JP2017104087A - 刈払い用回転刃 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転刃を刈払い機から取り外すことなく回転刃に糸刃を簡単に取り付けることができ、各種刈払い場所に的確に対応して、刈払い作業の効率を向上させ得る刈払い用回転刃を提供する。
【解決手段】台金の刈払い機への取付面で当該刈払い機の鋸受けフランジの外周より外側となる円周線上に、糸刃が係止される所定高さの複数の糸刃係止部が設けられ、各糸刃係止部に糸刃がそれぞれ着脱可能に係止されることを特徴とする。前記糸刃が所定長さのナイロンコードで形成され、その基端部に糸刃係止部からの台金の外周縁方向への抜けを防止する係止部が設けられると共に、その先端部が台金の刃先より所定寸法外側に位置する。また、前記糸刃係止部が、台金の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されるか、あるいは台金の取付面に形成される凸部で形成される。
【選択図】図1
【解決手段】台金の刈払い機への取付面で当該刈払い機の鋸受けフランジの外周より外側となる円周線上に、糸刃が係止される所定高さの複数の糸刃係止部が設けられ、各糸刃係止部に糸刃がそれぞれ着脱可能に係止されることを特徴とする。前記糸刃が所定長さのナイロンコードで形成され、その基端部に糸刃係止部からの台金の外周縁方向への抜けを防止する係止部が設けられると共に、その先端部が台金の刃先より所定寸法外側に位置する。また、前記糸刃係止部が、台金の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されるか、あるいは台金の取付面に形成される凸部で形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、刈払い機に装着されて雑草や雑木(雑草等という)を刈払いする際に使用される刈払い用回転刃に関する。
従来、刈払い用の回転刃としては、例えば特許文献1に示すように、円板状の台金の外周縁に多数のチップがロー付けされたチップソーか、あるいは特許文献2に示すように、コード盤に巻回された糸刃としてのナイロンコードを、コード盤の外周側に引き出して使用するカッター(コードカッターという)が知られている。
しかしながら、このようなチップソーとコードカッターにあっては、チップソーのチップが縁石や小石等に接触するとチップの欠けが発生し易いことから、これらの場所では、刈払い機に取り付けられているチップソーを取り外してコードカッターを取り付け、柔軟なナイロンコードによって雑草等を刈払いするようにしている。
そのため、チップソーからコードカッターへの変更が、刈払い機にチップソーを取り付けている取付ボルトやボルト保護カバー等を取り外し、その後コードカッターを取付ボルト等で取り付ける必要があり、チップソーとコードカッターとの交換作業が非常に面倒となり、刈払い作業が中断される等、その作業効率が劣ることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、回転刃を刈払い機から取り外すことなく回転刃に糸刃を簡単に取り付けることができ、各種刈払い場所に的確に対応して、刈払い作業の効率を向上させ得る刈払い用回転刃を提供することにある。
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、円板状の台金の外周縁に刃先が設けられると共に、台金の中心位置に刈払い機への取付孔が形成された刈払い用回転刃であって、前記台金は、前記刈払い機への取付面で当該刈払い機の鋸受けフランジの外周より外側となる円周線上に、糸刃が係止される所定高さの複数の糸刃係止部が設けられ、該各糸刃係止部に前記糸刃がそれぞれ着脱可能に係止されることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記糸刃が所定長さのナイロンコードで形成され、その基端部に前記糸刃係止部からの台金の外周縁方向への抜けを防止する係止部が設けられると共に、その先端部が前記台金の刃先より所定寸法外側に位置することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記糸刃係止部が、前記台金の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されていることを特徴とする。また、請求項4に記載の発明は、前記糸刃係止部が、前記台金の取付面に突出形成されその壁面に係止孔を有する凸部で形成されていることを特徴とする。また、請求項5に記載の発明は、前記糸刃係止部が前記台金と別体で形成されて、前記台金の取付面に一体的に固着されることを特徴とする。
