JP2017109708A - 車両走行支援装置 - Google Patents

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【課題】乗員の感情変化の要因となり得る走行状態を特定し、特定された走行状態での感情情報に基づき、特定された走行状態を制御して、乗員に対応した運転支援を可能にする。【解決手段】本発明に係る車両運転支援装置10は、車両1の走行情報を検出する走行情報検出部11と、走行情報検出部で検出された走行情報に基づき走行状態を特定する走行状態特定部12と、走行状態特定部で特定された走行状態の際の乗員の基礎情報を取得して、当該乗員の感情を認識する感情認識部14と、感情認識部での認識結果に応じた走行状態に制御する制御部30を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、車両走行支援装置に関する。
運転者の感情を認識し、認識された感情に基づき運転者が操作する機器を制御する車両の運転支援装置が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−69358号公報
特許文献1では、運転者の感情を認識し、認識された感情に基づき運転者が操作する機器の特性を制御しているが、運転者の感情の変化が、車両がどのような状態の時、すなわち、どのような走行状態の時のものなのか、感情変化の要因を特定し、その変化の要因となった機器の特性を制御するものでない。
本発明は、乗員の感情変化の要因となり得る特定の走行状態での感情情報に応じて、特定された走行状態を制御することで、乗員の感情に対応した運転支援を可能にする。
本発明に係る車両の運転支援装置は、車両の走行情報を検出する走行情報検出部と、走行情報検出部で検出された走行情報に基づき走行状態を特定する走行状態特定部と、走行状態特定部で特定された走行状態の際の乗員の感情を認識する感情認識部と、感情認識部での認識結果に応じた走行状態に制御する制御部を備えることを特徴としている。
本発明によれば、走行状態特定部で特定された乗員の感情変化の要因となり得る走行状態の乗員の感情の認識結果に応じて、感情認識した際の走行状態に制御するので、乗員の感情に対応した運転支援を可能にすることができる。
本発明の第1の実施形態に係る車両運転支援装置の機能構成を示すブロック図。 記憶部での設定内容の一例を示す図。 走行状態と強度レベルの設定内容の一例を示す。 第1の実施形態の制御内容を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態に係る車両運転支援装置の機能構成を示すブロック図。 第2の実施形態の制御内容を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態に係る車両運転支援装置の機能構成を示すブロック図。 第3の実施形態の制御内容を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。実施形態中、同一部材や同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、重複説明は省略する。
本実施形態に係る車両運転支援装置1は、車両1に搭載されている。車両運転支援装置1が搭載される車両1としては、内燃機関を走行駆動源とするもの、モータを走行駆動源とするもの、内燃機関とモータを備え、少なくとも一方が走行駆動源となる何れであってもよい。車両1としては、運転者が自らステアリング、アクセルペダル、ブレーキペダルなどの走行状態を変化させる操作部を操作することで走行状態を制御するための機器を制御するアクチュエータを作動して運転走行するものや、ステアリング操作、車速の加減速、ブレーキ作動等の各アクチュエータを、車両の走行情報に応じて適宜制御部が制御して自律走行させる自動運転可能なものでもよい。
図1に示すように、車両運転支援装置1は、車両1の走行情報を検出する走行情報検出部11と、走行情報検出部11で検出された走行情報に基づき走行状態を特定する走行状態特定部12と、走行状態と、走行状態を変化させる強度レベルが予め設定された記憶部13と、走行状態特定部で特定された走行状態の際の乗員の感情を認識する感情認識部14と、制御部30を備える。
