JP2017103359A - コイル部品及び電源回路ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱性の向上が図られたコイル部品及び電源回路ユニットを提供する。
【解決手段】コイル部品10においては、コイル12の下面側に設けられた無機層17aが、コイル12の上面を覆うとともに線間を充たす樹脂層17b、17c、17d、17eよりも高い熱伝導率を有するため、無機層17aにより、コイル12の内側から外側への伝熱が補助されている。すなわち、無機層17aによりコイル12の伝熱が促進され、コイル部品10の放熱性の向上が図られている。
【選択図】図10
【解決手段】コイル部品10においては、コイル12の下面側に設けられた無機層17aが、コイル12の上面を覆うとともに線間を充たす樹脂層17b、17c、17d、17eよりも高い熱伝導率を有するため、無機層17aにより、コイル12の内側から外側への伝熱が補助されている。すなわち、無機層17aによりコイル12の伝熱が促進され、コイル部品10の放熱性の向上が図られている。
【選択図】図10
Description
本発明は、コイル部品及び電源回路ユニットに関する。
従来のコイル部品として、例えば特許文献1には、平面コイルを備えるコイル部品が開示されている。特許文献1に示された平面コイルは、その周囲が絶縁性の樹脂(ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂)で完全に覆われている。
上述したコイル部品は、例えば電源回路ユニットに利用することができる。特に、大電流が流れる電源回路ユニットでは、過熱が、その機能の低下や毀損をもたらすことがある。そのような過熱を抑制するために、ユニットを構成する各部品にも高い放熱性が求められる。
そこで、本発明は、放熱性の向上が図られたコイル部品及び電源回路ユニットを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るコイル部品は、平面コイルと、平面コイルの一方面側に設けられ、平面コイルと直接接している無機層と、平面コイルの他方面を覆うとともに線間を充たす樹脂層とを備える。
上記コイル部品においては、平面コイルの一方面側に無機層が設けられている。この無機層は、平面コイルの他方面を覆うとともに線間を充たす樹脂層よりも高い熱伝導率を有するため、無機層により、平面コイルの高温側から低温側への伝熱が補助(サポート)される。すなわち、無機層により平面コイルの伝熱が促進され、コイル部品の放熱性の向上が図られる。
無機層の形状は、平面コイルの形成領域と同一の形状であってもよく、平面コイルの形成領域および内径領域を含む領域と同一の形状であってもよい。ここで「同一の形状」とは、一般の薄膜形成技術や薄膜加工技術において認められる程度の形状誤差は含むものである。
本発明の他の側面に係るコイル部品は、上述した平面コイル、無機層および樹脂層を磁性樹脂層で覆って構成され、搭載面を有する素体と、素体の搭載面に設けられた一対の端子電極と、平面コイルの各端部から一対の端子電極まで延びる一対の引出導体とを備える。
上記コイル部品は、少なくとも一つのコンデンサ構造を内部または外部に備えていてもよい。
本発明の一側面に係る電源回路ユニットは、上記のコイル部品を備えている。このような電源回路ユニットによれば、高い放熱性を有するコイル部品を備えた電源回路ユニットが得られる。上記電源回路ユニットが少なくとも一つのコンデンサを備えていてもよい。
本発明によれば、放熱性の向上が図られたコイル部品及び電源回路ユニットが提供される。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電源回路ユニット1の全体的な構成を説明する。本実施形態で説明する電源回路ユニットは、例えば、直流電圧の電圧変換(降圧)をおこなうスイッチング電源回路ユニット等である。図1及び図2に示されるように、電源回路ユニット1は、回路基板2と、電子部品3、4、5、6、10とを備えている。具体的には、回路基板2上に、電源IC3、ダイオード4、コンデンサ5、スイッチング素子6、及びコイル部品10が搭載された構成となっている。
