JP2017098370A - 光変換部材及びその製造方法、太陽電池モジュールと太陽電池セル - Google Patents

光変換部材及びその製造方法、太陽電池モジュールと太陽電池セル Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに適切に対応して太陽電池モジュールの発電効率を高める光変換部材及びその製法と、太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】透明基板と、前記透明基板の一方の面上に堆積され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有する0.1μm〜0.3μmの層厚の算術平均粗さ5nm〜20nmの凹凸層と、前記凹凸層上に堆積され、粒径1nm〜10nmのシリコンナノ粒子が分散された酸化ケイ素膜とを備え、前記シリコンナノ粒子は、シリコンからなるシリコンコアと、当該シリコンコアの周囲に形成され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有するシェル層とからなることを特徴とする光変換部材。【選択図】図4

Description

本発明は、光変換部材及びその製造方法と、前記光変換部材を用いた太陽電池モジュールに関する。
半導体で構成される太陽電池は、その半導体のバンドギャップに依存して、吸収する光の範囲が異なる。具体的には、前記半導体のバンドギャップ以上の光子エネルギーを有する光、すなわち、前記バンドギャップに相当する波長以下の光のみが、当該半導体による太陽光発電に寄与する。
このように、構成する半導体によって光吸収スペクトルは異なるので、光吸収スペクトルと太陽光スペクトルのミスマッチによる損失を改善して太陽光発電モジュールの発電効率をあげることが提案されている。例えば、特許文献1には、励起光スペクトルのピーク波長が380nm以上450nm以下、蛍光スペクトルのピーク波長が480nm以上である波長変換剤を用いて封止材を構成する太陽電池モジュールが提案されている。前記波長変換剤は基材樹脂中に分散されており、太陽電池素子に照射された光のうち、外部量子効率が低い領域の波長を量子効率の高い領域の波長へと変換するので、発電効率が向上される。
しかし、特許文献1において、前記波長変換剤は色素等の有機蛍光材料を主に使用しているため、特定の蛍光ピーク波長しか持たず、また、赤色から近赤外の蛍光を発生できない。さらに、有機材料を用いた場合、耐久性が低くなるという問題がある。
特開2015−138829号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに適切に対応して太陽電池モジュールの発電効率を高めることを目的とする。
本発明者らは、上述した問題を解決すべく、太陽光の光変換部材として酸化ケイ素膜を用いて太陽電池モジュール或いは太陽電池セルを構成することを鋭意検討した。
本発明者らは、スパッタリング等の物理蒸着手段を用いてシリコンが分散された酸化ケイ素膜を堆積する過程において、ターゲットから飛来する粒子を基板面に対して斜め入射させ、その角度を制御することによって、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに応じて十分な発光強度を持つシリコンナノ粒子を得ることができることを見出した。
また、前記基板として平滑な透明基板を用いて光変換部材を作製し、前記平滑な透明基板側が太陽光入射側になるように、光変換部材を太陽電池セルの表面上に堆積することにより、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに適切に対応して太陽電池モジュール或いは太陽電池セルの発電効率が高められることを見出し、本発明を達成するに至った。
本発明の目的は、以下の構成により達成される。
(1)透明基板と、前記透明基板の一方の面上に堆積され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有する0.1μm〜0.3μmの層厚の算術平均粗さRaが5nm〜20nmの凹凸層と、前記凹凸層上に積層され、粒径1nm〜10nmのシリコンナノ粒子が分散された酸化ケイ素膜とを備え、前記シリコンナノ粒子は、シリコンからなるシリコンコアと、当該シリコンコアの周囲に形成され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有するシェル層とからなることを特徴とする光変換部材。
(2)前記透明基板表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする(1)に記載の光変換部材。
(3)前記透明基板は、SiOからなる基板であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の光変換部材。