制御部30は、CPU31、RAM32、ROM33を備えたコンピュータで構成されていて、走行情報検出部11、走行状態特定部12、記憶部13、感情認識部14が信号線を介して接続されている。制御部30は、感情認識部14での認識結果に応じて(基づき)、感情認識した際の走行状態を制御する。制御部30による走行状態を制御するに際し、走行状態特定部12は、走行情報検出部11で検出された走行状態に該当する走行状態を、記憶部13に設定された走行状態から特定する。そして、制御部30は、感情認識部14での認識結果に応じて、感情認識した際の走行状態を制御する。
このような構成であると、走行状態特定部12で特定された乗員の感情変化の要因となり得る走行状態の乗員の感情の認識結果に応じて、感情認識した際の走行状態に制御することができるため、乗員の感情に対応した運転支援を可能にすることができる。
次に車両運転支援装置1について詳細に説明する。
車両1の走行情報とは、例えば車速情報V、加速情報K、減速情報G、旋回情報Pである。車速情報Vは、例えば車両1の車輪の回転速度などから車速情報を検出する車速検出センサ111から取得する情報である。加速情報Kは、車両1の加速度の情報を検出する加速度検出センサ112から取得する情報である。減速情報Gは、車両1の減速度の情報を検出する減速度検出センサ113から取得する情報である。減速情報Gは、ブレーキペダルの踏込み量の情報や踏込み速度情報をセンサで検出したものであっても良い。あるいは車両1に搭載されている油圧ブレーキ装置のブレーキラインの油圧情報を油圧センサで検出したものであっても良い。旋回情報P1は、車両1の操作部であり操舵部であるステアリングの回転量や回転角速度の情報を検出する旋回情報検出センサ114から取得する情報である。つまり、本実施形態において、走行情報検出部11としては、車速検出センサ111、加速度検出センサ112、減速度検出センサ113、旋回情報検出センサ114が挙げられる、これらは車両1に搭載されている。
走行状態特定部12は、走行情報検出部11である車速検出センサ111、加速度検出センサ112、減速度検出センサ113、旋回情報検出センサ114からの検出情報から推定される走行状態が、記憶部13に設定されている走行状態に該当するか否かを判定し、該当する場合には、該当した走行状態を特定するものである。ここでは車両1が加速状態か、減速状態か、旋回状態であるか、高速走行状態であるかを判定して特定する。走行状態は走行シーンともいう。
記憶部13は、例えばデータテーブルが記憶された記憶装置(データベース)で構成されている。記憶部13には、図2に示すように、加速情報K、減速情報G、旋回情報P、車速情報Vと、感情認識するための車両の走行状態(走行シーン)とが関連付けて記憶されていると共の、各走行状態を変化させる強度レベルとが記憶されている。走行状態としては、加速情報Kと関連付けられた加速状態、減速情報Gと関連付けられた減速状態、旋回情報Pと関連付けられた旋回状態、車速情報Vと関連付けられた高速状態である。これら走行状態は例示に過ぎず、他の走行状態であっても良い。この場合、その走行状態を特定するための情報を検出する検出部を走行情報検出部11とすればよい。
本実施形態において、各走行状態を調整する各強度レベルは、それぞれレベル1〜レベル5までの5段階として設定可能とされている。無論、走行状態毎に強度レベルの段階を違えて設定しても良く、5段階に限定するものでもない。強度レベルは、レベル5からレベル1に向かうに従い、走行状態を弱める(低下)させるように設定されている。逆に言えば、強度レベルは、レベル1からレベル5に向かうに従い、走行状態を強める(上昇させる)ように設定されている。強度レベルは、車両1の速度、加速度、減速度、旋回の各状態をコントロールするアクチュエータを制御する制御値でもある。
図3は、走行状態と強度レベルの設定内容を示した図である。
走行状態が加速状態の時の、強度レベルがレベル1とは、緩やかに加速(弱い)が行えるアクセル開度とするようにスロットル弁の開度を調整する制御値であり、強度レベルがレベル5とは、速い加速度(強い)が行えるアクセル開度となるようにスロットル弁の開度を調整する制御値である。
走行状態が減速状態の時の、強度レベルがレベル1とは、緩やかに制動(弱い)が行えるブレーキ油圧を発生させる制御値であり、強度レベルがレベル5とは、強い制動が行えるブレーキ油圧を発生させる制御値である。
走行状態が旋回状態の時の、強度レベルがレベル1とは、緩やかな旋回が行えるステアリン操作とするようにパワーステアリングの舵角を制御する油圧を調整する制御値であり、強度レベルがレベル5とは、素早い旋回が行えるステアリン操作とするようにパワーステアリングの舵角を制御する油圧を調整する制御値である。
