JP2017103867A - 減速機構付モータ - Google Patents

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健太 渡邉
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司 金野
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将人 濱口
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Hiroto Tanaka
裕人 田中
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Abstract

【課題】静粛性をより向上させることが可能な減速機構付モータの提供。【解決手段】ギヤケースの開口部を閉塞するカバー部材47と、減速機構とカバー部材47との間に設けられる基板50と、基板50とカバー部材47との間に設けられ、減速機構(ギヤ噛合部)が発生する騒音を吸収して当該騒音の外部への漏洩を抑える吸音部(第1穿孔54aと空気室a,第2穿孔54bと空気室b,第3穿孔54cと空気室c)と、を備えるので、静粛性をより向上させることができる。したがって、ハイブリッド車両のサンルーフ装置等に、適用することが可能となる。【選択図】図8

Description

本発明は、回転軸を有するモータ部と、回転軸の回転を減速する減速機構を有するギヤ部と、を備えた減速機構付モータに関する。
従来、サンルーフ装置等の駆動源に用いられる車載用モータには、小型でありながら大きな出力が得られる減速機構付モータが採用されている。これにより、車両のルーフ内等の狭小スペースに、減速機構付モータを容易に搭載できるようにしている。このような減速機構付モータには、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載された減速機構付モータは、駆動電流の供給により回転される回転軸(アーマチュア軸)を有するモータ部(モータ本体)と、回転軸の回転を減速して高トルク化し、この回転力を外部に出力する減速機構(ウォームギヤ機構)を有するギヤ部と、を備えている。また、ギヤ部を形成するギヤケースの内部には、モータ部の駆動を制御する基板(制御基板)が収容され、特許文献1に記載された減速機構付モータは、所謂、機電一体型の減速機構付モータとなっている。
特開2010−057299号公報
ところで、特許文献1に記載された減速機構付モータにおいては、回転軸の高速回転を、ウォームおよび当該ウォームに噛み合わされる歯部を備えたウォームホイールからなる減速機構により減速して高トルク化するため、騒音が比較的大きかった。ここで言う「騒音」とは、減速機構(ウォームおよびウォームホイール)が回転する際に生じる機械的な騒音(メカノイズ)のことであり、このメカノイズは、減速比を大きくして小型軽量化を進めていくにつれて、大きくなる傾向にある。
特に、サンルーフ装置に用いられる減速機構付モータにおいては、運転者や同乗者の頭上に配置されるため、減速機構付モータの騒音が運転者や同乗者の耳に届き易いという欠点がある。言い換えれば、サンルーフ装置に用いられる減速機構付モータにおいては、他の車載用モータに比して、より静粛性を向上させたいというニーズがある。その中でも、ハイブリッド車両等、電動モータのみで走行可能な静かな車両においては、静粛性向上のニーズがより高いものとなっている。
本発明の目的は、静粛性をより向上させることが可能な減速機構付モータを提供することにある。
本発明の一態様では、回転軸を有するモータ部と、前記回転軸の回転を減速する減速機構を有するギヤ部と、を備えた減速機構付モータであって、前記減速機構を収容するギヤケースと、前記ギヤケースの開口部を閉塞するカバー部材と、前記減速機構と前記カバー部材との間に設けられる基板と、前記ギヤケース内に設けられ、前記減速機構が発生する騒音を吸収して当該騒音の外部への漏洩を抑える吸音部と、を備える。
本発明の他の態様では、前記吸音部は、前記基板に設けられる穿孔と、前記基板と前記カバー部材との間に設けられ、前記穿孔のみを介して外部との連通が許容される空気室と、を備える。
本発明の他の態様では、前記穿孔および前記空気室が、前記減速機構のギヤ噛合部の近傍に設けられる。
本発明の他の態様では、前記穿孔および前記空気室からなるセットが複数セット設けられる。
本発明の他の態様では、前記減速機構付モータが車載用モータであり、前記減速機構付モータの前記カバー部材側が車室内側に向けられる。
