JP2017108741A - 粉体状微生物製剤及びその製造方法、並びに粉体状微生物製剤を含有する液状組成物、土壌改善方法、及び水質改善方法 - Google Patents

粉体状微生物製剤及びその製造方法、並びに粉体状微生物製剤を含有する液状組成物、土壌改善方法、及び水質改善方法 Download PDF

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Abstract

【課題】散布用として好適に用いることができる硫黄細菌を含む粉体状微生物製剤およびその応用技術を提供する。
【解決手段】粉末状の担体に硫黄細菌が担持された粉体状微生物製剤であって、前記担体がモンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む粉体状微生物製剤。担体である中性の多孔質粒子は、粒子サイズ45μm以下であることが好ましい。当該粉体状微生物製剤は、担持された硫黄細菌の代謝作用及び分散性に優れており、土壌改良や、水質浄化、ヘドロの分解、悪臭改善、プランクトンの発生抑制等に用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、粉末状担体に硫黄細菌を担持した粉体状微生物製剤及びその応用技術に関する。
従来、河川や湖沼などの水質浄化や、土壌を改善するための方法として、様々な技術が開発されており、例えば、各種代謝による浄化能を示す微生物を用いた処理方法が知られている。
従来から用いられている微生物を用いた処理方法により一定の水質の浄化効果や土壌改善効果が確認されているが、排水管や側溝、くみ取り式トイレ等のアンモニア、硫化水素、メルカプタンなどの、悪臭やヘドロの原因物質に対する効果は十分なものとは言えない。これは、微生物を用いた処理方法といっても、どのような微生物を選択的に増殖させるような処理方法を行うかによって、その効果が全く異なるからである。微生物による浄化時に重要な元素としては、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、リン(P)が生体構成源として比率が多いことから、これらの除去を目的とした設計が行われることが多く、有機物の主たる元素である炭素の除去、さらには高度浄化として、窒素、リンを除去するための各種好気性細菌、嫌気性細菌が検討されてきたが、これらのみでは十分ではない場合がある。そのため、従来達成できなかったような、更なる高度浄化を行うために、元素として硫黄(S)を含む物質を代謝し無害化することができる硫黄細菌を利用する方法が期待されている。
代表的な硫黄細菌である紅色硫黄細菌や、緑色硫黄細菌等は、光合成色素を含み光合成を行う光合成細菌としても知られている。これらの硫黄細菌と呼ばれる細菌は、自然環境に存在し嫌気的環境でも生育する菌であり、自然環境の浄化、保全に大きくかかわり、水質浄化や土壌改善等の目的で利用されている。
硫黄細菌を水質改善に使用する例として、例えば、特許文献1には、比較的大きい塊状の泥炭に硫黄細菌(光合成細菌)を吸着して固定化した水質浄化具を、浄化対象である水域に設置する方法が開示されている。また、硫黄細菌(光合成細菌)を土壌改善に使用している例として、例えば、特許文献2には、光合成細菌、発酵菌及び放線菌を所定の割合で含む培養液からなる植物性物質の分解処理剤を、土壌に散布する技術が開示されている。また、特許文献3には、硫黄細菌(光合成細菌)の培養液からなる放射能除染剤を使用して、放射能で汚染された土壌や物品の放射能除染を行う技術が開示されている。
特開2004−298757号公報 特開2012−135269号公報 特開2013−130574号公報
硫黄細菌は、硫黄や硫黄化合物を代謝する独立栄養生物として、環境浄化に寄与する有用な菌であるが、硫黄細菌が嫌気性菌であることから、硫黄細菌を用いる製品はできるだけ空気に接触しにくい製品形態が望ましい。また、硫黄細菌は乾燥にも弱いため、硫黄細菌の培養液やその希釈液等として使用されることが多いが、硫黄細菌を含む液体は、固体と比較して保存性に優れるとは言いがたい。
さらに、硫黄細菌は、処理対象の水域に存在する細菌や、土壌に存在する土着菌と比べると、優勢な菌となりにくい。特に、硫黄細菌を用いて土壌を改善するために、上述の特許文献2,3のように硫黄細菌を含む液体(培養液やその希釈液)を散布すると、硫黄細菌の大きさは小さく散布後に処理対象の地表近傍の土壌に十分な量が留まることができないことや、処理対象の土壌に留まった硫黄細菌も、処理対象の土壌に元々存在する土着菌が優勢になり、散布した硫黄細菌が定着しにくいため、効果が持続しないことが多い。
