JP2017101307A - 銅含有粒子、導体形成組成物、導体の製造方法、導体及び電子部品 - Google Patents

銅含有粒子、導体形成組成物、導体の製造方法、導体及び電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】低温での融着性に優れる銅含有粒子、該銅含有粒子を含む導体形成組成物、低温で実施可能な導体の製造方法、低温で製造可能な導体、及び該導体を含む電子部品を提供する。【解決手段】銅を含有するコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物と、を備える銅含有粒子であって、銅含有粒子を10℃/minの昇温速度で加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度が254℃以下である、銅含有粒子。【選択図】なし

Description

本発明は、銅含有粒子、導体形成組成物、導体の製造方法、導体及び電子部品に関する。
金属パターンの形成方法として、銅等の金属粒子を含むインク、ペースト等の導電材料をインクジェット印刷、スクリーン印刷等により基材上に付与する工程と、導電材料を加熱して金属粒子を融着させ、導電性を発現させる導体化工程とを備える、いわゆるプリンテッドエレクトロニクス法が知られている。導電材料に含まれる金属粒子としては、金属の酸化を抑制して保存性を高めるために、表面に被覆材としての有機物を付着させたものが知られている。
特許文献1には、低温で融着でき良好な導電性を発現する、有機物で被覆された銅粒子及びその製造方法が記載されている。特許文献1に記載の銅粒子は、シュウ酸銅等の銅前駆体とヒドラジン等の還元性化合物とを混合して複合化合物を得る工程と、複合化合物をアルキルアミンの存在下で加熱する工程とを有する方法によって製造されるものである。特許文献1の実施例では、作製した銅粒子を含むインクをアルゴン雰囲気中、60℃/分で300℃まで昇温して30分保持することで導体化を達成している。特許文献2には、特許文献1に記載の方法において、銅前駆体として脂肪酸銅を用いる銅粒子の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、得られた銅粒子の薄膜が200℃の加熱で導体化したと記載されている。
特開2012−72418号公報 特開2014−148732号公報
近年、生産効率の向上、使用する基材の種類の多様化等を背景として、より低温(例えば、150℃以下)での金属粒子の融着を可能にする技術の開発、すなわち、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている温度よりも更に低い温度で融着できる金属粒子及びそれを用いた導体化方法の開発が求められている。
本発明は、上記課題に鑑み、低温での融着性に優れる銅含有粒子、該銅含有粒子を含む導体形成組成物、低温で実施可能な導体の製造方法、低温で製造可能な導体、及び該導体を含む電子部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
<1> 銅を含有するコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物と、を備える銅含有粒子であって、銅含有粒子を10℃/minの昇温速度で加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度が254℃以下である、銅含有粒子。
<2> 有機物がアルキルアミンである、<1>に記載の銅含有粒子。
<3> 有機物の沸点が50℃〜254℃である、<1>又は<2>に記載の銅含有粒子。
<4> <1>〜<3>のいずれかに記載の銅含有粒子と、分散媒と、を含む導体形成組成物。
<5> <4>に記載の導体形成組成物を加熱する工程を備える、導体の製造方法。
<6> 190℃以下の温度で加熱を実施する、<5>に記載の導体の製造方法。
<7> <1>〜<3>のいずれかに記載の銅含有粒子同士が融着してなる導体。
<8> <7>に記載の導体を含む電子部品。
本発明によれば、低温での融着性に優れる銅含有粒子、該銅含有粒子を含む導体形成組成物、低温で実施可能な導体の製造方法、低温で製造可能な導体、及び該導体を含む電子部品を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。また、本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。本明細書において「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
本明細書において「導体化」とは、金属含有粒子同士を融着させて導体に変化させることをいう。「導体」とは、導電性を有する物体をいい、より具体的には体積抵抗率が300μΩ・cm以下である物体をいう。
