JP2017108485A - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

車両の制御装置及び車両の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低μ路面を予め推定し、旋回アシスト制御による車体付加モーメントを早期に低減させることで、車両の挙動を安定化する。【解決手段】車両の制御装置200は、車両のヨーレートに基づいてハンドル操舵系とは独立して車体に付加する車体付加モーメントを算出する車体付加モーメント算出部232と、車両旋回時に、ヨーレートの変化に対する横加速度の変化の時間差に関する情報を取得する目標時定数算出部226及び実時定数算出部228と、前記時間差に関する情報に基づいて、車体付加モーメントを補正する乗算部236と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
従来、例えば下記の特許文献1には、左右の車輪の転舵動作に時間差を生じさせると共に、左右の車輪の制動・駆動力を生じさせて旋回ヨーモーメントを発生させる旋回アシスト制御手段を備え、ABS(アンチロックブレーキ)動作や各種センサの情報から路面摩擦係数が小さいと判断される場合は、アシストゲインを小さくすることが記載されている。
特開2013−39892号公報
低μ路面においてタイヤスリップ、車体スリップの発生時に旋回アシストトルクを低減させることで、車体の挙動を安定させることができるが、過度なスピン状態ではヨーの収束性が遅れて車両がスピン状態となる問題がある。
上記特許文献1に記載された手法では、各種センサの情報等に基づいて路面摩擦係数が小さいことを判断しているため、駆動力の発生からタイヤの空転によるスリップが発生しないと路面状態を把握することができず、スリップを発生させる前から旋回アシストゲインを最適化することは困難である。タイヤの空転やスリップが実際に発生した状態は、タイヤ摩擦円の限界を超えている状態であり、車両を制御領域に復元するには駆動力を低下させるか、復帰するための時間を要するため、車両挙動が不安定になり、ドライバーの意思に反する車両挙動となる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、低μ路面を予め推定し、旋回アシスト制御による車体付加モーメントを早期に低減させることで、車両の挙動を安定化することが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置及び車両の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両のヨーレートに基づいてハンドル操舵系とは独立して車体に付加する車体付加モーメントを算出する車体付加モーメント算出部と、車両旋回時に、ヨーレートの変化に対する横加速度の変化の時間差に関する情報を取得する時間差情報取得部と、前記時間差に関する情報に基づいて、前記車体付加モーメントを補正する補正部と、を備える、車両の制御装置が提供される。
前記時間差情報取得部は、車両の旋回開始時に前記時間差に関する情報を取得するものであっても良い。
また、前記時間差情報取得部は、ヨーレートのモデル値が所定値に到達した起点として、横加速度のモデル値が所定値に到達するまでの第1の時間を算出する第1の算出部と、ヨーレートのモデル値が所定値に到達した起点として、横加速度のセンサ値が前記所定値に到達するまでの第2の時間を算出する第2の算出部と、を備え、前記第1の時間と前記第2の時間から前記時間差に関する情報を取得するものであっても良い。
また、前記第1の算出部は、旋回開始時に前記ヨーレートのモデル値が旋回開始後のピーク値に到達した時点を前記起点として、前記横加速度のモデル値が旋回開始後のピーク値に到達するまでの前記第1の時間を算出するものであっても良い。
また、前記第2の算出部は、旋回開始時に前記ヨーレートのモデル値が旋回開始後のピーク値に到達した時点を前記起点として、前記横加速度のセンサ値が旋回開始後のピーク値に到達するまでの前記第1の時間を算出するものであっても良い。
また、前記時間差に関する情報に基づいて、前記補正部が前記車体付加モーメントを補正するためのゲインを算出するゲイン算出部を備え、前記ゲイン算出部は、前記第2の時間に対する前記第1の時間の比率を前記ゲインとするものであっても良い。
また、前記補正部は、前記車体付加モーメントに前記比率を乗算することで前記車体付加モーメントを補正するものであっても良い。
また、ステアリング操舵角と車両速度に基づいて目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出部と、車両モデルからヨーレートモデル値を算出する車両ヨーレート算出部と、車両の実ヨーレートを検出するヨーレートセンサと、前記ヨーレートモデル値と前記実ヨーレートとの差分に基づいて前記ヨーレートモデル値と前記実ヨーレートを配分して、前記ヨーレートモデル値及び前記実ヨーレートからフィードバックヨーレートを算出するフィードバックヨーレート算出部と、を備え、前記車体付加モーメント算出部は、前記目標ヨーレートと前記フィードバックヨーレートとの差分に基づいて、前記車体付加モーメントを算出するものであっても良い。
また、前記車体付加モーメントに基づいて前記車両の後方左右輪の各々を駆動するモータを個別に制御するためのモータ要求トルクを算出するモータ要求トルク算出部を備えるものであっても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車両のヨーレートに基づいてハンドル操舵系とは独立して車体に付加する車体付加モーメントを算出するステップと、車両旋回時に、ヨーレートの変化に対する横加速度の変化の時間差に関する情報を取得するステップと、前記時間差に関する情報に基づいて、前記車体付加モーメントを補正するステップと、を備える、車両の制御方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、低μ路面を予め推定し、旋回アシスト制御による車体付加モーメントを早期に低減させることで、車両の挙動を安定化することが可能となる。
本発明の一本実施形態に係る車両を示す模式図である。 一般的なヨーレートフィードバック制御を説明するための模式図である。 車輪のすべり角と横加速度との関係を示す図である。 タイヤのスリップ率と前後力との関係を示す特性図である。 後輪の前後力と横力との関係を示す図である。 車両速度V、ステアリング操舵角θhを入力として車両2輪モデルより求めたモデル値とセンサ値を比較して示す特性図である。。 本実施形態に係る制御装置200とその周辺の構成を詳細に示す模式図である。 重み付けゲイン算出部が重み付けゲインaを算出する際のゲインマップを示す模式図である。 本実施形態の全体的な処理を示すフローチャートである。 図9のステップS122の処理を示すフローチャートである。 車両ヨーレート算出部がヨーレートモデル値γ_clcを算出する処理を示すフローチャートである。 付加トルクTvmotを算出する処理を示すフローチャートである。 低μ判定出力ゲイン算出部が低μ判定出力ゲインμGを算出する処理を示すフローチャートである。 図13のステップS246において、目標時定数Ttgtを算出する処理を示すフローチャートである。 