(4)(1)〜(3)に記載の光変換部材がその表面上に積層されたことを特徴とする太陽電池セル。
(5)(4)の太陽電池セルを備えることを特徴とする太陽電池モジュール。
(6) 少なくとも酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))を含むターゲットを用いて、透明基板の一方の面上に、ターゲットの被スパッタ粒子の入射方向が、前記基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記透明基板の温度を300℃以下にして、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含有する雰囲気中でスパッタリングを行って0.1μm〜0.3μmの層厚の算術平均粗さ5nm〜20nmの凹凸層を堆積し、次いで、不活性ガス雰囲気下で前記凹凸層上に、前記被スパッタ粒子の入射方向が、前記透明基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記透明基板の温度を300℃以下にしてスパッタリングを行い、その後、非酸化雰囲気で800℃から1350℃で熱処理することを特徴とする光変換部材の製造方法。
(7)酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))からなる基板上にシリコンチップを配置したターゲットを用いてスパッタリングを行うことを特徴とする(6)に記載の光変換部材の製造方法。
(8)前記凹凸層を堆積する際の雰囲気は、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかとアルゴンガスを含有し、前記雰囲気の全圧は、0.3Pa〜1.5Paであって、酸素分圧及び窒素分圧の合計が前記雰囲気の全圧に対して10%〜50%であることを特徴とする(6)又は(7)に記載の光変換部材の製造方法。
(9)前記スパッタリングにおいて、正対するターゲット面に対し、前記透明基板表面を10°から80°に傾斜させることによりターゲットからの被スパッタ粒子の入射方向を制御することを特徴とする(6)〜(8)のいずれかに記載の光変換部材の製造方法。
(10)前記熱処理を、900℃以上1300℃以下の温度、且つ10分以上120分以下の範囲で行うことを特徴とする(6)〜(9)のうちいずれかに記載の光変換部材の製造方法。
(11)前記熱処理を、窒素ガスまたは窒素化合物ガスが3体積%以上含まれるガス雰囲気にして行うことを特徴とする(6)〜(10)のいずれかに記載の光変換部材の製造方法。
(12)前記基板の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする(6)〜(11)のいずれかに記載の光変換部材の製造方法。
(13)前記透明基板は、SiOからなる基板であることを特徴とする(6)〜(12)のいずれかに記載の光変換部材の製造方法。
本発明によれば、これを太陽電池モジュールに用いた場合、有機化合物を光変換部材に用いていないので、紫外線等の短波長光による光変換部材の劣化が、太陽電池モジュールの耐用年数に影響することはない。また、ナノシリコン粒子のサイズによって蛍光スペクトルを制御することができるので、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに対応して太陽電池モジュール或いは太陽電池セルの発電効率を高めることができる。
(a)及び(b)は本発明に係る光変換部材の製造方法の一実施形態の概略図であり、(a)は凹凸層3bの堆積工程の概略を示し、(b)は酸化ケイ素膜3の積層工程の概略を示す。 光変換部材を用いた太陽電池モジュールの第1実施形態である。 光変換部材を用いた太陽電池セルの第2実施形態である。 本発明及び比較例の光変換部材の蛍光スペクトルである。
本発明に係る光変換部材は、平滑な透明基板と、前記平滑な透明基板の表面上に堆積された酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有する所定粗さの凹凸層と、シリコンナノ粒子を含み且つ前記凹凸層に積層された酸化ケイ素膜とを含むものである。また、本発明の製造方法は、スパッタリングにより、平滑な透明基板の表面上に0.1μm〜0.3μmの層厚で算術平均粗さ5nm〜20nmの凹凸層を堆積し、酸化ケイ素膜中にシリコンを分散させた層を前記凹凸層上に積層し、その後熱処理することによりシリコンを凝集させ、酸化ケイ素膜中にシリコンナノ粒子を形成させる過程を含むものである。
