JP6182847B2 - 車両用走行支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、旋回中の車速を旋回中目標車速以下となるように減速制御する旋回アシスト制御の終了時にドライバの意図しない加速が発生するのを抑制する技術に関する。
本発明に関係する従来の装置としては、例えば、特許文献1に記載された減速制御装置がある。即ち、特許文献1記載の減速制御装置は、車両の旋回走行に基づいて減速制御を行う減速制御装置において、車両がカーブ出口を走行していることを検出した場合に、減速制御の制御量を減少させるというものである。
特開2005−263215号公報
しかしながら、上記従来の減速制御装置にあっては、図21に示すように、旋回中の減速制御(旋回アシスト制御)中に、ドライバが一定車速を保つためにアクセル操作を行い、旋回終了後もアクセルを保持し続けた場合に、減速制御の解除と共にドライバの意図しない加速が発生するという未解決の課題があった。
本発明は、従来の減速制御装置におけるこのような未解決の課題に着目してなされたものであって、旋回アシスト制御中に行われたドライバのアクセル操作による操作状態が旋回アシスト制御の終了後も引き続き保持された場合に発生するドライバの意図に反した加速を抑制できる車両用走行支援装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様である車両用走行支援装置は、実車速が旋回中目標車速を超えていると判定すると該実車速を該旋回中目標車速以下とするための旋回アシストトルクを演算し、ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を演算し、該加減速推定値から旋回アシストトルクを減算した値に基づき車両の目標加速度を演算し、該目標加速度に基づき目標車速を演算し、実車速が目標車速と一致するように車両に対する加減速制御を行う一方、旋回アシストトルクが予め設定された作動判定閾値以上であると判定される期間に、加減速推定値が予め設定されたアクセルオン判定閾値以上になったと判定すると、目標加速度を減少補正するようにした。
本発明によれば、車両が旋回して旋回アシストトルクが作動判定閾値以上であると判定される期間に、ドライバのアクセル操作によってドライバの加減速要求の推定値がアクセルオン判定閾値以上となると、目標加速度を減少補正することが可能である。そのため、車両旋回中の旋回アシストトルクによる減速制御が終了した後に、加減速推定値がアクセルオン判定閾値以上となるアクセル操作状態が保持されたとしても、ドライバの意図に反する加速を抑制することができるという効果が得られる。
第1実施形態における自動車1の概略構成を示す概念図である。 第1実施形態のシステムの全体構成を示すブロック図である。 第1実施形態のアクセル操作量に対するドライバ加減速要求値(加減速推定値Ge)のマップデータの一例を示す図である。 二輪モデルの説明図である。 第1実施形態の加速抑制制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。 第1実施形態の各信号の流れが見えるようにしたブロック図である。 第1実施形態の規範車両モデルの構成を示すブロック図である。 (a)は、第1実施形態の自動車1が直進走行中の各値の時間変化の一例を示す波形図であり、(b)は、第1実施形態の自動車1が直進走行から旋回走行へと移行した場合の各値の時間変化の一例を示す波形図である。 第1実施形態の加減速制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態のアクセルオン判定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の旋回アシスト作動判定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の加速抑制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態における各値の時間変化の一例を示す波形図である。 第1実施形態におけるアクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcの時間変化の一例を示す波形図である。 第2実施形態の加速抑制制御部6Cの補正処理部14の具体的な機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態の補正係数マップの一例を示す図である。 第2実施形態の加速抑制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の各値の時間変化の一例を示す波形図である。 第2実施形態のアクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcの時間変化の一例を示す波形図である。 (a)及び(b)は、第4実施形態の横加速度の大きさに応じた加速抑制制御の中止タイミングの一例を示す図である。 従来技術の各値の時間変化の一例を示す波形図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態の全体構成を示す図であり、本発明に係る車両用走行支援装置を適用した自動車1のモデルを示す概念図である。
本実施形態における自動車1は、電動モータ2を駆動源とした電気自動車であり、電動モータ2から出力された駆動力が入力される変速機3と、その変速機3の出力側に連結され車両幅方向に延びるドライブシャフト4と、そのドライブシャフト4の両端に設けられた左右の駆動輪5、5と、を備えていて、ドライブシャフト4に変速機を介して伝達された電動モータ2の駆動力が駆動輪5、5に伝達されるようになっている。
また、この自動車1は、駆動輪5の回転数に基づいて車速(実車速)を検出する車速センサ7と、ドライバによる踏み込み操作が可能なアクセルペダル8と、そのアクセルペダル8の踏み込み量を検出するアクセル操作検出装置9と、を備えている。そして、コントローラ6には、車速センサ7が出力する車速検出信号Vdと、アクセル操作検出装置9が出力するアクセル操作検出信号Adとが供給されるようになっている。
また、この自動車1は、ステアリングコラム30に設けられたハンドル操作検出装置31を備え、そのハンドル操作検出装置31は、ドライバがハンドル30aを操舵することで生じるステアリングコラム30の回転角(操舵角δ)に対応した操舵角検出信号δdをコントローラ6に供給するようになっている。
コントローラ6は、図示しないCPUやドライバ回路などを備えて構成されていて、供給される車速検出信号Vd、アクセル操作検出信号Ad及び操舵角検出信号δdに基づき、後述する演算処理を実行して、電動モータ2に対して指令電流Ioutを出力してその回転方向や駆動力を制御するようになっている。なお、この実施形態では、電動モータ2は、自動車1の駆動力を生成するとともに、回生による制動力を発生するようにもなっている。つまり、電動モータ2は、制駆動アクチュエータとして機能するものであるが、回生による制動力とは別に、駆動輪5や図示しない従動輪に対して摩擦による制動力を発生する機械的なブレーキ装置を設け、電動モータ2による回生ブレーキと機械的なブレーキ装置とを併用するようにしてもよい。
図2は、第1実施形態の全体的な機能構成を示すブロック図である。
即ち、図2に示すように、コントローラ6は、ドライバ加減速要求推定部6Aと、旋回アシストトルク演算部6Bと、加速抑制制御部6Cと、指令値算出部6Dと、車速サーボ6Eと、加算器6Fと、を備えている。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、アクセル操作検出装置9から供給されるアクセル操作検出信号Adに基づき、自動車1のドライバが要求している加速度の推定値を求めるようになっている。
ここで、図3は、アクセル操作量に対するドライバ加減速要求値の推定値である加減速推定値Geのマップデータの一例を示す図である。
本実施形態では、図3に示すように、アクセル操作検出信号Adの大きさ(アクセル操作量)に対する加減速推定値Geのマップデータを予め用意しておく。そして、ドライバ加減速要求推定部6Aは、このマップデータからアクセル操作検出信号Adの大きさに対応する加減速推定値Geを読み出すようになっている。
図3に示す例では、加減速推定値Geのマップデータは、アクセル操作量に対して単調に増加し、かつ、アクセル操作量が0のときに最小値0となり、アクセル操作量が増加するにつれて最大値に漸近する特性を有している。
なお、加減速推定値Geの求め方は、これに限定されるものではなく、例えば、アクセル操作検出信号Adの大きさに所定のゲインを乗じることでドライバが要求している加速度の加減速推定値Geを求めることも可能である。また、例えば、アクセル操作検出信号Adの二乗に比例して求めることも可能であるし、或いは、アクセル操作検出信号Adの絶対値とその変化量(微分値)とに基づいて求めることも可能である。ただし、内燃機関を駆動源とした車両の運転特性に慣れているドライバのことを考え、加減速推定値Geは、アクセル操作検出信号Adの変化に対して若干の遅れを伴うような特性に設定することが望ましい。
また、ドライバ加減速要求推定部6Aは、ドライバがアクセルペダル8を操作しているときには、そのときのアクセルペダル8の開度を表すアクセル操作検出信号Adに応じた加減速推定値Geを常に更新しつつ出力する。一方、ドライバ加減速要求推定部6Aは、ドライバがアクセルペダル8から足を離したときには、ドライバは、自身の操作によらず自動的に車速を制御する定速走行制御の開始を意図したと判断し、その離す直前(離す前の予め設定された時点)に設定されていた加減速推定値Geを保持するようになっている。
なお、ドライバが、ハンドルに設けられたスイッチを操作することで定速走行制御の開始をシステム側に通知するような構成を備える自動車の場合には、そのスイッチを操作したときに、ドライバは定速走行制御の開始を意図したと判断し、そのときの加減速推定値Geを保持するようにしてもよい。
そして、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdとが、旋回アシストトルク演算部6Bに供給されるようになっている。また、ドライバ加減速要求推定部6Aが求めた加減速推定値Geが、加速抑制制御部6Cに供給されるようになっている。
旋回アシストトルク演算部6Bは、操舵角検出信号δdと、車速検出信号Vdとに基づき、旋回アシストトルクTrqを演算するようになっている。
ここで、旋回アシストトルクとは、旋回中の自動車1において、実車速が、横加速度と操舵角から得られる目標ヨーレートとから算出される旋回中目標車速を越えないように、規範車両モデル10において規範車速Vcを減ずる方向に作用するトルクである。従って、旋回アシストトルクTrqの符号は、加減速推定値Geに対してはマイナスとなる。
より具体的には、図4に示すような二輪モデル1Aを考え、旋回中の二輪モデル1Aに作用する横加速度Yg、実車速ν、操舵角δ、ヨーレートφと、そのときの旋回半径Rと、その他車両諸元(スタビリティファクタA、ステアリングギヤ比N、ホイールベースL)から、目標ヨーレートφ*は、
φ*=ν/(1+Aν2)・δ/NL ……(1)
として求めることができる。
一方、二輪モデル1Aに作用する横加速度推定値Yg*は、
Yg*=ν×φ* ……(2)
となる。
そして、旋回中目標車速ν*は、旋回時における二輪モデル1Aがそれを越えると安定的な走行が困難になる車速の上限値と考えることができるから、
ν*=Yg*/φ* ……(3)
となる。
そこで、このように求めることができる旋回中目標車速ν*を実車速νが越えないように、旋回アシストトルクTrqを設定すると、下記のようになる。
Trq=K(ν−ν*) ……(4)
ただし、実車速νが旋回中目標車速ν*以下である場合、上記(4)式で旋回アシストトルクTrqを求めると符号が逆になってしまうが、そのような状況では旋回アシストトルクTrqは不要である。そこで、本実施形態では、横加速度推定値Yg*がしきい値Th以下の場合には、旋回アシストトルクTrqは強制的に0に設定する。
以下、旋回アシストトルクTrqによって、旋回中の自動車1の実車速νが旋回中目標車速ν*を超えないようにする減速制御を旋回アシスト制御と称す。
そして、図2に示す旋回アシストトルク演算部6Bは、上記(4)式に従って設定された旋回アシストトルクTrqを、加速抑制制御部6Cに供給する。
加速抑制制御部6Cは、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqに基づき、加速抑制制御を実施するようになっている。
具体的に、加速抑制制御部6Cは、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqに基づき、旋回アシスト制御が作動状態である期間において、ドライバがアクセル操作を行ったか否かを判定する。例えば、ドライバがアクセルペダル8から足を離した状態(アクセルオフ状態)からドライバがアクセルペダル8を踏み込んだ状態(アクセルオン状態)へと移行したか否かを判定する。この判定により、アクセルオン状態へ移行したと判定すると、目標加速度Gcが減少するように、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクを補正する。そして、補正後の加減速推定値である補正後加減速推定値Ge’及び補正後の旋回アシストトルクである補正後旋回アシストトルクTrq’を指令値算出部6Dに供給するようになっている。
更に、加速抑制制御部6Cは、旋回アシスト制御が作動状態から非作動状態へと移行後も、アクセルオン状態が継続される場合は、加減速推定値Geを非作動状態となる直前の補正後加減速推定値Ge’に保持するようになっている。
ここで、旋回アシスト制御が作動中に、ドライバが一定車速を保つためにアクセルペダル8の操作を行い、旋回終了後もアクセルを保持し続けた場合に、旋回アシスト制御の解除と共にドライバの意図しない加速が発生する。本実施形態の加速抑制制御部6Cは、この加速の発生を抑制するために、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを補正して加減速推定値Ge’を減少補正する。そして、旋回アシスト制御の終了後もドライバがアクセルを保持し続けた場合に、減少補正された加減速推定値Ge’を保持するようにした。
加えて、加速抑制制御部6Cは、この旋回アシスト制御の非作動中の状態において、アクセルペダル8が踏み増しされたと判定すると、補正後加減速推定値Ge’を、踏み増しされた分のアクセル操作量に対応する値(加速度)に補正する。
