以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は車両のルーフに搭載された電動サンシェード装置の概要を示す概略図を、図2は図1の電動サンシェード装置に用いられる減速機構付モータの斜視図を、図3は図2の減速機構付モータの平面図を、図4は図3のA矢視図を、図5は図3のB矢視図を、図6は図3のC−C線に沿う断面図を、図7は図3のD−D線に沿う断面図を、図8は減速機構付モータの駆動系のみを示す斜視図を、図9は第2フランジ部の取付ブラケットに対する係合状態を示す斜視図を、図10は第1ヘリカルギヤの装着手順(その1)を示す斜視図を、図11は第1ヘリカルギヤの装着手順(その2)を示す斜視図を、図12はギヤケースに設けられる逃げ部を示す斜視図をそれぞれ示している。
図1に示される電動サンシェード装置10は、車両のルーフ(天井)に設けられたガラスルーフ(図示せず)の車室内側に設けられ、車室内への太陽光の通過を和らげる日除けとして機能する。電動サンシェード装置10は、車両のルーフに固定される一対のガイドレール11と、ガイドレール11の長手方向に移動される開閉体としてのサンシェード12(図中網掛部分)と、ガイドレール11の前方側(図中右側)に配置された駆動機構13と、を備えている。
一対のガイドレール11は、互いに所定間隔となるよう平行に配置され、互いの対向面には摺動溝11a(片側のみ示す)がそれぞれ設けられている。これらの摺動溝11aには、サンシェード12の幅方向両側に設けられた摺動部材12a(片側のみ示す)が入り込んで摺動する。ここで、サンシェード12は布などによりシート状に形成され、ガイドレール11の後方側(図中左側)に移動されて「開状態」となり、ガイドレール11の前方側に移動されて「閉状態」となる。すなわち、図1に示される状態は、電動サンシェード装置10が「開状態」であることを示している。
駆動機構13は、一対のガイドレール11の間に配置された減速機構付モータ20と、一端部が減速機構付モータ20の出力軸70に設けられた第1,第2連結部72,73(図7参照)に連結され、他端部が摺動溝11a内に配置された一対の駆動軸14と、摺動溝11a内に設けられ、駆動軸14の回転により摺動部材12aを移動させる駆動チェーン15(片側のみ示す)と、を備えている。そして、車室内の操作スイッチ(図示せず)を操作して減速機構付モータ20を正逆回転させることで、駆動軸14が正逆回転される。これにより、駆動チェーン15が駆動されて摺動部材12a(サンシェード12)が前後方向に移動される。つまり、減速機構付モータ20の出力軸70は、サンシェード12を開閉駆動するようになっている。
図2および図3に示されるように、減速機構付モータ20は、モータ部30とギヤ部40とを備えている。
モータ部30は、鋼板をプレス加工等することで有底筒状に形成されたヨーク31を備えている。具体的には、ヨーク31は、図5に示されるように、ヨーク31の軸心を中心に湾曲された一対の円弧部31aと、これらの円弧部31aに連なる互いに平行とされた一対の平板部31bと、段状の底部31cと、を備えている。これにより、ヨーク31の軸方向と交差する方向に沿う断面形状は、略小判形状に形成されている。
また、ヨーク31の軸方向に沿う底部31c側とは反対側で、かつ一対の円弧部31aに対応した部分には、それぞれ径方向外側に膨出されたヨークフランジ31dが設けられている。そして、一対のヨークフランジ31dは、一対の固定ねじS1により、ギヤケース41のヨーク固定部42a(図2参照)に固定されている。すなわち、モータ部30およびギヤ部40は、一対の固定ねじS1により、互いに強固に連結されている。
ヨーク31の径方向内側には、図8に示されるような4つの永久磁石32が装着されている。これらの永久磁石32は、断面形状が略円弧形状に形成され、それぞれの永久磁石32の径方向内側には、所定の隙間を介してアーマチュア33が回転自在に収容されている。
アーマチュア33の回転中心には、アーマチュア軸(回転軸)34が設けられている。アーマチュア軸34の軸方向一側(図8中右側)は、ヨーク31の底部31cに装着される第1ラジアル軸受B1によって回転自在に支持されている。これによりアーマチュア33は、ヨーク31の径方向内側で回転自在となっている。なお、第1ラジアル軸受B1には、所謂「メタル軸受」と呼ばれるすべり軸受が採用されている。
アーマチュア軸34の周囲には、複数の鋼板を積層してなるアーマチュアコア35が固定されている。アーマチュアコア35には、図示しない複数のスロット(例えば10個)が設けられ、これらのスロットには、複数のコイル36(詳細図示せず)が所定の巻き方および巻き数で巻装されている。
また、アーマチュア軸34には、アーマチュアコア35に隣接するようにして、複数のセグメント37aを備えたコンミテータ37が固定されている。そして、複数のセグメント37aには、複数のコイル36のコイル端(図示せず)がそれぞれ電気的に接続されている。
