JP2017101296A - 耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材 - Google Patents

耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材 Download PDF

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Abstract

【課題】降伏強度が900MPa以上で、且つ耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.20〜1.00%、Si:0%超0.5%以下、Mn:0.10〜1.0%、P:0%超0.05%以下、S:0%超0.005%以下、V:0.05〜0.5%、およびN:0%超0.01%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、金属組織は、パーライトが80面積%以上、パーライトの平均ラメラ間隔が0.05〜1.00μmであり、パーライトのラメラ内に、円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物が10個/μm2以上存在する熱間圧延線材。【選択図】なし

Description

本発明は、鋼線の製造に用いる熱間圧延線材に関する。詳細には、硫化水素を含むサワー環境で用いる部品またはフレキシブルライザーなどの補強材として用いる鋼線を製造するために用いる熱間圧延線材に関する。
石油の需要は、近年益々増大しており、海底油田の開発が行われている。油田開発では、原油を汲み上げるために、例えば、フレキシブルライザーが用いられる。フレキシブルライザーは、樹脂製のパイプと鋼線を用いて製造され、鋼線は、樹脂製のパイプの補強材として用いられる。そのため上記鋼線には、高強度(特に、降伏強度が900MPa以上)であることが求められる。また、油田は、硫化水素を含むサワー環境下となるため、水素誘起割れ(Hydrogen Induced Cracking、以下、「HIC」ということがある)が発生しないことが求められる。水素誘起割れとは、上記硫化水素等による腐食反応に伴って鋼線内部に侵入した水素が、MnSなどに集積し、破壊の起点となって割れる現象である。以下、水素誘起割れが発生しない特性を、耐水素膨れ性(耐HIC性)ということがある。
硫化水素を含むサワー環境のような過酷な状況で用いられる鋼線を開示する文献ではないが、特許文献1、2には、タイヤのスチールコードなどに用いられる鋼線が記載されている。詳細には、特許文献1には、強度、靭性、延性等に優れた極細鋼線を、伸線中にパテンティング処理およびブルーイング処理を施すこと無しに製造する技術が記載されている。特許文献1に開示されている高強度極細鋼線用線材は、最終パテンティング後の引張強さ、および初析フェライトとベイナイトの面積率が所定の範囲内で、且つパーライト組織が95%以上、パーライト組織の平均ブロック粒径が20μm以下であるところに特徴がある。この高強度極細鋼線用線材は、所定の鋼成分の鋼片を熱間圧延し、仕上げ圧延温度を1000〜1200℃とし、次いで880〜960℃の温度にて巻き取った後に、800℃から600℃までの冷却速度を50〜200℃/sとして冷却し、その後、520〜580℃の温度域にて30s以上保持する工程を含むパテンティング処理を施すことによって製造できる。
特許文献2には、タイヤの補強用鋼線、PC鋼線、ロープ用鋼線などの高強度鋼線の素材として使用される高炭素鋼線材およびその製造方法が記載されている。特許文献2に開示されている高炭素鋼線材は、95面積%以上のパーライトを有し、パーライトの平均ノジュール径Pが30μm以下、平均ラメラ間隔Sが100nm以上で、かつPとSを所定の範囲に制御したところに特徴がある。この高炭素鋼線材は、所定の成分を有する鋼片を仕上温度1050〜800℃で熱間圧延を行い、仕上圧延終了後直ちに50℃/s以上の冷却速度にて950〜750℃の範囲内の温度に冷却し、引き続き5〜20℃/s以上の冷却速度にて620〜680℃の範囲内の温度に冷却した後、2℃/s以下の冷却速度にて20秒以上冷却することによって製造できる。
特開2010−202913号公報 特開2003−82434号公報