一方、加速抑制制御部6Cは、供給される加減速推定値Geに基づき、アクセルオン状態から、ドライバがアクセルペダル8を踏み込んでいない状態(アクセルオフ状態)になったと判定すると、加速抑制制御を終了する。即ち、補正後加減速推定値Ge’として、供給される加減速推定値Geをそのまま指令値算出部6Dに供給する。更に、補正後旋回アシストトルクTrq’として、「0」を指令値算出部6Dに供給する。
また、加速抑制制御部6Cは、旋回アシスト制御が作動状態であり、かつ、アクセルオフ状態であると判定すると、補正後加減速推定値Ge’として、「0」を指令値算出部6Dに供給する。更に、補正後旋回アシストトルクTrq’として、供給される旋回アシストトルクTrqをそのまま指令値算出部6Dに供給する。
指令値算出部6Dは、供給される加減速推定値Ge’、旋回アシストトルクTrq’及び車速検出信号Vdに基づき、所定の演算処理を実行して、現時点の自動車1の走行速度として最適な速度である規範車速Vcを求める。加えて、指令値算出部6Dは、現在の走行速度(実車速)を表す車速検出信号Vdと規範車速Vcとの差である車速差(Vd−Vc)に基づき、車速指令値Voutを演算し出力するようになっている。
そして、指令値算出部6Dが求めた車速指令値Voutが、車速サーボ6Eに供給されるようになっている。
車速サーボ6Eは、指令値算出部6Dから供給される車速指令値Voutに基づき、加速度としての制御指令値であるアシストトルクGoutを生成し出力する。
加算器6Fは、供給される補正後加減速推定値Ge’とアシストトルクGoutとを加算し、それを電動モータ2に対する指令電流Ioutとして出力するようになっている。
図5は、加速抑制制御部の具体的な機能構成の一例を示すブロック図である。
加速抑制制御部6Cは、図5に示すように、推定値判定部12と、旋回アシスト作動判定部13と、補正処理部14とを含んで構成される。
推定値判定部12は、供給される加減速推定値Geと、予め設定されたアクセルオン判定閾値Th1とに基づき、アクセルオン状態であるか否かを判定するようになっている。具体的に、推定値判定部12は、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値以上であると判定すると、アクセルオン判定フラグFraをセット状態に設定し、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値未満であると判定すると、アクセルオン判定フラグFraを非セット状態に設定する。
ここで、アクセルオン判定フラグFraは、セット状態のときにアクセルオン状態であることを示し、非セット状態であるときにアクセルオフ状態であることを示すフラグである。
推定値判定部12は、アクセルオン判定フラグFraを補正処理部14に出力する。
旋回アシスト作動判定部13は、供給される旋回アシストトルクTrqと、予め設定された旋回アシスト作動判定閾値とに基づき、旋回アシスト制御が作動中であるか否かを判定するようになっている。具体的に、旋回アシスト作動判定部13は、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値以上であると判定すると、旋回アシスト作動判定フラグFrcをセット状態に設定し、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値未満であると判定すると、旋回アシスト作動判定フラグFrcを非セット状態に設定する。
ここで、旋回アシスト作動判定フラグFrcは、セット状態のときに旋回アシスト制御が作動状態であることを示し、非セット状態であるときに旋回アシスト制御が非作動状態であることを示すフラグである。
旋回アシスト作動判定部13は、旋回アシスト作動判定フラグFrcを、推定値判定部12と、補正処理部14とにそれぞれ出力する。
補正処理部14は、入力されるアクセルオン判定フラグFraと、入力される旋回アシスト作動判定フラグFrcとに基づき、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを補正する。具体的に、補正処理部14は、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態である期間に、アクセルオン判定フラグFraが非セット状態からセット状態になったと判定すると、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを共に「0」に補正する。つまり、補正後加減速推定値Ge’を「0」、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、「Ge’=0」、「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給する。
引き続き、補正処理部14は、アクセルオン判定フラグFraがセット状態のままで、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態から非セット状態になったと判定すると、補正後加減速推定値Ge’を「0」のまま保持する。即ち、「Ge’=0」、「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給する。その後、アクセルペダル8が踏み増しされたと判定すると、補正処理部14は、補正後加減速推定値Ge’を踏み増し分に応じた値に補正する。
具体的に、補正処理部14は、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態である期間に、アクセルオン判定フラグFraが非セット状態からセット状態になったと判定すると、供給される加減速推定値Ge(t1)をコントローラ6の備える不図示のメモリに格納する。そして、現在の加減速推定値Ge(t2)とメモリに格納したGe(t1)との差分値(Ge(t2)−Ge(t1))を算出する。補正処理部14は、この差分値が、「0」又はマイナスの値になったときは踏み増しされていないと判定し、プラスの値になったときは踏み増しされていると判定する。そして、踏み増しされたと判定すると、補正後加減速推定値Ge’を差分値(Ge(t2)−Ge(t1))に設定する。即ち、「Ge’=差分値」、「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給する。
図6は、各信号の流れが全体的に見えるように本実施形態のシステム構成を表現したブロック図であり、指令値算出部6Dが、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’に基づいて規範車速Vcを算出する規範車両モデル10と、車速検出信号Vdと規範車速Vcとの差(Vd−Vc)を演算する減算器11とから構成されている点を示している。
そして、規範車速Vcを算出するための規範車両モデル10は、本実施形態では、図7に示すように構成されている。
即ち、規範車両モデル10は、予め定められた一定値である転がり抵抗成分R1を記憶した転がり抵抗成分記憶部10aと、規範車速Vcに基づいて空気抵抗成分R2を設定する空気抵抗成分設定部10bと、を備えている。
空気抵抗成分設定部10bは、規範車速Vcの二乗値(Vc2)に固定のゲインKを乗じることで、車速に応じて増大する空気抵抗成分R2を演算するようになっている。
なお、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、いずれも車両の走行速度を低減させる方向に作用する外乱成分であるため、それらの符号は、加減速推定値Geとは逆のマイナスである。
そして、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、それぞれ選択部10c、10dに供給されるようになっている。
一方、選択部10c、10dのそれぞれには、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の他に、「0」が供給されている。また、選択部10c、10dのそれぞれには、アクセルOFFフラグ設定部10eから、フラグFaが供給されるようになっている。ここで、フラグFaは、本実施形態においてアクセル操作部に対応するアクセルペダル8が操作されていないときにセット状態となり、アクセルペダル8が操作されているときには非セット状態となるフラグである。
そして、選択部10c、10dのそれぞれは、フラグFaが非セット状態であるときには転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2を出力し、フラグFaがセット状態であるときには「0」を出力するようになっている。つまり、選択部10c、10dは、フラグFaが非セット状態であるときには、転がり抵抗成分記憶部10a、空気抵抗成分設定部10bから供給される転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2をそのまま出力し、フラグFaがセット状態になった後には、転がり抵抗成分記憶部10a、空気抵抗成分設定部10bから供給される転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の値に関係なく、それら転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2を強制的に「0」に設定し直してから出力するようになっている。
選択部10c、10dの出力は、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’と共に、加算器10fに供給されるようになっている。
即ち、加算器10fは、補正後加減速推定値Ge’と、補正後旋回アシストトルクTrq’と、選択部10c、10dの出力とを加算するものである。ただし、選択部10c、10dから転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2が出力されているときには、それら転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2の符号はマイナスである。また、補正後旋回アシストトルクTrq’も「0」又はマイナスの値となる。そのため、加算器10fにおける演算は、符号まで考えると、Ge’−(Trq’+R1+R2)となるから、この加算器10fは、実質的には減算器として機能する。なお、フラグFaがセット状態であるときには、選択部10c、10dは「0」を出力するため、加算器10fの出力は(Ge’−Trq’)となる。また、フラグFaがセット状態でありかつ補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」であるときには、加算器10fの出力は補正後加減速推定値Ge’そのものとなる。
さらに、規範車両モデル10は、除算器10gと、積分器10hとを備えている。除算器10gは、加算器10fの出力値を自動車1の質量Mで除算することで目標加速度Gcを演算するものであり、積分器10hは、除算器10gから供給される目標加速度Gcを積分することで、目標車速としての規範車速Vcを演算するものである。
そして、積分器10hから出力された規範車速Vcが、空気抵抗成分設定部10bに供給されるとともに、この規範車両モデル10の出力として図6の減算器11に供給されるようになっている。
図8(a)は、自動車1が直進走行中の各値の時間変化の一例を示す波形図であり、アクセル操作検出信号Ad、加減速推定値Ge、フラグFa、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2のそれぞれを示している。なお、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2は、その符号はマイナスであるが、この図8(a)では絶対値で表記している。
この図8(a)は、時刻t0から時刻t1の間は、ドライバによるアクセルペダル8の踏み込み量はほぼ一定で、時刻t1を過ぎた辺りから徐々にアクセルペダル8の踏み込み量を減少させ、時刻t2においてアクセルペダル8から完全に足を離した様子を示している。
この場合、加減速推定値Geは、時刻t1を越えた後は、アクセル操作検出信号Adの変化に対して若干遅れる傾向で減少するが、時刻t2においてドライバがアクセルペダル8から完全に足を離したときには、加減速推定値Geも0となっている。
ドライバ加減速要求推定部6Aは、時刻t2においてドライバが定速走行制御の開始を意図したと判断し、その時刻t2の直前における加減速推定値Geを、時刻t2以降は定速走行制御用の加減速推定値Ge'として保持する。
フラグFaは、時刻t2に至るまでは非セット状態であり、時刻t2に至った時点でセット状態となる。
転がり抵抗成分R1は、時刻t2に至るまでは、転がり抵抗成分記憶部10aに記憶されている一定値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
同様に、空気抵抗成分R2は、時刻t2に至るまでは、規範車速Vcの二乗に比例した値となっているが、時刻t2に至った後は0となる。
そして、時刻t0から時刻t1の間は、アクセル操作検出信号Adがある程度の大きさにあるため、転がり抵抗成分R1、空気抵抗成分R2が影響していても、規範車速Vcは徐々に増加している。また、積分器10hが示すローパスフィルタ特性の影響で規範車速Vcには現実の自動車と同様に慣性力が加わっているため、規範車速Vcは、時刻t1を過ぎた後であっても、しばらくの間は増加を続ける。
しかし、時刻t2に至った後は、時刻t1において保持された加減速推定値Ge'が加算器10fに入力されるとともに、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2はいずれも0になるため、規範車速Vcは一定値となる。
図8(b)は、自動車1が直進走行から旋回走行へと移行した場合の各値の時間変化の一例を示す波形図であり、横加速度推定値Yg*、旋回中目標車速ν*、実車速ν、旋回アシストトルクTrqのそれぞれを示している。なお、図8(b)に示す例では、加速抑制制御が実施されていない状態を示す。
この図8(b)は、時刻t30では直進状態にあった自動車1が、ドライバがハンドル30aを操作することで徐々に旋回走行に移行し、時刻t31において横加速度推定値Yg*がしきい値Thを越えた様子を表している。
この例では、時刻t31に至るまでの間は、旋回中目標車速ν*は無限大の値から減少するものの実車速νよりも大きいため、特に旋回アシストトルクTrqは発生しない。