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、台金の刈払い機への取付面で刈払い機の鋸受けフランジの外周より外側となる円周線上に、糸刃が係止される所定高さの複数の糸刃係止部が設けられ、この各糸刃係止部に糸刃がそれぞれ着脱可能に係止されるため、回転刃を刈払い機から取り外すことなく回転刃の取付面に糸刃を簡単に取り付けることができ、縁石部分等の刈払い場所であっても、回転刃を交換することなく糸刃で刈払い作業を簡単に行うことができて、刈払い作業の効率を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、糸刃としてのナイロンコードの基端部に係止部が設けられると共に、その先端部が台金の刃先より所定寸法外側に位置しているため、糸刃係止部に所定長さのナイロンコードの先端側を挿通して、基端部の係止部を糸刃係止部に係止させることで糸刃を台金の取付面に取り付けできて、その作業を簡単に行うことができると共に、ナイロンコードを付属品とすること等により、使い勝手に優れた回転刃を得ることができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、糸刃係止部が台金の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されているため、糸刃係止部を台金に一体形成できて、糸刃を台金の取付面に確実に係止することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、糸刃係止部が台金の取付面に突出形成されその壁面に係止孔を有する凸部で形成されているため、凸部に刈払いされた雑草等の巻き付き防止機能と台金自体の補強機能を持たせつつ糸刃を取り付けることができて、糸刃係止部の構造の簡略化と糸刃係止部の付加価値の向上を図ることができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、糸刃係止部が台金と別体で形成されて、台金の取付面に一体的に固着されるため、例えば糸刃係止部を台金の軽量孔等を利用してボルト等で固着することで、既存の回転刃にも容易に適用することができ汎用性の高い回転刃を得ることが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図5は、本発明に係わる刈払い用回転刃の一実施形態を示している。図1及び図2に示すように、刈払い用回転刃としてのチップソー1は、後述する如く刈払い機12が取り付けられる取付面2aとその裏面2bとを有した所定板厚の円板状の台金2を備え、この台金2の中心位置には、前記刈払い機12への取付孔3が形成されている。
図1〜図5は、本発明に係わる刈払い用回転刃の一実施形態を示している。図1及び図2に示すように、刈払い用回転刃としてのチップソー1は、後述する如く刈払い機12が取り付けられる取付面2aとその裏面2bとを有した所定板厚の円板状の台金2を備え、この台金2の中心位置には、前記刈払い機12への取付孔3が形成されている。
また、台金2は、その外周縁2cに前記取付孔3方向に窪んだ刃室4が一定間隔で複数設けられると共に、この刃室4の回転方向イの後方側には、凹部状もしくは段差状のチップ固着部5がそれぞれ形成されている。そして、各チップ固着部5には、超硬合金等からなるチップ6がそれぞれロー付けされている。
また、台金2の取付面2aには、取付孔3を中心とした円周線上で、取付面2aに取り付けられる刈払い機12の後述する軸受けフランジ12bの外形より外側に位置して、複数個(図では3個)の糸刃係止部7が、互いに一定間隔(図では120度間隔)で設けられている。
このとき糸刃係止部7は、図3及び図4(a)に示すように、台金に設けた平面視コ字状のスリット8部分の先端を、図4(b)に示すように、筒状にカーリング(折り曲げ)することにより台金2に一体形成された挿通部7aを有している。この挿通部7aは、台金2の中心位置から半径方向に延設されて、その内部には挿通孔がそれぞれ形成されている。これにより、カーリングされたスリット8部分の先端に開口9が形成され、この開口9が台金2の軽量孔として機能するようになっている。
