JP2017100109A - フィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排ガス中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能なフィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置を提供することを目的とする。【解決手段】排ガス流路から排ガスの一部を採取する排ガス採取装置に用いられるフィルタであって、排ガス中の煤塵を捕集する第1フィルタ層と、第1フィルタ層に重ねて設けられ、排ガス中の硫黄酸化物と反応する成分を含み、排ガス中の硫黄酸化物及び煤塵を除去する第2フィルタ層と、第2フィルタ層を区分けし、かつ第2フィルタ層よりも排ガスを透過させない仕切り部と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス中の煤塵等を除去するフィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置に関する。
排ガスに含まれるアンモニア濃度を測定するための排ガス採取装置が知られている。特許文献1には、プローブの内部に採取チューブを設け、採取チューブにより排ガスを採取するとともに、採取チューブを洗浄することにより、アンモニアを採取する技術が記載されている。また、特許文献1には、排ガス中の煤塵が採取装置に混入することを防止するために、排ガスを導入する導入管や接続管にフィルタを設けることが記載されている。
特開2012−93156号公報
火力発電所等の排ガス中には、多くの煤塵及び高濃度の三酸化硫黄等の硫黄酸化物が含まれる場合があり、アンモニア濃度の測定誤差の要因となっている。特許文献1には、煤塵及び硫黄酸化物を捕集するためのフィルタの構造について記載されていない。
本発明は、上記課題を解決して、排ガス中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能なフィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によるフィルタは、排ガス流路から排ガスの一部を採取する排ガス採取装置に用いられるフィルタであって、前記排ガス中の煤塵を捕集する第1フィルタ層と、前記第1フィルタ層に重ねて設けられ、前記排ガス中の硫黄酸化物と反応する成分を含み、前記排ガス中の硫黄酸化物及び煤塵を除去する第2フィルタ層と、前記第2フィルタ層を区分けし、かつ前記第2フィルタ層よりも前記排ガスを透過させない仕切り部と、を有する。
これによれば、排ガス流路から採取された排ガスがフィルタ内を透過することにより、排ガス中の煤塵は第1フィルタ層に捕集され、排ガス中の硫黄酸化物及び煤塵は第2フィルタ層を通過する際に除去される。また、第2フィルタ層を区分けする仕切り部を有することにより、排ガスは第2フィルタ層の各部分を順次透過するため、フィルタ機能の低下を抑制しつつ、フィルタの長寿命化を図ることができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2フィルタ層の前記第1フィルタ層と反対側の面に、前記第2フィルタ層よりも前記排ガスを透過させない不透過層が設けられており、前記仕切り部は、前記不透過層との間に間隙を有している。これによれば、排ガスは、仕切り部と不透過層との間隙を通って、区分けされた第2フィルタ層の各部分を順次透過するため、フィルタの長寿命化を図ることができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2フィルタ層はアルカリ成分を含む材料を有しており、前記第2フィルタ層のうち前記排ガス中の硫黄酸化物と反応した反応部分が、前記第2フィルタ層の未反応部分から脱落する。これによれば、第2フィルタ層の機能が低下した反応部分が脱落することで、第2フィルタ層の機能が低下していない未反応部分が露出することとなり、フィルタ機能の低下を抑制することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1フィルタ層は、多孔質のセラミック材料または金属焼結体である。これによれば、確実に排ガス中の煤塵を捕集することができる。また、第1フィルタ層は、脱落した第2フィルタ層の反応部分を捕集することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第1フィルタ層は筒状であり、前記第2フィルタ層は前記第1フィルタ層の外周に設けられており、前記仕切り部は、前記第1フィルタ層の外周に設けられ、前記第1フィルタ層の径方向外側に延び、かつ周方向に連続する。これによれば、円筒状のフィルタとすることで排ガスが透過する第1フィルタ層及び第2フィルタ層の面積を大きくして、効率良く排ガス中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することができる。
本発明の望ましい態様として、前記第2フィルタ層の一端側は、前記排ガスが導入される導入部であり、前記第1フィルタ層の他端側の開口は、前記排ガスが導出される導出部であり、前記仕切り部は、前記導入部側から前記導出部側に向かう方向に複数配列されている。これによれば、第2フィルタ層は、仕切り部によって複数に区分けされ、第2フィルタ層の区分けされた各部分が、導入部側から導出部側に向かう方向に複数配置される。したがって、第2フィルタ層の区分けされた一部分のフィルタ機能が低下した場合に、次の部分の第2フィルタ層に順次排ガスが導入されるため、フィルタ機能の低下を抑制しつつ、長寿命化を図ることができる。