走行状態が高速走行状態の時の、強度レベルがレベル1とは、車速を低下させる方向(ゆっくり)にスロットル弁の開度を調整する制御値であり、走行シーンが高速状態の強度レベルがレベル5とは、車速を上昇させる方向(速い)にスロットル弁の開度を調整する制御値である。
感情認識部14は、例えば乗員の表情の変化から乗員の感情を認識する周知の感情認識装置であっても良いし、乗員の発する言葉の種類や大きさ、音声の抑揚などから乗員の感情を認識する音声による周知の感情認識装置であっても良い。
これら感情認識部14としては、少なくとも乗員の表情や音声などの乗員の基礎情報を検出して取得する取得部141としてカメラやマイクを備えているとともに、カメラで撮影された表情や、マイクで入力された音声などの基礎情報から感情を認識するための感情認識エンジン142を備えている。感情認識エンジン142としては、例えば予め特定の感情の際の表情の画像データや音声データを感情毎に記憶しておき、入力された基礎情報である表情の画像データや音声のデータと、記憶されている各データとを比較することで感情を認識するようにするもので、既に公知のものである。本実施形態において、感情認識部14では、乗員の感情として驚きと恐れを認識するものとする。感情認識部14は、驚きや恐れを認識した場合には、感情認識信号Sを制御部30に対して送信する機能を備えている。
制御部30は、感情認識部14で認識された感情に応じて、記憶部13に設定されている強度レベルを調整する。すなわち、感情を認識された際の走行状態での強度レベルを感情に応じて更新あるいは維持するようにして調整する。具体的には、車両1の特定された走行状態におけて乗員の感情が変化した場合、すなわち、制御部30は、感情認識部14で乗員の驚きや恐れが認識されて感情認識信号Sが出力されると、その感情認識信号Sが出力された走行シーンに関与するアクチュエータの作動を制御する強度レベルを増減制御する。
(第1の実施形態)
車両運転支援装置1による制御の一形態を図4に示すフローチャートを基に説明する。
本実施形態では、乗員を車両1の運転者として説明する。また、感情認識部14としては、運転者の表情による感情認識装置を用いるものとする。このため、感情認識部14は、取得部141となるカメラを備え、運転席に座って運転姿勢をしている(正面を見ている)運転者の顔全体を撮影できる位置に設置されているものとする。なお、車両1は既に走行を開始しているものとする。
車両運転支援装置1は、ステップST1において、走行情報検出部11で車両1の走行情報を検出し、ステップST2に進む。ステップST2では、走行状態特定部12において、走行情報検出部11で検出された走行情報と記憶部13内の走行状態とを参照し、ステップST3において、検出された走行情報に対応する走行状態が記憶部13に設定されている走行状態であるか否かを判定する。すなわち、現在の走行状態が感情認識する走行状態であるか否かを特定してステップST4に進む。ステップST4では、感情認識部14による運転者の感情認識が行われ、ステップST5において、感情認識結果に応じて、感情認識した走行状態(走行シーン)の強度レベルを制御する。
例えば、検出された走行状態が加速状態であった場合、当該加速状態は記憶部13に強度レベルと関連つけて設定されているので、感情認識する走行状態であり、この時の記憶部13に設定されている強度レベルがレベル3であったとする。そして、感情認識部14で認識された運転者の感情が、驚きや恐れを示す場合には、感情認識部14から感情認識信号Sが出力される。これにより、制御部30は、運転者の感情変化は、現在の走行状態(加速状態)を要因としたものであると見做し、現在よりも緩やかな加速状態となるレベル2へと強度レベルを変更して、この制御を終える。
このような制御が、車両1が走行していて、特定の走行状態の際には、感情認識部14による運転者の感情認識がなされる。このため、レベル2へと強度レベルが変更(更新)されて調整された場合、次の制御サイクルに入って走行状態が加速状態を示す場合、前回の加速状態よりも緩やかな加速状態となっている。ここで、再度、感情認識部14で運転者の感情認識をして乗員の感情を認識する。そして、感情認識する走行状態(走行シーン)ではあるが、感情認識部14で認識された運転者の感情が、驚きや恐れを示さない場合、感情認識部14から感情認識信号Sは出力されない。このため、制御部30は、現在の走行状態は、運転者が驚きや恐れを感じない適切な走行状態(加速状態)であると見做し、強度レベルは変更しないで、この制御を終える。