本発明によれば、ギヤケースの開口部を閉塞するカバー部材と、減速機構とカバー部材との間に設けられる基板と、ギヤケース内に設けられ、減速機構が発生する騒音を吸収して当該騒音の外部への漏洩を抑える吸音部と、を備えるので、静粛性をより向上させることができる。したがって、ハイブリッド車両のサンルーフ装置等に、適用することが可能となる。
車両のルーフに設置されたサンルーフ装置を示す概略図である。 サンルーフモータのカバー部材側を示す斜視図である。 サンルーフモータのギヤケース側を示す斜視図である。 サンルーフモータの分解斜視図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 カバー部材の内側を示す平面図である。 基板を示す平面図である。 カバー部材に基板を装着した状態を示す平面図である。 3つの吸音部の詳細を説明する模式図である。 3つの吸音部の減音量(吸音効果)を示すグラフである。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両のルーフに設置されたサンルーフ装置を示す概略図を、図2はサンルーフモータのカバー部材側を示す斜視図を、図3はサンルーフモータのギヤケース側を示す斜視図を、図4はサンルーフモータの分解斜視図を、図5は図3のA−A線に沿う断面図を、図6はカバー部材の内側を示す平面図を、図7は基板を示す平面図を、図8はカバー部材に基板を装着した状態を示す平面図を、図9は3つの吸音部の詳細を説明する模式図を、図10は3つの吸音部の減音量(吸音効果)を示すグラフをそれぞれ示している。
図1に示すように、サンルーフ装置10は、ルーフパネル11を備えている。ルーフパネル11は、車両12のルーフ13に形成された開口部14を開閉するものである。ルーフパネル11の車幅方向(図中上下方向)に沿う両側には、一対のシュー15a,15bがそれぞれ固定されている。また、ルーフ13の開口部14の車幅方向に沿う両側には、車両12の前後方向(図中左右方向)に延びるガイドレール16がそれぞれ固定されている。そして、一対のシュー15a,15bが、対応する一対のガイドレール16にそれぞれ案内されることで、ルーフパネル11が、車両12の前後方向に移動自在つまり開閉自在となっている。
車両12の後方側(図中右側)に配置されたシュー15bのそれぞれには、ギヤ付きの駆動ケーブル17a,17bの一端が連結されている。これらの駆動ケーブル17a,17bの他端は、開口部14よりも車両12の前方側(図中左側)に取り回されている。
開口部14よりも車両12の前方側であって、フロントガラスFGとの間のルーフ13の内部には、サンルーフモータ(減速機構付モータ,車載用モータ)20が搭載されている。そして、一対の駆動ケーブル17a,17bの他端は、サンルーフモータ20に設けられた駆動ギヤ45に噛み合わされている。そして、サンルーフモータ20が駆動されると、一対の駆動ケーブル17a,17bは互いに逆向きにその軸方向に駆動される。これにより、ルーフパネル11は、一対のシュー15bを介して一対の駆動ケーブル17a,17bにより押し引きされて、ひいては自動的に開閉される。
図2および図3に示すように、サンルーフモータ20は、ブラシ付きモータであるモータ部21を備えている。モータ部21の外郭をなすヨーク22は、その軸心を中心として湾曲する一対の円弧部22aと、これらの円弧部22aを連ねる互いに平行な一対の平板部22bと、その軸方向の一端を閉塞する底部22cとを備えた断面が略小判形状の有底筒状に形成されている。
図4に示すように、ヨーク22の内部には、アーマチュア(回転子)23が収容されている。アーマチュア23は、アーマチュア軸(回転軸)24を備えており、アーマチュア軸24の基端部分がヨーク22の底部22cに設けられた軸受(図示せず)に支持されることで、アーマチュア23はヨーク22の内部で回転自在となっている。
アーマチュア軸24には、アーマチュアコア25が固定されており、このアーマチュアコア25には複数のアーマチュアコイル26(詳細図示せず)が巻装されている。また、アーマチュア軸24には、アーマチュアコア25に隣接してコンミテータ27が固定されており、複数のアーマチュアコイル26のコイル端は、コンミテータ27にそれぞれ電気的に接続されている。
ヨーク22の開口端には、アーマチュアコイル26に駆動電流を供給するためのブラシホルダ28が装着される。ブラシホルダ28は、複数のブラシ(図示せず)を移動自在に保持するものであって、ブラシホルダ28の軸心には、コンミテータ27が回転自在に挿通されるようになっている。これにより、複数のブラシはコンミテータ27の外周面に摺接して、当該ブラシおよびコンミテータ27を介して所定のタイミングで転流された駆動電流が、アーマチュアコイル26に供給される。
