*3):ソフタゾリンLHL-SF:(川研ファインケミカル社製)
(*4):パイオニンD-260-KZ:(竹本油脂社製)
(*5):アミノコート:(日本甜菜製糖社製)
これらの試験例3−1〜3−7より、ミリスチルアルコールが、0.5質量%以上、3,0質量%未満であると、泡硬度が低下し、臭いと外観に優れた固形石鹸が得られることがわかった。
次に、本発明者は、優れた外観を維持しつつ、様々な水溶性高分子を加えて泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質が得ることができないかと検討した。
(*6)ポリオックスWSR−301:(ダウ・ケミカル社製)
(*7)アロンビスS:(日本純薬社製)
(*8)ナトロゾール250LR:(HERCULES社製)
(*9)メトローズ60SH−50:(信越化学工業社製)
(*10)カチナールCG−100:(東邦化学工業社製)
これらの試験結果より、水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであると、外観に優れ、泡硬度が低く、泡の流動性に優れた固形石鹸が得られることがわかった。
さらに、本発明者は、脂肪酸塩に、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤を加えた系についても水溶性高分子の配合について検討した。
(*11)カチナールPC−100:(東邦化学工業社製)
これらの試験結果より、水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロースであると、外観に優れ、泡硬度が低く、泡の流動性に優れた固形石鹸が得られることがわかった。
また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの配合量が、0.005〜0.01質量%であると、外観に優れ、泡硬度が低く、泡の流動性に優れた固形石鹸が得られることがわかった。
次に、(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースについて、さらに検討した。
(*12)メトローズ60SH−50;信越化学工業社製
式(I)中、メトキシ基の割合は28.0〜30.0%、ヒドロキシプロポキシ基の割合は7.0〜12.0%である。
(*13):メトローズ65SH−50;信越化学工業社製
式(I)中、メトキシ基の割合は、27.0〜30.0%、ヒドロキシプロポキシ基の割合は4.0〜7.5%である。
(*14):メトローズ90SH−100:(信越化学工業社製)
式(I)中、メトキシ基の割合は22.0〜24.0%、ヒドロキシプロポキシ基の割合は8.5〜10.5%である。
これらの試験結果より、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、0.001〜0.025質量%、さらに好ましくは、0.001〜0.01質量%であると、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を得ることができると分かった。
さらに、本発明者は、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤を加えた系についても検討した。
これらの試験結果より、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤を加えた系においても、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、0.001〜0.025質量%であると、泡の伸びと拡がりに優れ、肌当たりが良く、滑らかな感触をした特徴的な泡質を有する枠練り透明固形石鹸を得ることができると分かった。

Claims (3)

  1. 脂肪酸塩を主成分とする石鹸であって
    (A)ミリスチルアルコールを0.5質量%以上、3.0質量%未満と、
    (B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする枠練り透明固形石鹸。
  2. 脂肪酸塩を20〜70質量%含む石鹸であって
    (A)ミリスチルアルコールを1.0質量%以上、3,0質量%未満と、
    (B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする枠練り透明固形石鹸。
  3. 脂肪酸塩を22〜68質量%及び非イオン性界面活性剤1〜15質量%及び両性界面活性剤を1〜15質量%を含む石鹸であって
    (A)ミリスチルアルコールを0.5質量%以上、3.0質量%未満と、
    (B)ヒドロキシプロピルメチルセルロースを0.001〜0.025質量%と、を含むことを特徴とする枠練り透明固形石鹸。
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