JP2017110089A - 電気絶縁用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐クラック性が高く、高熱伝導性を有し、成形の際の粘度が低い電気絶縁用樹脂組成物を提供する。【解決手段】エステル結合を有する樹脂1と、シリカフィラーと、を含む電気絶縁用樹脂組成物であって、シリカフィラーは、破砕結晶質シリカ2及び溶融シリカ3を含み、次の数値限定を有する。1)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の65質量%以上75質量%未満であり、シリカフィラーのうち溶融シリカ3の割合は、45〜50質量%である。2)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の75質量%以上80質量%未満であり、シリカフィラーのうち溶融シリカ3の割合は、35〜40質量%である。3)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の80質量%以上であり、シリカフィラーのうち溶融シリカ3の割合は、30〜40質量%である。【選択図】図1

Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物に関する。
近年、高い耐電圧性能が要求される受変電設備その他の電気機器の絶縁に用いる樹脂組成物(電気絶縁用樹脂組成物)については、高機能化、高性能化等を目指して様々な添加物を樹脂中に混在させる手法が採られている。また、樹脂の耐クラック性と電気絶縁用樹脂組成物としての特性との両立が長年の課題となっている。
溶融シリカと結晶質シリカとの混合比について記載のある公知例は多く知られている。
特許文献1には、球状溶融シリカ及び破砕溶融シリカを含むモールドコイル含浸注形用エポキシ樹脂組成物(表1の比較例2)が開示されている。
特開2010−100726号公報
特許文献1においては、樹脂中に含有されるシリカフィラーとして球状溶融シリカが含まれることを述べており、また、球状溶融シリカ以外のシリカ粒子を用いることもできるとの記載がある。
樹脂中にシリカを導入すると、線膨脹係数の調整や粘度の調整が可能となるほか、熱伝導率を向上させることが可能となる。このような事実はよく知られている。また、シリカの形状(球状あるいは不定形)、形態(ガラス状態の溶融シリカ又は結晶質シリカ)によって樹脂の性質が変化することも知られている。しかしながら、金属およびセラミックスなど複数の素材が存在する環境で耐クラック性を向上させるにはどのような条件にしたら良いかは明確ではなく、また、そのような視点でのフィラー混合比を権利として主張するものはない。また、セラミックおよび金属類を含む部品をモールドした電気絶縁用樹脂組成物において、耐クラック性能を極大化させるフィラー構成を提供するものはない。
本発明は、耐クラック性が高く、高熱伝導性を有し、成形の際の粘度が低い電気絶縁用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、エステル結合を有する樹脂と、シリカフィラーと、を含む樹脂組成物であって、シリカフィラーは、破砕結晶質シリカ及び溶融シリカを含み、次の数値限定を有する。
1)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の65質量%以上75質量%未満であり、シリカフィラーのうち溶融シリカの割合は、45〜50質量%である。
2)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の75質量%以上80質量%未満であり、シリカフィラーのうち溶融シリカの割合は、35〜40質量%である。
3)シリカフィラーは、樹脂組成物全体の80質量%以上であり、シリカフィラーのうち溶融シリカの割合は、30〜40質量%である。
本発明によれば、耐クラック性が高く、高熱伝導性を有し、成形の際の粘度が低い電気絶縁用樹脂組成物を提供することができる。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物の内部構成を示す模式図である。 複数種類の部材をモールドした状態を示す模式図である。 本発明で用いたエポキシプレポリマーの構造式である。 本発明で用いた硬化剤の構造式である。
