JP2017104271A - 歩行支援用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】装着が容易で、装着時の違和感が少ない歩行支援用具を提供することを課題とする。
【解決手段】上腸骨棘部と、前記上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
前記上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
前記下部非伸縮性紐状体と前記上部紐状体とが、前記上腸骨棘部で連結される歩行支援用具。
【選択図】図1
【解決手段】上腸骨棘部と、前記上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
前記上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
前記下部非伸縮性紐状体と前記上部紐状体とが、前記上腸骨棘部で連結される歩行支援用具。
【選択図】図1
Description
本発明は、歩行支援用具に関する。
高齢者や身体障害者の歩行を支援する様々な製品が開発されている。例えば、特許文献1〜3には、モータを用いた動力付きの歩行補助装置が提案されているが、モータを用いた歩行補助装置は、モータ音がする、充電が必要、高価格といった問題がある。特許文献4には、腰部と大腿部とを結ぶ弾力帯からなる歩行補助装置が提案されているが、腕ふり動作や上体の回旋動作を積極的に下肢に連動させた仕組みではない。また、本願出願時に未公開ではあるが、本発明者らは特許文献5に、脚部と脚部と左右反対側の上体部とを、伸縮性の紐状体、非伸縮性の紐状体のいずれか、または両方で接続し、歩行時の上体部の動きを紐状体を介して脚部に伝え、上体部の動きにより股関節の屈伸運動を補助する歩行支援用具を提案している。
非特許文献1には、歩行時の股関節矢状面の関節モーメントと関節パワーが記載されている。歩行周期に対する関節モーメントを図11、関節パワーを図12に示す。関節モーメントとは筋力によって関節まわりに発生するモーメントのことであり、関節まわりに発生する力の大きさ及び方向を表している。また関節パワーとは関節モーメントによるエネルギー変化を表すものである。図11、12はいずれも伸展方向を正とする。例えば、関節モーメントの方向と関節の運動方向が一致している場合、関節モーメントは運動を加速させる、すなわち運動のエネルギーを発生する働きをするので関節パワーは正の値となる。一方、関節モーメントの方向と関節の運動方向が逆の場合、関節モーメントは関節の動きを減速させる、すなわち運動のエネルギーを吸収する働きをするので、関節パワーは負の値となる。
David.A.Winter著、長野 明紀・吉岡 伸輔訳、「バイオメカニクス 人体運動の力学と制御 原著第4版」、有限会社ラウンドフラット、2011年5月27日
本発明は、装着が容易で、装着時の違和感が少ない歩行支援用具を提供することを課題とする。
1.上腸骨棘部と、前記上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
前記上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
前記下部非伸縮性紐状体と前記上部紐状体とが、前記上腸骨棘部で連結されることを特徴とする歩行支援用具。
2.前記上部紐状体が、前記上腸骨棘部と人体の左右同じ側の上体後部を接続する上部非伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
3.前記上腸骨棘部が、人体の後面に位置する上後腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、前記上後腸骨棘部から、前記上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部までを結ぶ線分上に位置する上部後面伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
4.前記上部後面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.1N/mm以上0.6N/mm未満であることを特徴とする3.に記載の歩行支援用具。
5.前記上腸骨棘部が、人体の前面に位置する上前腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、前記上前腸骨棘部から、前記上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部までを結ぶ線分上に位置する上部前面伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
6.前記上部前面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.2N/mm以上1.2N/mm未満であることを特徴とする5.に記載の歩行支援用具。
7.膝前部から、前記膝前部と人体の前後左右で同じ側に位置する上前腸骨棘部と、前記膝前部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記膝前部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部まで、