本発明の望ましい態様として、前記仕切り部は、前記第1フィルタ層との接続箇所から前記導入部側に傾斜している。これによれば、排ガスは、仕切り部に沿った経路で第1フィルタ層及び第2フィルタ層を透過するため、フィルタを透過する排ガスの損失を小さくすることができ、効率良く排ガスを採取することができる。
本発明の一態様による排ガス採取装置は、上記に記載のいずれかのフィルタと、前記排ガス流路の外部に配置され、前記排ガスからアンモニアを採取するアンモニア採取部と、前記排ガス流路の内部に一端が配置され、前記排ガス流路の外部に他端が配置される外管と、前記外管の内部に挿通され、前記フィルタの前記導出部と前記アンモニア採取部とを接続する採取管とを有する。
これによれば、排ガス流路の排ガスの一部は、フィルタにより煤塵及び硫黄酸化物が除去されてアンモニア採取部に導入される。したがって、煤塵及び硫黄酸化物による誤差の発生を抑制して、アンモニアの測定精度を向上させることができる。
本発明の一態様によるフィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置によれば、排ガス中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能である。
図1は、実施形態に係る排ガス採取装置を示す模式図である。 図2は、実施形態に係るフィルタの模式断面図である。 図3は、図2のA−A線で切断して矢印方向から見たときの断面図である。 図4は、実施形態に係るフィルタによる排ガス中の煤塵及び硫黄酸化物の除去方法を説明する説明図である。 図5は、変形例に係るフィルタの模式断面図である。
以下、本発明に係るフィルタ及びこれを用いた排ガス採取装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施形態に記載された方法、装置及び変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、実施形態に係る排ガス採取装置を示す模式図である。本実施形態の排ガス採取装置100は、例えば火力発電所等の排ガスGに含まれるアンモニア濃度を測定するために、排ガスGが流れる排ガス流路1から排ガスGを採取する装置である。
図1に示すように、排ガス採取装置100は、フィルタ30と、排ガス採取部10と、アンモニア採取部101とを有する。フィルタ30は、排ガス流路1の内部に配置され、フィルタ30を通過する排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物を除去する。フィルタ30は、脱硝装置160よりも排ガス流路1の下流側に配置される。なお、フィルタ30の詳細な説明は後述する。排ガス流路1は、流路壁2で囲まれる空間であり、例えば石炭火力発電所からの排ガスGを排出する流路である。ただし、排ガス流路1は、石炭火力発電所に限られない。
排ガス流路1の内部を流れる排ガスGは窒素酸化物(NOx)が含まれている。脱硝装置160は、排ガスGから窒素酸化物(NOx)を取り除くために用いられる。脱硝装置160は、排ガスGにアンモニア(NH)を注入し触媒に接触させることによって、窒素酸化物(NOx)を窒素(N)及び水(HO)に分解する。
脱硝装置160が排ガスG中に注入するアンモニアの一部は、窒素酸化物(NOx)と反応せずに触媒を通過することがある。脱硝装置160を通過した排ガスGに含まれるアンモニア(未反応のアンモニア)は、排ガスGに含まれる硫黄酸化物(SOx)と反応して硫酸水素アンモニウム(NHHSO)を生成する。生成された硫酸水素アンモニウムは、脱硝装置160の下流に配置されるエアヒーターを閉塞させる可能性がある。このため、火力発電所を円滑に運転するために、脱硝装置160を通過した排ガスGに含まれるアンモニア濃度を把握する必要がある。
排ガス流路1を流れる排ガスGの一部は、フィルタ30を通過して排ガス採取部10に採取され、アンモニア採取部101に導入される。排ガス採取部10は、外管12と、採取管20と、接続部材15とを備える。外管12は、管状の部材であり、流路壁2を貫通して排ガス流路1の内部と外部とを接続する。外管12は、一方の端部12aが排ガス流路1の内部に配置され、他方の端部12bが排ガス流路1の外部に配置される。一方の端部12aにフィルタ30が接続されることで、フィルタ30が排ガス流路1の内部に固定される。外管12とフィルタ30との接続方法は特に限定されず、例えばねじ部材を用いて接続してもよく、接着剤を用いて接続してもよい。他方の端部12bは、接続部材15を介してアンモニア採取部101に接続される。
外管12は、一方の端部12aに開口13を有し、他方の端部12bに開口14を有する。外管12の内部には、開口13、14を貫通して採取管20が挿通される。外管12は採取管20を覆うことにより、採取管20が高温の排ガスGに直接曝されないようにする。外管12は、例えば、ステンレス等の金属部材によって製造される。
採取管20は、外管12の内部に着脱可能に取り付けられる管状の部材である。採取管20は、一方の端部がフィルタ30に接続されて、フィルタ30を通過した排ガスGが開口21から採取管20に導入される。採取管20は、他方の端部の開口22から排ガスGを導出する。採取管20は、他方の端部がアンモニア採取部101の導入管105と接続される。採取管20の他方の端部と導入管105とは、接続部材15の貫通孔15aの内部で気密に接続される。採取管20は、例えば合成樹脂によって製造され、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂により製造されることが好ましい。また、採取管20は、可撓性を有していてもよい。