上記特許文献1、2には、鋼線の伸線性を改善する技術が提案されているが、上記特許文献1、2では、鋼線をタイヤのスチールコードなどに用いることを前提としているため、硫化水素を含むサワー環境のような過酷な状況で用いることは想定されていない。そのため、上記特許文献1、2で得られる鋼線をサワー環境で用いると、侵入した水素によって鋼線内に割れ(水素誘起割れ)が発生する。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、降伏強度が900MPa以上で、且つ耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材を提供することにある。
上記課題を解決できる本発明に係る熱間圧延線材は、質量%で、C:0.20〜1.00%、Si:0%超0.5%以下、Mn:0.10〜1.0%、P:0%超0.05%以下、S:0%超0.005%以下、V:0.05〜0.5%、およびN:0%超0.01%以下を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる。そして、上記熱間圧延線材は、金属組織が、パーライトが80面積%以上、パーライトの平均ラメラ間隔が0.05〜1.00μmであり、パーライトのラメラ内に、円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物が10個/μm2以上存在する点に要旨を有する。
上記熱間圧延線材は、更に、他の元素として、質量%で、Cr:0%超0.5%以下、Ti:0%超0.1%以下、Mo:0%超0.5%以下、およびNb:0%超0.1%以下のいずれか1種以上を含有してもよい。
本発明に係る熱間圧延線材は、上記成分組成を満足する鋼を熱間圧延し、載置温度900〜1100℃で載置した後、前記載置温度から500〜600℃の温度域における保持温度までを、平均冷却速度10〜50℃/秒で冷却すると共に、前記500〜600℃の温度域における滞在時間を3〜40秒とすることによって製造できる。
本発明の熱間圧延線材は、降伏強度が900MPa以上である。そして、熱間圧延線材のパーライト面積率、およびパーライトのラメラ間隔を適切に制御すると共に、パーライトのラメラ内に、所定の大きさのV炭化物を適切に析出させているため、熱間圧延線材の耐水素膨れ性を改善できる。よって、本発明の熱間圧延線材を伸線すれば、耐水素膨れ性に優れた高降伏強度を有する鋼線が得られる。
本発明者らは、鋼線の降伏強度を高めたうえで、硫化水素を含むサワー環境で用いたときの耐水素膨れ性を向上するために、鋭意検討を重ねた。その結果、鋼線の製造に用いる熱間圧延線材の成分組成と金属組織を適切に制御したうえで、特に、パーライトのラメラ内に所定の大きさのV炭化物を適切に析出させれば、900MPa以上の降伏強度を確保できると共に、V炭化物が水素トラップサイトとして作用して耐水素膨れ性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
まず、本発明を特徴付ける熱間圧延線材の金属組織について説明する。
本発明に係る熱間圧延線材は、金属組織全体を100面積%としたとき、パーライトが80面積%以上である。パーライトの面積率が低くなり、フェライトが過剰に生成すると降伏強度が小さくなることがある。また、過冷組織が過剰に生成するとパーライトの面積率が低くなるため、伸線時に断線が生じやすくなる。上記金属組織全体に占めるパーライト組織は、好ましくは85面積%以上、より好ましくは90面積%以上である。
本発明に係る熱間圧延線材の金属組織は、パーライト以外の組織として、例えば、初析フェライト、ベイナイト、マルテンサイトなどを含んでもよい。しかし、初析フェライトが過剰に析出すると、降伏強度が却って低下することがあるため、初析フェライトは、金属組織全体に対して10面積%以下であることが好ましい。
また、ベイナイトやマルテンサイトなどの過冷組織が過剰に生成すると、伸線時に断線を起こしたり、伸線できたとしてもHIC発生時における亀裂の進展を促進することがあるため、過冷組織は、金属組織全体に対して5面積%以下であることが好ましい。