を結ぶ線分上に位置する前面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。
8.膝後部から、前記膝後部と人体の前後左右で同じ側に位置する上後腸骨棘部を通り、前記膝後部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部まで、
を結ぶ線分上に位置する後面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。
前記上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
前記下部非伸縮性紐状体と前記上部紐状体とが、前記上腸骨棘部で連結されることを特徴とする歩行支援用具。
2.前記上部紐状体が、前記上腸骨棘部と人体の左右同じ側の上体後部を接続する上部非伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
3.前記上腸骨棘部が、人体の後面に位置する上後腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、前記上後腸骨棘部から、前記上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部までを結ぶ線分上に位置する上部後面伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
4.前記上部後面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.1N/mm以上0.6N/mm未満であることを特徴とする3.に記載の歩行支援用具。
5.前記上腸骨棘部が、人体の前面に位置する上前腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、前記上前腸骨棘部から、前記上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部までを結ぶ線分上に位置する上部前面伸縮性紐状体であることを特徴とする1.に記載の歩行支援用具。
6.前記上部前面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.2N/mm以上1.2N/mm未満であることを特徴とする5.に記載の歩行支援用具。
7.膝前部から、前記膝前部と人体の前後左右で同じ側に位置する上前腸骨棘部と、前記膝前部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記膝前部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部まで、
を結ぶ線分上に位置する前面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。
8.膝後部から、前記膝後部と人体の前後左右で同じ側に位置する上後腸骨棘部を通り、前記膝後部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部まで、
を結ぶ線分上に位置する後面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。
本発明の歩行支援用具は、下部と上部とを有し、上下に分割されているため、装着、脱着が容易である。また、モーター等の駆動装置を用いないため、軽量、低コストであり、安全性に優れている。さらに、下部紐状体、上部紐状体として、帯状のものを用いると、着用時に膨れず、モーター等の駆動音もしないため、外観から歩行支援用具を着用していることが分かりにくい。また、帯状の紐状体は、着用者の体表面に面で接触するため、圧力が分散して、着用時にストレス、違和感を感じにくい。
下部紐状体、上部紐状体を、人体の特定の部位に接続すると、歩行動作時に着用者の体表面に加わる圧力が小さく、着用者がストレス、違和感、抵抗感を感じることなく、非着用時と同様に歩行動作を維持しながら、歩行支援効果を得ることができる。また、上部後面伸縮性紐状体、上部前面伸縮性紐状体のバネ定数を調整することにより、着用時に拘束感、不快感を感じることなく、歩行時の歩行支援効果を実感することができる。
本発明の歩行支援用具は、
上腸骨棘部と、上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
下部非伸縮性紐状体と上部紐状体とが、上腸骨棘部で連結されることを特徴とする。
上腸骨棘部と、上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
下部非伸縮性紐状体と上部紐状体とが、上腸骨棘部で連結されることを特徴とする。
本発明の歩行支援用具は、下部紐状体と上部紐状体とが上腸骨棘部で連結される。また、下部紐状体の下端は膝部と、上部紐状体の上端は上体後部と接続されている。連結された下部紐状体と上部紐状体が、膝部と上体後部とを接続することにより、上体の動きを股関節部に伝えることができ、歩行時の上体の回旋運動により股関節の屈伸運動を補助することができる。本発明の歩行支援用具は、歩行周期の関節モーメントと関節パワーと類似したモーメントとパワーを発生させることができ、高い歩行支援効果を有する。
図1に、本発明の歩行支援用具の一実施態様を装着した状態を示す。図1(B)が後面図(Back)、(F)が前面図(Front)である。また、図2〜5でも同様である。
