JP2013160525A - 窒素酸化物計測器 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気ガス中の二酸化窒素を確実に一酸化窒素へ還元することにより、排気ガスにおける窒素酸化物の濃度を正確に計測することができる。
【解決手段】排気ガスを採取する採取管2と、採取管2により採取した排気ガスが導入されることで、排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置3とを備え、採取管2は、排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元させる還元触媒を有する還元採取管2Aと、還元作用を有さない不活性採取管2Bと、を有し、分析装置3に、還元採取管2Aにより採取される排気ガスと不活性採取管2Bによって採取される排気ガスとが選択的に導入される構成の窒素酸化物計測器1を提出する。
【選択図】図1
【解決手段】排気ガスを採取する採取管2と、採取管2により採取した排気ガスが導入されることで、排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置3とを備え、採取管2は、排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元させる還元触媒を有する還元採取管2Aと、還元作用を有さない不活性採取管2Bと、を有し、分析装置3に、還元採取管2Aにより採取される排気ガスと不活性採取管2Bによって採取される排気ガスとが選択的に導入される構成の窒素酸化物計測器1を提出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、排気ガスについて窒素酸化物の濃度を計測する窒素酸化物計測器に関する。
従来、ガスタービンやガスエンジンから排出される排気ガスについて、窒素酸化物(NOx)の濃度を計測する方法及び計測器としては、JIS(日本工業規格)等に規格が定められている。このうち、窒素酸化物の濃度を連続的に計測する方法としては、いわゆる化学発光法が広く用いられている。この化学発光法とは、一酸化窒素(NO)がオゾンとの化学反応に伴って光子を放出する現象を利用するものであって、その発光量を検出することにより、排気ガス中における窒素酸化物(NOx)の濃度を計測する。
一般に窒素酸化物として一酸化窒素(NO)と二酸化窒素(NO2)とに大別されるが、ガスタービンやガスエンジンを低負荷で運転した時の排気ガスには二酸化窒素(NO2)が多く含有している。この二酸化窒素は、水に溶けやすいという特性を有している。従って、窒素酸化物計測器によって窒素酸化物の濃度を計測する場合、経路上で二酸化窒素が水に溶解して損失することにより、排気ガスを化学的に成分分析した場合と比較して、窒素酸化物の濃度が低く計測されるという問題がある。ここで、経路上において二酸化窒素が損失する箇所としては、採取した排気ガスを計測器へ導入する導管の内部や、計測器の内部にて排気ガスに前処理を行う除湿器等が挙げられる。
このような二酸化窒素の損失の問題を防止する手段としては、導管を加熱することで導管内の水を除去する方法や、導管を高速に吸引することで二酸化窒素の水への接触時間を短くする方法があるが、その効果は十分ではない。
また、二酸化窒素の損失の問題を防止する他の手段としては、排気ガスを採取する採取管の材質をニッケル合金とし、この採取管に接触した二酸化窒素を一酸化窒素に還元する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、排気ガス中の二酸化窒素が水に溶けにくい一酸化窒素になるため、二酸化窒素の損失の問題を低減することができる。
しかしながら、従来の窒素酸化物計測器では、採取管とその内部を流れる排気ガスとの接触が悪いため、二酸化窒素の一酸化窒素への還元率が低く且つ不安定であるという問題があった。
また、従来の窒素酸化物計測器では、採取管の温度が低いため、二酸化窒素の一酸化窒素への還元反応が進みにくいという問題もあり、その点で改善の余地があった。
また、従来の窒素酸化物計測器では、採取管の温度が低いため、二酸化窒素の一酸化窒素への還元反応が進みにくいという問題もあり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、排気ガス中の二酸化窒素を確実に一酸化窒素へ還元することにより、排気ガスにおける窒素酸化物の濃度を正確に計測することができる窒素酸化物計測器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る窒素酸化物計測器では、排気ガスを採取する採取管と、採取管により採取した排気ガスが導入されることで、排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置と、を備える窒素酸化物計測器であって、採取管は、排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元させる還元触媒を有する第1採取管と、還元作用を有さない第2採取管と、を有し、分析装置に、第1採取管により採取される排気ガスと第2採取管によって採取される排気ガスとが選択的に導入されることを特徴としている。