上記パーライトの平均ラメラ間隔は、0.05〜1.00μmである。パーライトの平均ラメラ間隔をこの範囲に制御することによって、ラメラ内に、後述する所定の大きさのV炭化物を適切に析出させることができ、熱間圧延線材の降伏強度を高めることができると共に、耐HIC性を改善できる。上記平均ラメラ間隔が0.05μmを下回ると、後述するV炭化物の個数密度が小さくなるため、耐HIC性を改善できない。従って、本発明では、上記平均ラメラ間隔は、0.05μm以上、好ましくは0.06μm以上、より好ましくは0.07μm以上である。しかし、上記平均ラメラ間隔が1.00μmを超えると、降伏強度が低下する。従って、本発明では、上記平均ラメラ間隔は、1.00μm以下、好ましくは0.80μm以下、より好ましくは0.70μm以下、更に好ましくは0.60μm以下、特に好ましくは0.50μm以下である。
本発明に係る熱間圧延線材は、パーライトのラメラ内に、円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物が析出している必要がある。V炭化物は、水素トラップサイトとして作用するため、本発明に係る熱間圧延線材を伸線して得られる鋼線を、硫化水素を含むサワー環境下で用いても、V炭化物が鋼線内部に侵入した水素をトラップする。その結果、侵入した水素がガス化するのを抑制できるため、膨れ、割れは発生しない。
また、炭化物には、V炭化物の他に、例えば、Ti含有炭化物等が挙げられるが、Ti含有炭化物よりもV炭化物の方が水素トラップサイトとして効果的に作用すると考えられたため、本発明では、V炭化物を対象とした。
円相当直径が0.01μmを下回る微細なV炭化物は、水素トラップサイトとして殆ど作用しない。一方、本発明では、パーライトの平均ラメラ間隔の上限を1.00μmと規定しているため、V炭化物の円相当直径の上限は1μmとなる。
円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物は、パーライトのラメラ面積1μm2あたり10個以上とする必要がある。V炭化物を10個/μm2以上とすることによって、水素膨れの原因となる水素を、鋼線内に均一に分散させることができ、耐HIC性を向上できる。円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物は、パーライトのラメラ面積1μm2あたり好ましくは12個以上、より好ましくは15個以上である。なお、パーライトのラメラ面積1μm2あたりにおける円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物の個数を、以下、V炭化物の個数密度ということがある。
上記パーライトの面積率は、上記熱間圧延線材の直径をDとしたとき、D/4位置とD/2位置(即ち、熱間圧延線材の線径の1/4位置と中心位置)を光学顕微鏡で観察し、常法に従って測定すればよい。
また、上記パーライトのラメラ間隔は、上記熱間圧延線材の任意の位置を走査型電子顕微鏡で観察し、常法に従って測定すればよい。
また、上記パーライトのラメラ内に存在するV炭化物の個数密度は、上記熱間圧延線材の任意の位置を透過型電子顕微鏡で観察し、パーライトのラメラ内に観察されるV炭化物の円相当直径を求め、ラメラ面積1μm2あたりに存在する円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物の個数密度(個/μm2)を算出すればよい。なお、Vは、炭化物以外に、炭窒化物を形成するが、本発明では、Vの炭窒化物の数は測定しない。
以上、本発明に係る熱間圧延線材の金属組織について説明した。
本発明に係る熱間圧延線材は、上述したように、金属組織を適切に制御すると共に、成分組成も適切に調整する必要がある。以下、本発明に係る熱間圧延線材の成分組成について詳述する。
本発明の熱間圧延線材は、基本成分として、質量%で、C:0.20〜1.00%、Si:0%超0.5%以下、Mn:0.10〜1.0%、P:0%超0.05%以下、S:0%超0.005%以下、V:0.05〜0.5%、およびN:0%超0.01%以下を含有する。
Cは、焼入れ性を高め、熱間圧延線材の降伏強度を確保するために必要な元素である。また、C量が少なすぎると、パーライトを充分に生成させることができず、降伏強度が低下する。従って、C量は、0.20%以上とする。C量は、好ましくは0.35%以上、より好ましくは0.5%以上である。しかし、Cを過剰に含有すると、硬度が高くなり、割れ感受性が高まるため、耐HIC性が低下する。また、Cを過剰に含有すると、焼入れ性が高くなり、熱間圧延時に過冷組織が過剰に生成し、パーライトを所定量生成させることができず、伸線時に断線を発生させることがある。従って、C量は、1.00%以下とする。C量は、好ましくは0.95%以下、より好ましくは0.90%以下である。