アンモニア採取部101は、排ガスGに含まれるアンモニアの量(アンモニア濃度)を分析するために、排ガスGに含まれるアンモニアを採取する。アンモニア採取部101は、JISK0099に規定される「排ガス中のアンモニア分析方法」を実現するための装置である。このアンモニア採取部101は、例えば、吸収液がアンモニアガスを吸収した後、インドフェノール法によってアンモニア濃度を分析(測定)できるように構成される。
図1に示すように、アンモニア採取部101は、第1吸収瓶120と、第2吸収瓶125と、空瓶130と、ポンプ140と、ガスメータ150とを有する。排ガス採取部10と第1吸収瓶120とは、導入管105により接続される。第1吸収瓶120と第2吸収瓶125とは、第1接続管127により接続される。第2吸収瓶125と空瓶130とは、第2接続管132により接続される。空瓶130とポンプ140とは、第3接続管142により接続される。ポンプ140とガスメータ150とは、第4接続管152により接続される。
導入管105は、排ガス採取部10から導出される排ガスGを、一方の端部106から導入し、他方の端部107から第1吸収瓶120へ導出する管である。第1吸収瓶120及び第2吸収瓶125は、例えば密閉可能なガラス製の瓶である。第1吸収瓶120及び第2吸収瓶125には、それぞれ所定量の吸収液110が入っている。吸収液110は、所定濃度のほう酸溶液である。空瓶130は、排ガスGや吸収液110等による汚損等からポンプ140及びガスメータ150を保護する空の瓶である。
なお、導入管105の他方の端部107は、第1吸収瓶120内の吸収液110に浸っている。第1接続管127の一端は、第1吸収瓶120内の吸収液110に浸っておらず、第1接続管127の他端は、第2吸収瓶125内の吸収液110に浸っている。第2接続管132の一端は、第2吸収瓶125内の吸収液110に浸っておらず、第2接続管132の他端は、空瓶130に接続される。
ポンプ140は、排ガスGを吸引して、第1吸収瓶120、第2吸収瓶125及び空瓶130に導入し、ガスメータ150に導出する。ガスメータ150は、吸引される排ガスGの流量を測定する。
本実施形態の排ガス採取装置100のアンモニア採取方法は、ポンプ140を作動させると、排ガス流路1の内部の排ガスGの一部が、フィルタ30及び採取管20を介して採取され、この排ガスGがアンモニア採取部101に導入される。導入管105から導出される排ガスGは、第1吸収瓶120及び第2吸収瓶125の吸収液110に順に導入され、排ガスGに含まれるアンモニアが吸収液110によって吸収される。アンモニアガスが吸収された吸収液110により、アンモニア濃度を分析(測定)することができる。
アンモニア濃度の測定の際に、排ガスG中に含まれる煤塵及び高濃度の三酸化硫黄等の硫黄酸化物が混入すると測定誤差の要因となる場合がある。本実施形態の排ガス採取装置100は、煤塵及び高濃度の三酸化硫黄等の硫黄酸化物を排ガスGから除去するためにフィルタ30が設けられている。次に、図2及び図3を参照してフィルタ30について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るフィルタの模式断面図である。図3は、図2のA−A線で切断して矢印方向から見たときの断面図である。
図2に示すように、フィルタ30は、第1フィルタ層31と、第2フィルタ層32と不透過層35A、35B、35Cと、仕切り部33a、33b、33c、33d、33e、33f、33g、33hと、を有する。
第1フィルタ層31は円筒状の部材であり、第1フィルタ層31の一端側(図2の左側)には開口31Aが設けられ、第1フィルタ層31の他端側(図2の右側)には開口31Bが設けられている。第1フィルタ層31は、開口31Aを覆う蓋部36が設けられ、開口31Bには採取管20が接続されている。採取管20の開口21は、第1フィルタ層31の開口31Bよりも内側に位置している。第1フィルタ層31及び蓋部36で囲まれた内部空間38は、排ガスGが通過する通路であり、排ガスGは内部空間38を通過して採取管20に導出される。第1フィルタ層31の後端側の開口31Bは、排ガスGを外部に導出する導出部である。
第1フィルタ層31は、主に排ガスG中の煤塵を捕集するためのフィルタであり、後述する第2フィルタ層32の脱落部分も捕集する。第1フィルタ層31は、多孔質セラミックや多孔質の金属焼結体が用いられる。具体的には、第1フィルタ層31は、二酸化ケイ素(SiO)、アルミナ(Al)、炭化ケイ素(SiC)等の多孔質セラミックや、ステンレス、ブロンズ等の金属焼結体を用いることができる。第1フィルタ層31は、アンモニア濃度の測定誤差が発生しないように、アンモニア(NH)及び窒素酸化物(NOx)と反応する鉄(Fe)、バナジウム(V)等の金属を含まないことが好ましい。
第2フィルタ層32は、第1フィルタ層31の外周に重ねて設けられている。図2に示すように、フィルタ30の軸方向に沿って第2フィルタ層32は第1フィルタ層31と同じ長さを有している。第2フィルタ層32の厚さは、第1フィルタ層31よりも厚くなっている。また、図3に示すように、第2フィルタ層32は第1フィルタ層31の外周全体に接して設けられている。なお、このような態様に限られず、第2フィルタ層32は第1フィルタ層31と異なる長さであってもよく、第1フィルタ層31の厚さ以下の厚さを有していてもよく、第1フィルタ層31の外周の一部に設けられていてもよい。