このように、処理対象の水域や土壌への散布を目的とした実用性の高い硫黄細菌を含む微生物製剤の開発が望まれていたのが実状である。
かかる状況下、本発明は、散布用として好適な硫黄細菌を含む微生物製剤およびその製造方法、並びにその応用技術を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を担体として使用すると、硫黄細菌が繁殖しやすくなり、硫黄細菌本来の代謝作用が持続することを見出し、当該担体に硫黄細菌を担持させることによって散布用として好適な硫黄細菌を含む微生物製剤となりうることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 粉末状の担体に硫黄細菌が担持された粉体状微生物製剤であって、前記担体が、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む粉体状微生物製剤。
<2> 硫黄細菌が、水溶性高分子と共に担体に担持されている前記<1>に記載の粉体状微生物製剤。
<3> 硫黄細菌が、水溶性高分子で被覆されて担体に担持されている前記<2>に記載の粉体状微生物製剤。
<4> 前記担体の粒子サイズが45μm以下である前記<1>または<2>に記載の粉体状微生物製剤。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の粉体状微生物製剤を、水を主体とする溶媒に分散させた液状組成物。
<6> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の粉体状微生物製剤、または前記<5>に記載の液状組成物を、処理対象の土壌に散布する土壌改良方法。
<7> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の粉体状微生物製剤、または前記<5>に記載の液状組成物を、処理対象の水域に散布する水質改善方法。
<8> 硫黄細菌を溶媒に添加して混合し、硫黄細菌含有溶液を製造する工程(1)と、前記硫黄細菌含有溶液を、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む担体に接触させることによって、前記担体に硫黄細菌を担持させる工程(2)と、を有する粉体状微生物製剤の製造方法。
<9> 工程(1)において、硫黄細菌と共に水溶性高分子を添加して硫黄細菌含有溶液を製造する前記<8>に記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
<10> 前記担体の粒子サイズが45μm以下である前記<8>または<9>に記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
<11> 工程(2)において、硫黄細菌含有溶液を噴霧することによって、前記担体に接触させる前記<8>〜<10>のいずれかに記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
本発明によれば、散布性に優れ、硫黄細菌本来の代謝作用が長期間持続する粉体状微生物製剤が提供される。当該粉体状微生物製剤を使用することによって、散布後も硫黄細菌による水質改善や土壌改良効果を長期間持続させることができる。
粉体状微生物製剤(A)を散布した土壌(散布後約9か月)の土壌検査の結果である。 粉体状微生物製剤(A)を散布していない土壌の土壌検査の結果である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
<1.粉体状微生物製剤>
本発明は、粉末状の担体に硫黄細菌が担持された粉体状微生物製剤であって、前記担体が、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む粉体状微生物製剤(以下、「本発明の微生物製剤」と称す。)に関する。
なお、本明細書において、「微生物製剤」とは、微生物を含み、微生物に由来する各種機能を利用する剤を意味する概念であり、本発明の粉体状微生物製剤においては、特に粉体状の担体に硫黄細菌を担持させているものを意味する。
本発明の粉体状微生物製剤の特徴のひとつは、硫黄細菌が担持される担体を、前記担体が、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子としたことにあり、このような担体を使用することにより、担体に硫黄細菌を担持させたときに、硫黄細菌の安定性が向上し、他の菌の繁殖が抑制されるため、硫黄細菌が有する代謝作用が持続する。なお、担体への硫黄細菌の担持は、他の細菌を共存させずに、硫黄細菌を優先的に担持させることが好ましい。具体的な方法は、<2.粉体状微生物製剤>にて後述する。