Siは、溶鋼の脱酸および固溶強化に用いる元素である。こうした作用を有効に発揮させるには、Si量は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.15%以上、更に好ましくは0.20%以上である。しかしSi量が増加するにつれて不純物元素が粒界に偏析し、水素による脆化を起こしやすくなり、耐HIC性が低下する。従ってSi量は、0.5%以下とする。Si量は、好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.40%以下である。
Mnは、焼入れ性を高め、熱間圧延線材の降伏強度を高めるのに寄与する元素である。Mn量が少なすぎると、パーライトを所定量生成させることができず、降伏強度が低下する。従って、本発明では、Mnを0.10%以上含有させる必要がある。Mn量は、好ましくは0.20%以上、より好ましくは0.30%以上である。しかし、Mnを過剰に含有すると、不純物元素が粒界に偏析するのを助長し、強度増加に伴って硬度も増加し、耐HIC性が低下する。また、Mnを過剰に含有すると、焼入れ性が高くなり過ぎ、熱間圧延時に過冷組織が過剰に生成し、パーライトを所定量生成させることができず、伸線時に断線を発生させることがある。従って、Mn量は、1.0%以下とする。Mn量は、好ましくは0.98%以下、より好ましくは0.96%以下である。
Pは、不可避不純物元素であり、P量が過剰になると、Pが結晶粒界に偏析して粒界強度を低下させ、水素による粒界破断を起こしやすくなる。その結果、耐HIC性が低下する。従って、本発明では、P量は、0.05%以下とする。P量は、好ましくは0.04%以下、より好ましくは0.03%以下である。P量は少ないほど好ましいが、P量を0.0001%未満にするにはコスト高となるため、好ましくは0.0001%以上である。
Sは、不可避不純物元素であり、S量が過剰になると、Sが結晶粒界に偏析して粒界強度を低下させ、水素による粒界破断を起こしやすくしたり、圧延材の中心部に偏析する。また、S量が過剰になると、MnSが多量に生成し、HIC発生の起点が多くなる。特に、サワー環境下では、水素が鋼線に侵入しやすくなるため、耐HIC性が低下しやすくなる。従って、本発明では、S量は、0.005%以下とする。S量は、好ましくは0.004%以下、より好ましくは0.003%以下である。S量は少ないほど好ましいが、S量を0.0001%未満にするにはコスト高となるため、好ましくは0.0001%以上である。
Vは、水素トラップサイトとなる微細なV炭化物を析出し、耐HIC性に有効に寄与する元素である。即ち、微細なV炭化物が析出することで、水素膨れの原因となる水素が1ヵ所に集中せず、鋼材内に均一に分散するため、HICを抑制できる。V量が少なすぎると、V炭化物が殆ど析出せず、個数密度が低下するため、耐HIC性を改善できない。また、V量が少なすぎると、V炭化物を析出させるために時間がかかり、生産性が低下する。従って、本発明では、V量は、0.05%以上とする。V量は、好ましくは0.07%以上、より好ましくは0.1%以上である。しかし、V量が過剰になると、微細なV炭化物が局所的に凝集し、粗大なV炭化物として機能するため、破断の起点になることがある。従って、V量は、0.5%以下とする。V量は、好ましくは0.45%以下、より好ましくは0.40%以下である。
Nは、不可避不純物元素であり、N量が過剰になると、窒化物が多量に生成し、HIC発生の起点が多くなる。従って、本発明では、N量は、0.01%以下とする。N量は、好ましくは0.008%以下、より好ましくは0.006%以下である。N量は少ないほど好ましいが、N量を0.0001%未満にするにはコスト高となるため、好ましくは0.0001%以上である。
本発明に係る熱間圧延線材の成分組成は、上記の通りであり、残部は、鉄およびP、S、N以外の不可避不純物である。
上記熱間圧延線材は、更に他の元素として、Cr:0%超0.5%以下、Ti:0%超0.1%以下、Mo:0%超0.5%以下、およびNb:0%超0.1%以下のいずれか1種以上の元素を含有することが好ましい。Cr、Ti、Mo、およびNbは、単独で、あるいは2種以上を併用できる。