また、本発明の製造方法は、前記凹凸層を形成させる工程において、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する入射方向が、基板の法線に対し斜めになるようにして、酸化ケイ素膜、又は、窒化ケイ素膜、又は酸窒化ケイ素膜を作製し、前記シリコンナノ粒子を形成させる過程において、ターゲットから飛来する被スパッタ粒子の基板面に対する入射方向が、基板の法線に対し斜めになるようにして、シリコンが分散された酸化ケイ素膜を作製することで、その後の熱処理により、均一な粒径のシリコンナノ粒子、さらにはシリコンナノ粒子表面に安定な表面欠陥低減層を形成させ、発光強度の高いシリコンナノ粒子を得ることを特徴とする。
本発明において、均一な粒径のシリコンナノ粒子、その表面に表面欠陥低減層を形成するメカニズムについて以下に述べる。
本発明では、クラスター状のシリコン又はシリコン粒子或いはシリコン原子を絶縁体である酸化ケイ素膜中に含有させ、当該膜中に適度な量の空孔や空隙を導入し、これを介して前記クラスター状のシリコン又はシリコン粒子或いはシリコン原子の拡散を促進し、均一な粒径のシリコンナノ粒子を形成させようとするものである。以下、本発明において、便宜上、酸化ケイ素膜中に含有される前記クラスター状のシリコン又はシリコン粒子或いはシリコン原子を「Si粒子」といい、当該Si粒子を含有させた酸化ケイ素膜を「Si粒子含有酸化ケイ素膜」という。
斜め入射することにより、既に基板上に堆積した被スパッタ粒子自身が、引き続いて基板に飛来する後続の被スパッタ粒子の入射方向に対して影を形成し、影になった部分には後続の被スパッタ粒子は堆積できないため(所謂、自己陰影効果)、堆積しやすい部分と堆積しにくい部分が形成され、その差により表面が凹凸になる。さらに、Siとの親和性が高い酸素や窒素を導入することで、Si粒子が吸着した酸素や窒素にトラップされ、表面で動き難くなるため、前記陰影効果を助長することができ、表面が凹凸になりやすい。凹凸表面にシリコン含有酸化ケイ素膜を、前記と同様に斜め入射することにより、堆積しやすい部分と堆積しにくい部分が形成され、空孔や空隙の多い比較的低密度の膜となる。このような空孔や空隙の多い膜では、その後の熱処理により、酸化ケイ素膜中に含有された前記Si粒子が凝集する過程において、酸化ケイ素膜中の前記Si粒子が空孔や空隙を介して拡散することになるため、シリコンナノ粒子の粒径が均一化し、さらには結晶性も向上することから発光強度が大きくなると考えられる。
基板上に前記方法で作製されたSi粒子含有酸化ケイ素膜を、非酸化性ガス雰囲気で熱処理することにより、当該膜中に粒径1nmから10nmのシリコンナノ粒子を形成させる。特に、前記Si粒子含有酸化ケイ素膜の一部、もしくは全部を、前記非酸化性ガス雰囲気として窒素ガスまたはアンモニアガス等の窒素化合物ガス雰囲気で熱処理することで、シリコンナノ粒子の発光強度がより大きくなる。これは窒素が熱処理の際、前記Si粒子が凝集しナノ粒子が形成すると同時に、膜中への窒素の拡散により、ナノ粒子表面に窒素と酸素を含むシェル層が形成され、前記粒子表面の欠陥を低減したことによる。本発明においては、熱処理前において、Si粒子含有酸化ケイ素膜が空隙を多く含んでおり、雰囲気ガスから窒素が当該膜中に侵入しやすいため、よりその効果が顕在化するものと考えられる。
次に、本発明に係る光変換部材の具体的な製造方法について述べる。
第1ターゲットとして酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))を用いてSiO2等の平滑な透明基板上に凹凸層を形成した後、Si粒子含有酸化ケイ素膜を形成するために酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))等の第2ターゲットを用いるとともに、酸化ケイ素膜中に含有させるシリコン量を制御するために前記第2ターゲット上にシリコンチップを配置してスパッタリングをしても良い。第1ターゲットと第2ターゲットは異なるターゲットでも良いし、同じターゲットでも良い。尚、前記第1ターゲットにシリコンチップを配置し、凹凸層とSi粒子含有酸化ケイ素膜を連続的に形成しても良い。
表面に凹凸を形成させるため、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向が、基板の法線に対し、10°から80°になるようにする。10°未満だと充分な表面粗さが確保できず、80°超だと成膜速度が大きく低下してしまう。
Si粒子含有酸化ケイ素膜の形成においては、適度な空孔や空隙を確保するため、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向が、基板の法線に対し、10°から80°になるようにする。10°未満だと充分な空孔や空隙を形成することができず、一方、80°超だと成膜速度が低下するとともに、空隙が大きくなりすぎて、熱処理時に一部のシリコンナノ粒子のサイズが肥大化したり、前記Si粒子が酸化ケイ素に被覆されていない状態になってしまうため、結果的に蛍光強度が大きくならない。
図1(a)、(b)は本発明に係る光変換部材1の製造方法の一実施形態の概略図である。