しかし、旋回状態が進むに従って、実車速νも徐々に減少してくるので、時刻t31では、旋回アシストトルクTrqが算出される。すると、その旋回アシストトルクTrqの分だけ、規範車速Vcは低く設定されることになるから、実車速νも低くなる。
その結果、図8(b)に示すように、旋回アシストトルクTrqを規範車両モデル10に用いなかった場合には、実車速νは破線で示すような徐々に減少するという傾向を示すのに対し、本実施形態にあっては、時刻t31移行は、実車速νは旋回中目標車速ν*に一致するようになる。
(加減速制御処理)
次に、図9に基づき、コントローラ6の加減速制御処理の処理手順を説明する。図9は、加減速制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、加減速制御処理が実行されると、まず、図9に示すように、ステップS100に移行する。
ステップS100では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、ハンドル操作検出装置31から供給される操舵角検出信号δdと、車速センサ7から供給される車速検出信号Vdを読み込む。その後、ステップS102に移行する。
ステップS102では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdと上記(1)式とに基づき、車両諸元に従って、目標ヨーレートφ*を算出する。その後、ステップS104に移行する。
ステップS104では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(2)式に基づき、実車速νと目標ヨーレートφ*とに従って、横加速度推定値Yg*を算出する。その後、ステップS106に移行する。
ステップS106では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えているか否かを判定する。そして、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていると判定した場合(Yes)は、ステップS108に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS124に移行する。
ステップS108に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(3)式に従って、旋回中目標車速ν*を算出する。その後、ステップS110に移行する。
ステップS110では、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、上記(4)式に従って、旋回アシストトルクTrqを算出する。そして、算出した旋回アシストトルクTrqを、加速抑制制御部6Cに供給して、ステップS112に移行する。
ステップS112では、加速抑制制御部6Cにおいて、加速抑制制御を実施して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、指令値算出部6Dにおいて、加速抑制制御部6Cからの補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’を読み込んで、ステップS116に移行する。
ステップS116では、指令値算出部6Dの規範車両モデル10において、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’に基づき、規範車速Vcを算出する。そして、算出した規範車速Vcを減算器11に供給して、ステップS118に移行する。
ステップS118では、減算器11において、規範車速Vcと実車速Vdとに基づき車速指令値Voutを演算する。そして、演算した車速指令値Voutを、車速サーボ6Eに供給して、ステップS120に移行する。
ステップS120では、車速サーボ6Eにおいて、車速指令値Voutを、アシストトルクGoutとして加算器6Fに供給して、ステップS122に移行する。
ステップS122では、加算器6Fにおいて、車速サーボ6Eを介して供給されたアシストトルクGoutと、補正後加減速推定値Ge’とを加算すると共に、加算結果に対応する電流指令値Ioutを電動モータ2に出力して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS106において、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えておらずステップS124に移行した場合は、旋回アシストトルク演算部6Bにおいて、旋回アシストトルクTrqを「0」に設定する。そして、「Trq=0」を、加速抑制制御部6Cに供給して、ステップS112に移行する。
(アクセルオン判定フラグ設定処理)
次に、図10に基づき、加速抑制制御部6Cで実行されるアクセルオン判定フラグ設定処理の処理手順を説明する。図10は、アクセルオン判定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、加速抑制制御部6Cにおいてアクセルオン判定フラグ設定処理が実行されると、まず、図10に示すように、ステップS200に移行する。
ステップS200では、加速抑制制御部6Cの推定値判定部12において、ドライバ加減速要求推定部6Aからの加減速推定値Geを読み込んで、ステップS202に移行する。
ステップS202では、推定値判定部12において、読み込んだGeと予め設定されたアクセルオン判定閾値Th1とを比較して、GeがTh1以上であるか否かを判定する。そして、GeがTh1以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS210に移行する。
ステップS204に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS208に移行する。
ステップS206に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraをセット状態で維持して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS208に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraをセット状態に設定して、一連の処理を終了する。
また、ステップS202において、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1以上ではなくステップS210に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS212に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS214に移行する。
ステップS212に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraを非セット状態に設定して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS214に移行した場合は、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraを非セット状態で維持して、一連の処理を終了する。
(旋回アシスト作動判定フラグ設定処理)
次に、図11に基づき、加速抑制制御部6Cで実行される旋回アシスト作動判定フラグ設定処理の処理手順を説明する。図11は、旋回アシスト作動判定フラグ設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図11の処理は、予め設定されたサンプリングクロックに同期して繰り返し実行される。
コントローラ6において専用のプログラムが実行され、加速抑制制御部6Cにおいて旋回アシスト作動判定フラグ設定処理が実行されると、まず、図11に示すように、ステップS300に移行する。
ステップS300では、加速抑制制御部6Cの旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシストトルク演算部6Bからの旋回アシストトルクTrqを読み込んで、ステップS302に移行する。
ステップS302では、旋回アシスト作動判定部13において、読み込んだTrqと予め設定された旋回アシスト作動判定閾値Th2とを比較して、TrqがTh2以下であるか否かを判定する。そして、TrqがTh2以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS304に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS310に移行する。なお、本実施形態において、旋回アシストトルクTrqをマイナスの値としていることから、マイナスの閾値Th2以下となるか否かを判定するようにしているが、旋回アシスト作動判定閾値Th2との比較処理は、旋回アシストトルクTrqの絶対値を用いてプラスの閾値Th2以上であるか否かを判定する構成としてもよい。
ステップS304に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS306に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS308に移行する。
ステップS306に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcをセット状態で維持して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS308に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcをセット状態に設定して、一連の処理を終了する。
また、ステップS302において、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以下ではなくステップS310に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS312に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS314に移行する。
ステップS312に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcを非セット状態に設定して、一連の処理を終了する。
一方、ステップS314に移行した場合は、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcを非セット状態で維持して、一連の処理を終了する。
(加速抑制制御処理)
次に、図12に基づき、ステップS112において加速抑制制御部6Cで実行される加速抑制制御処理の処理手順について説明する。図12は、加速抑制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、加速抑制制御部6Cにおいて加速抑制制御処理が実行されると、まず、図12に示すように、ステップS400に移行する。
ステップS400では、加速抑制制御部6Cの補正処理部14において、アクセルオン判定フラグFraはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS434に移行する。
ステップS402に移行した場合は、補正処理部14において、旋回アシスト作動判定フラグFrcはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS404に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS416に移行する。
ステップS404に移行した場合は、補正処理部14において、旋回アシスト制御が作動中に発生したアクセル操作か否かを判定する。具体的に、アクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcの少なくとも前回判定時の状態を保持しておき、その変化に基づき旋回アシスト制御が作動中に発生したアクセル操作か否かを判定する。そして、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態の期間に、アクセルオン判定フラグFraが非セット状態からセット状態に変化したと判定すると、旋回アシスト制御が作動中に発生したアクセル操作であると判定し(Yes)、ステップS406に移行する。一方、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態となる前から、アクセルオン判定フラグFraがセット状態となっていると判定すると、旋回アシスト制御が作動前に発生したアクセル操作であると判定し(No)、ステップS412に移行する。
ステップS406に移行した場合は、補正処理部14において、加減速推定値Geをメモリに格納する処理を実行して、ステップS408に移行する。かかる処理は、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態の期間において、加減速推定値Geが変化しなくなるまで行われ、最終的に変化しなくなった時点の加減速推定値Geがメモリに格納された状態となる。
ステップS408では、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。つまり、加減速推定値Geを「0」へと補正する。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS410に移行する。
ステップS410では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。つまり、旋回アシストトルクTrqを「0」へと補正する。具体的には、旋回アシストトルクTrqによる補正量が小さくなるように、旋回アシストトルクTrqの絶対値を「0」へと補正する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
一方、ステップS404において旋回アシスト制御が作動前に発生したアクセル操作であると判定してステップS412に移行した場合は、補正処理部14において、補正後推定値G’を、供給された加減速推定値Geに設定する。そして、設定した「Ge’=Ge」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS414に移行する。