第2フィルタ層32は、排ガスG中の硫黄酸化物及び煤塵を捕集するためのフィルタである。第2フィルタ層32は、アルカリ成分を含む多孔質材料が用いられる。第2フィルタ層32は、例えば、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、炭酸マグネシウム(MgCO)等を含む材料を用いることができる。
例えば、三酸化硫黄(SO)を含む排ガスGが、酸化カルシウム(CaO)を含む第2フィルタ層32を透過すると、三酸化硫黄(SO)と第2フィルタ層32のアルカリ成分とが反応し、下記の式(1)のように硫酸カルシウム(CaSO)が生成される。第2フィルタ層32のうち三酸化硫黄(SO)と反応した部分は、脆化して脱落する。脱落した部分は、第1フィルタ層31に捕集される。このようにして、第2フィルタ層32を透過する排ガスG中の硫黄酸化物が除去される。式(1)は、第2フィルタ層32として酸化カルシウム(CaO)を用いた場合を示したが、例えば酸化マグネシウム(MgO)を用いた場合は、式(2)に示すような反応により硫酸マグネシウム(MgSO)が生成されて、排ガスG中の硫黄酸化物が除去される。
CaO+SO→CaSO ・・・ (1)
MgO+SO→MgSO ・・・ (2)
第2フィルタ層32の外周に接して不透過層35Aが設けられている。フィルタ30は、さらに、第2フィルタ層32の一端側に設けられた不透過層35Bと、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32の他端側に設けられた不透過層35Cとを有する。不透過層35A、35B、35Cは、第2フィルタ層32よりも排ガスGが透過しない材料により製造される。不透過層35A、35B、35Cは、例えば酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、二酸化ケイ素(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化ケイ素(SiC)等のセラミック材料や、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、銅(Cu)等の金属材料又はこれらの合金を用いることができる。また、不透過層35A、35B、35Cは、アンモニア濃度の測定誤差が発生しないように、アンモニア(NH)及び窒素酸化物(NOx)と反応する鉄(Fe)、バナジウム(V)等の金属を含まないことが好ましい。
不透過層35Bは、第2フィルタ層32の一端側の面の一部を覆っている。具体的には、第2フィルタ層32の第1フィルタ層31と接する部分の近傍に不透過層35Bが配置され、第2フィルタ層32の一端側の面のうち外周側の部分が露出している。この第2フィルタ層32の露出する部分である導入部32A、32Bから、排ガスGが第2フィルタ層32の内部に導入される。不透過層35B及び導入部32A、32Bは、フィルタ30の軸方向から見たときに、円環状になっている。
また、不透過層35Cは、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32の後端側に設けられている。不透過層35Aは、第2フィルタ層32の外周全体を覆って設けられており、不透過層35Cは、不透過層35Aと連続して、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32の後端側を覆うように設けられている。不透過層35A及び不透過層35Cにより、第2フィルタ層32を透過した排ガスGは排ガス流路1に戻ることが抑制され、確実に採取管20に導入される。
以上のように不透過層35A、35B、35Cを設けることにより、フィルタ30を透過する排ガスGの経路が形成される。具体的には、排ガス流路1内の排ガスGの一部が第2フィルタ層32の一端側の導入部32Aから導入され、第2フィルタ層32及び第1フィルタ層31を透過する。第2フィルタ層32は、排ガスG中の三酸化硫黄等の硫黄酸化物を除去し、さらに第1フィルタ層31は排ガスG中の煤塵を除去する。煤塵及び硫黄酸化物が除去された排ガスGは、内部空間38を通過して開口31Bから採取管20に導出される。
また、フィルタ30は、第1フィルタ層31に複数の仕切り部33a−33hが設けられている。仕切り部33a−33hは、フィルタ30の軸方向に沿って複数配置されている。これにより、第2フィルタ層32は、隣り合う仕切り部33a−33h、第1フィルタ層31、及び不透過層35Aで囲まれた部分に区分けされる。仕切り部33a−33hにより区分けされた第2フィルタ層32の各部分が、フィルタ30の軸方向に沿って配置される。仕切り部33a−33hは、不透過層35A、35B、35Cと同様に、第2フィルタ層32よりも排ガスGが透過しない材料で製造することができる。
複数の仕切り部33a−33hは、それぞれ、第1フィルタ層31に接して外周を囲んで設けられている。図3に示すように、仕切り部33a−33hは、フィルタ30の軸方向から見たときに円環状であり、第1フィルタ層31と同心円状に設けられている(図3では仕切り部33eのみ示す)。また、図2に示すように、複数の仕切り部33a−33hは、それぞれ、第1フィルタ層31の径方向の外側に向かって延びるとともに、第1フィルタ層31との接続箇所から導入部35A、35B側に傾いている板状の部材である。このように仕切り部33a−33hを設けることにより、排ガスGは、隣り合う仕切り部33a−33hの間を通って、第2フィルタ層32、第1フィルタ層31の順に透過する。