さらに、コンミテータ37の周囲には、複数のブラシ(図示せず)が摺接するようになっている。そして、複数のブラシおよびコンミテータ37を介して、それぞれのコイル36に所定のタイミングで駆動電流が供給される。これにより、アーマチュア33に電磁力が発生して、アーマチュア33は所定の回転方向に所定の回転速度で回転される。
このように、本実施の形態におけるモータ部30では、ブラシ付きの電動モータを採用している。ただし、モータ部30としては、ブラシ付きの電動モータに替えて、ブラシレスの電動モータを採用することもできる。
図2ないし図7に示されるように、ギヤ部40は、プラスチック等の樹脂材料を射出成形することで、中空の略箱形状に形成されたギヤケース41を備えている。ギヤケース41は、天井壁部41aと、底壁部41bと、側壁部41cと、を備えている。そして、これらの天井壁部41a,底壁部41b,側壁部41cに囲まれるようにして、ギヤケース41には、ウォーム軸収容部42,中間軸収容部43,出力軸収容部44が設けられている。
ウォーム軸収容部42の内部には、ウォーム軸50(図8参照)が回転自在に収容され、その長手方向に沿うヨーク31側には、ヨーク固定部42aが設けられている。このヨーク固定部42aには、ヨーク31に設けられた一対のヨークフランジ31dが、一対の固定ねじS1によりそれぞれ強固に固定されている。つまり、ウォーム軸収容部42の開口部分(図示せず)は、ヨーク31によって閉塞されている。
中間軸収容部43は、ウォーム軸収容部42の長手方向に沿うヨーク31側とは反対側に配置され、その内部には、中間軸60(図8参照)が回転自在に収容されている。中間軸収容部43は、図6に示されるように、ウォーム軸50の延在方向と交差する方向、つまり減速機構付モータ20の長手方向と交差する短手方向に延在されている。そして、中間軸収容部43の長手方向一側(図6中右側)には第1開口部43aが形成され、当該第1開口部43aは、鋼材よりなる第1カバー部材43bによって閉塞されている。ここで、第1カバー部材43bは、略正方形形状に形成され、その四隅が4つの固定ねじS2(図2参照)により、ギヤケース41に強固に固定されている。
なお、中間軸60の軸方向には、出力軸70から比較的大きな反力が作用する。そのため、第1カバー部材43bを鋼製として、中間軸60の軸方向に対する固定強度を十分に確保している。これにより、中間軸60が軸方向に移動されるのを確実に防止して、ひいては減速機構付モータ20の作動音(メカノイズ)を小さくすることができる。電動サンシェード装置10は運転者や乗員の頭上に配置されるため、特に車室内が静かなハイブリッド車両や電気自動車等に採用する場合において、静粛性の向上は解決すべき重要な課題のうちの1つとなっている。
出力軸収容部44は、減速機構付モータ20の短手方向に沿う第1カバー部材43b側とは反対側に配置され、その内部には、出力軸70(図8参照)が回転自在に収容されている。出力軸収容部44は、図7に示されるように、アーマチュア軸34(ウォーム軸50)の延在方向に延在されている。そして、出力軸収容部44の長手方向一側(図7中右側)には第2開口部44aが形成され、当該第2開口部44aは、樹脂材料よりなる第2カバー部材44bによって閉塞されている。ここで、第2カバー部材44bは、略正方形形状に形成され、その四隅が4つの固定ねじS3(図2参照)により、ギヤケース41に強固に固定されている。
なお、出力軸70の軸方向両側には、第1,第2連結部72,73を介して駆動軸14(図1参照)がそれぞれ連結されているため、出力軸70には中間軸60のように軸方向に大きな反力が作用しない。そのため、第2カバー部材44bにおいては、第1カバー部材43bほどの剛性を必要としない。よって、減速機構付モータ20の軽量化を優先して、第2カバー部材44bは樹脂製とされる。
図2および図3に示されるように、ギヤケース41の短手方向(図中上下方向)に沿うウォーム軸収容部42側で、かつギヤケース41の長手方向(図中左右方向)に沿うウォーム軸収容部42のヨーク固定部42a側とは反対側には、第1マウント固定部45が一体に設けられている。第1マウント固定部45は、ギヤケース41の長手方向に沿うウォーム軸収容部42よりも、ヨーク固定部42a側とは反対側に突出されており、減速機構付モータ20の長手方向に沿うヨーク31側とは反対側の端部に配置されている。
第1マウント固定部45には、天然ゴム等の弾性材料よりなる第1マウント45aが装着されている。第1マウント45aは、略筒状に形成され、その中心部分には、減速機構付モータ20を車両のルーフに固定するための固定ボルト(図示せず)が挿通されるようになっている。