このように、感情変化の要因となり得る走行状態での運転者の感情の認識結果に応じて、感情認識した際の走行状態を制御するので、運転者の感情に対応した運転支援を可能にすることができ、予防安全にも貢献することができる。
なお、本実施形態において、感情認識する走行状態ではあるが、感情認識部14で認識された運転者の感情が、驚きや恐れを示さない場合、強度レベルは変更(更新)されない(調整されない)ため、このような状態が続くことは安定した運転を行えるので好ましい。しかし、場合によっては、単調で変化のない運転にもなり得る。このため、感情認識する走行状態の際の、感情認識部14で認識された運転者の感情として、驚きや恐れを示さない回数が複数回連続して検出された場合には、その走行状態における強度レベルを高める方向に変更(更新)する(調整する)ようにしても良い。この場合には、単調な走行状態での運転を防止することで、眠気などの抑止につながることが期待でき、予防安全に貢献することができる。また、感情の変化に応じて強度レベルが変更(更新)して調整されるため、使うほどに運転者の感情にマッチした運転支援を行うことができ、ドライバビリティ―の向上につながる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、車両1に乗員が複数いた場合、例えば運転者と助手席に同乗者がいる場合を想定したもので、特定された走行状態における運転者と助手席同乗者の双方の感情を認識し、認識された感情の内、より感情の変化の強い方に合わせて強度レベルを変更しようとするものである。このため、本実施形態に係る車両運転支援装置1Aは、図5に示すように、運転者と助手席同乗者の表情を認識するために、取得部141として運転席側と助手席側とにそれぞれカメラを複数設置している。本実施形態において、感情認識部14で認識される乗員は、車両1の運転者と同乗者である。
車両運転支援装置1Aによる制御の一形態を図6に示すフローチャートを基に説明する。
車両1は既に走行を開始しているものとする。また、第1の実施形態と同様の内容のステップについては、その説明を簡略あるいは省略するものとする。
車両運転支援装置1Aは、ステップST21において、走行情報検出部11で車両1の走行情報を検出し、ステップST22、ステップST23において、走行状態特定部12で、現在の走行状態が感情認識する走行状態であるか否かを特定してステップST24に進む。
ステップST24では、双方のカメラで撮影した運転者と助手席同乗者の表情から感情を認識が行われ、ステップST25において、感情認識結果に応じて、感情認識した走行状態での強度レベルを制御する。
例えば、検出された走行状態が減速状態であったち場合、当該減速状態は記憶部13に強度レベルと関連付けて設定されているので、感情認識する走行状態であり、この時の記憶部13に設定されている強度レベルがレベル3であったとする。そして、感情認識部14で認識された運転者と助手席同乗者うち、何れか一方から驚きや恐れを示す感情が認識された場合には、感情認識部14から感情認識信号Sが出力される。これにより、制御部30は、運転者又は同乗者の感情変化は、現在の走行状態(減速状態)を要因としたものであると見做し、現在よりも緩やかな減速状態となるレベル2へと強度レベルを変更して、この制御を終える。つまり、本実施形態において、制御部30は、感情認識部14でそれぞれ認識された感情結果の内、もっとも感情変化の大きな認識結果に応じて、感情認識した際の走行状態での強度レベルを調整するように制御する。
このような制御が、車両1が走行していて、特定の走行状態の際には、感情認識部14による運転者の感情認識がなされる。このため、レベル2へと強度レベルが変更(更新)して調整された場合、次の制御サイクルに入って走行状態が減速状態を示す場合、前回の減速状態よりも緩やかな減速状態となっている。ここで、再度、感情認識部14で運転者の感情認識をして乗員の感情を認識する。そして、感情認識する走行状態ではあるが、感情認識部14で認識された運転者や助手席同乗者の感情が、驚きや恐れを示さない場合、感情認識部14から感情認識信号Sは出力ない。このため、制御部30は、現在の走行状態は、運転者が驚きや恐れを感じない適切な走行状態(減速状態)であると見做し、強度レベルは変更しないで、この制御を終える。
このように、感情変化の要因となり得る走行状態において、乗員として運転者だけでなく同乗者の感情の認識結果を考慮し、乗員が驚きや恐れを感じた走行状態を制御するので、運転者ばかりでなく助手席同乗者の感情に対応した運転支援を可能にすることができ、予防安全にも貢献することができる。
