JP5522194B2 - 耐ssc性に優れた高強度鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、原油、天然ガス等の採掘、生産、輸送等に利用される油井管、ラインパイプ等の使途に好適な高強度鋼材に係り、とくに硫化水素を含むサワー環境下における耐硫化物応力腐食割れ性(耐SSC性)の改善に関する。なお、ここでいう「高強度鋼材」とは、120ksi(827MPa)級以上の降伏強さを有する鋼材をいうものとする。また、「鋼材」には、鋼板、鋼管等を含むものとする。
近年、原油価格の高騰や、近い将来に予想される石油資源の枯渇という観点から、従来、省られなかったような深度が深い油田や、硫化水素等を含む、いわゆるサワー環境下にある厳しい腐食環境の油田やガス田等の開発が盛んになっている。このような環境下で使用される油井用鋼管等の鋼材には、高強度で、かつ優れた耐食性(耐サワー性)を兼ね備えた材質を有することが要求される。
このような要求に対して、例えば、特許文献1には、耐硫化物応力腐食割れ性の優れた高強度鋼が記載されている。特許文献1に記載された技術では、重量%で、C:0.10〜0.40%、Si:0.05〜0.50%、Mn:0.30〜1.00%、Cr:0.3〜1.2%、Mo:0.15〜0.70%、Al:0.5〜2.0%、あるいはさらにB:0.0005〜0.0030%、およびNb:0.005〜0.050%を含有する組成の鋼材に、焼入れ焼戻処理を施して、YS:70kgf/mm(686MPa)級以上という高強度で、耐硫化物応力腐食割れ性に優れた鋼材としている。すなわち、特許文献1に記載された技術では、低Cr系で適正量のMo、さらにAlを多量に含み、あるいはさらに適正量のB,Nbを含有した組成とすることにより、高強度で耐SSC性を向上させることができるとしている。
また、特許文献2には、油井管用鋼材が記載されている。特許文献2に記載された技術は、質量%で、C:0.10〜0.35%、Si:0.10〜0.50%、Mn:0.10〜0.80%、Cr:0.30〜1.2%、Mo:0.20〜1.00%、V:0.005〜0.40%、Al:0.005〜0.100%、N:0.0100%以下を含有し、Cr、Mo、Vの含有量と、旧オーステナイト結晶粒度とが特定の関係を満足するように調整した、降伏強さYS:760MPa以上の高強度鋼材であり、これにより、鋼の焼入れ性が向上しYS110ksi級の高強度を確保でき、かつ亀裂の発生、伝播の原因となる粗大な炭化物の析出を抑制して、耐SSC性が向上した高強度鋼材することができるとしている。
特開昭60−70164号公報 特開2006−37147号公報
このように、高強度と優れた耐SSC性を具備させるにあたっては、従来では、もっぱら合金元素量を増加して焼戻し軟化抵抗を高め、所望の高強度を確保し、さらに組織を微細化して、亀裂の発生、伝播の原因となる粗大な炭化物を減少して、耐SSC性を向上させていた。しかし、合金元素量の増加は、材料コストの高騰を招き経済的に不利となるうえ、鋳片におけるマクロ偏析を助長して、大型介在物の生成や鋼材組織の不均一を招きやすいという問題がある。
本発明は、かかる従来技術の問題を有利に解決し、合金元素量を低減した低Cr系の組成で、降伏強さYS:120ksi(827MPa)級以上の高強度と、優れた耐SSC性とを、安定して兼備することができる、安価な高強度鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成するために、耐SSC性に及ぼす各種要因について鋭意研究した。その結果、本発明者らは、まず、合金元素の多量含有は、鋳片における合金元素のマクロ偏析を回避できず、結果的に、組織の不均一性、粗大介在物(大型介在物)の形成を招き、これに起因して耐SSC性の改善が不十分であったことに思い至った。というのは、多量の水素侵入による局所的脆化現象に支配される耐SSC性においては、マクロ偏析部は、侵入した水素により脆化しやすい領域であり、硫化物応力腐食割れを促進し、耐SSC性の改善にとって悪影響を及ぼす存在であると考えられるためである。