図13のステップS248において、実時定数Trealを算出する処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る制御を行った場合の効果を説明するための特性図である。 低μ路でのダブルレーンチェンジを行った場合に、ステアリング操舵角、ヨーレート、横加速度の各パラメータが変化する様子を示す特性図である。 低μ路でのダブルレーンチェンジを行った場合に、ステアリング操舵角、ヨーレート、横加速度の各パラメータが変化する様子を示す特性図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る車両1000の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る車両1000を示す模式図である。図1に示すように、車両1000は、前輪100,102、後輪104,106、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動する駆動力発生装置(モータ)108,110,112,114、モータ108,110,112,114の駆動力を前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれに伝達するギヤボックス116,118,120,122、モータ108,110,112,114のそれぞれを制御するインバータ123,124,125,126、後輪104,106のそれぞれの車輪速(車両速度V)を検出する車輪速センサ127,128、前輪100,102を操舵するステアリングホイール130、前後加速度センサ132、横加速度センサ134、バッテリー136、舵角センサ138、パワーステアリング機構140、ヨーレートセンサ142、インヒビターポジションセンサ(IHN)144、アクセル開度センサ146、制御装置(コントローラ)200を有して構成されている。
本実施形態に係る車両1000は、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動するためにモータ108,110,112,114が設けられている。このため、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれで駆動トルクを制御することができる。従って、前輪100,102の操舵によるヨーレート発生とは独立して、前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれを駆動することで、トルクベクタリング制御によりヨーレートを発生させることができ、これによってステアリング操舵のアシストを行うことができる。つまり、本実施形態に係る車両1000では、旋回モーメント(以下、ヨーモーメントともいう)を車体旋回角速度(以下ヨーレート)で制御し、ステアリング操舵のアシストを行う旋回アシスト制御を実施する。特に、応答性に優れたインバータ123,124,125,126を備えることで、左右独立駆動が可能な電動車両において旋回モーメントを車体旋回角度(ヨーレート)で制御し、ステアリング操舵のアシストを行う旋回制御を高精度に実現できる。
各モータ108,110,112,114は、制御装置200の指令に基づき各モータ108,110,112,114に対応するインバータ123,124,125,126が制御されることで、その駆動が制御される。各モータ108,110,112,114の駆動力は、各ギヤボックス116,118,120,122を介して前輪100,102及び後輪104,106のそれぞれに伝達される。応答性に優れるモータ108,110,112,114、インバータ123,124,125,126を適用した左右独立駆動が可能な車両1000において、旋回モーメント(ヨーモーメント)を車体旋回角速度(ヨーレート)で制御することができ、ステアリング操舵のアシストを行う旋回アシスト制御を実施する。
パワーステアリング機構140は、ドライバーによるステアリングホイール130の操作に応じて、トルク制御又は角度制御により前輪100,102の舵角を制御する。舵角センサ138は、運転者がステアリングホイール130を操作して入力したステアリング操舵角θhを検出する。ヨーレートセンサ142は、車両1000の実ヨーレートγを検出する。車輪速センサ127,128は、車両1000の車両速度Vを検出する。
なお、本実施形態はこの形態に限られることなく、後輪104,106のみが独立して駆動力を発生する車両であっても良い。また、本実施形態は、駆動力制御によるトルクベクタリングに限定されるものではなく、後輪の舵角を制御する4WSのシステム等においても実現可能である。
図2は、一般的なヨーレートフィードバック制御を説明するための模式図である。目標ヨーレートγ_tgtは、車両速度Vとステアリング操舵角θhから求まる。一方、ヨーレートセンサ142により実ヨーレートγが検出される。そして、目標ヨーレートγ_tgtと実ヨーレートγとの差分Δγを車両諸元に基づいて車体付加モーメントMgに変換し、車体付加モーメントMgから後輪のモータトルク指示値(Frl(左後輪),Frr(右後輪))を算出する。このように、目標ヨーレートγ_tgtに対して実ヨーレートγをフィードバックすることで、目標ヨーレートγ_tgtに応じて車両1000の旋回を行うことができる。
次に、図3〜図5を参照して、旋回アシスト制御の作用について詳細に説明する。図3は、車輪(以下、タイヤとも称する。)のすべり角と横加速度との関係を示す図である。
図3に示すように、タイヤのすべり角(スリップ角)と横加速度との関係を示す特性(以下、コーナリング特性、またはタイヤの横力特性とも称する。)において、すべり角について横加速度が線形となる線形領域(すべり角が比較的小さい領域)では、すべり角の増加に応じて横加速度が増加する。例えば、平面2輪モデルでは、タイヤのコーナリング特性が線形であると想定され、上記の線形領域では、モデルと実車の挙動がおおよそ一致する。
一方、すべり角がある程度増加すると、平面2輪モデルとは異なり、タイヤのコーナリング特性が非線形になる。すなわち、横加速度がすべり角について非線形になる非線形領域が存在し、当該非線形領域では、すべり角の増加率に対する横加速度の増加率が減少する。
このように、すべり角がある程度増加すると、得られる横加速度の増加率が減少するため、横加速度が飽和しやすくなる。そして、前輪の横加速度が飽和すると、アンダステアが発生する。そこで、前輪の操舵によるヨーモーメントの発生とは独立して、同じ方向のヨーモーメントを発生させる旋回アシスト制御を車両の後輪に適用することにより、横加速度が追加的に得られ、横加速度の飽和が回避される。その結果、アンダステアが抑制され、操舵に応じて車両は旋回することができる。
図4は、タイヤのスリップ率と前後力との関係を示す特性図である。図4に示す特性(以下、タイヤの前後力特性とも称する。)において、スリップ率がある程度増加するまでは、スリップ率が増加しながらも前後力は増加する。そして、例えば、タイヤの摩擦円特性の上限まで前後力を増加させると前後力は飽和する。一般的に、図4の横軸のスリップ率は、以下の式(1)で算出される。
スリップ率=(車両速度−車輪速度)/車両速度 ・・・(1)
図4に示すように、スリップ率がある程度増加すると前後力は低下し始める。これは、スリップ率が増加するとタイヤの摩擦円特性が小さくなり、前後力の許容量が減少するためである。この状態で、旋回アシスト制御のゲインを増加させると、タイヤの前後力特性は、図4に示す破線で囲まれた領域に近づくように変化する、すなわちスリップ率は増加し、前後力が減少する。反対に、旋回アシスト制御のゲインを減少させると、タイヤの前後力特性は、図4に示す一点鎖線で囲まれた領域に近づくように変化する、すなわちスリップ率は減少し、前後力が増加する。更に旋回アシスト制御のゲインを減少させると、スリップ率は減少し、前後力も減少する。