<銅含有粒子>
本実施形態の銅含有粒子は、銅を含有するコア粒子(以下「銅粒子」ともいう)と、該コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物とを備える。銅含有粒子を10℃/minの昇温速度で加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度は254℃以下となる。
本実施形態の銅含有粒子は、上記構成を備えることにより、低温での融着性に優れている。すなわち、本実施形態の銅含有粒子は、銅を含有するコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物の全部又は一部が、コア粒子を酸化から保護する役割を果たす。このため、大気中での長期保存後も低温での良好な融着性が維持される。なお、この有機物は、銅含有粒子同士を融着させるための加熱工程において蒸発あるいは熱分解して消失する。
まず、銅を含有するコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物について説明する。有機物は、その割合がコア粒子及び有機物の合計に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。有機物の割合が0.1質量%以上であると、充分な耐酸化性が得られる傾向にある。有機物の割合が20質量%以下であると、低温での融着性が良好となる傾向にある。コア粒子及び有機物の合計に対する有機物の割合は0.3質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜5質量%であることが更に好ましい。
10℃/minの昇温速度で銅含有粒子を加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度について説明する。銅を含有するコア粒子の表面に存在する有機物は、銅の酸化を抑制するが、焼結時には不純物として銅粒子の融着を阻害する。このため、低温で銅を融着させる際は、有機物が低温でコア粒子から脱離することが望ましい。10℃/minの昇温速度で銅含有粒子を加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度は、低温焼結性の観点から、254℃以下である。また、当該DTAピークトップ温度は、252℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。DTAピークトップ温度が低いほど、有機物がコア粒子から脱離しやすいと考えられる。なお、DTAのピークトップが複数存在する場合、最高温のピークトップ温度をDTAピークトップ温度と定義する。重量減少曲線としては、10℃/minの昇温速度で例えば室温(25℃)から515℃まで加熱した際の重量減少曲線を用いることができる。
有機物は、DTAピークトップ温度が上記の範囲となる有機物であれば特に制限されないが、好ましくは、アルキルアミン、脂肪酸である。脂肪酸としては、好ましくは酢酸、ノナン酸、オクタン酸などが挙げられるが、これらに限られない。
次に、アルキルアミンについて説明する。アミノ基は銅と強く相互作用するため、アルキルアミンで被覆された銅は良好な耐酸化性を示す。有機物中のアルキルアミンの割合は、銅含有粒子の耐酸化性の観点から、60mol%以上が好ましく、65mol%以上がより好ましく、70mol%以上が更に好ましい。
次に、有機物の沸点について説明する。銅含有粒子を分散媒に分散させた際、有機物は銅粒子表面と分散媒との間で平衡状態を保ちながら存在していると考えられる。このため、有機物の沸点が低いと、銅粒子表面から有機物が容易に脱離し、銅表面の酸化抑制効果が低減すると考えられる。また、有機物の沸点が高いと、加熱時に銅粒子表面に残存しやすく、不純物として銅粒子の融着を阻害しやすいと考えられる。したがって、保護剤として用いる有機物の沸点には適正範囲が存在する。有機物の沸点は、低温焼結性および耐酸化性の観点から、50℃〜254℃が好ましく、55℃〜252℃がより好ましく、60℃〜250℃が更に好ましい。
200〜300℃の範囲におけるDTAピークトップ温度は、沸点が200℃以下の有機物の種類によって変化することがわかっている。通常、沸点が200℃以下であればDTAのピークトップが変化することはないと考えられるが、銅粒子と保護剤成分(有機物)との相互作用、銅の触媒作用等の理由により、ピークトップに変化が現れると発明者らは考えている。したがって、有機物の沸点が高いほどピークトップ温度が高温側にシフトするわけではなく、相互作用の強さ及び銅の触媒反応によって新たに生成する化合物の脱離温度が、ピークトップ温度に影響すると発明者らは考えている。