ヨーク22の開口端には、一対のボルトB1,B2とナットN1,N2とによって、ギヤ部30の外郭をなすギヤケース31が固定されている。ギヤケース31は、プラスチック等の樹脂材料により略バスタブ形状に形成されている。そして、モータ部21に設けられるアーマチュア軸24の先端部分は、ヨーク22からギヤケース31の内部にまで突出され、ギヤケース31に回転自在に収容されている。なお、アーマチュア軸24の先端部分および中間部分は、ギヤケース31の内部に設けられた軸受(図示せず)に支持されている。
図4および図5に示すように、ギヤケース31の内部には、減速機構40が収容されている。減速機構40はウォーム減速機であり、ウォーム41とウォームホイール42とから構成されている。ウォーム41は、アーマチュア軸24の先端部分の外周面に一体に形成されている。一方、ウォームホイール42は、出力軸43に固定されており、当該出力軸43とともにギヤケース31の内部に設けられた円筒状のギヤ収容部31aに回転自在に収容されている。
ウォーム41およびウォームホイール42は、互いに噛み合わされており、これらの間にはメカノイズの発生源となり得るギヤ噛合部GEが設けられている。これにより、アーマチュア軸24の高速回転は、減速機構40により所定の回転数にまで減速されて高トルク化され、この高トルク化された回転力が出力軸43から外部に出力される。
なお、ウォーム41をアーマチュア軸24の先端部分の外周面に一体に形成するに限らず、ウォーム41を備えた軸(ウォーム軸)を、アーマチュア軸24に連結する別体構造にする等、アーマチュア軸24によりウォーム41が回転駆動される構造であれば他の構造であっても構わない。
ギヤ収容部31aの開口部には、鋼板等をプレス成形等することで略円板形状に形成されたギヤカバー44が装着されている。ギヤカバー44は、ギヤ収容部31aとカバー部材47の基板収容部47c(図5参照)との間を隔離している。これにより、減速機構40に塗布された潤滑グリス(図示せず)が、ギヤケース31のギヤ収容部31a以外の部分、例えば、基板収容部47cに漏れ出るのを防止できる。
図5に示すように、出力軸43は、アーマチュア軸24に対して垂直に配置されており、その先端部分は、ギヤケース31の底面から当該ギヤケース31の外部(図中上方)に突出されている。そして、出力軸43の先端部分には、セレーション嵌合によって駆動ギヤ45が強固に固定されている。
ギヤケース31の底面の外側(図中上方)には、ケーブルガイド31bが凸設されており、このケーブルガイド31bには、金属製のガイドプレート46が装着されている。ガイドプレート46は、駆動ギヤ45を挟んで互いに対向する一対のガイド壁46aを備えており、一対の駆動ケーブル17a,17bは、これらのガイド壁46aと駆動ギヤ45との間に挟み込まれるようにして配置されている。
このような構成により、モータ部21を駆動すると、アーマチュア軸24の回転が減速機構40を介して出力軸43に伝達され、出力軸43とともに回転する駆動ギヤ45により一対の駆動ケーブル17a,17bが所定の方向に移動されて、その結果、ルーフパネル11(図1参照)が自動的に開閉される。
なお、図5に示すように、出力軸43の基端部分(図中下方)には、例えば、六角レンチ等の工具(図示せず)が差し込まれる工具孔43aが形成されている。これにより、モータ部21が故障等して駆動不能となった場合において、カバー部材47に形成された貫通孔47gを介して、工具孔43aに工具を差し込み、当該工具で出力軸43を回転させることで、ルーフパネル11を手動で開閉操作することができる。
ギヤケース31の開口部は、プラスチック等の樹脂材料で略バスタブ形状に形成されたカバー部材47によって閉塞されている。ここで、サンルーフモータ20のカバー部材47側は、サンルーフモータ20をルーフ13の内部に搭載した状態(図1参照)のもとで、運転者や同乗者がいる車室内側(図示せず)に向けられる。したがって、サンルーフモータ20の発生する騒音が、カバー部材47を介して車室内側に漏れないようにするのが望ましい。
カバー部材47は、ギヤケース31とともにギヤ部30の外郭を形成しており、底部47aと側壁部47bとを備えている。そして、底部47aおよび側壁部47bは、カバー部材47の内側に、基板50を収容する基板収容部47cを形成している。