そこで、本発明者らは、更なる検討を行った結果、合金元素量を低減した安価な、低Cr系組成の鋼に着目した。そして、マクロ偏析の低減、粗大介在物の抑制を徹底することにより、所望の耐SSC性を維持しながら、降伏強さYS:120ksi(827MPa)級以上の高強度を確保できることを見出した。
本発明者らは、合金元素量を低減した低Cr系組成の成分系では、鋳片に1200℃超1270℃未満で30min以上程度の加熱保持(高温加熱処理)と、少なくとも2回の繰り返し焼入れ処理とを組合わせて施すことで、マクロ偏析が大幅に低減し、C、Cr、Mo、Nb等の合金元素の分布を均一化することが可能であり、さらに粗大介在物を大幅に低減でき、耐SSC性が顕著に向上することを知見した。
そして、このようなマクロ偏析の低減と、さらに粗大介在物の消失等により、含有する合金元素を有効活用できるようになり、従来より少ない合金元素量でも所望の高強度を容易に確保できることを知見した。さらに、Cuは、600〜680℃という比較的低温での焼戻で、微細なε−Cuや、Cuクラスターを形成して、強度増加に有効に寄与することも知見し、従来より合金元素量を低く抑えた組成では、Cuの含有は、強度増加に有効な手段であることを見出した。
本発明はかかる知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、
本発明の要旨は次のとおりである。
(1)質量%で、C:0.25〜0.35%、Si:0.10〜0.30%、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下、S:0.003%以下、Al:0.003〜0.1%、N:0.0040%以下、Cr:0.5〜0.7%、Mo: 0.5〜1.0%、Cu:0.05〜0.8%、Ti:0.015〜0.030%、Nb:0.005〜0.025%、V:0.05〜0.10%、B:0.0005〜0.0015%を含み、かつP、Ti、Nを次(1)式
P/Ti * < 1.6 ‥‥(1)
(ここで、Ti *:有効Ti 量=Ti−3.4×N、 P、Ti 、N:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、次(2)式
Mo偏析度=Imo/Iave ‥‥(2)
(ここで、Imo:偏析部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の最大値、Iave:正常部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の平均値)
で定義される偏析部のMo偏析度が1.5以下であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下である焼戻マルテンサイト相からなる組織と、を有することを特徴とする耐SSC性に優れた高強度鋼材。
(2)(1)において、前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:0.1〜1.0%を含有することを特徴とする耐SSC性に優れた高強度鋼材
本発明によれば、油井用として好適な、降伏強さYS:120ksi(827MPa)級以上の高強度と、優れた耐SSC性とを兼備する信頼性の高い高強度鋼材を、安定して、しかも安価に製造でき、産業上格段の効果を奏する。また、本発明によれば、多量の合金元素を含有することなく、優れた耐SSC性を有する高強度鋼材を製造できるという効果もある。
Moの偏析状況を示すEPMAによる分析結果の1例を示すグラフである。
本発明鋼材は、質量%で、C:0.25〜0.35%、Si:0.10〜0.30%、Mn:0.80%以下、P:0.010%以下、S:0.003%以下、Al:0.003〜0.1%、N:0.0040%以下、Cr:0.5〜0.7%、Mo: 0.5〜1.0%、Cu:0.05〜0.8%、Ti:0.015〜0.030%、Nb:0.005〜0.025%、V:0.05〜0.10%、B:0.0005〜0.0015%を含み、かつP、Ti、Nを次(1)式