一実施態様である歩行支援用具1は、下部2と上部3とを有する。下部2は四本の下部非伸縮性紐状体21、上部3は八本の上部紐状体31を備え、下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とは、上腸骨棘部で連結する。ここで、腸骨とは、人体の骨盤における最大の骨である。腸骨には突起部分があり、前面の突起部分が上前腸骨棘、後面の突起部分が上後腸骨棘である。本発明において、上腸骨棘部とは、左右の上前腸骨棘、左右の上後腸骨棘のそれぞれに相当する合計4カ所の部分を指す。
一実施態様である歩行支援用具1は、下部2と上部3とを有する。下部2は四本の下部非伸縮性紐状体21、上部3は八本の上部紐状体31を備え、下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とは、上腸骨棘部で連結する。ここで、腸骨とは、人体の骨盤における最大の骨である。腸骨には突起部分があり、前面の突起部分が上前腸骨棘、後面の突起部分が上後腸骨棘である。本発明において、上腸骨棘部とは、左右の上前腸骨棘、左右の上後腸骨棘のそれぞれに相当する合計4カ所の部分を指す。
「下部」
本発明の歩行支援用具は、下部紐状体として、伸縮性を有さない下部非伸縮性紐状体、伸縮性を有する下部伸縮性紐状体または両方を用いることができる。すなわち、下部は、0〜4本の下部非伸縮性紐状体、0〜4本の下部伸縮性紐状体を備え、1〜8本の下部紐状体を備える。より大きな関節パワーを生成することができるため、下部紐状体は、下部非伸縮性紐状体21が好ましい。ここで、本明細書において、非伸縮性紐状体とは、長さ100mmの紐状体に長さ方向1.0kgfの力を加えたときの伸びが7mm未満のもの、伸縮性紐状体とは長さ100mmの紐状体に長さ方向1.0kgfの力を加えたときの伸びが7mm以上のものをいう。下部非伸縮性紐状体としては、例えば、ワイヤー、ロープ、編物等が挙げられる。下部伸縮性紐状体としては、例えば、ゴム、ゴム紐、伸縮性編物等が挙げられる。また、その形状は、帯状であることが装着時に目立ちにくいため好ましい。
本発明の歩行支援用具は、下部紐状体として、伸縮性を有さない下部非伸縮性紐状体、伸縮性を有する下部伸縮性紐状体または両方を用いることができる。すなわち、下部は、0〜4本の下部非伸縮性紐状体、0〜4本の下部伸縮性紐状体を備え、1〜8本の下部紐状体を備える。より大きな関節パワーを生成することができるため、下部紐状体は、下部非伸縮性紐状体21が好ましい。ここで、本明細書において、非伸縮性紐状体とは、長さ100mmの紐状体に長さ方向1.0kgfの力を加えたときの伸びが7mm未満のもの、伸縮性紐状体とは長さ100mmの紐状体に長さ方向1.0kgfの力を加えたときの伸びが7mm以上のものをいう。下部非伸縮性紐状体としては、例えば、ワイヤー、ロープ、編物等が挙げられる。下部伸縮性紐状体としては、例えば、ゴム、ゴム紐、伸縮性編物等が挙げられる。また、その形状は、帯状であることが装着時に目立ちにくいため好ましい。
図2に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの下部非伸縮性紐状体21を示す。
下部は、上後腸骨棘部とこの上後腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部後面非伸縮性紐状体21Bと、上前腸骨棘部とこの上前腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部前面非伸縮性紐状体21Fとを備える。
下部は、上後腸骨棘部とこの上後腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部後面非伸縮性紐状体21Bと、上前腸骨棘部とこの上前腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部前面非伸縮性紐状体21Fとを備える。
膝の後面に接続する下部後面非伸縮性紐状体21Bは、膝上から膝下までのいずれに接続しても股関節の屈伸運動を補助する効果は変わらない。ただし、膝下に接続すると、膝関節が曲がる際に、膝の裏側に違和感を感じることがある。また、膝の前面に接続する下部前面非伸縮性紐状体21Fは、屈伸時に大きく伸びる膝前面で生じる張力を利用して、股関節の屈伸運動を補助する効果を高めることができるため、膝下に接続することが好ましい。ただし、膝前面と下部前面紐状体との接触、擦れが気になる場合は、膝上に接続することができる。
下部紐状体の本数は、使用者の状態に応じて選択する。例えば、事故や脳出血等により左脚の運動に障害を有する使用者であれば、左膝のみに接続される下部紐状体を備える下部を用いることにより、左脚の運動を効果的に補助することができる。また、歩幅を広げた歩行運動を望む場合、左右の膝の前面に接続される下部紐状体を備える下部を用いることにより、立脚期後期から遊脚期における股関節の屈曲運動を補助し、歩幅を広げることができる。
下部紐状体の本数は、使用者の状態に応じて選択する。例えば、事故や脳出血等により左脚の運動に障害を有する使用者であれば、左膝のみに接続される下部紐状体を備える下部を用いることにより、左脚の運動を効果的に補助することができる。また、歩幅を広げた歩行運動を望む場合、左右の膝の前面に接続される下部紐状体を備える下部を用いることにより、立脚期後期から遊脚期における股関節の屈曲運動を補助し、歩幅を広げることができる。