また、ギヤケース41の短手方向に沿う出力軸収容部44側で、かつギヤケース41の長手方向に沿う出力軸収容部44のヨーク固定部42a側には、第2マウント固定部46が一体に設けられている。第2マウント固定部46は、ギヤケース41の長手方向に沿う出力軸収容部44よりも、ヨーク固定部42a側に突出されており、減速機構付モータ20の長手方向に沿う略中央部に配置されている。そして、第2マウント固定部46には、第1マウント45aと同じ構造の第2マウント46aが装着されている。
このように、減速機構付モータ20は、第1マウント45aおよび第2マウント46aを介して車両のルーフに弾性支持されている。これにより、減速機構付モータ20の振動が車両に伝達され難くなっている。
以下、第1マウント45aおよび第2マウント46aのギヤケース41に対する位置関係について、図3および図7を用いてさらに詳細に説明する。
まず、図7に示されるように、第1マウント45aおよび第2マウント46aは、いずれも減速機構付モータ20の厚み方向(図7中上下方向)に沿う一側(下側)に配置され、アーマチュア軸34および出力軸70の軸方向と平行な平面SF上に配置されている。つまり、第1マウント45aおよび第2マウント46aは、互いに同一平面上に配置されている。
また、図3に示されるように、第1マウント45aおよび第2マウント46aは、アーマチュア軸34および出力軸70の軸方向と交差(直交)する方向に、それぞれずれて配置されている。すなわち、第1マウント45aおよび第2マウント46aは、減速機構付モータ20の短手方向(図3中上下方向)に互いに所定間隔を持って配置されている。
さらに、図3に示されるように、減速機構付モータ20を、アーマチュア軸34と出力軸70とが重なる方向と交差(直交)する方向から見たときに、第1マウント45aは、アーマチュア軸34の軸線上に配置されている。より具体的には、第1マウント45aは、アーマチュア軸34の延長線上に形成されるアーマチュア軸延長領域AR1(図中網掛け部分)上に配置されている。一方、第2マウント46aは、出力軸70の軸線上に配置されている。より具体的には、第2マウント46aは、出力軸70の延長線上に形成される出力軸延長領域AR2(図中網掛け部分)上に配置されている。
これにより、車両のルーフへの固定箇所が2箇所であるにも関わらず、第1マウント45aおよび第2マウント46aにより、減速機構付モータ20をバランス良く固定することができる。より具体的には、第1マウント45aおよび第2マウント46aは、アーマチュア軸34および出力軸70の軸線上にそれぞれ配置されているので、アーマチュア軸34および出力軸70が回転して、ギヤケース41(減速機構付モータ20)に当該ギヤケース41を捩ろうとする反力が作用しても、ギヤケース41のがたつきや歪みを効果的に抑えることができる。
図3および図7に示されるように、出力軸収容部44および第2カバー部材44bには、出力軸70の軸方向に突出された第1フランジ部44cおよび第2フランジ部44dがそれぞれ設けられている。これらの第1,第2フランジ部44c,44dは、環状に形成され、出力軸70と同軸上に配置されている。そして、第1,第2フランジ部44c,44dは、図9に示されるように、減速機構付モータ20を、車両のルーフの所定箇所に位置決めするために設けられている。具体的には、第1,第2フランジ部44c,44dは、車両のルーフ内に設けられた取付ブラケットBRの差し込み凹部DPに差し込まれるようになっている。
これにより、ルーフ内の狭小スペースに対する減速機構付モータ20の設置作業を容易に行うことができる。ここで、図9においては、第2フランジ部44d側のみが示されているが、第1フランジ部44c側にも、図9に示されるものと同様の取付ブラケットBRが設けられている。
ウォーム軸収容部42の内部には、ウォーム軸(回転軸)50が回転自在に収容されている。ウォーム軸50は、図8に示されるように、アーマチュア軸34と同軸上に配置され、連結部材51を介してアーマチュア軸34により回転されるようになっている。すなわち、アーマチュア軸34とウォーム軸50とは、連結部材51により一体回転可能に連結されている。
ウォーム軸50の長手方向基端側(図8中右側)には、連結部材51に近接して環状のセンサマグネットMGが設けられている。また、センサマグネットMGの近傍には、ホールセンサ(図示せず)が設けられ、これによりホールセンサは、センサマグネットMGの回転に伴い矩形波信号を出力する。そして、図示しないコントローラによりホールセンサからの矩形波信号が検出されて、これによりコントローラはウォーム軸50の回転状態を把握して、アーマチュア軸34の回転状態を制御するようになっている。
ウォーム軸50の長手方向に沿うセンサマグネットMG側とは反対側には、第1ウォーム52(詳細図示せず)が一体に設けられている。第1ウォーム52は、鋼材よりなるウォーム軸50に転造加工等により形成される。ここで、第1ウォーム52は、本発明におけるウォームを構成しており、アーマチュア軸34およびウォーム軸50により回転されるようになっている。