銅粒子は酸化されやすいため、銅粒子同士が融着する温度までは保護剤によって酸化が抑制されることが好ましい。一方で、銅が融着するタイミングでは保護剤成分が速やかに脱離することが好ましい。したがって、保護剤の脱離温度には適性範囲が存在すると考えられる。低沸点の保護剤であっても銅粒子との相互作用によって適正温度で脱離することもあれば、高沸点の保護剤であっても銅触媒効果によって分解、あるいは脱離しやすい化合物に変質することにより適正温度で脱離することもあると考えられる。上記の理由により、安易に保護剤成分の揮発しやすさを指標とするだけでは、適正な保護剤を選択することは困難である。
コア粒子は、少なくとも銅(金属銅)を含有し、必要に応じてその他の物質を含んでもよい。銅以外の物質としては、金、銀、白金、錫、ニッケル等の金属又はこれらの金属元素を含む化合物、後述する脂肪酸銅、還元性化合物又はアルキルアミン等に由来する有機物、酸化銅、塩化銅などを挙げることができる。導電性に優れる導体を形成する観点から、コア粒子中の銅(金属銅)の含有率は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
銅含有粒子は、コア粒子の表面の少なくとも一部を有機物が被覆しているため、大気中で保存しても銅の酸化が抑制されており、酸化物の含有率が小さい。例えば、ある実施態様では、銅含有粒子中の酸化物の含有率は5質量%以下である。銅含有粒子中の酸化物の含有率は、例えばXRD(X−ray diffraction、X線回折)によって測定することができる。
銅含有粒子の粒径は、低温溶融性及び耐酸化性に更に優れる観点から、好ましくは5〜10000nm、より好ましくは20〜1000nm、更に好ましくは50〜200nmである。例えば、銅含有粒子の粒径が小さいほど、より低温で溶融可能となるが、一方で酸化されやすくもなる。銅含有粒子が球状でない場合は、最大径が上記の範囲であってもよい。
<銅含有粒子の製造方法>
銅含有粒子の製造方法は特に制限されない。例えば、銅含有粒子の製造方法は、脂肪酸と銅との金属塩と、還元性化合物と、アルキルアミンと、を含む組成物を加熱する工程を備える。当該方法は、必要に応じて、加熱工程後の遠心分離工程、洗浄工程等の工程を更に備えていてもよい。
上記方法では、銅前駆体として、脂肪酸と銅との金属塩を使用する。これにより、銅前駆体としてシュウ酸銅等を用いる特許文献1に記載の方法と比較して、より沸点の低い(すなわち、分子量の小さい)アルキルアミンを反応媒として使用することが可能になると考えられる。その結果、得られる銅含有粒子においてコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物がより熱分解又は揮発しやすいものとなり、導体化を低温で実施することがより容易になると考えられる。
(脂肪酸)
脂肪酸は、RCOOHで表される1価のカルボン酸(Rは鎖状の炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐を有していてもよい)である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。コア粒子を効率的に被覆して酸化を抑制する観点からは、直鎖状の飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は1種のみでも、2種以上であってもよい。
脂肪酸の炭素数は、9以下であることが好ましい。炭素数が9以下である飽和脂肪酸としては、酢酸(炭素数2)、プロピオン酸(炭素数3)、酪酸及びイソ酪酸(炭素数4)、吉草酸及びイソ吉草酸(炭素数5)、カプロン酸(炭素数6)、エナント酸及びイソエナント酸(炭素数7)、カプリル酸及びイソカプリル酸及びイソカプロン酸(炭素数8)、ノナン酸及びイソノナン酸(炭素数9)等を挙げることができる。炭素数が9以下である不飽和脂肪酸としては、上記の飽和脂肪酸の炭化水素基中に1つ以上の二重結合を有するものを挙げることができる。
脂肪酸の種類は、銅含有粒子の分散媒への分散性、融着性等の性質に影響し得る。このため、銅含有粒子の用途に応じて脂肪酸の種類を選択することが好ましい。粒子形状の均一化の観点からは、炭素数が5〜9である脂肪酸と、炭素数が4以下である脂肪酸とを併用することが好ましい。例えば、炭素数が9であるノナン酸と、炭素数が2である酢酸とを併用することが好ましい。炭素数が5〜9である脂肪酸と炭素数が4以下である脂肪酸とを併用する場合の比率は、特に制限されない。
脂肪酸と銅との塩化合物(脂肪酸銅)を得る方法は特に制限されない。例えば、水酸化銅と脂肪酸とを溶媒中で混合することで得てもよく、市販されている脂肪酸銅を用いてもよい。あるいは、水酸化銅、脂肪酸及び還元性化合物を溶媒中で混合することで、脂肪酸銅の生成と、脂肪酸銅と還元性化合物との間で形成される錯体の生成とを同じ工程中で行ってもよい。
(還元性化合物)