ここで、μが低い路面では、μが高い路面に比べてタイヤの摩擦円特性が小さくなるため、前後力および横力の許容量が減少する。この状態で、旋回アシスト制御のゲインを増加させると、スリップ率が増加し、後輪のタイヤの摩擦円特性がさらに小さくなる。そのため、前後力は得られないまま、横力の許容量がさらに減少し、横力が飽和しやすくなる。その結果、オーバステアが発生しやすくなり、最終的には車両がスピンしかねない。
以上のように、旋回限界時は、タイヤ摩擦円の飽和により車体がスリップ状態となり、安定性を得ることができない。このため、タイヤの限界を超えてスリップ等が発生した場合に旋回アシストゲインを低下させることで安定性を確保することが考えられる。旋回アシスト制御を行うと、低μ路におけるタイヤスリップおよび車体スリップ状態時に、旋回アシストトルクを低減させることで車体の横すべり量を抑制することができ、車両の安定性は向上するが、過度なスピン状態ではヨーの収束性が遅れて車両のスピンが発生する。
旋回性能向上制御を高μ路条件で設定すると、低μ路ではタイヤが飽和し、タイヤの空転が発生したり、車両がスピンする可能性がある。一方で、制御を低μ路条件で設定すると,高μ路での旋回性能が得られない。制御を低μ路条件で設定すると、すでに旋回アシストでタイヤの摩擦円を飽和させてしまっているため、更にタイヤの駆動力で旋回アシストを行うことができなくなる。
ここで、旋回時に高μ路では、操舵からタイヤ転舵角を入力とした横力が発生する。特に旋回アシスト制御では、後輪での旋回モーメント付加を行うと、低μ路では高μ路における反力が得られなくなる。特に、コーナーの曲がり始めなど、ステアリング操作開始時には、ヨーレートの発生のみ先行して、横加速度の発生が遅れる。本実施形態では、このような特性を適用し、ヨーレートと横加速度の発生時定数を目標値と実値の割合として、目標値と実値の時定数の比率を旋回アシスト制御のゲインとする。より具体的には、ステアリングの操舵角速度により発生する旋回ヨーレートと旋回横加速度の時定数差を演算し、この時定数差の比率から路面μの状態を推定し、旋回アシスト制御のゲインとする。この際、車両の操舵角速度より旋回ヨーレートと旋回横加速度の発生時定数を算出し、時定数差が大きいほど低μであると推定し、時定数が一致するほど高μと判断し、旋回アシスト制御のゲインを可変させる。時定数差により路面状態を推定することで、スリップを発生させる前から旋回アシスト制御のゲインを最適化することができるため、操縦性能と暗転性能を両立させてヨーの収束性を大幅に向上できる。推定した路面μが高い状態と低い状態とで旋回アシスト制御のゲインを変化させ、高μ時にはゲインを1とし、低μ時にはゲインを0以上1未満の値とすることで、低μ時に旋回アシストトルクを低減する。これにより、車輪および車体がスリップしなくても路面状況を判定することができる。そして、走行中の車両状態を把握し、タイヤ摩擦円内の制駆動力(前後力)及び横力でモータ制御を行うことができるため、旋回性能と車両安定性能を両立でき、直進安定性と操縦安定性に優れ、高μ路,低μ路の双方で旋回性能と車両挙動安定性能を向上させることができる。
図5は、後輪の前後力と横力との関係を示す図である。図5を参照して、車両1000の挙動の安定化について詳細に説明する。
後輪106、108の前後力と横力との関係を示す特性(以下、タイヤの摩擦円特性とも称する。)において、例えば、路面状態が高μであり、旋回アシスト制御のゲインを低下させる前は、図5の左図に示す前後軸の矢印A51まで前後力が発生しているため、左右軸の矢印A52の幅が横力の許容量となる。高μの場合は、図5の左図に実線で示すように、摩擦円C1が大きいため、前後力を十分に使っても横力が飽和することはない。この状態で路面が低μになると、タイヤの摩擦円が破線C2の状態となり、許容される横力が飽和するため、オーバステアが発生する。しかし、本実施形態では、路面が低μになることが推定されると、予め旋回アシスト制御のゲインを減少させるため、図5の左図の矢印A53で示したように、前後力が減少し、横力の許容量が増加する(矢印A54)。従って、後輪106、108の横方向へのスリップが抑えられるため、オーバステアが発生することなく、車両1000の挙動が安定する。
その後、路面が高μに復帰したことが推定されると、図5の右図において、タイヤの摩擦円がC1に復帰する。従って、旋回アシスト制御のゲインを増加させることで、タイヤの前後力を実線の摩擦円C1まで増加させることができる。この際、本実施形態では、車両1000のスリップの程度に応じて旋回アシスト制御のゲインを増加させる。具体的には、摩擦円がC2→C3→C1の順で拡大する際に、摩擦円の大きさに従って前後力を矢印A55→A56→A57の順に増加させる。これにより、タイヤの摩擦円が大きくなるのに伴ってゲインが増加するため、前後力を飽和させることなく、且つ前後力の増加を短時間で行うことができる。
図7は、本実施形態に係る制御装置200とその周辺の構成を詳細に示す模式図である。制御装置200は、車載センサ202、目標ヨーレート算出部204、車両ヨーレート算出部(車両モデル)206、ヨーレートF/B算出部208、減算部210,212、重み付けゲイン算出部220、目標横加速度算出部224、目標時定数算出部(時間差取得部)226、実時定数算出部(時間差取得部)228、車体付加モーメント算出部232、低μ判定出力ゲイン算出部(ゲイン算出部)234、乗算部(補正部)236、モータ要求トルク算出部238、を有して構成されている。
図7において、車載センサ202は、上述した車輪速センサ127,128、前後加速度センサ132、横加速度センサ134、舵角センサ138、ヨーレートセンサ142、アクセル開度センサ146を含む。舵角センサ138はステアリングホイール130の操舵角θhを検出する。また、ヨーレートセンサ142は車両1000の実ヨーレートγを検出し、車輪速センサ127,128は車両速度(車速)Vを検出する。横加速度センサ134は、車両1000の横加速度Ayを検出する。
目標ヨーレート算出部202は、ステアリング操舵角θhおよび車両速度Vに基づいて目標ヨーレートγ_tgtを算出する。具体的には、目標ヨーレート算出部202は、一般的な平面2輪モデルを表す以下の式(2)から目標ヨーレートγ_tgtを算出する。目標ヨーレートγ_tgtは、式(2)の右辺に、式(3)および式(4)から算出される値を代入することによって算出される。算出された目標ヨーレートγ_tgtは、減算部210へ入力される。
Figure 2017108485
Figure 2017108485
Figure 2017108485
なお、式(2)〜式(4)における変数、定数、演算子は以下の通りである。
γ_tgt:目標ヨーレート
θh:ステアリング操舵角
V:車両速度
T:車両の時定数
S:ラプラス演算子
N:ステアリングギヤ比
l:車両ホイールベース
:車両重心点から前輪中心までの距離
:車両重心点から後輪中心までの距離
m:車両重量
ftgt:目標コーナリングパワー(前方輪)
rtgt:目標コーナリングパワー(後方輪)
以上のように、目標ヨーレートγ_tgtは、車両速度V、及びタイヤ舵角δを変数として、式(2)から算出される。式(3)における定数Atgtは車両の特性を表す定数であり、式(4)から求められる。