また、担体を粉末状とすることによって、土壌へ散布したときの分散性も優れ、かつ、上述の通り、担体に担持されていることで硫黄細菌の安定性が向上して、土着菌に対して優先的に繁殖するため、硫黄細菌の代謝作用が阻害されずに、優れた土壌改良効果を得ることができる。また、水域に散布した場合にも、硫黄細菌が粉末状担体に安定に担持されているため、硫黄細菌の過度の分散(流失)が抑制され、担体をコロニーとして硫黄細菌の繁殖性が向上するため、水質改善作用を長期間持続させることができる。
以下、本発明の粉体状微生物製剤における担体である中性の多孔質粒子、及び硫黄細菌について詳細に説明する。
(担体)
本発明の微生物製剤における担体は、中性の多孔質粒子である。
ここで、「中性の多孔質粒子」とは、粒子内に多くの細孔を有する粒子のうち、水に混合したときのpHを測定したとき、pHが中性域となるものである。より具体的には、多孔質粒子が中性であることを確認するにあたっては、水100gに多孔質粒子10gを撹拌混合した後のpHを求めればよい。このときのpHが、5.5〜8.5であることが好ましく、6.0〜8.0であることがより好ましい。現時点では詳細な理由は明らかでないが、中性の多孔質粒子を用いることで、その多孔質粒子を用いた担体に担持される硫黄細菌の定着性が向上し、硫黄細菌本来の代謝作用が持続する。また、この中性の多孔質粒子を用いた微生物製剤を使用環境に散布したとき、その使用環境のpHを変化させないため、環境負荷が小さいという利点もある。
中性の多孔質粒子としてケイ酸塩化合物であるモンモリロナイト、ゼオライト及びカオリンが挙げられ、これらのうちいずれかを少なくとも含有するものを用いることが好ましい。これらのケイ酸塩化合物は、硫黄細菌の繁殖に適するため、硫黄細菌を優先的に担持することができる。また、これらのケイ酸塩化合物は、天然の鉱物、土壌の構成物質としても存在するものであり、散布することによる環境負荷が小さいという利点もある。そのため、天然の鉱物、土壌をそのまま原料として使用してもよい。好適な具体例は、モンモリロナイトを豊富に含む風化生成物層の土壌を粉末化したものである。
本発明において、担体である多孔質粒子は、粒子サイズ53μm以下の粒子を70重量%以上含むことが好ましい。粒子サイズ53μm以下(より好適には45μm以下)とすることにより、得られる微生物製剤の分散性が優れたものとなる。特に処理対象が土壌の場合、担体の粒径が大きすぎると土壌内部への分散が困難であるが、粒子サイズ53μm以下(より好適には45μm以下)とすることにより、土壌内部への分散性が向上する。
また、本発明の微生物製剤を水域に使用する場合にも、粉体状の微生物製剤を散布するだけで、わずかな水流しかなくても、十分に分散する。また、粒子サイズ53μm以下(より好適には45μm以下)の多孔質粒子は、沈降速度も低いため、水中の深さ方向にも徐散される点でも好適である。粒子サイズが53μmを超えると沈降速度が大きくなりすぎるおそれがある。
本発明において、多孔質粒子の粒子サイズは、特定の目開きを有する篩を通過するサイズとして求めた値である。すなわち、目開き53μmである270メッシュの篩を通過する多孔質粒子の最大粒子サイズは53μmであり、前記目開き53μmである270メッシュの篩を用いて篩分けされた多孔質粒子のサイズは53μm以下である。なお、目開き45μmの325メッシュにより篩分けにより得られる45μm以下の多孔質粒子は、本発明の微生物製剤における担体として特に好適である。
多孔質粒子の粒子サイズの下限値は、硫黄細菌の担持が阻害されない限り、特に制限はない。一方で、本発明の微生物製剤の品質を揃える等の目的で、小さすぎる粒子を篩分けをして除去してもよい。
本発明の微生物製剤において、担体中における粒子サイズ53μm以下(好適には45μm以下)の割合は、70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上(100重量%含む)である。
担体として用いられる多孔質粒子が、45μm以下の多孔質粒子のみであれば、硫黄細菌の担持性や、土壌や水域に散布したときの分散性に特に優れる。なお、本発明において、目開き45μmの325メッシュにより篩分けにより得られる粒子はすべて45μm以下の多孔質粒子であるとみなす。
(硫黄細菌)