第1ウォーム52の軸方向両側には、第2ラジアル軸受B2および第3ラジアル軸受B3がそれぞれ設けられている。これらの第2,第3ラジアル軸受B2,B3は、ウォーム軸収容部42の内部に固定されており、これによりウォーム軸50は、ウォーム軸収容部42の内部でがたつくこと無くスムーズに回転可能とされる。なお、第2,第3ラジアル軸受B2,B3についても、第1ラジアル軸受B1と同様に、所謂「メタル軸受」と呼ばれるすべり軸受が採用されている。
図6および図8に示されるように、中間軸収容部43の内部には、鋼製の中間軸60が回転自在に収容されている。中間軸60は、本発明における従動軸を構成しており、ウォーム軸50の回転により回転されるようになっている。中間軸60は、ウォーム軸50と交差する方向に延在されている。中間軸60の軸方向一側(図6中右側)には、第1ボールベアリング61が固定されている。第1ボールベアリング61は、インナーレース61a,アウターレース61bおよびこれらの間に転動自在に設けられる複数の鋼球61cを備えている。
そして、インナーレース61aは、中間軸60の軸方向一側に圧入により固定され、かつワッシャWおよび第1スナップリングSR1により抜け止めされている。また、アウターレース61bは、図6に示されるように、ギヤケース41と第1カバー部材43bとの間に挟持されている。すなわち、第1ボールベアリング61は、ギヤケース41および第1カバー部材43bに支持されている。これにより、中間軸60は、中間軸収容部43の内部において、その軸方向への移動が規制された状態とされ、かつスムーズに回転可能とされる。
このように、中間軸60は、第1ボールベアリング61により軸方向への移動が規制された状態となるので、中間軸60の軸方向両側には、当該中間軸60を軸方向から支持するスラストベアリング等を設ける必要が無い。これにより、ギヤケース41の中間軸60の軸方向に沿う寸法(ギヤケース41の短手方向に沿う寸法)が大きくなることが抑えられる。言い換えれば、減速機構付モータ20は、部品点数の削減および小型化を両立している。
中間軸60の軸方向一側で、かつ第1ボールベアリング61の近傍には、樹脂製の第1ヘリカルギヤ62が設けられている。第1ヘリカルギヤ62は、本発明におけるギヤを構成しており、第1ヘリカルギヤ62には、第1ウォーム52が噛み合わされている。すなわち、第1ウォーム52および第1ヘリカルギヤ62は、ウォーム減速機よりなる第1減速機構SD1を構成している。具体的には、第1減速機構SD1は、アーマチュア軸34(ウォーム軸50)の回転を所定の回転速度にまで減速し、減速して高トルク化された回転力を中間軸60から出力するようになっている。
また、中間軸60の軸方向他側(図6中左側)には、第2ウォーム63(詳細図示せず)が一体に設けられている。第2ウォーム63は、鋼材よりなる中間軸60に転造加工等により形成される。
さらに、中間軸60の軸方向に沿う第1ヘリカルギヤ62と第2ウォーム63との間には、第4ラジアル軸受B4が装着されている。この第4ラジアル軸受B4についても、第1ラジアル軸受B1と同様に、所謂「メタル軸受」と呼ばれるすべり軸受が採用されている。そして、この第4ラジアル軸受B4は、図8に示されるように、減速機構付モータ20を、ウォーム軸50の第1ウォーム52と、出力軸70の第2ヘリカルギヤ71とが重ならない方向から見たときに、中間軸60の軸方向に沿う第1ウォーム52と第2ヘリカルギヤ71との間に設けられている。より具体的には、第4ラジアル軸受B4は、図6に示されるように、第1ウォーム52と第2ヘリカルギヤ71との間の隙間領域AR3に配置されている。
図7および図8に示されるように、出力軸収容部44の内部には、出力軸70が回転自在に収容されている。出力軸70は、中間軸60と同様に鋼材よりなり、中間軸60と交差する方向に延在されている。出力軸70の軸方向中央部には、第2ヘリカルギヤ71が一体に設けられ、よって第2ヘリカルギヤ71は鋼製とされる。第2ヘリカルギヤ71には、第2ウォーム63が噛み合わされており、これにより、出力軸70は中間軸60により回転される。そして、第2ウォーム63および第2ヘリカルギヤ71は、ウォーム減速機よりなる第2減速機構SD2を構成している。具体的には、第2減速機構SD2は、中間軸60の回転を所定の回転速度にまで減速し、減速して高トルク化された回転力を出力軸70から出力するようになっている。
このように、減速機構付モータ20においては、二段のウォーム減速機(第1減速機構SD1および第2減速機構SD2)のみを備えている。
