JP2018168439A - 電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物、及び電磁波遮蔽体の製造方法 - Google Patents

電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物、及び電磁波遮蔽体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】銅粒子同士を低温で融着させた場合にも優れた電磁遮蔽特性が得られる電磁波遮蔽体の製造方法、及び電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物を提供すること。【解決手段】銅を含むコア粒子、及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、分散媒と、を含有する組成物であって、銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合が55個数%以下であり、電磁波遮蔽体の製造に用いられる、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物、及び電磁波遮蔽体の製造方法に関する。
電磁波遮蔽体には、例えば銅を含む電磁波遮蔽材料が用いられる。電磁波遮蔽体は、例えば、銅粒子を含むインク、ペースト等の組成物をインクジェット法、スクリーン印刷法等により基材上に配置する工程と、組成物を加熱して銅粒子同士を融着させる工程とを含む方法により得られる。近年では、生産効率の向上、使用する基材の種類の多様化等を背景として、低温で銅粒子同士の融着を可能にする技術の開発が求められている。
特許文献1には、低温で融着でき良好な導電性を発現する、有機物で被覆された銅粒子及びその製造方法が記載されている。特許文献1に記載の銅粒子は、シュウ酸銅等の銅前駆体とヒドラジン等の還元性化合物とを混合して複合化合物を得る工程と、複合化合物をアルキルアミンの存在下で加熱する工程とを有する方法によって製造されるものである。特許文献1の実施例では、作製した銅粒子を含むインクをアルゴン雰囲気中、60℃/分で300℃まで昇温して30分保持することで導体化を達成している。特許文献2には、特許文献1に記載の方法において、銅前駆体として脂肪酸銅を用いる銅粒子の製造方法が記載されている。特許文献2の実施例には、得られた銅粒子の薄膜が200℃の加熱で導体化したと記載されている。
特開2012−72418号公報 特開2014−148732号公報
しかしながら、電磁波遮蔽材料においては、特許文献1及び特許文献2に記載されている銅粒子よりも更に低い温度(例えば150℃以下)で融着できる銅粒子が求められており、また、そのような低温で融着させた場合でも電磁波遮蔽特性に優れることが重要である。
本発明は、銅粒子同士を低温で融着させた場合にも優れた電磁遮蔽特性が得られる電磁波遮蔽体の製造方法、及び電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段は、以下のとおりである。
<1> 銅を含むコア粒子、及びコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、分散媒と、を含有する組成物であって、銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合が55個数%以下であり、電磁波遮蔽体の製造に用いられる、組成物。
<2> 銅含有粒子のうち、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合が30個数%以上である、<1>に記載の組成物。
<3> 銅含有粒子における長軸の長さの平均値が55nm以上である、<1>又は<2>に記載の組成物。
<4> 銅含有粒子における長軸の長さの平均値が500nm以下である、<1>〜<3>のいずれかに記載の組成物。
<5> 銅含有粒子における円形度の平均値が0.70〜0.99である、<1>〜<4>のいずれかに記載の組成物。
<6> 銅を含むコア粒子、及びコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、分散媒と、を含有する組成物を基材上に配置する第1の工程と、組成物を加熱して、銅を含む被膜を得る第2の工程と、を備え、銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合が55個数%以下である、電磁波遮蔽体の製造方法。
<7> 基材は、ガラス転移点が180℃以下である樹脂で形成されている、<6>に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<8> 被膜上に、電解めっき又は無電解めっきによりめっき層を形成する第3の工程を更に備える、<6>又は<7>に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<9> 銅含有粒子のうち、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合が30個数%以上である、<6>〜<8>のいずれかに記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<10> 銅含有粒子の長軸の長さの平均値が55nm以上である、<6>〜<9>のいずれかに記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<11> 銅含有粒子の長軸の長さの平均値が500nm以下である、<6>〜<10>のいずれかに記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<12> 銅含有粒子における円形度の平均値が0.70〜0.99である、<6>〜<11>のいずれかに記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
<13> 第1の工程において、インクジェット法、ディスペンス法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はダイコート法により、組成物を基材上に配置する、<6>〜<12>のいずれかに記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