車両1が運転者の操作によって走行している場合、運転者は、自らの判断でブレーキ操作、アクセル操作、ステアリング操作をするので、車両1の走行状態(挙動変化)に対しては、ある程度の予測がつくので驚きや恐怖の感情が出難い。これに対し、同乗者、特に助手席同乗者は、運転者がいつブレーキ操作やアクセル操作等をするか予測がつき難く、車両1の走行状態(挙動変化)が予期しないで起こるため、驚きや恐怖の感情が出易いと考えられる。また予想がついたとしても、自分が想像する操作タイミングや操作度合とは異なっていると、視覚的な情報から驚きや恐怖を抱きやすいとも考えられる。このような場合、車両1の同乗者の中で驚きや恐怖の感情を出した者を基準に走行状態が穏やかになる方向に制御されるので、同乗者に配慮した運転支援を可能にすることができる。
さらに、車両1が自動運転で操作されている場合、同乗者ばかりでなく、運転者も自分が操作する場合と自動運転時の操作タイミングや操作度合が異なっていると、驚きや恐怖を抱きやすいと考えられる。よって、車両1の同乗者の中で恐怖の感情を出した者を基準に走行状態が穏やかになる方向に制御されることは、自動運転時においても運転者や同乗者に配慮した運転支援を可能にすることができる。
(第3の実施形態)
上記実施形態では、車両1の乗員を運転者と同乗者とに大別し、それぞれの感情を感情認識部14で認識するようにした。この場合、同一の乗員だけ車両1に乗車して運転するのであれば、感情学習は進み、乗員の感情にマッチした運転支援が可能となる。しかし、別の乗員が車両1に乗車した場合、別な乗員の感情に応じた走行状態での強度レベルは設定されていない。このため、乗員が入れ替わる度に、それぞれ異なる乗員の感情に応じた運転支援がなされるため、乗員の感情にマッチした運転支援までには時間を要してしまう。
そこで、本実施形態に係る車両運転支援装置1Bでは、図7に示すように、感情認識部14によって感情を認識される乗員を、走行状態と強度レベルと関連付けて記憶部13に設定する乗員設定部16と、乗員設定部16で設定された乗員を選択する乗員選択部17を備えている。
そして、走行状態特定部12では、走行情報検出部11で検出された走行状態に該当する走行状態及び強度レベルを、乗員選択部17で選択された乗員の走行状態と強度レベルから特定し、制御部30は、乗員選択部17で選択された乗員に対する、感情認識部14での認識結果に応じて、感情認識した乗員の走行状態での強度レベルを調整するように制御するようにした。
本実施形態では、3人も乗員の情報が登録可能とされているものする。このため、乗員設定部16は、複数設けられたスイッチ16A、16B、16Cで構成されている。スイッチの数は3つに限定するものではなく、1つのスイッチの操作で切替えができるタイプのものであれば1つであっても良い。
スイッチ16A、16B、16Cは信号線を介して、制御部30に接続されていて、登録操作がなされると、乗員を登録したデータテーブルが記憶部13内に設定される。このデータテーブルには、第1の実施形態と同様に、感情認識するための車両の走行状態(走行シーン)と各走行状態を変化させる強度レベルとが記憶されている。
乗員選択部17は、記憶部13に登録された個人別のデータテーブルを読み出すためのスイッチであって、ここでは、スイッチ17A、17B、17Cで構成されている。スイッチの数は3つに限定するものではなく、1つのスイッチの操作で切替えができるタイプのものであれば1つであっても良い。スイッチ17A、17B、17Cは、信号線を介して制御部30に接続されていて、各スイッチが操作されると、スイッチごとに割れたてられた乗員のデータベースが選択されるように構成されている。
本実施形態では、スイッチ16Aで登録された乗員のデータテーブルは、スイッチ17Aを操作することで選択されて変更(更新)して調整可能とされている。スイッチ16Bで登録された乗員のデータテーブルは、スイッチ17Bを操作することで選択されて変更(更新)して調整可能とされ、スイッチ16Cで登録された乗員のデータテーブルは、スイッチ17Cを操作することで選択されて変更(更新)して調整可能とされている。また、登録された乗員は、運転者であるものとする。
車両運転支援装置1Bによる制御の一形態を図8に示すフローチャートを基に説明する。
第1の実施形態と同様の内容のステップについては、その説明を簡略あるいは省略するものとする。なお、乗員の登録は既にスイッチ16A〜16Cの登録操作によってそれぞれ設定が終了しているものとする。また車両1は既に走行を開始しているものとする。