Crは、焼入れ性を高め、熱間圧延線材の降伏強度を高めるために有効に作用する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Crは、好ましくは0.05%以上、より好ましくは0.1%以上、更に好ましくは0.2%以上である。しかし、Cr量が過剰になると、熱間圧延後の冷却時に過冷組織が生成しやすくなり、HIC感受性を高め、耐HIC性を改善できない。従って、本発明では、Cr量は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.45%以下、更に好ましくは0.40%以下である。
Tiは、Vと同様、水素のトラップサイトを形成し、耐HIC性を向上させるのに有効に作用する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Tiは、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上である。しかし、Ti量が過剰になると角ばったTiNが生成し、破壊の起点が増加する。従って、本発明では、Ti量は、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.099%以下、更に好ましくは0.098%以下である。
Moは、焼戻し軟化抵抗を高める元素であり、Moを添加することによって、高温での熱処理が可能となり、HICに有害な歪みを除去しやすくなる。また、Moは、水素トラップ効果も有する元素である。こうした効果を有効に発揮させるには、Moは、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.15%以上、更に好ましくは0.20%以上である。しかし、Moは高価な元素であり、過剰に添加してもその効果は飽和する。従って、本発明では、Mo量は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.48%以下、更に好ましくは0.45%以下である。
Nbは、結晶粒を微細化する元素である。結晶粒が微細化すると、HICの亀裂進展を抑制できるため、耐HIC性を改善できる。こうした効果を有効に発揮させるには、Nbは、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.02%以上、更に好ましくは0.03%以上である。しかし、Nbを過剰に添加してもその効果は飽和する。従って、本発明では、Nb量は、好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.095%以下、更に好ましくは0.090%以下である。
以上、本発明に係る熱間圧延線材の成分組成について説明した。
次に、本発明に係る熱間圧延線材を製造できる方法について説明する。
本発明に係る熱間圧延線材は、上記成分組成を満足する鋼を溶製し、分塊圧延して得られた鋼片を加熱し、熱間圧延することによって製造できる。
熱間圧延後の載置温度は、例えば、900〜1100℃とすることが好ましい。上記載置温度が900℃を下回ると、過冷組織が生成しやすくなるため、パーライトの生成量を確保しにくくなる。上記載置温度は、より好ましくは910℃以上、更に好ましくは920℃以上である。しかし、上記載置温度が1100℃超えると脱炭が起こりやすくなる。上記載置温度は、より好ましくは1050℃以下、更に好ましくは1000℃以下である。
載置後、500〜600℃の温度域における任意の温度T(以下、保持温度ということがある。)までを、平均冷却速度を10〜50℃/秒で冷却することが好ましい。上記平均冷却速度が10℃/秒を下回ると、パーライトが粗大化し、ラメラ間隔が大きくなりすぎるため、降伏強度が低くなる。上記平均冷却速度は、より好ましくは15℃/秒以上、更に好ましくは20℃/秒以上である。しかし、上記平均冷却速度が50℃/秒を超えると、ラメラ間隔が小さくなりすぎる。また、V炭化物の析出時間が短いため、ラメラ間隔内に析出するV炭化物の個数密度が小さくなり、水素トラップ効果が低減し、耐HIC性が低下する。
載置後、500〜600℃の温度域まで冷却する方法は特に限定されず、例えば、風冷やミストを吹き付けて行えばよい。
上記500〜600℃の温度域における滞在時間は、3〜40秒とすることが好ましい。上記滞在時間を3〜40秒とすることによって、パーライトの面積率を80%以上とすることができ、ラメラ間隔を0.05〜1.00μmとすることができる。上記滞在時間が3秒を下回ると、パーライトを充分に生成させることができず、V炭化物の個数密度も小さくなる。また、上記の通り、パーライトが不足し、相対的に過冷組織が多くなる結果、伸線時に断線しやすくなる。上記滞在時間は、より好ましくは5秒以上、更に好ましくは10秒以上である。しかし、上記滞在時間が40秒を超えると、パーライトのラメラ間隔が大きくなりすぎ、降伏強度が低下する。上記滞在時間は、より好ましくは35秒以下、更に好ましくは30秒以下である。上記滞在時間とは、表面温度が600℃に到達した時点から、500℃に到達するまでの時間を意味する。