本発明によれば、銅粒子同士を低温で融着させた場合にも優れた電磁遮蔽特性が得られる電磁波遮蔽体の製造方法、及び電磁波遮蔽体の製造に用いられる組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合、原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。また、本明細書において組成物中の各成分の粒子径は、組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。本明細書において「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加え、一部に形成されている形状の構成も包含される。
本明細書において「導体化」とは、金属含有粒子を融着させて導体に変化させることをいう。「導体」とは、導電性を有する物体をいい、より具体的には体積抵抗率が300μΩ・cm以下である物体をいう。「個数%」は、個数基準の割合(百分率)を意味する。
[組成物]
本実施形態に係る組成物は、銅含有粒子と、分散媒とを含有する。該組成物としては、具体的には、導電塗料、導電ペースト、導電インク等が挙げられる。
<銅含有粒子>
銅含有粒子は、銅を含むコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物とを備えている。
銅含有粒子中、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は55個数%以下である。本明細書において銅含有粒子の長軸の長さとは、銅含有粒子に外接し、互いに平行である二平面の間の距離が最大となるように選ばれる二平面間の距離を意味する。本明細書において、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は、無作為に選択された200個の銅含有粒子中に占める割合である。例えば、無作為に選択された銅含有粒子200個中に、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子が110個である場合は、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は55個数%である。
長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子(以下「小径粒子」ともいう)の割合が55個数%以下であることで、優れた電磁波遮蔽特性が得られる。その理由は明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。銅含有粒子は、本来、小さいほど溶融しやすい傾向にあるが、粒子表面の有機物が脱離しやすく酸化の影響を受けやすい、粒子表面の触媒活性が高く溶融を妨げる物質を生成する等の何らかの要因により、小さいことによる溶融のしやすさが相殺されて、小径粒子により融着しにくいという現象が生じていると考えられる。この点を考慮して、小径粒子を所定の割合以下とすることにより、優れた融着性が得られることに伴って、優れた電磁波遮蔽特性も得られると推察される。
特許文献1及び特許文献2には、銅粒子の平均粒径が50nm以下であり、更には平均粒径が20nmであると記載されている。また、特許文献2には、実施例で得られた銅粒子中に粒子径が10nm以下の銅粒子と、粒子径が100〜200nmの銅粒子とが混在していたと記載されている。しかしながら、いずれの特許文献にも、銅粒子全体に占める小径粒子の割合に関する具体的な記載はなく、小径粒子の割合が少ないと電磁波遮蔽特性が向上することを示唆する記載もない。
電磁波遮蔽特性に更に優れる観点から、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は、50個数%以下であることが好ましく、35個数%以下であることがより好ましく、20個数%以下であることが更に好ましい。
電磁波遮蔽特性に更に優れる観点から、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合は、30個数%以上であることが好ましく、50個数%以上であることがより好ましく、60個数%以上であることが更に好ましい。本明細書において、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合は、無作為に選択された200個の銅含有粒子に占める割合を意味する。
電磁波遮蔽特性に更に優れる観点から、長軸の長さの平均値は、55nm以上であることが好ましく、70nm以上であることがより好ましく、90nm以上であることが更に好ましく、また、500nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましい。本明細書において、長軸の長さの平均値は、無作為に選択された200個の銅含有粒子について測定した長軸の長さの算術平均値を意味する。
低温での融着性に更に優れる観点から、長軸の長さが最長である銅含有粒子(以下「最大径粒子」ともいう)の長軸の長さは、350nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。本明細書において、最大径粒子の長軸の長さは、無作為に選択された200個の銅含有粒子中で長軸の長さが最長である銅含有粒子の長軸の長さを意味する。
低温での融着性に更に優れる観点から、長軸の長さが最短である銅含有粒子(以下「最小径粒子」ともいう)の長軸の長さは、5nm以上であることが好ましく、8nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが更に好ましい。本明細書において、最小径粒子の長軸の長さは、無作為に選択された200個の銅含有粒子中で長軸の長さが最短である銅含有粒子の長軸の長さを意味する。
銅含有粒子の長軸の長さは、例えば、後述する銅含有粒子の製造方法における原材料の種類、原材料を混合する際の温度、反応時間、反応温度、洗浄工程、洗浄溶媒等の条件を調節することによって調整することができる。