P/Ti * < 1.6 ‥‥(1)
(ここで、Ti *:有効Ti 量=Ti−3.4×N、 P、Ti 、N:各元素の含有量(質量%))
を満足するように調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する。
まず、本発明鋼材の組成限定理由について説明する。以下、とくに断わらない限り質量%は単に%で記す。
C:0.25〜0.35%
Cは、焼入れ性の向上に寄与し、所望の高強度を確保するために必要な元素である。このような効果を確保するためには、0.25%以上の含有を必要とする。0.25%未満では、焼入れ性が不足し、焼戻処理後に所望の強度を確保できない。一方、0.35%を超える過剰な含有は、鋳片(鋼素材)に顕著な偏析を生成し、強化元素であるCr、Mo、Nb等の活用が不十分となり、所望の強度確保が困難となる。このため、本発明ではCは、一般的な油井管用低Cr鋼の範囲である、0.25〜0.35%の範囲に限定した。
Si:0.10〜0.30%
Siは、脱酸剤として作用し、鋼中の溶存酸素低下に寄与する元素である。このような効果を得るためには、0.10%以上の含有を必要とする。一方、0.30%を超えて過剰に含有すると、鋼材の靭性が低下する。このため、Siは0.10〜0.30%の範囲に限定した。
Mn:0.80%以下
Mnは、オーステナイト(γ)安定化元素であり、γ→α変態点を降下させ、焼入れ性を向上させ、強度増加に寄与する元素である。また、Mnは、不純物元素であるSと結合し、MnSを形成しSを固定し、Sの悪影響を防止する効果を有する元素である。このような効果を得るためには、0.01%以上含有することが望ましい。一方、Mnは過剰に添加すると、マクロな偏析を助長するとともに、マクロな偏析帯に沿って粗大なA系介在物を形成しやすく、耐SSC性の低下を招く。このことから、Mnは0.80%以下に限定した。なお、好ましくは0.6%以下である。
P:0.010%以下
Pは、固溶強化により、鋼材の強度を増加させる元素であり、しばしば鋼材強度レベルの調整に用いられる。しかし、Pは、粒界偏析して、粒界強度を著しく低下させる作用を有する。高強度化に伴い相対的に粒界強度を高めることが重要となっている状況では、Pの粒界偏析の確率をできるだけ低減することが望ましい。そのために本発明では、鋼中に固溶Pを残さないようにFe-Ti-PとしてPを固定する。このようなことから、Pは0.010%以下に限定した。なお、好ましくは0.007%以下である。
S:0.003%以下
Sは、粒界偏析して粒界脆化を引き起こす元素であり、粒界強度を高める観点からも本発明ではできるだけ低減することが望ましい。しかし、極端な低S化は精錬コストの観点から経済的に不利であり、しかも本発明ではMnSもしくはCuSの形成によって実質的にSを鋼中に固定することが可能であるため、0.0001%以下までの極端な低減は必要なく、0.003%まで許容できる。このようなことから、Sは0.003%以下に限定した。
Al:0.003〜0.1%
Alは、Siと同様に脱酸剤として、鋼中の溶存酸素低下に有効に寄与する元素である。なお、このような効果を得るために含有する場合には、0.003%以上含有することが望ましい。一方、0.1%を超える多量の含有は、鋼材靭性の低下を伴う。このため、Alは0.003〜0.1%に限定した。
N:0.0040%以下
Nは、固溶して強度を増加させるが、靭性を低下させるため、本発明では、できるだけ低減することが望ましい。0.0040%を超える含有は、粗大なTiNを生成し、水素割れを誘起させやすくする。このため、Nは0.0040%以下に限定した。なお、極端な低減は精錬コストを高騰させるため、0.0015%以上に限定することが望ましい。また、強靭性を確保するという観点から、Nは析出物として固定することが望ましい。TiNとしてNを固定することを想定して、本発明では、質量濃度比Ti/N>3.4の条件を満足するようにTiを含有することが望ましい。
Cr:0.5〜0.7%