図6に示すように、カバー部材47の長手方向一側(図中右側)には、基板50に設けられたコネクタ接続部CN(図7参照)が装着される装着凹部47dが設けられている。装着凹部47dは、側壁部47bの一部を底部47aに向けて切り欠くことにより、断面が略U字形状に形成されている。
また、側壁部47bには、合計5つの係合爪47eが一体に設けられ、これらの係合爪47eは、ギヤケース31に設けられた係合凸部31c(図2および図3参照)にそれぞれ係合されるようになっている。これにより、カバー部材47はギヤケース31に対して、略ワンタッチで簡単に装着することができ、かつ容易には外れないように互いに強固に固定することができる。
図5および図8に示すように、基板収容部47cには、モータ部21(図2および図3参照)の駆動を制御するための基板50が収容されている。図6に示すように、カバー部材47の底部47aには、当該底部47aに基板50を固定するための3つの基板固定凸部47fが設けられている。これらの基板固定凸部47fは、基板50に設けられた3つの固定穴51(図7参照)に引っ掛けられて、それぞれ抜け止めされた状態となる。すなわち、基板50は、固定ねじ等に依らずに簡単にカバー部材47に固定される。よって、サンルーフモータ20の組み立て作業性を向上させることができる。
図6に示すように、カバー部材47の底部47aには、サンルーフモータ20を組み立てた状態のもとで、出力軸43の基端部分が対向する貫通孔47gが形成されている。貫通孔47gは、カバー部材47の長手方向中央部分よりも他側(図中左側)寄りの部分に設けられ、カバー部材47の内外を連通している。貫通孔47gの内側には、出力軸43に設けられた工具孔43a(図5参照)が配置され、貫通孔47gには六角レンチ等の工具が挿通可能となっている。
また、カバー部材47の底部47aで、かつカバー部材47の長手方向に沿う貫通孔47gよりも他側寄りの部分には、ギヤケース31に設けられた位置決め突起T(図4参照)が差し込まれる位置決め凹部Dが設けられている。これにより、カバー部材47をギヤケース31に対してがたつくこと無く、より正確に位置決めできるようにしている。
図5,図6および図8に示すように、カバー部材47の底部47aには、当該底部47aと基板50との間に配置される囲い壁48(図6では網掛け部分を参照)が設けられている。この囲い壁48は、図5に示すようにゴム等の柔軟性を有する弾性材料によって形成され、その一側部48aは、底部47aに密着されている。一方、囲い壁48の他側部48bは、カバー部材47に基板50を固定した状態のもとで、基板50に密着されている。つまり、囲い壁48の内側には部屋(密閉空間)Rが形成されるようになっている。
ここで、囲い壁48は、カバー部材47に予め固定されており、例えば、カバー部材47を二色成形することで、当該カバー部材47に一体に設けられる。ただし、囲い壁48は、基板50側に接着剤等で予め一体化しておいても良いし、カバー部材47および基板50とは別体として、カバー部材47に基板50を装着する際に、両者間に挟持させるようにしても良い。
図6および図8に示すように、囲い壁48によって形成される部屋Rは、3つの空気室a,b,cから構成され、これらの空気室a,b,cはギヤケース31内に設けられている。3つの空気室a,b,cは、貫通孔47gの周囲、つまり出力軸43の近傍に配置されている。また、3つの空気室a,b,cは、カバー部材47の長手方向他側、つまりコネクタ接続部CN側とは反対側のモータ部21側から、その順番で並べられている。
ここで、本実施の形態では、最もモータ部21寄りの部分にある空気室aを形成する底部47aの表面積Aaが[630mm2]とされ、最もコネクタ接続部CN寄りの部分にある空気室cを形成する底部47aの表面積Acが[594mm2]とされ、空気室aと空気室cとの間の空気室bを形成する底部47aの表面積Abが[319mm2]とされている(Aa>Ac>Ab)。
また、図5に示すように、底部47aと基板50との離間距離tは[3.3mm]とされている。これにより、空気室aの容積Vaは[2,079.0mm3]となり、空気室bの容積Vbは[1,052.7mm3]となり、空気室cの容積Vcは[1,960.2mm3]となっている(Va>Vc>Vb)。
これらの空気室a,b,cは、基板50とカバー部材47との間に設けられ、本発明における吸音部の一部を構成しており、「ヘルムホルツ共鳴器」の原理に則った「容器(Cavity)」を形成している。