「上部」
本発明の歩行支援用具において、上部紐状体は、伸縮性を有さない上部非伸縮性紐状体、伸縮性を有する上部伸縮性紐状体のいずれか、または両方を用いることができる。上腸骨棘部は、前後左右の計四カ所存在し、それぞれに上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体のいずれか、または両方を接続することができる。すなわち、上部は、0〜4本の上部非伸縮性紐状体、0〜4本の上部伸縮性紐状体を備え、1〜8本の上部紐状体を備える。上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体の本数は、下部非伸縮性紐状体と同じく、着用者の状態に応じて選択する。
上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体は、それぞれ下部非伸縮性紐状体、下部伸縮性紐状体と同様のものを用いることができる。また、その形状は、帯状であることが装着時に目立ちにくいため好ましい。
本発明の歩行支援用具において、上部紐状体は、伸縮性を有さない上部非伸縮性紐状体、伸縮性を有する上部伸縮性紐状体のいずれか、または両方を用いることができる。上腸骨棘部は、前後左右の計四カ所存在し、それぞれに上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体のいずれか、または両方を接続することができる。すなわち、上部は、0〜4本の上部非伸縮性紐状体、0〜4本の上部伸縮性紐状体を備え、1〜8本の上部紐状体を備える。上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体の本数は、下部非伸縮性紐状体と同じく、着用者の状態に応じて選択する。
上部非伸縮性紐状体、上部伸縮性紐状体は、それぞれ下部非伸縮性紐状体、下部伸縮性紐状体と同様のものを用いることができる。また、その形状は、帯状であることが装着時に目立ちにくいため好ましい。
図3に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの上部紐状体を示す。図3は、簡略化のため、右側の上腸骨棘部に装着した上部紐状体のみを示す。左側の上腸骨棘部には、左右対称に上部紐状体が装着される。
上部3は、上後腸骨棘部に接続される上部後面非伸縮性紐状体32Bと上部後面伸縮性紐状体33Bと、上前腸骨棘部に接続される上部前面非伸縮性紐状体32Fと上部前面伸縮性紐状体33Fを備える。
上部3は、上後腸骨棘部に接続される上部後面非伸縮性紐状体32Bと上部後面伸縮性紐状体33Bと、上前腸骨棘部に接続される上部前面非伸縮性紐状体32Fと上部前面伸縮性紐状体33Fを備える。
「上部非伸縮性紐状体」
図4に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの上部後面非伸縮性紐状体32Bと、上部前面非伸縮性紐状体32Fを示す。
上部後面非伸縮性紐状体32Bは、人体後面の上後腸骨棘部からそのまま上に伸ばして、肩甲骨の下端である下角の付近に接続する。上部前面非伸縮性紐状体32Fは、人体前面の上前腸骨棘部から脇腹前方と脇下とを通って人体後面に回し、肩甲骨の下角付近に接続する。
上部非伸縮性紐状体は、上体の回旋運動を膝部に伝達し、膝部を引っ張ることにより、股関節の屈伸運動を補助する。歩行時の回旋運動の大きさは、体幹から遠くなるほど、すなわち、人体の側方ほど大きくなる。上部非伸縮性紐状体を、上体後部のうち肩甲骨の下角より側方に接続することにより、非伸縮性紐状体が大きく動き、歩行支援効果が高くなる。
図4に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの上部後面非伸縮性紐状体32Bと、上部前面非伸縮性紐状体32Fを示す。
上部後面非伸縮性紐状体32Bは、人体後面の上後腸骨棘部からそのまま上に伸ばして、肩甲骨の下端である下角の付近に接続する。上部前面非伸縮性紐状体32Fは、人体前面の上前腸骨棘部から脇腹前方と脇下とを通って人体後面に回し、肩甲骨の下角付近に接続する。
上部非伸縮性紐状体は、上体の回旋運動を膝部に伝達し、膝部を引っ張ることにより、股関節の屈伸運動を補助する。歩行時の回旋運動の大きさは、体幹から遠くなるほど、すなわち、人体の側方ほど大きくなる。上部非伸縮性紐状体を、上体後部のうち肩甲骨の下角より側方に接続することにより、非伸縮性紐状体が大きく動き、歩行支援効果が高くなる。
「上部伸縮性紐状体」
図5に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの上部後面伸縮性紐状体33Bと、上部前面伸縮性紐状体33Fを示す。
上部後面伸縮性紐状体33Bは、上後腸骨棘部から、この上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部までを結ぶ線分上に位置する。また、上部前面伸縮性紐状体33Fは、上前腸骨棘部から、上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部までを結ぶ線分上に位置する。
上部伸縮性紐状体は、歩行時の動きに伴い伸長する。伸長した上部伸縮性紐状体が収縮しようとする収縮力により、股関節の屈伸運動を補助する。上部後面伸縮性紐状体33Bと上部前面伸縮性紐状体33Fが上記した特定の線分上に位置する場合、上部伸縮性紐状体は歩行時の動きにより伸長して十分な収縮力を生じて歩行支援効果を発揮し、かつ、着用時に人体に加わる圧力が小さい。