還元性化合物は、脂肪酸銅と混合した際に両化合物間で錯体等の複合化合物を形成すると考えられる。これにより、還元性化合物が脂肪酸銅中の銅イオンに対する電子のドナーとなり、銅イオンの還元が生じやすくなり、錯体を形成していない状態の脂肪酸銅よりも自発的な熱分解による銅原子の遊離が生じやすくなると考えられる。還元性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
還元性化合物として具体的には、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、抱水ヒドラジン等のヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体等のヒドロキシルアミン化合物、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム化合物などを挙げることができる。
脂肪酸銅中の銅原子に対して配位結合を形成しやすい、脂肪酸銅の構造を維持した状態で錯体を形成しやすい等の観点からは、アミノ基を有する還元性化合物が好ましい。アミノ基を有する還元性化合物としては、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキシルアミン及びその誘導体等を挙げることができる。
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物を加熱する工程(以下では加熱工程ともいう)における加熱温度を低くする(例えば、150℃以下)観点からは、アルキルアミンの蒸発又は分解を生じない温度範囲において銅原子の還元及び遊離を生じる錯体を形成可能な還元性化合物を選択することが好ましい。このような還元性化合物としては、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキシルアミン及びその誘導体等を挙げることができる。これらの還元性化合物は、骨格を成す窒素原子が銅原子との配位結合を形成して錯体を形成することができる。また、これらの還元性化合物は一般にアルキルアミンと比較して還元力が強いため、生成した錯体が比較的穏和な条件で自発的な分解を生じ、銅原子の還元及び遊離が生じる傾向にある。
ヒドラジン又はヒドロキシルアミンの代わりにこれらの誘導体から好適なものを選択することで、脂肪酸銅との反応性を調節することができ、所望の条件で自発分解を生じる錯体を生成することができる。ヒドラジン誘導体としては、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、イソブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジン、イソペンチルヒドラジン、neo−ペンチルヒドラジン、t−ペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン、イソヘキシルヒドラジン、n−ヘプチルヒドラジン、n−オクチルヒドラジン、n−ノニルヒドラジン、n−デシルヒドラジン、n−ウンデシルヒドラジン、n−ドデシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−フェニルエチルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、アセトヒドラジン等を挙げることができる。ヒドロキシルアミンの誘導体としては、N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキシルアミン等を挙げることができる。
脂肪酸銅に含まれる銅と還元性化合物との比率は、所望の錯体が形成される条件であれば特に制限されない。例えば、当該比率(銅:還元性化合物)は、モル比で、1:1〜1:4の範囲とすることができ、1:1〜1:3の範囲とすることが好ましく、1:1〜1:2の範囲とすることがより好ましい。
(アルキルアミン)
アルキルアミンは、脂肪酸銅と還元性化合物とから形成される錯体の分解反応の反応媒として機能すると考えられる。更に、還元性化合物の還元作用によって生じるプロトンを捕捉し、反応溶液が酸性に傾いて銅原子が酸化されることを抑制すると考えられる。
アルキルアミンはRNH(Rは炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される1級アミン、RNH(R及びRは同じであっても異なっていてもよい炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される2級アミン、炭化水素鎖に2つのアミノ基が置換したアルキレンジアミン等を意味する。アルキルアミンは、1つ以上の二重結合を有していてもよく、酸素、ケイ素、窒素、イオウ、リン等の原子を有していてもよい。アルキルアミンは、1種のみであっても2種以上であってもよい。
アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は、7以下であることが好ましい。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数が7以下であると、銅含有粒子を融着させて導体を形成するための加熱の際にアルキルアミンが熱分解しやすく、良好な導体化が達成できる傾向にある。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は6以下であることがより好ましく、3以上であることが更に好ましい。
1級アミンとして具体的には、エチルアミン、2−エトキシエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等を挙げることができる。
2級アミンとして具体的には、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルペンチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン等を挙げることができる。
アルキレンジアミンとして具体的には、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノへキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,12−ジアミノドデカン等を挙げることができる。
アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、低温での融着性により優れる銅含有粒子を製造することができる。アルキルアミンは1種単独で用いても、2種以上を併用してよい。アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと、炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンと、を含んでもよい。炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンとを併用する場合、アルキルアミン全体に占める炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
脂肪酸銅に含まれる銅とアルキルアミンとの比率は、所望の銅含有粒子が得られる条件であれば特に制限されない。例えば、当該比率(銅:アルキルアミン)は、モル比で、1:1〜1:8の範囲とすることができ、1:1〜1:6の範囲とすることが好ましく、1:1〜1:4の範囲とすることがより好ましい。
(加熱工程)
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物を加熱する工程を実施するための方法は特に制限されない。例えば、脂肪酸銅と還元性化合物とを溶媒に混合した後にアルキルアミンを添加して加熱する方法、脂肪酸銅とアルキルアミンとを溶媒と混合した後に更に還元性化合物を添加して加熱する方法、脂肪酸銅の出発物質である水酸化銅、脂肪酸、還元性化合物及びアルキルアミンを溶媒に混合して加熱する方法、脂肪酸銅とアルキルアミンとを溶媒に混合した後に還元性化合物を添加して加熱する方法等を挙げることができる。
加熱工程は、銅前駆体として炭素数が9以下である脂肪酸銅を用いることにより、比較的低温で行うことができる。例えば、150℃以下で行うことができ、130℃以下で行うことが好ましく、100℃以下で行うことがより好ましい。
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物は、溶媒を更に含んでもよい。脂肪酸銅と還元性化合物による錯体の形成を促進する観点からは、極性溶媒を含むことが好ましい。ここで極性溶媒は、25℃で水に溶解する溶媒を意味し、アルコールであることが好ましい。アルコールを用いることで錯体の形成が促進される傾向にある。その理由は明らかではないが、固体である脂肪酸銅を溶解させながら水溶性である還元性化合物との接触が促進されるためと考えられる。溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
25℃で水に溶解するアルコールとしては、炭素数が1〜8であり、分子中に水酸基を1つ有するアルコールを挙げることができる。このようなアルコールとしては、直鎖状のアルキルアルコール、フェノール、分子内にエーテル結合を有する炭化水素の水素原子を水酸基で置換したもの等を挙げることができる。より強い極性を発現する観点からは、分子中に水酸基を2個以上含むアルコールも好ましく用いられる。また、製造される銅含有粒子の用途に応じてイオウ原子、リン原子、ケイ素原子等を含むアルコールを用いてもよい。
アルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ピナコール、プロピレングリコール、メントール、カテコール、ヒドロキノン、サリチルアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、スクロース、グルコース、キシリトール、メトキシエタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等を挙げることができる。
アルコールのうち、水に対する溶解度が極めて大きいメタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールが好ましく、1−プロパノール及び2−プロパノールがより好ましく、1−プロパノールが更に好ましい。
(洗浄工程)
加熱工程の後に任意で実施される洗浄工程では、洗浄するための溶媒として、ヘキサン等の炭化水素溶媒を用いることができる。あるいは、洗浄するための溶媒として、酢酸等の脂肪酸溶媒を用いることにより、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆するアルキルアミンを酢酸等の脂肪酸に置換することができる。この場合、コア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する酢酸等の脂肪酸とを備える銅含有粒子が得られる。
<導体形成組成物>
本実施形態の導体形成組成物は、本実施形態の銅含有粒子と、分散媒とを含む。本実施形態の導体形成組成物は、低温での融着性に優れる本実施形態の銅含有粒子を含むため、低温での導体化が可能である。導体形成組成物は、導電塗料、導電ペースト、導電インク等として好適である。
導体形成組成物に含まれる銅含有粒子の形状は特に制限されない。具体的には、球状、長粒状、扁平状、繊維状等を挙げることができ、銅含有粒子の用途にあわせて選択できる。導体形成組成物を印刷法に適用する場合は、銅含有粒子の形状は球状又は長粒状であることが好ましい。
分散媒の種類は、特に制限されず、導体形成組成物の用途に応じて一般に用いられる有機溶媒から選択でき、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。導体形成組成物を印刷法に適用する場合は、導体形成組成物の粘度コントロールの観点から、テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピネオール及びジヒドロターピネオールアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
導体形成組成物の粘度は、特に制限されず、導体形成組成物の使用方法に応じて選択できる。例えば、導体形成組成物をスクリーン印刷法に適用する場合は、導体形成組成物の粘度は、0.1Pa・s〜30Pa・sであることが好ましく、1Pa・s〜30Pa・sであることがより好ましい。導体形成組成物をインクジェット印刷法に適用する場合は、使用するインクジェットヘッドの規格にもよるが、導体形成組成物の粘度は、0.1mPa・s〜30mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜20mPa・sであることがより好ましい。導体形成組成物の粘度は、例えばE型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV22、適用コーンプレート型ロータ:3°×R17.65)を用い、25℃において測定された粘度を意味する。
導体形成組成物は、必要に応じて銅含有粒子及び分散媒以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、シランカップリング剤、高分子化合物、ラジカル開始剤、還元剤等が挙げられる。
<導体の製造方法>
本実施形態の導体の製造方法は、本実施形態の導体形成組成物を加熱する工程(加熱工程)を有する。加熱工程では、導体形成組成物に含まれる銅含有粒子の表面の有機物を熱分解させ、かつ、銅含有粒子同士を融着させる。本実施形態の導体形成組成物は低温での導体化が可能であるため、加熱工程における加熱は、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、更に好ましくは170℃以下、特に好ましくは150℃以下の温度で実施できる。
加熱工程が実施される雰囲気は、特に制限されず、通常の導体の製造工程で用いられる窒素、アルゴン雰囲気等から選択できる。また、加熱工程は、水素、ギ酸等の還元性物質を、窒素等に飽和させた雰囲気中で実施されてもよい。加熱時の圧力は特に制限されないが、減圧とすることでより低温での導体化が促進される傾向にある。
加熱工程では、一定の昇温速度で加熱してもよく、温度を不規則に変化させて加熱してもよい。加熱工程の時間は、特に制限されず、加熱温度、加熱雰囲気、銅含有粒子の量等を考慮して選択できる。加熱方法としては、特に制限されず、熱板による加熱、赤外ヒータによる加熱、パルスレーザによる加熱等を挙げることができる。