図3〜図5を参照して、コイル部品10の構成について説明する。図3は、コイル部品10の斜視図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。図5は、コイル部品の分解斜視図である。なお、図5の分解斜視図では、コイル12の内径部分に充填される磁性樹脂層18の図示を省略している。
図3に示されるように、コイル部品10は、後述するコイル12が内部に設けられた素体7(磁性素体)を備えている。素体7は、直方体形状の外形を有している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体7は、主面7aを有しており、主面7aは長辺および短辺を有する矩形状をなしている。矩形状には、角部が丸められている矩形が含まれる。
素体7の主面7a上には、端子電極20A、20Bが設けられている。端子電極20Aは、主面7aにおける一方の短辺に沿っており、端子電極20Bは、主面7aにおける他方の短辺に沿っている。端子電極20A、20Bは、主面7aにおける長辺に沿った方向に互いに離間している。
素体7は、磁性基板11と、磁性樹脂層18および絶縁層30で構成されている。
磁性基板11は、例えばフェライト等の磁性材料で構成された略平板状の基板である(図5参照)。磁性基板11は、素体7の、主面7aとは反対側に位置している。
磁性樹脂層18は、磁性基板11上に形成されており、後述するコイル12(図4及び図5参照)を内部に備えている。磁性樹脂層18の磁性基板11側の面とは反対側に、絶縁層30が形成されている。磁性樹脂層18は、磁性粉とバインダ樹脂との混合物であり、磁性粉の構成材料は例えば鉄、カルボニル鉄、ケイ素、クロム、ニッケル、ホウ素等であり、バインダ樹脂の構成材料は例えばエポキシ樹脂である。磁性樹脂層18の全体の90%以上が、例えば磁性粉で構成されていてもよい。
素体7の主面7aに設けられた一対の端子電極20A、20Bはいずれも、膜状であり、平面視で略長方形形状を呈している。端子電極20A、20B各面積は、略同じである。端子電極20A、20Bは、例えばCu等の導電性材料によって構成されている。端子電極20A、20Bは、めっき形成により形成されためっき電極である。端子電極20A、20Bは、単層構造でも複数層構造でもよい。
絶縁層30は、磁性樹脂層18の磁性基板11側の面とは反対側の面の全領域を覆うように設けられている。絶縁層30は、後述する引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32a(孔)を有している。絶縁層30は、絶縁性材料により構成されており、例えばポリイミド、エポキシ等の絶縁性樹脂で構成されている。
図4及び図5に示されるように、コイル部品10の素体7は、内部に、(具体的には、磁性樹脂層18内)において、コイル12、被覆部17および引出導体19A、19Bを有する。
コイル12は、平面視において矩形状に巻回されている平面コイルである。コイル12は、例えばCu等の金属材料で構成されており、その軸心が主面7aに直交する方向に沿って延びている。コイル12は、二層のコイル導体層で構成されており、コイル導体層として下コイル部13及び上コイル部14を備えると共に連結部15、16を備える。下コイル部13と上コイル部14とは、主面7aに直交する方向(コイル12の軸心方向)に並んでおり、上コイル部14が下コイル部13よりも主面7a側に位置している。下コイル部13と上コイル部14とは、巻回方向が同じである。連結部15は、下コイル部13と上コイル部14との間に介在して、下コイル部13の最も内側の巻回部分と上コイル部14の最も内側の巻回部分とを連結している。連結部16は、下コイル部13から主面7a側に延び、下コイル部13と引出導体19Bとを連結している。
被覆部17は、無機層17aと、絶縁性樹脂層(樹脂層)17b、17c、17d、17eとによって構成されている。無機層17aは、無機材料で構成されており、例えば窒化シリコン(SiN)で構成されている。絶縁性樹脂層17b、17c、17d、17eは、絶縁性樹脂で構成されており、たとえばポリイミドで構成されている。被覆部17は、素体7内において、コイル12の下コイル部13及び上コイル部14を一体的に覆っている。被覆部17は、下コイル部13、上コイル部14、及び連結部15のそれぞれを個別に覆っている。被覆部17は、積層構造を有し、本実施形態では五層17a、17b、17c、17d、17eで構成されている(図5参照)。