車両ヨーレート算出部206は、車両ヨーレートを算出するための以下の式から、ヨーレートモデル値γ_clcを算出する。具体的には、以下の式(5)、式(6)へ車両速度V、ステアリング操舵角θhを代入し、式(5)、式(6)を連立して解くことで、ヨーレートモデル値γ_clc(式(5)、式(6)におけるγ)を算出する。式(5)、式(6)において、Kはコーナリングパワー(フロント)、Kはコーナリングパワー(リア)を示している。なお、式(4)では、式(5)、式(6)のコーナリングパワーK,Kとは異なる目標コーナリングパワーKftgt,Krtgtを用いることで、目標ヨーレートγ_tgtがヨーレートモデル値γ_clcよりも大きくなるようにして、旋回性能を高めている。ヨーレートモデル値γ_clcは、ヨーレートF/B算出部208へ出力される。また、ヨーレートモデル値γ_clcは、減算部212へ入力される。
Figure 2017108485
一方、ヨーレートセンサ142が検出した車両1000の実ヨーレートγ(以下では、実ヨーレートγ_sensと称する)は、減算部212へ入力される。減算部212は、実ヨーレートγ_sensからヨーレートモデル値γ_clcを減算し、実ヨーレートγ_sensとヨーレートモデル値γ_clcとの差分γ_diffを求める。差分γ_diffは重み付けゲイン算出部220へ入力される。
重み付けゲイン算出部220は、実ヨーレートγ_sensとヨーレートモデル値γ_clcとの差分γ_diffに基づいて、重み付けゲインaを算出する。
ヨーレートF/B算出部208には、ヨーレートモデル値γ_clc、実ヨーレートγ_sens、及び重み付けゲインaが入力される。ヨーレートF/B算出部208は、以下の式(7)に基づき、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγ_sensを重み付けゲインaによって重み付けし、フィードバックヨーレートγ_F/Bを算出する。算出されたフィードバックヨーレートγ_F/Bは、減算部210へ出力される。
γ_F/B=a×γ_clc+(1−a)×γ_sens ・・・・(7)
0082−0087
図8は、重み付けゲイン算出部220が重み付けゲインaを算出する際のゲインマップを示す模式図である。図8に示すように、重み付けゲインaの値は、車両モデルの信頼度に応じて0から1の間で可変する。車両モデルの信頼度を図る指標として、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγ_sensとの差分(偏差)γ_diffを用いる。図8に示すように、差分γ_diffの絶対値が小さい程、重み付けゲインaの値が大きくなるようにゲインマップが設定されている。重み付けゲイン算出部220は、差分γ_diffに図8のマップ処理を施し、車両モデルの信頼度に応じた重み付けゲインaを演算する。
図8において、重み付けゲインaは0〜1の値である(0≦a<1)。−0.05[rad/s]≦γ_diff≦0.05[rad/s]の場合、重み付けゲインaは1とされる(a=1)。
また、0.05<γ_diffの場合、またはγ_diff<−0.05の場合、重み付けゲインaは0とされる(a=0)。
また、0.05[rad/s]<γ_diff<0.1[rad/s]の場合、重み付けゲインaは以下の式より算出される。
a=−20×γ_diff+2
また、−0.1[rad/s]≦γ_diff<−0.05[rad/s]の場合、重み付けゲインaは以下の式より算出される。
a=+20×γ_diff+2
図8に示すゲインマップの領域A1は、差分γ_diffが0に近づく領域であり、実ヨーレートγ_sensのS/N比が小さい領域や、タイヤ特性が線形の領域(ドライの路面)であり、車両ヨーレート算出部206から算出されるヨーレートモデル値γ_clcの信頼性が高い。このため、重み付けゲインa=1として、式(7)よりヨーレートモデル値γ_clcの配分を100%としてフィードバックヨーレートγ_F/Bが演算される。これにより、ヨーレートγ_sensに含まれるヨーレートセンサ142のノイズの影響を抑止することができ、フィードバックヨーレートγ_F/Bからセンサノイズを排除することができる。従って、車両1000の振動を抑制して乗り心地を向上することができる。
ここで、実ヨーレートγと車両モデルから求まるヨーレートモデル値γ_clcとの間に乖離が生じる要因として、図3に示すタイヤの動的特性が挙げられる。上述した平面2輪モデルは、タイヤのスリップ角と横加速度との関係(タイヤのコーナーリング特性)が線形である領域を想定しており、この線形領域では、実ヨーレートγとヨーレートモデル値γ_clcは略一致する。図3に示すスリップ角と横加速度との関係を示す特性において、スリップ角に対して横加速度が線形となる線形領域(ステアリング操舵速度が比較的遅い領域)では、ヨーレートセンサ142のセンサノイズによる影響が発生する。従って、この領域ではヨーレートモデル値γ_clcを使用する。
一方、タイヤのコーナーリング特性が非線形になる領域では、実車のヨーレートと横加速度が舵角やスリップ角に対して非線形になり、平面2輪モデルと実車でセンシングされるヨーレートとが乖離する。このような過渡的な非線形領域ではヨーレートセンサ142のセンサ特性上、ノイズが発生しないため、実ヨーレートγが使用可能である。非線形領域は、例えばステアリングの切り換えしのタイミングに相当する。実ヨーレートγがヨーレートモデル値γ_clcを超える場合は、非線形領域に相当し、センサノイズの影響を受けないため実ヨーレートγを使用することで、真値に基づいた制御が可能である。なお、タイヤの非線形性を考慮したモデルを使用すると、ヨーレートに基づく制御が煩雑になるが、本実施形態によれば、ヨーレートモデル値γ_clcの信頼度を差分γ_diffに基づいて容易に判定することができ、非線形領域では実ヨーレートγの配分を多くして使用することが可能である。また、タイヤの動的特性の影響を受け難い領域はヨーレートモデル値γ_clcで対応可能である。
また、図8に示すゲインマップの領域A2は、差分γ_diffが大きくなる領域であり、ウェット路面走行時、雪道走行時、または高Gがかかる旋回時などに相当し、タイヤが滑っている限界領域である。この領域では、車両ヨーレート算出部206から算出されるヨーレートモデル値γ_clcの信頼性が低くなり、差分γ_diffがより大きくなる。このため、重み付けゲインa=0として、式(7)より実ヨーレートγ_sensの配分を100%としてフィードバックヨーレートγ_F/Bが演算される。これにより、実ヨーレートγ_sensに基づいてフィードバックの精度を確保し、実車の挙動を反映したヨーレートのフィードバック制御が行われる。従って、実ヨーレートγ_sensに基づいて車両1000の旋回を最適に制御することができる。また、タイヤが滑っている領域であるため、ヨーレートセンサ142の信号にノイズの影響が生じていたとしても、車両1000の振動としてドライバーが感じることはなく、乗り心地の低下も抑止できる。図8に示す低μの領域A2の設定については、設計要件から重み付けゲインκ=0となる領域を決めても良いし、低μ路面を実際に車両1000が走行した時の操縦安定性能、乗り心地等から実験的に決めても良い。