図7および図8に示すように、基板50は、サンルーフモータ20を組み立てた状態のもとで、減速機構40とカバー部材47との間に設けられている。基板50の長手方向一側(図中右側)には、車両12(図1参照)側に設けられた外部コネクタ(図示せず)が、電気的に接続されるコネクタ接続部CNが設けられている。また、基板50の長手方向他側(図中左側)には、詳細には図示されないがブラシホルダ28(図4参照)が、電気的に接続されている。これにより、外部コネクタからの駆動電流が、基板50を介してブラシホルダ28に供給され、ひいてはモータ部21が駆動される。
また、基板50の長手方向中央部分よりも他側(図中左側)寄りの部分には、出力軸43(図5参照)が所定のクリアランスを持って挿通される出力軸挿通孔52が形成されている。よって、出力軸43および基板50は、互いに干渉することが無い。
さらに、基板50の長手方向に沿う出力軸挿通孔52よりも他側寄りの部分には、位置決め凹部Dが挿通される位置決め凹部挿通孔53が形成されている。ここで、位置決め凹部Dと位置決め凹部挿通孔53との間にはクリアランスは殆ど無く、互いに略嵌合するようになっている。これにより、基板50のカバー部材47に対するがたつきがより一層抑制される。
図8に示すように、基板50の長手方向に沿う出力軸挿通孔52よりも他側寄りの部分には、空気室aに連通する第1穿孔(穿孔)54aが設けられ、この第1穿孔54aの直径寸法d1は[4.5mm]に設定されている。そして、空気室aは、第1穿孔54aのみを介して外部との連通が許容されている。
また、基板50の長手方向に沿う第1穿孔54aと出力軸挿通孔52との間には、空気室bに連通する第2穿孔(穿孔)54bが設けられ、この第2穿孔54bの直径寸法d2は[2.0mm]に設定されている。そして、空気室bは、第2穿孔54bのみを介して外部との連通が許容されている。
さらに、基板50の長手方向に沿う出力軸挿通孔52よりも一側寄りの部分には、空気室cに連通する第3穿孔(穿孔)54cが設けられ、この第3穿孔54cの直径寸法d3は[9.0mm]に設定されている。そして、空気室cは、第3穿孔54cのみを介して外部との連通が許容されている。
なお、図8に示すように、基板50をカバー部材47に固定した状態のもとで、第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cは、それぞれギヤケース31内に設けられ、かつ貫通孔47g(出力軸挿通孔52)の周囲に設けられている。すなわち、第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cは、ウォームホイール42の外周部分の形状(円弧形状)に略倣って並べられている。
これにより、図9の模式図に示すように、第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cは、メカノイズの発生源となり得るギヤ噛合部GEの近傍にそれぞれ設けられている。また、唯一の開口部である第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cをそれぞれ備えた3つの空気室a,b,cについても、メカノイズの発生源となり得るギヤ噛合部GEの近傍にそれぞれ設けられている。
なお、第1穿孔54aの開口面積Saは[15.9mm2]であり、第2穿孔54bの開口面積Sbは[3.1mm2]であり、第3穿孔54cの開口面積Scは[63.5mm2]である(Sc>Sa>Sb)。また、基板50の厚み寸法Lは[2.0mm]に設定されている。そして、これらの第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cは、基板50とカバー部材47との間に設けられ、本発明における吸音部の一部を構成しており、「ヘルムホルツ共鳴器」の原理に則った「開口部(Opening area)」を形成している。
ここで、サンルーフモータ20の騒音、つまり減速機構40の騒音の発生状態について、所定の測定方法によって調べたところ、比較的騒音が大きい場所として、図9の破線で示した3つの星印の部分があることが判明した。このように、サンルーフモータ20においては、第1騒音発生部Na,第2騒音発生部Nb,第3騒音発生部Ncの3箇所が存在することが判明した。
そのため、これらの第1騒音発生部Na,第2騒音発生部Nb,第3騒音発生部Ncに合わせて、本発明の吸音部である穿孔と空気室とのセットを、複数セット(合計3セット)設けるように設計している。より具体的には、第1騒音発生部Naに対応させて第1穿孔54aと空気室aとのセットを設け、第2騒音発生部Nbに対応させて第2穿孔54bと空気室bとのセットを設け、第3騒音発生部Ncに対応させて第3穿孔54cと空気室cとのセットを設けている。