本発明では、還元触媒を有する第1採取管は、その管内の還元触媒の面積を大きくすることが容易であり、管内を流れる排気ガスを還元触媒に十分に接触させることが可能となるため、例えばステンレス鋼からなる採取管内に排気ガスを流通させる場合に比べて高い還元率を有し、内部を流通する排気ガス中のすべての二酸化窒素を一酸化窒素に還元することができる。
一方、還元作用を有さない第2採取管の内部を流通する排気ガスは、排気ガス中の二酸化窒素は還元されることがなく、二酸化窒素と一酸化窒素の濃度比率を変えずに流通する。そのため、第1採取管と第2採取管とを同時に排気ガス採取箇所に設け、それら第1採取管と第2採取管を選択的に切り換えて、それぞれの排気ガスを分析装置に導入することで、採取管ごとに窒素酸化物濃度と一酸化窒素濃度とを分別して計測することができる。
このとき、第2採取管から計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、二酸化窒素の還元分が混合していない純粋な濃度である。一方、第1採取管から計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、純粋な一酸化窒素と、二酸化窒素が還元された一酸化窒素とが混合した状態の濃度となる。したがって、この窒素酸化物計測器では、第1採取管の計測濃度と第2採取管の計測濃度との濃度差分を採取した排気ガス中の二酸化窒素の濃度として取り扱うことができる。
一方、還元作用を有さない第2採取管の内部を流通する排気ガスは、排気ガス中の二酸化窒素は還元されることがなく、二酸化窒素と一酸化窒素の濃度比率を変えずに流通する。そのため、第1採取管と第2採取管とを同時に排気ガス採取箇所に設け、それら第1採取管と第2採取管を選択的に切り換えて、それぞれの排気ガスを分析装置に導入することで、採取管ごとに窒素酸化物濃度と一酸化窒素濃度とを分別して計測することができる。
このとき、第2採取管から計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、二酸化窒素の還元分が混合していない純粋な濃度である。一方、第1採取管から計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、純粋な一酸化窒素と、二酸化窒素が還元された一酸化窒素とが混合した状態の濃度となる。したがって、この窒素酸化物計測器では、第1採取管の計測濃度と第2採取管の計測濃度との濃度差分を採取した排気ガス中の二酸化窒素の濃度として取り扱うことができる。
また、この窒素酸化物計測器によれば、第1採取管で採取される排気ガス中の二酸化窒素が第1採取管内で水に溶けにくい一酸化窒素になるため、二酸化窒素の損失の問題を低減することができる。
また、本発明に係る窒素酸化物計測器では、第1採取管には、還元作用を有する還元触媒に排気ガスが通過し得るように充填されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1採取管の内部に還元触媒が充填された状態で設けられており、その充填された還元触媒に管内を流通するすべての排ガスが通過するので、排ガス中の二酸化窒素をより確実に一酸化窒素に還元することができる。
また、本発明に係る窒素酸化物計測器では、還元触媒形状が、粒状、メッシュ状、発泡状およびウール状のいずれかであることが好ましい。
この場合、排気ガスが還元触媒を通過する際にこれらと接触する面積は、排気ガスが第1採取管を流通する際に第1採取管の管本体と接触する面積より広い。したがって、排気ガス中の二酸化窒素がより確実に一酸化窒素へ還元される。
また、本発明に係る窒素酸化物計測器では、第1採取管には、還元触媒を加熱するヒータが設けられていることが好ましい。
本発明では、制御部がヒータの動作を制御することによって還元触媒が加熱されるため、二酸化窒素から一酸化窒素への還元反応が一層促進される。
本発明の窒素酸化物計測器によれば、排気ガス中の二酸化窒素を確実に一酸化窒素へ還元することにより、排気ガスにおける窒素酸化物の濃度を正確に計測することができる。
以下、本発明の実施の形態による窒素酸化物計測器について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本第1の実施の形態の窒素酸化物計測器1は、排ガスを採取する採取管2(2A、2B)と、採取管2により採取した排気ガスが導入されることで、排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置3と、を備えている。