また、図8に示すゲインマップの領域A3は、線形領域から限界領域へ遷移する領域(非線形領域)であり、実車である車両1000のタイヤ特性も必要に応じて考慮して、ヨーレートモデル値γ_clcと実ヨーレートγ_sensの配分(重み付けゲインa)を線形に変化させる。領域A1(高μ域)から領域A2(低μ域)への遷移、ないし領域A2(低μ域)から領域A1(高μ域)へ遷移する領域においては、重み付けゲインaの急変に伴うトルク変動、ヨーレートの変動を抑えるため、線形補間で重み付けゲインaを演算する。
また、図8に示すゲインマップの領域A4は、実ヨーレートγ_sensの方がヨーレートモデル値γ_clcよりも大きい場合に相当する。例えば、車両ヨーレート算出部206に誤ったパラメータが入力されてヨーレートモデル値γ_clcが誤計算された場合等においては、領域A4のマップにより実ヨーレートγ_sensを用いて制御を行うことができる。なお、重み付けゲインaの範囲は0〜1の間に限定されるものではなく、車両制御として成立する範囲であれば任意の値を取れる様に構成を変更することも、本発明の技術で成し得る範疇に入る。
減算部210は、目標ヨーレート算出部204から入力された制御目標ヨーレートγ_tgtからフィードバックヨーレートγ_F/Bを減算し、制御目標ヨーレートγ_tgtとフィードバックヨーレートγ_F/Bとの差分Δγを求める。すなわち、差分Δγは、以下の式(8)から算出される。
Δγ=γ_tgt−γ_F/B ・・・・(8)
差分Δγは、ヨーレート補正量として車体付加モーメント算出部232へ入力される。
車体付加モーメント算出部232は、入力された差分Δγに基づいて、差分Δγが0となるように、すなわち、制御目標ヨーレートγ_tgtがフィードバックヨーレートγ_F/Bと一致するように、車体付加モーメントMgを演算する。具体的には、車体付加モーメントMgは以下の式(9)から算出される。これにより、車両1000の中心位置において、旋回に必要な車体付加モーメントMgが求まる。車体付加モーメントMgに基づいて、車両1000に旋回モーメントが付加される。
Figure 2017108485
目標横加速度算出部224は、ステアリング操舵角θhと車両速度Vから目標横加速度Ayclcを算出する。目標横加速度Ayclcは、ステアリング操舵角θhと車両速度Vに基づいて、以下の式(10)から算出されるモデル値である。
Ayclc=(dβ/dt+γ)×V ・・・(10)
式(10)において、横すべり角βは動的モデルより算出される。横すべり角βは、以下の各式から算出することができる。なお、以下の式において、ωnは固有振動数、ζnは減衰比、Aはスタビリティファクタ、をそれぞれ示している。
Figure 2017108485
また、目標横加速度算出部224は、以下の各式から旋回時ピーク横加速度Aypeakを算出する。旋回時ピーク横加速度Aypeakは、定常円旋回状態の横加速度計算値であり、後述する図6に示したAypeakに相当する。旋回時ピーク横加速度Aypeakは、定常円旋回状態の横加速度計算値であるため、車体の遅れ要素を含まず、ステアリング操舵角θhと車両速度Vから即値を得ることができる。目標横加速度Ayclcと旋回時ピーク横加速度Aypeakは目標時定数算出部226に入力される。また、目標時定数算出部226には、旋回時ピークヨーレートγpeakが入力される。旋回時ピークヨーレートγpeakは、定常円旋回状態のヨーレート計算値であり、図6に示したγpeakに相当するヨーレート値である。旋回時ピークヨーレートγpeakは、ステアリング操舵角θhと車両速度Vに基づいて、以下の式から算出される。旋回時ピークヨーレートγpeakは、定常円旋回状態のヨーレート計算値であるため、車体の遅れ要素を含まず、ステアリング操舵角θhと車両速度Vから即値を得ることができる。旋回時ピークヨーレートγpeakは、目標ヨーレート算出部204が算出するか、または目標時定数算出部226が算出しても良い。
Figure 2017108485
目標時定数算出部226は、γ_clcがγpeakに到達した時点から、AyclcがAypeakに到達した時点までの時間Ttgtを算出する。γ_clcは、動的なモデルから算出され、以下の各式から算出することができる。なお、上述した式(5)、式(6)からγ_clcを求めることもできる。
Figure 2017108485
実時定数算出部228には、横加速度センサ134が検出した車両横加速度Aysensが入力される。また、実時定数算出部228には、ヨーレートセンサが検出した実ヨーレートγ_sensが入力される。また、実時定数算出部228には、旋回時ピークヨーレートγpeakが入力される。実時定数算出部228は、γ_clcがγpeakに到達した時点から、AysensがAypeakに到達した時点までの時間Trealを算出する。
低μ判定出力ゲイン算出部234は、目標時定数Ttgtと実時定数Trealとから低μ判定出力ゲインμGを算出する。詳細については図13に示すフローチャートを参照して後述する。
低μ判定出力ゲイン算出部234が算出した低μ判定出力ゲインμGは、乗算部236へ入力される。乗算部236には、車体付加モーメント算出部232が算出した車体付加モーメントMgも入力される。乗算部236は、車体付加モーメントMgに低μ判定出力ゲインμGを乗算して車体付加モーメントMgの補正値Mg’を算出する。
モータ要求トルク算出部238には、補正値Mg’が入力される。モータ要求トルク算出部238は、車体付加モーメントMgに旋回アシストゲインβGを乗算して得られる補正値Mg’を用いてモーメントをトルクに変換するため、以下の式(11)からΔTvを算出する。そして、モータ要求トルク算出部238は、以下の式(12)から付加トルクTvmotを算出する。
Figure 2017108485
式(11)において、TrdRは後輪104,106のトレッド幅である。また、TireRは前輪100,102及び後輪104,106のタイヤ半径であり、Gratioは後輪104,106のギヤボックス120,122のギヤ比である。式(11)により、車両1000の中心位置における車体付加モーメントMgの補正値Mg’は、後輪104,106のモータトルクΔTvに変換される。そして、式(12)により、補正値Mg’を発生させるために必要な後輪104,106のそれぞれのモータトルクが求まる。
ところで、前輪100,102及び後輪104,106の駆動力は、車両1000の直進時には、ドライバーの要求駆動力(アクセルペダルの開度)から定まるモータトルク指示値reqTqによって定まる。ここで、モータトルク指示値reqTqは、以下の式(13)から算出される。
reqTq=reqF*TireR*Gratio ・・・(13)
式(13)において、reqFはアクセルペダルの開度から定まる要求駆動力である。アクセルペダルの開度は、アクセル開度センサ146により検出される。
車両1000の直進時には、前輪100,102及び後輪104,106を駆動する4つのモータ108,110,112,114のそれぞれの駆動力は、ドライバーの要求駆動力reqFに基づくモータトルク指示値reqTqを4等分した値(=reqTq/4)となる。一方、車両1000の旋回時には、トルクベクタリング制御により、式(12)から算出された車体付加モーメントMg’に基づく付加トルクTvmotが後輪104,106のモータトルク指示値reqTqに付加される。車体付加モーメントMg’に基づく付加トルクTvmotは偶力であるため、右旋回の場合は、左側の後輪104のモータトルク指示値は直進時のモータトルク指示値reqTq/4に付加トルクTvmotを加算した値となり、右側の後輪106のモータトルク指示値は直進時のモータトルク指示値reqTq/4から付加トルクTvmotを減算した値となる。同様に、左旋回の場合は、右側の後輪106のモータトルク指示値は直進時のモータトルク指示値reqTq/4に付加トルクTvmotを加算した値となり、左側の後輪104のモータトルク指示値は直進時のモータトルク指示値reqTq/4から付加トルクTvmotを減算した値となる。