電磁波遮蔽特性に更に優れる観点から、銅含有粒子は、表面に凹凸を有する銅含有粒子を含むことが好ましい。より具体的には、円形度の平均値が0.70〜0.99であることがより好ましい。円形度は、4π×S/Lで表される値であり、S及びLは、それぞれ、測定対象の粒子の電子顕微鏡像(二次元像)における当該粒子の面積及び周囲(外周)の長さを意味する。円形度は、画像処理ソフトを用いて電子顕微鏡像を解析することにより求めることができる。本明細書において、円形度の平均値は、任意に選択された200個の銅含有粒子について測定した円形度の算術平均値とする。
銅含有粒子が表面に凹凸を有する銅含有粒子を含むことで電磁波遮蔽特性に更に優れる理由は明らかではないが、銅含有粒子の表面に凹凸が存在することでいわゆるナノサイズ効果による融点低下が生じ、低温での融着性の向上と共に電磁波遮蔽特性も向上すると推測される。
銅含有粒子の形状としては、球状、長粒状、扁平状、繊維状等を挙げることができ、銅含有粒子の用途にあわせて選択できる。例えば、銅含有粒子の長軸と短軸の比(長軸/短軸)であるアスペクト比は、1.0〜10.0であってよい。銅含有粒子、分散媒等を含有する組成物を印刷法によって基材に付与する場合は、組成物の粘度の調整が容易である観点から、銅含有粒子の形状は、好ましくは球状又は長粒状であり、銅含有粒子のアスペクト比の平均値は、好ましくは1.5〜8.0である。銅含有粒子の短軸の長さとは、銅含有粒子に外接し、互いに平行である二平面の間の距離が最小となるように選ばれる二平面間の距離を意味する。銅含有粒子のアスペクト比は、電子顕微鏡による観察等の通常の方法によって調べることができる。
銅含有粒子のアスペクト比の平均値は、1.0〜8.0であることが好ましく、1.1〜6.0であることがより好ましく、1.2〜3.0であることが更に好ましい。本明細書において、アスペクト比の平均値は、無作為に選択された200個の銅含有粒子の長軸の算術平均値と短軸の算術平均値をそれぞれ求め、得られた長軸の算術平均値を短軸の算術平均値で除して得られる値を意味する。銅含有粒子のアスペクト比は、例えば、後述する銅含有粒子の製造方法において使用される脂肪酸の炭素数等の条件を調節することによって調整することができる。
銅含有粒子の長軸の長さ、表面の凹凸の有無、円形度及びアスペクト比は、電子顕微鏡による観察等の公知の方法により測定することができる。電子顕微鏡で観察する場合の倍率は特に制限されないが、例えば20倍〜50000倍で行うことができる。なお、粒子径が3.0nm未満の銅含有粒子は測定の対象から除外する。
一実施態様では、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物は、アルキルアミンに由来する有機物を含む。コア粒子が有機物又はアルキルアミンで被覆されていることは、窒素雰囲気下で有機物又はアルキルアミンが熱分解又は揮発する温度以上の温度で銅含有粒子を加熱し、加熱前後の質量を比較することによって確認することができる。アルキルアミンとしては、後述する銅含有粒子の製造方法に用いられるアルキルアミンが挙げられる。
コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物の割合は、コア粒子及び有機物の合計に対して0.1質量%〜20質量%であることが好ましい。有機物の割合が0.1質量%以上であると、充分な耐酸化性が得られる傾向にある。有機物の割合が20質量%以下であると、低温での融着性が良好となる傾向にある。コア粒子及び有機物の合計に対する有機物の割合は、0.3質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜5質量%であることが更に好ましい。
コア粒子は、少なくとも金属銅を含み、必要に応じてその他の物質を含んでもよい。その他の物質としては、金、銀、白金、錫、ニッケル等の金属又はこれらの金属元素を含む化合物、後述する脂肪酸銅、還元性化合物又はアルキルアミンに由来する有機物、酸化銅、塩化銅等を挙げることができる。導電性に優れる導体を形成する観点から、コア粒子中の金属銅の含有率は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
銅含有粒子は、コア粒子の表面の少なくとも一部が有機物によって被覆されているために、大気中で保存しても銅の酸化が抑制されており、酸化物の含有率が小さい傾向にある。例えば、銅含有粒子中の酸化物の含有率が5質量%以下であってもよい。銅含有粒子中の酸化物の含有率は、例えばXRD(X−ray diffraction、X線回折)によって測定することができる。
<銅含有粒子の製造方法>
銅含有粒子の製造方法は特に制限されない。例えば、銅含有粒子は脂肪酸と銅との金属塩と、還元性化合物と、アルキルアミンと、を含む組成物を加熱する工程を有する方法によって製造される。前記方法は、必要に応じて加熱工程後の遠心分離工程、洗浄工程等の工程を有していてもよい。
上記方法は、銅前駆体として、脂肪酸と銅との金属塩を使用するものである。これにより、銅前駆体としてシュウ酸銀等を用いる特許文献1に記載の方法と比較して、より沸点の低い(すなわち、分子量の小さい)アルキルアミンを反応媒として使用することが可能になると考えられる。その結果、得られる銅含有粒子においてコア粒子の表面に存在する有機物がより熱分解又は揮発しやすいものとなり、導体化を低温で実施することがより容易になると考えられる。
(脂肪酸)
脂肪酸は、RCOOHで表される1価のカルボン酸(Rは鎖状の炭化水素基であり、直鎖状であっても分岐を有していてもよい)である。脂肪酸は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。コア粒子を効率的に被覆して酸化を抑制する観点からは、直鎖状の飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
脂肪酸の炭素数は、9以下であることが好ましい。炭素数が9以下である飽和脂肪酸としては、酢酸(炭素数2)、プロピオン酸(炭素数3)、酪酸及びイソ酪酸(炭素数4)、吉草酸及びイソ吉草酸(炭素数5)、カプロン酸(炭素数6)、エナント酸及びイソエナント酸(炭素数7)、カプリル酸、イソカプリル酸及びイソカプロン酸(炭素数8)、ノナン酸及びイソノナン酸(炭素数9)等を挙げることができる。炭素数が9以下である不飽和脂肪酸としては、例えば、上記の飽和脂肪酸の炭化水素基中に1つ以上の二重結合を有するものを挙げることができる。