無機層17aは、下コイル部13の下側(磁性基板11側)に位置し、平面視におけるコイル12の形成領域および内径領域に形成されている。具体的には、無機層17aの形状は、コイル12の形成領域および内径領域を含む領域と同一の形状である。絶縁性樹脂層17bは、下コイル部13の線間及び周囲及を埋めており、コイル12の内径に対応する領域は開いている。絶縁性樹脂層17cは、下コイル部13と上コイル部14との間に挟まれる位置にあり、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17dは、上コイル部14の線間及び周囲を埋めており、コイル12の内径に対応する領域が開いている。絶縁性樹脂層17eは、上コイル部14の上側(主面7a側)に位置し、コイル12の内径に対応する領域が開いている。
一対の引出導体19A、19Bは、例えばCuで構成されており、コイル12の両端部E1、E2それぞれから主面7aに直交する方向に沿って延びている。引出導体19Aは、上コイル部14の最外の巻回部分に設けられたコイル12の一方の端部E1に接続されている。引出導体19Aは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E1から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Aの露出した部分に対応する位置に端子電極20Aが設けられており、引出導体19Aを介して、コイル12の端部E1と端子電極20Aとが電気的に接続されている。引出導体19Bは、下コイル部13の最外の巻回部分に設けられたコイル12の他方の端部E2に接続されている。引出導体19Bは、磁性樹脂層18を貫通するようにしてコイル12の端部E2から素体7の主面7aまで延びて、主面7aに露出している。引出導体19Bの露出した部分に対応する位置に、端子電極20Bが設けられており、引出導体19Bを介して、コイル12の端部E2と端子電極20Bとが電気的に接続されている。
次に、図6〜図8を参照して、コイル部品10の製造方法について説明する。図6〜図8は、コイル部品10の製造工程を説明する図である。
まず、図6の(a)に示されるように、磁性基板11上に直接に窒化シリコンを成膜し、被覆部17の無機層17aを形成する。このとき、無機層17aを、コイル12の形成領域および内径領域を含む領域と同一の形状となるようにパターニングする。窒化シリコンの成膜には、公知の種々の技術を利用することができ、例えばスパッタリング法や化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法等を利用することができる。
続いて、図6の(b)に示されるように、無機層17aの上に、下コイル部13をめっき形成するためのシード部22を形成する。シード部22は、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により形成することができる。続いて、図6の(c)に示されるように、被覆部17の絶縁性樹脂層17bを形成する。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11の全面にポリイミドを塗布形成した後、シード部22に対応する部分を除去することで得ることができる。すなわち、絶縁性樹脂層17bは、シード部22を露出させるようにして、磁性基板11の全面を覆う。この絶縁性樹脂層17bは、磁性基板11上に立設された壁状の部分であり、下コイル部13形成される領域を画成する。続いて、図6の(d)に示されるように、絶縁性樹脂層17bの間においてシード部22を用いて、めっき層24を形成する。このとき、絶縁性樹脂層17bの間に画成された領域を充たすように成長するめっきが、下コイル部13となる。換言すると、絶縁性樹脂層17bが線間に介在する下コイル部13が得られる。下コイル部13は、その下面側において無機層17aと直接接する。
続いて、図7の(a)に示されるように、ポリイミドペーストを下コイル部13の上にパターン塗布して、被覆部17の絶縁性樹脂層17cを形成する。その際、絶縁性樹脂層17cに、連結部15、16を形成するための開口部15’、16’を形成する。続いて、図7の(b)に示されるように、絶縁性樹脂層17cの開口部15’、16’に、連結部15、16をめっき形成する。