従って、旋回時の各モータ108,110,112,114のモータトルク指示値は以下の式(14)〜式(17)で表すことができる。モータ要求トルク算出部228は、式(14)〜式(17)に基づいて、各モータ108,110,112,114のモータトルク指示値TqmotFl,TqmotFr,TqmotRl,TqmotRrを算出する。
TqmotFl(左前輪のモータトルク指示値)=reqTq/4 ・・・(14)
TqmotFr(右前輪のモータトルク指示値)=reqTq/4 ・・・(15)
TqmotRl(左後輪のモータトルク指示値)
=reqTq/4−(±Tvmot) ・・・(16)
TqmotRr(右後輪のモータトルク指示値)
=reqTq/4+(±Tvmot) ・・・(17)
なお、付加トルクTvmotの符号は、旋回方向に応じて設定される。
図6は、車両速度V、ステアリング操舵角θhを入力として車両2輪モデルより求めたモデル値とセンサ値を比較して示す特性図である。図6では、時刻t0でステアリング操舵角θhをステップ状に変化させた場合に、ヨーレートのモデル値γclcと、車両の横加速度が時間の経過に伴って変化する様子を示している。図16に示すように、ステアリング操舵角θhをステップ状に変化させると、ヨーレートのモデル値γclcがピーク値γpeakに到達した後に低下する。また、横加速度もピーク値Aypeakに到達した後に低下する。図6において、ヨーレートについては、高μ(実線の特性)と低μ(破線の特性)の2つの路面状態での計算値を示している。ヨーレートγclcには、路面状況の要因が含まれない。また、ヨーレートγclcに関しては、旋回アシスト制御による左右輪の制駆動力制御を行っているため、ヨーレートの発生は高μ路と低μ路との間で大きな差は生じない。従って、図6に示すように、ヨーレートについては、高μと低μの双方でモデル値と実測値の時間的な遷移が一致する。
一方で、横加速度(Ay)は、タイヤと路面との間の作用反作用の力関係に影響を受けるため、路面μに応じて、ヨーレートに対してその発生に遅れが生じる。図6に示すように、ヨーレートがピーク値γpeakに到達した時刻t1を基準とすると、横加速度のモデル値AyclcがAypeakに到達する時刻t2はTtgtだけ遅れ、横加速度のセンサ値AysensがAypeakに到達する時刻t3はTrealだけ遅れる。
横加速度についても、モデル値には路面状況の要因が含まれないため、モデル値は高μと低μで一致する。一方、センサ値は、低μになるほど路面からタイヤへの反力が伝わり難くなるので、高μの場合に比べて横加速度の立ち上がりが遅くなる。従って、TtgtとTrealの比率に応じて路面状況を推定できる。
ここで、TrealがTtgtと一致すれば、路面からタイヤにモデル値と同等の反力が生じており、高μであると推定できる。一方、TrealがTtgtよりも大きいほど、センサ値の横加速度の発生が遅れることになり、路面からタイヤにかかる反力が遅れるため、低μであると推定できる。本実施形態では、TrealとTtgtとの比率に応じて路面μを推定し、この比率に応じて旋回アシスト制御のゲインを変化させる。
本実施形態では、この比率としてTtgt/Trealを算出し、旋回アシスト制御のためのゲインとする。TtgtとTrealが等しければTtgt/Treal=1となり、高μであるため旋回アシストトルクは低減させない。一方、Ttgt/Trealが小さくなるほど、横加速度の発生がヨーレートに対して遅れ、低μであることから、旋回アシストトルクにTtgt/Trealの値を乗算して旋回アシストトルクを低減させる。これにより、タイヤの前後力が低下し、横力を増大させることができるため、車両のスリップ、スピン等の発生を確実に抑止することが可能となる。
なお、ここではTtgt/Trealに基づいて旋回アシストトルクを制御することとしているが、路面状況に応じてTrealの値が変化するため、Trealの値のみに基づいて旋回アシストトルクを制御しても良い。これにより、より簡素な処理で制御を行うことができる。
次に、本実施形態に係る制御装置200が行う処理について説明する。図9は、本実施形態の全体的な処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS100では、イグニッションキー(イグニッションSW)がオンであるか否かを判定する。イグニッションキーがオンされた場合はステップS102へ進み、イグニッションキーがオンされていな場合はステップS100で待機する。
ステップS102では、インヒビターポジションセンサ(IHN)144がP(パーキング)又はN(ニュートラル)の位置を示しているか否かを判定し、P(パーキング)又はN(ニュートラル)の位置である場合はステップS104へ進む。また、ステップS102でP(パーキング)又はN(ニュートラル)の位置でない場合はステップS106へ進み、イグニッションキーがオンされているか否かを判定し、イグニッションキーがオンされている場合はステップS102へ戻る。ステップS106でイグニッションキーがオフの場合はステップS108へ進み、車両の起動処理を終了してステップS100へ戻る。
ステップS104では車両1000の起動処理を行い、次のステップS110では、インヒビターポジションセンサ(IHN)144がD(ドライブ)又はR(後進)の位置を示しているか否かを判定する。そして、インヒビターポジションセンサ(IHN)144がD(ドライブ)又はR(後進)の位置を示している場合は、ステップS112へ進み、走行制御の処理を開始する。一方、ステップS110でインヒビターポジションセンサ(IHN)144がD(ドライブ)又はR(後進)の位置を示していない場合は、ステップS113へ進み、イグニッションキーがオンされているか否かを判定し、イグニッションキーがオンされている場合はステップS110へ戻る。ステップS113でイグニッションキーがオフの場合はステップS108へ進み、車両の起動処理を終了してステップS100へ戻る。
ステップS112の後はステップS114へ進み、アクセル開度センサ146の検出値からドライバーによるアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出する。次のステップS115では、アクセルペダルの操作量が0.1以上であるか否かを判定し、操作量が0.1以上の場合はステップS116へ進む。ステップS116では、アクセルペダルの操作量に基づいて要求駆動力reqFを算出する。なお、要求駆動力reqFの算出は、例えばアクセル開度と要求駆動力reqFとの関係を規定したマップに基づいて行うことができる。一方、アクセルペダルの操作量が0.1未満の場合はステップS118へ進み、各モータ108,110,112,114の回生制動制御を行う。