ステップS414では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
また、ステップS402において旋回アシスト作動判定フラグFrcが非セット状態であると判定しステップS416に移行した場合は、補正処理部14において、旋回アシスト制御が終了後の補正処理中か否かを判定する。具体的に、旋回アシスト制御が作動中に発生したアクセル操作が旋回アシスト制御の終了後も継続され、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqが共に「0」へと補正された状態であるか否かを判定する。そして、補正処理中であると判定した場合(Yes)は、ステップS418に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS430に移行する。
ステップS418に移行した場合は、補正処理部14において、メモリに格納された加減速推定値Ge(Ge(t1))と、ドライバ加減速要求推定部6Aから供給される加減速推定値Ge(Ge(t2))との差分値(Ge(t2)−Ge(t1))を算出する。その後、ステップS420に移行する。
ステップS420では、旋回アシスト制御が終了後の補正処理中において、アクセルペダル8の踏み増しがあったか否かを判定する。具体的に、差分値(Ge(t2)−Ge(t1))が、プラスの値となるか否かを判定する。そして、差分値が、プラスの値となったと判定すると、アクセルペダル8の踏み増しが有ったと判定して(Yes)、ステップS422に移行する。一方、差分値が、0又はマイナスの値となったと判定すると、アクセルペダル8の踏み増しが無かったと判定して(No)、ステップS426に移行する。
ステップS422に移行した場合は、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’を「差分値(Ge(t2)−Ge(t1))」に設定する。つまり、加減速推定値Geを踏み増しされた増加分に応じた値へと補正する。そして、設定した「Ge’=差分値」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS424に移行する。
ステップS424では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
また、ステップS426に移行した場合は、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。つまり、補正後加減速推定値Ge’を「0」のままとする。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS428に移行する。
ステップS428では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
また、ステップS416において旋回アシスト制御が終了後において補正中ではないと判定されステップS430に移行した場合は、補正処理部14において、メモリに格納された加減速推定値Geをクリアして、ステップS432に移行する。
ステップS432では、補正処理部14において、補正後推定値G’を、供給された加減速推定値Geに設定する。そして、設定した「Ge’=Ge」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS434に移行する。
ステップS434では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
また、ステップS400においてアクセルオン判定フラグFraが非セット状態であると判定されてステップS436に移行した場合は、補正処理部14において、旋回アシスト作動判定フラグFrcはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS438に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS442に移行する。
ステップS438に移行した場合は、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS440に移行する。
ステップS440では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
また、ステップS436において旋回アシスト作動判定フラグが非セット状態であると判定されてステップS442に移行した場合は、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS444に移行する。
ステップS444では、補正処理部14において、補正後旋回アシストトルクTrq’を「0」に設定する。そして、設定した「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS400に移行する。
(動作)
次に、動作を説明する。
まず、自動車1の電源が投入されていると、コントローラ6には、アクセル操作検出信号Ad、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdが供給される。これにより、ドライバ加減速要求推定部6Aにおいて、アクセル操作検出信号Adに基づいて、ドライバ加減速要求の加減速推定値Geが求められる。加減速推定値Geは、加速抑制制御部6Cに供給される。
一方、旋回アシストトルク演算部6Bでは、車速検出信号Vd及び操舵角検出信号δdを読み込むと、操舵角検出信号δdに基づいて、実際のハンドル30aの操作量、つまり、操舵角δを取得し、車速検出信号Vdに基づいて実車速νを取得する(ステップS100)。そして、上記(1)式に基づき、車両諸元(スタビリティファクタA、ステアリングギヤ比N、ホイールベースL)、操舵角δ及び実車速νに従って、目標ヨーレートφ*を算出する(ステップS102)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bでは、上記(2)式に基づき、実車速ν及び目標ヨーレートφ*に従って、横加速度推定値Yg*を算出する(ステップS104)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bでは、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えているか否かを判定する。そして、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていると判定すると(ステップS106のYes)、上記(3)式に従って、旋回中目標車速ν*を算出する(ステップS108)。次に、旋回アシストトルク演算部6Bは、上記(4)式に基づき、実車速ν及び旋回中目標車速ν*に従って、旋回アシストトルクTrqを算出する(ステップS110)。そして、算出した旋回アシストトルクTrqを、加速抑制制御部6Cに供給する。
一方、横加速度推定値Yg*の絶対値がしきい値Thを超えていないと判定すると(ステップS106のNo)、旋回アシストトルクTrqを「0」に設定する(ステップS122)。そして、設定した旋回アシストトルクTrq(0)を、加速抑制制御部6Cに供給する。
一方、加速抑制制御部6Cは、供給された加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqに基づき、加速抑制制御を実施する(ステップS112)。
加速抑制制御が実施されると、加速抑制制御部6Cでは、推定値判定部12において、アクセルオン判定フラグFraの設定処理(ステップS200〜S214)が実施される。これと並行して、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcの設定処理(ステップS300〜S314)が実施される。
これにより、例えばドライバによってアクセルペダル8が踏み込まれて加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1以上となっている場合は、アクセルオン判定フラグFraがセット状態となる。一方、例えばアクセルペダル8からドライバの足が離れていて加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値未満となっている場合は、アクセルオン判定フラグFraが非セット状態になる。
また、例えば自動車1が比較的急なカーブで旋回を行っていて、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以下となっている場合は、旋回アシスト作動判定フラグFrcがセット状態となる。一方、例えば自動車1が直進走行又は緩いカーブを旋回していて旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2より大きい場合は、旋回アシスト作動判定フラグFrcが非セット状態となる。
また、アクセルオン判定フラグFraの設定処理と、旋回アシスト作動判定フラグFrcの設定処理とに同期して、補正処理部14において、アクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcに基づく補正処理(ステップS400〜S444)が実施される。
これにより、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’が求められ、これらが指令値算出部6Dに供給される。
指令値算出部6Dの規範車両モデル10では、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’が読み込まれる(ステップS114)。そして、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’、抵抗成分R1、R2に基づき、規範車速Vcが求められ(ステップS116)、更に、規範車速Vcと車速検出信号Vdとに基づいて車速指令値Voutが演算される(ステップS118)。そして、その車速指令値Voutが車速サーボ6Eに供給される。車速サーボ6Eは、車速指令値Voutに基づきアシストトルクGoutを出力し(ステップS120)、最終的に、加算器6Fにおいて、アシストトルクGoutと加減速推定値Geとの加算値に応じた指令電流Ioutが生成され、電動モータ2に指令電流Ioutが出力される(ステップS122)。
従って、電動モータ2は、補正後のドライバによる加減速の要求を表す補正後加減速推定値Ge’と、実際の車速を規範車速Vcに一致させるために必要な車速指令値Voutとを合算してなる指令電流Ioutによって回転駆動されることになる。
なお、上記一連の処理は、終了条件(自動車1の停止、電源オフ等)を満たすまで繰り返し実施される。
以下、図13及び図14に基づき、具体例を挙げて、加速抑制制御の動作を説明する。図13は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角δ、補正前加減速推定値Ge、補正前旋回アシストトルクTrq、補正後加減速推定値Ge’、補正後旋回アシストトルクTrq’及び規範車速Vcを示している。図14は、アクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcの時間変化の一例を示す波形図である。なお、図13及び図14の(1)〜(7)の数字で示した時間期間は両者で同じ内容となっている。また、図13及び図14の補正前加減速推定値Ge及び補正前旋回アシストトルクTrqも両者で同じ内容となっている。
なお、アクセルオン判定フラグFra(以下、フラグFraと称す)及び旋回アシスト作動判定フラグFrc(以下、フラグFrcと称す)は、図13及び図14中の(1)の時間期間となる前に既に非セット状態に設定されているものとする。
まず、図13中の(1)〜(2)の中盤までの時間期間では、補正前加減速推定値Geが低い値で一定となっており、図14中の(1)〜(2)の中盤までの時間期間に示すように、アクセルオン判定閾値Th1未満となっている。そのため、推定値判定部12において、フラグFraは、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図13中の(1)〜(2)の中盤までの時間期間では、ドライバのハンドル操作が無いため、操舵角δは「0」となっている。つまり、自動車1は直進走行をしている。そのため、図14中の(1)〜(2)の中盤までの時間期間に示すように、補正前旋回アシストトルクTrqが「0」となり、旋回アシスト作動判定部13において、フラグFrcは、非セット状態で維持される(ステップS302のNo,S310のNo,S314)。
従って、補正処理部14では、フラグFra及びフラグFrcが共に非セット状態であると判定される(ステップS400のNo、ステップS436のNo)。これにより、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’はいずれも「0」が指令値算出部6Dに供給される(ステップS442〜S444)。
そのため、図13中の(1)〜(2)の中盤までの時間期間では、規範車速Vcが一定となっている。
次に、図13中の(2)の時間期間の後半では、ドライバのアクセル操作が無いため、推定値判定部12において、フラグFraは、図14中の(2)の後半の時間期間に示すように、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図13中の(2)の時間期間の後半では、ドライバがハンドル操作を開始しており、この操作に応じた操舵角δが出力されている。しかし、図13中の(2)の後半の時間期間では、図示していないが横加速度推定値Yg*が閾値Thを超えていないため、補正前旋回アシストトルクTrqが「0」となっている。従って、図14中の(2)の後半の時間期間に示すように、旋回アシスト作動判定部13において、フラグFrcは、非セット状態で維持される(ステップS302のNo,S310のNo,S314)。
これにより、補正処理部14では、フラグFra及びフラグFrcが共に非セット状態であると判定される(ステップS400のNo、ステップS436のNo)。そして、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’はいずれも「0」が指令値算出部6Dに供給される(ステップS442〜S444)。
そのため、図13中の(2)の時間期間の後半では、規範車速Vcが一定となっている。