脂肪酸の種類は、銅含有粒子の分散媒への分散性、融着性等の性質に影響しうる。このため、銅含有粒子の用途に応じて脂肪酸の種類を選択することが好ましい。粒子形状の均一化の観点から、炭素数が5〜9である脂肪酸と、炭素数が4以下である脂肪酸とを併用することが好ましい。例えば、炭素数が9であるノナン酸と、炭素数が2である酢酸とを併用することが好ましい。炭素数が5〜9である脂肪酸と炭素数が4以下である脂肪酸とを併用する場合の比率は、特に制限されない。
脂肪酸と銅との塩化合物(脂肪酸銅)を得る方法は特に制限されない。例えば、水酸化銅と脂肪酸とを溶媒中で混合することで得てもよく、市販されている脂肪酸銅を用いてもよい。あるいは、水酸化銅、脂肪酸及び還元性化合物を溶媒中で混合することで、脂肪酸銅の生成と、脂肪酸銅と還元性化合物との間で形成される錯体の生成とを同じ工程中で行ってもよい。
(還元性化合物)
還元性化合物は、脂肪酸銅と混合した際に両化合物間で錯体等の複合化合物を形成すると考えられる。これにより、還元性化合物が脂肪酸銅中の銅イオンに対する電子のドナーとなり、銅イオンの還元が生じやすくなり、錯体を形成していない状態の脂肪酸銅よりも自発的な熱分解による銅原子の遊離が生じやすくなると考えられる。還元性化合物は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
還元性化合物として具体的には、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、抱水ヒドラジン等のヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン誘導体等のヒドロキシルアミン化合物、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム化合物などを挙げることができる。
脂肪酸銅中の銅原子に対して配位結合を形成しやすい、脂肪酸銅の構造を維持した状態で錯体を形成しやすい等の観点から、還元性化合物は、アミノ基を有することが好ましい。アミノ基を有する還元性化合物としては、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキシルアミン及びその誘導体等を挙げることができる。
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)における加熱温度を低くする(例えば150℃以下)観点から、還元性化合物は、アルキルアミンの蒸発又は分解を生じない温度範囲において、銅イオンを還元し易く、銅原子から遊離し易いものを選択することが好ましい。このような還元性化合物としては、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキシルアミン及びその誘導体等を挙げることができる。これらの還元性化合物は窒素原子を有するため、窒素原子が銅原子との配位結合を形成して錯体を形成することができる。また、これらの還元性化合物は一般にアルキルアミンと比較して還元力が強いため、生成した錯体が比較的穏和な条件で自発的な分解を生じ、銅イオンの還元及び銅原子からの遊離が生じ易い傾向にある。
ヒドラジン又はヒドロキシルアミンの代わりにこれらの誘導体から好適なものを選択することで、脂肪酸銅との反応性を調節することができ、所望の条件で自発分解を生じる錯体を生成することができる。ヒドラジン誘導体としては、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、イソブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、n−ペンチルヒドラジン、イソペンチルヒドラジン、neo−ペンチルヒドラジン、t−ペンチルヒドラジン、n−ヘキシルヒドラジン、イソヘキシルヒドラジン、n−ヘプチルヒドラジン、n−オクチルヒドラジン、n−ノニルヒドラジン、n−デシルヒドラジン、n−ウンデシルヒドラジン、n−ドデシルヒドラジン、シクロヘキシルヒドラジン、フェニルヒドラジン、4−メチルフェニルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−フェニルエチルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、アセトヒドラジン等を挙げることができる。ヒドロキシルアミンの誘導体としては、N,N−ジ(スルホエチル)ヒドロキシルアミン、モノメチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミン、モノエチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジ(カルボキシエチル)ヒドロキシルアミン等を挙げることができる。
脂肪酸銅に含まれる銅と還元性化合物との比率は、所望の錯体が形成される条件であれば特に制限されない。例えば、当該比率(銅:還元性化合物)は、モル基準で1:1〜1:4の範囲とすることができ、1:1〜1:3の範囲とすることが好ましく、1:1〜1:2の範囲とすることがより好ましい。
(アルキルアミン)
アルキルアミンは、脂肪酸銅と還元性化合物とから形成される錯体の分解反応の反応媒として機能すると考えられる。更に、還元性化合物の還元作用によって生じるプロトンを捕捉し、反応溶液が酸性に傾いて銅原子が酸化されることを抑制すると考えられる。
アルキルアミンは、RNH(Rは炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される1級アミン、RNH(R及びRは同じであっても異なっていてもよい炭化水素基であり、環状又は分岐状であってもよい)で表される2級アミン、炭化水素鎖に2つのアミノ基が置換したアルキレンジアミン等であってよい。アルキルアミンは、1つ以上の二重結合を有していてもよく、酸素、ケイ素、窒素、イオウ、リン等の原子を有していてもよい。アルキルアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は、7以下であることが好ましい。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数が7以下であると、銅含有粒子を融着させて導体を形成するための加熱の際にアルキルアミンが熱分解しやすく、良好な導体化が達成できる傾向にある。アルキルアミンの炭化水素基の炭素数は6以下であることがより好ましく、3以上であることが更に好ましい。