続いて、図7の(c)に示されるように、上述した工程と同様にして、絶縁性樹脂層17cの上に、上コイル部14および被覆部17の絶縁性樹脂層17d、17eを形成する。具体的には、図6の(b)〜(d)に示す手順と同様に、上コイル部14をめっき形成するためのシード部を形成し、上コイル部14が形成される領域を画成するポリイミドからなる絶縁性樹脂層17dを形成し、絶縁性樹脂層17dの間において上コイル部14をめっき形成する。
そして、ポリイミドペーストを上コイル部14の上にパターン塗布することにより、被覆部17の絶縁性樹脂層17eを形成する。その際、絶縁性樹脂層17eに、引出導体19A、19Bを形成するための開口部19A’、19B’を形成する。以上のように、被覆部17は、複数の層17a〜17eを含む積層構造を有し、これらの層17a〜17eによって、下コイル部13及び上コイル部14が取り囲まれる。
続いて、図7の(d)に示されるように、めっき層24のうち、下コイル部13及び上コイル部14を構成していない部分(下コイル部13及び上コイル部14の内径部及び外周部に対応する部分)をエッチング処理によって除去する。換言すると、図7の(c)の被覆部17に覆われていないめっき層24除去する。続いて、図8の(a)に示されるように、絶縁性樹脂層17eの開口部19A’に対応する位置に引出導体19Aを形成すると共に、開口部19B’に対応する位置に引出導体19Bを形成する。具体的には、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、開口部19A’、19B’上に引出導体19A、19Bのためのシード部を形成し、当該シード部を用いて引出導体19A、19Bをめっき形成する。
続いて、図8の(b)に示されるように、磁性基板11の全面に磁性樹脂を塗布すると共に所定の硬化処理をおこない、磁性樹脂層18を形成する。それにより、被覆部17及び引出導体19A、19Bの周りが磁性樹脂層18で覆われる。このとき、コイル12の内径部分に磁性樹脂層18が充填される。続いて、図8の(c)に示されるように、引出導体19A、19Bが磁性樹脂層18から露出するように研磨する。
続いて、図8の(d)に示されるように、端子電極20A、20Bをめっき形成する前に、磁性樹脂層18の上面18a上に絶縁性樹脂ペースト等の絶縁性材料を塗布することにより、絶縁層30を形成する。絶縁層30を形成する際、磁性樹脂層18の上面18aの全体を覆うと共に、一対の引出導体19A、19Bに対応する位置に貫通孔31a、32aを形成し、絶縁層30から一対の引出導体19A、19Bを露出させる。具体的には、一旦、主面7aの全領域に絶縁性材料を塗布し、その後、引出導体19A、19Bに対応する箇所の絶縁層30を除去する。
上記工程により、素体7の主面7aから引出導体19A、19Bが露出する素体7が得られる。
最後に、素体7の主面7a上に、端子電極20A、20Bを形成することで、コイル部品10が完成する。端子電極20A、20Bを形成する際、まずは、所定のマスクを用いてめっきやスパッタリング等により、端子電極20A、20Bに対応する領域にシード部(図示せず)を形成する。シード部は、絶縁層30の貫通孔31a、32aから露出する引出導体19A、19B上にも形成される。次に、当該シード部を用いて、端子電極20A、20Bを、電解めっき又は無電解めっきにより形成する。このとき、めっきは、絶縁層30の貫通孔31a、32aを埋めるように成長して、引出導体19A、19Bの一部を構成する。
以上において説明したとおり、コイル部品10は、コイル12と、コイル12の下面(すなわち、磁性基板11側の面)に設けられ、コイル12と直接接している無機層17aと、コイル12の上面を覆うとともに線間を充たす絶縁性樹脂層17b、17c、17d、17eとを備えている。
ここで、窒化シリコンで構成された無機層17aは、ポリイミドで構成された絶縁性樹脂層17b、17c、17d、17eよりも高い熱伝導率を有する。図9の表には、コイル部品10を構成する各種材料の熱伝導率を示す。図9の表に示されるように、無機層17aを構成する窒化シリコンの熱伝導率(27W/m・℃)は、絶縁性樹脂層17b、17c、17d、17eを構成するポリイミドの熱伝導率(0.31W/m・℃)よりも顕著に高い。すなわち、絶縁性樹脂層17b、17c、17d、17eに比べて、無機層17aのほうが熱を伝えやすい。