上記500〜600℃の温度域で保持するときの具体的な条件は特に限定されず、この温度域内で恒温保持、冷却、加熱の工程を一以上含んでいてもよい。即ち、この温度域における任意の温度Tで恒温保持してもよいし、この温度域内において、温度が異なる2段階以上となるように恒温保持を行なってもよい。また、上記任意の温度Tまで冷却した後、冷却速度を変更し、この温度域内を更に冷却してもよいし、上記任意の温度Tまで冷却した後、この温度域内で加熱してもよい。また、この温度域の範囲内で、冷却と加熱を適宜繰り返してもよい。また、冷却速度が異なる2段階以上の多段冷却を行なってもよいし、昇温速度が異なる2段階以上の多段加熱を行なってもよい。
上記温度域内で滞在させた後は、常法に従って巻取ることによって熱間圧延線材が得られる。熱間圧延線材の線径φは、例えば、10.0〜16mm程度である。
得られた熱間圧延線材は、必要により酸洗し、必要により潤滑皮膜を形成し、伸線することによって鋼線が得られる。鋼線の線径φは、例えば、8.0〜14mm程度である。
本発明に係る熱間圧延線材を用いて得られた鋼線は、特に、硫化水素を含むサワー環境で用いられる部品またはフレキシブルライザーなどの補強材として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す成分組成の鋼(残部は、鉄およびP、S、N以外の不可避不純物)を溶製し、得られた溶鋼を鋳造し、鋼片を製造した。得られた鋼片を分塊圧延し、得られたビレットを熱間圧延して線径がφ12mmの線材とした。得られた線材を、下記表2に示す温度で載置し、この載置温度から下記表2に示す保持温度まで、下記表2に示す平均冷却速度で冷却した。上記保持温度で保持した後、巻き取って熱間圧延線材を製造した。下記表2には、線材が500〜600℃の温度域に滞在した時間を示す。
巻き取って得られた熱間圧延線材について、金属組織の観察、V炭化物の観察、および引張試験を行った。
(金属組織の観察)
上記熱間圧延線材から採取した金属組織観察用の試験片をマウントに埋め込み、試験片の直径をDとしたとき、試験片断面のD/4位置とD/2位置を、光学顕微鏡で、観察倍率を400倍として金属組織を観察した。下記表2に、金属組織全体に占めるパーライトの面積率を示す。
また、上記金属組織観察用の試験片について、任意の位置を3箇所、走査型電子顕微鏡で、観察倍率20000倍で観察し、パーライトのラメラ間隔を測定し、平均値を求めた。下記表2に結果を示す。
(V炭化物の観察)
上記金属組織観察用の試験片について、任意の位置を3箇所、透過型電子顕微鏡で、観察倍率75000倍で観察し、パーライトのラメラ内に観察されるV炭化物の円相当直径を求めた。パーライトのラメラ内に観察される円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物の個数を測定し、ラメラ面積1μm2あたりに換算してV炭化物の個数密度(個/μm2)を算出した。下記表2に結果を示す。
(引張試験)
上記熱間圧延線材から、JIS Z2241(2011年)に準拠して2号試験片を採取し、引張試験を行い、降伏強度(YS)を測定した。結果を下記表2に示す。本発明では、降伏強度が900MPa以上を高強度と判定し、合格とした。
次に、巻き取って得られた熱間圧延線材を酸洗し、潤滑皮膜を形成した後、φ9mmまで伸線し、熱処理を行った。
上記熱処理は、φ9mmに伸線して得られた伸線材を、880〜950℃に設定した加熱炉に装入してオーステナイト化し、流動層を用いて550〜650℃で保持する熱処理を行った。なお、下記表2に示したNo.8、17、および23は、伸線時に断線が発生した。