Crは、高強度と優れた耐SSC性を両立させる観点から本発明では重要な元素である。また、Crは、Cレベルにもよるが、焼入れ性を向上させる有効な元素でもある。さらに、油井管の使用環境である苛酷な硫化水素環境において、鋼の耐食性を高める効果をも有する。このような効果を得るためには、0.5%以上の含有を必要とする。また、Crは、焼戻し過程でM3Cの析出を介して組織回復を促すが、M3Cの析出サイズを微細に維持することで、組織回復を遅らせる効果も有する。本発明ではM3Cの粗大化もしくはM23C6への遷移を回避するため、Crは0.7%以下に限定した。
Ti:0.015〜0.030%
Tiは、Nと結合し、窒化物を形成し固溶Nの低減に寄与するとともに、FeTiPを形成して、固溶Pの低減に寄与する。このような効果を得るためには、0.015%以上含有する必要がある。一方、0.030%を超える含有は、未固溶の粗大TiCが残存し、炭素低下による焼入れ性低下や靭性の低下を招く。このため、Tiは0.015〜0.030%の範囲に限定した。
なお、P、Ti、Nは、上記した範囲で、かつ下記(1)式を満足するように調整して含有する。
P/Ti * < 1.6 ‥‥(1)
(ここで、Ti *:有効Ti量=Ti−3.4×N、P、Ti 、N:各元素の含有量(質量%))
Tiは、FeTiPを形成して固溶Pを低減するために、P含有レベルに応じて、TiNとして消費された分を差し引いた有効Ti量(Ti*-=Ti−3.4×N)が(1)式を満足するように、調整して含有させる。Ti*が(1)式を満足しない場合、すなわちP/Ti *が1.6以上となる場合には、固溶P量が増加して粒界強度が低下し、耐SSC性が低下することになる。
Mo: 0.5〜1.0%
Moは、オーステナイト域における結晶粒界に偏析し、オーステナイト粒粗大化を効果的に抑制する作用を有し、本発明において重要な合金元素のひとつである。このような効果を得るには、十分な固溶Mo量の確保が必要であり、0.5%以上含有する必要がある。また、Moは固溶状態で焼入れ性を向上させ、また微細な炭化物として析出し、焼戻軟化抵抗を高める作用も有する。一方、1.0%を超える過剰な含有は、材料コストの高騰に繋がるとともに、鋳片での偏析(鋳造偏析)を増加させ、組織の不均一を助長し、その後の熱処理によっても、許容できる程度までに軽減できない。このため、Moは0.5〜1.0%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.85%以下である。
Cu:0.05〜0.8%
本発明では、焼戻時に、Cuのクラスタリングさらには微細なε‐Cuの析出を利用して鋼材の強度増加を図る。そのためCuは、重要な元素である。Cuが、ε‐Cuとして粗大に析出すると、強化因子としてはあまり効果がなくなるため、本発明では、高強度化のため析出前駆段階であるクラスタリングあるいは微細なε‐Cuの析出を活用する。クラスタリングの状態であれば、可動転位の強い障害にはならないため、焼戻し時に過剰な転位を軽減することが可能となる。このような効果を得るためには、0.05%以上含有する必要がある。0.05%未満では、Cuのクラスタリングが形成されない。一方、0.8%を超えて多量に含有すると、ε‐Cuが粗大に析出し、可動転位に対し強い障害として働き、過剰転位の消滅が進行せず、強化因子として転位強化が主体のままとなる。このため、所望の優れた耐SSC性の確保が困難となる。また、過剰なCu含有は、熱間圧延時の表面疵、欠陥を増加させる。これを防止するためには、Niを含有させることが必要となる。このようなことから、Cuは0.05〜0.8%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.5〜0.7%である。
Nb:0.005〜0.025%