次に、図13中の(3)の時間期間では、ドライバのアクセル操作が無いため、推定値判定部12において、フラグFraは、図14中の(3)の時間期間に示すように、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図13中の(3)の時間期間では、ドライバがハンドルを切り増ししており、このハンドルの切り増し操作に応じて操舵角δが大きくなっている。その後、操舵角δは、図13中の(3)の時間期間の中盤以降において一定となっている。
このハンドルの切り増し操作に応じて、図示していないが横加速度推定値Yg*が閾値Thを超えるため、旋回アシストトルクTrqが負方向に大きな値へと変化している。これにより、補正前旋回アシストトルクTrqは、旋回アシスト作動判定閾値Th2以下となる。そして、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcは、図14中の(3)の時間期間に示すように、セット状態へと設定される(ステップS302のYes,S304のNo,S308)。
従って、補正処理部14では、フラグFraが非セット状態、フラグFrcがセット状態であると判定される(ステップS400のNo,S436のYes)。これにより、補正後加減速推定値Ge’は「0」が、補正後旋回アシストトルクTrq’は、旋回アシストトルク演算部6Bで演算された旋回アシストトルクTrqそのままが指令値算出部6Dに供給される(ステップS438〜S440)。
そのため、図13中の(3)の時間期間では、規範車速Vcが「Trq」の大きさに応じた減速度で減速している。
次に、図13中の(4)の時間期間では、ドライバのアクセル操作が無く、推定値判定部12において、図14中の(4)の時間期間に示すように、フラグFraは、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図13中の(4)の時間期間では、ドライバがハンドルを一定の操作量で保持しているため、操舵角δが一定のまま保持されており、補正前旋回アシストトルクTrqは、旋回アシスト作動判定閾値Th2以下となっている。そのため、旋回アシスト作動判定部13において、図14の(4)の時間期間に示すように、フラグFrcはセット状態で維持される(ステップS302のYes,S304のYes,S306)。
従って、補正処理部14では、フラグFraが非セット状態、フラグFrcがセット状態であると判定される(ステップS400のNo,S436のYes)。これにより、補正後加減速推定値Ge’は「0」が、補正後旋回アシストトルクTrq’は、旋回アシストトルク演算部6Bで演算された旋回アシストトルクTrqそのままが指令値算出部6Dに供給される(ステップS438〜S440)。
そのため、図13中の(4)の時間期間でも、規範車速Vcが「Trq」の大きさに応じた減速度で引き続き減速している。
次に、図13中の(5)の時間期間では、ドライバがアクセルペダル8の踏み込みを開始しており、補正前加減速推定値Geが大きくなっている。これにより、補正前加減速推定値Geは、アクセルオン判定閾値Th1以上へと変化し、推定値判定部12において、図14中の(5)の時間期間に示すように、フラグFraは、セット状態へと設定される(S202のYes,S204のNo,S208)。その後、アクセルペダル8の踏み込み量が一定のまま保持された状態となり、推定値判定部12において、フラグFraはセット状態で維持される(S202のYes,S204のYes,S206)。
一方、図13中の(5)の時間期間では、終盤に差し掛かるまで操舵角δが一定のまま保持されており、補正前旋回アシストトルクTrqは、旋回アシスト作動判定閾値Th2以下となっている。そのため、旋回アシスト作動判定部13において、図14中の(5)の時間期間に示すように、終盤に差し掛かるまでフラグFrcはセット状態で維持される(ステップS302のYes,S304のYes,S306)。
従って、補正処理部14では、フラグFraがセット状態、フラグFrcがセット状態であると判定される(ステップS400のYes,S402のYes)。
ここで、図13及び図14中の(5)の時間期間では、補正処理部14において、旋回アシスト制御の作動中にアクセル操作が行われていると判定される(ステップS404のYes)。これにより、加減速推定値Geをメモリに格納する処理が開始され、メモリには補正前加減速推定値Geが格納される(ステップS406)。その後、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’は共に「0」へと設定される。従って、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’は、共に「0」が指令値算出部6Dに供給される(ステップS408〜S410)。
そのため、図13中の(5)の時間期間では、規範車速Vcが現在のVcで一定となる。
次に、図13中の(6)の時間期間では、ドライバがアクセルペダル8の踏み込み量を一定のまま保持している。そのため、図14中の(6)の時間期間に示すように、推定値判定部12において、フラグFraは、セット状態で維持される(S202のYes,S204のYes,S206)。
一方、図13中の(5)の終盤から(6)の前半の時間期間では、ドライバがハンドルを中立位置へと切り戻ししているため、操舵角δが小さくなっていく。そのため、補正前旋回アシストトルクTrqは、やがて、旋回アシスト作動判定閾値Th2よりも大きい値へと変化する。これにより、旋回アシスト作動判定部13において、図14中の(6)の前半の時間期間に示すように、フラグFrcが非セット状態にセットされる(ステップS302のNo,S310のYes,S312)。その後、ハンドル操作が発生しないため、フラグFrcは非セット状態で維持される(S302のNo,S310のNo,S314)。
ここで、図13及び図14中の(6)の時間期間では、補正処理部14において、旋回アシスト制御の作動中に発生したアクセル操作状態が、旋回アシスト制御の終了後も保持されていると判定される(ステップS416のYes,S418,S420のNo)。つまり、メモリに格納した加減速推定値Ge(t1)と、現在の加減速推定値Ge(t2)との差分値が「0」となっている。従って、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’は「0」のまま保持され、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」へと設定される。そして、補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’は、共に「0」が指令値算出部6Dに供給される(ステップS426〜S428)。
そのため、図13中の(6)の時間期間では、規範車速Vcが現在のVcで一定のまま保持されるので、旋回アシスト制御の終了後において、旋回アシスト制御中に発生したアクセル操作状態が保持されていても、ドライバの意図しない加速が生じない。
ここで、上記の図13中の時間期間(5)〜(6)の補正処理(加速抑制制御)を行わなかった場合は、図13中の(5)の時間期間の後半から、旋回アシストトルクTrqによる減速分が減少して無くなるため、以降の図13中の(6)の時間期間にかけて、図中の点線で示したように、規範車速Vcがドライバのアクセルペダル8の踏み込み量に応じて上昇(加速)する。そのため、ドライバの意図しない加速が発生する。
一方、図13中の(7)の時間期間では、旋回アシスト制御の終了後において、旋回アシスト制御中に発生したアクセル操作状態が保持されている状態から、ドライバがアクセルペダル8を踏み増ししている。そのため、推定値判定部12において、図14中の(7)の時間期間に示すように、フラグFraは、セット状態で維持される(S202のYes,S204のYes,S206)。
一方、図13中の(7)の時間期間では、ドライバのハンドル操作が無いため、図14中の(7)の時間期間に示すように、補正前旋回アシストトルクTrqが「0」となり、旋回アシスト作動判定部13において、フラグFrcは、非セット状態で維持される(ステップS302のNo,S310のNo,S314)。
ここで、図13及び図14中の(7)の時間期間では、旋回アシスト制御の終了後において、ドライバが、旋回アシスト制御中に行ったアクセル操作状態を保持しているため、加減速推定値Geが「0」のまま保持される。この状態において、アクセルペダル8が踏み増しされるため、メモリに格納した加減速推定値Ge(t1)と、現在の加減速推定値Ge(t2)との差分値がプラスの値となる。従って、補正処理部14において、旋回アシスト制御の終了後の補正処理の継続中においてアクセルペダル8の踏み増しがあったと判定される(ステップS416のYes,S418,S420のYes)。これにより、補正処理部14において、補正後加減速推定値Ge’は「差分値」に設定され、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」に設定される。そして、補正後加減速推定値Ge’は「差分値」が、補正後旋回アシストトルクTrq’は「0」が、指令値算出部6Dに供給される(ステップS422〜S424)。
そのため、図13中の(7)の時間期間では、踏み増しされた分だけ、規範車速Vcが増加する。これにより、急な加速を抑えつつも、ドライバの意図に応じた加速制御を行うことが可能となる。
その後、図13中の(8)の時間期間では、ドライバがアクセルペダル8から足を離す動作を行っており、これにより、推定値判定部12において、図14中の(8)の時間期間に示すように、フラグFraは、非セット状態に設定される(S202のNo,S210のYes,S212)。
一方、図13中の(8)の時間期間では、ドライバのハンドル操作が無いため、図14中の(8)の時間期間に示すように、補正前旋回アシストトルクTrqが「0」となり、旋回アシスト作動判定部13において、フラグFrcは、非セット状態で維持される(ステップS302のNo,S310のNo,S314)。
つまり、加速抑制制御が終了して、図13及び図14中の(1)の時間期間と同じ状態となり、制御内容も同様となる。
なお、本実施形態において、規範車両モデル10で算出した規範車速Vcに基づき、自動車1に対する加減速制御を行う構成としているが、この構成に限らず、規範車両モデル10で算出した規範加速度(目標加速度)Gcに基づき、自動車1に対する加減速制御を行う構成としてもよい。つまり、この構成においては、実加速度Gdが規範加速度Gcに一致するように加減速制御を行う。この場合、車速センサ7で検出した実車速Vdを微分することによって車両前後方向の加速度である実加速度Gdを求める構成としてもよいし、加速度センサによって、実加速度Gdを求める構成としてもよい。このことは、以降の他の実施形態においても同様である。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(1)式に従って目標ヨーレートφ*を演算する処理が目標ヨーレート演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(2)式に従って横加速度推定値Yg*を演算する処理が横加速度検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(3)式に従って旋回中目標車速ν*を演算する処理が旋回中目標車速演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(4)式に従って旋回アシストトルクTrqを演算する処理が旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応し、加速抑制制御部6Cが加速抑制制御部に対応する。
(第1実施形態の効果)
(1)ハンドル操作検出装置31が自動車1の操舵角δを検出する。旋回アシストトルク演算部6Bが、操舵角δに基づいて自動車1の目標ヨーレートφ*を演算する。旋回アシストトルク演算部6Bが、自動車1の横加速度Ygを推定する。旋回アシストトルク演算部6Bが、横加速度推定値Yg*と目標ヨーレートφ*とに基づいて旋回中目標車速ν*を演算する。車速センサ7が、自動車1の実車速Vdを検出する。旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を越えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。ドライバ加減速要求推定部6Aが、ドライバの加減速要求の加減速推定値Geを求める。加算器10f及び除算器10gが、ドライバ加減速要求推定部6Aが推定した加減速推定値Geから旋回アシストトルクTrqを減算した値に基づいて目標加速度Gcを求める。積分器10hが目標加速度Gcに基づいて目標車速Vcを求める。減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが、実車速Vdが目標車速Vcに一致するように自動車1に対する加減速制御を行う。加速抑制制御部6Cが、旋回アシストトルクTrqが予め設定された旋回アシスト作動判定閾値Th2以上であると判定される期間に、加減速推定値Geが予め設定されたアクセルオン判定閾値Th1未満の値から該アクセルオン判定閾値Th1以上の値になったと判定すると、目標加速度Gcを減少補正する制御である加速抑制制御を実施する。
つまり、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以上となって旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間に、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1未満の値からTh1以上の値になったときに、加減速推定値Geを減少補正するようにした。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間において、ドライバの加速要求が発生しても、目標加速度Gcを低く抑えることが可能となる。従って、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態を保持したまま旋回アシスト制御が終了しても、ドライバの意図しない加速の発生を抑制することができるという効果が得られる。