図1(a)に示されるように、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含有する雰囲気中で、第1ターゲット10をスパッタリングし、被スパッタ粒子の入射方向を前記SiO基板の法線に対して10°から80°の方向にすることで、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有した凹凸層3bを形成する。
前記凹凸膜の堆積後、図1(b)に示されるように、第2ターゲット10’、もしくは第2ターゲット10’上の複数箇所にシリコンチップ11を配置し、前述の入射方向から基板2上へスパッタリングすることによって、酸化ケイ素膜3中に前記Si粒子4が分散された状態で存在するとともに、空孔や空隙3aが十分に形成される。前記前記Si粒子4は、酸化ケイ素を構成する分子と共有結合しない状態で存在するシリコン原子のみからなる。前記空孔或いは空隙により、後述する熱処理時において前記Si粒子4が凝集してシリコンナノ粒子5が形成される際、そのサイズが均一化され、前記シリコンナノ粒子5は、シリコンからなるコア5bの周囲にキャリア再結合が起きにくいシェル層5aが形成される構造になる。尚、シェル層5aは、後述するN2雰囲気熱処理時に特に形成され易い。また、熱処理をすることで、シリコンナノ粒子含有酸化ケイ素膜の表面が平滑化されるメリットがある。
正対する第1及び第2ターゲット面(以下、第1ターゲット及び第2ターゲットの両方を指す場合、単に「ターゲット」という。)に対して基板を10°から80°に傾斜させて配置する方法は、容易であることや、生産性の点から好適である。また、これ以外の方法として、ターゲットに正対する位置から平行にずらした位置に基板を配置する方法、ターゲットと基板の間にコリメーター(貫通孔を有するマスク)を配置する方法があり、いずれの方法でも良い。
成長中の膜に付着した被スパッタ粒子の易動度(モビリティ)が大きくなりすぎると、表面が平滑化したり、それ自身で空孔や空隙を埋めてしまうことになるので、凹凸層、シリコンナノ粒子含有酸化ケイ素膜の作製時の基板温度は、いずれも300℃以下にすることが必要である。基板を加熱せずに室温でスパッタリングを行った場合、基板がプラズマに晒されると基板温度が上昇、ターゲット印加電力、ガス圧力などのスパッタリングの条件により異なるが、300℃超になることはない。
一方、透明基板の光透過性は、基板表面の凹凸により影響を受ける。透明基板表面の算術平均粗さRaが3nmよりも大きい場合、当該透明基板表面で入射光が反射され易くなり、太陽電池セルへの入射光強度が低下する。従って、太陽電池モジュールの発電効率の観点からは、透明基板の表面が平滑であることが好ましい。
そこで、まず、平滑な透明基板の表面上に所定粗さの凹凸層を堆積し、次いで、前記凹凸層上にSi粒子を含有する酸化ケイ素膜を形成する。
(凹凸層のスパッタリングの条件)
酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含有する雰囲気中で、ターゲットの粒子が前記透明基板の法線に対して10°〜80°の方向から前記透明基板に入射するように、且つ前記基板の温度を300℃以下にして、スパッタリングを行うことによって、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有する凹凸層を堆積する(図1 符号3b)。尚、凹凸層を堆積する際のターゲットは、酸化ケイ素単独でも良く、Si粒子含有酸化ケイ素膜を形成する際に用いた前述したターゲットと同一のものを用いても良い。但し、凹凸層を堆積するスパッタリングの際の雰囲気は、前記Si粒子を酸化ケイ素膜中に含有させる際の雰囲気と異なり、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを必須として含有する。また、前記凹凸層を堆積する際の雰囲気はアルゴンガスを含有し、その全圧を0.3Pa〜1.5Paとし、酸素分圧及び窒素分圧の合計が前記雰囲気の全圧に対して10%〜50%とすることが好ましい。
また、前記凹凸層は、0.1μm〜0.3μmの層厚になるように堆積される。前記凹凸層の層厚が0.1μm未満では、シリコン粒子含有ケイ素膜中に充分な空孔や空隙を形成するための凹凸表面を形成することができない。また、前記凹凸層の層厚が0.3μmを超えると、大きな空隙が発生し、熱処理の際にシリコンが空隙に流出し、前記Si粒子が肥大化してしまったり、酸化ケイ素の中に埋め込まれた状態ではなくなってしまったため、窒素を含むガス雰囲気での熱処理で直接窒素に触れることになるので、窒化してしまい、発光しないものとなってしまう。
(Si粒子含有酸化ケイ素膜のスパッタリングの条件)
次いで、前記凹凸層上に、アルゴン等を含有する不活性ガス雰囲気下で前記凹凸層上に、被スパッタ粒子の入射方向が、前記基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記基板の温度を300℃以下にしてスパッタリングを行い、ターゲットに含まれる成分と同じ成分の薄膜を積層する。