図1に示すように、本第1の実施の形態の窒素酸化物計測器1は、排ガスを採取する採取管2(2A、2B)と、採取管2により採取した排気ガスが導入されることで、排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置3と、を備えている。
図2に示すように、採取管2は、前記排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元させる還元作用を有する還元採取管2A(第1採取管)と、前記還元作用を有さない不活性採取管2B(第2採取管)と、を有している。
不活性採取管2Bは、還元性能を有しないアルミ製などの金属管の部材からなり、一酸化窒素の計測用として使用されるものである。なお、アルミのほかに、例えばガラス、セラミックなどの部材を採用することも可能である。
ここで、採取管2Aに充填される触媒量は、SV(空間速度)=5000〜30000(H−1)とされる。
図2および図3に示すように、還元採取管2Aは、断面略円形の管状部材である管本体21と、採取先端部に位置する筒状の採取口部22と、管本体21と採取口部22との間に介在された還元触媒充填部23と、を有している。還元触媒充填部23の内部には、採取口部22に連通する充填管24内に充填されたNOx還元触媒25が設けられている。
ここで、管本体21の材質としては、ステンレス鋼、ニッケル鋼、炭素鋼等を用いることができる。
採取口部22は、還元触媒充填部23内の開口22aの全体がNOx還元触媒25に接触した状態で配置されている。すなわち、還元触媒充填部23では、採取口部22から還元触媒充填部23内に流入した排ガスのすべてがNOx還元触媒25を通過し、二酸化窒素から一酸化窒素に還元された排ガスが管本体21へ向けて流通する構成となっている。
さらにNOx還元触媒25の材料として、排ガス温度500℃以上での耐熱性を有するコージェライト、ムライト、アルミナなどの無機酸化物セラミックス基材に多孔質担体をコートし、さらに活性金属を担持した還元性能を確保したものを採用することができる。例えば、NOx還元触媒25の具体例として、アルミナ、シリカ、およびゼオライト(多孔質担体)に対して、白金を担持したもの。また、アルミナ、シリカ、およびゼオライト(多孔質担体)に対して、パラジウム、ロジウムを担持したもの。あるいは、アルミナ、シリカ、ゼオライト(多孔質担体)に対して白金、パラジウム、バナジウム、タングステン、イリジウム、ルビジウムのうち一つ以上を担持したものがある。
また、NOx還元触媒25は、粒状、メッシュ状、発泡状、ウール状などの空気抵抗が小さな部材形状のものであって、採取口部22より流入する排ガスの接触面積を大きくして充填可能なものが好ましい。
図1に示すように、このように構成される採取管2A、2Bは、不図示のガスタービンやガスエンジンから排出された排気ガスが流通する煙道4に装着される。より詳細には、煙道4の壁面5に形成された採取用穴5aに対し、排気ガスの流れに略直交するように還元採取管2Aおよび不活性採取管2Bを挿入することにより取り付ける。
図1に示す分析装置3は、還元採取管2Aにより採取される排気ガスと不活性採取管2Bによって採取される排気ガスとが選択的に導入される構成となっている。
具体的に分析装置3は、一対の導入口31A、31Bを有し、これら導入口31A、31Bのそれぞれに対して前記還元採取管2Aおよび不活性採取管2Bに接続されて延在する導管26A、26Bが接続されている。この導入口31A、31Bに対し、排気ガス流路32の分岐されたそれぞれ(分岐流路32A、32B)の一端部が接続される。なお、本実施の形態の分析装置3は、本発明に係る分析装置の一例であって、適宜設計変更が可能である。
具体的に分析装置3は、一対の導入口31A、31Bを有し、これら導入口31A、31Bのそれぞれに対して前記還元採取管2Aおよび不活性採取管2Bに接続されて延在する導管26A、26Bが接続されている。この導入口31A、31Bに対し、排気ガス流路32の分岐されたそれぞれ(分岐流路32A、32B)の一端部が接続される。なお、本実施の形態の分析装置3は、本発明に係る分析装置の一例であって、適宜設計変更が可能である。
排気ガス流路32の分岐流路32A、32Bには、それぞれに開閉弁33A、33Bが設けられている。また、分岐流路32A、32Bの合流部32aよりも下流側には、除湿器34が設けられている。この除湿器34は、排気ガスを冷却してその水分を凝縮させることにより、ドレンとして回収する役割を果たすものである。
さらに、排気ガス流路32に沿って除湿器34の下流側には、排気ガス中に含まれるミストを回収する二次フィルタ35が設けられている。また、この二次フィルタのさらに下流側には、上流側の排気ガスを吸引して下流側へ送出する吸引ポンプ36が設けられている。