出力軸70は、アーマチュア軸34およびウォーム軸50に対して平行となっており、その軸方向両側には、第1連結部72および第2連結部73が設けられている。具体的には、第1連結部72は、出力軸70の軸方向に沿うヨーク31側に設けられ、第2連結部73は、出力軸70の軸方向に沿うヨーク31側とは反対側(第1マウント45a側)に設けられている。
そして、これらの第1,第2連結部72,73には、図9に示されるように、一対の駆動軸14が動力伝達可能にそれぞれ連結される。このように、出力軸70の軸方向両側に駆動軸14がそれぞれ連結されるので、出力軸70には、当該出力軸70を軸方向に移動させようとする反力が掛からない。
出力軸70の軸方向一側(図7中右側)には、第2ボールベアリング74が固定されている。第2ボールベアリング74は、インナーレース74a,アウターレース74bおよびこれらの間に転動自在に設けられる複数の鋼球74cを備えている。
そして、インナーレース74aは、出力軸70の軸方向一側に圧入により固定され、かつ第2スナップリングSR2により抜け止めされている。また、アウターレース74bは、図7に示されるように、ギヤケース41と第2カバー部材44bとの間に挟持されている。すなわち、第2ボールベアリング74は、ギヤケース41および第2カバー部材44bに支持されている。これにより、出力軸70は、出力軸収容部44の内部において、その軸方向への移動が規制された状態とされ、かつスムーズに回転可能とされる。
さらに、出力軸70の軸方向他側(図7中左側)には、第5ラジアル軸受B5が装着されている。この第5ラジアル軸受B5についても、第1ラジアル軸受B1と同様に、所謂「メタル軸受」と呼ばれるすべり軸受が採用されている。第5ラジアル軸受B5の外周部分は、ギヤケース41の第1フランジ部44cの近傍に固定されている。
なお、図7の破線円に示されるように、アーマチュア軸34およびウォーム軸50の軸方向に対して、出力軸70の軸方向を所定角度(α°)ずらしたバリエーションを、容易に得ることができる。具体的には、出力軸70を、中間軸60を中心に所定角度傾斜させ、形状が変更されたギヤケース41のみを準備し、他の部品を共通のままで、減速機構付モータ20のバリエーションを増やせる。この場合、出力軸70の長さ寸法と、中間軸60の長さ寸法とは、図8に示されるように略同じ長さ寸法とされるので、出力軸70を傾斜させることにより、減速機構付モータ20の体格が大きく変化するようなことは無い。よって、狭小スペースへの搭載性が良好に保持される。
ここで、樹脂製の第1ヘリカルギヤ62を、鋼製の中間軸60に強固に固定する必要がある。そこで、本実施の形態に係る減速機構付モータ20では、図10および図11に示されるように、第1ヘリカルギヤ62と中間軸60との間にギヤ固定機構GFを設けて、両者の固定構造を工夫している。
中間軸60には、第1ヘリカルギヤ62が装着されるギヤ装着部64が設けられている。そして、ギヤ装着部64の軸方向両側には、それぞれ一対(複数)の第1,第2キー溝64a,64bが形成されている。一対の第1キー溝64aは、ギヤ装着部64の軸方向に沿う第2ウォーム63側(図中左側)にそれぞれ設けられ、かつギヤ装着部64の周方向に180°間隔(等間隔)となるように対向配置されている。一方、一対の第2キー溝64bは、ギヤ装着部64の軸方向に沿う第2ウォーム63側とは反対側(図中右側)にそれぞれ設けられ、かつギヤ装着部64の周方向に180°間隔(等間隔)となるように対向配置されている。
ここで、一対の第1キー溝64aおよび一対の第2キー溝64bは、本発明におけるキー溝を構成している。また、一対の第1キー溝64aと一対の第2キー溝64bとは、中間軸60の軸方向に真っ直ぐに並べられている。さらに、図10および図11においては、一方の第1,第2キー溝64a,64bのみが示されている。
一対の第1キー溝64aには、一対の第1キー65a(図10参照)が差し込まれるようになっており、一対の第2キー溝64bには、一対の第2キー65b(図11参照)が差し込まれるようになっている。これらの第1,第2キー65a,65bは、それぞれ鋼製とされ、かつ略直方体形状に形成されている。そして、第1,第2キー65a,65bを第1,第2キー溝64a,64bに差し込んだ状態のもとで、第1,第2キー65a,65bの一部がギヤ装着部64の径方向外側に突出されるようになっている。すなわち、第1,第2キー溝64a,64bの深さ寸法よりも、第1,第2キー65a,65bの高さ寸法の方が大きくなっている。ここで、第1,第2キー65a,65bは、それぞれ本発明における突起部材およびキーを構成している。
一対の第1キー65aおよび一対の第2キー65bには、鋼製の環状プレート(プレート部材)66がそれぞれ装着されるようになっている。具体的には、環状プレート66は、本体部66aと、本体部66aの径方向内側に設けられた一対(複数)の係合凹部(突起係合部)66bと、本体部66aの径方向外側に設けられた4つ(複数)の係合凸部(ギヤ係合部)66cと、を備えている。