図5に、一実施態様である歩行支援用具1を装着したときの上部後面伸縮性紐状体33Bと、上部前面伸縮性紐状体33Fを示す。
上部後面伸縮性紐状体33Bは、上後腸骨棘部から、この上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部までを結ぶ線分上に位置する。また、上部前面伸縮性紐状体33Fは、上前腸骨棘部から、上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部までを結ぶ線分上に位置する。
上部伸縮性紐状体は、歩行時の動きに伴い伸長する。伸長した上部伸縮性紐状体が収縮しようとする収縮力により、股関節の屈伸運動を補助する。上部後面伸縮性紐状体33Bと上部前面伸縮性紐状体33Fが上記した特定の線分上に位置する場合、上部伸縮性紐状体は歩行時の動きにより伸長して十分な収縮力を生じて歩行支援効果を発揮し、かつ、着用時に人体に加わる圧力が小さい。
上部後面伸縮性紐状体33Bは、上後腸骨棘部から、この上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部までを結ぶ線分上、上部前面伸縮性紐状体33Fは、上前腸骨棘部から、上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部までを結ぶ線分上に位置する。上部伸縮性紐状体は、この特定の線分上の少なくとも一部に位置すれば、その線分における上部伸縮性紐状体が占める部分が伸長して、収縮力を生じることができる。上部伸縮性紐状体が短すぎると、特定の線分の一部分のみが大きく伸縮して、この部分ばかりが肌や衣類と擦れてしまう。そのため、上部伸縮性紐状体は、特定の線分の半分以上の長さを有することが好ましく、7割以上の長さを有することがより好ましく、8割以上の長さを有することがさらに好ましい。また、上部伸縮性紐状体の下端が、下部非伸縮性紐状体と連結される上腸骨棘部であると、上部伸縮性紐状体で生じた張力を効率よく下部非伸縮性紐状体に伝達することができる。
ここで、左右の上前腸骨棘部に下端を接続した2本の上部前面伸縮性紐状体33Fの上端が、下端が接続している上前腸骨棘部と人体の左右同じ側に位置すると、2本の上部前面伸縮性紐状体33Fが背中の中心で交差する。伸縮性紐状体が交差すると、それぞれが圧迫し合って、力の伝達を阻害するため、二本の上部前面伸縮性紐状体33Fは重ならないことが好ましい。上部前面伸縮性紐状体が位置する線分は、背骨の第4〜第5胸椎上で重なるため、上部前面伸縮性紐状体33Fの上端は、第5〜第6胸椎の側方に位置することが好ましい。
本発明の歩行支援用具において、上部伸縮性紐状体による運動支援効率αは、以下の式(1)で表される。
α=3LkΔx/THIP (1)
ただし、L :股関節−ベルト間距離
k :伸縮ベルトばね定数
Δx :ベルト変位
THIP:歩行時の股関節モーメント
α=3LkΔx/THIP (1)
ただし、L :股関節−ベルト間距離
k :伸縮ベルトばね定数
Δx :ベルト変位
THIP:歩行時の股関節モーメント
式(1)により、上部伸縮性紐状体のバネ定数と運動支援効率との関係を求めることができる。運動支援効率は5〜20%が好ましい。運動支援効率が5%未満では、着用者が運動支援効果を感じにくい。運動支援効率が20%より大きいと、着用者の筋肉が十分に使われず、着用することにより筋力が低下してしまう場合がある。バネ定数が大きいほど、歩行支援効果は大きくなるが、バネ定数の大きな上部伸縮性紐状体を伸長するのに必要な力が大きくなって筋肉に負荷がかかる。そのため、上部後面伸縮性紐状体33Bのバネ定数は0.1N/mm以上0.6N/mm未満、上部前面伸縮性紐状体33Fのバネ定数は0.2N/mm以上1.2N/mm未満の範囲が好ましい。バネ定数が上記した範囲より小さいと、十分な歩行支援効果が得られない。バネ定数が、上記した範囲より大きいと、伸縮性紐状体を伸ばすために余計な力が必要となり、歩行時に抵抗を感じ疲れる、非着用時と比べて歩幅が狭くなる、歩行速度が遅くなる、いう問題が生じる。
一実施態様である歩行支援用具1において、下部2は四本の下部非伸縮性紐状体21、上部3は八本の上部紐状体31を備える。下部2と上部3とは、着用時に下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とが最適な箇所に位置するための装着具を備える。装着具を、関節を覆うサポーター状やベルト状とすることにより、容易に装着することができる。また、下部2の装着具をタイツ状、上部3の装着具をシャツ状とすることにより、最適な位置に下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とを配置することができる。下部2の装着具をタイツ状、上部3の装着具をシャツ状にする場合は、適当なウェアに、下部非伸縮性紐状体21、または上部紐状体31を、縫着して接続する、または、バックル、ナスカン、ループ、ファスナー、面ファスナー、ボタン等で着脱自在に接続する。
タイツ状の下部2、シャツ状の上部3を、肌の上に直接、または下着の上にインナーウェアとして着用すると、歩行支援用具1の上から衣類を着用することができる。歩行支援用具1の上から衣類を着用すると、歩行支援用具1を装着していることが外観から分からず、装着状態で日常生活を送りやすい。この際、下部非伸縮性紐状体21、上部紐状体31として、それぞれ帯状のものを用いると、紐状体を覆う衣類が膨らまず、より自然な外観となる。