そして、この各糸刃係止部7の挿通部7aには、糸刃としてのナイロンコード10がそれぞれ挿通係止されている。このナイロンコード10は、所定長さを有して、その基端部に例えば円柱状もしくは球状で外形が前記挿通部7aの挿通孔の内径より大きな係止部10aが一体形成されている。また、ナイロンコード10は、先端部10bを糸刃係止部7の挿通部7aの挿通孔に台金2の取付孔3側から挿通しつつ先端部10bを引っ張ることで、係止部10aを挿通部7aの基端側(取付孔3側)の端面に当接させることで、糸刃係止部7に係止されている。
これにより、3本のナイロンコード10が、台金2の中心位置から半径方向に延設されて、刃先としての先端部10bが台金2の外周縁2cから所定寸法外側に位置するようになっている。前記糸刃係止部7の挿通孔の内径は、ナイロンコード10の外径と略等しいか若干大きき目に設定されている。また、ナイロンコード10は、係止部10aを手等で取付孔3方向に引っ張ることにより、糸刃係止部7から引き抜かれて台金2から取り外すことが可能、すなわちナイロンコード10が台金2に対して着脱可能となっている。なお、前記ナイロンコード10の延設方向は、図示した半径方向に限らず、半径方向に対して例えば回転方向イ下流側に所定角度傾斜した方向に延設することも勿論可能である。
このように構成されたチップソー1は、図5に示すように、刈払い機12の回転伝達シャフト12a先端の鋸受けフランジ12bに、鋸押えフランジ12c及び取付ボルト13とボルト保護カバー14等を介して取り付けられる。この取付時に、チップソー1の台金2の取付孔3の外周側の取付面2a及び裏面2bが各フランジ12b、12cのフランジ面に当接すると共に、鋸受けフランジ12bの外周側に前記糸刃係止部7が位置した状態となる。
そして、この刈払い機12への取付状態で、刈払い機12のエンジンを始動させると、回転伝達シャフト12aを介してチップソー1が回転し、そのチップ6で雑草等が刈払いされる。また、チップ6による刈払いと同時に、ナイロンコード10の回転でチップ6より外側に位置するナイロンコード10の刃先としての先端部10bで縁石や石(障害物)近傍の雑草等が刈払いされると共に、ナイロンコード10の先端部10bで小石等を跳ね飛ばしつつチップ6で雑草等が刈払いされる。
さらに、チップ6とナイロンコード10を使用した刈払い時に、ナイロンコード10が台金2の取付面2a上に位置すると共に、糸刃係止部7が取付面2a上に所定寸法突出した状態となっていることから、台金2が所定回転数で回転することで、回転する3つの糸刃係止部7で台金2の取付面2a上に円環状の壁部が形成されることになる。また、ナイロンコード10の先端部10b以外の部分も台金2の取付面2a上に位置することから、この部分で刈払いされた雑草等を跳ね飛ばすこともできる。
これらのチップソー1の回転時に形成される壁部やナイロンコード10自体で、チップ6で刈払いされ台金2の取付面2a上を移動する雑草等の刈払い機12の鋸受けフランジ12bへの巻き付き(特に、糸刃係止部7の高さより低い位置にある台金2の取付面2aと鋸受けフランジ12bの下面との間への巻き付き)が抑制されることになる。
つまり、チップソー1の台金2に、刃先としてのチップ6とナイロンコード10(先端部10b)を共に設けることにより、柔軟なナイロンコード10で障害物近傍の刈払いを行いながら小石等を跳ね飛ばしつつ、切れ味に優れたチップ6で雑草等を刈払いできる。また同時に、チップソー1の回転時にナイロンコード10には遠心力が作用することから、ナイロンコード10の取付孔3方向への移動や抜けが阻止され、その先端部10bに刃先としての機能を維持させることができ、これらのことから刈払い作業の効率が大幅に高まることになる。
このように前記チップソー1によれば、台金2の刈払い機12への取付面2aで刈払い機12の鋸受けフランジ12bの外周より外側となる円周線上に、ナイロンコード10が係止される3個の糸刃係止部7が設けられ、この各糸刃係止部7にナイロンコード10がそれぞれ着脱可能に係止されているため、チップソー1を刈払い機12から取り外すことなく、台金2の取付面2aにチップ6以外の第2の刃先として機能するナイロンコード10を簡単に取り付けることができ、障害物近傍等の刈払い場所であっても、チップソー1で刈払い作業を簡単に行うことができて、刈払い作業の効率を大幅に向上させることができる。