Nbは、固溶してオーステナイト域での再結晶を遅延させる効果が大きく、またMoと同様、オーステナイト粒界に偏析し、変態後組織の微細化に有効に作用する。このような効果を得るには、0.005%以上の含有を必要とする。一方、Nbは、Cと結合し、容易にNbC型の析出物を形成する。このような析出物が形成されると、上記した固溶Nbによる効果が消失する。また本発明では、Cレベルが高いために、鋳片の偏析帯に沿って粗大なNbCを形成しやすい。このような粗大なNbCは、その後の熱処理によってもほとんど固溶しないため、硫化水素等を含む、いわゆるサワー環境下では水素割れの起点となりやすい。このような粗大なNbCの形成を防止するために、Nbは0.025%以下とする必要がある。このようなことから、Nbは0.005〜0.025%に範囲に限定した。なお、好ましくは0.01〜0.02%である。
V:0.05〜0.10%
Vは、Moと同様に、焼戻し軟化抵抗を高める作用を有する。このような効果を得るためには、0.05%以上の含有を必要とする。本発明では、Cレベルが高いことから、焼戻し時に10nm前後のV4C3等の炭化物が析出する。このような炭化物の析出量が増大すると、転位に対する強い移動障害となり、過剰転位が残りやすくなる。上記した炭化物の析出量を適正範囲とするため、Vは0.10%以下に限定することとした。このようなことから、Vは0.05〜0.10%の範囲に限定した。なお、好ましくは0.05〜0.08%である。
B:0.0005〜0.0015%
Bは、Tiを含有する本発明では、焼入れ性の向上に寄与するとともに、Mo‐Bの相互作用によりMoの偏析促進に寄与する。このような効果を得るためには、0.0005%以上の含有を必要とする。一方、NbやMo含有量に依存するが、0.0015%を超える過剰の含有は、効果が飽和するうえ、MoやNbとの硼化物を形成しやすく、有効固溶Nb量 、有効固溶Mo量、有効固溶B量の低下を招く。このようなことから、Bは0.0005〜0.0015%の範囲に限定した。
上記した成分が基本の成分であるが、基本の成分に加えて選択元素としてさらに、Ni:0.1〜1.0%を含有してもよい。
Ni:0.1〜1.0%
Niは、Cuとともに含有して、Cu含有による熱間圧延時の表面疵、欠陥の発生を防止することができる。このような効果を得るためには0.1%以上含有することが好ましい。一方、1.0%を超える含有は、材料コストの高騰を招く。このため、含有する場合には、Niは0.1〜1.0%の範囲に限定することが好ましい。
つぎに、本発明鋼材の組織限定理由について説明する。
本発明鋼材は、上記した組成を有し、さらに次(2)式
Mo偏析度=Imo/Iave ‥‥(2)
(ここで、Imo:偏析部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の最大値、Iave:正常部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の平均値)
で定義されるMo偏析度が1.5以下であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下である焼戻マルテンサイト相からなる組織を有する。
Mo偏析度:1.5以下
本発明では、電子線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて、鋼材中の圧延方向に伸びた偏析部(鋳造偏析部)と正常部とで、最も偏析しやすいMoについて分析し、Mo-K殻励起の特性X線強度をそれぞれ求め、次(2)式
Mo偏析度=Imo/Iave ‥‥(2)
(ここで、Imo:偏析部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の最大値、Iave:正常部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の平均値)
で定義されるMo偏析度を算出し、それを指標として、鋼材偏析部の偏析の程度を評価する。
Mo偏析度が1.5以下であれば、偏析部での、Moで代表される合金元素の偏析が軽減され、耐SSC性が向上する。例えば図1(b)に示すようにMo偏析度が1.5を超えて大きくなると、硫化水素を含む腐食環境下では偏析部での割れが多発し、耐SSC性が低下する。一方、図1(a)に示すようにMo偏析度が1.5以下であれば、耐SSC性の低下は認められない。このようなことから、Mo偏析度を1.5以下に限定した。