歩行支援用具1の上に装着している衣類と、下部非伸縮性紐状体21、上部紐状体31とが擦れると、歩行支援効果が落ちる、衣類が擦れて傷む、という問題があるため、下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とは、低摩擦性の生地で包む、または覆うことが好ましい。
歩行支援用具1の上に装着している衣類と、下部非伸縮性紐状体21、上部紐状体31とが擦れると、歩行支援効果が落ちる、衣類が擦れて傷む、という問題があるため、下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とは、低摩擦性の生地で包む、または覆うことが好ましい。
下部非伸縮性紐状体21と上部紐状体31とは、上腸骨棘部で連結される。連結方法としては、バックル、ナスカン、ループ、ファスナー、面ファスナー、ボタン、尾錠等が挙げられる。連結とその解除が容易なため、バックルが好ましい。
「実験1 下部紐状体の位置最適化」
等身大マネキン(株式会社アヴィス製、HB0148)で直立姿勢と歩行姿勢を再現した。歩行姿勢と直立姿勢における、前面膝下から前面の腰回りまでの人体表面に沿った長さを求め、下部前面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、腰回りにおける前面の左右中心を0mm地点とし、腰回りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらして200mm(人体側面)まで行った。
同様にして、後面膝上から後面の腰回りまでの下部後面紐状体の変位を測定した。測定結果を図6に示す。
等身大マネキン(株式会社アヴィス製、HB0148)で直立姿勢と歩行姿勢を再現した。歩行姿勢と直立姿勢における、前面膝下から前面の腰回りまでの人体表面に沿った長さを求め、下部前面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、腰回りにおける前面の左右中心を0mm地点とし、腰回りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらして200mm(人体側面)まで行った。
同様にして、後面膝上から後面の腰回りまでの下部後面紐状体の変位を測定した。測定結果を図6に示す。
図6に示すように、下部前面紐状体の変位量は100mm、下部後面紐状体の変位量は50mmで最大となった。変位量が最大となった部分は、上前腸骨棘、上後腸骨棘に相当する。
「実験2 上部前面紐状体の位置最適化」
実験1と同様にして、歩行姿勢と直立姿勢における、上前腸骨棘部から脇下における胸回りまでの人体表面に沿った長さを求め、上部前面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、胸回りにおける前面の左右中心を0mm地点とし、胸周りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらし、上前腸骨棘部と人体の左右反対側の側面を通って胸回りを約1周する800mm(上前腸骨棘と人体の左右で同じ側の胸骨付近)まで行った。
また、歩行姿勢時の上前腸骨棘から脇下における長さを求める際に、メジャーの帯部分とマネキンとの間に圧力センサを配置し、メジャーの帯部分から加わる圧力を測定した。測定は、歩行姿勢の等身大マネキンに、圧力センサ(新田株式会社製、装置名:FlexiForce)を50mm間隔で有するメジャーの帯部分を取り付け、メジャーの帯部分に5〜10Nの張力を15秒間負荷して行った。測定した圧力値を張力値で除すことで正規化し、正規化した15秒間のデータの平均値を、その測定点の圧力値とした。変位と、各圧力センサのうち最も大きな圧力値を図7に示す。
実験1と同様にして、歩行姿勢と直立姿勢における、上前腸骨棘部から脇下における胸回りまでの人体表面に沿った長さを求め、上部前面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、胸回りにおける前面の左右中心を0mm地点とし、胸周りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらし、上前腸骨棘部と人体の左右反対側の側面を通って胸回りを約1周する800mm(上前腸骨棘と人体の左右で同じ側の胸骨付近)まで行った。
また、歩行姿勢時の上前腸骨棘から脇下における長さを求める際に、メジャーの帯部分とマネキンとの間に圧力センサを配置し、メジャーの帯部分から加わる圧力を測定した。測定は、歩行姿勢の等身大マネキンに、圧力センサ(新田株式会社製、装置名:FlexiForce)を50mm間隔で有するメジャーの帯部分を取り付け、メジャーの帯部分に5〜10Nの張力を15秒間負荷して行った。測定した圧力値を張力値で除すことで正規化し、正規化した15秒間のデータの平均値を、その測定点の圧力値とした。変位と、各圧力センサのうち最も大きな圧力値を図7に示す。
上部前面伸縮性紐状体の上端が遠くなるほど、ベルトの変位量は大きくなり、250mm(人体側面)から、800mm(上前腸骨棘と人体の左右で同じ側の胸骨付近)にかけては、変位量はほぼ同一であった。圧力値は、500mm(肩甲骨内側縁)が最小であった。このことから、上部前面伸縮性紐状体の上端を肩甲骨内側縁部とすると、ベルトの伸長による十分な収縮力と、着用時の圧迫感を小さくできることが確かめられた。