車両運転支援装置1Bは、ステップST31において、登録乗員の識別を行なう。ここでは、スイッチ17A〜17Cの何加に対してスイッチ操作が行われると、スイッチ操作されたスイッチに対応した乗員のデータテーブルが選択される。
車両運転支援装置1Bは、ステップST32において、走行情報検出部11で車両1の走行情報を検出し、ステップST33、ステップST34において、現在の走行状態が感情認識する走行状態であるか否かを、走行情報と選択された個人のデータテーブルに記憶されている走行状態とから走行状態特定部12で特定してステップST35に進む。
ステップST35では、カメラで撮影した登録者である運転者表情から感情を認識が行われ、ステップST36において、感情認識結果に応じて、登録者のデータテーブル上に記憶されている感情認識した走行シーンでの強度レベルを制御(変更/更新)する。
このように本実施形態では、登録された乗員毎に走行状態に応じて変化した感情に対応して、強度レベルが調整されるので、登録されている乗員は、車両1に乗車して自らが登録されているスイッチ17A〜17Cの何れを操作することで、自らの感情にマッチした運転支援を運転当初から受けることができ、ドライバビリティ―の向上につながる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、車両1に乗車する乗員が複数の場合、運転者と助手席同乗者を例示したが、後部座席に乗車する同乗者の感情も認識するようにして、何れかの乗員の感情認識結果(驚きや恐れ)に基づき、強度レベルを変更して調整するようにしても良い。また、複数の乗員から同一の走行状態の際に、恐れと驚きの異なる感情認識がそれぞれ認識された場合、認識される感情に優先順位や重みづけをしておき、優先順位や重みづけの高い感情に基づいて強度レベルを制御(調整)するようにしても良い。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1・・・車両、10・・・車両運転支援装置、11・・・走行情報検出部、12・・・走行状態特定部、13・・・記憶部、14・・・感情認識部、16・・・乗員設定部、17・・・乗員選択部、30・・・制御部、141・・・取得部、G・・・走行情報(減速情報)、K・・・走行情報(加速情報)、P・・・走行情報(旋回情報)、V・・・走行情報(車速情報)

Claims (5)

  1. 車両の走行情報を検出する走行情報検出部と、
    前記走行情報検出部で検出された走行情報に基づき走行状態を特定する走行状態特定部と、
    前記走行状態特定部で特定された走行状態の際の乗員の基礎情報を取得して、当該乗員の感情を認識する感情認識部と、
    前記感情認識部での認識結果に応じた走行状態に制御する制御部を備えることを特徴とする車両運転支援装置。
  2. 前記走行状態と、前記走行状態を変化させる強度レベルが予め設定された設定部を有し、
    前記走行状態特定部は、前記走行情報検出部で検出された走行状態に該当する走行状態を、前記設定部に設定された走行状態から特定し、
    前記制御部は、前記感情認識部での認識結果に応じて、前記感情認識した際の走行状態に対応した強度レベルを調整するように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援装置。
  3. 前記感情認識部で認識される乗員は、少なくとも前記車両の運転者である特徴とする請求項1又は2に記載の車両運転支援装置。
  4. 前記感情認識部は、前記乗員の基礎情報を取得する取得部を複数有し、
    前記制御部は、前記複数の取得部からの情報に基づき前記感情認識部でそれぞれ認識された感情結果に応じて、前記感情認識した際の走行状態での強度レベルを調整するように制御することを特徴とする請求項2に記載の車両運転支援装置。
  5. 前記感情認識部によって感情を認識される乗員を、前記走行状態と前記強度レベルと関連付けて前記設定部に設定する乗員設定部と、
    前記設定部に設定された乗員を選択する乗員選択部を有し、
    前記走行状態特定部は、前記走行情報検出部で検出された走行状態に該当する走行状態及び強度レベルを、前記乗員選択部で選択された乗員の走行状態と強度レベルから特定し、
    前記制御部は、前記乗員選択部で選択された乗員に対する、前記感情認識部での認識結果に応じて、前記感情認識した乗員の走行状態の強度レベルを調整するように制御することを特徴とする請求項2に記載の車両運転支援装置。
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