特に、台金2の取付面2a上に糸刃係止部7やナイロンコード10自体が位置するため、回転する糸刃係止部7で形成される円環状の壁部やナイロンコード10自体で、刈払いした雑草等の刈払い機12の鋸受けフランジ12b部分への巻き付きを抑制することができ、巻き付きによるチップソー1の回転数の低下や停止を抑制でし、刈払い作業を一層効率良く行うことができる。
また、所定長さのナイロンコード10の基端部に係止部10aが設けられると共に、その先端部10bがチップ6より所定寸法外側に位置しているため、糸刃係止部7にナイロンコード10の先端部10bを挿通させて、基端部の係止部10aを糸刃係止部7に係止させることでナイロコード10を台金2の取付面2aに取り付けできると共に、ナイロンコード10を糸刃係止部7から引き抜くことで台金2から取り外すことができて、ナイロンコード10の台金2に対する着脱作業を極めて簡単に行うことができる。
また、ナイロンコード10が台金2に着脱可能であるため、例えばナイロンコード10を必要としない刈払い場所の場合は、ナイロンコード10を取り外してチップ6のみを使用して刈払いでき、また、ナイロンコード10が摩耗してその長さが短くなった場合は、糸刃係止部7の挿通孔7aから引き抜くだけで、備品としての新しいナイロンコード10に簡単に交換することができる等、使い勝手に優れたチップソー1を安価に提供することが可能になる。
さらに、糸刃係止部7が台金2の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されているため、糸刃係止部7を台金2に一体形成できて、ナイロンコード10を台金2に確実に係止できると共に、台金2のカーリング部分に形成される開口9に軽量孔の機能を持たせることができて、他の軽量孔と共に台金2の効果的な軽量化が可能になる。
図6及び図7は、本発明に係わる刈払い用回転刃の他の実施形態を示している。以下、前記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。図8においても同様である。この実施形態とのチップソー1の特徴は、台金2の取付面2aに刈払いした雑草等の刈払い機12の鋸受けフランジ12b部分への巻き付きを防止する凸部15を設け、この凸部15にナイロンコード10を係止させた点にある。
すなわち、台金2の取付面2aで取付孔3を中心とした円周線上に、取付面2aの上方に突出する状態で複数個(図では8個)の凸部15を一定間隔で形成する。この凸部15は、刈払い機12の鋸受けフランジ12bの外周側に位置する取付面2aに、プレスの絞り加工等により略半球状を呈して台金2に一体形成されている。
このとき、凸部15の高さは、刈払い機12への取り付けの際に、刈払い機12の回転伝達シャフト12aの先端部分に接触しない寸法に設定されると共に、凸部15の内周縁を結ぶ円周線の内径が、一般的な刈払い機12の最も外形が大きい鋸受けフランジ12bの外径より所定寸法大きく設定されている。これにより、取付面2aに凸部15が形成されたチップソー1が、市販されている刈払い機12に取り付けられて所定回転数で回転した際に、その回転動作に何等支障を与えないようになっている。
また、前記凸部15は、台金2の取付面2a及び裏面2bとの連結部が所定のアール形状に設定されると共に、凸部15間には、凸部15の外形より例えば小径な軽量孔16がそれぞれ形成されて、台金2自体の軽量化が図られている。また、台金2に設けられる凸部15により、台金2自体が強度(剛性)アップされることから、台金2自体の板厚を従来に比較して薄くして、台金2の軽量化を図ることもできるようになっている。
そして、8個の凸部15のうち、十字位置の4個の凸部15にナイロンコード10がそれぞれ係止されている。すなわち、図7に示すように、凸部15の台金2の外周縁2c側となる壁面下部に、ナイロンコード10の外径と略等しく係止部10aの外形より小さな内径の係止孔17を形成し、この係止孔17に凸部15内側の凹部からナイロンコード10の先端部10bを差し込んで先端部10bを台金2の外周縁2c側に引っ張る。これにより、ナイロンコード10の係止部10aが凸部15の係止孔17の内面に係止してナイロンコード10が凸部15に取り付けられ、また、ナイロンコード10を台金2から取り外す場合は、係止部10aを引っ張ることで行うことができる。