「実験3 上部後面伸縮性紐状体の位置最適化」
実験2と同様にして、歩行姿勢と直立姿勢における、上後腸骨棘部から脇下における胸回りまでの人体表面に沿った長さを求め、上部後面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、胸回りにおける後面の左右中心を0mm地点とし、胸周りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらし、上後腸骨棘部と人体の左右反対側の側面を通って450mm(胸中央)まで行った。
また、実験2と同様にして、圧力を測定した。測定結果を図8に示す。
実験2と同様にして、歩行姿勢と直立姿勢における、上後腸骨棘部から脇下における胸回りまでの人体表面に沿った長さを求め、上部後面紐状体の変位(歩行姿勢における長さ−直立姿勢における長さ)を測定した。測定は、胸回りにおける後面の左右中心を0mm地点とし、胸周りでの取り付け位置を50mmずつ横にずらし、上後腸骨棘部と人体の左右反対側の側面を通って450mm(胸中央)まで行った。
また、実験2と同様にして、圧力を測定した。測定結果を図8に示す。
上部後面伸縮性紐状体の上端が、遠くなるほど、ベルトの変位量は大きくなり、200mm(脇の背中側)から450mm(胸中央)にかけては変位量はほぼ同一であった。圧力値は、肩甲骨外側縁に相当する150mmにおいて優位に小さかった。150mmにおけるベルト変位量は、200mm〜400mmと比較すると小さいが、十分な値であるため、上部後面伸縮性紐状体の上端を肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部とすると、ベルトの伸長による十分な収縮力と、着用時の圧迫感を小さくできることが確かめられた。
「実験4 伸縮性紐状体のバネ定数最適化」
下部前面伸縮性紐状体のバネ定数と下部後面伸縮性紐状体のバネ定数を、表1のように組み合わせ、下部のみからなる簡易版歩行支援用具を作製した。なお、パターンAの組み合わせは、運動支援効率20%強となるバネ定数である。
下部前面伸縮性紐状体のバネ定数と下部後面伸縮性紐状体のバネ定数を、表1のように組み合わせ、下部のみからなる簡易版歩行支援用具を作製した。なお、パターンAの組み合わせは、運動支援効率20%強となるバネ定数である。
健常成人10名(男性5名、女性5名)に、それぞれのパターンの簡易版歩行支援用具を装着し、数分間歩行させたのち、各パターン間での印象の違いを調査した。調査は、SD法を用い、下記8項目について7段階で評価させた。
図9に、SD法結果の一部を示す。図中の折れ線グラフはそれぞれパターンB、D、Fでの平均値である。
SD法の結果、ばね定数の高いパターンのほうが着用者の不快感が増す傾向が見られた。8項目それぞれに対して分散分析を実施し、ばね定数の変化が有意な効果を示す項目を調査したところ、「抵抗がある−抵抗がない」、「重い−軽い」、「きつい−ゆるい」の3項目でばね定数の効果が認められた。
SD法の結果、ばね定数の高いパターンのほうが着用者の不快感が増す傾向が見られた。8項目それぞれに対して分散分析を実施し、ばね定数の変化が有意な効果を示す項目を調査したところ、「抵抗がある−抵抗がない」、「重い−軽い」、「きつい−ゆるい」の3項目でばね定数の効果が認められた。
ばね定数の効果が認められた3項目に対して、Tukey−Kramer法による多重比較検定を実施し、パターンA〜Gのどのパターン間に有意差があるかを調査した。有意水準は5%とした。検定の結果を図10に示す。
検定の結果、「抵抗がある−抵抗がない」ではAとF、BとF、BとGの間に有意差が認められた。「重い−軽い」ではAとFの間に有意差が認められた。「きつい−ゆるい」ではAとF、BとF、BとGの間に有意差が認められた。
3項目の検定結果より、パターン(A、B)とパターン(F、G)との間に着用者へ与える印象に有意な差が存在した。また、パターン(F、G)と、パターン(C、D、E)との間には、着用者に与える印象に差がないことが確かめられた。
ここで、本発明の歩行支援用具では、下部紐状体と上部紐状体とは直列に接続される。バネ定数が無限大である非伸縮性紐状体とバネ定数k1を有する伸縮性紐状体とを直列に接続し、これを一つのバネとみなした時のバネ定数Kは、k1で近似される。すなわち、上部前面伸縮性紐状体のバネ定数は1.2N/mm未満、上部後面伸縮性紐状体のバネ定数は0.6N/mm未満であると、着用者は、不快感を感じることなく、歩行支援用具を装着することができる。
検定の結果、「抵抗がある−抵抗がない」ではAとF、BとF、BとGの間に有意差が認められた。「重い−軽い」ではAとFの間に有意差が認められた。「きつい−ゆるい」ではAとF、BとF、BとGの間に有意差が認められた。
3項目の検定結果より、パターン(A、B)とパターン(F、G)との間に着用者へ与える印象に有意な差が存在した。また、パターン(F、G)と、パターン(C、D、E)との間には、着用者に与える印象に差がないことが確かめられた。