ここで、コイル部品10に電圧が入力されると、コイル12を流れる電流に起因してコイル12が発熱して、コイル12およびその周辺が過熱される事態が生じ得る。特に、コイル12に大電流が流れる場合には、そのような過熱が生じやすい。このような場合、コイル部品10内の熱は、外部に向けてある程度放出される。
その際、図9の表に示されるように、銅は極めて高い熱伝導率(398W/m・℃)を有するため、コイル部品10内の熱は、主に、銅で構成されるコイル12に沿って外側に伝熱されると考えられる。特に、コイル部品10では、コイル12の周囲を覆う熱伝導率の低いポリイミドが、コイル12外への放熱を妨げるため、コイル12に沿う伝熱が優勢であると考えられる。しかしながら、コイル12は周回しており、コイル12に沿ってコイル部品10外側に至るまでの伝熱ルートが比較的長くなっているため、放熱の効率が低く、放熱速度も遅くなってしまう。
そこで、コイル部品10では、熱伝導率が比較的低い窒化シリコンで構成されるとともにコイル12の下面に直接接している無機層17aにより、コイル12の高温側(本実施形態ではコイル内側)から低温側(本実施形態ではコイル外側)への伝熱が補助されている。つまり、図10の矢印に示すように、無機層17aを介して、断面図において隣り合うコイル12の巻回部分に熱が伝わることで、伝熱ルートがショートカットされ、コイル12の周回形状に沿う伝熱ルートよりも短い伝熱ルートとなっている。その結果、コイル部品10においては、放熱効率および放熱速度が向上し、高い放熱性が実現される。
つまり、上記コイル部品10においては、コイル12の下面側に設けられた無機層17aが、コイル12の上面を覆うとともに線間を充たす樹脂層17b、17c、17d、17eよりも高い熱伝導率を有するため、無機層17aにより、コイル12の内側から外側への伝熱が補助されている。すなわち、無機層17aによりコイル12の伝熱が促進され、コイル部品10の放熱性の向上が図られている。
無機層17aの形態については、コイル12の形成領域および内径領域を含む領域と同一の形状を有する無機層17aに限られず、様々な形態とすることができる。
発明者らは、上記無機層の形態とコイル部品の放熱性との関係を、以下のようにしてシミュレーションにより確認した。
まず、図11に示すように、3種類の形態の無機層17aを設定した。図11の(a)に示す実施例1に係る無機層17aは磁性基板11の主面全域に形成されたもの、図11の(b)に示す実施例2に係る無機層17aはコイル12の形成領域および内径領域を含む領域に形成されたもの(すなわち、上述した実施形態における無機層に相当)、図11の(c)に示す実施例3に係る無機層17aはコイル12の形成領域のみに形成されたものである。各無機層17aは、形状のみが異なり、構成材料等の条件は同じとした。そして、各無機層17a(実施例1〜3)を含む3つのコイル部品10を設定し、また、比較のために、無機層17aの代わりにポリイミド層(比較例1)を含むコイル部品も設定した。そして、それぞれのコイル部品について、2Aの電流を流したときの最大温度を、シミュレーションにより求めた。シミュレーションには、ANSYS社のシミュレーションソフト(DesignSpace)を用いた。シミュレーションの結果は、図12のグラフに示すとおりとなった。図12のグラフにおいて、横軸は各実施例および比較例を示しており、縦軸は2Aの電流を流したときの最大温度(℃)を示している。
図12のグラフから明らかなように、実施例1〜3のいずれも、比較例1に比べて、低い最大温度となった。このことから、無機層17aが、コイル部品10の最大温度の低下に有効であり、かつ、放熱性の向上に有効であることが確認された。特に、実施例1では、他の実施例2、3よりも、最大温度が最も抑えられることがわかった。
コイル部品10の構成についても、上述した構成に限られず、様々な構成とすることができる。
たとえば、図13に示したコイル部品10Aのような構成であってもよい。コイル部品10Aは、磁性基板11と、上述した下コイル部13に相当するコイル(平面コイル)13と、コイル13を覆う被覆部17Aとを備えている。コイル13の各端部は、図示しない引出導体を介して端子電極20A、20Bに接続されている。また、コイル部品10Aの被覆部17Aは、上述した実施形態に係る無機層17a、絶縁性樹脂層17b、17cと同様の層で構成されている。