次に、「ヘルムホルツ共鳴器」の原理に則った吸音(消音)効果について説明する。なお、ヘルムホルツ共鳴の周波数f[Hz]は、下記式によって定義されている。すなわち、下記式に基づいて吸収したい騒音の周波数[Hz]となるように、下記式を定義する変数(穿孔の開口面積S,空気室の容積V,基板の厚み寸法L等)を決定すれば良い。
Figure 2017103867
本実施の形態のサンルーフモータ20においては、上記式に基づいて、第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cの開口面積Sa,Sb,Scを決定するとともに、空気室a,b,cの容積Va,Vb,Vcを決定し、かつ基板の厚み寸法L等を決定している。これにより、サンルーフモータ20(減速機構40)が発生する吸収したい騒音(メカノイズ)が、カバー部材47を介して車室内側に漏れないようにすることができる。
具体的には、空気室a,b,cの内部にある空気を、空気ばねとして作用させて吸収したい騒音の周波数[Hz]で共振させ、さらに、第1穿孔54a,第2穿孔54b,第3穿孔54cの内壁での壁面粘性抵抗(摩擦)による損失で、騒音のエネルギを減衰させることができる。その効果として、図10に示すような結果が得られた。図10に示すグラフは、吸音効果が高い周波数[Hz]の部分が減音量[dB]が大きく、当該部分が上方に突出されたグラフとなっている。
図10に示すように、第1騒音発生部Naに対応する周波数fa[約1,600Hz]の部分において、第1穿孔54aと空気室aとのセットよりなる吸音部が効果的に消音していることが判る。当該部分においては、静粛性が約4dB向上している。
また、第2騒音発生部Nbに対応する周波数fb[約1,900Hz]の部分において、第2穿孔54bと空気室bとのセットよりなる吸音部が効果的に消音していることが判る。当該部分においては、静粛性が約6dB向上している。
さらに、第3騒音発生部Ncに対応する周波数fc[約2,200Hz]の部分において、第3穿孔54cと空気室cとのセットよりなる吸音部が効果的に消音していることが判る。当該部分においては、静粛性が約7dB向上している。
このように、「ヘルムホルツ共鳴器」の原理に則って、第1騒音発生部Naに対応させて第1穿孔54aおよび空気室aよりなる吸音部を設け、第2騒音発生部Nbに対応させて第2穿孔54bおよび空気室bよりなる吸音部を設け、第3騒音発生部Ncに対応させて第3穿孔54cおよび空気室cよりなる吸音部を設けることで、サンルーフモータ20が発生する耳障りな(聴き取り易い)メカノイズ(1,000Hz〜3,000Hz)が、カバー部材47を介して車室内側に漏れるのを抑制できることが判った。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、ギヤケース31の開口部を閉塞するカバー部材47と、減速機構40とカバー部材47との間に設けられる基板50と、基板50とカバー部材47との間に設けられ、減速機構40(ギヤ噛合部GE)が発生する騒音を吸収して当該騒音の外部への漏洩を抑える吸音部(第1穿孔54aと空気室a,第2穿孔54bと空気室b,第3穿孔54cと空気室c)と、を備えるので、静粛性をより向上させることができる。したがって、ハイブリッド車両のサンルーフ装置等に、適用することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、吸音部は、基板50に設けられる3つの穿孔54a〜54cと、基板50とカバー部材47との間に設けられ、3つの穿孔54a〜54cのみを介して外部との連通が許容される3つの空気室a〜cと、を備えるので、「ヘルムホルツ共鳴器」の原理に則って、比較的簡単な構成で騒音を効果的に吸収することができる。よって、小型軽量化が望まれるサンルーフモータ20に適用して有効である。
さらに、本実施の形態によれば、3つの穿孔54a〜54cおよび3つの空気室a〜cを、減速機構40のギヤ噛合部GEの近傍に設けたので、より効果的に騒音を吸収(消音)することができる。
また、本実施の形態によれば、吸音部を、3つの穿孔54a〜54cおよび3つの空気室a〜cの組み合わせからなる3セット設けたので、吸収(消音)したい周波数の騒音、つまり本実施の形態では第1騒音発生部Na,第2騒音発生部Nb,第3騒音発生部Ncに対応した周波数の騒音を、それぞれ個別に効果的に吸収(消音)することができる。よって、より静粛性に優れたサンルーフモータ20を実現することが可能となる。