例えば、図1(a)、(b)に示す本発明の一実施形態において、雰囲気ガスとしてアルゴンを用い、第1ターゲット10の成分とシリコンチップの成分であるシリコンの両方を含む薄膜を積層する。尚、第1ターゲット10として、SiO基板を用いても良い。前記不活性ガスには、窒素ガス又は窒素化合物ガスを2体積%以下まで含ませても良い。但し、窒素ガス又は窒素化合物ガスが前記不活性ガスに対して2体積%超含まれる場合、シリコンが窒化されたり、当該膜中に含まれた窒素が、スパッタリング後の熱処理においてシリコンの拡散を抑制し、凝集作用を阻害することになる。その結果、発光強度を低下させてしまう可能性があるので好ましくない。
(スパッタリング後の熱処理の条件)
前記方法で形成されたSi粒子含有酸化ケイ素膜を、非酸化ガス雰囲気で熱処理を行う。非酸化性ガスとして主にアルゴンが選択されるが、窒素ガスまたは窒素化合物ガスが含まれるとより好ましい。前記ガスそれぞれに含まれる窒素原子のモル量や、窒素原子の化学ポテンシャルによって、最適濃度が決まると考えられるが、実験の結果、いずれのガスでも3体積%以上含まれるガス雰囲気にするとより発光強度が向上した。
熱処理温度の下限は酸化ケイ素膜中に含まれた前記Si粒子を比較的短時間でナノサイズ粒子化するのに必要な800℃以上とする。一方、熱処理温度の上限は、酸化ケイ素と前記Si粒子が反応して一酸化ケイ素に変化して前記Si粒子が消失してしまうのを避けるために1350℃以下にする。900℃から1300℃、熱処理時間は10分から120分の間で行うことが好ましいが、発光波長はシリコンナノ粒子の粒径に依存するため、酸化ケイ素膜中に含まれる前記Si粒子の量、被スパッタ粒子の入射方向、基板表面粗さに応じて、熱処理温度、熱処理時間を選択する必要がある。
尚、前記凹凸層を形成させる工程においては、シリコンまたは酸化ケイ素を蒸発源とし、酸素ガスまたは窒素ガスを導入して成膜する真空蒸着法、又はイオンプレーティング法でも良い。
(太陽電池モジュール)
図2は、本発明の光変換部材1を用いた太陽電池モジュールの第1実施形態である。第1実施形態の太陽電池モジュールは、透明基板としてのガラス板2と、前記ガラス板上に形成され、前記シリコンナノ粒子5を含有する酸化ケイ素膜3からなる光変換部材1を備えている。前記光変換部材1は、封止材13内に封入された太陽電池セル21の太陽光入射側に前記酸化ケイ素膜3が接するように配置され、前記ガラス板2の上には太陽電池モジュールの太陽光入射側の最外層として反射防止コート膜22が配置されている。一方、封止材13の他方の側には、裏面側保護部材12が設けられている。
(太陽電池セル)
図3は、本発明の光変換部材1を用いた太陽電池セルの第2実施形態である。第2実施形態の太陽電池セルは、透明基板としてのガラス板2と、前記ガラス板上に形成され、前記シリコンナノ粒子5を含有する酸化ケイ素膜3からなる光変換部材1と、太陽電池セル21とを備え、前記酸化ケイ素膜3が太陽電池セル21に接するように構成されている。尚、太陽電池セル21は、結晶シリコンなどの光吸収層21aと電極21bを備える。
第1実施形態及び第2実施形態において、本発明の光変換部材1は、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに対応するように、入射光の波長スペクトル分布を変換できるので、太陽電池モジュール20又は太陽電池セル21の発電効率を高めることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(光変換部材の製造条件)(試料1〜10)
試料No.1〜10の光変換部材の製造条件を表1−1に示す。尚、試料8〜10は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料1〜7は本発明に対する比較例である。
試料No.1〜8は、マスク(コリメーター)は挿入せずに、ターゲット法線上に近い位置で、且つ法線に対し前記基板を傾斜させて、被スパッタ粒子を斜め入射させる方法とした表1−1の項目「凹凸層」及び「Si粒含有酸化ケイ素膜」の項目「入射方向」の欄に記載された「基板傾斜」))。試料9及び10の基板はターゲット表面と対向し、且つ平行であり、ターゲット法線上に近い位置に設置し、ターゲットからスパッタされた粒子の内、前記基板表面に対し、ある特定の角度を持った被スパッタ粒子のみが飛来できるように、前記基板とターゲットの間にマスクを挿入する方法とした(表1−1の項目「凹凸層」及び「Si粒含有酸化ケイ素膜」の項目「入射方向」の欄に記載された「コリメータ」))。
基板は室温もしくは基板裏面に設置されたヒータで加熱を行い、熱電対により前記基板の裏面温度を計測した。
(凹凸層の形成条件)(試料1〜10)