コイル部品10Aにおいては、上述したコイル部品10同様、コイル13の下面側に設けられた被覆部17Aの無機層17aが、コイル13の上面を覆うとともに線間を充たす被覆部17Aの他の層よりも高い熱伝導率を有するため、無機層17aにより、コイル13の内側から外側への伝熱が補助されている。すなわち、無機層17aによりコイル13の伝熱が促進され、コイル部品10Aの放熱性の向上が図られている。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他に適用してもよい。
例えば、コイル部品は、上述したコイル部品10、10Aの構成に限定されず、図14の(a)〜(c)に示した構成としてもよい。図14の(a)は、2つのコンデンサ5を外側に備えるコイル部品10を示しており、コイル部品10にコンデンサ5が搭載された構成を示している。また、図14の(b)は、2つのコンデンサ5を外側に備えるコイル部品10を示しており、コンデンサ5に跨がるようにコイル部品10が搭載された構成を示している。さらに、図14の(c)は、2つのコンデンサ5を内側に備えるコイル部品10を示している。
また、電源回路ユニットは、上述した電源回路ユニット1の構成に限定されず、図15の(a)〜(c)に示した構成としてもよい。図15の(a)は、回路基板2上に、コイル部品10が搭載され、さらにコイル部品10上に、2つのコンデンサ5が搭載された構成を有する電源回路ユニットの一部を示している。また、図15の(b)は、回路基板2上に、2つのコンデンサ5が搭載され、それら2つのコンデンサ5に跨がるようにコイル部品10が搭載された構成を有する電源回路ユニットの一部を示している。さらに、図15の(c)は、回路基板2上に、2つのコンデンサ5を内側に備えるコイル部品10が搭載された構成を有する電源回路ユニットの一部を示している。
また、無機層の構成材料は、無機材料であればSiNに限られず、アルミナ等であってもよい。コイルは、平面視において矩形状に巻回されているものに限らず、真円状や楕円状に巻回されているものであってもよい。また、コイルの巻数についても、適宜増減することができる。さらに、コイルを構成するコイル導体層の数は、二つに限られず、一つや三つ以上であってもよい。上述した実施形態の素体は、最上層に絶縁層を含んでいるが、該絶縁層は適宜省略してもよい。
1…電源回路ユニット、7…素体、10、10A…コイル部品、12…コイル、13…下コイル部、17、17A…被覆部、17a…無機層、17b、17c、17d、17e…絶縁性樹脂層、19A、19B…引出導体、20A、20B…端子電極、E1、E2…端部。
Claims (7)
- 平面コイルと、
前記平面コイルの一方面側に設けられ、前記平面コイルと直接接している無機層と、
前記平面コイルの他方面を覆うとともに線間を充たす樹脂層と
を備える、コイル部品。 - 前記無機層の形状が、前記平面コイルの形成領域と同一の形状である、請求項1に記載のコイル部品。
- 前記無機層の形状が、前記平面コイルの形成領域および内径領域を含む領域と同一の形状である、請求項1に記載のコイル部品。
- 前記平面コイル、前記無機層および前記樹脂層を磁性樹脂層で覆って構成され、搭載面を有する素体と、
前記素体の前記搭載面に設けられた一対の端子電極と、
前記平面コイルの各端部から前記一対の端子電極まで延びる一対の引出導体と
を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイル部品。 - 少なくとも一つのコンデンサ構造を内部または外部に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコイル部品。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のコイル部品を備える、電源回路ユニット。
- 少なくとも一つのコンデンサを備える、請求項6に記載の電源回路ユニット。
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