(2)ハンドル操作検出装置31が自動車1の操舵角δを検出する。旋回アシストトルク演算部6Bが操舵角δに基づいて自動車1の目標ヨーレートφ*を演算する。旋回アシストトルク演算部6Bが、自動車1の横加速度Ygを推定する。旋回アシストトルク演算部6Bが、横加速度推定値Yg*と目標ヨーレートφ*とに基づいて旋回中目標車速ν*を演算する。車速センサ7が車両の実車速Vdを検出する。旋回アシストトルク演算部6Bが、車速センサ7が検出した実車速Vdが旋回中目標車速ν*を越えていると判定すると該実車速Vdを該旋回中目標車速ν*以下とするための旋回アシストトルクTrqを演算する。ドライバ加減速要求推定部6Aが、ドライバの加減速要求の加減速推定値Geを求める。加算器10f及び除算器10gが、ドライバ加減速要求推定部6Aが推定した加減速推定値Geから旋回アシストトルクTrqを減算した値に基づいて目標加速度Gcを求める。微分器又は加速度センサが、自動車1の実加速度Gdを推定又は検出する。減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが、実加速度Gdが目標加速度Gcに一致するように自動車1に対する加減速制御を行う。加速抑制制御部6Cが、旋回アシストトルクTrqが予め設定された旋回アシスト作動判定閾値Th2以上であると判定される期間に、加減速推定値Geが予め設定されたアクセルオン判定閾値Th1未満の値から該アクセルオン判定閾値Th1以上の値になったと判定すると、目標加速度Gcを減少補正する制御である加速抑制制御を実施する。
つまり、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以上となって旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間に、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1未満の値からTh1以上の値になったときに、加減速推定値Geを減少補正するようにした。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間において、ドライバの加速要求が発生しても、目標加速度Gcを低く抑えることが可能となる。従って、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態を保持したまま旋回アシスト制御が終了しても、ドライバの意図しない加速の発生を抑制することができるという効果が得られる。
(3)加速抑制制御部6Cが、旋回アシストトルクTrq及び加減速推定値Geの少なくとも一方を補正することで目標加速度Gcを減少補正する。
つまり、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以上となって旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間に、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1未満の値からTh1以上の値になったときに、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqの少なくとも一方を補正することで目標加速度Gcを減少補正するようにした。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間において、ドライバの加速要求が発生しても、目標加速度Gcを低く抑えることが可能となる。従って、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態を保持したまま旋回アシスト制御が終了しても、ドライバの意図しない加速の発生を抑制することができるという効果が得られる。
(4)加速抑制制御部6Cが、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを共に0に補正する。
つまり、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以上となって旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間に、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1未満の値からTh1以上の値になったときに、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを共に0に補正するようにした。
これにより、旋回アシストトルクTrqによる旋回アシスト制御が実施される期間において、ドライバの加速要求が発生しても、目標加速度Gcを0又はほぼ0に抑えることが可能となる。従って、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態を保持したまま旋回アシスト制御が終了しても、ドライバの意図しない加速の発生をより抑制することができるという効果が得られる。
(5)加速抑制制御部6Cが、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2以上の値から旋回アシスト作動判定閾値Th2未満の値になったと判定すると、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1以上の期間、加減速推定値Geを補正後の値に保持する。
つまり、加減速推定値Geが補正された場合に、旋回アシスト制御が終了後も、アクセルオン状態が継続されている場合は、アクセルオフ状態となるまで加減速推定値Geを補正後の値に保持するようにした。
これにより、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態を保持したまま旋回アシスト制御が終了しても、ドライバの意図しない加速の発生をより抑制することができるという効果が得られる。
(6)加速抑制制御部6Cが、加減速推定値Geを補正後の値に保持しているときに、アクセルオン判定閾値Th1以上の範囲で加減速推定値Geが変動したと判定すると、補正後の加減速推定値Geを変動分に応じた値に補正する。
つまり、加減速推定値Geが補正後の値に保持されている期間に、アクセル操作が行われた場合に、このアクセル操作による変動分のみ加減速を発生させるようにした。
これにより、旋回アシスト制御の終了後において、ドライバの意図した範囲で加減速制御を行うことができるという効果が得られる。
(7)加速抑制制御部6Cが、加減速推定値Geが増加変動したと判定したときにのみ、加減速推定値Geを増加変動分に応じた値に補正する。
つまり、加減速推定値Geが減少補正された値に保持されている期間に、アクセルペダルの踏み増し操作が行われた場合に、この踏み増し操作による増加変動分のみ加速を発生させるようにした。
これにより、旋回アシスト制御の終了後において、ドライバの意図した範囲で加速制御を行うことができるという効果が得られる。
(第2実施形態)
(構成)
次に、図15乃至図19に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。図15乃至図19は、本発明の第2実施形態を示す図である。なお、上記第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、その重複する説明は省略する。
上記第1実施形態では、アクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcに基づき、旋回アシスト制御の作動中にアクセル操作があったと判定すると、加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqを共に「0」へと補正することで目標加速度Gcを減少補正していた。これに対して、本実施形態では、旋回アシストトルクTrqをいきなり「0」に補正せずに、加減速推定値Geの大きさに応じた補正量で補正する点が異なる。
図15は、本実施形態の加速抑制制御部6Cの補正処理部14の具体的な機能構成を示すブロック図である。
本実施形態において、補正処理部14は、図15に示すように、推定値補正部14aと、補正係数演算部14bと、乗算器14cとを含んで構成される。
推定値補正部14aは、供給されるアクセルオン判定フラグFra(以下、フラグFraと称す)及び供給される旋回アシストトルク作動判定フラグFrc(以下、フラグFrcと称す)の変化に基づき、供給される加減速推定値Geを補正するようになっている。なお、補正処理の内容は、上記第1実施形態の補正処理部14と同様の処理内容となる。
補正係数演算部14bは、供給される加減速推定値Geと、供給されるフラグFra及びFrcの変化に基づき、供給される旋回アシストトルクTrqの補正係数を演算(設定)するようになっている。
ここで、図16は、補正係数マップの一例を示す図である。
具体的に、補正係数演算部14bは、供給されるフラグFra及びフラグFrcの変化に基づき、旋回アシスト制御の作動中に、フラグFraが非セット状態からセット状態へと変化したか否かを判定する。そして、補正係数演算部14bは、変化したと判定すると、図16に示す補正係数マップから、供給される加減速推定値Geの大きさに対応する補正係数Kt[%]を取得する。補正係数演算部14bは、取得した補正係数Ktを乗算器14cに供給するようになっている。
補正係数マップは、図16に示すように、加減速推定値Geがアクセルオン判定閾値Th1(以下、閾値Th1と称す)よりも小さい範囲では、補正係数Ktが「1(100[%])」となる特性を有している。更に、補正係数マップは、加減速推定値Geが閾値Th1以上でかつ予め設定された閾値Th3未満の範囲では、補正係数Ktが、加減速推定値Geが大きくなる程、線形に小さくなる特性を有している。更に、補正係数マップは、加減速推定値Geが閾値Th3以上の範囲では、補正係数Ktが「0(0[%])」で一定となる特性を有している。
また、補正係数演算部14bは、フラグFrcが非セット状態であると判定すると、補正係数Ktを「0」に設定する。つまり、旋回アシスト制御が実施されていないときは、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」となるように補正係数を「0」に設定する。なお、本実施形態では、横加速度推定値Yg*が閾値Thを超えていない場合は、旋回アシストトルクTrqを「0」としているので補正係数を「0」にしない構成としてもよい。
また、補正係数演算部14bは、フラグFraが非セット状態でかつフラグFrcがセット状態であると判定すると、通常の旋回アシスト制御を実施するために補正係数Ktを「1」に設定する。
また、補正係数演算部14bは、フラグFra及びフラグFrcが共にセット状態のときに、このときのアクセルオン状態が、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態であるか否かを判定する。そして、旋回アシスト制御中に発生したアクセルオン状態では無いと判定すると、補正後旋回アシストトルクTrq’が旋回アシストトルク演算部6Bで演算された旋回アシストトルクTrqとなるように補正係数を「1」に設定する。
乗算器14cは、補正係数演算部14bから供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算して、その乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’(Trq’=Kt×Trq)として、指令値算出部6Dに供給するようになっている。
つまり、旋回アシストトルクTrqは、加減速推定値Geが閾値Th1以上でかつ閾値Th3未満の範囲において、加減速推定値Geが大きければ大きいほど小さい値(減速量が小さくなる値)へと減少補正される。そして、旋回アシストトルクTrqは、加減速推定値Geが閾値Th3以上となる範囲では、「0」で一定となる。つまり、上記第1実施形態と同様に旋回アシストトルクTrqは「0」に補正されることになる。
(加速抑制制御処理)
次に、図17に基づき、本実施形態の加速抑制制御処理の処理手順について説明する。図17は、本実施形態の加速抑制制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS112において、加速抑制制御部6Cにおいて加速抑制制御処理が実行されると、まず、図17に示すように、ステップS500に移行する。
ここで、ステップS500〜S508までの処理は、上記第1実施形態のステップS400〜S408の処理と同様となるので記載を省略する。但し、ステップS506及びS508の処理は、本実施形態では補正処理部14の推定値補正部14aが行うようになっている。
ステップS510では、補正係数演算部14bにおいて、図16に示す補正係数マップから、供給される加減速推定値Geの大きさに対応する補正係数Ktを読み出す。そして、読み出した補正係数Ktを乗算器14cに供給して、ステップS508に移行する。
ステップS512では、乗算器14cにおいて、供給される補正係数Ktと、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果を、補正後旋回アシストトルクTrq’として、指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
一方、ステップS504において旋回アシスト制御が作動前に発生したアクセル操作であると判定してステップS514に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、補正後推定値G’を、供給された加減速推定値Geに設定する。そして、設定した「Ge’=Ge」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS516に移行する。
ステップS516では、補正係数演算部14bにおいて補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
また、ステップS502において旋回アシスト作動判定フラグFrcが非セット状態であると判定しステップS518に移行した場合は、推定処理部14において、旋回アシスト制御が終了後の補正処理中か否かを判定する。具体的に、旋回アシスト制御が作動中に発生したアクセル操作が旋回アシスト制御の終了後も継続され、加減速推定値Geが補正された状態であるか否かを判定する。そして、補正処理中であると判定した場合(Yes)は、ステップS520に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS532に移行する。