凹凸層形成用のターゲットとして、直径254mmのSiO円板を用いた。基板はφ13mm、厚さ3mm、表面を光学研磨した算術平均粗さ(Ra)が2nmのSiO円板を使用し、チャンバー内を真空にした後、チャンバー内の雰囲気が表1−1に示すガス組成になるように圧力調整弁にて調整しながら総流量50SCCMのArガス、O2ガス及びN2ガスを前記チャンバー内に導入し、表1−1に示す基板温度にて、表1−1に示す膜厚になるまで前記凹凸層を堆積した。尚、スパッタリングは500Wの高周波電力をターゲットに印加することにより行った。基板の表面粗さと、凹凸層の表面粗さは原子間力顕微鏡(Bruker社製 NanoScope5 Dimension-5000)で15μm×15μmの領域を測定することにより求めた。
(Si粒子含有酸化ケイ素膜の形成条件)(試料1〜10)
前記凹凸層を堆積後、Si粒子含有酸化ケイ素膜を形成するため、前記SiO円板上に7mm角、厚さ1mmの単結晶シリコンチップを均等に並べたものをターゲットとして、シリコン/SiO2比はシリコンチップの枚数により調整した。次いで、Arガス50SCCMを導入し、圧力調整弁にてチャンバー内を0.7Paとした。次いで、スパッタリングは800Wの高周波電力をターゲットに印加することにより行い、前記Si粒子が分散された酸化ケイ素膜の膜厚が1μmになるまでスパッタリングを行った。
前記スパッタリングで形成されたSi粒子含有酸化ケイ素膜は、アルゴンガス雰囲気で850℃で熱処理を行い、当該膜中の前記Si粒子をナノサイズに凝集させた。
試料1は、凹凸層を形成せずに、前記基板を加熱せずにSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、850℃で熱処理を行うことによって製造された。試料2は、前記基板の基板面をターゲット法線に対して5°に傾斜させ、ターゲット法線上に近い位置に設置し、基板を加熱せずに、10体積%の酸素を含有するアルゴン及び酸素からなる雰囲気で凹凸層を形成した後、加熱せずにSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、成膜後に850℃で熱処理したものである。表1−1及び表1−2において、スパッタリングチャンバー内の雰囲気がアルゴンと酸素からなる混合ガスであって、酸素がX体積%の場合、“Ar+Xvol%O2”と記載する。例えば、表1−2中、”Ar+20vol%N2”なる表記は、スパッタリングチャンバー内の雰囲気がアルゴンと窒素からなる混合ガスであって、窒素が20体積%であることを示す。
試料3は、基板を加熱せずに傾斜角度を40°にして凹凸層を形成した後、傾斜角度5°にして基板を加熱せずにSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、850℃で熱処理したものである。試料4は、Si粒子含有酸化ケイ素膜成膜時の傾斜角度を85°にしたこと以外、試料3での製造条件と同じである。試料5は、基板を加熱せずに傾斜角度を40°にして凹凸層を形成した後、傾斜角度40°にして基板を加熱せずにSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、750℃で熱処理したものである。試料6は、基板を400℃に加熱して、傾斜角度を40°にして凹凸層を形成した後、傾斜角度40°にして基板を加熱せずにSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、850℃で熱処理したものである。試料7は、基板を加熱せずに傾斜角度を40°にして凹凸層を形成した後、傾斜角度40°にして基板を400℃に加熱してSi粒子含有酸化ケイ素膜を形成し、850℃で熱処理したものである。
前記の製造条件によって得られた光変換部材に、波長350nmの励起光を照射し、発生する蛍光スペクトルを分光器(浜松ホトニクス社製C10027-02)で測定した。試料1の蛍光ピーク強度を1としたときの試料1〜9の各製造条件での蛍光測定結果を表1−1に示す。
(試料11〜15の製造条件)
熱処理温度により、シリコンナノ粒子の大きさが変わり、蛍光ピーク波長が変わるため、熱処理温度1000℃にした場合での実験も行った。
尚、ターゲット及び基板は、試料1〜10と同様のものが使用され、前記基板を傾斜する方法も、試料1〜10と同様に行われた。試料14、15は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料12、13は本発明に対する比較例であって、凹凸層の膜厚が本発明の範囲外になるように堆積されている。試料11〜15の製造条件と、試料11の蛍光ピーク強度を1としたときの試料12〜15の各製造条件での蛍光測定結果を表1−1に示す。
(試料16〜18の製造条件)