1級アミンとして具体的には、エチルアミン、2−エトキシエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オレイルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等を挙げることができる。
2級アミンとして具体的には、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルペンチルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン等を挙げることができる。
アルキレンジアミンとして具体的には、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノへキサン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,12−ジアミノドデカン等を挙げることができる。
アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、低温での融着性により優れる銅含有粒子を製造することができる。アルキルアミンは1種を単独で用いても、2種以上を併用してよい。アルキルアミンは、炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと、炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンと、を含んでもよい。炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンと炭化水素基の炭素数が8以上のアルキルアミンとを併用する場合、アルキルアミン全体に占める炭化水素基の炭素数が7以下であるアルキルアミンの割合は50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
脂肪酸銅に含まれる銅とアルキルアミンとの比率は、所望の銅含有粒子が得られる条件であれば特に制限されない。例えば、前記比率(銅:アルキルアミン)は、モル基準で1:1〜1:8の範囲とすることができ、1:1〜1:6の範囲とすることが好ましく、1:1〜1:4の範囲とすることがより好ましい。
(加熱工程)
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物を加熱する工程を実施するための方法は特に制限されない。例えば、脂肪酸銅と還元性化合物とを溶媒に混合した後にアルキルアミンを添加して加熱する方法、脂肪酸銅とアルキルアミンとを溶媒と混合した後に還元性化合物を添加して加熱する方法、脂肪酸銅の出発物質である水酸化銅、脂肪酸、還元性化合物及びアルキルアミンを溶媒に混合して加熱する方法、脂肪酸銅の出発物質である水酸化銅、脂肪酸及びアルキルアミンを溶媒に混合した後に還元性化合物を添加して加熱する方法等を挙げることができる。
加熱工程は、銅前駆体として炭素数が9以下である脂肪酸銅を用いることにより、比較的低温で行うことができる。例えば、150℃以下で行うことができ、130℃以下で行うことが好ましく、100℃以下で行うことがより好ましい。
脂肪酸銅、還元性化合物及びアルキルアミンを含む組成物は、溶媒を更に含んでもよい。脂肪酸銅と還元性化合物による錯体の形成を促進する観点から、当該組成物は、極性溶媒を含むことが好ましい。ここで極性溶媒とは、25℃で水に溶解する溶媒を意味する。極性溶媒を用いることで、錯体の形成が促進される傾向にある。その理由は明らかではないが、固体である脂肪酸銅を溶解させながら水溶性である還元性化合物との接触が促進されるためと考えられる。溶媒は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
極性溶媒としては、25℃で水に溶解するアルコールが挙げられる。25℃で水に溶解するアルコールとしては、炭素数が1〜8であり、分子中に水酸基を1個以上有するアルコールを挙げることができる。このようなアルコールとしては、直鎖状のアルキルアルコール、フェノール、分子内にエーテル結合を有する炭化水素の水素原子を水酸基で置換したもの等を挙げることができる。より強い極性を発現する観点から、分子中に水酸基を2個以上含むアルコールも好ましく用いられる。また、製造される銅含有粒子の用途に応じてイオウ原子、リン原子、ケイ素原子等を含むアルコールを用いてもよい。
アルコールとして具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ピナコール、プロピレングリコール、メントール、カテコール、ヒドロキノン、サリチルアルコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、スクロース、グルコース、キシリトール、メトキシエタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール等を挙げることができる。
アルコールのうち、水に対する溶解度が極めて大きいメタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールが好ましく、1−プロパノール及び2−プロパノールがより好ましく、1−プロパノールが更に好ましい。
<分散媒>
分散媒は、特に制限されず、一般に用いられる有機溶媒から選択でき、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。組成物を印刷法に適用する場合、組成物の粘度コントロールの観点から、分散媒は、テルピネオール、イソボルニルシクロヘキサノール、ジヒドロターピネオール及びジヒドロターピネオールアセテートからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
組成物の粘度は、特に制限されず、組成物の使用方法に応じて選択できる。例えば、組成物をスクリーン印刷法に適用する場合は、粘度が0.1Pa・s〜30Pa・sであることが好ましく、1Pa・s〜30Pa・sであることがより好ましい。組成物をインクジェット印刷法に適用する場合は、使用するインクジェットヘッドの規格にもよるが、粘度が0.1mPa・s〜30mPa・sであることが好ましく、5mPa・s〜20mPa・sであることがより好ましい。組成物の粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製、製品名:VISCOMETER−TV22、適用コーンプレート型ロータ:3°×R17.65)を用いて測定される25℃における値を意味する。