本発明者は、新たな事実として、樹脂組成物に溶融シリカと破砕結晶質シリカとをある規定の比率で導入することにより、耐クラック性を極めて高められることを見出した。
従来は、単に線膨脹係数の低下と熱伝導率の向上とを狙って、樹脂組成物に結晶質シリカと溶融シリカとを混合して用いることが行われてきたが、両者の混合比がある範囲において極大化することを指摘した文献等はない。
本発明は、後述するように、導入するシリカ(以下「シリカフィラー」又は単に「シリカ」という。)の好ましい比率が、樹脂への導入量によって変化するという知見に基くものである。すなわち、シリカフィラーの比率は、樹脂材料の全質量に対し、65〜75質量%では、全シリカ質量に対して溶融シリカの比率が45〜50質量%が好ましい。75質量%以上のシリカを導入する場合には、全シリカ質量に対して溶融シリカの比率が35〜40質量%が好ましく、80質量%以上では30〜40質量%が好ましいことが分かった。
上記の数値範囲においては、温度の上下によるクラック発生が防止できることが実験により判明している。
上記の数値範囲外においては、温度の上下によりクラックが発生してしまう。
シリカフィラーの比率が上記の数値範囲より低い場合、樹脂組成物の熱伝導率が低くなり、硬化後の樹脂組成物の温度分布が大きくなり、クラックの原因となると考えられる。
一方、シリカフィラーの比率が上記の数値範囲より高い場合、硬化後の樹脂組成物が脆くなり、クラックの原因となる。
シリカフィラーのうち、溶融シリカは、破砕結晶質シリカに比べて、粘度が低く、成形が容易であるが、熱伝導度は低いという問題がある。
一方、破砕結晶質シリカは、溶融シリカに比べて、粘度が高く、成形性に問題があるが、熱伝導度は高く、温度分布を小さくする作用を有する。
溶融シリカと破砕結晶質シリカとを上記の数値範囲で樹脂組成物に混合することにより、互いの長所及び短所を補い合い、クラックが生じにくく、粘度も低くすることができ、充填率を向上するという効果も得られる。
また、破砕結晶質シリカとしては、乾式法破砕結晶質シリカが好ましく、その平均粒子径が10μm以下であれば更によい。乾式法破砕結晶質シリカは、樹脂組成物に混合した場合に、湿式法破砕結晶質シリカに比べて、粘度を抑制でき、樹脂との反応も抑制できる。
溶融シリカの平均粒子径は、10〜30μmであることが望ましい。
このような粒径範囲のシリカフィラーを組み合わせることにより、大粒径の溶融シリカの間に破砕結晶質シリカが入り込むようになり、充填率の向上と粘度の低下とを両立することができる。
さらに、樹脂添加物としてポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンにアルキル基が結合した化合物、又はフェノール類を有するエーテルを含み、樹脂添加物の含有量は、シリカフィラー100質量部に対して1.5質量部以下であることが望ましい。
さらに、エラストマー粒子又は鱗片状フィラーを含み、エラストマー粒子又は鱗片状フィラーの平均粒子径は、10μm以下であることが望ましい。
エラストマーとしては、ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、その他これらの共重合体、これらを化学構造の一部として含む化合物、これらを化学構造の骨格として含む化合物、上記のゴム類、共重合体又は化合物と他の化合物との混合物などが挙げられる。なお、後述の実施例において用いたエラストマー粒子の形状は、球形状であるが、形状についてはこれに限定されるものではない。
また、鱗片状フィラーは、マイカ(雲母)を主成分とする化合物である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電気絶縁用樹脂組成物の内部構成を模式的に示したものである。
本図において、電気絶縁用樹脂組成物は、母材となる樹脂1と、破砕結晶質シリカ2と、溶融シリカ3と、を含む構成を有する。破砕結晶質シリカ2及び溶融シリカ3は、樹脂1に分散されている。破砕結晶質シリカ2としては、乾式破砕結晶質シリカが望ましい。
破砕結晶質シリカ2及び溶融シリカ3の二種類のシリカは、それぞれ異なる機能を有する。