本発明の微生物製剤において使用される硫黄細菌は、硫黄及び硫黄化合物を酸化または還元することによってエネルギーを得ている化学合成独立栄養細菌であり、主に硫化水素を酸化して硫黄とし、更に硫酸にまで酸化することのできる細菌群の総称である。このような硫黄細菌の例として硫黄酸化細菌ともいわれ、色素の有無によって無色硫黄細菌及び有色硫黄細菌に大別される細菌群があげられる。また、硫黄細菌は、その種類にもよるが、通常、幅が0.3μm〜3μm程度の比較的小さい菌であることが知られている。
無色硫黄細菌は、好気性で糸状体を形成するものとしてベギアトア(Beggiatoa)、チオトリックス(Thiothrix)、チオプロカ(Thioploca)などがあり、かん(桿)状を呈するものにチオバシラス(Thiobacillus)、アクロマチウム(Achromatium)、アシドチオバチルス(Acidithiobacillus)などの属が知られている。有色硫黄細菌は、嫌気性で紅色を呈するかん状のクロマチウム(Chromatium)、チオカプサ(Thiocapsa)、緑でかん状のクロロビウム(Chlorobium)などの属がある。有色硫黄細菌は、光合成色素(バクテリオクロロフィル)を含み、光合成を行うことから、光合成細菌ともいわれている。本発明においては、これらのいずれの硫黄細菌を用いてもよく、1種類でも2種以上を同時に使用してもよい。
本発明の微生物製剤には、硫黄細菌の作用を抑制しない限り、硫黄細菌以外の他の菌が担持されていてもよい。また、直接担体である多孔質に担持させずとも各種菌の乾燥粉体を混合してもよい。
また、硫黄細菌は、糸状菌などが多く、本発明に用いる多孔質粒子に優先的に担持され増殖しやすい菌である。この組み合わせは、他の菌による置換や、硫黄細菌の流失などが生じにくい点からも優れている。また、本発明の微生物製剤では、硫黄細菌が担体の細孔内に固定化されることで安定化するため、乾燥状態で保管しても、その硫黄細菌の代謝作用の低減が抑制される。
また、本発明の微生物製剤において、硫黄細菌が、水溶性高分子と共に担体に担持されていることが好ましい態様である。このように水溶性高分子と共に硫黄細菌を担持することにより、より乾燥時の耐久性を高め、硫黄細菌が繁殖しやすくなる。そのため、特に水分が少ない土壌が処理対象である場合にも、硫黄細菌が繁殖し定着しやすくなる。なお、硫黄細菌が繁殖し定着したのちは雨水等により、水溶性高分子は流失したり、硫黄細菌の繁殖で消費されてもよい。
また、水溶性高分子と共に担体に担持されることにより、より長期間(少なくとも4年以上)保存しても、微生物製剤の性能を保つことができる。
水溶性高分子としては、硫黄細菌の繁殖や代謝作用を阻害しないものであれば特に制限されない。例えば、キサンタンガム、κ−カラギーナン、キトサン、アルギン酸塩等の水溶性高分子多糖類、ポリビニルアルコール等の水溶性合成樹脂が挙げられる。これらの中でも、水溶性高分子多糖類は、天然由来成分であるため、処理対象の水域や土壌に散布しても環境負荷が小さいため好ましい。
また、硫黄細菌を水溶性高分子と共に噴霧して担体に固定させれば、硫黄細菌が水溶性高分子で被覆された状態となり、より硫黄細菌の長期安定性や乾燥に対する耐久性が向上する傾向にある。この被覆処理は、硫黄細菌のマイクロカプセル化ともいうことができ、硫黄細菌は凝集することなく、水溶性高分子で被覆される。このような被覆処理に特に適した水溶性高分子として、例えば、キサンタンガムやポリビニルアルコールが挙げられる。被覆処理のための噴霧方法は任意であり、硫黄細菌、水溶性高分子、担体の種類、担持する量等と共に適宜好適な方法及び条件が選択される。
(液状組成物)
本発明の粉体状微生物製剤は、水又は水を主体とする溶媒に添加、混合して液状組成物とすることができる。
前記溶媒の水の割合は、50重量%以上、好ましくは80重量%以上(100重量%含む)である。水以外の溶媒としては、硫黄細菌の繁殖や活性を阻害しないものであればよく、エタノールなど低級アルコールが挙げられる。
粉体状微生物製剤を液状組成物とすることにより、粉体状微生物製剤の散布を行いやすくすることができる。また、液状組成物は、特に溶媒と共に土壌内部へ浸透させることができるので、土壌改善用として好ましい。液状組成物として土壌内部へ浸透することで、土壌の深さ方向にも硫黄細菌の効果を安定して奏することができ、団粒状の土壌とすることができる。
液状組成物に含ませる粉体状微生物製剤の割合は、任意である。例えば本発明の粉体状微生物製剤100〜300g程度を、水10Lに添加し、これを液状組成物として散布することができる。なお、粉体状微生物製剤を高濃度で使用する場合、凝集や沈殿の発生を抑制するために、使用直前に本発明の粉体状微生物製剤を、溶媒に添加して使用することもできる。また、凝集や沈殿の発生した場合でもこれを再度撹拌することにより、本発明の液状組成物として使用することができる。