仕切り部33a−33hは、仕切り部33a−33hと第1フィルタ層31とのなす角度θが鋭角であることが好ましい。角度θの適切な範囲は、仕切り部33a−33hの強度や厚さによって異なる。仕切り部33a−33hは、角度θが30°以上、150°以下の範囲で傾斜していればよい。こうすれば、排ガスGが仕切り部33a−33hに沿って第2フィルタ層32及び第1フィルタ層31を透過する際の抵抗を小さくすることができる。導入部32A、32B側に配置された仕切り部33aは、第2フィルタ層32の一端側の面に露出する。露出する仕切り部33aよりも径方向内側の部分の第2フィルタ層32は、排ガスGが初めに導入される導入部32Aであり、仕切り部33aよりも径方向外側の部分の第2フィルタ層32は、排ガスGが導入部32Aの後に導入される導入部32Bである。
また、仕切り部33a−33hの外周側の端部は、不透過層35Aとの間に間隙を有して設けられている。仕切り部33a−33hの外周側の端部と不透過層35Aの内周面との間隙には、第2フィルタ層32が設けられる。このような構造により、排ガスGは、不透過層35Aと仕切り部33a−33hとの間隙を透過することができる。つまり、仕切り部33a−33hのうち、例えば、仕切り部33aよりも導入部32A側の部分の第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32のフィルタ機能が低下した場合、排ガスGは、仕切り部33aと不透過層35Aとの間の間隙を通って、仕切り部33aと仕切り部33bとの間の第2フィルタ層32に導入される。このように、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32の一部分のフィルタ機能が低下した場合であっても、フィルタ機能が低下していない次の第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32を透過するように、排ガスGの経路を順次変更することができる。したがって、フィルタ機能の低下を抑制しつつ、長寿命化を図ることができる。
以上のように、本実施形態のフィルタ30及び排ガス採取装置100によれば、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32を有しているため、排ガスG中の硫黄酸化物及び煤塵は第2フィルタ層32を透過する際に除去され、排ガスG中の煤塵は第1フィルタ層31に捕集される。したがって、排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能である。煤塵及び硫黄酸化物が除去された排ガスGがアンモニア採取部101に導入されるため、アンモニア濃度の測定誤差の発生を抑制することができる。
また、本実施形態のフィルタ30は、複数の仕切り部33a−33hを有しているため、仕切り部33a−33hにより第2フィルタ層32が区分けされる。この第2フィルタ層32の区分けされた各部分が、導入部32A側から開口31B側に向かう方向に複数配置される。したがって、第2フィルタ層32の一部分のフィルタ機能が低下した場合に、次の部分の第2フィルタ層32に順次、排ガスGが導入されるため、フィルタ機能の低下を抑制しつつ、長寿命化を図ることができる。
次に、図4を参照してフィルタ30の排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物の除去方法について説明する。図4は、実施形態に係るフィルタによる排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物の除去方法を説明する説明図である。なお、図4各図は、フィルタ30の導入部32A、32B側の一部を軸方向に沿って切断して、拡大して示す部分拡大断面図である。図4各図に示す排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物の除去方法は、フィルタ30の周方向において同様に進行する。ただし、フィルタ30の周方向において除去の進行速度が異なっていてもよい。
図4に示すように、フィルタ30の導入部32A、32B側から開口31B(図2参照)側に向かって仕切り部33a、33b、33c、33d・・・が配列される。ここで、第1フィルタ層31のうち、仕切り部33aとの接続箇所と蓋部36との間の部分を第一部分31aとする。仕切り部33aとの接続箇所と、仕切り部33bとの接続箇所との間に位置する部分を第二部分31bとする。同様に、仕切り部33bとの接続箇所と、仕切り部33cとの接続箇所との間に位置する部分を第三部分31cとし、仕切り部33cとの接続箇所と、仕切り部33dとの接続箇所との間に位置する部分を第四部分31dとする。また、第2フィルタ層32のうち、仕切り部33aと不透過層35Bとの間の部分を第一部分32a、仕切り部33aと仕切り部33bとの間の部分を第二部分32b、仕切り部33bと仕切り部33cとの間の部分を第三部分32c、仕切り部33cと仕切り部33dとの間の部分を第四部分32dとする。
本実施形態では、第2フィルタ層32は、不透過層35Bと仕切り部33aとの間に露出する導入部32Aと、仕切り部33aと不透過層35Aとの間の間隙39に露出する導入部32Bとを有する。初めに、ポンプ140(図1参照)の吸引により、排ガスGが第2フィルタ層32の導入部32A、32Bに導入される。排ガスGは、ポンプ140により図2に示す開口31B側に吸引される。このため、導入部32A、32Bから第2フィルタ層32に導入された排ガスGは、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32の中心軸側に吸引されて内部空間38に導出する。