なお、Mo偏析度は、鋼材中の圧延方向に伸びた鋳造偏析部および正常部を横切る方向について(通常圧延方向と直交する方向)、例えば3mm以上の範囲を10μmピッチで300点以上分析してMo-K殻励起の特性X線強度の変化を求め、得られたMo-K殻励起の特性X線強度の変化において偏析部の最大値と正常部の平均値を求めるものとする。図1(a)、(b)は5mmの範囲を10μmピッチで500点分析した例を示す。
本発明鋼材は、焼入れ焼戻し処理を施され、焼戻マルテンサイト相からなる組織を有する。組織を焼戻マルテンサイト相からなる組織とすることにより、所望の降伏強さ:120ksi級以上の高強度を、靭性の低下を伴うことなく安定して確保できる。
旧オーステナイト粒の平均粒径:12μm以下
旧オーステナイト粒の平均粒径を12μm以下と、組織を微細化することにより、油井管等に必要な強度と靭性を確保することができる。旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm超えと、組織が粗大化すると、焼戻マルテンサイトの下部組織も粗大化し、強度や靭性が低下する。このため、旧オーステナイト粒の平均粒径を12μm以下に限定した。なお、好ましくは8μm以下である。
つぎに、本発明鋼材の製造方法について説明する。
本発明鋼材の好ましい製造方法は、上記した組成を有する鋼素材に、加熱温度:1200℃超〜1270℃未満の範囲の温度で30min以内の時間保持する高温加熱処理を施したのち、前記鋼素材に熱間加工を施して熱延鋼材とし、ついで該熱延鋼材に、2回以上の焼入れ処理を施したのち、焼戻処理を行う熱処理を施す。
鋼素材の製造方法についてはとくに限定する必要はないが、転炉、電気炉、真空溶解炉等の常用の溶製方法で、上記した組成を有する溶鋼を溶製し、連続鋳造法等の常用の鋳造方法でスラブ等の鋼素材とすることが好ましい。偏析低減という観点からは、連続鋳造法を用いることが好ましいが、造塊−分塊圧延を用いてもなんら問題はない。
得られた鋼素材に、まず、高温加熱処理を施す。高温加熱処理は、加熱温度:1200℃超〜1270℃未満の範囲の温度で30min以内保持する処理とする。
加熱温度が1200℃以下では、所望の偏析低減効果を得ることができない。一方、1270℃以上では、その後の熱処理によっても所望の組織微細化を十分に達成できない。このようなことから、高温加熱処理の加熱温度は1200℃超〜1270℃未満の範囲に限定した。また、上記した加熱温度での保持時間が、30minを超える長い時間としても、効果が飽和するため、経済的に不利となる。なお、上記した本発明鋼材の組成範囲では、上記した加熱温度で上記した時間の保持で、CをはじめCr、Mo、Nb等の合金元素の分布を十分に均一化することができるうえ、粗大介在物が減少し、粗大介在物の残存率が大幅に低減する。
上記した高温加熱処理を施すことにより、鋼材における偏析部でMo偏析度が1.5以下となり、高強度鋼材で問題となる組織不均一性、粗大介在物残存を無視できるレベルまで低減可能である。
上記した高温加熱処理を施された鋼素材は、ついで、再加熱するか、あるいは再加熱することなく、熱間加工を施される。熱間加工としては、熱間圧延、穿孔圧延等が例示できる。
鋼素材が熱間加工可能な温度範囲内の温度を保持していれば、そのまま再加熱することなく、一方、熱間加工可能な温度範囲未満まで冷却された場合には、好ましくは1050〜1100℃に再加熱したのち、鋼素材に熱間加工を施し、所望形状の鋼材とすることが好ましい。
熱間加工の条件は、所望形状の鋼材とすることができればよく、とくに限定する必要はない。通常の条件がいずれも好適に適用できる。
所望形状に熱間加工された鋼材には、ついで、熱処理を施される。熱処理は、2回以上の焼入れ処理を施したのち、焼戻処理を施す処理とする。
焼入れ処理は複数回行う。焼入れ処理回数が1回では、旧オーステナイト粒径が12μm以下という、所望の組織の微細化が達成できない。焼入れ回数の上限は、とくに限定する必要はないが、焼入れ回数の増加はコスト増や生産性低下につながる。また3回程度繰り返せば効果が飽和するため、2回程度とすることが好ましい。