導体の製造方法は、必要に応じてその他の工程を備えていてもよい。その他の工程としては、加熱工程前に導体形成組成物を基材に付与する工程、加熱工程前に導体形成組成物中の揮発成分の少なくとも一部を乾燥等により除去する工程、加熱工程後に還元雰囲気中で加熱により生成した酸化銅を還元する工程、加熱工程後に光焼成を行って残存成分を除去する工程、加熱工程後に得られた導体に対して荷重をかける工程等を挙げることができる。
<導体>
本実施形態の導体は、本実施形態の銅含有粒子同士が融着してなる構造を有する。導体の形状としては、特に制限されず、薄膜状、パターン状等を挙げることができる。本実施形態の導体は、種々の電子部品の配線、被膜等の形成に使用できる。特に、本実施形態の導体は低温で製造できるため、樹脂等の耐熱性の低い基材上に金属箔、配線パターン等を形成する用途に好適に用いられる。また、通電を目的としない装飾、印字等の用途にも好適に用いられる。
基材上に導体形成組成物を付与し、加熱して導体を形成する場合、基材の材質は特に制限されず、導電性を有していても有していなくてもよい。具体的には、Cu、Au、Pt、Pd、Ag、Zn、Ni、Co、Fe、Al、Sn等の金属、これら金属の合金、ITO、ZnO、SnO、Si等の半導体、ガラス、黒鉛、グラファイト等のカーボン材料、樹脂、紙、これらの組み合わせなどを挙げることができる。本実施形態の導体は、低温での加熱で得られるため、特に、耐熱性が比較的低い材質からなる基材を用いる場合に好適である。耐熱性が比較的低い材質としては、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。基材の形状は特に制限されず、板状、棒状、ロール状、フィルム状等であってよい。
導体の体積抵抗率は、75μΩ・cm以下であることが好ましく、50μΩ・cm以下であることがより好ましく、30μΩ・cm以下であることが更に好ましく、20μΩ・cm以下であることが特に好ましい。
本実施形態の導体は、種々の用途に用いることができる。具体的には、積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、トランジスタ、半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサ等の電子部品に使用される、電気配線、放熱膜、表面被覆膜等の部材として利用することができる。特に、本実施形態の装置に含まれる導体は樹脂等の基材上に形成できるため、フレキシブルな積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ等の製造に好適である。
本実施形態の導体は、メッキシード層としても好適に用いることができ、金属の種類、あるいは電解、無電解のいずれのメッキ法についても適用することができる。また、メッキを施した本実施形態の導体は、上述の種々の用途に用いることができる。
<電子部品及び装置>
本実施形態の電子部品及び装置は、本実施形態の導体を含む。本実施形態の電子部品としては、本実施形態の導体からなる配線、被膜等を有する積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、トランジスタ、セラミックコンデンサ、半導体パッケージなどが挙げられる。また、本実施形態の装置としては、本実施形態の電子部品、及びこれらの電子部品を内蔵する電子機器、家電、産業用機械、輸送用機械等が挙げられる。
以下、本発明について実施例をもとに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[1.1]ノナン酸銅の合成
水酸化銅(関東化学株式会社、特級)91.5g(0.94mol)に1−プロパノール(関東化学株式会社、特級)150mLを加えて撹拌し、これにノナン酸(関東化学株式会社、90%以上)370.9g(2.34mol)を加えた。得られた混合物を、セパラブルフラスコ中で90℃、30分間加熱撹拌した。得られた溶液を加熱したままろ過して未溶解物を除去した。その後放冷し、生成したノナン酸銅を吸引ろ過し、洗浄液が透明になるまでヘキサンで洗浄した。得られた粉体を50℃の防爆オーブンで3時間乾燥してノナン酸銅(II)を得た。収量は340g(収率96質量%)であった。
[1.2]銅含有粒子の合成
上記で得られたノナン酸銅(II)15.01g(0.040mol)と酢酸銅(II)無水物(関東化学株式会社、特級)7.21g(0.040mol)とをセパラブルフラスコに入れ、1−プロパノール22mLとヘキシルアミン(東京化成工業株式会社、純度99%)32.1g(0.32mol)とを添加し、オイルバス中で、80℃で加熱撹拌して溶解させた。氷浴に移し、内温が5℃になるまで冷却した後、ヒドラジン一水和物(関東化学株式会社、特級)7.72mL(0.16mol)を氷浴中で撹拌した。なお、銅:ヘキシルアミンのモル比は1:4であった。次いで、オイルバス中で10分間、90℃で加熱撹拌した。その際、発泡を伴う還元反応が進み、セパラブルフラスコの内壁が銅光沢を呈し、溶液が暗赤色に変化した。遠心分離を9000rpm(回転/分)で1分間実施して固形物を得た。固形物をヘキサン15mLで洗浄する工程を3回繰り返し、酸残渣を除去して、銅光沢を有する銅含有粒子の粉体を含む銅ケークAを得た。