ここで、排ガスGは、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32を透過する際の損失(抵抗)が小さくなるように透過するため、導入部32Aと導入部32Bを比較すると、内部空間38により近い導入部32Aから優先して導入される。また、不透過層35Bの高さ(径方向の長さ)を小さくし、導入部32Aの面積を導入部32Bの面積よりも大きくしてもよい。こうすれば、排ガスGが導入部32Aに導入される際の損失が導入部32Bに比べて小さくなるため、排ガスGは導入部32Aに優先して導入される。
図4のステップST1に示すように、排ガスGが第2フィルタ層32の第一部分32aに流入すると、排ガスG中の煤塵が第一部分32aに捕集されるとともに、排ガスG中の三酸化硫黄(SO)と第一部分32aのアルカリ成分とが反応し、上述の式(1)に従って硫酸カルシウム(CaSO)が生成される。排ガスGは、第2フィルタ層32に比べて仕切り部33aを透過しにくい、若しくは透過しない。このため、排ガスGは、仕切り部33aに沿って第2フィルタ層32の第一部分32a及び第1フィルタ層31の第一部分31aを透過する。排ガスGは、第1フィルタ層31でさらに煤塵が捕集されて、内部空間38を通って図2に示す開口31Bからアンモニア採取部101に導出される。第2フィルタ層32の第一部分32aのうち、三酸化硫黄(SO)と反応した反応部分は脆くなり、第一部分32aに捕集された煤塵とともに未反応部分から剥離、脱落する。これにより、第一部分32aの未反応部分が新たなフィルタ面として露出し、煤塵及び三酸化硫黄(SO)の除去が可能となる。第一部分32aの脱落した部分は、固着物37として第一部分32aに捕集されて、第一部分32aの内部空間38側に吸引されて固着する。
図4のステップST2に示すように、さらに排ガスGが導入されて、排ガスG中の三酸化硫黄(SO)と第2フィルタ層32のアルカリ成分とが反応することで、第2フィルタ層32の第一部分32aの剥離、脱落が繰り返される。第1フィルタ層31の第一部分31aが第2フィルタ層32から露出するとともに、脱落した第2フィルタ層32の第一部分32aが第1フィルタ層31の第一部分31aに捕集されて、固着物37が第一部分31aの外周に固着する。第1フィルタ層31の第一部分31aのうち固着物37が固着した部分は、排ガスGを透過させることができなくなり、フィルタ機能が低下する。このため、排ガスGは、仕切り部33aと固着物37との間の、第2フィルタ層32の第一部分32a及び第1フィルタ層31の第一部分31aを透過する。
なお、不透過層35Bが多孔質セラミック材料で構成されていると、不透過層35Bが脆性を有しているので、不透過層35B自体で形状を保つことができない場合がある。このため、不透過層35Bを支える部分の第2フィルタ層32が剥離、脱落すると、第2フィルタ層32とともに不透過層35Bも脱落する。脱落した不透過層35Bは、第1フィルタ層31に捕集される。また、不透過層35Bが薄膜状の金属材料で構成されていると、不透過層35B自体で形状を保つことができない場合がある。この場合も、不透過層35Bを支える部分の第2フィルタ層32が剥離、脱落すると不透過層35Bも脱落する。
図4のステップST3に示すように、さらに第2フィルタ層32の第一部分32aの剥離、脱落が進行し、第1フィルタ層31の第一部分31aに固着物37が固着する領域が拡大する。固着物37は、第一部分31aの導入部32A側から、仕切り部33aと第1フィルタ層31とが接続された箇所の近傍まで固着する。このため、第1フィルタ層31の第一部分31aのフィルタ機能が低下して、排ガスGは、第1フィルタ層31の第一部分31aを透過しにくくなる。
図4のステップST4に示すように、固着物37が仕切り部33aまで達すると、排ガスGは、第1フィルタ層31の第一部分31aを透過することが困難になる。排ガスGは、第1フィルタ層31の第一部分31aを透過する際の損失(抵抗)が、導入部32Bを透過する際の損失(抵抗)よりも大きくなる。このため、排ガスGは、仕切り部33aの端部と不透過層35Aとの間の導入部32Bから第2フィルタ層32の第二部分32bに導入される。
ここで、仕切り部33bと不透過層35Aとの間の間隙39は、仕切り部33aと仕切り部33bとの間隔よりも狭くなっている。このため、排ガスGが仕切り部33aと仕切り部33bとの間を透過する際の損失(抵抗)は、間隙39を透過する際の損失(抵抗)よりも小さくなる。したがって、第2フィルタ層32の第二部分32bに導入された排ガスGは、第2フィルタ層32の第二部分32b及び第1フィルタ層31の第二部分31bを透過して内部空間38に導出される。これにより、排ガスG中の三酸化硫黄(SO)及び煤塵が第二部分32bに捕集されるとともに、排ガスG中の煤塵及び脱落した第二部分32bが第1フィルタ層31の第二部分31bに捕集される。第2フィルタ層32の第二部分32bが剥離、脱落するとともに、脱落した第二部分32bの外周に位置する不透過層35Aが脆化して脱落してもよい。
上述した第一部分32aと同様に、第二部分32bの剥離、脱落が進行して、第1フィルタ層31の第二部分31bが固着物(図示しない)で塞がれると、第1フィルタ層31の第二部分31bのフィルタ機能が低下する。このため、第1フィルタ層31の第二部分31bに比べて、排ガスGが仕切り部33bと不透過層35Aとの間の間隙39を透過する際の損失(抵抗)が小さくなる。このため、排ガスGは、仕切り部33bと不透過層35Aとの間の間隙39を透過して第2フィルタ層32の第三部分32cに導入される。これを繰り返すことにより、排ガスGは、複数の仕切り部33a、33b、33c、33d・・・で区分けされた第2フィルタ層32の第一部分32a、第二部分32b、第三部分32c、第四部分32d、・・・及び、第1フィルタ層31の第一部分31a、第二部分31b、第三部分31c、第四部分31d、・・・を順次透過する。