なお、この実施形態においては、凸部15が略半球状である場合について説明したが、例えば凸部15を平面視で略楕円形状の略半球状としても良いし、凸部15を切起し片で形成しても良い。この凸部15が切起し片の場合は、台金2の円周線上に取付孔3方向が開いたコ字状のスリットを形成し、このスリットの基部を起点として切欠き内部を台金2の取付面2a方向に起こすことにより形成される。この場合は、切起した凸部15が板状のリブとして機能すると共に、切起こした部分の開口が前記開口9と同様に軽量孔として機能することになる。
この実施形態のチップソー1においても、刃先としてのチップ6とナイロンコード10を共に有することから、前記実施形態のチップソー1と同様の作用効果が得られる他に、台金2が凸部15を有することにより、次のような作用効果を得ることができる。
すなわち、台金2の取付面2aで刈払い機12の鋸受けフランジ12bの外周側となる位置に、刈払い機12方向(取付面2aの上方)に突出した8個の凸部15が一体形成されているため、凸部15で台金2自体の強度アップが図れて台金2の板厚を薄くして軽量化することができると共に、回転する凸部15で刈り取った雑草等の鋸受けフランジ12b部分への巻き付きを抑制できて、刈払い作業の作業能率を向上させることができる。
また、凸部15が略半球状で台金2の取付孔3を中心とした円周線上に複数個形成されているため、台金2の取付面2aに形成される複数の凸部15が回転することにより、刈り取った雑草等の鋸受けフランジ12b部分への巻き付きを確実に抑制することができる。特に、台金2を所定回転数で回転させた際に、円周線上に位置する複数個の凸部15が図6の二点鎖線で示すように円環状の壁部Kを形成するため、刈り取られた雑草等が台金2の取付面2a上を鋸受けフランジ12b方向に移動しても、凸部15で形成される円環状の壁部Kで確実に跳ね返される状態となり、雑草等の鋸受けフランジ12b部分への巻き付きを一層確実に抑制することができる。
また、凸部15が略半球状に形成されているため、この凸部15で形成される円環状の壁部Kの上面が曲面となり、壁部Kに衝突した雑草等を斜め上方に跳ね返すことができて、衝突した雑草自体の絡み等も抑制され、凸部15に一層確実な巻き付き抑制機能を得ることが可能になる。
さらに、凸部15の一体形成による強度アップで台金2自体の板厚を薄くできるため、台金2の重量を軽くして刈払い作業時の作業者への体力的な負担を軽減できると共に、凸部15間に該凸部15の外形より小径な軽量孔16がぞれそれ形成されているため、台金2の強度低下を抑えつつ軽量化を一層促進させることができて、刈払い作業の作業能率を一層向上させることができる。また、凸部15が台金2の取付面2aに一体形成されているため、凸部15に回転による遠心力が作用しても凸部15が台金2から離れて飛散することもなく、刈払い作業の安全性を高めることもできる。
図8は、本発明に係わる刈払い用回転刃のさらに他の実施形態を示している。この実施形態のチップソーは、糸刃係止部を台金2とは別体で形成し、台金2の軽量孔18等を利用して固着可能とした点にある。すなわち、チップソー1は、台金2に予め形成されている多数の軽量孔18のうち所定の軽量孔18を利用して、糸刃係止部20をボルト19やナット等で固定する。糸刃係止部20は、アルミ材等により形成され、複数の取付孔を有する平坦な取付部20aと、この取付部20aの先端の両側にカーリングで形成された筒状の一対の挿通部20bとを備えている。
そして、取付部20aの所定の取付孔と台金の軽量孔18を一致させてボルト19等で固定し、図1のチップソー1と同様に、各挿通部20bの挿通孔にナイロンコード10をそれぞれ挿通させて取り付ける。この実施形態のチップソー1においても、図1に示すチップソー1と同様の作用効果が得られると共に、糸刃係止部20を台金2の軽量孔18を利用できることから、軽量孔18が形成された既存のチップソー1にも容易に適用できるという作用効果を得ることができる。
また、この実施形態のチップソー1の場合、糸刃係止部20の固着は、ボルト19等に限らず溶接で固定する等、糸刃係止部20の脱落を防止可能な適宜の構成を採用することができる。さらに、この実施形態の場合、挿通部20bが糸刃係止部20の長手方向の両端部にそれぞれ設けられて、これらの間に空間20cが設けられていることから、例えばナイロンコード10が摩耗して長さが短くなった場合に、係止部10aを空間20c内に位置させて外周縁2c側の挿通部20bに係止させることで、ナイロンコード10の長さ摩耗に対応できるようにしても良い。