液状組成物には、粉体状微生物製剤以外にも硫黄細菌の繁殖や活性を阻害しないものであれば任意の成分を含んでいてもよい。例えば、公知のpH調整剤や分散剤などが挙げられる。
<2.粉体状微生物製剤の製造方法>
本発明の粉体状微生物製剤は、その効果(担持された硫黄細菌の代謝作用)が阻害されない限り、特に制限はないが、本発明の粉体状微生物製剤を製造する方法のうち、以下に説明する製造方法が(以下、「本発明の粉体状微生物製剤の製造方法」または単に「本発明の製造方法」と称す。)が好適である。
本発明の粉体状微生物製剤の製造方法は、硫黄細菌を溶媒に添加して混合し、硫黄細菌含有溶液を製造する工程(1)と、前記硫黄細菌含有溶液を、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む担体に接触させることによって、前記担体に硫黄細菌を担持させる工程(2)と、を有する。以下、工程(1)および工程(2)について詳細に説明する。
[工程(1)]
工程(1)は、硫黄細菌を溶媒に添加して混合し、硫黄細菌含有溶液を製造する工程である。なお、硫黄細菌については、<1.粉体状微生物製剤>と同様であるため、説明を省略する。
硫黄細菌含有溶液には、できる限り硫黄細菌以外の菌を含ませないように(好適には硫黄細菌のみと)することが好ましい。このようにすることにより、硫黄細菌が優先的に培養された培養液が得られ、この培養液を使用することにより、担体に硫黄細菌を優先的に担持することができる。
溶媒としては、硫黄細菌の繁殖や活性を阻害しないものであればよく、通常、水又は水を主体とする溶媒である。前記溶媒の水の割合は、50重量%以上、好ましくは80重量%以上(100重量%含む)である。水以外の溶媒としては、エタノールなど低級アルコールが挙げられる。
また、より硫黄細菌を安定して担持させ、かつ、乾燥に強くするために、硫黄細菌含有溶液を、水溶性高分子を添加して製造することが好ましい。水溶性高分子については、<1.粉体状微生物製剤>と同様であるため、説明を省略する。
なお、硫黄細菌含有溶液には、硫黄細菌の繁殖や活性を阻害しない限り、任意の添加剤を添加していてもよい。
[工程(2)]
工程(2)は、前記硫黄細菌含有溶液を、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む担体に接触させることによって、前記担体に硫黄細菌を担持させる工程である。工程(2)では、通常、担体に硫黄細菌含有溶液を接触させたのちに、乾燥処理(自然乾燥含む)により硫黄細菌含有溶液から溶媒を除去して、前記担体に硫黄細菌を担持させる。
担体である中性の多孔質粒子については、<1.粉体状微生物製剤>と同様であるため、説明を省略する。なお、担体は、粒子サイズ53μm以下(好適には45μm以下)の中性の多孔質粒子が、70重量%以上であることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、特に好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上(100重量%含む)である。なお、担体として用いられる多孔質粒子には、一部粒子サイズが大きいものが含まれていてもよい。
より散布性や散布後の分散性を高めるためには、担体は、粒子サイズ45μm以下の粒子のみを担体にすることが特に好ましい。
硫黄細菌含有溶液と、担体とを接触させる方法は任意であり、担体を硫黄細菌含有溶液に浸漬したのちに溶媒を蒸発させたり、担体に硫黄細菌含有溶液を振り掛ける方法等がある。より均等な量の硫黄細菌含有溶液を担体に付与することができ、担持される硫黄細菌の量を均等にすることができる点で、硫黄細菌含有溶液を噴霧することによって、担体に接触させる方法が好ましい。また、この噴霧による担持は、工程(1)において水溶性高分子を用いるとき、特に適しており、硫黄細菌を水溶性高分子と共に担体へ担持させようとするとき、噴霧により担持させることで、硫黄細菌が水溶性高分子で被覆された状態とすることができ、また、水溶性高分子が過剰に担体を覆ってしまい粉体がべたついたり、粉体が凝固することを避けることができる。
<3.粉体状微生物製剤の使用方法>
本発明の粉体状微生物製剤は、そのままあるいは溶媒に添加した液状組成物として、処理対象の土壌や水域に対して散布して使用することができる。