このように、本実施形態のフィルタ30は、複数の仕切り部33を設けることにより、第1フィルタ層31の一部分及び第2フィルタ層32の一部分のフィルタ機能が低下した場合、次の新しい第1フィルタ層31の一部分及び第2フィルタ層32の一部分を透過するように、排ガスGの経路が順番に変更される。このため、フィルタ30のフィルタ機能の低下を抑制するとともに長寿命化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態のフィルタ30は、排ガス流路1から排ガスGの一部を採取する排ガス採取装置100に用いられるフィルタ30であって、排ガスG中の煤塵を捕集する第1フィルタ層31と、第1フィルタ層31に重ねて設けられ、排ガスG中の硫黄酸化物と反応する成分を含み、排ガスG中の硫黄酸化物及び煤塵を除去する第2フィルタ層32と、第2フィルタ層32を区分けし、かつ第2フィルタ層32よりも排ガスGを透過させない仕切り部33a−33hと、を有する。
この構成によれば、排ガスG中の硫黄酸化物及び煤塵は第2フィルタ層32を通過する際に除去され、排ガス中の煤塵は第1フィルタ層31に捕集される。したがって、排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能である。また、仕切り部33a−33hを設けることにより、第1フィルタ層31の一部分及び第2フィルタ層32の一部分のフィルタ機能が低下した場合に、フィルタ機能が低下していない部分に排ガスGを導入させることができる。このため、フィルタ30のフィルタ機能の低下を抑制するとともにフィルタ30の長寿命化が可能である。
本実施形態のフィルタ30において、第2フィルタ層32の第1フィルタ層31と反対側の面に、第2フィルタ層32よりも排ガスGを透過させない不透過層35Aが設けられており、仕切り部33a−33hは、不透過層35Aとの間に間隙39を有していることが好ましい。これによれば、排ガスGは、仕切り部33a−33hと不透過層35Aとの間を通って次の第2フィルタ層32の区分けされた部分に導入される。したがって、区分けされた第2フィルタ層32の各部分を順次透過するように排ガスGの経路が設定され、フィルタ30の長寿命化を図ることができる。
本実施形態のフィルタ30において、第2フィルタ層32はアルカリ成分を含む材料を有しており、第2フィルタ層32のうち排ガスG中の硫黄酸化物と反応した反応部分が、第2フィルタ層32の未反応部分から脱落する。これによれば、第2フィルタ層32の機能が低下した反応部分が脱落することで、第2フィルタ層32の機能が低下していない未反応部分が露出することとなり、フィルタ機能の低下を抑制することができる。
本実施形態のフィルタ30において、第1フィルタ層31は、多孔質のセラミック材料または金属焼結体である。これによれば、第1フィルタ層31は、確実に排ガスG中の煤塵を捕集することができる。また、第1フィルタ層31は、第2フィルタ層32のうち脱落した反応部分も捕集することができる。
本実施形態のフィルタ30において、第1フィルタ層31は筒状であり、第2フィルタ層32は第1フィルタ層31の外周に設けられており、仕切り部33a−33hは、第1フィルタ層31の外周に設けられ、第1フィルタ層31の径方向に延び、かつ周方向に連続する。これによれば、排ガスGの流路がフィルタ30の中心軸に対して対称に形成されるため、効率良く排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することができる。
本実施形態のフィルタ30において、第2フィルタ層32の一端側は、排ガスGが導入される導入部32A、32Bであり、第1フィルタ層31の他端側の開口31Bは、排ガスGが導出される導出部であり、仕切り部33a−33hは、導入部32A側から開口31B(導出部)側に向かう方向に複数配列されていることが好ましい。これによれば、排ガス流路1からフィルタ30内に導入された排ガスGは、第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32を通過して開口31Bから外部に導出される。仕切り部33a−33hによって第2フィルタ層32は複数に区分けされ、第2フィルタ層32の区分けされた各部分が、導入部32A側から開口31B側に向かう方向に複数配列される。仕切り部33a−33hによって排ガスGの流れ方向が設定され、第2フィルタ層32の区分けされた部分ごとに排ガスGが通過するように設定できる。したがって、第2フィルタ層32の区分けされた一部分のフィルタ機能が低下した場合に、次の部分の第2フィルタ層32に順次、排ガスGが導入されるため、フィルタ機能の低下を抑制しつつ、長寿命化を図ることができる。
本実施形態のフィルタ30において、仕切り部33a−33hは、第1フィルタ層31との接続箇所から導入部32A側に傾斜していることが好ましい。これによれば、排ガスGは、仕切り部33a−33hに沿った経路で第1フィルタ層31及び第2フィルタ層32を通過するため、排ガスGの損失を小さくすることができ、効率良く排ガスGを採取することができる。
本実施形態の排ガス採取装置100は、フィルタ30と、排ガス流路1の外部に配置され、排ガスGからアンモニアを採取するアンモニア採取部101と、排ガス流路1の内部に一端が配置され、排ガス流路1の外部に他端が配置される外管12と、外管12の内部に挿通され、フィルタ30の開口31B(導出部)とアンモニア採取部101とを接続する採取管20とを有する。