ステップS520に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、メモリに格納された加減速推定値Ge(Ge(t1))と、ドライバ加減速要求推定部6Aから供給される加減速推定値Ge(Ge(t2))との差分値(Ge(t2)−Ge(t1))を算出する。その後、ステップS522に移行する。
ステップS522では、補正処理部14において、旋回アシスト制御が終了後の補正処理中において、アクセルペダル8の踏み増しがあったか否かを判定する。具体的に、差分値(Ge(t2)−Ge(t1))が、プラスの値となるか否かを判定する。そして、差分値が、プラスの値となったと判定すると、アクセルペダル8の踏み増しが有ったと判定して(Yes)、ステップS524に移行する。一方、差分値が、0又はマイナスの値となったと判定すると、アクセルペダル8の踏み増しが無かったと判定して(No)、ステップS528に移行する。
ステップS524に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、補正後加減速推定値Ge’を「差分値(Ge(t2)−Ge(t1))」に設定する。つまり、加減速推定値Geを踏み増しされた増加分に応じた値へと補正する。そして、設定した「Ge’=差分値」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS526に移行する。
ステップS526では、補正係数演算部14bにおいて、補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
また、ステップS528に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。つまり、補正後加減速推定値Ge’を「0」のままとする。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS530に移行する。
ステップS530では、補正係数演算部14bにおいて、補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
また、ステップS518において旋回アシスト制御が終了後において補正中ではないと判定されステップS532に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、メモリに格納された加減速推定値Geをクリアして、ステップS534に移行する。
ステップS534では、推定値補正部14aにおいて、補正後推定値G’を、供給された加減速推定値Geに設定する。そして、設定した「Ge’=Ge」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS536に移行する。
ステップS536では、補正係数演算部14bにおいて、補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
また、ステップS500においてアクセルオン判定フラグFraが非セット状態であると判定されてステップS538に移行した場合は、補正処理部14において、旋回アシスト作動判定フラグFrcはセット状態か否かを判定する。そして、セット状態であると判定した場合(Yes)は、ステップS540に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS544に移行する。
ステップS540に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS542に移行する。
ステップS542では、補正係数演算部14bにおいて、補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
また、ステップS538において旋回アシスト作動判定フラグが非セット状態であると判定されてステップS544に移行した場合は、推定値補正部14aにおいて、補正後加減速推定値Ge’を「0」に設定する。そして、設定した「Ge’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS546に移行する。
ステップS546では、補正係数演算部14bにおいて、補正係数Ktを「0」に設定し、乗算器14cにおいて「Kt=0」と、供給される旋回アシストトルクTrqとを乗算する。そして、この乗算結果である「Trq’=0」を指令値算出部6Dに供給して、ステップS500に移行する。
(動作)
次に、動作を説明する。
以下、具体例を挙げて、本実施形態の加速抑制制御の動作を説明する。
図18は、各値の時間変化の一例を示す波形図であり、操舵角δ、補正前加減速推定値Ge、補正前旋回アシストトルクTrq、補正後加減速推定値Ge’、補正後旋回アシストトルクTrq’及び規範車速Vcを示している。図19は、アクセルオン判定フラグFra及び旋回アシスト作動判定フラグFrcの時間変化の一例を示す波形図である。
なお、図18及び図19の加減速推定値Ge及び補正前旋回アシストトルクTrqは両者で同じ内容となっている。
また、フラグFra及びフラグFrcは、自動車1が直進走行を行っている直進(1)の時間期間となる前に既に非セット状態に設定されているものとする。
加速抑制制御部6Cは、供給された加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqに基づき、加速抑制制御を実施する(ステップS112)。
図18中の直進(1)の時間期間では、加減速推定値Geが低い値で一定となっており、図19中の直進(1)の時間期間に示すように、加減速推定値Geはアクセルオン判定閾値Th1未満となっている。そのため、推定値判定部12において、フラグFraは、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図18中の直進(1)の時間期間では、ドライバのハンドル操作が無いため、操舵角δ及び横加速度推定値Yg*は共に「0」となっている。そのため、図19中の直進(1)の時間期間に示すように、補正前旋回アシストトルクTrqが「0」となり、旋回アシスト作動判定部13において、フラグFrcは、非セット状態で維持される(ステップS302のNo,S310のNo,S314)。
従って、補正処理部14では、フラグFra及びフラグFrcが共に非セット状態であると判定される(ステップS500のNo、ステップS538のNo)。これにより、補正係数演算部14bは、補正係数Ktを「0」に設定する。乗算器14cは、補正前旋回アシストトルクTrq(0)に、補正係数「0」を乗算して、補正後旋回アシストトルクTrq’(0)を算出する。そして、乗算器14cは、算出した補正後旋回アシストトルクTrq’(0)を指令値算出部6Dに供給する(ステップS546)。
これにより、図18中の直進(1)の時間期間では、規範車速Vcが一定となる。
次に、図18中の自動車1が旋回走行を開始した旋回(1)の時間期間では、ドライバのアクセル操作が無いため、推定値判定部12において、フラグFraは、図19中の旋回(1)の時間期間に示すように、非セット状態で維持される(ステップS202のNo,S210のNo,S214)。
一方、図18中の旋回(1)の時間期間では、ドライバがハンドル操作を開始しており、この操作に応じた操舵角δが出力されている。具体的に、図18中の旋回(1)の時間期間では、ドライバがハンドルを切り増ししていっており、このハンドルの切り増し操作に応じて操舵角δが徐々に大きくなっている。
また、このハンドルの切り増し操作に応じて、図示していないが横加速度推定値Yg*が閾値Thを超えるため、図18中の旋回(1)の時間期間では、旋回アシストトルクTrqが負方向に徐々に大きな値へと変化している。これにより、補正前旋回アシストトルクTrqは、旋回アシスト作動判定閾値Th2以下となる。そして、旋回アシスト作動判定部13において、旋回アシスト作動判定フラグFrcは、図19中の旋回(1)の時間期間における補正前旋回アシストトルクTrqが閾値Th2以下となる時点でセット状態へと設定される(ステップS302のYes,S304のNo,S308)。
従って、補正処理部14では、フラグFraが非セット状態、フラグFrcがセット状態であると判定される(ステップS500のNo,S538のYes)。これにより、補正係数演算部14bは、補正係数Ktを「1」に設定する。乗算器14cは、補正前旋回アシストトルクTrqに、補正係数「1」を乗算して、補正後旋回アシストトルクTrq’(Trq’=Trq)を算出する。そして、乗算器14cは、算出した補正後旋回アシストトルクTrq’を指令値算出部6Dに供給する(ステップS540)。
これにより、図18中の旋回(1)の時間期間では、規範車速Vcが補正後旋回アシストトルクTrq’の大きさに応じた減速度によって減速していく。
次に、図18中の自動車1が旋回走行を行っている旋回(2)の時間期間では、ドライバが自動車1の車速を一定に保つためにアクセルペダル8の踏み込みを開始しており、加減速推定値Geが徐々に大きくなっていっている。これにより、加減速推定値Geは、アクセルオン判定閾値Th1以上へと変化し、推定値判定部12において、フラグFraは、図19中の低速旋回の時間期間に示すように、セット状態へと設定される(S202のYes,S204のNo,S208)。
一方、図18中の旋回(2)の時間期間では、途中までドライバがハンドルを一定の操作量で保持しているため、操舵角δが一定のまま保持されており、補正前旋回アシストトルクTrqは、旋回アシスト作動判定閾値Th2以下のままとなっている。そのため、旋回アシスト作動判定部13において、図18の旋回(2)の時間期間に示すように、フラグFrcはセット状態で維持される(ステップS302のYes,S304のYes,S306)。
従って、補正処理部14では、フラグFraがセット状態、フラグFrcがセット状態であると判定される(ステップS500のYes,S502のYes)。
ここで、図18及び図19中の旋回(2)の時間期間では、推定値補正部14a及び補正係数演算部14bにおいて、旋回アシスト制御の作動中にアクセル操作が行われていると判定される(ステップS504のYes)。
これにより、推定値補正部14aでは、供給される加減速推定値Geをメモリに格納する処理が開始され、メモリには補正前加減速推定値Geが格納される(ステップS506)。その後、推定値補正部14aにおいて、補正後加減速推定値Ge’が「0」に設定される。従って、補正後加減速推定値Ge’として「0」が指令値算出部6Dに供給される(ステップS508)。
一方、補正係数演算部14bは、供給される加減速推定値Geの大きさに応じた補正係数Ktを図16に示す補正係数マップから読み出す。そして、読み出した補正係数Ktを乗算器14cに供給する(ステップS510)。これにより、乗算器14cは、補正前旋回アシストトルクTrqに、加減速推定値Geの大きさに応じた補正係数Ktを乗算して、補正後旋回アシストトルクTrq’(Trq’=Kt×Trq)を算出する。そして、乗算器14cは、算出した補正後旋回アシストトルクTrq’を指令値算出部6Dに供給する(ステップS512)。
これにより、加減速推定値Geが閾値Th3未満となる図18中の旋回(2)の時間期間の前半では、旋回アシストトルクTrqを加減速推定値Geの大きさに応じて減少補正した補正後旋回アシストトルクTrq’によって、目標加速度Gcが減少していく。即ち、規範車速Vcが減少していく。
その後、旋回(2)の時間期間において、加減速推定値Geが閾値Th3以上となり、かつドライバがアクセルペダル8の踏み込み量を一定のまま保持している時間期間では、補正係数Ktが「0」で一定となる。そのため、旋回(2)の後半の時間期間では、補正後旋回アシストトルクTrq’が「0」で一定となる。
その後、ドライバがハンドルを切り戻ししていって、自動車1の旋回走行が終わりに近づくにつれて、補正前旋回アシストトルクTrqが徐々に減少していく。このときも、旋回アシストトルクTrqは、一定値「0」の補正係数Ktによって「0」に補正される。
一方、ドライバがハンドルを中立位置へと切り戻すことで、自動車1の旋回走行が終わると共に、横加速度推定値Yg*が閾値Th以下となり、旋回アシスト制御が終了する。
旋回アシスト制御の終了後は、図18及び図19の直進(2)の時間期間に示すように、旋回アシスト制御中に発生したアクセル操作状態が、旋回アシスト制御の終了後も保持されている場合、加減速推定値Geが「0」のまま保持される(ステップS518のYes)。
そのため、図18中の直進(2)の時間期間では、規範車速Vcが現在のVcで一定のまま保持される。これにより、旋回アシスト制御の終了後において、旋回アシスト制御中に発生したアクセル操作状態が保持されていても、ドライバの意図しない加速が生じない。
ここで、図18中の旋回(2)〜直進(2)の時間期間において、補正処理(加速抑制制御)を行わなかった場合は、図18中の旋回(2)の時間期間の後半から、旋回アシストトルクTrqによる減速分が減少して無くなるため、目標加速度Gcが大きくなっていき、以降の図18中の直進(2)の時間期間にかけて、図中の点線で示したように、規範車速Vcがドライバのアクセルペダル8の踏み込み量に応じて上昇(加速)する。そのため、ドライバの意図しない加速が発生する。
加えて、本実施形態では、旋回アシスト制御の作動中にドライバがアクセル操作を行って自動車1を一定車速に保とうとしたときに、旋回アシストトルクTrqを、加減速推定値Geの大きさに応じた補正係数Ktによって減少補正することが可能である。これにより、上記第1実施形態のように、旋回アシストトルクTrqをいきなり「0」へと補正することと比較して、補正時の車両挙動をドライバの加速意図に応じた車両挙動とすることができる。そのため、補正時の車両挙動がドライバに与える違和感を低減することが可能となる。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(1)式に従って目標ヨーレートφ*を演算する処理が目標ヨーレート演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(2)式に従って横加速度推定値Yg*を演算する処理が横加速度検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(3)式に従って旋回中目標車速ν*を演算する処理が旋回中目標車速演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(4)式に従って旋回アシストトルクTrqを演算する処理が旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応し、加速抑制制御部6Cが加速抑制制御部に対応する。