また、排気ガス流路32に沿って吸引ポンプ36の下流側には、内部に所定の触媒を有したコンバータ37が設置されており、排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元する。その後、コンバータ37は、排気ガス中の一酸化窒素をオゾンで酸化することにより、その全てを二酸化窒素に変化させる。
また、排気ガス流路32に沿ってコンバータ37の下流側には、排気ガス流路32の開度を調節する絞り弁38と、排気ガス流路32の開閉を切り換える切換弁39と、排気ガスの流量を計測する流量計40と、が上流から下流に向かう順に設けられている。
そして、排気ガス流路32に沿って流量計40の下流側には、分析計41が設けられている。この分析計41は、一酸化窒素がオゾンとの反応によって二酸化窒素に変化する際の発光量を計測することにより、排気ガス中に含まれる窒素酸化物の濃度を算出する。そして、この分析計41による分析結果が、指示記録計42に出力されて記録される。その後、分析計41を通過した排気ガスは、窒素酸化物計測器1の外部へ排出される。
次に、上述した構成の窒素酸化物計測器1の作用について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態による窒素酸化物計測器1では、NOx還元触媒25を有する還元採取管2Aは、その管内の還元触媒の面積を大きくすることが容易であり、管内を流れる排気ガスをNOx還元触媒25に十分に接触させることが可能となるため、例えばステンレス鋼からなる採取管内に排気ガスを流通させる場合に比べて高い還元率を有し、内部を流通する排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元することができる。
一方、還元作用を有さない不活性採取管2Bの内部を流通する排気ガスは、排気ガス中の二酸化窒素は還元されることがなく、二酸化窒素と一酸化窒素の濃度比率を変えずに流通する。
図1に示すように、本実施の形態による窒素酸化物計測器1では、NOx還元触媒25を有する還元採取管2Aは、その管内の還元触媒の面積を大きくすることが容易であり、管内を流れる排気ガスをNOx還元触媒25に十分に接触させることが可能となるため、例えばステンレス鋼からなる採取管内に排気ガスを流通させる場合に比べて高い還元率を有し、内部を流通する排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元することができる。
一方、還元作用を有さない不活性採取管2Bの内部を流通する排気ガスは、排気ガス中の二酸化窒素は還元されることがなく、二酸化窒素と一酸化窒素の濃度比率を変えずに流通する。
そのため、還元採取管2Aと不活性採取管2Bとを同時に排気ガス採取箇所に設け、それら還元採取管2Aと不活性採取管2Bを選択的に切り換えて、それぞれの排気ガスを分析装置3に導入することで、窒素酸化物濃度と一酸化窒素濃度とを分別して計測することができる。
このとき、不活性採取管2Bから計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、二酸化窒素の還元分が混合していない純粋な濃度である。一方、還元採取管2Aから計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、純粋な一酸化窒素と、二酸化窒素が還元された一酸化窒素とが混合した状態の濃度となる。したがって、この窒素酸化物計測器1では、還元採取管2Aの計測濃度と不活性採取管2Bの計測濃度との濃度差分を採取した排気ガス中の二酸化窒素の濃度として取り扱うことができる(表1参照)。
このとき、不活性採取管2Bから計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、二酸化窒素の還元分が混合していない純粋な濃度である。一方、還元採取管2Aから計測された排気ガス中の一酸化窒素の濃度は、純粋な一酸化窒素と、二酸化窒素が還元された一酸化窒素とが混合した状態の濃度となる。したがって、この窒素酸化物計測器1では、還元採取管2Aの計測濃度と不活性採取管2Bの計測濃度との濃度差分を採取した排気ガス中の二酸化窒素の濃度として取り扱うことができる(表1参照)。
また、この窒素酸化物計測器1によれば、還元採取管2Aで採取される排気ガス中の二酸化窒素が還元採取管2A内で水に溶けにくい一酸化窒素になるため、二酸化窒素の損失の問題を低減することができる。
表1は、本実施の形態の窒素酸化物計測器1の効果を示す一例である。排気ガスを採取する煙道内における一酸化窒素濃度、および二酸化窒素濃度はそれぞれ15ppmであり、窒素酸化物濃度としては30ppmである。