本発明の土壌改善方法は、上記本発明の粉体状微生物製剤、または液状組成物を、処理対象の土壌に散布することを特徴とする。
粉体状微生物製剤をそのまま使用する場合にはさらに土壌と混合させることが好ましい。一方で、粉体状微生物製剤を含有する液状組成物であれば、粉体状微生物製剤の粒径が小さいため、溶媒と共に土壌内部に浸透させやすいため好ましい。
また、本発明の粉体状微生物製剤における担体を、粒子サイズ45μm以下の粒子のみとすると、噴霧用ノズルの閉塞が起こりづらく、動力噴霧器を用いて広範囲に噴霧で散布しやすいという利点もある。
土壌に散布するときの散布量は、その土壌の用途や性質等により適宜設定されるが、粉体状微生物製剤として、3〜20g/m2であることが好ましく、5〜10g/m2であることがより好ましい。
本発明の土壌改善方法により、改善された土壌は、各種植物が生育しやすいものとなる。具体的には、野菜や花、芝生、植木、樹木、果樹等に用いることができる。
また、本発明の水質改善方法は、上記本発明の粉体状微生物製剤、または液状組成物を、処理対象の水域に散布することを特徴とする。
本発明の水質改善方法により、水質浄化、ヘドロの分解、悪臭改善およびプランクトン発生抑制の少なくとも1以上の環境浄化方法に用いることができる。より具体的には、水質浄化方法に用いる場合、浄化対象となる水として例えば浄化槽や、海、池、沼、小川、養殖場、水槽等があげられる。これらの水域に本発明の微生物製剤を混合して静置したり、水面に散布する等の方法で、浄化対象における水質を改善することができる。また、上述のように、本発明の粉体状微生物製剤の担体として、粒子サイズ45μm以下とすることにより、水域への沈降速度が小さくなるため、浄化対象の水域に広範囲に拡散したのちに、徐々に沈降するという利点がある。
また、本発明の微生物製剤を用いたヘドロの分解方法として達成することもできる。ヘドロの分解にあたっては、ヘドロは、有機物を多量に含有する底質中で有機物を過剰に生物分解し、嫌気性状態になっているもので、硫化水素などの硫化物が発生し、好気性細菌や通性嫌気性細菌が生息しにくくなったものである。特に硫化水素の発生が顕著に確認されるヘドロを硫化水素ヘドロと呼ぶ場合がある。このようなヘドロは、原生動物等による有機物の分解が困難となり、浄化されにくくなるが、本発明の粉体状微生物製剤を混合や、散布しておくことで、これらのヘドロを分解し、本来の底質に戻すことができる。
また、本発明の微生物製剤を用いた悪臭改善方法としても達成することができる。この場合、悪臭改善したい生ごみ、排水溝、汲み取り式トイレなど小規模の対象だけでなく、浄化槽、生活排水、工場排水、畜舎等の中〜大規模対象にも、本発明の微生物製剤を散布することで悪臭改善効果を発揮する。
また、本発明の微生物製剤を用いたプランクトンの発生抑制方法としても達成することができる。すなわち、本発明の微生物製剤を海・湖沼・河川などの水域における、貧栄養状態から富栄養に伴うプランクトン等の異常発生の抑制等にもちいることができる。
以上、本発明について述べたが、これらは本発明の例示であって制限的なものではない。特に、今回開示された内容において、明示的に開示されていない事項、例えば、上記土壌改良方法や水質改善方法において、明示的に開示されていない操業条件、各種パラメータなどは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
「微生物製剤の調製」
「担体」
中性の多孔質粒子であるモンモリロナイトを豊富に含む風化生成物層の土壌を、325メッシュ(目開き45μm)の金網篩で、篩分けし、粒子サイズ45μm以下の多孔質粒子を得た。この多孔質粒子を本発明の微生物製剤の担体とした。
得られた多孔質粒子を分捕りし10gを、100gの水に入れて、十分に攪拌した後にpH測定器を用いてpHを測定した。同様の測定を3回行い、測定されたpHは、すべて6.0〜8.0の範囲であった。
・培養液(a) 硫黄細菌の培養液
本発明の微生物製剤に担持させる微生物として硫黄酸化菌属であるアシドチオバチルス属を培養するために、この菌が優占的に培養される公知の培養液を用いて、硫黄細菌の培養液(培養液(a))を調製した。この硫黄細菌の培養液における、細菌濃度は、1010〜1012 Cell/mLであった。
・水溶性高分子混合培養液(b)
キサンタンガムを水に溶解させ、キサンタンガム濃度が10重量%の水溶性高分子混合溶液を調製した。この水溶性高分子混合溶液95重量部と、前述の培養液(a)5重量部を、混合して撹拌することで、キサンタンガムと硫黄細菌とを含有する水溶性高分子混合培養液(b)を調製した。