断線せずに伸線でき、熱処理して得られた伸線材から幅8.5mm×厚み5mm×長さ100mmの試験片を3個採取し、NACE Standard TM0284−2003で規定された条件で耐HIC性を評価した。耐HIC性の評価は次の手順で行った。まず、上記試験片を、NaClを5.0質量%およびCH3COOHを0.5質量%含み、硫化水素を飽和させたSolution Aに96時間浸漬した。浸漬後、超音波検査機を用いて試験片内部における割れの発生の有無を確認した。超音波の反射をグラフ化すると、試験片内部に割れが発生している位置の波形にはピークが現れる。そこで、ピークが検出されなかった場合を、耐HIC性に優れると評価し、下記表2に○で示した。ピークが検出された場合を、耐HIC性を改善できていないと評価し、下記表2に×で示した。
下記表1、表2から次のように考察できる。No.1〜5、10〜14は、いずれも本発明で規定する要件を満足する例であり、降伏強度が900MPa以上の高強度を有し、且つ硫化水素を含むサワー環境に96時間曝しても水素膨れが発生せず、耐HIC性に優れていた。
一方、No.6〜8、15〜23は、本発明で規定する要件を満足しない例であり、少なくとも降伏強度が900MPaを下回るか、伸線時に断線が発生したか、耐HIC性を改善できなかった。
即ち、No.6は、載置温度から保持温度までの平均冷却速度が小さすぎるため、パーライトの平均ラメラ間隔が大きくなった。その結果、降伏強度が900MPaを下回った。
No.7は、載置温度から保持温度までの平均冷却速度が大きすぎるため、パーライトの平均ラメラ間隔が小さくなりすぎた。また、V炭化物が充分に析出せず、V炭化物の個数密度が小さくなった。その結果、耐HIC性を改善できなかった。
No.8は、500〜600℃の温度域における滞在時間が短すぎたため、パーライトを充分に生成させることができず、相対的に過冷組織が多くなった結果、伸線時に断線した。
No.15は、C量が少なすぎ、No.18は、Mn量が少なすぎる例であり、いずれも焼入性不足になると共に、パーライトを充分に生成させることができなかった。従って、降伏強度が低くなった。
No.16は、Si量が多すぎる例であり、Siを過剰に含有するため不純物元素が粒界に偏析し、粒界強度が低下した結果、割れが発生した。
No.17は、Mnを過剰に含有し、No.23は、Cを過剰に含有した例であり、いずれも焼入れ性が高く、熱間圧延時に過冷組織が過剰に生成し、パーライトを所定量確保できなかった。従って、伸線時に断線した。
No.19は、Pを過剰に含有した例であり、Pが粒界に偏析し、耐HIC性が低下した。
No.20は、Sを過剰に含有した例であり、MnSが多量に生成し、HIC発生の起点が多くなり、耐HIC性が低下した。
No.21は、V量が少なすぎる例であり、V炭化物が殆ど析出せず、個数密度が低下した。その結果、耐HIC性が低下した。
No.22は、Nを過剰に含有した例であり、窒化物が過剰に生成した。その結果、HICの起点が多くなり、耐HIC性が低下した。
Figure 2017101296
Figure 2017101296

Claims (3)

  1. 質量%で、
    C :0.20〜1.00%、
    Si:0%超0.5%以下、
    Mn:0.10〜1.0%、
    P :0%超0.05%以下、
    S :0%超0.005%以下、
    V :0.05〜0.5%、および
    N :0%超0.01%以下を含有し、
    残部が鉄および不可避不純物からなり、
    金属組織は、パーライトが80面積%以上、
    パーライトの平均ラメラ間隔が0.05〜1.00μmであり、
    パーライトのラメラ内に、円相当直径が0.01〜1μmのV炭化物が10個/μm2以上存在することを特徴とする耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材。
  2. 更に、他の元素として、質量%で、
    Cr:0%超0.5%以下、
    Ti:0%超0.1%以下、
    Mo:0%超0.5%以下、および
    Nb:0%超0.1%以下のいずれか1種以上を含有する請求項1に記載の熱間圧延線材。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成を満足する鋼を熱間圧延し、載置温度900〜1100℃で載置した後、
    前記載置温度から500〜600℃の温度域における保持温度までを、平均冷却速度10〜50℃/秒で冷却すると共に、
    前記500〜600℃の温度域における滞在時間を3〜40秒とすることを特徴とする耐水素膨れ性に優れた熱間圧延線材の製造方法。
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