組成物は、必要に応じて、銅含有粒子及び分散媒以外のその他の成分を更に含んでもよい。その他の成分としては、シランカップリング剤、高分子化合物、ラジカル開始剤、還元剤等が挙げられる。
以上説明した組成物は、銅含有粒子(コア粒子)同士を融着させた場合に電磁波遮蔽特性に優れることから、以下で説明するとおり、電磁波遮蔽体の製造に好適に用いられる。
<電磁波遮蔽体の製造方法>
本実施形態に係る電磁波遮蔽体の製造方法は、上述した組成物を基材上に配置する第1の工程と、当該組成物を加熱して銅を含む被膜を得る第2の工程と、を備える。
第1の工程では、上述した組成物、すなわち、銅を含むコア粒子、及びコア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、分散媒と、を含有する組成物を基材上に配置する。組成物に含有される銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は、55個数%以下である。なお、組成物のより具体的な態様又は好ましい態様については、上述したとおりである。
基材の形状は、特に制限されず、板状、棒状、ロール状、フィルム状等であってよい。基材の材質は、特に制限されず、例えば、金属、半導体、ガラス、炭素材料、樹脂、紙等であってよい。金属は、Cu、Au、Pt、Pd、Ag、Zn、Ni、Co、Fe、Al、Sn等の金属を含んでいてよく、これら合金であってもよい。半導体は、ITO、ZnO、SnO、Si等であってよい。炭素材料は、黒鉛、グラファイト等であってよい。樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等であってよい。
本実施形態では、低温での加熱により銅含有粒子(コア粒子)同士を融着させることができるため、耐熱性が比較的低い材料で形成されている基材であっても好適に用いられる。耐熱性が比較的低い材料としては、例えばガラス転移点(Tg)が180℃以下である樹脂が挙げられる。該樹脂のTgは、160℃以下、140℃以下又は120℃以下であってもよい。本明細書において、ガラス転移点(Tg)は、動的粘弾性測定装置(TAインストゥルメンツ社製、ARES−2KSTD)を用いて、昇温速度:5℃/分、測定周波数:1.0Hzの条件で測定された値を意味する。このような樹脂は、例えば熱可塑性樹脂であってよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
第1の工程において、組成物を基材上に配置する方法は、インクジェット法、ディスペンス法、スクリーン印刷法、スピンコート法、ダイコート法等であってよい。これらの方法を用いて、組成物が薄膜状、パターン状等を呈するように塗布又は印刷する。第1の工程では、第2の工程により得られる被膜の厚さが例えば0.5〜50μmとなるような厚さで、組成物を基材上に配置する。
第2の工程では、基材上に配置された組成物を加熱する。これにより、組成物に含まれる銅含有粒子の表面を被覆する有機物を熱分解させ、かつ、銅含有粒子(コア粒子)同士を融着させる。その結果、基材上に銅を含む被膜が形成される。第2の工程における加熱温度は、200℃以下、好ましくは150℃以下であってよく、このような低温での加熱であっても、銅含有粒子(コア粒子)同士を融着させることができる。
加熱が実施される雰囲気は、特に制限されず、窒素、アルゴン等であってよく、水素、ギ酸等の還元性物質を窒素等に飽和させた雰囲気であってもよい。加熱時の圧力は、より低温で銅含有粒子(コア粒子)同士を融着させられる観点から、減圧(大気圧未満)であることが好ましい。
第2の工程における加熱は、一定の昇温速度で行っても、不規則に変化させてもよい。加熱時間は、特に制限されず、加熱温度、加熱雰囲気、銅含有粒子の量等を考慮して選択できる。加熱方法は、特に制限されず、熱板による加熱、赤外ヒータによる加熱、パルスレーザによる加熱等であってよい。
得られた被膜は、めっきシード層としても好適に用いることができる。したがって、電磁波遮蔽体の製造方法は、第2工程で得られた被膜上に、電解めっき又は無電解めっきによりめっき層を形成する第3の工程を更に備えていてもよい。第3の工程でのめっきに用いられる金属は、特に制限されない。
電磁波遮蔽体の製造方法は、必要に応じてその他の工程を更に備えていてもよい。その他の工程としては、例えば、第1の工程に続いて設けられる、組成物中の揮発成分(例えば分散媒)の少なくとも一部を乾燥等により除去する工程が挙げられる。また、第2の工程に続いて、第2の工程で生成した酸化銅を還元雰囲気中で還元する工程、光焼成を行って残存成分を除去する工程、第2の工程で得られた被膜に対して荷重をかける工程等が設けられていてもよい。
第2の工程で得られた被膜は、銅含有粒子(コア粒子)が融着した構造を有する。被膜の形状は、特に制限されず、薄膜状、パターン状等であってよい。
被膜の体積抵抗率は、300μΩ・cm以下であることが好ましく、100μΩ・cm以下であることがより好ましく、30μΩ・cm以下であることが更に好ましく、20μΩ・cm以下であることが特に好ましい。
以上説明した組成物は、具体的には、積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ、トランジスタ、半導体パッケージ、積層セラミックコンデンサ等の電子部品の製造に好適に用いられ、特に樹脂等の基材上に被膜を形成できるため、フレキシブルな積層板、太陽電池パネル、ディスプレイ等の製造により好適に用いられる。これらの電子部品は、例えば、電子機器、家電、産業用機械、輸送用機械等の装置に内蔵されて使用される。
以下、本発明について実施例をもとに説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[1.1]ノナン酸銅の合成
水酸化銅(関東化学株式会社、特級)91.5g(0.94mol)に1−プロパノール(関東化学株式会社、特級)150mLを加えて撹拌し、これにノナン酸(関東化学株式会社、90%以上)370.9g(2.34mol)を加えた。得られた混合物を、セパラブルフラスコ中で90℃、30分間加熱撹拌した。得られた溶液を加熱したままろ過して未溶解物を除去した。その後放冷し、生成したノナン酸銅を吸引ろ過し、洗浄液が透明になるまでヘキサンで洗浄した。得られた粉体を50℃の防爆オーブンで3時間乾燥してノナン酸銅(II)を得た。収量は340g(収率96質量%)であった。