「担持方法」
水溶性高分子混合培養液(b)100重量部を、前述の担体2000重量部に噴霧器で噴霧し、常温で自然乾燥することによって、硫黄細菌を水溶性高分子と共に担体に担持させた粉体状微生物製剤(A)を得た。顕微鏡観察により、水溶性高分子により硫黄細菌が被覆されていることが確認された。
粉体状微生物製剤(A)は、湿り気が無く凝固等がほとんど発生しておらず、滑らかに分散するものであった。
[試験例1−1:土壌の改善試験1]
[評価項目]
「測定方法」
[EC]:サトテック社製 “防水導電率系計 PCD−431”
評価は、農作物用ハウスの土壌(作付け用面積:8m×50m)で行った。なお、粉体状微生物製剤(A)の散布前後のEC値を評価して、粉体状微生物製剤(A)散布による土壌改善効果を確認した。
粉体状微生物製剤(A)を、水に添加して十分にかき混ぜて、粉体状微生物製剤(A)濃度20g/Lの液状組成物を調製した。この液状組成物を、粉体状微生物製剤(A)としての散布量が5g/m2となるように農作物用ハウスの土壌に散布した。
粉体状微生物製剤(A)を散布する前のEC値は、1800μS/cmであり、作付に適さない高い値であった。一方、粉体状微生物製剤(A)を散布した後は、EC値は、700μS/cmまで低下した。このことより、粉体状微生物製剤(A)の散布により土壌が改善したことが示された。
[試験例1−2:土壌の改善試験2]
5アール程のイチゴ(紅ほっぺ)の栽培ハウスに平成26年9月中旬に苗を定植し、所定期間経過後に、粉体状微生物製剤(A)を散布量が5g/m2となるようにハウス入口より左側3列の畝に散布した。なお、右側2列は比較のために散布を行わなかった。平成27年3月末時点(収穫中)では、粉体状微生物製剤(A)を散布した畝(散布土壌)の方が、未散布の畝(未散布土壌)よりも、イチゴの生育が良いのが目視で確認できた。
平成27年7月中旬(粉体状微生物製剤(A)の散布後約9か月)に次作のために散布・未散布土壌の土壌検査を行った。図1に粉体状微生物製剤(A)を散布した土壌の検査結果、図2に散布していない土壌の検査結果をそれぞれ示す。なお、図1,2において、丸印がグラフ中央の「施肥前標準」の中に含まれているほど栽培に適することを意味する。
連作障害の原因として残留肥料成分があるが、粉体状微生物製剤(A)の散布土壌では、これまで過剰気味だった肥料成分が低減され標準的な土壌成分値の分布に近づいていた。一方、未散布土壌では肥料成分が標準よりも高めに残留していた。
[試験例2:水質浄化方法]
[試験例2−1:沈降試験]
粉体状微生物製剤(A)5gを、容器に入った水(20L)に散布し、目視で経過観察したところ、粉体状微生物製剤(A)は直ちに沈降せず、分散しながら徐々に進行していくことが確認された。
[試験例2−2:水質浄化試験]
[試験内容]
場所:佐賀県内の有明ノリ乾燥工場
使用製剤と使用量:粉体状微生物製剤(A)1kg
散布方法:工場排水の排水槽(約400t)内、及び工場〜排水槽間の水路上流に散布した。
試験開始時期:12月
試験内容:ノリ屑が排水槽内に堆積し悪臭がひどく、最終的に川へ排水した際にノリの色素のために水がピンク色になってしまうのを改善する目的。水産ノリ乾燥工場の排水槽(A)にはなにも散布せず、水産ノリ乾燥工場の排水槽(B)に上記のとおり微生物製剤(A)を散布した。
試験例2−2の分析結果を表1に示す。
経過:粉体状微生物製剤(A)を散布することで排水槽の臭気が抑制された。また、排水のピンクの着色も改善された。なお、上記の臭気シグマ値が高いほど臭気が高く、このシグマ値は相対的な値として確認するものである。試験時、外気では333〜340を示す状態であり、対照槽である水槽(A)は微生物製剤の散布を行わなかったため1079まで上昇したが、微生物製剤の散布を行った水槽(B)は、630までしか上昇しなかった。
[試験例3:効果の経時変化の評価]
本発明の粉体状微生物製剤の長期安定性の評価として、以下の評価を行った。
評価用試料として、粉体状微生物製剤(A)(製造直後の試料)及び粉体状微生物製剤(A)と同様の製法で製造し、乾燥状態で4年以上保管した試料(以下、「粉体状微生物製剤(A’)」と記載する。)を用いた。
まず、有機物を含む処理対象の原水として、ホテル厨房排水(約2リットル)を3つのガラス製3L水槽にそれぞれ入れ、以下の条件で粉体状微生物製剤を添加した。
水槽1:原水(約2L)(参照)
水槽2:原水(約2L)に粉体状微生物製剤(A)を1g添加
水槽3:原水(約2L)に粉体状微生物製剤(A’)を1g添加
[試験例3−1:水質検査]