ここで、比較例であるステンレス鋼の部材からなる採取管(SUS管)の場合、窒素酸化物計測器(NOx計)での一酸化窒素濃度は15ppmであり、窒素酸化物濃度が27ppmとなることから、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmより低くなっており、3ppmの二酸化窒素が損失していることがわかる。これに対して、本実施の形態の不活性採取管2Bに相当するアルミ管では、一酸化窒素濃度は15ppmであり、窒素酸化物濃度が25ppmとなり、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmより低くなっており、5ppmの二酸化窒素が損失していることがわかる。そして、本実施の形態の還元採取管2Aに相当するNO2還元触媒充填管では、一酸化窒素は、二酸化窒素の還元した一酸化窒素も混合されているので、正確な一酸化炭素濃度の計測が不可能なため未計測であるが、窒素酸化物濃度は30ppmとなり、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmと一致した濃度を計測できることが確認された。
ここで、比較例であるステンレス鋼の部材からなる採取管(SUS管)の場合、窒素酸化物計測器(NOx計)での一酸化窒素濃度は15ppmであり、窒素酸化物濃度が27ppmとなることから、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmより低くなっており、3ppmの二酸化窒素が損失していることがわかる。これに対して、本実施の形態の不活性採取管2Bに相当するアルミ管では、一酸化窒素濃度は15ppmであり、窒素酸化物濃度が25ppmとなり、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmより低くなっており、5ppmの二酸化窒素が損失していることがわかる。そして、本実施の形態の還元採取管2Aに相当するNO2還元触媒充填管では、一酸化窒素は、二酸化窒素の還元した一酸化窒素も混合されているので、正確な一酸化炭素濃度の計測が不可能なため未計測であるが、窒素酸化物濃度は30ppmとなり、化学分析値の窒素酸化物濃度30ppmと一致した濃度を計測できることが確認された。
したがって、上述した本実施の形態の還元採取管2Aでは、管内での二酸化窒素の損失がないことが確認できることから、還元採取管2Aで採取した排気ガスより計測した窒素酸化物濃度と、不活性採取管2Bで採取した排気ガスより計測した一酸化窒素濃度との差分を二酸化窒素濃度とすることができる。
上述した本第1の実施の形態による窒素酸化物計測器では、排気ガス中の二酸化窒素を確実に一酸化窒素へ還元することにより、排気ガスにおける窒素酸化物の濃度を正確に計測することができる。
次に、本発明の窒素酸化物計測器による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図4に示すように、第2の実施の形態による窒素酸化物計測器は、還元採取管2Aの管本体21の内部で、NOx還元触媒25の断面中心部に埋設されたヒータ6を設けている。
ここで、NO2還元触媒性能は、排ガス温度が500℃以上で60%以上の還元率がある(後述する、図5参照)ことから、ヒータ6を設置して還元採取管2Aの温度を制御することにより、安定した還元性能を有する。なお、ヒータ6の断面形状や長さ、設置位置等は、本実施の形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
図4に示すように、第2の実施の形態による窒素酸化物計測器は、還元採取管2Aの管本体21の内部で、NOx還元触媒25の断面中心部に埋設されたヒータ6を設けている。
ここで、NO2還元触媒性能は、排ガス温度が500℃以上で60%以上の還元率がある(後述する、図5参照)ことから、ヒータ6を設置して還元採取管2Aの温度を制御することにより、安定した還元性能を有する。なお、ヒータ6の断面形状や長さ、設置位置等は、本実施の形態に限定されず適宜設計変更が可能である。
図5には、コージェライトハニカム基材にγ−アルミナをウオッシュコートした触媒担体を使用し、これに白金を0.1〜0.5wt%担持したものを使用したNO2還元触媒の性能を示したものである。
図5に示すように、触媒自体の還元率は80%程度だが、図1に示す分析装置3にも還元コンバータ37が内蔵されており、それらを併用した場合の還元率は95%以上である。
窒素酸化物計には還元コンバータが内蔵されているが、窒素酸化物中の二酸化窒素が多い場合には、その能力不足が懸念される。その不具合を本実施の形態によるNOx還元触媒25にて補完するものであり、本実施の形態の触媒自体の還元性能は、50%以上であれば良い。したがって、二酸化窒素を一酸化窒素に還元して計測する目的に対し、NO2還元触媒性能が60〜80%程度で良いことがわかる。