破砕結晶質シリカ2は、溶融シリカ3と比較して熱伝導性が高く、線膨脹係数が高いという性質を有する。破砕結晶質シリカ2の形状は、無定形であり、本図にも示すように、破砕された痕跡としての角を有する。また、結晶質であるため、曲面状というよりは複数の平面状の部分で構成されている。
溶融シリカ3は、高温にした溶融状態のシリカを冷却して生産される。高温状態に置かれるため、結晶からガラス状態への転移が起こり、その状態のまま常温で固化する。多くの場合、高温状態で球に近い形状になるため、球状シリカとも呼ばれる。しかし、本発明においては、真球状のシリカを要求するものではなく、生産条件によって真球にはならなくてもかまわない。この意味で、溶融シリカ3の形状は、球、回転楕円体、扁球その他の曲率を有する形状であれば特に限定されるものではない。
二種類のシリカの特徴をまとめると、次のとおりである。ここでは、破砕結晶質シリカ2の望ましい形態である乾式破砕結晶質シリカについて述べる。
(1)乾式破砕結晶質シリカ
・溶融シリカと比較して熱伝導性が高い。
・溶融シリカと比較して線膨脹係数が高い。
・鉱山で算出された結晶質シリカをドライプロセスで破砕したもので、湿式法に比較して表面のOH基又はそれに起因する表面水分量が少ない。
(2)溶融シリカ
・結晶質シリカと比較して熱伝導性が低い。
・結晶質シリカと比較して線膨脹係数が高い。
つぎに、電気絶縁用樹脂組成物の母材となる樹脂1について説明する。
樹脂1は、ビスフェノールA構造を主骨格としたエポキシ樹脂(エポキシプレポリマー)を酸無水物と重合させ、硬化させたもの(以下、「エポキシ樹脂」という。)である。このようなエポキシ樹脂は、エステル結合を有する樹脂である。
このエポキシ樹脂の線膨脹係数は、60ppm/K程度であり、セラミックや一般的な金属(10〜30ppm/K)と比較すると大きい。このままエポキシ樹脂を用いると、低温から高温あるいはその逆のプロセスが起こる中で膨脹と伸縮による応力発生によりクラックが生ずる原因となる。シリカの添加は、一つはこのようなクラック発生を防ぐためである。また、どちらのシリカにも熱伝導率を向上させる効果があり、特に結晶質シリカは熱伝導性を向上させる効果が高い。
ただし、次のような問題点がある。
図2は、複数種類の部材をモールドした状態を模式的に示したものである。
本図においては、セラミック部材12と、2種類の金属部材13、14(金属部材A、B)と、これらの周囲を取り囲むモールド部11と、を含む複合化された部材(複合部材)を示している。
本図のように、セラミック部材12と金属部材A、Bとが複合化された部材を樹脂によりモールドし、モールド部11が形成されている場合においては、線膨脹係数を適切な範囲に調整する必要が生じる。あまりに低下させても、温度の上下による膨脹率の差異によってクラック発生の原因となり得る上、樹脂へのシリカ高濃度添加は、樹脂材の脆さ、すなわち耐クラック性の低下を引き起こす一因となる。
温度の上下によるクラック発生は、熱サイクル試験によって確認することができる。
以下、実施例について説明する。
表1は、熱サイクル試験における樹脂のクラック発生状況を示したものである。ここで用いた樹脂組成物は、シリカをビスフェノールA型エポキシプレポリマー及び酸無水物に添加して作製したものである。この樹脂組成物におけるシリカフィラーの添加総量は76質量%である。
熱サイクルの条件は、次の二通りとした。それぞれの低温側及び高温側において2時間温度保持を実施した。
条件(1):低温側が−20℃、高温側が100℃。
条件(2):低温側が−40℃、高温側が100℃。
条件(2)の方が、熱サイクルにおける低温と高温との差が大きく、クラック発生に対する条件が厳しくなる。
樹脂は、次のようにして調合し、セラミック及び金属部品をモールドし、硬化させた。
〔1〕エポキシプレポリマー及び酸無水物(硬化剤)にそれぞれ、シリカを添加し、プラネタリーミキサーで混合し、2種類の硬化前樹脂液を作製した。
〔2〕必要な添加物(イミダゾール系硬化促進剤等)をプラネタリーミキサーで混合した。
〔3〕上記二液(エポキシプレポリマー、酸無水物硬化剤)を一軸回転翼撹拌機で混合した。この段階で80℃に加熱した。