これによれば、排ガス流路1の排ガスGの一部は、フィルタ30により煤塵及び硫黄酸化物が除去されてアンモニア採取部101に導入される。したがって、煤塵及び硫黄酸化物による誤差の発生を抑制して、アンモニアの測定精度を向上させることができる。
(変形例)
図5は、本実施形態の変形例に係るフィルタの模式断面図である。変形例のフィルタ30Aは、仕切り部33Aの構成が異なっている。本変形例の仕切り部33Aは、らせん状であり、周方向の位置の変化に伴って軸方向の位置が変化するように設けられている。本変形では、仕切り部33Aは、一端側から他端側まで連続して一体に設けられている。
本変形例は、第2フィルタ層32は、仕切り部33Aに沿ってらせん状に設けられるため、第2フィルタ層32の反応部分の剥離、脱落は、仕切り部33Aに沿ってらせん状に進行する。このような態様であっても、排ガスG中の硫黄酸化物及び煤塵は第2フィルタ層32を通過する際に除去され、脱落した第2フィルタ層32の反応部分及び排ガスG中の煤塵は第1フィルタ層31に捕集される。したがって、排ガスG中の煤塵及び硫黄酸化物を除去することが可能である。また、らせん状の仕切り部33Aに沿って、未反応部分の第2フィルタ層32が順次露出するため、フィルタ30Aの長寿命化が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態の内容によりこの発明が限定されるものではなく、適宜変更することができる。例えば、第1フィルタ層31は、円筒形状であり、その内側に内部空間38を有しているが、これに限定されない。第1フィルタ層31は、例えば内部が充填された柱状であってもよい。図2、図4及び図5に示すように、仕切り部33a、33Aは、第2フィルタ層32の導入部32A、32B側に露出しているが、これに限定されず、仕切り部33a、33Aは第2フィルタ層32の導入部32A、32B側の面と間隔を有して配置されていてもよい。
また、本実施形態のフィルタ30は、断面視で円形の筒状であるが、これに限定されるものではなく、断面が多角形状、楕円形状等の中空筒であってもよい。また、フィルタ30は、平板状のフィルタであってもよい。
1 排ガス流路
2 流路壁
10 排ガス採取部
12 外管
13、14 開口
15 接続部材
20 採取管
21 開口
30、30A フィルタ
31 第1フィルタ層
31a 第一部分
31b 第二部分
31c 第三部分
31d 第四部分
31A 開口
31B 開口
32 第2フィルタ層
32a 第一部分
32b 第二部分
32c 第三部分
32d 第四部分
32A、32B 導入部
33a−33h、33A 仕切り部
35A、35B、35C 不透過層
36 蓋部
37 固着物
38 内部空間
39 間隙
100 排ガス採取装置
101 アンモニア採取部
105 導入管
110 吸収液
120 第1吸収瓶
125 第2吸収瓶
130 空瓶
140 ポンプ
150 ガスメータ
G 排ガス

Claims (8)

  1. 排ガス流路から排ガスの一部を採取する排ガス採取装置に用いられるフィルタであって、
    前記排ガス中の煤塵を捕集する第1フィルタ層と、
    前記第1フィルタ層に重ねて設けられ、前記排ガス中の硫黄酸化物と反応する成分を含み、前記排ガス中の硫黄酸化物及び煤塵を除去する第2フィルタ層と、
    前記第2フィルタ層を区分けし、かつ前記第2フィルタ層よりも前記排ガスを透過させない仕切り部と、を有するフィルタ。
  2. 前記第2フィルタ層の前記第1フィルタ層と反対側の面に、前記第2フィルタ層よりも前記排ガスを透過させない不透過層が設けられており、
    前記仕切り部は、前記不透過層との間に間隙を有している請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記第2フィルタ層はアルカリ成分を含む材料を有しており、前記第2フィルタ層のうち前記排ガス中の硫黄酸化物と反応した反応部分が、前記第2フィルタ層の未反応部分から脱落する請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記第1フィルタ層は、多孔質のセラミック材料または金属焼結体である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフィルタ。
  5. 前記第1フィルタ層は筒状であり、
    前記第2フィルタ層は前記第1フィルタ層の外周に設けられており、
    前記仕切り部は、前記第1フィルタ層の外周に設けられ、前記第1フィルタ層の径方向に延び、かつ周方向に連続する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフィルタ。
  6. 前記第2フィルタ層の一端側は、前記排ガスが導入される導入部であり、前記第1フィルタ層の他端側の開口は、前記排ガスが導出される導出部であり、
    前記仕切り部は、前記導入部側から前記導出部側に向かう方向に複数配列されている請求項5に記載のフィルタ。
  7. 前記仕切り部は、前記第1フィルタ層との接続箇所から前記導入部側に傾斜している請求項6に記載のフィルタ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフィルタと、
    前記排ガス流路の外部に配置され、前記排ガスからアンモニアを採取するアンモニア採取部と、
    前記排ガス流路の内部に一端が配置され、前記排ガス流路の外部に他端が配置される外管と、
    前記外管の内部に挿通され、前記フィルタの前記導出部と前記アンモニア採取部とを接続する採取管とを有する排ガス採取装置。
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