ステップS116,S118の後はステップS120へ進む。ステップS120では、舵角センサ138によって検出されるステアリング操舵角θhの絶対値が1[deg]以上であるか否かを判定し、ステアリング操舵角θhの絶対値が1[deg]以上の場合はステップS122へ進む。ステップS122では、上述した手法により付加トルクTvmotを算出し、付加トルクTvmotに基づいて目標モーメントγ_Tgtへのフィードバック制御を行う。このため、次のステップS124では、付加トルクTvmotに基づいて各モータ108,110,112,114のモータトルク指示値を式(14)〜式(15)から算出し、各モータ108,110,112,114へ出力を指示する。次のステップS126では、前後加速度センサ132、横加速度センサ134により車両1000の加速度を検出する。ステップS126の後はステップS114へ戻る。
次に、図9の処理の主要な処理について詳細に説明する。図10は、図9のステップS122の処理を示すフローチャートである。ここで、図10は、重み付けゲイン算出部220が重み付けゲインaを算出する処理を示すフローチャートである。図10の処理は、重み付けゲインaに基づいて実ヨーレートγ_sensとヨーレートモデル値γ_clcを配分してフィードバックヨーレートγ_F/Bを算出することで、ヨーレートセンサ142のノイズを除去する処理として機能する。先ず、ステップS200では、実ヨーレートγ_sensとヨーレートモデル値γ_clcを取得する。次のステップS201では、実ヨーレートγ_sensとヨーレートモデル値γ_clcとの差分γ_diffを算出する。次のステップS202では、図8のゲインマップに基づいて、重み付け係数aを算出する。次のステップS204では、上述した式(7)に基づいてフィードバックヨーレートγ_F/Bを算出する。算出されたフィードバックヨーレートγ_F/Bは、図12のステップS224で差分Δγの算出に用いられる。
図11は、車両ヨーレート算出部206がヨーレートモデル値γ_clcを算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS210では、ステアリング操舵角θhと車両速度Vを取得する。次のステップS212では、式(5)、式(6)を連立して解くことで、ヨーレートモデル値γ_clcを算出する。算出したヨーレートモデル値γ_clcは、図10のステップS204において、フィードバックヨーレートγ_F/Bの算出に用いられる。
図12は、付加トルクTvmotを算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS220では、目標ヨーレート算出部204がステアリング操舵角θhと車両速度Vを取得する。次のステップS222では、ステアリング操舵角θhと車両速度Vに基づいて、式(2)〜式(4)から目標ヨーレートγ_tgtを算出する。次のステップS224では、式(7)に基づいて、制御目標ヨーレートγ_tgtとフィードバックヨーレートγ_F/Bとの差分Δγを算出する。次のステップS226では、式(9)から車体付加モーメントMgを算出する。
次のステップS228では、低μ判定出力ゲイン算出部234が低μ判定出力ゲインμGを算出する。次のステップS230では、式(11)に基づいてΔTvを算出し、式(12)に基づいて付加トルクTvmotを算出する。算出した付加トルクTvmotに基づいて、図9のステップS124において各輪のモータトルク指示値が算出される。
図13は、低μ判定出力ゲインμGを算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS240では、横加速度センサ134が検出した横加速度Aysens、ヨーレートセンサ142が検出した実ヨーレートγ_sens、ステアリング操舵角θh、車両速度Vなどの各種パラメータ(センサ値)を取得する。次のステップS242では、ヨーレートと横加速度のモデル値γ_clc,Ayclcを算出する。
次のステップS244では、旋回時ピークヨーレートγpeak、旋回時ピーク横加速度Aypeakを算出する。旋回時ピークヨーレートγpeak、旋回時ピーク横加速度Aypeakは、いずれも定常円旋回状態の計算値であり、ステアリング操舵角θhと車両速度Vから算出されるモデル値(理論値)である。
次のステップS246では、目標時定数Ttgtを算出する。次のステップS248では、実時定数Trealを算出する。ステップS246,S248の具体的な処理については、図14及び図15を参照して後述する。次のステップS250では、発生時間差Tdec_clcを算出する。ここで、Tdec_clc=Ttgt/Trealである。
次のステップS252では、Tdec_clc≧1であるか否かを判定し、Tdec_clc≧1はステップS254へ進む。この場合、Ttgtの値がTrealの値以上であるため、横加速度のモデル値に対してセンサ値に遅れが生じておらず、路面が高μであると推定できる。このため、ステップS254では、低μ判定出力ゲインμGを1とする(μG=1)。
一方、ステップS252でTdec_clc<1の場合はステップS256へ進む。この場合、Ttgtの値がTrealの値未満であるため、横加速度のモデル値に対してセンサ値に遅れが生じており、路面が低μであると推定できる。このため、ステップS256では、低μ判定出力ゲインμGをTtgt/Trealとする(μG=Ttgt/Treal)。従って、式(11)から算出されるΔTvが低μ判定出力ゲインμGによって低減されるため、旋回アシストトルクが低減される。これにより、低μ時に車両1000の挙動を安定させることができる。
図14は、図13のステップS246において、目標時定数Ttgtを算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS300では、γpeak=γ_clcであるか否かを判定し、γpeak=γclcの場合はステップS302へ進む。この場合、γclcがステアリング操舵角θhと車両速度Vから求まるヨーレートピーク値γpeakに到達したため、ステップS302では、旋回時ピークヨーレートγpeakの発生から旋回時ピーク横加速度Aypeak(モデル値)が発生するまでの時間差Ttgtを算出するためのカウントアップを開始する。なお、γpeakは定常円旋回状態のすべり角計算値であり、γ_clcは動的モデルより算出しているため、γpeakに対してγ_clcの方が時間的遅れを生じる。
一方、ステップS300でγpeak≠γclcの場合は、ステップS300で待機する。
次のステップS304では、Aypeak=Ayclcであるか否かを判定し、Aypeak=Ayclcの場合はステップS306へ進む。この場合、車両横加速度Ayclcがステアリング操舵角θhと車両速度Vから求まる旋回時ピーク横加速度Aypeakに到達したため、ステップS306では、カウントアップを終了し、目標時定数Ttgt=I(Iはカウントアップ終了時のカウント値)とする。一方、ステップS304でAypeak≠Ayclcの場合は、ステップS302へ戻り、カウントアップを継続する。なお、Aypeakは定常円旋回状態の横加速度計算値であり、Ayclcは動的モデルより算出しているため、Aypeakに対してAyclcの方が時間的遅れを生じる。
以上のようにして、図14の処理により、図13のステップS246における目標時定数Ttgtを算出する。
図15は、図13のステップS248において、実時定数Trealを算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS310では、γpeak=γsensであるか否かを判定し、γpeak=γsensの場合はステップS312へ進む。この場合、γsensがステアリング操舵角θhと車両速度Vから求まるヨーレートピーク値γpeakに到達したため、ステップS312では、旋回時ピークヨーレートγpeakの発生から旋回時ピーク横加速度Aypeakが発生するまでの時間差Trealを算出するためのカウントアップを開始する。