〔4〕上記液を80℃に予熱したセラミック及び金属部材A、Bが入った金型に流し入れ、80℃で5時間、更に130℃で8時間加熱した。
〔5〕加熱後、3時間徐冷し、硬化した樹脂を型から取り外した。
いずれもシリカ濃度は、硬化前の樹脂組成物全体の76質量%となるようにした。
シリカは、乾式破砕結晶質シリカ(平均粒子径6μm)及び溶融シリカ(平均粒子径20μm)を用いた。シリカの粒子径を変えた理由は、大粒径の溶融シリカの間に結晶質シリカが入り込むようにし、充填率の向上と粘度の低下とを狙うためである。
Figure 2017110089
本表に示す熱サイクル試験の結果から、溶融シリカの添加量が少なくても多くても、クラックが発生することが分かる。条件として温度変化の大きい条件(2)においては、クラックが発生しない点で望ましい溶融シリカの添加比率は、30〜50質量%であり、好ましくは35〜40質量%であることが分かる。また、この範囲において熱伝導率は1W/m・K以上であり、良好である。また、粘度も、80℃において3Pa・s程度と低い値であった。
上述のエポキシ樹脂の原料として使用した物質は、図3Aに示すビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び図3Bに示す酸無水物(硬化剤)である。粘度は、上述のとおり、3Pa・s以下(80℃)であり、注型樹脂として用い得る低い範囲であった。
これに加え、ラジカル重合による硬化を起こすモノマーを同時に用いると、更に粘度の低い原樹脂液を得ることができる。例えば、アクリル系モノマーの添加により2.2Pa・s(80℃)という結果を得ている。
表2〜4は、熱サイクル試験の結果を示したものである。
樹脂組成物全体に占めるシリカの添加量(乾式破砕結晶質シリカと溶融シリカの総量)は、表2においては65質量%及び74質量%、表3においては75質量%及び77質量%、表4においては85質量%である。
これらの表に示すとおり、最適な溶融シリカの添加量の範囲はごく限定されていることが分かる。
また、これらの結果から、次の範囲において耐クラック性を最大化することが可能であることがわかる。
すなわち、添加したシリカの質量が樹脂組成物全体の質量を基準として65質量%以上75質量%未満の範囲においては、二種のシリカ合計質量に対する溶融シリカの比率を45〜50質量%とする。添加したシリカの質量が樹脂組成物全体の質量を基準として75質量%以上80質量%未満の範囲においては、二種のシリカ合計質量に対する溶融シリカの比率を35〜40質量%とする。添加したシリカの質量が樹脂組成物全体の質量を基準として80質量%以上の範囲においては、二種のシリカ合計質量に対する溶融シリカの比率を30〜40質量%とする。
Figure 2017110089
Figure 2017110089
Figure 2017110089
上記実施例において、乾式法破砕シリカの平均粒子径が10μm以下であれば、更に高い耐電圧性能の樹脂硬化物が得られる。76質量%で平均粒子径12μmのシリカを添加した場合、耐電界性能は30kV/mmの耐電界性能であったが、平均粒子径6μmのシリカに変えた場合は45kV/mmまで向上した。破壊路が分岐することによる耐電圧性能の向上と考えられる。
上記実施例において、溶融シリカの平均粒子径が10μm以上30μm以下とすると、結晶質シリカを含むシリカフィラー全体の充填の状態が改善され、樹脂組成物の粘度を低下させることができる。具体的には、平均粒子径が20μmの溶融シリカを用いると、粘度は0.8Pa・s(80℃)まで抑制でき、ハンドリング性を向上することができる。平均粒子径が10μm又は30μmの溶融シリカを添加した場合、2Pa・s(80℃)程度であるが、抑制の効果が得られる。
上記実施例において、樹脂添加物としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加した場合について説明する。
この樹脂添加物は、シリカフィラー全体の質量(100質量部)に対して1.5質量部混合した。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、界面活性剤としての効果を持ち、樹脂の粘度を抑制する効果がある。また、イオン性界面活性剤ではないので、イオンによる反応への影響を最小限にすることが可能である。