このとき空間20cの数を3個以上として、ナイロンコード10の長さ摩耗により広く対応できるようにしても良いし、この長さ摩耗への対応構成は、図1の糸刃係止部7や図6の糸刃係止部としての凸部15にも適用することも勿論可能である。凸部15に適用する場合は、凸部15の半径方向の両壁面に係止孔17をそれぞれ設けて、ナイロンコード10の係止部10aを、当初は内側(取付孔3側)の係止孔17に係止させ、ナイロンコード10が摩耗した場合は、前述した例に示すように外側の係止孔17にのみ係止させれば良い。
なお、前記各実施形態における、回転刃の形態、糸刃係止部の形状や個数、糸刃の形態等は一例であって、例えば回転刃として台金の先端にチップ6以外の刃先を有する回転刃に適用したり、糸刃としてナイロン以外の金属線等の細線を使用する等、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜の構成を採用することができる。
本発明は、円板状の台金の外周縁に刃先を有して雑草等の刈払いに使用される全ての刈払い用回転刃に利用できる。
1・・・チップソー、2・・・台金、2a・・・取付面、2b・・・裏面、2c・・・外周縁、3・・・取付孔、4・・・刃室、5・・・チップ固着部、6・・・チップ、7・・・糸刃係止部、7a・・・挿通部、8・・・スリット、10・・・ナイロンコード、10a・・・係止部、10b・・・先端部、12・・・刈払い機、12a・・・回転伝達シャフト、12b・・・鋸受けフランジ、12c・・・鋸押えフランジ、13・・・取付ボルト、14・・・ボルト保護カバー、15・・・凸部、16・・・軽量孔、17・・・係止孔、18・・・軽量孔、19・・・ボルト、20・・・糸刃係止部、20a・・・取付部、20b・・・挿通部、20c・・・空間。
Claims (5)
- 円板状の台金の外周縁に刃先が設けられると共に、台金の中心位置に刈払い機への取付孔が形成された刈払い用回転刃であって、
前記台金は、前記刈払い機への取付面で当該刈払い機の鋸受けフランジの外周より外側となる円周線上に、糸刃が係止される所定高さの複数の糸刃係止部が設けられ、該各糸刃係止部に前記糸刃がそれぞれ着脱可能に係止されることを特徴とする刈払い用回転刃。 - 前記糸刃が所定長さのナイロンコードで形成され、その基端部に前記糸刃係止部からの台金の外周縁方向への抜けを防止する係止部が設けられると共に、その先端部が前記台金の刃先より所定寸法外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の刈払い用回転刃。
- 前記糸刃係止部は、前記台金の平面視コ字状に打ち抜いた部分を筒状にカーリングすることで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の刈払い用回転刃。
- 前記糸刃係止部は、前記台金の取付面に突出形成されその壁面に係止孔を有する凸部で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の刈払い用回転刃。
- 前記糸刃係止部が前記台金と別体で形成されて、前記台金の取付面に一体的に固着されることを特徴とする請求項1または2に記載の刈払い用回転刃。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020105200A1 (ja) * | 2018-11-21 | 2020-05-28 | 有限会社とまと不動産 | コードカッターを装着可能な回転鋸及びそれを備える刈払機 |
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2015
- 2015-12-11 JP JP2015257763A patent/JP2017104087A/ja active Pending
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WO2020105200A1 (ja) * | 2018-11-21 | 2020-05-28 | 有限会社とまと不動産 | コードカッターを装着可能な回転鋸及びそれを備える刈払機 |
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