一方、ステップS310でγpeak≠γsensの場合は、ステップS310で待機する。
次のステップS314では、Aypeak=Aysensであるか否かを判定し、Aypeak=Aysensの場合はステップS316へ進む。この場合、横加速度のセンサ値Aypeakがステアリング操舵角θhと車両速度Vから求まる旋回時ピーク横加速度Aypeakに到達したため、ステップS316では、カウントアップを終了し、目標時定数Treal=J(Jはカウントアップ終了時のカウント値)とする。一方、ステップS314でAypeak≠Aysensの場合は、ステップS312へ戻り、カウントアップを継続する。
以上のようにして、図15処理により、図13のステップS248における実標時定数Trealを算出する。
図16は、本実施形態に係る制御を行った場合の効果を説明するための特性図である。本実施形態による制御を行わない場合、後輪104,106のみでトルク制御を行い、車体のヨーを収束させようとすると、後輪104,106のグリップが既に飽和しており、ヨーの発生とステアリング操舵(St_ang)の発生に位相差が発生する。図16では、上側の特性群がステアリング操舵角及びヨーレートを示しており、下側の特性群が横加速度を示している。図16に示すように、高μ時(hi)と低μ時(low)とでは、ヨーレートに対する横加速度の遅れが変化していることが判る。本実施形態により、低μ路で旋回アシスト制御を行い、後輪104,106のスリップおよび車体横すべりが発生した際に、横すべり量の低減に加えて、低μ時のヨーレート(γ_low)の収束が向上した。
また、図17及び図18は、低μ路でのダブルレーンチェンジを行った場合に、ステアリング操舵角、ヨーレート、横加速度の各パラメータが変化する様子を、本実施形態に係る制御を行った場合(制御有)と行わない場合(制御無)とで比較して示す特性図である。本実施形態に係る制御を行った場合は、路面判定により駆動力制御を抑制するため、操舵量とヨーレートが収束していることが判る。また、走行後半のレーンチェンジにおいてスリップを防止できているため、横力(横加速度)を得られていることが判る。
以上説明したように本実施形態によれば、旋回時には車両のヨーレートに対して横加速度が遅れて発生するため、ヨーレートと横加速度の時間差に応じて路面μを推定することができる。従って、この時間差に基づいて旋回アシスト制御のアシストトルクを制御することで、車体のスリップが発生した場合に車両の挙動安定性を大幅に高めることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
142 ヨーレートセンサ
200 制御装置
204 目標ヨーレート算出部
206 車両ヨーレート算出部
208 ヨーレートF/B算出部
220 重み付けゲイン算出部
224 目標横加速度算出部
226 目標時定数算出部
228 実時定数算出部
232 車体付加モーメント算出部
234 低μ判定出力ゲイン算出部
236 乗算部
1000 車両

Claims (10)

  1. 車両のヨーレートに基づいてハンドル操舵系とは独立して車体に付加する車体付加モーメントを算出する車体付加モーメント算出部と、
    車両旋回時に、ヨーレートの変化に対する横加速度の変化の時間差に関する情報を取得する時間差情報取得部と、
    前記時間差に関する情報に基づいて、前記車体付加モーメントを補正する補正部と、
    を備える、車両の制御装置。
  2. 前記時間差情報取得部は、車両の旋回開始時に前記時間差に関する情報を取得することを特徴とする、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記時間差情報取得部は、
    ヨーレートのモデル値が所定値に到達した起点として、横加速度のモデル値が所定値に到達するまでの第1の時間を算出する第1の算出部と、
    ヨーレートのモデル値が所定値に到達した起点として、横加速度のセンサ値が前記所定値に到達するまでの第2の時間を算出する第2の算出部と、を備え、前記第1の時間と前記第2の時間から前記時間差に関する情報を取得することを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記第1の算出部は、旋回開始時に前記ヨーレートのモデル値が旋回開始後のピーク値に到達した時点を前記起点として、前記横加速度のモデル値が旋回開始後のピーク値に到達するまでの前記第1の時間を算出することを特徴とする、請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記第2の算出部は、旋回開始時に前記ヨーレートのモデル値が旋回開始後のピーク値に到達した時点を前記起点として、前記横加速度のセンサ値が旋回開始後のピーク値に到達するまでの前記第1の時間を算出することを特徴とする、請求項3に記載の車両の制御装置。
  6. 前記時間差に関する情報に基づいて、前記補正部が前記車体付加モーメントを補正するためのゲインを算出するゲイン算出部を備え、
    前記ゲイン算出部は、前記第2の時間に対する前記第1の時間の比率を前記ゲインとすることを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記補正部は、前記車体付加モーメントに前記比率を乗算することで前記車体付加モーメントを補正することを特徴とする、請求項6に記載の車両の制御装置。
  8. ステアリング操舵角と車両速度に基づいて目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出部と、
    車両モデルからヨーレートモデル値を算出する車両ヨーレート算出部と、
    車両の実ヨーレートを検出するヨーレートセンサと、
    前記ヨーレートモデル値と前記実ヨーレートとの差分に基づいて前記ヨーレートモデル値と前記実ヨーレートを配分して、前記ヨーレートモデル値及び前記実ヨーレートからフィードバックヨーレートを算出するフィードバックヨーレート算出部と、
    を備え、
    前記車体付加モーメント算出部は、
    前記目標ヨーレートと前記フィードバックヨーレートとの差分に基づいて、前記車体付加モーメントを算出することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の車両の制御装置。
  9. 前記車体付加モーメントに基づいて前記車両の後方左右輪の各々を駆動するモータを個別に制御するためのモータ要求トルクを算出するモータ要求トルク算出部を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の車両の制御装置。
  10. 車両のヨーレートに基づいてハンドル操舵系とは独立して車体に付加する車体付加モーメントを算出するステップと、
    車両旋回時に、ヨーレートの変化に対する横加速度の変化の時間差に関する情報を取得するステップと、
    前記時間差に関する情報に基づいて、前記車体付加モーメントを補正するステップと、
    を備えることを特徴とする、車両の制御方法。
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