試料17は凹凸層の堆積には試料1〜10と同様のターゲットが使用され、Si粒含有酸化ケイ素膜の積層には、ターゲットとして、直径254mmのSiO円板を用い、当該円板上には前記シリコンチップを配置しないで成膜を行った。試料18は凹凸層の堆積、Si粒含有ケイ素膜の積層とも、前記SiO円板を用いた。基板は、試料1〜10と同様のものが使用され、前記基板を傾斜する方法も、試料1〜10と同様に行われた。試料17、18は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料16は凹凸層を形成せずに、前記SiO円板を用いてSi粒含有ケイ素膜の積層した、本発明に対する比較例である。試料16の蛍光ピーク強度を1としたときの試料17、18の蛍光測定結果を表1−1に示す。
(試料19〜35の製造条件)
熱処理温度を1150℃にした場合で、凹凸層の堆積条件、Si粒子含有酸化ケイ素膜成膜時の傾斜角度、熱処理雰囲気ガス組成の影響を調査した。
尚、ターゲット及び基板は、試料1〜10と同様のものが使用され、前記基板を傾斜する方法も、試料1〜10と同様に行われた。尚、試料25では凹凸層の形成時にはSiO円板をターゲットとし、それ以外の試料では、SiO2円板の上にSiチップをSi粒子含有酸化ケイ素膜成膜時と同じ枚数で設置したものをターゲットとした。試料24〜35は本発明の製造方法によって製造された発明例であり、試料19〜23は本発明に対する比較例である。試料19〜35の製造条件と、試料19の蛍光ピーク強度を1としたときの試料20〜35の各製造条件での蛍光測定結果を表1−2に示す。
Figure 2017098370
Figure 2017098370
試料2と試料8とを製造条件及び蛍光測定結果に関して比較すると、凹凸層の形成時ターゲットの物理蒸着粒子の基板面に対する平均的な入射方向が基板の法線に対して10°未満の場合、他の製造条件が本発明例と同一であっても、凹凸層の表面粗さが確保できないため、蛍光ピーク強度が不十分になることが分かる。
試料5と試料8とを比較すると、非酸化ガス雰囲気で熱処理温度が800℃未満の場合、他の製造条件が本発明例と実質的に同一であっても、蛍光ピーク強度が不十分になることが分かる。
試料6と試料8とを比較すると、凹凸層の堆積する際、基板温度が300℃超の場合、凹凸層の表面粗さが確保できないため、他の製造条件が本発明例と同一であっても、蛍光ピーク強度が不充分になることが分かる。
試料7と試料8とを比較すると、Si粒含有酸化ケイ素膜を成膜する際、基板温度が300℃超の場合、他の製造条件が本発明例と同一であっても、蛍光ピーク強度が不充分になることが分かる。
試料3と試料8とを比較するとともに、試料4と試料8とを比較すると、Si粒含有酸化ケイ素膜を成膜する際、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向が基板の法線に対して10°未満、もしくは80°超の場合、他の製造条件が本発明例と同一であっても、蛍光ピーク強度が不十分になることが分かる。
試料22、23は、凹凸層の堆積の際に導入された酸素量或いは窒素量が乏しく、いずれも蛍光ピーク強度が不十分であった。一方、試料18は、凹凸層の堆積の際に導入された酸素量或いは窒素量が過多であり、蛍光ピーク強度が不十分であった。
試料12は、凹凸層の層厚が0.1μm未満のものであり、試料13は、凹凸層の層厚が0.3μm超のものである。これらは、いずれも蛍光ピーク強度が不十分であった。
これに対し、本発明例である試料8〜10、14、15、17、18、24〜35は比較対象とされる試料に対して、少なくとも70%以上の蛍光ピーク強度の増加がある。特に、試料25〜35は、ターゲットの被スパッタ粒子の基板面に対する平均的な入射方向の条件を満たすことに加えて、凹凸層形成時の酸素又は窒素ガスを含む雰囲気、膜厚と、窒素ガスまたは窒素化合物ガスを含むガス雰囲気で熱処理が好適な温度範囲で行われており、比較対象とされる試料に対して少なくとも2倍程度の蛍光強度を有していることが分かる。
また、本発明によれば、シリコンナノ粒子の蛍光ピーク強度の波長を600nm〜820nmの広い範囲にわたって調整できることが示された。
図4は、本発明例である試料26及び試料34と、比較例である試料19のそれぞれに350nmの励起光を入射したときの、それぞれの試料から得られた蛍光スペクトルの測定結果である。図4に示されるように、本発明の光変換部材は、蛍光スペクトルが検出される全波長領域において比較例に比べて発光強度が高く、特に、最も強い蛍光強度を与える波長において、各段に高いことが分かる。
また、試料26と試料34の断面を、透過電子顕微鏡(日本電子製 JEM2100)で観察した。シリコンナノ粒子含有ケイ素膜には粒径1nm〜10nmシリコン粒子が多数存在することが確認され、シリコンナノ粒子が存在する領域と存在しない領域の界面から、凹凸層の表面粗さを計測することができた。試料26及び試料34のいずれについても、前記断面から計測された凹凸層の表面粗さは、表1−2の凹凸層の表面粗さとほぼ同じであった。