本発明では、焼入れ処理は、加熱温度:850〜920℃の範囲の温度で、5〜10min間保持したのち、30℃/s以上の平均冷却速度で室温まで急冷する処理とする。
焼入れ処理の加熱温度が、850℃未満では、炭化物の固溶が不十分となり、所望の高強度化を達成できない。一方、920℃を超えると、結晶粒が粗大化し、所望の靭性を確保することができにくくなる。このようなことから、加熱温度は850〜920℃の範囲の温度に限定した。なお、加熱温度における保持時間は、生産性、温度安定性の観点から製造上問題のない範囲である5〜10minに限定した。
焼入れ加熱温度で所定時間保持したのち、平均で30℃/s以上の冷却速度で室温まで冷却する。冷却方法は水冷と空冷を組み合わせる加速冷却とすることが好ましい。冷却速度が30℃/s未満では、完全なマルテンサイト組織とすることができず、所望の高強度、高靭性を確保することができなくなる。このため、冷却は、30℃/s以上の平均冷却速度に限定した。
複数回の焼入れ処理後の焼戻し処理は、600〜680℃の範囲の温度で15〜30min保持する処理とする。焼戻し温度が600℃未満では、Cuのクラスターの形成あるいは微細なε‐Cuの析出を達成できず、所望の高強度を確保できなくなる。一方、680℃を超える温度では、粗大化したε‐Cuが析出し、さらにM3Cの析出、粗大化の進行により、過剰転位の急激な低下が生じ、所望の高強度を確保できない。このようなことから、焼戻し処理の加熱温度は600〜680℃の範囲の温度に限定した。なお、焼戻し処理の保持時間は、生産性の観点から製造上問題のない範囲である15〜30minの範囲に限定した。焼戻し後は、空冷とすることが好ましい。
以下、さらに実施例に基づき、さらに本発明について説明する。
表1に示す組成の溶鋼を真空溶解炉にて溶製し、連続鋳造法で丸鋳片(鋼素材)とした。得られた鋼素材(丸鋳片)を、加熱炉に装入し、表2に示す加熱温度、保持時間で高温加熱処理を施し、室温に冷却することなくそのまま、常用の熱間鍛造、熱間圧延とを施し、板厚15mmの板材(鋼材)とした。ついで、得られた板材(鋼材)に表2に示す条件で焼入れ処理、および焼戻し処理を施した。
焼入れ焼戻処理済みの鋼材から、試験片を採取し、組織観察、偏析度調査、引張試験および耐SSC性試験を実施した。試験方法はつぎのとおりである。
(1)組織観察
得られた鋼材(板材)から、組織観察用試験片を採取し、圧延方向断面(L断面)を研磨し、塩酸+ピクリン酸液で旧オーステナイト(γ)粒を現出し、光学顕微鏡(倍率:400倍)で旧γ粒の平均粒径を算出した。平均粒径は、各旧γ粒の面積を測定し、円相当近似で直径に換算し、算術平均して平均粒径とした。
また、組織観察用試験片のL断面を電解研磨して、走査型電子顕微鏡(倍率:1000倍)で反射電子像を観察し、組織が焼戻マルテンサイト相であることの確認を行った。
(2)偏析度調査
得られた板材(鋼材)から、圧延方向にそって伸びるマクロ偏析を含む試験片を採取し、試験片のL断面について、電子線マイクロアナライザー(EPMA)による元素マッピングを実施した。測定する元素は、最も偏析が見やすいMoとした。元素マッピングは、Mo-K殻励起の特性X線強度を利用し、まず偏析部および正常部の位置の確認を行った。偏析度の測定は、得られたマッピング結果において圧延方向と直交する方向に、少なくとも3mm以上の範囲を10μmピッチで300点以上分析した結果に基づき、偏析部のMo-K殻励起の特性X線強度の最大値Imoと、正常部のMo-K殻励起の特性X線強度の平均値Iaveとの比、Imo/Iave、を算出し、偏析の程度を評価した。
(3)引張試験
得られた鋼材(板材)から、JIS Z 2201に準拠して引張方向が圧延方向に一致するようにJIS5号試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して引張試験を実施し、降伏強さYSを測定した。
(4)耐SSC性試験