ここで、本発明の歩行支援用具では、下部紐状体と上部紐状体とは直列に接続される。バネ定数が無限大である非伸縮性紐状体とバネ定数k1を有する伸縮性紐状体とを直列に接続し、これを一つのバネとみなした時のバネ定数Kは、k1で近似される。すなわち、上部前面伸縮性紐状体のバネ定数は1.2N/mm未満、上部後面伸縮性紐状体のバネ定数は0.6N/mm未満であると、着用者は、不快感を感じることなく、歩行支援用具を装着することができる。
1 歩行支援用具
2 下部
21 下部非伸縮性紐状体
21B 下部後面非伸縮性紐状体
21F 下部前面非伸縮性紐状体
3 上部
31 上部紐状体
32B 上部後面非伸縮性紐状体
32F 上部前面非伸縮性紐状体
33B 上部後面伸縮性紐状体
33F 上部前面伸縮性紐状体
2 下部
21 下部非伸縮性紐状体
21B 下部後面非伸縮性紐状体
21F 下部前面非伸縮性紐状体
3 上部
31 上部紐状体
32B 上部後面非伸縮性紐状体
32F 上部前面非伸縮性紐状体
33B 上部後面伸縮性紐状体
33F 上部前面伸縮性紐状体
Claims (8)
- 上腸骨棘部と、前記上腸骨棘部と人体の前後左右で同じ側に位置する膝部とを接続する下部非伸縮性紐状体を備える下部と、
前記上腸骨棘部と、人体の後面側で肩から上腕に亘る上体後部とを接続する上部紐状体を備える上部とを有し、
前記下部非伸縮性紐状体と前記上部紐状体とが、前記上腸骨棘部で連結されることを特徴とする歩行支援用具。 - 前記上部紐状体が、前記上腸骨棘部と人体の左右同じ側の上体後部を接続する上部非伸縮性紐状体であることを特徴とする請求項1に記載の歩行支援用具。
- 前記上腸骨棘部が、人体の後面に位置する上後腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、
前記上後腸骨棘部から、前記上後腸骨棘部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部まで、
を結ぶ線分上に位置する上部後面伸縮性紐状体であることを特徴とする請求項1に記載の歩行支援用具。 - 前記上部後面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.1N/mm以上0.6N/mm未満であることを特徴とする請求項3に記載の歩行支援用具。
- 前記上腸骨棘部が、人体の前面に位置する上前腸骨棘部であり、
前記上部紐状体が、
前記上前腸骨棘部から、前記上前腸骨棘部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記上前腸骨棘部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部まで、
を結ぶ線分上に位置する上部前面伸縮性紐状体であることを特徴とする請求項1に記載の歩行支援用具。 - 前記上部前面伸縮性紐状体のバネ定数が、0.2N/mm以上1.2N/mm未満であることを特徴とする請求項5に記載の歩行支援用具。
- 膝前部から、前記膝前部と人体の前後左右で同じ側に位置する上前腸骨棘部と、前記膝前部と人体の左右反対側の脇下を通り、前記膝前部と人体の左右同じ側の肩甲骨内側縁部まで、
を結ぶ線分上に位置する前面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。 - 膝後部から、前記膝後部と人体の前後左右で同じ側に位置する上後腸骨棘部を通り、前記膝後部と人体の左右反対側の肩甲骨外側縁から肩峰に亘る肩甲骨外側部まで、
を結ぶ線分上に位置する後面伸縮性紐状体を備えることを特徴とする歩行支援用具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015240129A JP2017104271A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 歩行支援用具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015240129A JP2017104271A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 歩行支援用具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017104271A true JP2017104271A (ja) | 2017-06-15 |
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ID=59058728
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JP2015240129A Pending JP2017104271A (ja) | 2015-12-09 | 2015-12-09 | 歩行支援用具 |
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JP (1) | JP2017104271A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109692105A (zh) * | 2017-10-20 | 2019-04-30 | 松下知识产权经营株式会社 | 辅助装置、辅助方法以及程序 |
-
2015
- 2015-12-09 JP JP2015240129A patent/JP2017104271A/ja active Pending
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