(第2実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1)加速抑制制御部6Cが、旋回アシストトルクTrqを加減速推定値Geの大きさに応じた補正量で補正する。
加減速推定値Geの大きさに応じた補正量で旋回アシストトルクTrqを補正することで、例えば、加減速推定値Geの大きさに応じて、旋回アシストトルクTrqによる減速量を徐々に小さくすることが可能となる。これにより、補正時の車両挙動がドライバに与える違和感を低減しつつ、旋回アシスト制御を終了後のドライバの意図しない加速の発生を抑制することができるという効果が得られる。
(第3実施形態)
(構成)
次に、図20に基づき、本発明の第3実施形態を説明する。図20は、横加速度の大きさに応じた加速抑制制御の中止タイミングの一例を示す図である。
上記第1実施形態、第2実施形態では、旋回アシスト制御中の横加速度推定値Yg*の値に関係なく、加速抑制制御を実施して、旋回アシストトルクTrqを補正する構成とした。これに対して、本実施形態では、横加速度推定値Yg*が予め設定された閾値を超えていると判定される期間は、加速抑制制御を中止する点が異なる。
即ち、本実施形態では、旋回アシストトルク演算部6Bから旋回アシストトルクTrqに加えて、横加速度推定値Yg*が加速抑制制御部6Cに供給されるようになっている。
そして、加速抑制制御部6Cは、横加速度推定値Yg*が予め設定された制御開始閾値を超える時刻から加速抑制制御を開始し、その後、横加速度推定値Yg*が予め設定された中止判定閾値を超えたと判定すると加速抑制制御を中止する。その後、横加速度推定値Yg*が予め設定された中止判定閾値以下になったと判定すると加速抑制制御を再開する。その後、旋回アシストトルクTrqが旋回アシスト作動判定閾値Th2よりも大きくなると、旋回アシスト制御が終了する。このとき、旋回アシスト制御中に行われたアクセル操作状態が旋回アシスト制御の終了後も保持されている場合は、ドライバがアクセルペダル8から足を離すことによって加速抑制制御が終了する。
(動作)
次に、動作を説明する。
即ち、加速抑制制御部6Cの補正処理部14は、例えば、図20に示すように、横加速度推定値Yg*が、制御開始閾値に対応する「0.2[G]」以上となる時刻tcsから加速抑制制御が開始されたとする。その後、加速抑制制御部6Cの補正処理部14は、横加速度推定値Yg*が、中止判定閾値に対応する「0.5[G]」以下となる時刻tce1からtce2の期間は加速抑制制御を中止する。具体的には、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqが、そのまま指令値算出部6Cに供給されるように処理を行う。例えば、上記第1実施形態の構成であれば、供給される加減速推定値Ge及び旋回アシストトルクTrqをそのまま補正後加減速推定値Ge’及び補正後旋回アシストトルクTrq’として指令値算出部6Dに供給する。また、上記第2実施形態の構成であれば、推定値補正部14aでは、供給される加減速推定値Geをそのまま補正後加減速推定値Ge’として指令値算出部6Dに供給する。更に、補正係数演算部14bでは、補正係数Ktを「1」に設定する。これにより、乗算器14cは、補正後旋回アシストトルクTrq’として「Kt×Trq」を算出し、この算出結果を指令値算出部6Dに供給する。
その後、補正処理部14は、横加速度推定値Yg*が、「0.5[G]」よりも大きくなった時刻から加速抑制制御を再開する。
これにより、横加速度推定値Yg*が、予め設定された制御開始閾値を超えたと判定しかつ中止判定閾値以下であると判定したときは、加速抑制制御によって、旋回アシストトルクTrqを減少補正することが可能である。一方、横加速度推定値Yg*が、中止判定閾値を超えたと判定したときは、通常の旋回アシスト制御を実施することが可能である。
ここで、本実施形態において、ドライバ加減速要求推定部6Aが加減速要求推定部に対応し、車速センサ7が実車速検出部に対応し、ハンドル操作検出装置31が操舵角検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(1)式に従って目標ヨーレートφ*を演算する処理が目標ヨーレート演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(2)式に従って横加速度推定値Yg*を演算する処理が横加速度検出部に対応する。
また、本実施形態において、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(3)式に従って旋回中目標車速ν*を演算する処理が旋回中目標車速演算部に対応し、旋回アシストトルク演算部6B内において、上記(4)式に従って旋回アシストトルクTrqを演算する処理が旋回アシストトルク演算部に対応する。
また、本実施形態において、加算器10f及び除算器10gが目標加速度演算部に対応し、積分器10hが目標車速演算部に対応し、減算器11、車速サーボ6E及び加算器6Fが加減速制御部に対応し、加速抑制制御部6Cが加速抑制制御部に対応する。
(第3実施形態の効果)
本実施形態は、上記第1〜第2実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(1)加速抑制制御部6Cが、横加速度推定値Ygが、予め設定された中止判定閾値以上になったと判定される期間は、加速抑制制御を中止する。
これにより、横加速度(横加速度推定値Yg)が、旋回アシスト制御が必要となる横加速度になったときに、加速抑制制御を中断して、通常の旋回アシスト制御を実施することが可能となる。これにより、加速抑制制御の実施中において、旋回アシスト制御が必要な状況では通常の旋回アシスト制御を実施することができるという効果が得られる。
(変形例)
上記各実施形態では、本発明に係る車両用走行支援装置及び自動車を、電動モータ2を動力源とするいわゆる電気自動車に適用した場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、内燃機関を動力源とする自動車や、内燃機関と電動モータとを備えたハイブリッド車両であっても、本願発明は適用可能である。
また、上記各実施形態では、フラグFaがセットされた状態では、転がり抵抗成分R1及び空気抵抗成分R2を0にするようにしているが、これに限定されるものではなく、例えば、0よりも若干大きな値に設定するような制御でも構わない。
また、上記第1実施形態では、旋回アシスト制御中に操作されたアクセルペダル8の状態が旋回アシスト制御の終了後も保持されている状態において、アクセルペダル8を踏み増ししたときにのみ踏み増しした分の加減速推定値Geに基づく加速を発生する構成としたが、この構成に限らない。旋回アシスト制御中に操作されたアクセルペダル8の状態が旋回アシスト制御の終了後も保持されている状態において、例えば、加減速推定値Geが閾値Th1以上の範囲で踏み減らしされた場合に、踏み減らされた分の加減速推定値Geに基づく減速を発生させる構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、アクセル操作検出装置9によって検出されるアクセル操作量に基づいて、ドライバ加減速要求値を推定する構成としたが、この構成に限らない。ドライバ加減速要求値を推定することが可能で有れば、例えば、ステアリングスイッチやジョイスティック等の操作量に基づいて、推定値を求める構成としてもよい。
また、上記第3実施形態では、横加速度推定値Yg*が中止判定閾値を超えている間は、加速抑制制御を中止し、その後、横加速度推定値Yg*が中止判定閾値以下となると加速抑制制御を再開する構成としたが、この構成に限らない。例えば、加速抑制制御を中止後に、横加速度推定値Yg*が中止判定閾値以下となっても加速抑制制御を再開しない構成とするなど他の構成としてもよい。
また、上記第3実施形態では、横加速度推定値Yg*が中止判定閾値を超えている間は、加速抑制制御を中止する構成としたが、この構成に限らない。例えば、完全に中止するのではなく、例えば、横加速度推定値Y*の大きさに応じた補正量で旋回アシストトルクTrqを補正するなど、補正量を可変として加速抑制制御を継続する構成としてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、均等物等は本発明に含まれるものである。
1 自動車
2 電動モータ
3 変速機
4 ドライブシャフト
5 駆動輪
6 コントローラ
6A ドライバ加減速要求推定部
6B 旋回アシストトルク演算部
6C 加速抑制制御部
6D 指令値算出部
6E 車速サーボ
6F 加算器
7 車速センサ
8 アクセルペダル
9 アクセル操作検出装置
10 規範車両モデル
10a 転がり抵抗成分記憶部
10b 空気抵抗成分設定部
10c 選択部
10d 設定部
10e フラグ設定部
10f 加算器
10g 除算器
10h 積分器
11 減算器
12 推定値判定部
13 旋回アシスト作動判定部
14 補正処理部
14a 補正係数演算部
14b 乗算器
30 ステアリングコラム
31 ハンドル操作検出装置

Claims (9)

  1. 車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記操舵角に基づいて車両の目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算部と、
    車両の横加速度を推定又は検出する横加速度検出部と、
    前記横加速度と前記目標ヨーレートとに基づいて旋回中目標車速を演算する旋回中目標車速演算部と、
    車両の実車速を推定又は検出する実車速検出部と、
    前記実車速検出部が検出した前記実車速が前記旋回中目標車速を越えていると判定すると該実車速を該旋回中目標車速以下とするための旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
    ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
    前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
    前記目標加速度に基づいて目標車速を求める目標車速演算部と、
    前記実車速が前記目標車速に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
    前記旋回アシストトルクが予め設定された作動判定閾値以上であると判定された後は、前記加減速推定値が予め設定されたアクセルオン判定閾値未満の値から該アクセルオン判定閾値以上の値になったと判定前記旋回アシストトルクが前記作動判定閾値未満であると判定された後に前記加減速推定値が前記アクセルオン判定閾値未満の値になるまで前記目標加速度を減少補正する制御である加速抑制制御を実施する加速抑制制御部と、を備えることを特徴とする車両用走行支援装置。
  2. 車両の操舵角を検出する操舵角検出部と、
    前記操舵角に基づいて車両の目標ヨーレートを演算する目標ヨーレート演算部と、
    車両の横加速度を推定又は検出する横加速度検出部と、
    前記横加速度と前記目標ヨーレートとに基づいて旋回中目標車速を演算する旋回中目標車速演算部と、
    車両の実車速を推定又は検出する実車速検出部と、
    前記実車速検出部が検出した前記実車速が前記旋回中目標車速を越えていると判定すると該実車速を該旋回中目標車速以下とするための旋回アシストトルクを演算する旋回アシストトルク演算部と、
    ドライバの加減速要求の推定値である加減速推定値を求める加減速要求推定部と、
    前記加減速推定値から前記旋回アシストトルクを減算した値に基づいて目標加速度を求める目標加速度演算部と、
    車両の実加速度を推定又は検出する実加速度検出部と、
    前記実加速度が前記目標加速度に一致するように車両に対する加減速制御を行う加減速制御部と、
    前記旋回アシストトルクが予め設定された作動判定閾値以上であると判定された後は、前記加減速推定値が予め設定されたアクセルオン判定閾値未満の値から該アクセルオン判定閾値以上の値になったと判定前記旋回アシストトルクが前記作動判定閾値未満であると判定された後に前記加減速推定値が前記アクセルオン判定閾値未満の値になるまで前記目標加速度を減少補正する制御である加速抑制制御を実施する加速抑制制御部と、を備えることを特徴とする車両用走行支援装置。
  3. 前記加速抑制制御部は、前記加減速推定値及び前記旋回アシストトルクを補正することで前記目標加速度を減少補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行支援装置。
  4. 前記加速抑制制御部は、前記加減速推定値及び前記旋回アシストトルクを共に0に補正することを特徴とする請求項3に記載の車両用走行支援装置。
  5. 前記加速抑制制御部は、前記旋回アシストトルクが前記作動判定閾値以上の値から前記作動判定閾値未満の値になったと判定すると、前記加減速推定値が前記アクセルオン判定閾値以上の期間、前記加減速推定値を前記補正後の値に保持することを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用走行支援装置。
  6. 前記加速抑制制御部は、前記加減速推定値を前記補正後の値に保持しているときに、前記アクセルオン判定閾値以上の範囲で前記加減速推定値が変動したと判定すると、前記補正後の前記加減速推定値を前記変動分に応じた値に補正することを特徴とする請求項5に記載の車両用走行支援装置。
  7. 前記加速抑制制御部は、前記加減速推定値が増加変動したと判定したときにのみ、前記補正後の前記加減速推定値を前記増加変動分に応じた値に補正することを特徴とする請求項6に記載の車両用走行支援装置。
  8. 前記加速抑制制御部は、前記旋回アシストトルクを前記加減速推定値の大きさに応じた補正量で補正することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用走行支援装置。
  9. 前記加速抑制制御部は、前記横加速度が、予め設定された中止判定閾値以上になったと判定される期間は、前記加速抑制制御を中止するようになっていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用走行支援装置。
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