ヘキサンを酢酸に変更することで、銅を含むコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆するヘキシルアミンを酢酸に置換した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークBを得た。
ヘキシルアミンを3−エトキシプロピルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークCを得た。
ヘキシルアミンを2-エチルヘキシルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークDを得た。
ヘキシルアミンをプロピルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークEを得た。
ヘキシルアミンをブチルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークFを得た。
ヘキシルアミンをイソブチルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークGを得た。
ヘキシルアミンをオクチルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークHを得た。
ヘキシルアミンをドデシルアミンに変更した以外は上記[1.2]と同様にして、銅ケークIを得た。
<銅含有粒子の示差熱分析(DTA)>
EXSTAR―6000(エスアイアイ・テクノロジー製)を用いて、銅含有粒子50μgを昇温速度10℃/minで室温(25℃)から515℃まで加熱したときの重量減少曲線を測定した。得られた重量減少曲線における最高温のピークトップ温度をDTAピークトップ温度とした。
<低温導体化の評価>
<実施例1>
銅ケークA(60質量部)、テルピネオール(20質量部)、及びイソボルニルシクロヘキサノール(商品名:テルソルブMTPH、日本テルペン化学株式会社)(20質量部)を混合して導電材料を調製した。得られた導電材料をポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム上に塗布し、加熱して金属銅の薄膜(導体)を形成した。加熱は、窒素中の酸素濃度を100ppm以下とした雰囲気中、昇温速度40℃/分で140℃まで加熱し、60分間保持することによって行った。
得られた金属銅の薄膜の体積抵抗率を、4端針面抵抗測定器で測定した面抵抗値と、非接触表面・層断面形状計測システム(VertScan、株式会社菱化システム)で求めた膜厚とから計算した。結果を表1に示す。
<実施例2〜4、比較例1〜3>
表1に記載の銅ケークを用いた以外は実施例1と同様にして、金属銅の薄膜を形成し、各種評価を行った。
Figure 2017101307
実施例1〜5及び比較例1〜4より、有機物が銅から脱離する温度(DTAのピークトップ温度)が254℃を超える場合には体積抵抗率が悪化することがわかる。この原因は、DTAピークトップ温度が254℃を超えると、焼結時に有機物が銅から脱離せず、異物として銅粒子の融着を阻害するためであると推定される。

Claims (8)

  1. 銅を含有するコア粒子と、前記コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物と、を備える銅含有粒子であって、
    前記銅含有粒子を10℃/minの昇温速度で加熱した際の重量減少曲線におけるDTAピークトップ温度が254℃以下である、銅含有粒子。
  2. 前記有機物がアルキルアミンである、請求項1に記載の銅含有粒子。
  3. 前記有機物の沸点が50℃〜254℃である、請求項1又は2に記載の銅含有粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅含有粒子と、分散媒と、を含む導体形成組成物。
  5. 請求項4に記載の導体形成組成物を加熱する工程を備える、導体の製造方法。
  6. 190℃以下の温度で前記加熱を実施する、請求項5に記載の導体の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の銅含有粒子同士が融着してなる導体。
  8. 請求項7に記載の導体を含む電子部品。
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