以上の結果から、本発明によれば、それぞれの波長でより発光強度が高い光変換部材を簡易で、生産性を低下させることなく、比較的安価に製造することができることが示された。また、本発明によれば、太陽電池を構成する半導体の光吸収スペクトルに対応して太陽電池モジュールの発電効率を高めることができることが示された。
本発明に係る光変換部材は、太陽電池モジュールもしくは太陽電池セルに好適に用いることができる。
1 光変換部材
2 平滑な透明基板(ガラス板)
3 酸化ケイ素膜
3a 空孔或いは空隙
3b 凹凸層
4 Si粒子
5 シリコンナノ粒子
5a シェル層
5b シリコンコア
10 第1ターゲット
10’ 第2ターゲット
11 シリコンチップ
12 裏面側保護部材
13 封止材
20 太陽電池モジュール
21 太陽電池セル
21a 発電層(結晶Si等)
21b 電極
22 反射防止コート

Claims (13)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板の一方の面上に堆積され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有する0.1μm〜0.3μmの層厚の算術平均粗さ5nm〜20nmの凹凸層と、
    前記凹凸層上に積層され、粒径1nm〜10nmのシリコンナノ粒子が分散された酸化ケイ素膜とを備え、
    前記シリコンナノ粒子は、シリコンからなるシリコンコアと、当該シリコンコアの周囲に形成され、酸素及び窒素のうち少なくとも1種及びケイ素を含有するシェル層とからなることを特徴とする光変換部材。
  2. 前記透明基板表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光変換部材。
  3. 前記透明基板は、SiOからなる基板であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光変換部材。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光変換部材がその表面上に積層されたことを特徴とする太陽電池セル。
  5. 請求項4に記載の太陽電池セルを備えることを特徴とする太陽電池モジュール。
  6. 少なくとも酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))を含むターゲットを用いて、透明基板の一方の面上に、ターゲットの被スパッタ粒子の入射方向が、前記透明基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記透明基板の温度を300℃以下にして、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかを含有する雰囲気中でスパッタリングを行って、0.1μm〜0.3μmの層厚の凹凸層を堆積し、
    次いで、不活性ガス雰囲気下で前記凹凸層上に、前記被スパッタ粒子の入射方向が、前記透明基板の法線に対して10°から80°になるようにして、且つ前記基板の温度を300℃以下にしてスパッタリングを行い、
    その後、非酸化雰囲気で800℃から1350℃で熱処理することを特徴とする光変換部材の製造方法。
  7. 酸化ケイ素(SiOx(0.5≦x≦2))からなる基板上にシリコンチップを配置したターゲットを用いてスパッタリングを行うことを特徴とする請求項6に記載の光変換部材の製造方法。
  8. 前記凹凸層を堆積する際の雰囲気は、酸素及び窒素のうち少なくともいずれかとアルゴンガスを含有し、
    前記雰囲気の全圧は、0.3Pa〜1.5Paであって、
    酸素分圧及び窒素分圧の合計が前記雰囲気の全圧に対して10%〜50%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の光変換部材の製造方法。
  9. 前記スパッタリングにおいて、正対するターゲット面に対し、前記透明基板表面を10°から80°に傾斜させることによりターゲットからの被スパッタ粒子の入射方向を制御することを特徴とする請求項6〜8のうちいずれか1項に記載の光変換部材の製造方法。
  10. 前記熱処理を、900℃以上1300℃以下の温度、且つ10分以上120分以下の範囲で行うことを特徴とする請求項6〜9のうちいずれか1項に記載の光変換部材の製造方法。
  11. 前記熱処理を、窒素ガスまたは窒素化合物ガスが3体積%以上含まれるガス雰囲気にして行うことを特徴とする請求項6〜10のうちいずれか1項に記載の光変換部材の製造方法。
  12. 前記透明基板表面の算術平均粗さRaが5nm以下であることを特徴とする請求項6〜11のうちいずれか1項に記載の光変換部材の製造方法。
  13. 前記透明基板は、SiOからなる基板であることを特徴とする請求項6〜12のうちいずれか1項に記載の光変換部材の製造方法。
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