さらに、本実施の形態によれば、サンルーフモータ20のカバー部材47側が、車両12の車室内側に向けられるので、サンルーフモータ20(減速機構40)が発生する騒音を、より車室内に漏れ難くすることができる。よって、より静粛性が要求される電気自動車等のサンルーフ装置の駆動源として、搭載できるようになる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、吸音部を、3つの穿孔54a〜54cおよび3つの空気室a〜cの組み合わせからなる3セット設けたが、本発明はこれに限らず、サンルーフモータの仕様(騒音の具合)に応じて、2セット以下設けても良いし、4セット以上設けても良い。
また、上記実施の形態においては、吸音部として、1つの空気室に1つの穿孔のみを設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、1つの空気室に2つ以上の穿孔を設けるようにしても良い。この場合、基板50に必要とされる剛性を極端に低下させないようにする。
さらに、上記実施の形態においては、本発明を、車両12のサンルーフ装置10に用いられるサンルーフモータ20に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、車両に搭載されるスライドドア装置やパワーウインド装置等に用いられる減速機構付モータ(車載用モータ)にも適用することができる。
10 サンルーフ装置
11 ルーフパネル
12 車両
13 ルーフ
14 開口部
15a,15b シュー
16 ガイドレール
17a,17b 駆動ケーブル
20 サンルーフモータ(減速機構付モータ,車載用モータ)
21 モータ部
22 ヨーク
22a 円弧部
22b 平板部
22c 底部
23 アーマチュア
24 アーマチュア軸(回転軸)
25 アーマチュアコア
26 アーマチュアコイル
27 コンミテータ
28 ブラシホルダ
30 ギヤ部
31 ギヤケース
31a ギヤ収容部
31b ケーブルガイド
31c 係合凸部
40 減速機構
41 ウォーム
42 ウォームホイール
43 出力軸
43a 工具孔
44 ギヤカバー
45 駆動ギヤ
46 ガイドプレート
46a ガイド壁
47 カバー部材
47a 底部
47b 側壁部
47c 基板収容部
47d 装着凹部
47e 係合爪
47f 基板固定凸部
47g 貫通孔
48 囲い壁
48a 一側部
48b 他側部
50 基板
51 固定穴
52 出力軸挿通孔
53 位置決め凹部挿通孔
54a 第1穿孔(穿孔,吸音部)
54b 第2穿孔(穿孔,吸音部)
54c 第3穿孔(穿孔,吸音部)
R 部屋
a,b,c 空気室(吸音部)
B1,B2 ボルト
N1,N2 ナット
CN コネクタ接続部
T 位置決め突起
D 位置決め凹部
GE ギヤ噛合部
Na 第1騒音発生部
Nb 第2騒音発生部
Nc 第3騒音発生部
FG フロントガラス

Claims (5)

  1. 回転軸を有するモータ部と、
    前記回転軸の回転を減速する減速機構を有するギヤ部と、
    を備えた減速機構付モータであって、
    前記減速機構を収容するギヤケースと、
    前記ギヤケースの開口部を閉塞するカバー部材と、
    前記減速機構と前記カバー部材との間に設けられる基板と、
    前記ギヤケース内に設けられ、前記減速機構が発生する騒音を吸収して当該騒音の外部への漏洩を抑える吸音部と、
    を備える、減速機構付モータ。
  2. 請求項1記載の減速機構付モータにおいて、
    前記吸音部は、
    前記基板に設けられる穿孔と、
    前記基板と前記カバー部材との間に設けられ、前記穿孔のみを介して外部との連通が許容される空気室と、
    を備える、減速機構付モータ。
  3. 請求項2記載の減速機構付モータにおいて、
    前記穿孔および前記空気室が、前記減速機構のギヤ噛合部の近傍に設けられる、減速機構付モータ。
  4. 請求項2または3記載の減速機構付モータにおいて、
    前記穿孔および前記空気室からなるセットが複数セット設けられる、減速機構付モータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の減速機構付モータにおいて、
    前記減速機構付モータが車載用モータであり、前記減速機構付モータの前記カバー部材側が車室内側に向けられる、減速機構付モータ。
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