[1.2]銅含有粒子の合成
上記で得られたノナン酸銅(II)15.01g(0.040mol)と酢酸銅(II)無水物(関東化学株式会社、特級)7.21g(0.040mol)とをセパラブルフラスコに入れ、1−プロパノール22mLとヘキシルアミン(東京化成工業株式会社、純度99%)32.1g(0.32mol)とを添加し、オイルバス中で、80℃で加熱撹拌して溶解させた。氷浴に移し、内温が5℃になるまで冷却した後、ヒドラジン一水和物(関東化学株式会社、特級)7.72mL(0.16mol)を氷浴中で撹拌した。なお、銅:ヘキシルアミンのモル比は1:4であった。次いで、オイルバス中で10分間、90℃で加熱撹拌した。その際、発泡を伴う還元反応が進み、セパラブルフラスコの内壁が銅光沢を呈し、溶液が暗赤色に変化した。遠心分離を9000rpm(回転/分)で1分間実施して固体物を得た。固形物を更にヘキサン15mLで洗浄する工程を3回繰り返し、酸残渣を除去して、銅光沢を有する銅含有粒子の粉体を含む銅ケークAを得た。
加熱撹拌の時間を20分間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークBを得た。
加熱撹拌の時間を5分間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークCを得た。
加熱撹拌の時間を2分間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークDを得た。
遠心分離の条件を1000rpmで10秒間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークEを得た。
遠心分離の条件を1000rpmで20秒間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークFを得た。
遠心分離の条件を1000rpmで30秒間に変更した以外は[1.2]と同様にして、銅ケークGを得た。
加熱撹拌の時間を20分間に変更し、かつ、200rpmで30秒間の遠心分離を実施した後の上澄み液を回収し、再度9000rpmで1分間の遠心分離を実施した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークHを得た。
加熱撹拌の時間を20分間に変更し、かつ、遠心分離の条件を1000rpmで10秒間に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークIを得た。
加熱撹拌の時間を20分間に変更し、かつ、遠心分離の条件を1000rpmで20秒間に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークJを得た。
加熱撹拌の時間を300分間に変更し、かつ、遠心分離を行わなかった以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークKを得た。
加熱撹拌の時間を210分間に変更し、かつ、遠心分離を行わなかった以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークLを得た。
加熱撹拌の時間を120分間に変更し、かつ、遠心分離を行わなかった以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークMを得た。
加熱撹拌の時間を360分間に変更し、かつ、遠心分離を行わなかった以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークNを得た。
加熱撹拌の時間を600分間に変更し、かつ、遠心分離を行わなかった以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークOを得た。
ノナン酸銅(II):酢酸銅(II)無水物のモル比を50:50から40:60に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークPを得た。
ノナン酸銅(II):酢酸銅(II)無水物のモル比を50:50から10:90に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークQを得た。
ノナン酸銅(II):酢酸銅(II)無水物のモル比を50:50から30:70に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークRを得た。
ノナン酸銅(II):酢酸銅(II)無水物のモル比を50:50から20:80に変更した以外は、[1.2]と同様にして、銅ケークSを得た。
<実施例1>
銅ケークA(60質量部)、テルピネオール(20質量部)、及びイソボルニルシクロヘキサノール(商品名:テルソルブMTPH、日本テルペン化学株式会社)(20質量部)を混合して組成物を調製した。得られた組成物をポリエチレンナフタレート(PEN;Tg=155℃)フィルム上に塗布し、加熱することによりして金属銅の薄膜(厚さ:10μm)を形成した。加熱は、酸素濃度を100ppm以下とした窒素雰囲気中で、昇温速度40℃/分で140℃まで加熱し、60分間保持することによって行った。
得られた金属銅の薄膜の0.1〜1000MHzの範囲における電磁波遮蔽特性を、ADVANTEST社製 R3132スペクトルアナライザを用い、KEC法により測定した。電磁波遮蔽特性は、0.1〜1000MHzの全ての範囲で30dB以上を示した場合をA、0.1〜1000MHzの全ての範囲で20dB以上を示した場合(ただし、Aの場合を除く)をB、0.1〜1000MHzの範囲で20dB未満となる点があった場合をCとして評価した。
得られた金属銅の薄膜の体積抵抗率を、4端針面抵抗測定器で測定した面抵抗値と、非接触表面・層断面形状計測システム(VertScan、株式会社菱化システム)で求めた膜厚とから計算した。