そして、一対の係合凹部66bに、一対の第1,第2キー65a,65bがそれぞれ入り込んで係合するようになっている。つまり、一対の係合凹部66bにおいても、環状プレート66の周方向に180°間隔(等間隔)となるように対向配置されている。これにより、環状プレート66は、中間軸60に対して、相対回転不能に強固に固定される。
なお、第1キー溝64aおよび第1キー65aと、第2キー溝64bおよび第2キー65bと、環状プレート66の係合凹部66bとを2つずつ設けるに限らず、中間軸60および環状プレート66の剛性を十分に確保できるのであれば、それぞれを3つ以上ずつ設けるようにしても良い。
さらに、第1ヘリカルギヤ62の軸方向両側の端部には、環状プレート66を収容するプレート収容部62aがそれぞれ設けられており、このプレート収容部62aは、第1ヘリカルギヤ62の軸方向に窪んで設けられている。これらのプレート収容部62aに環状プレート66がそれぞれ収容されることで、第1ヘリカルギヤ62は、一対の環状プレート66と一体回転するようになっている。なお、図10および図11においては、一方側(図中左側)のプレート収容部62aのみが示されている。
より具体的には、第1ヘリカルギヤ62の軸方向両側に設けられるプレート収容部62aの径方向外側には、4つ(複数)の収容凹部62bが設けられている。これらの収容凹部62bは、本発明における窪み部を構成しており、第1ヘリカルギヤ62の周方向に90°間隔(等間隔)で配置されている。そして、これらの収容凹部62bの内部には、環状プレート66に設けられ、径方向外側に突出された4つの係合凸部66cが、それぞれ入り込むようになっている。よって、係合凸部66cにおいても、環状プレート66の周方向に90°間隔(等間隔)で配置されている。これにより、環状プレート66は、第1ヘリカルギヤ62の軸方向端部に、互いに相対回転不能に係合される。
このように、第1ヘリカルギヤ62の軸方向両側に、第1,第2キー65a,65bおよび環状プレート66からなるギヤ固定機構GFが設けられている。これにより、一対の環状プレート66の4つの係合凸部66c(合計8つの係合凸部66c)から、中間軸60の回転力が第1ヘリカルギヤ62に伝達される。このように、中間軸60の回転力を、合計8つの係合凸部66cから分散させた状態で第1ヘリカルギヤ62に伝達することができるので、樹脂製の第1ヘリカルギヤ62の一部(1箇所)に応力が集中して損傷されること等を確実に防止することができる。したがって、樹脂製の第1ヘリカルギヤ62であっても、より大きな回転力を伝達可能としている。
なお、中間軸60に対する第1ヘリカルギヤ62の組み立て手順について説明すると、まず、図10の矢印(1)に示されるように、一対の第1キー65aを一対の第1キー溝64aにそれぞれ装着する。次いで、矢印(2)に示されるように、一方の環状プレート66を、第1ヘリカルギヤ62の軸方向一側(第2ウォーム63側)のプレート収容部62aに装着する。このとき、4つの係合凸部66cを、4つの収容凹部62bにそれぞれ収容させるようにする。
その後、矢印(3)に示されるように、一方の環状プレート66が装着された第1ヘリカルギヤ62を、ギヤ装着部64に装着する。このとき、一対の係合凹部66bに、一対の第1キー65aが入り込むようにする。
次いで、図11の矢印(4)に示されるように、一対の第2キー65bを一対の第2キー溝64bにそれぞれ装着する。その後、矢印(5)に示されるように、他方の環状プレート66を、ギヤ装着部64に装着する。このとき、一対の係合凹部66bに、一対の第2キー65bが入り込むようにする。また、第1ヘリカルギヤ62の軸方向他側(第2ウォーム63側とは反対側)のプレート収容部62a(図示せず)に、他方の環状プレート66が収容されるようにする。このとき、4つの係合凸部66cを、4つの収容凹部62bにそれぞれ収容させるようにする。
次いで、矢印(6)に示されるように、第3スナップリングSR3を中間軸60に装着する。具体的には、ギヤ装着部64の軸方向に沿う第2ウォーム63側とは反対側に設けられた環状溝67に、第3スナップリングSR3を嵌めるようにする。これにより、第3スナップリングSR3により第1ヘリカルギヤ62の抜け止めがなされて、第1ヘリカルギヤ62の中間軸60(ギヤ装着部64)への組み付け(固定)が完了する。
ここで、本実施の形態に係る減速機構付モータ20では、上述したように小型化が図られているため、さらに、以下に示すような工夫をしている。
具体的には、図5および図12に示されるように、ヨーク31のヨークフランジ31dを、ギヤケース41のヨーク固定部42aに対して、容易に位置決めできるようにした点、および出力軸70の第1連結部72の近傍に、駆動軸14(図1および図9参照)を容易に連結できるようにスペースSPを確保した点を工夫している。