上記実施例に述べた樹脂にポリオキシエチレンアルキルエーテルを添加すると、粘度が1.5Pa・s(80℃)まで抑制することができた。
本実施例において、シリカフィラーのほかに、鱗片状フィラーを含む樹脂について説明する。
樹脂の耐クラック性は、樹脂の破壊じん性を向上することで上昇する。鱗片状フィラーの平均粒子径は、10μm以下の鱗片が特に好ましく、沈降や分散粒子の数密度を上げることによるクラック進展阻害作用が期待できる。また、同様に鱗片状フィラーにも同様の作用が期待できる。
本実施例においては、破砕結晶質シリカは、平均粒子径が6μm程度である。破砕結晶質シリカの割合は、樹脂組成物全体の量を基準として60質量%〜78質量%であることが望ましい。
また、鱗片状フィラーに関しては、長手方向20μm、厚さ0.1〜2μm程度である。鱗片状フィラーの割合は、樹脂組成物全体の量を基準として2質量%〜12質量%であることが望ましい。破砕結晶質シリカと鱗片状フィラーとの比率は、10:1程度であることが望ましい。
添加量は樹脂に対して8質量%とした。この結果、破壊じん性は、2.4MPa√mから4.5MPa√mに向上させることができた。更に粒子径を増大させて効果を調べたが、徐々にその効果が落ちる現象が確認された。その理由として、同じ質量では数密度が小さくなり、進展したクラックと遭遇する確率が下がることが挙げられる。
なお、同様に、鱗片状フィラーとしてマイカパウダー(長手方向径1μm)でも同様の効果が得られた。具体的には、2.4MPa√mの破壊じん性を4.0MPa√mに改善することができた。
また、本実施例に述べたじん性向上効果のほか、上記までに述べてきた実施例における効果も同時に発揮される。
1:樹脂、2:破砕結晶質シリカ、3:溶融シリカ、11:モールド部、12:セラミック部材、13、14:金属部材。

Claims (7)

  1. エステル結合を有する樹脂と、シリカフィラーと、を含む樹脂組成物であって、
    前記シリカフィラーは、破砕結晶質シリカ及び溶融シリカを含み、
    前記シリカフィラーは、前記樹脂組成物全体の65質量%以上75質量%未満であり、
    前記シリカフィラーのうち前記溶融シリカの割合は、45〜50質量%である、電気絶縁用樹脂組成物。
  2. エステル結合を有する樹脂と、シリカフィラーと、を含む樹脂組成物であって、
    前記シリカフィラーは、破砕結晶質シリカ及び溶融シリカを含み、
    前記シリカフィラーは、前記樹脂組成物全体の75質量%以上80質量%未満であり、
    前記シリカフィラーのうち前記溶融シリカの割合は、35〜40質量%である、電気絶縁用樹脂組成物。
  3. エステル結合を有する樹脂と、シリカフィラーと、を含む樹脂組成物であって、
    前記シリカフィラーは、破砕結晶質シリカ及び溶融シリカを含み、
    前記シリカフィラーは、前記樹脂組成物全体の80質量%以上であり、
    前記シリカフィラーのうち前記溶融シリカの割合は、30〜40質量%である、電気絶縁用樹脂組成物。
  4. 前記破砕結晶質シリカの平均粒子径が10μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  5. 前記溶融シリカの平均粒子径が10〜30μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  6. さらに、樹脂添加物としてポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンにアルキル基が結合した化合物、又はフェノール類を有するエーテルを含み、
    前記樹脂添加物の含有量は、前記シリカフィラー100質量部に対して1.5質量部以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  7. さらに、エラストマー粒子又は鱗片状フィラーを含み、
    前記エラストマー粒子又は前記鱗片状フィラーの平均粒子径は、10μm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
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