図5に示すように、触媒自体の還元率は80%程度だが、図1に示す分析装置3にも還元コンバータ37が内蔵されており、それらを併用した場合の還元率は95%以上である。
窒素酸化物計には還元コンバータが内蔵されているが、窒素酸化物中の二酸化窒素が多い場合には、その能力不足が懸念される。その不具合を本実施の形態によるNOx還元触媒25にて補完するものであり、本実施の形態の触媒自体の還元性能は、50%以上であれば良い。したがって、二酸化窒素を一酸化窒素に還元して計測する目的に対し、NO2還元触媒性能が60〜80%程度で良いことがわかる。
以上、本発明による窒素酸化物計測器の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では還元触媒として、還元触媒充填部23内に充填管24を備え、その充填管24内にNOx還元触媒25を充填する構成としているが、このような構成に限定されることはない。例えば、還元触媒として、ステンレス鋼からなる断面略円形をなし、管本体21と略同程度の長さで、且つ管本体21より小径の複数の細管であってもよい。
例えば、本実施の形態では還元触媒として、還元触媒充填部23内に充填管24を備え、その充填管24内にNOx還元触媒25を充填する構成としているが、このような構成に限定されることはない。例えば、還元触媒として、ステンレス鋼からなる断面略円形をなし、管本体21と略同程度の長さで、且つ管本体21より小径の複数の細管であってもよい。
また、本実施の形態では、還元採取管2Aと不活性採取管2Bとの切り替える開閉弁33A、33Bを分析装置3内に設けているが、これら開閉弁33A,33Bを分析装置3の外に設ける構成とすることも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
1 窒素酸化物計測器
2 採取管
2A 還元採取管(第1採取管)
2B 不活性採取管(第2採取管)
3 分析装置
4 煙道
6 ヒータ
21 管本体
22 採取口部
23 還元触媒充填部
24 充填管
25 NOx還元触媒
33A、33B 開閉弁
2 採取管
2A 還元採取管(第1採取管)
2B 不活性採取管(第2採取管)
3 分析装置
4 煙道
6 ヒータ
21 管本体
22 採取口部
23 還元触媒充填部
24 充填管
25 NOx還元触媒
33A、33B 開閉弁
Claims (4)
- 排気ガスを採取する採取管と、
前記採取管により採取した排気ガスが導入されることで、該排気ガスの窒素酸化物の濃度を分析する分析装置と、を備える窒素酸化物計測器であって、
前記採取管は、
前記排気ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に還元させる還元触媒を有する第1採取管と、
前記還元作用を有さない第2採取管と、
を有し、
前記分析装置に、前記第1採取管により採取される排気ガスと前記第2採取管によって採取される排気ガスとが選択的に導入されることを特徴とする窒素酸化物計測器。 - 前記第1採取管には、還元作用を有する還元触媒に排気ガスが通過し得るように充填されていることを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物計測器。
- 前記還元触媒形状が、粒状、メッシュ状、発泡状およびウール状のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の窒素酸化物計測器。
- 前記第1採取管には、前記還元触媒を加熱するヒータが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の窒素酸化物計測器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016080669A (ja) * | 2014-10-22 | 2016-05-16 | 九電産業株式会社 | 排ガス採取用プローブ、リークアンモニア測定装置及び測定方法 |
CN113970542A (zh) * | 2020-07-23 | 2022-01-25 | 富士电机株式会社 | 旋转设备的气体探测装置和方法、定子线圈劣化监视系统 |
KR20220011941A (ko) * | 2020-07-22 | 2022-02-03 | 후지 덴키 가부시키가이샤 | 회전 기기의 가스 검지 장치, 가스 검지 방법 및 고정자 코일 열화 감시 시스템 |
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2012
- 2012-02-01 JP JP2012020036A patent/JP2013160525A/ja active Pending
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