図5および図12に示されるように、ヨーク固定部42aのヨークフランジ31dが突き当てられる突き当て面には、合計3つの第1,第2,第3位置決め突起42b,42c,42dが設けられている。これらの第1,第2,第3位置決め突起42b,42c,42dは、ヨーク31側に突出されており、突出方向と交差する方向に沿う断面形状は略四角形とされる。
第1,第2,第3位置決め突起42b,42c,42dのうちの第1位置決め突起42bは、ヨーク31の一対の円弧部31aのうちの一方の円弧部31a(第1カバー部材43b側)に対応して設けられ、円弧部31aの頂部Tに対応する箇所に配置されている。これに対し、その他の第2,第3位置決め突起42c,42dは、ヨーク31の一対の円弧部31aのうちの他方の円弧部31a(出力軸70側)に対応して設けられ、円弧部31aの頂部Tから一対の平板部31b側にずれた箇所にそれぞれ配置されている。
そして、これらの第1,第2,第3位置決め突起42b,42c,42dは、一対のヨークフランジ31dにそれぞれ設けられた第1,第2,第3位置決め凹部31e,31f,31gに、それぞれ入り込んでいる。これにより、ヨーク31をギヤケース41に対して正規の位置に位置決めすることができ、モータ部30とギヤ部40との組み付け作業性(連結作業性)を向上させることができる。
ここで、ヨーク31とギヤケース41とを固定する一対の固定ねじS1は、第1,第2,第3位置決め凹部31e,31f,31gを避けた位置に配置されている。これにより、第1,第2,第3位置決め突起42b,42c,42dおよび第1,第2,第3位置決め凹部31e,31f,31gからなる「位置決め機構」を、比較的大きくすることができる。よって、組み付け作業性(連結作業性)を向上させつつ、位置決め時(仮固定時)の固定強度を向上させることができる。
また、第2位置決め突起42cと第3位置決め突起42dとの間には、凹溝42eが形成されている。この凹溝42eは、ギヤケース41に設けられ、アーマチュア33に向けて窪んでいる。また、凹溝42eは、第1連結部72の近傍(略真横)に配置されている。これにより、ギヤケース41の周囲の特に込み入った第1連結部72の周囲の部分に、所定のスペースSPを設けることができる。これにより、第1連結部72に対する駆動軸14の連結作業を、容易に行えるようになる。
言い換えれば、第2,第3位置決め突起42c,42dを、それぞれ円弧部31aの頂部Tから一対の平板部31b側(図5中上下)にずらして配置することで、円弧部31aの頂部Tに対応したギヤケース41の部分を薄肉にすることができる。したがって、ギヤケース41に出力軸70の第1連結部72をより近接配置することができる。よって、減速機構付モータ20のさらなる小型化と、駆動軸14の連結作業性の向上と、を両立させることができる。また、減速機構付モータ20の搭載スペースを狭めることが可能になるため、その狭めたスペースを開閉体の開口量にあてることができる。よって、開閉体の開口量を稼ぐことが可能になる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、樹脂製の第1ヘリカルギヤ62と、鋼製の中間軸60と、第1ヘリカルギヤ62と中間軸60との間のギヤ固定機構GFと、を有し、ギヤ固定機構GFは、中間軸60に設けられ、中間軸60の径方向外側に突出された第1,第2キー65a,65bと、第1,第2キー65a,65bが係合される一対の係合凹部66bが径方向内側に設けられ、第1ヘリカルギヤ62の軸方向端部が係合される4つの係合凸部66cが径方向外側に設けられる鋼製の環状プレート66と、を備えている。
これにより、鋼製の環状プレート66に樹脂製の第1ヘリカルギヤ62を固定することができる。ギヤの径方向内側とキーとを直接係合させた従前のものに比して、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との係合部分(係合凸部66cおよび収容凹部62b)を径方向外側に配置できるので、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との係合部分の剛性を高めることができる。すなわち、第1ヘリカルギヤ62の径方向内側に局所的に応力が集中するのを防止して、第1ヘリカルギヤ62の変形が抑えられる。よって、減速機構付モータ20のさらなる小型軽量化を実現でき、かつコスト上昇を抑えつつ静粛性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、中間軸60の径方向外側に、それぞれ一対の第1,第2キー溝64a,64bが設けられ、第1,第2キー溝64a,64bに第1,第2キー65a,65bが装着され、第1,第2キー65a,65bを環状プレート66の一対の係合凹部66bに係合させている。