原水の水質検査開始時(初日)、検査開始後10日後の原水(水槽1)及び粉体状微生物製剤を添加水槽(水槽2,3)の水質を検査した。水質検査としては、生物化学的酸素要求量(BOD)及び浮遊物質(SS、粒子径2mm以下の不溶解性物質)の量を評価した。
結果を表2に示す。
目視観察では、実験開始10日後、水槽1では、初日と同様に白濁していたのに対し、水槽2、3の透明度が明らかに改善し、原水との差がはっきりとした。
そして、表2に示されるように、実験開始10日後における水槽1〜3のBOD、SSを対比すると、時間の経過によって、粉体状微生物製剤を添加していない水槽1の数値も低下したが、粉体状微生物製剤を添加した水槽2,3では、水槽1に対し有意にBOD、SSの低減が確認できた。また、4年以上保管した粉体状微生物製剤(A’)は、製造直後の粉体状微生物製剤(A)と同等以上の効果を示した。
[試験例3−2:臭気検査]
表3に、水槽1〜3について、試験開始日と5日後、10日後に臭気の検査を行った結果を示す。臭気検査は、臭気測定器((株)カルモア KALMOR-Σ SK-210))を使用した。また、表3の数値は基準として外気を100としたときの相対値である。
臭気においては、時間の経過によって、粉体状微生物製剤を添加していない水槽1の数値が増加したが、粉体状微生物製剤を添加した水槽2,3では、時間の経過によって、水槽1に対し有意に臭気の低減が確認できた。また、4年以上保管した粉体状微生物製剤(A’)は、製造直後の粉体状微生物製剤(A)と同等以上の効果を示した。
本発明の粉体状微生物製剤(製剤(A)及び(A’))は、水質改善に優れた効果を示すと共に、製造から長期間(少なくとも4年以上)、製造したばかりのものとほぼ同等に効果を有することが分かった。硫黄細菌を水溶性高分子と共にモンモリロナイトからなる中性の多孔質担体に担持させているため、長期間失活させることなく、硫黄細菌が保持できたものと考えられる。
本発明の粉体状微生物製剤は、担持された硫黄細菌の代謝作用及び分散性に優れており、土壌改良や、水質浄化、ヘドロの分解、悪臭改善、プランクトンの発生抑制等に用いることができ、産業上有益である。

Claims (11)

  1. 粉末状の担体に硫黄細菌が担持された粉体状微生物製剤であって、前記担体が、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含むことを特徴とする粉体状微生物製剤。
  2. 硫黄細菌が、水溶性高分子と共に担体に担持されている請求項1に記載の粉体状微生物製剤。
  3. 硫黄細菌が、水溶性高分子で被覆されて担体に担持されている請求項2に記載の粉体状微生物製剤。
  4. 前記担体の粒子サイズが45μm以下である請求項1または2に記載の粉体状微生物製剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の粉体状微生物製剤と、水または水を主体とする溶媒とを含むことを特徴とする液状組成物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の粉体状微生物製剤、または請求項5に記載の液状組成物を、処理対象の土壌に散布することを特徴とする土壌改善方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の粉体状微生物製剤、または請求項5に記載の液状組成物を、処理対象の水域に散布することを特徴とする水質改善方法。
  8. 硫黄細菌を溶媒に添加して混合し、硫黄細菌含有溶液を製造する工程(1)と、
    前記硫黄細菌含有溶液を、モンモリロナイト、ゼオライトおよびカオリンからなる群から選択される少なくとも1種以上からなる中性の多孔質粒子を含む担体に接触させることによって、前記担体に硫黄細菌を担持させる工程(2)と、
    を有することを特徴とする粉体状微生物製剤の製造方法。
  9. 工程(1)において、硫黄細菌と共に水溶性高分子を添加して硫黄細菌含有溶液を製造する請求項8に記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
  10. 前記担体の粒子サイズ45μm以下である請求項8または9に記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
  11. 工程(2)において、硫黄細菌含有溶液を噴霧することによって、前記担体に接触させる請求項8〜10のいずれかに記載の粉体状微生物製剤の製造方法。
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