銅ケークAの銅含有粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、製品名:JEM−2100F)で観察したところ、大きい(長軸の長さが長い)銅含有粒子が多く存在していた。無作為に選択した200個の銅含有粒子について長軸の長さを測定したところ、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は50個数%であり、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合は20個数%であり、長軸の長さの平均値は45nmであった。また、表面に凹凸を有する銅含有粒子が観察され、円形度の平均値は0.83であった。
<比較例1>
銅ケークCを用いた以外は実施例1と同様にして、金属銅の薄膜の形成及び各種評価を行った。銅ケークCの銅含有粒子を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、製品名:JEM−2100F)で観察したところ、小さい(長軸の長さが短い)銅含有粒子が多く存在していた。無作為に選択した200個の銅含有粒子について長軸の長さを測定したところ、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合は60個数%であり、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合は30個数%であり、長軸の長さの平均値は40nmであった。また、表面に凹凸を有する銅含有粒子が観察され、その円形度の平均値は0.88であった。なお、比較例1の金属銅の薄膜を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、製品名:JEM−2100F)で観察したところ、隣接する銅含有粒子と融着していない銅含有粒子が多く観察された。
<実施例2〜17、比較例2>
表1に記載の各銅ケークを用いた以外は実施例1と同様にして、金属銅の薄膜の形成及び各種評価を行った。
各実施例及び比較例の銅ケークA〜Sにおける、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合、銅含有粒子の長軸の長さの平均値、及び円形度を表1に示す。また、各実施例及び比較例で得られた各金属銅の薄膜について、電磁波遮蔽特性及び体積抵抗率の評価結果も表1に示す。
Figure 2018168439
実施例1,2及び比較例1,2の結果より、長軸の長さが50nm以下の銅粒子が一定の割合以上存在する場合には、電磁波遮蔽特性に劣り、また、体積抵抗率も悪化することがわかる。この原因としては、長軸の長さが50nm以下の小さい粒子は大きな粒子に比べて酸化され易く、比較例1,2では、電磁波遮蔽特性の向上を阻害する酸化銅粒子の割合が増加したためであると推定される。実施例1〜13の結果より、長軸の長さの平均値を所定の範囲内とすることにより、電磁波遮蔽特性の更なる向上がみられる。実施例14〜17の結果より、円形度を所定の範囲内とすることによっても、電磁波遮蔽特性の更なる向上がみられる。

Claims (13)

  1. 銅を含むコア粒子、及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、
    分散媒と、を含有する組成物であって、
    前記銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合が55個数%以下であり、
    電磁波遮蔽体の製造に用いられる、組成物。
  2. 前記銅含有粒子のうち、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合が30個数%以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記銅含有粒子における長軸の長さの平均値が55nm以上である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記銅含有粒子における長軸の長さの平均値が500nm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記銅含有粒子における円形度の平均値が0.70〜0.99である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 銅を含むコア粒子、及び前記コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物を備える銅含有粒子と、分散媒と、を含有する組成物を基材上に配置する第1の工程と、
    前記組成物を加熱して、前記銅を含む被膜を得る第2の工程と、を備え、
    前記銅含有粒子のうち、長軸の長さが50nm以下である銅含有粒子の割合が55個数%以下である、電磁波遮蔽体の製造方法。
  7. 前記基材は、ガラス転移点が180℃以下である樹脂で形成されている、請求項6に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  8. 前記被膜上に、電解めっき又は無電解めっきによりめっき層を形成する第3の工程を更に備える、請求項6又は7に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  9. 前記銅含有粒子のうち、長軸の長さが70nm以上である銅含有粒子の割合が30個数%以上である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  10. 前記銅含有粒子の長軸の長さの平均値が55nm以上である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  11. 前記銅含有粒子の長軸の長さの平均値が500nm以下である、請求項6〜10のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  12. 前記銅含有粒子における円形度の平均値が0.70〜0.99である、請求項6〜11のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
  13. 前記第1の工程において、インクジェット法、ディスペンス法、スクリーン印刷法、スピンコート法又はダイコート法により、前記組成物を前記基材上に配置する、請求項6〜12のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽体の製造方法。
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