これにより、コスト面で有利な「キー溝およびキー」による固定方法を採用でき、ひいては減速機構付モータ20のコスト上昇を抑えることができる。
さらに、本実施の形態によれば、第1,第2キー溝64a,64bを中間軸60の周方向に180°間隔(等間隔)で2つ設け、係合凹部66bを環状プレート66の周方向に180°間隔(等間隔)で2つ設けたので、中間軸60と環状プレート66との間で伝達される回転力を分散させることができる。
これにより、中間軸60に対する環状プレート66のがたつきを長期に亘り抑えることができ、減速機構付モータ20の静粛性をより向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、環状プレート66に、その径方向外側に突出するように係合凸部66cが設けられ、第1ヘリカルギヤ62の軸方向端部に、係合凸部66cが入り込む収容凹部62bが設けられている。
これにより、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との係合部分を、これらの径方向外側に配置することができ、係合凸部66cと収容凹部62bとの係合部分の剛性をより高めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、係合凸部66cが、環状プレート66の周方向に90°間隔(等間隔)で4つ設けられ、収容凹部62bが、第1ヘリカルギヤ62の周方向に90°間隔(等間隔)で4つ設けられている。
これにより、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との係合部分の剛性が高められた状態で、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との間で伝達される回転力を4箇所に分散させることができる。よって、第1ヘリカルギヤ62が変形されるのをより抑えることができ、減速機構付モータ20の静粛性をより長期に亘り保持することができる。
また、本実施の形態によれば、ギヤ固定機構GFが、第1ヘリカルギヤ62の軸方向両側に設けられるので、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との間で伝達される回転力を合計8箇所に分散させることができる。よって、第1ヘリカルギヤ62が変形されるのをさらに抑えることができ、減速機構付モータ20の静粛性をさらに長期に亘り維持することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。上記実施の形態では、中間軸60に、一対の第1キー溝64aおよび一対の第2キー溝64bをそれぞれ設け、第1,第2キー溝64a,64bに第1,第2キー65a,65bをそれぞれ装着したものを示したが、本発明はこれに限らない。例えば、ギヤ装着部64(図10参照)の軸方向両側に、中間軸60の軸方向と直交する方向に貫通し、かつキー溝として機能する貫通孔を設け、これらの貫通孔に棒状のキーをそれぞれ差し込むようにしても良い。この場合、減速機構付モータ20の組み立て工程を、より簡素化することが可能となる。
また、上記実施の形態では、環状プレート66の係合凸部66cを90°間隔で4つ設け、第1ヘリカルギヤ62の収容凹部62bを90°間隔で4つ設けたものを示したが、本発明はこれに限らず、2つずつ,3つずつ,さらには5つ以上ずつ設けるようにしても構わない。ただし、環状プレート66と第1ヘリカルギヤ62との係合部分の剛性を、十分に確保できるようにする。また、係合凸部66cおよび収容凹部62bは、環状プレート66および第1ヘリカルギヤ62の周方向に等間隔で配置するようにする。
さらに、上記実施の形態では、出力軸70の軸方向中央部に、第2ヘリカルギヤ71を一体に設け、第2ヘリカルギヤ71を鋼製としたものを示したが、本発明はこれに限らず、第2ヘリカルギヤ71においても、第1ヘリカルギヤ62と同様に樹脂製とし、第1ヘリカルギヤ62と同様のギヤ固定機構GFを採用しても良い。この場合、減速機構付モータ20をより軽量化することができる。
また、上記実施の形態では、車両のルーフに設けられる開閉体としてのサンシェード12(図1参照)を、出力軸70の回転により開閉駆動させるものを示したが、本発明はこれに限らず、サンルーフを開閉体として、当該サンルーフを出力軸70の回転により開閉駆動させるようにしても良い。
さらに、上記実施の形態では、本発明を、車両のルーフに搭載される電動サンシェード装置10の駆動源に適用したものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、車両のドアに搭載されるスライドドア装置やパワーウインド装置等の駆動源にも適用することができる。
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。