得られた鋼材(板材)から、腐食試験片(大きさ:平行部径6mmφ×長さ15mm)を採取し、NACE TM0177で規定されるMethod A法を適用して、耐SSC性を評価した。試験片を、pH:3.5、10%H2SのSol.B(5%NaCl, 2.5%氷酢酸、0.4%の酢酸ナトリウムの脱イオン水ベースの薬液)に浸漬し、公称降伏強さSMYSの85%の応力を負荷して破断までの時間(破断時間)を測定した。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0005522194
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本発明例はいずれも、降伏強さYSが120ksi(827MPa)以上の高強度を有し、かつH2S を含む腐食環境でSMYSの85%の応力を負荷された条件下で、破断時間が720h以上と優れた耐SSC性を有している。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例は、降伏強さYSが所望の高強度を確保できていないか、耐SSC性が低下しているか、あるいは両方とも低下している。
鋼材No.1は低Cのため、鋼材No.2は低 Crのため、降伏強さが120ksi(827MPa)未満であり、強度が不足している。また、鋼材No.4とNo.12は、鋳片での加熱温度が低く、所望の偏析軽減効果が十分でなく、Mo偏析度が1.6と偏析が解消されず、耐SSC性が不足している。また、鋼材No.6は、焼入れ温度が高く、旧γ粒径が16μmと粗大化して、強度が低下している。またNo.11は焼入れ回数が1回で、旧γ粒径が17μmと組織の微細化が不足し、強度が低下した。鋼材No.7はCu含有量が、鋼材No.9はP含有量が、鋼材No.15はCr含有量が、鋼材No.16はC含有量が、鋼材No.18はMo含有量が、それぞれ本発明の範囲から外れており、強度や耐SSC性が不足している。鋼材No.14は焼戻し条件が、本発明の範囲から外れて、強度が低下している。また、鋼材No.22は、P/Ti *が本発明の範囲から外れており、耐SSC性が低下している。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C:0.25〜0.35%、 Si:0.10〜0.30%、
    Mn:0.80%以下、 P:0.010%以下、
    S:0.003%以下、 Al:0.003〜0.1%、
    N:0.0040%以下、 Cr:0.5〜0.7%、
    Mo: 0.5〜1.0%、 Cu:0.05〜0.8%、
    Ti:0.015〜0.030%、 Nb:0.005〜0.025%、
    V:0.05〜0.10%、 B:0.0005〜0.0015%
    を含み、かつP、Ti、Nを下記(1)式を満足するように調整して含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成と、下記(2)式で定義されるMo偏析度が1.5以下であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が12μm以下である焼戻マルテンサイト相からなる組織と、を有することを特徴とする耐SSC性に優れた高強度鋼材。

    P/Ti * < 1.6 ‥‥(1)
    ここで、Ti *:有効Ti 量=Ti−3.4×N、
    P、Ti 、N:各元素の含有量(質量%)
    Mo偏析度=Imo/Iave ‥‥(2)
    ここで、Imo:偏析部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の最大値
    Iave:正常部におけるMo-K殻励起の特性X線強度の平均値
  2. 前記組成に加えてさらに、質量%で、Ni:0.1〜1.0%を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐SSC性に優れた高強度鋼材
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